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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第87話☆

1 名前:新暦87年 高町なのは、31歳:2008/10/22(水) 00:28:51 ID:ualRt3Kd
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>>2




2 名前:まだ魔法少女続けてます:2008/10/22(水) 00:31:09 ID:ualRt3Kd
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第86話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1223216594/

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 http://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
  (用語集・人物・魔法・時系列考察などさまざまな情報有)
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/date_SSX.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/   (wiki)




3 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 00:37:21 ID:prFsPC8n
                 / / //    `ヾヽヽ          ,. -―_..ニ=-
                 /  / / /         ヾ        /,. ----`=-
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             ト、 |   |/ /      r'ヽ、            //
             ヽヽ ! r'  l ,二ニヽ |⌒゙`|   ,.イ,.イ  //      __/ヽ _
          ,. ---ヽ `Y /'´ ̄ `丶、!ヘ:r、| ,.イ/ /  //      _lri⌒`丶レl
         /-‐_==-           `ヽ |/ /  / / /       l/'´   ,ハ1/!,r'! _
       '´, '´ , -                 ヽ/ ノ//,.ィ     r_ニY    /::::::`ヽ/⌒ヽ'-、
          /  /  ,          - 、   ∨/__// /    l7´  |    /:::::::::/    ヽ'-、
       / ,.イ  /           \   !'ー―-'- 、/   ,イ     !   l::::::::/     ,rァヽ'、
       l/ l  ,イ  l-l‐ト!、 ト、 _、__、__ ヽヽヽ ト-----; 、ヽ、___Y,. --、__ !    !::::/        lフ
         ヽN l ト、Nリィ;、ヾ ´,ゞ=、ト、 ! ト、!`/    // ``ヽヽヽ    ̄ `丶、 ',:::!         ヽフ
            ヾ / 〉ヒl   ト':::_ト、リ',r'´}/  ___//   ノ::,! ヽ       ト、::!         ,イ
             / ∧ 、   ヽ_ソ '//__ノ  | r--'    ヽ::ヽヽ ト、      ! `        ,イ'
             リ | \‘'     _リ|イ ,r;==' '---,、    ヽ::',}  !       !        /-'
             ヾ   `ー ' ´ リ-、||        l Y   }:::}  |            ヽァゥ、ト'
                       |:::ヽ       ノ  l、  /:::/ /_ノ-'、         ,!、
                       7_:::ヽ  /  /  \:/―'ヽ   ヽー、_     ,イ- '
\                       '---V´__,ィ´     ``!  ト;、ァ、ァト'ヾ、_, イ-r'__
:::::ヽ  ,. ヘ`ヽ                     ヽ/l_,r'´   |         ヽ'`´ゝ'ヽト、
;;::::::::Y   !  ヽ                       }     |            `ヾ´/j )
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;;;;;;;::::l!   l    ト、`丶、                  ,r'ニ.._ー- 、/::!              ヾ-'
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;;::::::/   /    !  | `丶、ヽ             /__:::::::::::::::::r/、

>>1

4 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 02:44:53 ID:TJ0YjzIk
>>1
なのはさんじゅういっさいか

5 名前:B・A:2008/10/22(水) 03:51:46 ID:xBOSGzQw
>>1
乙です。
そして埋めネタのつもりが容量オーバーしたのでこっちに投下します。
エリキャロにリベンジです。


注意事項
・エリオ×キャロ
・キャロが匂いフェチ(というかエリオフェチ)でマゾっ娘になっています。
・鬼畜度合いは低め、限りなく純愛、そして変態
・内容なんてあってないようなもの
・驚異のエアリード力を持つ竜、その名はフリード
・タイトルは「変態宣言」

6 名前:変態宣言@:2008/10/22(水) 03:52:19 ID:xBOSGzQw
午前中の業務を終えたキャロは、自分のデスクで思いっきり腕を伸ばして凝り固まった筋肉を解した。
本日の業務はこれで終了、ライトニング分隊は午後から休みとなっているので、久しぶりにゆっくりと過ごすことができる。

「エリオくん、お昼一緒に・・・・あれ?」

隣のデスクを覗くが、そこにエリオの姿はなかった。机の上は彼らしく几帳面に片付けられており、さっきまで人が座っていたとは思えないくらい冷えきっている。

「エリオなら、昼休み入るなりどっか行っちゃったよ」

向かい側に座るスバルがモニターから目を反らさずに言った。苦手なデスクワークに苦戦しているのか、声が少しだけ固くなっている。

「どこに行くとか、聞いていませんか?」

「ううん。けど、お昼だし食堂じゃないかな?」

「わかりました、探してみます」

自分のデスクの上を片付け、スバル達に一礼してキャロはオフィスを後にする。
その背後では、いつまでも終わらない仕事に根を上げたスバルがティアナに泣きついていた。





残念なことにエリオは食堂におらず、寮の自室にも戻っていなかった。ただ、外には出かけていないようなので、隊舎の敷地内にいることは間違いないようだ。

「エリオくん、どこに行っちゃったんだろうね?」

「きゃふぅ・・・・きゅ?」

「フリード?」

頭の周りを飛んでいたフリードが、不意に何かを感じ取って寮の反対側へと飛んでいく。
慌てて後を追いかけると、フリードは空き地の一角の茂みの上で旋回していた。どうやら、そこを調べろと訴えているようだ。

「エリオくん、そこにいるの?」

「きゃふぅ」

「え、静かにしろって?」

言われた通り口をつぐみ、キャロは音を立てないよう静かに茂みをかき分ける。すると、寮の壁にもたれかかって寝息を立てている少年の姿が目に入った。

(あ、エリオくんだ)

眠っていたのはエリオだった。素振りでもしていたのか、着ているのは制服ではなく訓練用のジャージであり、
足下にはスピーアフォルムのストラーダが無造作に転がっている。きっと、休んでいる内に眠りこけてしまったのだろう。

(ひょっとして、お昼も食べずに練習していたのかな?)

そう言えば、エリオは機動六課への配属が初めての仕事であり、自分達と違って局の仕事を他に経験していないことを気にして密かに訓練していたのかもしれない。
生真面目な上にひたむきな性格なので、時間を忘れて訓練に没頭している姿は容易に想像できた。
そうして何気なく寝入っているエリオを観察していると、不意に彼の白いうなじが目に入った。
エリオは男の子の割に線が細く、見ようによっては女の子に見えなくもない。だが、鍛練による高揚と降り注ぐ日光によって浮き出た汗に彩られた姿は
紛れもなく男の色香に満ちている。色白の肌はほんのりと赤くなっていて、顔を近づければ突き刺さるような汗の匂いを否が応にも嗅ぎとってしまう。

7 名前:変態宣言A:2008/10/22(水) 03:53:42 ID:xBOSGzQw
(エリオくんの・・・・・・汗の匂いだ・・・・・・・・・)

いけないことをしているかのように鼓動が跳ね上がった。
気づけばエリオの首筋が間近まで迫っている。風に漂う汗の匂いはどんどん強くなっていき、キャロの後頭部をガンガンと打ちつけてくる。
目が離せなかった。
声も出なかった。
ただ汗の滲んだうなじだけが視界に映っていて、他は何もない。
この瞬間、エリオが目を覚ましたらどうしようなどという考えすら浮かばなかった。きっと、無防備な寝顔を晒す彼の姿を見た瞬間から、
自分は呆けていたのだろう。だから、ごく自然にその首筋に舌を這わせることができた。

(エリオくんの・・・・・味だ・・・・・・・・)

しょっぱい感覚が舌全体に広がり、頭の中が何だかボーっと熱くなってきた。心臓は早鐘を打ち、込み上げてくる血流が
血管の内側から体を痛めつける。

(エリオくんだ・・・・・エリオくんの汗・・・・・・エリオくんの味がする・・・・・・・・)

何も考えられず、一心不乱にエリオの首筋に舌を這わす。滲む汗を舐めとり、自分の唾液で汚れてしまった首を綺麗にしようとまた舌を這わす、その繰り返しだ。
異常な興奮に胸の奥はジンジンするし、下腹部が熱く疼き始めている。汗のせいか、下着の中までじっとりと湿っている気がした。

「うううん・・・・・・・・・キャロ?」

「・・・・・はうあ?」

胡乱気に瞼を開いたエリオと目が合った。
一瞬、どうしようと疑問が浮かぶ。だが、視線は彼の小さな唇へと注がれ、腕は自然と彼の後頭部に回されている。
そして、淀みのない手つきでエリオの顔を引き寄せると、キャロは自らの唇をエリオの唇に重ねてしまった。
そこで初めて、エリオの意識が完全に覚醒する。
驚きで目が見開き、自分よりも少しだけ大きな体が僅かに揺らいだ。けれど、すぐに観念したのか押し込まれる舌を従順に受け入れ、
そのままキャロは覆いかぶさるようにエリオの体を地面の上に押し倒した。

「はあ・・・・はあ・・・・エリオくん・・・・エリオくんの涎・・・・エリオくんの味がするの・・・・・・・・・」

「キャロ、がっつかなくても僕はどこにもいかないよ」

しきりに顔を舐めてくるキャロに言い聞かせるように囁き、エリオは彼女の柔らかい髪の毛を指先で弄ぶ。

「ここだと誰かに見つかるかもしれないし、部屋に行こうか。そっちの方が、もっと色々できるけど、どうする?」

エリオはからかうように耳たぶを甘噛みし、軽く息を吹きかけてくる。たったそれだけで、キャロの理性は熱した飴のように蕩けていった。

「うん・・・・・エリオくんのお部屋、連れて行って・・・・・・・」

エリオと一緒にいられる。ただそれだけが、今のキャロの頭の中を埋め尽くしていた。





無造作にベッドの上に転がされたキャロに、エリオは覆いかぶさる。
2人の顔が間近に迫り、ズボン越しにいきり立ったエリオの一物が熱を発しながら股間にすり寄ってくる。
互いの息を鼻先で感じ取り、どちらからというでなく唇を重ねる。
流し込まれる唾液が脳髄を溶かし、舌を絡めながらお互いの性器を擦りつける。
エリオはシャワーを浴びておらず、強烈な汗と雄の香りが部屋一杯に広がっていた。むせ返るようなその匂いにキャロは酔いしれ、
トロンと呆けた瞳でもの欲しそうにエリオを見上げる。僅かに開いた口からは可愛らしいピンク色の舌が覗いており、吐く息は痛いくらい熱い。
耳に聞こえる鼓動がどちらのものなのか、それすらも定かではなかった。

8 名前:変態宣言B:2008/10/22(水) 03:54:30 ID:xBOSGzQw
「キャロのここ、もうぐっしょりだね」

「いやぁ・・・・恥ずかしい」

「恥ずかしい? 僕の汗の匂いに興奮していたのに?」

「だって、エリオくんの匂い、好きなんだもん」

「匂いでここまで濡れちゃうんだもん、キャロは立派な変態さんだ」

「エリオくんは、変態さんは嫌い?」

「僕がキャロを嫌うと思う?」

「思わない」

「それが正解」

くすりと笑い、エリオは染みのついたキャロのショーツを脱がせてまだ毛の生え揃っていない割れ目を露にする。
無毛な三角地帯は滴る愛液で洪水を起こしており、離れていても雌の香りが漂ってくる。その小さな割れ目を、エリオはわざと音を立てながらしゃぶりついた。

「んうあぁ! エ、エリオくん・・・・・・音なんか立てちゃダメぇ・・・・・・」

「嫌なの?」

ほくそ笑みながら、エリオはさっきよりも大きな音を立てて愛液を吸い上げる。口の中一杯にしょっぱい味が広がるが、
キャロの体から出たものだと思えば苦にならなかった。

「キャロだって僕のこといっぱい舐めたんだから、おあいこだよ」

「んああぁ・・・あああ・・・・けどぉ・・・そこ・・・そこはぁ・・・・ああ・あ・・・・・・・」

「気持ち良かったら好きなだけ叫んで良いよ。防音はしっかりされているから」

「ああ・・・・あはふあ・・・・うあ・・あ・あ・・・あああ・・・・・」

足をつま先までピンと伸ばしながら、キャロはエリオの愛撫によがり声を上げる。
口では否定していても、体は彼を求めて疼いていた。口だけでなく、彼の固い肉棒で疼きの中心を乱暴にかき回して欲しい。
力任せに押さえつけられ、みっともない獣の態勢で犯してもらいたい。むくむくと起き上がる背徳的な感情に翻弄され、
キャロはシーツの皺を握り締めて悶えるしかなかった。

「キャロ、して欲しいことがあったらちゃんと口にしなきゃ駄目だよ」

「ううああ・・ああん・・・ああ・・ああ・・・・・・」

「ほら、キャロ」

皮をめくったクリトリスをピンと弾かれ、キャロは上ずった声を上げて身を捩る。
理性の限界だった。
体裁なんて気にしていられない。
下腹部が疼いて堪らないのだ。
だから、震える腕で体を支え、四つん這いの姿勢を取って小さな尻を高々とエリオに掲げる。

「入れて・・・・・エリオくんのおチ○チンで・・・・・・気持ち良くさせて・・・・・・・」

尻肉が掴まれ、濡れそぼった秘唇に亀頭が擦りつけられる。
ほんの少し擦れただけで、キャロは淫らに尻を振って悦びを訴えた。何度エリオに抱かれても、この瞬間の緊張はひとしおだった。
これから嫌だと首を振っても無理やり犯されるのだと思うと、それだけで胸が熱くなって股間が疼くのだ。

9 名前:変態宣言C:2008/10/22(水) 03:56:15 ID:xBOSGzQw
「来てぇ、エリオくん」

「うん、いくよ」

エリオが腰を突き入れると、何の抵抗もなくキャロの秘唇は肉棒を飲み込んだ。
子宮ごと腰を持ち上げられるかのような感覚に、キャロは思わず喉から絞り出すように声を漏らす。

「あああんんっ!!」

「ぐぅっ・・・・今日は、一段とぬるぬるしていて、気持ち良い」

「ほ、本当? エリオくん、気持ち良いの?」

「う、うん・・・・う、動いて良い?」

「良いよ、エリオくんのしたいように犯して良いから・・・ああ・あ・・あ」

キャロが言い終わる前に、エリオは小さな尻を捕まえて思いっきり突きまくった。
うねりを上げる膣壁は押し入ろうとするとグニャグニャと揺れながら肉棒を飲み込み、抜こうとすると逃がすまいと締め付けてくる。
狭い膣の中はきつくて燃える様に熱く、突き入れる度に鳴き声を上げるキャロの姿にエリオの興奮はどんどん高まっていった。

「ああん・・・ああぁっ・・・良い・・・・エリオくん・・・・ううぅんああ・・・良いよ・・・」

「キャロ・・・・キャロ、だあ・・・あああ・・・ううああ・・・ああ・・・」

まるで獣のように雄叫びを上げながら、エリオはキャロの膣の中を引っかき回す。
半ば無意識に白い臀部を平手で引っ叩くと、甘えるような嬌声がキャロの口から漏れ出てきた。

「うううん・・あ・あ・・・・エリオくん、叩いて・・・・もっと引っ叩いてぇ・・・・・・」

「はああ・・・ああぁぁ・・ああ・・・こう? もっと強くした方が良い?」

「う、うん・・・してぇ・・・・もっと強く・・・真っ赤になるまでしてぇ・・・・苛めてぇ・・・・」

「痛いのが良いの? これが良いのかい? お尻引っ叩かれて、キャロは感じちゃう変態なの!?」

「は、はいぃ・・・・変態です・・・・・変態召喚師です・・・・・わんちゃんの格好で犯されて感じちゃう変態なんですぅ!」

狂ったように泣き喚きながら、キャロは絶頂へと登り詰めていった。
どんなに歯を食いしばっても嬌声が漏れることを止めることはできず、淫らな言葉がより一層被虐心を駆り立てていく。


10 名前:変態宣言D:2008/10/22(水) 03:57:49 ID:xBOSGzQw
「あっ・・・・いくっ・・・・オマ○コ壊れちゃう・・・・エリオくん・・・・・エリオくんのチ○ポミルク、膣にいっぱい射精してぇ!!」

膣の粘膜が凄い勢いで吸いつき、エリオの肉棒を締め上げる。がっちりとホールドされた肉棒はまるで風船のように膨れ上がり、
エリオは切羽詰った声を上げてキャロの細い体を抱き締めた。

「い、いくよぉ、キャロぉっ!!」

「う、うん・・・・きてぇ・・・・」

感極まった声を合図に、キャロの子宮に熱い迸りが放たれる。
大量の精液を注がれたことで、キャロの性感は一気に燃え上がり、まるで谷底に突き落とされたかのようなエクスタシーが脳天を直撃した。
そして四肢をピンと伸ばして弓反りに背を曲げて、どくどくと流れ込む恋人の精液に酔いしれる。

「はあ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・い、いっちゃった・・・・・・」

「うん。お尻叩かれながらいっちゃった・・・・わたし、本当に変態だね?」

「僕はそんなキャロが可愛くてしかたないけどね」

「じゃ、エリオくんも変態さんだ」

「うん、僕も変態だ。キャロのことたくさん愛せるなら、変態でも良いよ」

繋がり合ったまま、お互いに唇を重ねる。
今日はこのまま部屋から出ずに、ずっと愛し合っていよう。どちらかの体力が尽きるまで交り合って、一休みしたらまた愛し合う。
時間が許す限りお互いの熱を感じ合おう。
再び固くなったエリオの肉棒が動き出したことに、キャロは頬を綻ばせることを禁じ得なかった。


                                                                      おわり

11 名前:B・A:2008/10/22(水) 03:58:40 ID:xBOSGzQw
以上です。
コンセプトは変態キャロと鬼畜じゃないエロオ。
純愛純愛と悩んでいたら最初の汗を舐めるシーンが思いついたので後はちゃちゃっとできました。
やっぱり導入は大切だ。


12 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 09:57:02 ID:UtZwjzsP
GJ!!
ひたすらのひたむきな純愛…たまりません
そしてグッドエロス!
個人的にはエリオはこのとおりSの騎士様だと思うのですよ
B・A氏のエリキャロ分堪能させて頂きました


13 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 16:40:29 ID:MvlJzdJI
GJJJJJJJ!!!!!!

14 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 18:03:48 ID:JapER8Hq
オマ○コ壊れちゃう1乙!

15 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 18:55:14 ID:C2KNRpxM
なのはさんいくつまで魔法少女なんだろ

16 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 19:02:35 ID:N/nfeNsO
無論 死ぬまで

17 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 19:06:38 ID:rfHdAf7B
か……漢だ……

18 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 19:40:40 ID:i89WRbYN
GJ!!!
こういうの待ってたんだぜ〜

19 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 19:57:34 ID:fgPPBSEF
いや『一応』女の子だからwww

……たぶん。

20 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 20:23:22 ID:B0FQMwm2
>>11
GJ!!!!!
いちゃエロエリキャロオオオオオオオおおオオ最高おおおオオ!!!!
エリキャロの長編も期待して・・・いえいえ何でも
エリルー時空のエリオがこちらのキャロと同じようにメロメロにしてMキャロ、ルーを攻め立てる姿が浮かんで仕方ないぜ
いやこちらのエリオがルーちゃんを調教すれば何ら問題がなくなる!

21 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 20:45:16 ID:kBNYmEUq
>>11
バカップルながらアブノーマルなエリキャロGJ!!なんだか、この二人はアブノーマルでも微笑ましいぜww

>>15
少女・・・さすがにStSぐらいの年で“魔法少女”ってのh(略

22 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 20:57:42 ID:+YGbcqcI
十歳で魔法少女、ママでも魔法少女……ということか

23 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 21:18:03 ID:MWUJgzR1
>>22
世の中には奥様は魔法少女という作品があってだな

24 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 21:20:52 ID:VTPej14V
>>23
なのはさんもその人も、中の人が永遠の17歳だしな
うん、4期だろうが5期だろうが魔法少女だ!万歳!

25 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 00:17:25 ID:j7xNQn1Z
魔法熟女
魔法老女
たぶんあの世界なら見た目はずっと変わらないよ。

26 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 00:40:26 ID:UmOAuzjx
>魔法老女
テーレッテレー的な何かか

27 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 00:57:36 ID:cqn1DMqF
>>25
「魔女」でいいじゃん
リンディ提督だと未亡人魔女か…なんか無駄にエロくなったのは気のせいだなw

28 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:26:47 ID:CzehO36C
ハロウィンパーティをすることになって予想以上に童話の悪い魔女が似合っている自分に落ち込むプレシアを幻視した。

29 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:38:15 ID:f5uVAo2s
魔女リリカルなのは が1体出た!

30 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:58:54 ID:aatNkNmT
コマンド?

31 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 02:00:59 ID:iY628DM+
うーん、魔女を名乗るには魔法少女組は色気が足りないと思うんだ。
まあリンディさんやプレシアさん熟女組、あとシャマルはアリだが。
フェイトやシグナムはエロいがそういう妖艶さが足りないし、他は問題外。

まあ比喩的な意味で魔女ならすずかやナンバーズの一部も入るが。

32 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 03:19:32 ID:XQ+jkaZ8
魔法老女で曽我町子さん思い出した……あの人はホントに魔女そのものだったわ

33 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 04:27:36 ID:RgH2hiVU
>>26
世界不思議発見を思い出した。

34 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 08:30:06 ID:juHeli7V
ここは携帯からの投下って駄目なんですよね?

35 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 08:37:39 ID:3JgU8syE
>>34
改行と投下間隔のコントロールがPC並みに出来るなら構わないと思うが

36 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 08:57:19 ID:5IqQpwE+
>>11
二人とも相手のことが好きすぎて溺れてる感じがすごく出ていてそこがまたいい
エリルー同様、すごく良かった…
GJ!

37 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 11:02:34 ID:LCsIOR82
>>34
携帯でも全く問題ない
ただ注意書きには併記しといた方がいいかも知れんが

38 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 13:26:49 ID:HdgbmkOQ
子犬フォームのザフィーラとヴィータは胴体部分がほぼ同じサイズな事に気がついた。
ザフィーラ×ヴィータは体格差ありすぎてヴィータが壊れそうで心配だったけど、
これからは子犬フォームで安心安全に獣姦できるね!

39 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 14:08:30 ID:KGSs+6+i
>>38
何というさわやかに鬼畜なことを・・・

いいぞもっとやれw

40 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 16:24:39 ID:Jyaz1CwX
リインにはフェレット、
ヴィータには子犬フォーム。

41 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 16:37:38 ID:D6+J2j3N
このスレは変態しかいないお
怖いお

42 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 16:38:35 ID:/sT2FEOc
ここのSSはどれもカスばっかだなwwwwwwwwwww
これでも見習えwwwww
http://87.xmbs.jp/nannha/

43 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 17:04:07 ID:19WVcCob
>>42
最低書こうと思ってる人は参考にされるよろし

44 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 17:39:21 ID:mjtdd/Tz
>>42
死ね

45 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 17:39:40 ID:D6+J2j3N
おりきゃr

46 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 17:47:29 ID:Jyaz1CwX
二次元創作小説ってなんだwww

47 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 18:09:33 ID:TFTYqSgT
そろそろアルカディア氏の尻を……いや、なんでもない

48 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 19:15:38 ID:2ePt2wGn
>>42-43 >>45-46
自演乙

49 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 19:59:42 ID:nZJZjv4x
B・A氏GJ!!!!
リクしてみて本当に良かったです。
こっちの世界のキャロはエリオと結ばれて幸せいっぱいでラブラブエロエロで素晴らしく満足。
そしていつの間にか子供ができてしまって、エリオは自分の産まれの事で(ry

50 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 21:34:55 ID:diMQL1Ll
>>42
これはひどいwwwww

51 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 21:35:08 ID:DvDMQ8Ww
B.A氏GJでした!!
うおお、エリキャロをリクエストして本当に良かった!!
でも2人ともHすぎるぜw

52 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 21:50:06 ID:LCsIOR82
このスレはただでさえ他所の話題厳禁だってのに
スルー出来ないどころか中傷までしてる奴らなんなの?
関係ないとこ晒す奴はもちろん、それに乗るやつも荒らしだぞ

53 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 22:10:42 ID:NRc7KjJa
貼ってるやつも、笑いものにして反応してるやつも半角で草生やしてるな
多分自演だろ。というか、そう思いたい。

54 名前:アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/10/23(木) 22:34:02 ID:djhoRVMS
>>47
 尻叩き有難うございます。スパンキングが好きなので泣いて悦びます。
 執筆時間が取れなくてハレー彗星並みの投下速度に……と、嘆いても仕方ないので、息抜きに受信した電波を。

 
「アギト、おはようですぅ」

 ある早朝。
 眠い眼を擦りながら、ふよふよと六課の隊舎を漂っていたアギトは、背後からそんな挨拶を聞いた。

「なんだ、バッテンチビか。おはよーさん……え?」

 振り向いた背後には、そこに在るべき自分と同じ30pサイズの少女の姿が無かった。
 そこに居たのは、機動六課のサイズをぴったりと着こなし、地に足をつけた等身大のリインフォースU空曹長だ。
 目を点にして、ぱくぱくと口を動かすアギトに、リインは胸を張って告げた。

「ふふ〜ん。これからはやてちゃんのお使いで、ちょっと鳴海にまで行ってくるですぅ!
 これで、もうバッテンチビなんて言わせないですよう!」
「けっ、ちょっと変身魔法使ってるだけだろ! あたしにその程度が出来ないと思ってんのかよ!
 ―――変・身・!」

 アギトの体が光に包まれ、たちまち彼女も等身大の姿へと変化した。

「へへ〜ん、あたしの方がちょっぴり背が高いぜ!
 変身魔法程度で大威張りなんで、やっぱりお前はガキんちょだな、バッテンチビ!」
「そんなことないでぅ! リインはもう立派な大人ですぅ!」

 そんな、いつもと同じ喧々諤々をやっていると、背後から「うわっ」という驚愕の声が響いた。

「ア、アギトさん、なんて格好してるんですか―――」

 ビキニ水着を連想させるアギトの格好は、等身大となった今、扇情的な小悪魔の衣装だ。
 顔を真っ赤にして目を背けながら、ちらちらと横目でその姿を伺っているのは。
 朝立ちを鎮めようとこっそりと男子便所へと向かおうとしていた、エリオ・モンディアル少年(10)だ。

「どうだ、バッテンチビ。あたしの方が大人の魅力に溢れてるってことだろ、これは?」
「ち、違いますぅ! アギトはただHな格好をしてるだけるだけですぅ!
 リインは知ってるですよ! 本当の大人は、こんなことが出来る人のことを言うですぅ!」

 リインは控えめな少年の股間の隆起に手を伸ばし―――(中略)

「いいぜ、バッテンチビ、その勝負受けて立ってやる! おい、エリオ、お前の部屋に案内しろよ。決着はベッドの上だ」
「は、はいい」

 エリオは怒涛の展開について行けず、ただ真っ赤な顔をぶんぶんと縦に振った。
 そして三人は――――――(予告編・END)


 どなたかお暇な職人様が書いて下されば嬉しいなー、とか馬鹿なことを考えたり。
 プロットは大量にあるのですが、なかなか執筆出来ないので、厳選したものをお届けできれば、と思っております。
 月刊ペースではなく、せめて隔週でお届け出来るよう努力致します。

55 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 23:10:30 ID:5E9XFxUD
>ちょっと鳴海にまで行ってくるです


名古屋?(´・ω・`)

56 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 23:56:45 ID:LAMyUbWM
>>47
てっきりアルカディア氏の尻を狙ってるのかと思った

57 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 01:45:46 ID:vnHeIxmL
アルカディア氏…
な、なんて土産を置いていくんだ…
もうその予告編だけでwktkが凄いことに!
こ、これはもう誰かに書いて頂かねば!
他力本願で申し訳ありませんが、氏が無理であるなら、是非B・A氏に引きついでもらいたいです!!

58 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 04:57:44 ID:V82e4HWO
>>54
お体を第一に自分のペースで続けてください
そして良い電波をありがとうございます
この電波だけで数日は持ちそうです
ですが、やはり全部見たいと思ってしまうのが男のサガ
本人か他の職人様が加筆してくださると…もう……

59 名前:B・A:2008/10/24(金) 14:42:53 ID:jIU7Uzlq
>>57
って僕ですか!?
来週から忙しいから書けるかな・・・・でも何か電波が・・・・・。
ちょっと時間かければいけるかな?
とりあえず、エリキャロ一本投下します。



注意事項
・エリオ×キャロ
・エロです
・この物語は糖分過多です。甘いお話が苦手な方はお気をつけください
・タイトルは「エリオとキャロのシュガーライフ」

60 名前:エリオとキャロのシュガーライフ@:2008/10/24(金) 14:43:37 ID:jIU7Uzlq
窓から差し込んだ日差しが顔に当たり、エリオは眩しさで寝返りを打った。
段々と寒くなってきているので、布団から出るのが億劫だった。できることなら仕事なんか休んで一日中ゴロゴロしていたい。
もちろん、それはあくまで願望であってエリオはそこまで怠け者ではなかった。

「うぅ・・・・起きなきゃ・・・けど、ねむ・・・・い・・・・」

心地よいまどろみを名残惜しみながら、エリオは腕の中の抱き枕を抱き締める。すると、お餅のような柔らかい弾力が伝わり、
仄かにフローラルなシャンプーの香りが鼻腔をくすぐった。

「うんん・・・・エリオくん・・・・苦しい・・・」

「あ、ごめん。起きていたんだ」

キャロが苦しげに息を漏らしたのを見て、エリオは抱き締めていた腕の力を少し緩めた。

「これで良い?」

「うん・・・エリオくんの体、温かいね」

「キャロも柔らかくって、こうしているとヌイグルミみたいだ」

「それ、わたしがポッチャリしているってこと?」

「ううん、ヌイグルミみたいに可愛いってこと」

微笑み、エリオは片膝でキャロの股関を押し広げながら白いうなじに舌を這わせた。

「あぁ・・・・するの?」

「ダメ?」

「早朝訓練、始まっちゃうよ」

「まだ40分くらい時間があるから、一回くらい大丈夫だよ。それに、キャロも満更じゃないみたいだし」

ぐじぐじと股関に擦りつけているエリオの膝は、漏れ出たキャロの愛液でジンワリと湿っていた。

「ね、一回だけ」

「もう、エリオくんのエッチ」

その言葉を了承と受け取り、エリオはキャロの小さな唇を奪う。寝起きで体温は低いはずなのに、そこだけ火傷しそうなほど熱かった。
なお、結局一回では満足できずに第二ラウンドまで及んで早朝訓練に遅刻しそうになったのは、ここだけの話である。





十分に英気を養って臨んだ早朝訓練ではあったが、教官であるなのはの教導は厳しく、終わる頃には精根尽き果てていた。

「お疲れ様、エリオくん」

寮へと戻る道すがら、キャロはエリオに話しかけてきた。お互いにボロボロで、表情には疲労の色が浮かんでいる。


61 名前:エリオとキャロのシュガーライフA:2008/10/24(金) 14:44:08 ID:jIU7Uzlq
「お疲れ、キャロ。どうだった?」

「うん、くたくた。防御魔法の復習だったんだけど、何発か受け損ねちゃって」

「ケガとかしていない?」

「訓練弾だから平気だよ。けど、ちょっと疲れちゃった」

「歩けそう?」

「もうちょっとだけ、休めば・・・・」

そうは言うものの、始業開始時間まで余り時間はなく、休んでいる暇はなかった。
なので、エリオは逡巡した後にキャロの小さな体を抱きかかえて寮まで連れて行くことにした。

「きゃっ!? エリオくん、恥ずかしいよ」

それはいわゆる、お姫様抱っこと呼ばれるものだった。エリオの突然の行動に周りにいたスバル達がギョッと目を広げ、
突き刺さる視線にキャロは頬を真っ赤にする。だが、困惑しながらも振り落とされないようにエリオの首に自らの腕を絡める姿は非常に画になっていた。

「エリオくん、みんな見ているよ」

「見させておけば良いよ」

「けど、恥ずかしい・・・・」

「僕は恥ずかしくないから平気」

「もう、エリオくんの意地悪ぅ」

口ではそう言っているが、キャロも満更ではないのか、緊張しながらもどこか呆けるようにエリオの肩に首を乗せる。
形成された2人だけの世界を垣間見て、スバルとティアナが砂を吐いていたことは言うまでもなかった。





「痛・・・」

「エリオくん!?」

エリオの苦悶の声に、キャロは反射的に隣の机を覗き込んだ。
見ると、エリオの指先に鋭い切り傷が走っており、赤い血がジンワリと滲んでいる。どうやら、メモ帳の端で切ってしまったようだ。

「大丈夫?」

「うん、大したことないよ」

「けど、ばい菌が入っちゃいけないから・・・・・・」

パクリと、キャロはエリオの指を咥えて傷口に舌を這わす。口の中一杯に鉄の味が広がり、驚いたエリオがブルっと背筋を震わせた。

「んうあ・・・・ああん・・・・・」

痺れるような甘美な味わいに、キャロの口から思わず声が漏れる。
いけないことをしているかのような背徳感に、舌は止まることなく指先を舐め回し、傷口から血を吸い取る音が小さくオフィスに響く。
消毒には十分過ぎるくらい舐めたのに舌は止まらない。まるで行為の際にエリオに奉仕する時のように、
キャロは首を前後させて咥えた指を唾液で汚していく。コケティッシュなその動きに、エリオまでもが興奮を覚えて息を荒げていく。

62 名前:エリオとキャロのシュガーライフB:2008/10/24(金) 14:44:45 ID:jIU7Uzlq
「ゴホン!」

誰かの咳払いに、2人は弾かれたように離れて後ろを振り返った。そこには、ほんの少しだけ頬を引きつらせたはやてが乾いた笑みを浮かべて立っていた。

「お盛んなのはええけど、今は仕事中やって2人ともわかっとる?」

「は、はい・・・・・」

「すみません」

しゅんと小さくなったキャロの手に、エリオが自分の手を重ねてくる。
はやてに気づかれないように一瞬だけエリオに視線を向けると、彼の悪戯っぽい視線と重なり合った。
怒られちゃったね。
その視線は、確かにそう告げていた。
だから、こちらも返答するために彼の手を握り返す。
また後でね、という思いを込めて。





昼休みの食堂は、腹を空かせた大勢の隊員達で賑わっており、場合によっては席を確保することすらままならない。
だが、そんな状況でも一ヶ所だけ人気の少ない空間があった。どういう訳かその2人の周りには人がおらず、誰も近づこうとしないのだ。

「はい、エリオくん。あーん」

フォークに突き刺したベーコンを、キャロはエリオの前に差し出した。エリオはそれに対して何の疑問も抱くことはなく、
少しだけむず痒そうに照れながら小さく口を開けて差し出されたベーコンを咀嚼する。

「美味しい?」

「うん、美味しいよ。今度は僕の番だね、はい・・・あーん」

「あーん」

微笑ましくも甘ったるいその光景に、何人かの隊員達がダウンして医務室へと運ばれていく。
中には、涙目で自分の恋人に電話しだす者までいた。恋人がいない者の末路は、言うまでもなかった。

「ごほっ、ごほっ!!」

「ああ、慌てて食べるからだよ。ほら、ジュース飲んで」

「うん・・・・・ごく・・・ごく・・・・はぁ・・・・・・あ!?」

「どうしたの?」

「間接・・・・キス・・・・・」

この一連の行為に歴戦の猛者であるヴォルケンリッターまでもが撃沈する。
スバルとティアナは既に匍匐前進で撤退中であった。

「あ・・・エリオくん、お弁当つけてどこに行くの?」

「え?」

エリオが反応するよりも早く、キャロはエリオの頬にこびりついたソースを自らの下で舐め取った。
その時、食堂内で動ける者はエリオとキャロ以外に誰もいなかった。ガランとした食堂には、死屍累々と積まれた屍の山と、
その中心で仲睦まじい空間を構成しているエリオとキャロしかいない。


63 名前:エリオとキャロのシュガーライフC:2008/10/24(金) 14:45:55 ID:jIU7Uzlq
「うう・・・・私だって、私だってお兄ちゃんと・・・・・・」

「ユーノくん、次の休日は空いているかな?」

「なのはママ、フェイトママ、泣いているの? どこか痛いの?」

そんな会話も2人の耳には入らなかった。





昼休みも終わり、午後の訓練が開始する少し前、手早く書類仕事を終わらせたエリオとキャロは一足先に着替えてスバル達が訓練場に来るのを待っていた。
だが、例によってスバルが苦戦しているのか、2人はなかなか姿を現さない。手持無沙汰になったエリオは、隣でフリードとじゃれているキャロを見て、
おもむろに彼女の体を自分のもとに抱き寄せた。

「エ、エリオくん?」

驚いたキャロが身を硬直させるが、すぐに緊張を解いてエリオの胸に体重を預けてくる。すると、エリオは愛おしげにキャロの背中に手を回すと、
フッと息を耳たぶに吹きかけ、焦らすような声で囁いた。

「ダメ?」

「だって、お外だよ」

「抱っこするだけだから。それとも、何かされたかった?」

「ち、違うよ・・・・・ただ、なのはさんがもうすぐ来るから・・・・・・」

「その前に離れるよ。ね、良いでしょ」

「だ、抱っこするだけ・・・ね」

「キスは?」

「しても良いよ」

「胸とか触って良い?」

「ちょっとだけなら・・・・・・・」

「ペッティングは?」

「もう、エリオくんのエッチ」

ほのぼのとしながらもどこか淫猥な空気が周囲を包み込み。
背後の茂みには、声をかけようとして2人が抱き合う現場に遭遇し、石化してしまった高町なのはの姿があった。





一日の業務も終わってシャワーも浴び終えた夜、エリオの自室の窓が誰かにノックされた。

64 名前:エリオとキャロのシュガーライフD:2008/10/24(金) 14:46:49 ID:jIU7Uzlq
「キャロ・・・・」

「えへ、来ちゃった」

寝間着姿のキャロが、悪戯っぽく笑って窓からエリオの部屋に入り込む。
誰かに見られていないかと窓の外に目をやったが、幸いなことに誰もいなかった。
ほぼ公認の中とはいえ、ここは男子寮。女人禁制だ。

「エリオくん、一緒に寝よう」

「やれやれ、キャロは寂しがり屋さんだね」

「うん、エリオくんが一緒にいてくれないと、寂しくて死んじゃうんだよ」

「それは困るなぁ。じゃ、大事な恋人が死んだりしないように、たくさん愛情を注がないとね」

苦笑しながら、エリオはキャロの唇を無造作に奪う。
ムードもなにもない強引な口づけではあったが、キャロは従順にそれを受け入れて舌を絡めてくる。
そのままエリオはキャロをベッドに押し倒すと、淀みのない手つきで衣服を脱がしていき、キャロの幼い裸体を露にする。

「可愛いよ、キャロ」

耳元で囁き、未発達の胸の先端に舌を這わす。
固いしこりのある胸はほんの少しだけ膨らんでいて、何だか卑猥な丘を形成していた。
触れば肌が吸いついてくるのに、すぐに固い弾力が指を押し返してくる。勃起した乳首を指先で弄ぶと、
キャロのくぐもった甘い声が可憐な唇から漏れ出てきた。

「ああん・・ああ・・・・うんん・・・・・・」

「ふふっ、こんなに固くしてる。キャロって実は、僕よりもエッチじゃないの?」

「そ、そんなこと・・・・ないよ・・・・・」

「そうかな? 今朝だって2回目はキャロからしたいって言ったじゃないか」

「それは、エリオくんが・・・・・喜んでくれるから・・・・・・・」

「本当? 本当は自分がしたいだけなんじゃないの? ほら、ここもこんなになっているし」

エリオが手を伸ばしたのは、愛液を滴らせるキャロの秘唇だった。これからされることを想像して興奮したのか、
ほんの少し指を挿入しただけで易々と媚肉を広げることができる。

「指だけでこんなに濡らしてちゃ、説得力ないなぁ」

「ああん、言わないで、エリオくん・・・・・」

切なそうに見上げてくるキャロの顔を見ていると、罪悪感と嗜虐心がない交ぜになった複雑な思いに駆られてしまう。
まったく、どうして彼女はこんなにも可愛いのだろうか。


65 名前:エリオとキャロのシュガーライフE:2008/10/24(金) 14:47:20 ID:jIU7Uzlq
「ごめんよ、別にキャロを泣かせたいわけじゃないんだ」

「うん、わかっているよ・・・・・・」

「本当にごめんね。お詫びに、今日は目一杯愛してあげるから」

ズボンを脱いで勃起した肉棒を取り出し、濡れそぼった秘唇にあてがう。
丁度向かい合う態勢であり、震えるキャロの姿を全て視界に収めることができる。
キャロは怯えているようにも期待しているようにも見えた。きっと、その両方なのだろう。
これから自分は、キャロが嫌だと言っても徹底的に彼女を犯し抜く。キャロが目に涙を浮かべながらよがり声を上げ、喘ぎながら顔を歪ませる姿が見たいからだ。
彼女をそこまで悦ばせることができるのは次元世界中でもこの自分だけ。エリオ・モンディアルだけが、キャロ・ル・ルシエを最も強く愛することができる。

「ほら、入ったよ」

「う、うん・・あ・あ・・・・・き、つ・・・・ああぁ・・・・・」

媚肉を押し広げながら膣を征服していく肉棒の感触に、キャロは頬を綻ばせながら嬌声を上げる。
照れながらも快感を隠しきれない微笑。羞恥に彩られたピンク色の頬。それは、エリオの嗜虐心を益々加速させていき、
燃え上がった劣情が股間の分身に注がれる血流をどんどん増やしていく。

「ああん!! ああ・・・お、おっき・・・おっきくなっている・・・・・エリオくんの・・・膨らんでいるよ・・・・・」

「ほら、僕のおチ○チンがどこに入っているのか言ってごらん」

「い、言わなきゃダメ?」

「言わないと抜いちゃうよ」

悪戯っぽく笑い、エリオは挿入した肉棒をゆっくりと引き抜いていく。膣の天井を笠の部分で擦り、キャロが耐えられなくなって口を開きたくなるように焦らしながら。

「あ、あああ・・・・いやぁ、抜いちゃやだぁ・・・・・」

「ほら、抜けちゃうよ・・・・ああ、もう半分以上抜けた・・・・」

「ああ・・・ああ・・・お、おマ○コ! おマ○コです! エリオくんのおチ○チン、わたしのおマ○コに入っているの!!」

肉棒を抜かれる喪失感に恐怖したキャロが、顔を真っ赤にして叫ぶ。余程恥ずかしかったのか、無意識に立てた爪がエリオの背中に深々と突き刺さっていた。

「よく言えたね、キャロ」

「う、うん・・・うう・・・ううぅ・・・・・」

「ごめんね、恥ずかしかったね。ほら、ちゃんと全部入ったから、機嫌を直して・・・・ね」

「エリオくん・・・・して・・・・・」

「うん?」

「も、もう・・・・待てない・・・から・・・・して・・・・切なくて、キュンってなっているの・・・・エリオくんのが欲しくて、
お腹の中、寂しがっているから・・・・・・・」

「キャロ・・・・ほら、動くね・・・・・」

「うううああ・・・あああ・・・・ああはぁあ・・ああはっは・・あああ・・・」

動き出した肉棒が膣を掻き回す感触に、キャロは悦びの声を漏らす。


66 名前:エリオとキャロのシュガーライフF:2008/10/24(金) 14:48:03 ID:jIU7Uzlq
「エリオくん、エリオくん・・・・好き、大好き・・・・・・」

「僕も・・・キャロ、好きだよ・・・・・」

狭い肉壺を押し広げ、エリオの肉棒は幼い子宮口をノックする。
テクニックも何もない、若さ故に荒々しい突き入れだったが、大好きな人に愛してもらっているということにキャロは喜びを禁じ得なかった。
自然の口からは嬌声が漏れ、擦りつけあう肌と肌の感触までもが快感に感じられる。とめどなく流れ落ちる愛液は白いシーツに染みを作り、
突き立てた指がエリオの背中に幾つもの傷を生み出していく。
体全体でエリオの存在を受け止め、キャロは少しずつ絶頂の階段を昇っていく。いや、突き上げられていると言った方が正しい。
エリオが一突きする度に亀頭がGスポットを擦り上げ、その先端は性感帯にぶつかって快感を引き出すのだ。
度重なる行為ですっかりエリオの肉棒の形を覚えたキャロの膣は、彼が最も悦び、自分が悦べる形へと変化していったのだ。

「ううんああ・・・ああ・・・エ、エリオくん・・・・頭、頭の中で、パチって・・・・雷が、パチってしたよ・・・・・」

「ぼ、僕も・・・あああ・・ああんあ・・あうあなあ・・・・キャ、キャロ・・・・もう、射精そう・・・・・」

「ううあな・・あ・あううう・・・・ひ、火花が・・・ああ・あ・パチパチって・・・・・あ、ああ・・・・来る・・・雷くるのぉ・・・くるぅっ!!」

「ううぁんなああううああんあ・・・・キャロロロロロロォォォッ!!」

「エリオくん、あ、熱い・・・・あちゅい・・・・エリオくんのかみなり・・・・・あ・ああぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっ!!!」

亀頭から流し込まれた精液が快感の奔流となって駆け昇り、キャロの精神を粉々に打ち砕く。
そのままビクビクと手足を痙攣させて絶頂に酔い痴れながら、キャロはエリオを抱き締めていた手から力を抜いてベッドの上に倒れ伏した。
だが、果てたはずのエリオの肉棒は未だ硬度を保っており、エリオ自身も肉棒を膣から抜かずにキャロを抱きかかえて180度体を反転させ、
体位を入れ替えて再び突き入れを開始する。

「あうああ・・あああん・・・ま、待って・・・・ああぅん・・・今、イッたばかりで・・・・敏感・・に・・・・」

「ダメだよ、今日はこのまま抜かずに3回はするって決めたんだ。大丈夫、何にも考えられなくなるくらい気持ちいことしてあげるから」

「ぜ、全然、大丈夫・・に、だいじょうぶ・・・じゃ・・・・ああ・・・あんん・・・・ううあ・・・・・い、いいぃ・・・いいいぃっ・・・」

見る見る内にキャロの顔が悦楽で呆け、自分から腰を振って込み上げる快楽を貪り始める。
辛うじて残った理性も、膣が押し上げられる度に少しずつ削り取られていった。

「ううん・・ううぁ・・ああああ・・・エリオくん・・・も、もっと・・・・もっとしてぇ・・・・おチ○ポしてぇっ!!」

こうして、2人の夜は更けていった。



67 名前:エリオとキャロのシュガーライフG:2008/10/24(金) 14:49:20 ID:jIU7Uzlq



窓から差し込んだ日差しが顔に当たり、エリオは眩しさで寝返りを打った。
ほぼ反射的に腕の中の抱き枕を抱き締め、お餅のような柔らかい弾力と仄かに香るフローラルなシャンプーの香りを堪能する。

「ううん・・・・・エリオくん?」

「おはよう、キャロ・・・・・」

「おはよう・・・・・」

「ねぇ、訓練の前に一回だけ、良いかな?」

「昨日もしたよ」

「今日もしたいの。ね、一回だけ」

「・・・・・・一回だけ、ね」

結局、一回では済まなかった。
以下エンドレス。


                                                                     おわり

68 名前:B・A:2008/10/24(金) 14:50:17 ID:jIU7Uzlq
以上です。
こうして、キャロは毎晩エリオの抱き枕になるために夜這いをしかけています。


69 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 16:37:08 ID:FX6OQAMw
読んでるこっちが砂をゴボゴボ吐きそうです。GJ

70 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 16:42:53 ID:vnHeIxmL
GJ!!
甘い。甘すぎます
ニヤニヤが止まりませんもうどうしようもないぐらいです
エリキャロともラブラブしすぎだよ!でも最高!!

そしていきなりなリクエストをしてしまって申し訳ありませんでした。
負担になってしまっていたら本当にすみません。
でも、ものすごく期待してしまう私…


71 名前:ザ・シガー:2008/10/24(金) 20:15:51 ID:AVCliX92
ったく、このエロスチルドレンめが! GJだ!!!
この年でここまでいやらしいと大きくなったらどうなってしまうか、おじさんとっても心配です。


そして今から投下行くぜ。
メインはチンク、エロス棒を駆使するのはグリフィス。
注意はロリ、そして鬼畜メガネで一つ。 それが駄目な人は頑張ってスルーしよう。

72 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/24(金) 20:17:21 ID:AVCliX92
部隊長補佐の更正プログラム(前編)


JS事件においてスカリエッティの手駒として動き、ミッドチルダ地上に混乱を巻き起こした戦闘機人、その名をナンバーズ。
事件収集後、管理局により身柄を拘束された彼女らだが、その生い立ちや事件捜査への協力や局への恭順などを理由に何人かは服役ではなく更正の道を歩むことになった。
そして、彼女らの更正プログラムにある日一人の青年が現われる事により宴の幕は上がる。


水上隔離施設内部、人工芝生の植えられた屋内で更正組のナンバーズは一様に腰を下ろして並んでいた。
なんでも今日は機動六課からこの更正プログラムの講師として局員が派遣されてくるらしく、これからその挨拶をするという話だった。
正直、機動六課のメンバーに倒された者が多いので僅かばかりの不安もある。
しかし、彼女らの前に現われたのはメガネをかけた優男だった。


「どうも、初めまして。機動六課から出向して来ました、グリフィス・ロウランです。しばらくの間どうかよろしくお願いしますね」


一切の毒気のない満面の笑顔で青年は一礼しながらそう挨拶した。
彼の挨拶にナンバーズの姉妹一同もそれぞれに返事を返す、誰も彼の笑みに疑問など抱くことなど無く、ただ“新しい更正プログラムの講師が来た”としか認識しない。
彼女らは知らないのだ【ここぞという時、悪魔はみな優しい笑みを浮かべる】という事を……





「はい、では今日の授業はこれまで」


グリフィスはそう言うと共に、空中に展開したディスプレイを閉じる。
更正プログラムの一環である座学授業が終わりを告げて、ウェンディやセインといった能天気な姉妹は頭を使わねばならない座学の終了に口を揃えて嬉しそうに“面倒な授業がやっと終わった”などと漏らしていた。
講師であるグリフィスの前でそんな軽口を平然と叩いている妹に、チンクがいささか目を細めて鋭い視線を送るが、当のグリフィス自身がそれを手で制した。


「よろしいのですか? ロウラン陸尉」
「ええ、あまり叱らないであげてください」


グリフィスはそう言うと、相手の警戒心を根こそぎ溶かしてしまうような優しい笑顔を見せた。
彼曰く、年頃の少女とはこれくらいが普通だ、という話だった。
規律に厳しい生真面目な隻眼の少女は最初こそ納得しかねる様子だったが、信頼している青年の言葉に意外なほどすんなり了承する。

グリフィスがここへ訪れてよりこの二週間、チンクをはじめとするナンバーズはすっかり彼に慣れ親しんでいた。
絶えず浮かべている毒気の無い笑顔、礼節を知り紳士的で姉妹の全員に分け隔てなく優しく接する態度。
ノーヴェなどはその性格上、素直にはならないが少なくとも彼に悪意をもつ者はナンバーズの中にはいなかった。
特にチンクは親身に姉妹の世話をしてくれる彼の事を厚く信頼している。
それが悪魔の施した罠だとも知らずに……


「ところでチンクさん、少しお話がありますので後で指導室の方に来てくれますか?」
「ええ、構いません」


グリフィスの言葉にチンクはなんの疑問も抱かずに快く了承し頷いた。
少女は自分が毒蜘蛛の巣に足を踏み入れてしまった事など理解できなかった。


73 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/24(金) 20:19:06 ID:AVCliX92
青年のにこやかな笑みの下には、無垢なる獲物を手にかける愉悦にどす黒い炎が燃え上がり始める。





「失礼します」


ドアを潜り入室すると、チンクは礼儀正しく一礼して挨拶する。
先に部屋で待っていたグリフィスはこれにいつも通りの笑顔で返して自分の腰掛けたテーブルの正面に座るように促した。
少女はそれに従い、ちょこんと小さなお尻をイスの上に乗せる。


「ああ、ではまずお茶でも一杯どうぞ」


グリフィスはそう言うと、チンクの前にカップを差し出す。
注がれた紅茶から白い湯気が上がり、美味しそうな香りが鼻腔をくすぐる。


「ではいただきます」


少女は一言そう述べると、カップとカップソーサーの両方を手に持ち礼儀正しく慎ましくそっと口付ける。
上質の紅茶の香りと味を口内に満たし、その至高の味わいを楽しむ。
だがその薫り高い液体の中に、自身の身体に淫らな変化をもたらす薬物が混入されているなど気付きもしなかった。
好青年の皮を被った悪魔は、少女の白く細い喉が鳴り淫毒の仕込まれた紅茶が嚥下されるのを見てくすりと笑う。


「それで、お話とは一体なんですか?」
「ええ、明日からの授業の事で少し……」


まだだ、まだ早い。あとしばらく経てば効果はすぐに現れる。
グリフィスはそう自分に言い聞かせて少女にいつもどおりの優しい笑みを見せた。
薬の効果が現れるまで時間にしてあと約10分といったところだ、それまでの間は無難でとりとめの無い話題をするだけだ。
王手は既にかかりつつある事実に、グリフィスの顔に貼り付けられた笑みに真の喜悦が混じり出す。

そして20分後……


「どうかしましたか? 顔が真っ赤ですよ?」
「い、いえ……なんでもありません……」


彼の質問にチンクは自身の身体に起こり始めた変化に訳もわからず、ただ必死に虚勢を張ってそう言った。
先ほどから何故か身体の芯が堪らないほど熱く火照り、子宮が絶え間なく疼く。
全身は既に溢れ出た汗でぐっしょりと濡れて、甘い吐息と共に発情した雌(おんな)のそれを漂わせていた。
股の間を伝う汗で無い淫らなる液体の感触にチンクは必死で抑制をかけようとしている。


(何故だ……何故こんなに熱くなっているんだ……鎮まれ、鎮まってくれ……)


こみ上げる欲求の数々、快楽への渇望、蹂躙の切望、性交への期待……様々な淫欲が少女の体内から止め処なく沸きあがり燃え上がる。
朱に染まった顔を伏せながらチンクはこの形容し難い性的な興奮にただ必死に喘ぎを抑えるしかなかった。
彼女の身体に起こった変化をその様子から察したグリフィスは、心配そうな表情の下でほくそ笑みながら自身の策が成功した事を確信する。

74 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/24(金) 20:21:29 ID:AVCliX92
そろそろ次の段階に移行する時期だ。


「大丈夫ですか? 具合が悪いなら横になると良いですよ」


そう言いながら近づくと、グリフィスの手がチンクの肩に触れてそっと身体のラインをなぞる様に滑った。
もともと刺激に弱かった柔肌が摂取した媚薬の効果により、さらに敏感になっている。
そこへ走る愛撫は少女の脳に電流のような刺激を与えた。


「ひゃんっ!」


途端に甘い声が唇から零れ落ち、少女の小さな肢体がビクンと跳ねる。
震えるチンクの身体を支えながら、グリフィスは今度は彼女の耳元にそっと口を近づけた。


「本当に具合が悪そうですね、それじゃ医務室に行きましょう」
「んっ! ……はい……」


耳朶に唇が触れそうな距離で囁かれた言葉に少女の喘ぎ声がまた漏れる。
吐息が耳に当たるだけでも汚れを知らぬ彼女には十分な愛撫、もはや股の間には汗以外の水分が垂れ始めていた。

グリフィスはチンクの肩に手を貸して彼女が歩くのを助けながら医務室へと向かった。
無論、医務室に人がいないように取り計らっておいたのは言うまでも無い。
シフトの変更、勤務内容の指示などを駆使し今から1時間〜2時間はグリフィスが医務室を好きなように出来る。
少女と言う名の生贄を貪るには十分な時間と空間は用意されていた。

そして歩くこと2分弱、二人は医務室へと辿り着く。
一言声をかけてからドアを開けて入室したが、中には誰もいなかった。
グリフィスはすかさず少女にベッドで横になるように促す。無論それも計算の内である。


「とりあえず横になった方が良いですよ」
「は、はい……」


グリフィスに手を貸され、チンクはベッドの一つに身体を横たえる。
小さな彼女の身体がスプリングを僅かに軋ませ、服越しにシーツへと汗を染みこませた。
薬の効果でチンクの身体は芯から熱く燃え上がり、身に付けていた服はぐっしょりと汗で濡れている。
白い生地は隠された少女の肢体を浮き上がらせ、小さな胸の先端にある桃色の突起を透かし。呼吸は荒くなり、桜色の綺麗な唇からは甘い吐息が漏れ続ける。
恐ろしい程に彼女の身体は快楽を迎える準備を整えていた。


「汗だくですね、拭いてあげますよ」
「へっ? い、いえ! 大丈夫です……」
「そう言わずに、風邪を引いたら大変ですから」


下にどす黒い色を隠した聖人の微笑を浮かべ、グリフィスはチンクの服に手をかけた。
羞恥心によってさらに顔を赤くしたチンクは抵抗しようとするが、彼女の力はあまりに非力でそれは叶わない。
青年の魔手は少女の服の裾を掴むと一気に捲し上げる。
そうすれば、輝くように白く美しい少女の汚れなき柔肌が露となった。
汗に濡れて光るチンクの肌はうっすらと紅潮し、凹凸に乏しい小さな胸の頂上に鎮座する桃色の乳頭と相まって艶めかしく、幼い容姿に似合わず男を誘惑するなんとも言えない甘き雌の香りを放っている。
グリフィスは予想以上の獲物の媚態に思わず表面上の笑みに、下に隠していた嗜虐性を滲ませた。
青年はしばしの間、その眩い少女の柔肌を目に焼き付けると、ベッドの脇にあったタオルに手を伸ばす。

75 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/24(金) 20:22:54 ID:AVCliX92
そして、まるでそよ風が撫でるような優しい手つきで瑞々しい肌を濡らす汗を拭い始めた。


「んぅぅ……陸尉……こんな、やめ、ひゃっ!」


細くくびれた腰と下腹部のラインを踊った手は、可愛いヘソをなぞりながらさらに上へと向かう。
触れるか触れぬかの境界、愛撫とも呼べぬ弱い刺激だったが、淫薬の効果で性感を高められた少女の身体はそれを存分に悦んだ。
ただ、未知数の快楽にチンク自身の思考回路は追いつかず、口から必死に出そうとする懇願も途切れ途切れになってしまいまともに発音できない。
彼女の唇はグリフィスの手に従い、従順なまでに甘く切ない嬌声を奏で続ける。
そして、少女の身体を這う魔手はその矛先を慎ましい小さな胸へと向けた。
なだらかな傾斜の先にある桃色の乳首、小さな豆粒のようなそれにタオルの生地が接触する。
その瞬間、少女の身体は小さく跳ねた。


「はあぁぁんっ!!」


まるで眼の奥で光が明滅したような錯覚、甘い電流が背筋を駆け上り脳を焼いた。
タオルの生地を掴んでいるグリフィスの手、その指先で立てられた爪が正確な狙いをつけて小さな豆粒を引っ掻く。
青年の魔手はコリコリとした感触を味わいながら、何度も何度も幼い乳房の先端で乳首を苛める。
チンクはあまりの快感に軽く絶頂すら覚えた。

そうしてじっくりと上半身を汗を拭き取るという名目の下で愛撫され、濡れた肌は少しだけ乾く。
だが、火照りきった子宮の芯に快感の炎を注がれた少女の身体は、余計に熱を帯びて後から後から汗を噴出し始める。
グリフィスはこの様子に“もう十分”だと判断し、目標を下半身、乙女の最後の聖域へとシフトした。


「それじゃあ、今度は下も拭きましょうか」
「ひゃっ!?」


そう言うが早いか、彼の手は瞬く間にチンクの穿いていたズボンを脱がす。
正に電光石火、眼にも止まらぬ速さである。一瞬の内に軽く彼女の腰を浮かさせて、その隙に一気にズリ下ろした動作は神技と呼んで相違ない。
これは、下半身の着衣を脱ぐことが一番抵抗が強いという理由により鍛えられた彼の特技である。

そうしてズボンも逃がされ、チンクのなめらかな肌を覆い隠すのは純白の布で織られたショーツのみとなった。
聖域を守る最後の着衣は既にグショグショに濡れており、明らかに汗とは違う艶めかしい香りを漂わせている。
グリフィスはコレを見て、わざとらしいくらいに首を傾げた。


「おや? 随分と下着が濡れてしまっていますよ……これは下着も取り替えないといけませんねぇ」
「やあぁ!……ダ、ダメです! 脱がさないで……」


自分のはしたない部分を見せたくないと、少女は必死に下着の裾を掴んだが、薬の影響により弛緩した手では抵抗など大して意味を成さなかった。
そしてグリフィスの手と共に下着が下ろされれば、それは粘着質な液体で糸を引きながら彼女の肌から離れる。
露になる乙女の聖域、毛髪の一切生えていない無毛の割れ目が姿を晒した。
本来ならば男女の秘め事とは無縁である筈のそこは、吹き出る汗と秘所から泉の如く溢れ出る蜜によりむせ返るほどの艶めいた香りを放っている。
脱がされた下着には汗と愛蜜が混ざり合ったミックスジュースが染みこみ、まるで失禁したかのように濡れていた。
善人の皮を被った悪魔はコレに一層笑みの黒さを濃くしつつ、薄布の濡れた部分に指を這わせる。


「ん? なんだか随分と濡れていますよ」


グリフィスは指先でショーツに染み付いたチンクの痴汁を掬うと、わざとらしく彼女に見えるように指の間で糸を引かせた。


76 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/24(金) 20:24:46 ID:AVCliX92
ネチャ、と粘着質な音を立てて糸を引くチンクの蜜、これを見せ付けられて少女は羞恥心に顔を真っ赤にする。
グリフィスは少女が恥辱で顔を赤らめているのを確認すると、今度は指の間で糸を引く蜜の匂いを嗅いだ
スンスン、と鼻を鳴らして酸いとも甘いとも言えぬ形容し難い雌の香りを堪能。
自分の垂れ流したいやらしさの証明の匂いを嗅がれてチンクはさらに頬の赤みを増すが、陵辱の主の行為はそれだけに終わらなかった。
嗅覚を満足させたら次は味覚、妖しいほどに紅い舌が伸ばされたかと思えば、それは指先をぺろりと舐めてチンクの愛汁を掬う。
舌先に付着したモノを口内に運んだグリフィスは、まるでワインでも味わうように舌を転がした。


「この匂いと味は汗でも尿でもない……これは紛れも無い、愛液ですね」
「ロ、ロウラン陸尉……その……これは……」


グリフィスのそう断定する言葉にチンクは必死で言い訳を探した。
このままでは自分が単なるいやらしい娘だと思われてしまう、と思うとそれが堪らなく恐かった。
犯罪者である自分達に、普通の人間と変わらず平等に等しく優しい笑顔を見せてくれるこの青年に軽蔑される事だけはどうしても避けたいと少女は強く思う。
だが無常にも彼の口から出るのは恐れていた言葉だった。


「何も無いのにこんなに濡らすなんて、チンクさんって意外とはしたない方だったんですね。少し驚きですよ」
「ち、違います! こ、これは……」
「“これは”何ですか? 現にひどく濡れそぼっているじゃありませんか。正直に欲求不満だと言えばどうです?」
「ひゃあぁっ!」


グリフィスは呆れたかのような口ぶりでそう言うと、しとどに濡れるチンクの秘所をそっと指で撫でた。
ぬるりとした感触が指先から伝わったかと思えば、次の瞬間には甘い快楽刺激が少女の脳へと駆ける。
小さな唇からは思わず淫蕩な嬌声が漏れた。

そして悪魔は笑う。


「まあ僕も男ですからね、チンクさんが欲求不満だと言うなら……しっかりご満足させてさしあげますよ」


唇の端を吊り上げてどす黒い笑みを浮かべるその姿は、決して心優しい好青年などではない。
快楽で溢れた涙で歪んだ少女の瞳は、その姿を上手く捉える事はできなかった。
相手が女体を好む魔性だと知らぬまま、汚れなき無垢なる身体は毒牙にかかろうとしていた……


続く。


77 名前:ザ・シガー:2008/10/24(金) 20:37:03 ID:AVCliX92
投下終了です。
まあ、今回は寸止めでしたが次回こそはキッチリロリマンコを犯し倒します。
ええ、そりゃもう大変犯しますよ。



そして、実に今さらな話ですが、保管庫の方で「鉄拳の老拳士」に感想くれた方、この場を借りましてお礼を言わせて頂きます。
ありがとうございました、お陰さまで書く気力を補充させていただきました。

78 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 20:51:20 ID:9hyPLp96
寸止め………だと?
裸で待機しろと言うことか…………。


そしてこの連発に呼応して現在仕上げ中。今日中には投下しやすぜ。

79 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 22:44:30 ID:V82e4HWO
>>68
全米がリンディー茶を吹きました。
毎晩エリオに夜這いかけてキャロが妊娠するまで一年もありませんね。
結果ロリで母乳が出るようになってエリオに搾乳してもらうのですね。
そしてフェイトさん号泣
GJ!!!

80 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 23:15:32 ID:1H31i5/5
>>77
>悪魔はみな優しい笑みを浮かべる

ああ、シガー氏のスマイルが思い浮かぶような寸止めプレイですねGJ


81 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/10/24(金) 23:19:56 ID:9hyPLp96
 投下しますね。
 お馬鹿ネタ。
 タイトル「セインさんの隠し芸」
 あぼんはコテか鳥で。
 3レス分です


82 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/10/24(金) 23:20:32 ID:9hyPLp96
     1

「隠し芸を手伝って欲しい」

 シャッハに真顔で言われたセインは首を傾げた。

「はい?」
「だから、隠し芸を手伝って欲しいと言っているのです」
「隠し芸……。もしかして、無限書庫の司書長と某提督……」
「それは隠しゲイです」

 あっさりと管理局最大のスキャンダルを暴露する二人。

「手伝うって何?」
「ですから、ちょっとした隠し芸です」
「だから、なに?」
「手品ですよ」
「手品というと、ポケットからハンカチを出したり……」
「当たり前すぎて何のインパクトもありませんね」
「……ポケットから鳩を出したり」
「そんな感じですね」
「胸ポケットから鳩を出したり」
「はい」
「尻ポケットから鳩を出したり」
「まあ」
「内ポケットから鳩を出したり」
「何匹いるんですか。そんな鳩まみれの手品師は嫌です」
「こう、ディープダイバーで工夫すれば大量の鳩を……」
「そんなことにISを使わないように」

 デバイスを構えて笑顔で言い含めるシャッハ。

「はい」

 神妙な顔で座り直したセインに、シャッハはデバイスを片づけた。

「少々大がかりになりますが、大脱出のマジックを手伝って欲しいのです」
「大脱出……って、箱の中とかに閉じこめられて……」
「はい」
「鳩が見事に脱出するという……」
「鳩に何かトラウマでもありますか? なんなら、今すぐトンファーにトラウマを作りますか?」
「いえ。結構です」
 
 セインは快く手伝うことにした。



83 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/10/24(金) 23:21:13 ID:9hyPLp96
       2

 手品と言っても種などない。要は、ディープダイバーで脱出すればいいのだ。
 それは果たして手品なんだろうか。

「要は、皆を楽しませるのが目的ですから」

 年に一度、最大規模で執り行われる集会でのゲストとしての出し物。それが毎年の恒例になっているのだと。
 そして、前から一度、はやての故郷で見た脱出マジックというものがやってみたかったのだと。

「しかし、私が脱出する側に回ると、旋迅疾駆を使ったと思われてしまうので、私は脱出する側にはなれないのです」
「だったら、あたしのディープダイバーでも似たようなもんだと思うけど」
「魔法の反応がなければ良いのです、普通の人はISなど知りませんから」
「でも、見ている人の中には騎士カリムとか八神さんとかもいるんでしょ?」
「あ」
「マジで忘れるなよ関係者」
「良いのです、騎士カリムはもとより、はやても関係者ですから。事情はご存じです。見逃してくれるでしょう」
「見事な言い訳ですシスター」
「何か言いましたか?」
「いえ。なにも。お願いですからトンファーは片づけてください」 
「では、打ち合わせをしておきましょう」
「じゃ、着替えてきます。シスター服のままでやるわけにはいかないでしょう?」
「それはそうかもしれませんね」

 十分後、何故かナンバーズのスタイルで現れるセイン。

「何故、ナンバーズ?」
「これが一番動きやすいんです。普通の動きはまだしも、ディープダイバー使うにはやっぱこれですね。私の場合、それも念頭に置かれて作られた服ですから」
「なるほど、さすがはジェイル・スカリエッティね。服まで特別製だったとは。だけど、その服だと問題ね」
「え?」
「貴方はノーヴェやウェンディたちと違って、ニュースで顔は知られていない。だけど、その特徴あるボディスーツを見ればすぐにわかってしまうわ」
「……バリアジャケット……には見えませんか、やっぱり」
「そう、できるだけ普通の格好でね」
「ん〜。わかった」

 そして当日。
 いかにもな衣装で登場するセイン。とは言っても、エナメルっぽいバニーガール風だが露出は抑えていて、色気というより可愛さがメインの扮装だった。
 シャッハもうなずいている。

「ま、慣れない服だけど、セインさんは何とかしてみせるよ」

 舞台に登場するセインに拍手の嵐。
 見ると、関係者席にはどこかで見たような人たちだらけ。

(おお。みんな来てる………あ、ディードオットーもちゃっかりあんな所に……げっ、チンク姉まで!? ウェンディも………うわっ、みんないる!?)

 姉妹たちから目をそらせつつも称賛をたっぷり浴びて、ついでに愛嬌を振りまきながらセインは用意された箱の中に入る。

(んー。なんか緊張してきた。だけど、拍手っていいねぇ、癖になりそ)

 そして、箱の中から合図とともに後方へ脱出、さらなる合図とともに立ち上がれば、大脱出マジック成功である。
 セインは、シャッハの口上を聞きながら合図を待った。
 そして、合図。

 よしっ、とばかりにISディープダイバー発動!

「はい、大脱出!!!!」

 箱から抜けて、観客の前に現れるセイン。抜けた瞬間は死角になって見えていなかったはずだから、どうやって箱を抜けたかはわからない。
 魔法でないと言うことはわかっているはずだから(魔法を使うと反応するセンサーを準備している)、魔法でないことは確か。つまり、不思議なマジック。

84 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/10/24(金) 23:21:53 ID:9hyPLp96
         3


 一瞬の静寂、そして間をおいて急激に盛り上がる観客。
 なんだかわからないけれど、盛り上がりに気をよくして、セインは辺りに愛嬌を振りまいていた。

「はーい。やっほー。セインさんだよー」
「し、し、し、シスターセイン!?」
「ほい?」

 顔面蒼白なシャッハの様子に、セインは首を傾げる。

「あ、あ、あ、貴方!」
「ほひ?」
「服! 服! 服! 服!!!!」
「は?」

 セインは自らの姿を見下ろした。

「あ」

 どうやら、緊張のあまりディープダイバーの加減を失敗したらしい。
 服も一緒にすり抜けてる。というか、この服の材質って……透過可能なものだったっけ?

 つまり、現在セインさんは絶賛ストリップ中。そりゃあ、観客も盛り上がるって訳で。
 ちなみに盛り上がっているのはおっちゃんたちとおばちゃんたち。若い男は盛り上がってはいないがガン見。
 若い女性はびっくりしている。

「ぅおおおおおおお!!! 若い娘! 若い娘ぇえええ!!」
「じいさん! 気を確かに! 血圧がっ、血圧があああああっ!!!」
「おおおお、まさか教会で観音様に出会えるとはっ!」
「おかーさん、あのおねーちゃん、裸だよ」
「見ちゃ駄目ですっ!」
「ぎゃははははははははははははっ!!!! セインが、セインが裸ッスよ!!」
「わははははは、何やッてんだあの馬鹿!!!」
「………チンク姉、恥ずかしいよ」
「言うな、ディエチ……姉も我慢しているのだ……」
「僕はそこで騒いでいる二人も恥ずかしい」
「オットーが望むなら、今すぐツインブレイズで黙らせるけれど。何なら永遠に」
「くっ………くっ……あかん、笑ろたらあかん……カリムが気にする……そやけど……ぶっ…ぶわっはははははははっ!!」
「は、はやてちゃん、笑っちゃ駄目です、カリムさんが可哀想です」
「ふむ、これはなかなか……あ、義姉さん、どうして目隠しを……」
「クロノ君、目あけたら来月のお小遣いカットだからね」
「…………はい」
「まさかフェイトちゃん以上の露出魔がいたなんて」
「!!!!! ち、違うよ、なのは。私は違うよ?」
「エリオ君見ちゃだめっ!!」
「噛んでる、フリードが噛んでるよ!!! 頭が、頭が!!!」
「ひゃははははははははははははっ!!!! セイン、おっかしいよっ!」
「……あんなのと、命懸けてやりあってたわけね、私たち…………」


 慌てて、再度ディープダイバーを発動。箱の中へと戻っていくセイン。今度こそ会場は、本来の意味でどよめいた。


 後日、怒濤のごとく押し寄せた再演希望の嘆願書の処理に、カリムは頭を悩ませたという。


85 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/10/24(金) 23:22:56 ID:9hyPLp96
以上、お粗末さまでした。


86 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 23:33:08 ID:AVCliX92
ちょwwwセインwww
自分の能力の特性くらい考えなさい、このオバカ娘がwww

GJでした!!

87 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 23:35:14 ID:5hc5SXMv
まで
隠しゲイってなんだ

88 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 23:46:25 ID:bHptMvRe
>>85
あちゃー・・・ドジっ子シスターなセインらしい失敗だwGJでした。

89 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 00:02:45 ID:1H31i5/5
>「ふむ、これはなかなか……あ、義姉さん、どうして目隠しを……」
これが誰の台詞か判断つかない。

90 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 00:09:31 ID:4xmwyhkS
>>89
ヴェロッサだろう。

91 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 02:05:15 ID:r5DTZm9a
>>68
ここまで強烈なエリキャロは初めてかもしれない…
うっ、また砂が込み上げて来た…
でも、もっと見たいと思ってしまう。
Gj!

92 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 03:25:09 ID:pb5bpeDl
「こ、こは何事ぞ!?」

砂を吐きながら陵辱を見て隠し芸を見せられた>>92は感想を書けないのだ!!

93 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 10:31:37 ID:VIzF+FNV
久しぶりにきたよ
職人さんガンバッテ!

94 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 12:16:08 ID:2bd+Tt+P
>>68
ハアハアすると同時に、この世界のエリオもキャロのためなら自分の命を簡単に投げ出してしまいそうな強さというか弱さを持ち合わせていると分析
その狂喜じみた愛情が入り混じってるのもまたたまりません
そしてそれはキャロも同じ…互いのためなら、たとえ仲間を殺してでも…
きっとこの二人は互いの命が尽きるまで愛し合い続けますね。

個人的にGODJOB!としか言いようがない

95 名前:シロクジラ ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:25:15 ID:1fkAtCYV
真っ昼間になんばーず×オリキャラSS投下、投下!
このSSは作者があまりにも不遇なトーレ姉さんの為に書いたSSです。
作者の妄想とどうしようもない趣味が入り交じった内容ゆえ、ご注意ください。

微妙な注意書き
・オリキャラの容姿は、
「シュワちゃん」「クレイトス」「ランデル・オーランド伍長」あたりの好きなマッチョからお選びください。
・当然のようにラブラブファックネタです、経緯は保管庫の拙作でご確認を。
・以上の要素に忌避感を持つ方は、「あるいは彼女の幸福 その3」かトリでNGを。

96 名前:あるいは彼女の幸福 その3 ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:27:15 ID:1fkAtCYV
「あるいは彼女の幸福 その3」


――トーレさん

声が聞こえた。自分を呼ぶ声が。
可笑しいな、と思う……自分を、呪われた命と刻印を押された“戦闘機人”を、呼ぶものなど。
いるはずが、なかった。
心の奥に残る熱いもの――滾る“男”を受け止めた感覚。
そこから、思いもよらぬ男のことが連想される。
初めて知った悦び――初めて触れ合った男――アーノルド。
筋肉達磨みたいなくせに何処か意気地がない、頼りないような不思議な男。
あいつのことを考えるだけで、胸のざわめきも罪悪感も、何もかも消え去り。
甘いような、くらくらする熱さだけが頭の奥でじーんと鳴るのである。
それが“恋”なのだとは、年長の戦闘機人である彼女にもわからなかいことだった。
やがて――光を感じて、トーレの眼はゆっくりと開かれた。
眩しい。数年ぶりに太陽を見た人間のような感想を抱きつつ、瞳が完全に日中に対応する。
見慣れぬ白一色の風景に目をすがめつつ、喉を鳴らした。

「ん……」

自分ではそこそこ大きな声を出したつもりだったが、どうも上手くいかなかったらしい。
声帯でもやはり鈍るのだな――とぼんやりする頭で考え、どうしたものかな、と思いながら身じろぎする。
身体の人工筋肉は、長期の睡眠状態にあったときと同じような硬直をしていたが、大脳からの指令を出してやれば、柔軟性の取れた元通りの状態となる。
人工器官で造られた肉体だからこそ出来る行為――人外の証明であり、それが少しだけ心を痛めつける。
人間ではないのだ――という当たり前の事実。今まで気にも留めなかったことが、胸を掻き毟る。
それは、何故だろう? 
戦いだけが日常で、それ以外の何も望まなかったあの日から、何が変わったというのだろう?

「わからない、な……」

いや、わからないフリをしているだけかもしれない。
自分はあのとき、あの男が命の危機に瀕したとき、確かにこの身を投げ打って助けたのだから。
けれどそれを認めるということは、とても恐ろしいこと――自身の変化を認める――のような気がして、彼女は心中で男の名を呟くに留めた。
その男の名は――。

そっと人の気配がしたので、黄金色の瞳で白い個室――病室だろう――を観察する。
トーレが身体を起こしてゆっくりと音のしたほうを見ると、個室のドアの前に誰かが立っているらしい。
やがて音もなく扉が開き、長身に黒いスーツを纏った筋骨隆々の大男が入室、憂鬱そうな顔つきで部屋を眺め、
起きだしている彼女を見てぴたりと動きを止め、口をパクパクと動かした。
その男にトーレはよく見覚えがあったし、今の今まで焦がれていた相手だということもあって、頬を若干赤く染めて言った。

「あ……アーノルド?」

「トーレ……?」

97 名前:あるいは彼女の幸福 その3 ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:30:33 ID:1fkAtCYV
最初に口を開いたのは僅かにトーレのほうが早く、今度ばかりはしっかり動いた声帯に安堵していると、
アーノルドは目元を潤ませて彼女の方に走りより、笑い泣きしながら声を絞り出した。
筋肉達磨のような逞しい大男が泣く光景と言うのは思いの他奇妙で、トーレはそれに毒気を抜かれてしまう。

「よかった……本当によかった――トーレさん、痛いところとかありませんよね?
大丈夫ですか、医師は傷はもう塞がったと言ってましたが――」

「……傷? 何処に、だ?」

彼はその言葉に表情を曇らせると、「覚えてないんですか?」と問うた。
トーレははっとした表情で自らの服の裾を捲り上げ、引き締まった腹回りを外気に曝す。
白い肌にはうっすらと傷痕が残っていて、彼女が脇腹に大怪我をしたことを知らせていた。
ごくり、と息を呑むと、ベッドの前に立つアーノルドに聞いた。

「私が意識を失ってから――いや、あれからどのくらい経った?」

「……一週間ほどです。緊急手術で何とか蘇生して、今までずっと昏睡状態で……。
えーと、その、何時までも肌を曝すのはよくないかと――」

その言葉で、漸くトーレは己が無防備に男に肌を見せていることに気づいた。
ちなみに、曝すなといいつつアーノルドはちゃっかり目に焼き付けてやがる。

「バ……おまっ」

そう言うなり、とりあえずトーレは素早く右腕でアーノルドの頭を引っ叩いた。
加減したとはいえ、戦闘機人の中でも戦闘能力の高いトーレの一撃である。
激痛は必至だった。

「っっ〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」

アーノルドは激痛に喘ぎ、声なき声を上げながら転げ回った。
涙目である。ついでを言うなら、第九十七管理外世界の格闘漫画みたいな表情だ。
190センチ超の巨体が転げ回るのは非常に見苦しい。
その様子に、さしものトーレも心配になって声をかける。

「お、おい。大丈夫なのか、アーノルド?」

「〜〜〜ッッ! い、いえ、この程度、仕事で戦う鬼上司に比べれば」

上司とナイフで切り結ぶアーノルドを想像する――様になっていない。
お茶くみに失敗してなじられている方が様になる筋肉男。
男としてどうなんだろう?

「上司と戦ってどうするんだ、お前は査察官だろうが」

アーノルドは冴えない表情で頭を掻きながら、「それもそうですね」と言う。
やがて、心配そうな表情をしていたトーレのほうに向き直ると、

「あー、トーレさんはそう言う表情も絵になりますねー」

などと抜かした。

98 名前:あるいは彼女の幸福 その3 ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:31:24 ID:1fkAtCYV
「なっ……!」

トーレの反応も馬鹿正直なもので、頬を真っ赤にしながら俯き――ぼそり、と呟いた。
よく聞こえない声音な辺りがまたいいな、とアーノルドは思う。

「…………そんなことお前に言われたら、照れるだろうが」

よく聞こえなかった。

「……今、なんと?」

「……ひ、秘密だ」

トーレは何故か顔を赤くして俯くと、「何で私が……」と言いながらアーノルドに目配せした。
頬を赤らめた美女からの目線……黄金色の瞳に見据えられ、アーノルドの鼓動は跳ね上がる。
とりあえず、薦められるままにトーレの隣に腰を下ろし、四角い顔に焦りを浮かばせながら思考する。

(どうする……? 何を話せばいい……? ええぃ、俺はどうすればいいのですか、神よ――)

「アーノルド」

「はい?」

気づけば、素晴らしいプロポーション――胸は大きく、腰は括れ、尻は大きな安産型――を白い患者服に包んだトーレが、
ぴったりと身体をアーノルドの身体に密着させ、目を閉じて言葉を紡いでいた。
祈るように、やさしい言葉を。

「お前に抱かれてから、世界が変わったよ……見たことがない、明るい場所だったんだな」

「……恐怖を、感じますか?」

顔を上げると、トーレは硬質な美貌に精一杯の笑顔を浮かべて、首を横に振った。
その表情に、仕草になつかしい人の面影を見ながら、目を細めて彼は知る。
彼女の、想いを。

「いいや……本当ならな、罪人として朽ち果ててよかった。それだけのことをしたと、今でも思っている。
だけどな、お前と出会ってから世界を見て……私は素直に生きたいと思ったんだ。
この、美醜もはっきりしない、朧げな世界を、もっと見てみたいと思えた。
嗚呼、きっと此処は私がいていい場所なんかじゃない。でも、でもな――」

(どうして、この人は)

儚げな表情でそう語るトーレの肩幅の広い身体を、横合いからしかと抱きしめた。
黒いスーツの上からでも伝わるほのかな温もり――それを逃さないように力強く抱擁する。

(俺を、こんな気持ちにさせるんだろう)

99 名前:あるいは彼女の幸福 その3 ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:32:25 ID:1fkAtCYV
何時だったか対峙した人にいわれた言葉を思い出す。

『――人殺しめ』

嗚呼、きっと救われないだろう。
こんな自分は救われなくていい、だけれども――
――この人だけは。

「卑怯か……? こんなことばかり、お前に言ってしまうのは」

「強くて格好良くて、貴方に惚れました。
でも、本当はそうじゃないことだって、知ってます。
だから、無理をしないでください、お願いですから――」

くすり、と微笑みながら彼女は言った。

「その馬鹿に丁寧な口調、やめられないか?
どうもな、くすぐったくていかん」

「すいませ……癖になってるから、すぐには無理かな?」

「馬鹿め……」

くすくす笑い、青紫の髪を揺らすトーレは、とても綺麗だった。
二度と失くさないでいたいような感覚が、男の胸の奥からこみ上げる。
二人は互いの体温を感じながらしばし目を閉じ、笑いあった。



100 名前:あるいは彼女の幸福 その3 ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:33:38 ID:1fkAtCYV
やがて、どちらからともなく顔を近づけ――男の無骨なそれと、トーレの柔らかな唇が重なり合った。
水音も立てずに触れ合った唇は、一見浅く、しかし心と心は深く繋がりを持って互いを感じあう。
トーレの黄金色の瞳と、アーノルドの瞳が見つめ合い――トーレが恥ずかしさに耐えかねて視線をそらした。
それを見て取った男は、彼女の口腔を攻め立てるべく舌を突き出すように侵入させ、唇を割って歯茎を舐め取る。

「ん……んむぅ、んはぁ?!」

今までのやさしい愛撫に似たキスから、攻め立てるような攻撃的なそれに抗議の声を上げるも、
その声はかわいらしい悲鳴としか聞こえない。ましてや、ここは聖王病院。
患者のプライベートに配慮した防音処理が施された個室であり、彼女の声は室外に洩れない。
だから、アーノルドの攻めは激しくなりこそすれ、弱まることなどありえなかった。
歯茎を舐め取った舌でねっとりと唾液を絡めると、トーレの舌を虐めるように嬲った。
痺れるような喘ぎ声が脳髄に染み込む。

「んぁ……ぁああん、んんんんぅ」

ぴちゃぴちゃ、といやらしい水音が響き渡り、
トーレは鼻息も荒く――口を塞がれているから致し方がないが――顔を茹蛸のように真っ赤にして、
怜悧な美貌の眼下を潤ませる姿は……おそろしいほど色気を感じさせるものだった。
その様子を至近距離で見せ付けられ、さらに鼻腔を突く雌の体臭に、男の理性は崩壊寸前。
息も荒く舌を引き抜かれるなり、唾液の銀糸をぼーっと見つめるトーレは、とにかく可愛かった。
抱きしめるように彼女の身体を白いシーツの広げられたベッドに押し倒すと、抗議の声がトーレから上がった。

「うわぁ?! あ、アーノルド、やめろ!」

「大丈夫、傷痕を見るだけですから――」

爽やかな笑顔で青年は患者服の前をめくり上げ、トーレの白い柔肌に残る無残な傷痕に顔を寄せる。
そして――息を鼻から大きく吸った。

「やっ……汗くさいから、止せ!」

鼻腔をくすぐる牝の匂いに、むかつくくらい晴れ晴れしく親指を立てる。

「……流石トーレさん、いい匂いだ――汗と発情した匂いが混じってますよ」

この台詞にすっかり耳まで赤くなったトーレは、顔を背けていやいや、と首を振った。
そうして男は服をどんどんめくり上げていき――やがて、ぷるんと震える大きな双乳が露になった。
彼女の男勝りな性格に反して可愛らしい桃色の乳首は、充血して生意気にツン、と立っていて美味しそう。
アーノルドは片方の乳首を捻るように、もう片方の乳房を肉の柔らかさを味わうように揉んだ。
途端、甘いような刺激が脳髄に伝わり、情事に慣れてないトーレは甘やかな声を漏らす。


101 名前:あるいは彼女の幸福 その3 ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:34:56 ID:1fkAtCYV
「ば、おまっ、そこは乳首――んひぃ!」

口に含んで舌で舐め転がすと、面白いようにトーレの引き締まった肢体が跳ねる。
ベッドが少しギシギシと軋み、彼女の秘所に空いた右手を回すと――湿り気があった。
少し意地悪な笑みを浮かべ、乳首を舐めるのをやめた口からトーレの被虐心を嬲る言葉を紡ぐ。
本人は気づいていないが、この娘はそういう気がどうもある。そして、閨での力関係はアーノルドの方が上だ。

「おや? 今ので達しました? 相変わらずトーレさんは淫乱だ」

「なぁ……違ぁ……私は」

「違わない――トーレは淫乱で“ここ”を責められるのが好きな――」

彼の口調が紳士的なそれから、雌を従える凶暴な雄のそれへと変わる。
患者服のズボンの中へ手を突っ込み、何度となく弄繰り回した秘所の陰核を指で押し潰す。
瞬間、陰核への刺激に女の背筋を強い電流が流れ、背筋と白いうなじが反り返り――嬌声が溢れた。

「ひぃあああぁぁぁ! や、やぁ……!」

「――どうしようもないド変態のマゾ女だろうがっ!」


秘所から溢れ出した愛液がトーレの内腿を濡らし、曲線部を伝い落ちて尻まで到達、びしょびしょに濡らした。
そして、男は愛液で濡れた右手を子宮へ通ずる穴へ突っ込み、掻きまわした。
膣肉が柔らかくアーノルドの指に吸い付くのを、無理矢理動かして蹂躙する。

「んひぃぃぃ、も、もう、やめ……」

口からだらしなく唾液の糸を垂らしながら、トーレが哀願。
無論、彼女の身体が望むのは一方的蹂躙ゆえアーノルドは気にも留めずに弄り続ける。
先ほどのやり取りで、男――筋肉男アーノルドの気の強さはMAXだった。
それゆえ攻めも容赦のない、快楽でトーレの脳が痺れるような愛撫となっていた――が。
不意に責めが止み、男の右手が穴から引き抜かれ、愛液がつうっ、と糸を引き――トーレの穿いていたズボンが引き摺り下ろされ、秘所が明るい室内に曝される。
急な行為にトーレが絶句していると、アーノルドは秘唇の膜を広げ、しげしげと見ながら言った。

「へー、トーレのここってこうなってるんですねー。こんな明るい場所だし、よく見えるなぁ」

赤く充血したそこは痛いほど膨らみ、男を誘うように淫らな匂いを放っている。
しかも、自ら挿入を望むようにひくついていて――いやらしい。
トーレの純な反応に似合わぬ、淫婦のそれだった。

「や……やめろ、こんなところでぇ、見るなぁ……」

「おお、ひくついている、こんなに蠢かせて、トーレは恥ずかしくないのかな?
ここは何を入れて欲しくて動いてるやら」

「うぅぅぅ……」


102 名前:あるいは彼女の幸福 その3 ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:36:34 ID:1fkAtCYV
羞恥で顔どころか首筋まで朱に染まったトーレの痴態――男の愚息は既に屹立し、硬度を上げて女のそれを貫かんと自己主張していた。
もっこりとした股間の膨らみを見て、そのときが近いと思ったのか、彼女は顔を背けながらも期待に胸をときめかせる。
また――入れてもらえるのか。かつての悦びが首をもたげ、知らず熱い吐息が洩れた。
ふむ、とアーノルドは考え込み――不意に顔を上げ、ズボンと下着を床へ落とした。
そそり立つ豪槍の如き男の逸物が露になり、それの放つ異様な空気に完璧に呑まれた様子でトーレは聞いた。

「こ……此処でするのか?」

その頬は朱色で、心臓の鼓動は跳ね上がるばかり。
アーノルドは白い歯を見せて頷くと、いかつい顔に笑顔を浮かべ言う。

「勿論。収まりが――つかないだろう?」

無言――だが、どうやらOKらしいことを鬼灯にように真っ赤な顔を見て知る。
それじゃあ、と頷き。

「壁に手をついて尻を向けるんだ」

「ばっ、おま、はずかしいだろ――」

「お預けでいいのかな?」

「……莫迦、このサドめ」

ただ、壁に手をつけて大きく盛り上がった尻を向ける“雌”に笑みを浮かべると、股間の茂みからてらてらと光る愛液を垂らし続けるトーレの秘所に剛直をあてがう。
白い肌の美尻はむっちり丸く盛り上がり、雄を誘う淫らな匂いを立たせながら腰を左右にゆらゆらと振っていた。
ぐちゃぐちゃに濡れた青紫の陰毛に亀頭が触れるのを感じつつ、言葉を紡ぐ。

「おや、びしょびしょだ……そんなに欲しかったんですか、いやらしいなあ」

「や、やかましいっ! さっきから言わせておけば――んぁあ!!」

トーレは怒りも露にアーノルドを睨みつけるが、その反抗は右の乳房を掴まれ、優しく揉みしだかれたことで霧散する。
最初に、その柔らかさを確かめるように乳肉を揉まれていき、うっすらとした快感が登ってきた頃に乳輪をなぞられる。
これには気の強い彼女も思わず声を漏らした。

「んんん……」

快感のノックが登り始めたところで乳首を強く捻じ曲げられ、痛みと快楽が一緒に襲ってくる。
それに耐えるように歯を噛み締めていると――首筋の性感帯を舐められた。

「ひゃい?! 首筋はやめ……んはぁ!」

「やっぱりここが弱いみたいですねぇ、途端に下の方も濡れ始めて来たし」

「いうな、馬鹿――ひゃぁあぁん!」

103 名前:あるいは彼女の幸福 その3 ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:39:20 ID:1fkAtCYV
トーレの素直な反応を堪能したところで、アーノルドはパクパクと男根を飲み込もうと必死な秘唇を見て笑い、

「――それじゃあそろそろあげようかな?」

肉棒をすさまじい勢いで膣肉へ叩きつけた。
じゅぷり、と水音が響き、柔らかい肉を貪るように剛直が埋め尽くす。
ごん、という衝撃と共に亀頭が、快楽によって徐々に開かれていた子宮口にめり込み、トーレの性感帯を限界まで刺激した。
その刺激は灼熱のスパークとなって大脳を焼き尽くし、彼女の身体を絶頂まで駆け上がらせ――。

「んひぃ?!」

「イキましたか……随分とはしたない。やっぱり生来の淫乱ですね、トーレは」

「んなぁ……いやぁ……」

言葉にならない抗議の声を上げようとするも、口から溢れたのは蕩けきった雌の声。
盛った牝犬のような声を漏らして、トーレは長い絶頂の只中にいた。
その身体はびくびくと痙攣し、秘所の穴も別の生き物のようにうねっている。
並の男ならばそれだけで射精感を覚えるであろう快楽を与えられ、アーノルドは唸った。
一旦痙攣する肉穴から男根を半ばまで引き抜く。
自分の中から男がなくなっていく感覚に、トーレが可愛い悲鳴を上げた。

「あ…………んん」

その直後、肉槍が恐るべき素早さで愛液に塗れた秘所を突き進み、ずん、と深く子宮口をノックした。
二回にも渡る子宮口へのアプローチに膣肉が震え、僅かに子宮口が緩んだ。
本当に僅かなそれを感じ取ったアーノルドは、即座に肉槍を押し込むように突き込む。
結果、緩んだ入り口に、男の亀頭、その鈴口が嵌り込み――
――灼熱の滾りが吐き出され、直接子宮を埋め尽くした。

「んひゃあぁぁぁ! や、出てるぅ……胎に、直接……!」

そう言って頬を上気させ、腰を振る様は淫婦のそれだった。
最早、トーレの痴態に男の理性は崩壊していた。
ただただ快楽を求め、腰を強く引きながら杭打ち機のように正確なリズムで腰を叩き付けていく。
白い柔らかな尻肉に腰が打ち付けられる度に、パンパンと肉を肉でいたぶる淫らな音が響き、
愛液と精液の混じりあった液体が奏でる水音がそれに加わる。
大きなお椀型の双乳を両手で掴みあげ、捏ね繰り回す――壁に手をつけて喘いでいたトーレの嬌声がいっそう濃くなる。
きゅっ、と肉穴が締まり、アーノルドの男根は絞り取られるような感覚を味わった。

「ぐっ……」

刹那射精感をなお覚えながらも、亀頭はカリでGスポットを抉るように擦り上げ、子宮口周辺にあるトーレの敏感な性感帯を開発していく。
これに早速甘やかな悲鳴を上げ始めたトーレは、ずんずんとお腹に奔る衝撃と悦びに、声をあげるばかりだった。

「あ、あ、あ、あ、あ! んあ、あああぁぁん!」

体は既に雌の悦びというモノを知り、敏感に反応し始めていた。
起ち上がった乳首を、豊かな乳房ごと蹂躙される度に熱い吐息が溢れ、体中から流れ出た汗が美味しそうな《おんな》の匂いを出す。
蕾が朝日を浴びることで開花していくように、雄を手に入れ、急速にトーレの肉体は変わり始めていたのである。
より淫乱な“メス”のものへと。男を誘う上で適した身体へ、彼女は調教されていた。
やがて腰の動きはより激しいものとなり――男根が亀頭で子宮口の真上をすりあげた瞬間、トーレが髪を振り乱して喘いだ。

104 名前:あるいは彼女の幸福 その3 ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:41:08 ID:1fkAtCYV
「う……あぁぁ……!」

直後、再び達した彼女の股座は吹き出した愛液と精液の混合液で濡れそぼり、白く長い美脚を伝い落ちて床を濡らした。
このときの痙攣がいけなかった。肉棒を包み込むようにしていた膣肉は極限まで引き絞られ、その衝撃はトーレの腰を砕いて立ち上がれなくするほどだった。
男の射精感を刺激する一連の動作は、限界に達していた男根からねばっこい精液を引き出す!
びゅーびゅーと射出された白濁液――性感帯を通過し、子宮に流れ込んだこの子種の群れは、そのまま暖かな子宮壁を伝って卵管へと泳ぎこんでいく。

「あ……たくさん……熱ぅい……」

「元気な子供――孕んでくださいね?」

男アーノルド、今日一番の笑顔だった。
無駄に爽やかである。

「んぁぁ……」

無意識のうちに腰を振るトーレの横顔を愛しく思う。
肉棒を引き抜き体位を入れ替えると、再び二人は口付けを交わした。



そのとき!
勢いよく部屋の扉が開かれ、金髪の美男子――白衣を着ている――が颯爽と現れ、一言!
ちなみに何故かその顔は笑顔、声は某狙撃手に似ていた。

「すばらしい、君達の交わり――まさしく愛だ!!」

これにはアーノルドもトーレも吃驚。

「…………いや、誰?」

「そこの彼女の担当医のエーカーだ!」

しゅぴーん、と医師の体が回転、緑色の瞳が輝く。

「最初から最後までじっくり見させてもらったが……病院で致すのはともかく!
中出しは駄目だ、産婦人科行きになってしまうぞ。
あそこのアリー先生は血を見るのが好きだからオススメできないな」

この言葉にトーレは頬を朱色に染め、露になっていた乳房を両腕で隠した。
彼女を己の巨体で隠しながらも、アーノルドの突っ込みは続く。

「いや、何見てたことを自白――というかデバガメ?!」

「細かいことはともかく……」

「細かくない、細かくないですよ?!」

「ええぃ、もう我慢が出来ない。服を着たまえ。
ドクターとして君に説教しなければならない! 紳士の在り方を!」

こうして一人残されたトーレは溜息をついた。

「……何しに来たんだ……?」


ちゃんちゃん。

105 名前:シロクジラ ◆bsNe6z3qW2 :2008/10/25(土) 12:46:26 ID:1fkAtCYV
投下完了。
と、父ちゃん・・・えろって難しいね・・・とエロパートで手間取りました。
ついでに書いてる最中は、「トーレは多分ツンデレ」と念じ続けたとかなんとか。
ええ、捏造です。

司書長は女の子 とか書きつつ、ラッド・カルタス×ナカジマ姉妹の片割れ、とかも企画中だったり。
・・・無論、捏造多数で。

ではでは。

106 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 13:35:12 ID:a35aWsfm
なんというトーレ姉のエロスモードだ……GJ!!
ちょっとツンデレ気味だけどセックスの時はひたすら被虐的になるところとかツボ過ぎるwww
オリキャラ彼氏のアーノルドも好感が持てて良かったです、こんな爽やかに鬼畜るマッチョなら安心してトーレ姉を任せられますね♪

あと金髪でヴァイス声でエーカーって……グ○ハム?
OOネタ自重www


107 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 13:59:05 ID:/ZwCH/V+
この感情――まさしく愛だ!
なんていう尻天国。
トーレ姉さん、マッチョと幸せに!
エロイ、エロイぜよ。
そして、Stsだと狙い撃つぜ! が似合う役どころ声の人、自重しろww


ちなみに、個人的にはギンガ希望かなぁ。
シロクジラ氏ならラッドとかきっと黒くなること確実なので期待してます!

108 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 16:02:02 ID:P/ppZlFW
何気に産婦人科の先生もOOかいw

109 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:23:20 ID:1yJu35i0
し…………SS(ショートストーリー)を書いていたのは…………おれだったァーーーーーーー 
今リクをしていたのにィ〜〜

我慢できずに氏の尻を叩いては見たものの、何だかじわじわ罪悪感が大きくなってきたので
お詫びに>>54の妄想を文章化してみたり。前置き長くしすぎて前後編構成になり俺涙目。
リリカルやがみけ……あと指名のあったB・A氏じゃなくてごめんなさいねッ!!

今回の注意
・エロ。今回は微エロ程度のエリオきゅん虐め
・主演女優:リインU(天然素材・M担当)とアギト(熟練の業・S担当)
・主演男優:エリオ(受け攻め兼役)
・SSXとかと矛盾があっても気にしない
・おふざけ要素がかなり含まれています

それでは原案者のアルカディア ◆vyCuygcBYc氏に改めて感謝の意を送りつつ投下を開始します。


110 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:24:38 ID:1yJu35i0
「うー……眠い……」

 ある早朝。
 アギトは再建された機動六課の隊舎をふよふよと漂っていた。

 『JS事件』の終了後、彼女は管理局に恭順の意を示し更生プログラムを受講する事になった。
 罪状そのものは比較的軽かった為、ルーテシアにはやや遅れたもののナンバーズの面々より早く
カリキュラムを終えて八神家に引き取られたのが一か月ほど前。
 その後彼女は見学という形で、六課で局員生活を実地体験する毎日を送っている。
 これはいずれ彼女が局入りする事はほぼ決定している為、その時に早く局員の仕事を覚えられる
ようにという、部隊長であり彼女の新しい主でもある八神はやての計らいだった。


「あーアギト、おはようですぅ」
「おー、お目覚めかバッテンチビ」

 背後から聞き慣れた声――リインフォースUの声を耳にしアギトの動きが止まる。
 専用の"お出かけバッグ"で部屋ごと通勤という世界が嫉妬するチート能力を有するリインは、朝は
アギトよりも長く眠っている事が多い。
 その為今日のように隊舎に着いてから初めて顔を会わせる事も珍しくなく、アギトは何の気なしに
振り返ったのだが――

「おはよーさん……て……?」

 そこに『立っていた』のは、本来なら自分と同じ30cmサイズの筈の人間大の少女だった。

「……ルキノさんじゃねえよな?」
「正真正銘リインですよ」
「……いや待て、これは遠近法の関係でだな」
「違いますよ。現実を直視してください」

 えへんと得意げにリインが胸を張る。

「実はこれがリインの本当の姿なんですぅ♪ アギトは何かっていうと私の事をチビって
バカにしてたですけど、ホントはアギトの何倍も大きいんですよ」

 リインは空中で固まっているアギトに近づくとそのほっぺたを指でつんつんとつつく。
 まるで触手のように多方向から飛んで来る指の攻撃に、たちまちアギトの顔が怒りの表情に変わっていく。


111 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:25:53 ID:1yJu35i0
「ちょ、おい! 何するんだよ!」
「ふふふーまるでお人形さんみたいでかわいいですよーアギト♪」
「やめろってば! つーかそれが本当の姿だってんなら、何でいつもその格好でいねーんだよ?」
「普段は燃費が悪いんで封印してるですよ。今日はこれからはやてちゃんに頼まれて海鳴までお使いに
行くんで特別に元に戻ったんです」
「あーなんだ、つまり欠陥品てことか。ジャンクだな」

 アギトの強烈なクロスカウンターに今度はリインの白い頬が紅潮する。

「私は……ジャンクなんかじゃない! ですぅ!!」
「わっ!? 馬鹿やめろ!!」

 リインが滅茶苦茶に腕を振り回すのをアギトは必死で避ける。
 何せサイズが違い過ぎるので一発でも当たれば大怪我しかねないのだ。

「アタシが言い過ぎたって! 謝るからちょっと落ち着けよ!!」
「そんな事言うならアギトだって昔の記憶が無いじゃないですか! 欠陥品のポンコツです!!」
「なんだとおぉっ!?」

 まだ精神年齢の幼いリインだけに、明確な悪意があって口にした言葉ではない。
 売り言葉に買い言葉でつい口をついて出てしまったというのが正直なところだ。
 しかしその一言は自分の過去を覚えていない事を密かに気にしていたアギトにとっていわゆる
『禁句』であり、元々あまり沸点が高くない彼女を完全に怒らせてしまった。
 アギトは魔法陣を展開し何やら詠唱を始める。

「お前が嬉しそうだから黙っててやるつもりだけどもう止めた! ――変・しぃいいぃっ!?」
「アギトのバーカ! バーカですぅ!」
「おまっ、普通『変身』って言ったら終わるまで待つのが暗黙のルールだろ!? そこで攻撃して
くるとか、だからお前はガキなんだよっ!!」
「まだ言うですか!」


「……あの、二人とも何してるんですか?」


「「え?」」


112 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:27:49 ID:1yJu35i0
 尚も言い合いを続けていた彼女達だったが、突如別方向から聞こえた声にその動きが止まる。
 そのまま二人は合わせ鏡のようにそっくりな動作で声がした方に顔を向けた。
 

「「エリオ」」 

 声の主は二人も良く知る人間、機動六課の淫じ……紳士ことエリオ・モンディアル(10歳)だった。
 早朝訓練を終えたエリオは朝食の前にシャワーを浴びる為、着替えを取りに自室へ戻る途中
二人の喧嘩に出くわしたのだ。

「えと、声とか廊下に響いてますし……リイン曹長もアギトさんももう少し落ち着いた方が」
「落ち着いてなんていられないです! エリオ! エリオはアギトと私、どっちが大人だと思いますか!?
絶対私の方が大人ですよね!?」
「いーや、アタシの方が大人だろ! な、エリオ!?」
「いや、あの……」

 とても「どっちも子供にしか見えません」とか「むしろヴィヴィオの方が大人っぽいです」とか言える
雰囲気ではない。
 空気も読まずに思った事を素直に口にすれば、飛んで来るのは氷塊と火炎弾の嵐だろう。
 メド○ーア然り、古今東西氷と炎の組み合わせで生まれる破壊力は尋常ではない。
 ハードな早朝訓練が終わったばかりなのにこの上追加で弾丸回避訓練(シュートイベーション)なんて
まっぴらである。
 さりとてどちらかに肩入れすれば、やっぱり選ばなかった方からは裏切り者扱いされるのも目に見えている。
 せめて誰か周りにいればいいのだが、あいにくと周囲に人影はない。
 いつもエリオと行動を共にしているフリードすら、この後の展開を野生の本能で察知しているのか影も形も見えない。
 八方塞がりのエリオに出来るのは、己のタイミングの悪さを呪う事だけだった。

「それにどうせバッテンチビが自分の方が大人って言ってんのは、自分の方がデカいからだろ――変・身!!」

 再び魔法陣が展開され、今度こそアギトの体が光に包まれる。

「あ、あぁ〜っ!」
「へへ〜ん、こんな変身魔法、アタシだって使えるんだよ!」

 数秒後、光の中から現れたのはリイン同様等身大になったアギトだった。
 アギトはつかつかとリインの側まで歩み寄ると、手を上げて自分とリインの頭の上を二度三度と往復させる。

「ほーら見ろ! アタシの方がちょっぴり背が高いじゃねえか! 同じ条件ならアタシがお前に負けるわけねえんだよ!!」
「そ……そんなことないですぅ! リインはもう立派な大人なんですぅ!」
「じゃあどの辺が大人なのか言ってみろよ。ほ〜ら、は〜や〜く〜し〜ろ〜よ〜♪」
「あう……あうぅ……」


113 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:28:59 ID:1yJu35i0
 大きな拠り所であった体格差というアドバンテージを失い、既にリインの目には涙が貯まり始めている。
 子供染みた意地で敗北こそ認めていないが、もはや彼女は自身でも勝敗をハッキリと悟り始めていた。
 ただそんなリインを尚いたぶるようにネチネチと言葉攻めするアギトも傍から見れば大概子供染みていると
言える……あいにくそれを指摘できる人間はこの場に居ないのだが。

「分かった分かった、じゃあここはやっぱエリオに決めてもらおうぜ。なあエリオ、聞くまでもねえと思うけど
お前もアタシの方が……って何してんだお前?」

 ようやくしおらしくなってきたリインを見て流石に可哀想になって来たのか、そろそろ止めを刺してやろうと
エリオの方を向くアギト。
 だが当のエリオが奇妙な行動を取っている事に気が付きその言葉が途中で止まる。

「腹でも痛いのか?」
「いえ、そうじゃないんですが……」

 エリオは片方の手で下腹部を押さえ、もう片方の手で自分の顔を覆い隠すようなポーズで固まっている。

「アギトさん……」
「?」
「その格好はちょっと……」
「……格好?」

 等身大になったアギトは、自分が戦闘用のバリアジャケットを身に纏っている事に初めて気がついた。
 30cmサイズのまま普通に巨大化すれば当然今着ている陸士隊の制服はハニーフラッシュである。
 露出狂ではないアギトはそんな事態にならないよう、ごく自然に衣服をバリアジャケットに選択していたのだ。
 うん、露出狂では……ないよ……多分ないよ……?

「恥ずかしくないんですか?」
「ああ、これの事か」

 エリオの疑問も尤もである。
 アギトのバリアジャケットは一般局員と比べて肌露出が多めの六課フォワード陣と比べてもかなりの薄着だ。
 露出に定評のあるフェイト・T・ハラオウンの真ソニックフォームをスクール水着に例えるならば、アギトの
それはビキニ。それも表面積のかなり小さいタイプ。
 当たれば倒れるどころか、近くを通り過ぎただけでも風圧で吹っ飛ぶ勢いである。

「あんまり気にした事なかったけど、そう言われると確かに露出は多いかな」

 戦闘中ならともかく、平時の隊舎内でいきなりこんな服装の者に出くわしたら確かに自分でも多少警戒するだろう。
 一般的な現代建築の隊舎とファンタジー世界の小悪魔を連想させる今の自分、取り合わせとしてはなかなかの
ミスマッチである。
 しかしそれだけではこの少年がここまで変な行動を取る事などないだろう。
 しばらく考えた後、やがてアギトは一つの可能性に思い当たる。

「あ! もしかして、お前アタシのこの格好見て変な気持ちになってんのか?」

 返事をする代わりにエリオの体がビクリと震える。
 余りにも不自然過ぎてむしろ自然すぎるその動きは、口に出すよりも雄弁に彼の気持ちを表現していた。


114 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:30:28 ID:1yJu35i0
「おい聞いたか、バッテンチビ。エリオの奴アタシの事見て興奮してんだってよ」
「い、言わないでくださいよそんな事っ!」

 普段なら軽蔑の視線の一つもくれているところだが、この状況下では話は別だ。
 何せ彼が多少なりとも興奮しているるという事は、自分にそうさせるだけの『女』としての魅力が
備わっているという事なのだから。
 勝利を確信したアギトの顔に笑みが浮かぶ。

「どうだバッテン? あたしの方が大人の魅力に溢れてるってことだろ、これは?」


 ――だが彼女は失念していた。
 大凡生きとし生ける全てのものは人間だろうと獣だろうとデバイスだろうと。

「ち……違いますぅ……!」

 手負いの状態こそが最も恐ろしいのだという事を。

「アギトはただHな格好をしてるだけるだけです! リインは知ってるですよ! 本当の大人は……
こんなことが出来る人のことを言うんですぅ!」

 リインは脱兎の如き動きで羞恥に悶える少年の股間に手を伸ばし――その幼い隆起を鷲掴みにする。

「〜〜〜〜ッッ!!」

 いきなり金的に奇襲攻撃を喰らった板垣漫画のキャラの如き表情を浮かべ、エリオが声にならない
絶叫を上げる。
 
 後にエリオは語る。
 『ちょっとした油断がまさかあんな事になるなんて。もう二度と隊舎内で気を抜いたりしないよ』と。

「どうですかアギト! アギトにこんな事が出来ますか!?」
「出来るか馬鹿! 死んじゃうだろうが!!」
「エリオは毎日鍛えてるからこれぐらいじゃ死なないですよ!」
「いやだからエリオじゃなくてエリオの息子(将来的な意味で)がだな……」
(ていうか……ヒーリング、かけて、ください……リイン、曹長……)


115 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:31:56 ID:1yJu35i0
 エリオの心の叫びを無視して二人の言い争いは再びヒートアップしていく。

「だいたいコイツの表情見ろよ! 明らかに気持ちよさそうな顔じゃねえだろうが!!」
「き、きっとあれだけ厳しい訓練を毎日喜んでやってるんだから、エリオはドMに決まってます!
だからこんなのむしろ望むところのはずです!!」
(か、勝手に決めないで……)
「へええ、じゃあお前はあくまで自分はエリオを悦ばせてるって言いたいんだな」
「当然です!!」
(何で自信満々に言い切れるんですか……!?)

「何なら勝負したっていいですよ?」
「は、いいぜバッテンチビ。その勝負受けて立ってやる! おい、エリオ、お前の部屋に案内しろよ。
決着はベッドの上だ」

 そして本人不在のまま論争は肉体言語に移行する事が決定。

「あの、僕の自ゆ「いいよな、エリオ?」「これは曹長命令ですよ、エリオ?」」

 リインとアギトの手が禍々しいオーラを放ちながら再度エリオの股間に伸ばされる。

「(こ、断ったら僕はきっと死ぬ! 僕が死ななくても僕の息子が死ぬ!)……は、はいい」

 怒涛の展開について行けず、哀れな生贄の子羊はただ真っ赤な顔をぶんぶんと縦に振る事しかできなかった。


          ◆



116 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:33:15 ID:1yJu35i0
 数分後。 
 二人で部屋に結界を張る作業が終わり、第二ラウンドの準備が完了した。

「よーし。じゃあ先行はアタシでいいな?」
「いいですよ。リインは大人だから先行を譲ってあげるですぅ」

 け、言ってろと吐き捨てアギトがベッドの上に転がされているエリオの元へ近寄る。
 既にエリオは二人の手で訓練着のシャツとズボンを脱がされ、トランクス一丁になっていた。
 これから起こる出来事を想像して震えるエリオを、アギトはまるでまな板の上の食材を吟味するような
目で見下ろす。

「じゃあ聞いてた通り、先にアタシが行かせてもらう」
「お手柔らかにお願いします……」
「そんなにビビんなくたっていいって。痛くしたりしねえよ……こう見えても旦那には結構好評だったんだぜ」

 今何か問題発言が聞こえたような、とエリオが口にする前にグローブを外したアギトが素早い動作で
エリオの腰を持ち上げ、そのまま一気にトランクスをずり下ろす。
 短い悲鳴と共に、エリオのストラーダ(比喩)はアギトの前に晒された。
 初めは恐怖のせいか完全に萎えきっていたストラーダも、見られている事に持ち主が気づいたせいか見る間に
力強さを増し待機モードからスピーアフォルムへと臨戦態勢を整えていく。

「アタシに見られて興奮してんのかよ。バッテンの言うようにマジでMなのかお前?」
「ち、違います……」

 エリオは否定するがその言葉に力強さはなく、最後の方はまるで消え入りそうに小さな声になる。
 上半身がどれだけ否定しても下半身の反応が正直すぎるのだ。絶望したくなる気持ちは分かる。

「ふうん。まあどっちでもいいけどさ」

 その辺はやりながら見極めればいい、と考えながらアギトは肉棒に手を伸ばす。
 指先が触れた瞬間、肉棒がぴくりと跳ねた。
 同時にエリオの口から嬌声が漏れる。

「ひゃ……!」
「握るぞ」

 返事を待たずアギトは手で包み込むように肉棒を保持する。
 エリオはまだ女性経験はない。
 フェイトと風呂に入っていた頃も、体は(嫌々ながら←ここ重要。彼は紳士なのだ)洗わせてもそこだけは
自分で洗っていた。
 正真正銘、人生で初めて肉棒に触れる異性の手。
 自分の手とは体温、感触など微妙に違うアギトの手に触れられた事で、肉棒は一層その硬度を増す。


117 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:35:15 ID:1yJu35i0
「ふあぁっ!」
「女みたいな声出すなよ」
「ご、ごめん……」
「動かすぞ」

 予想以上に敏感なエリオを気遣いながら、アギトはゆっくりと肉棒を握る手を上下に動かしていく。

「くうっ……あ、はぁっ……うぅ……」

 アギトの手の動きに合わせて、まるで楽器のようにエリオの口から止め処なく言葉が零れ落ちる。
 まだ声変わりを迎えていないエリオの喉が奏でるその音には男性寄りとも女性寄りとも断定できない、
成長前の少年の声だけが持つ不思議な魅力が備わっていた。
 
「ひゃあぁ、あっ……むぅっ!?」

 だが、そんなエリオの口をアギトは惜しげも無く己の唇で塞ぐ。

(せっかくだからこっちの『味』も教えてやるよ)

 念話でエリオに告げるとアギトは彼の口内に舌を差し込む。
 慣れない異物感にエリオの体は拒否反応を示し、アギトの舌を押し返そうとするがアギトは巧みな
動きで妨害をかいくぐり、どんどんとエリオの中へ侵入していく。

「むちゅっ、ん、ふっ、んんっ……」
「んむっ……ちゅっ……」

(いやらしい音が聞こえてるの、わかるか?)
(そ、そんなの、聞こえない、ですよぉ……)

 唾液を使ってわざと水音がエリオの耳に届くようにしながら、再度念話で問い掛ける。
 エリオは途切れ途切れに否定の言葉を返すが、これは嘘だった。
 アギトは知らないがエリオは元々人並み外れた鋭敏な感覚の持ち主である。
 かつて街の喧騒に紛れていた異音に気づき、地下水道から出て来たヴィヴィオを発見した事もある。
 そんな彼がわざわざ立てられた音に気がつかない訳がない。
 その証拠にエリオの心臓は益々早鐘を打ち送られる血液の量が増えた事で股間の肉棒もギンギンに
膨れ上がる。

(……お前、嘘ついてないか?)

「んんーっ!!」 

 身体の反応から彼の嘘に気づいたアギトが少し強めに肉棒を擦る。
 目を見開いて悶えるエリオを見ながら、アギトの中に妙な嗜虐心が芽生えた。
 アギトは一旦エリオの口内を蹂躙する舌を引っ込め唇を離す。


118 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:37:25 ID:1yJu35i0
「ぷはっ」
「ぷはあぁ……あ、アギト、さん……っくっ……」

 アギトの思惑通りエリオはアギトの名を呼ぶ。
 この後彼の口から出る言葉がどんなものなのか彼女は既に確信していた。

「何だよ?」
「で、出ちゃいます、もう……!」


 ――予想通り。

 あとほんの少し手に力を込めてしごくだけでエリオはあっけなく射精するだろう。
 でもそれではアギトの気が済まない。
 先程から豊富な経験値の差でエリオを自在に弄びながら、何処か彼女は物足りない物を感じていた。
 勿論、エリオの方にアギトを気持ち良くさせようという動き(余裕と言い換えてもいい)が全く
見られないせいで微妙に欲求不満というのはある。
 しかし何か、それだけではない気もする。

「ああ、何時でも出していいぜ」

 アギトは言葉ではそう言いながら、エリオに気づかれないように僅かに肉棒を操る力を弱める。

「あっ、ああっ……う、で、出る……うああぁ、っ……」

 エリオは快楽に溺れた表情で呻き声をあげている。
 まだアギトの企みには全く気がついていない。
 アギトは内心で文字通り小悪魔の笑みを浮かべながら変わらぬ口調でエリオに射精を促す。

「ほら、早く出せよ、アタシも……少し、疲れて来たしさ……!」
「ま、待って……ぅう、だ、出します、すぐっ! うぁっ、あ、あ……力、抜かないでっ……」
 
 一度あからさまに力を抜けば、エリオは弱々しい口調で手コキを止めないでと懇願する。
 すぐにアギトは弱めの脱力に戻すが、ここで流石にエリオの方も何かがおかしい事に気がついた。

「ほら早くしろって、なっ」
「出、せない、よぉ……ア、アギト……さ、ん……もっ、と……あふぅっ、もっとぉ……」


119 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:38:40 ID:1yJu35i0
 絶頂が近づいている筈が、一転してこのままでは永遠にそこに辿り着けないとわかる。
 エリオは半ばパニックに陥りながら叫び、アギトも彼に呼応するように根は優しい普段の彼女からは
想像もつかないほど口汚く絶叫する。

「あぅあぁいっ、出させて、出させてえぇっ!! っはあああああぁぁっ!!」
「出せよほら! 早く楽になっちまえよ!!」

 我慢できずエリオが自分の両手を股間へと近づけるが、一本はアギトの空いている方の手で、もう一本は
尻尾でがっちりと固められる。
 如何に鍛えているエリオとはいえ所詮はまだ子供である。
 対してユニゾンデバイスのアギトは外見こそ幼いが見た目に反して実はかなりパワーがある。
 結果、エリオの抵抗は空しく徒労に終わりアギトは存分にエリオを嬲り尽くす。
 そして数分が経った頃、ようやく――


「う、あ、ああ、あうぁぁああああああっ!!」


 アギトはエリオを絶頂に導いた。
 肉棒から散々待ちぼうけを喰らわされた白濁液が、凄まじい勢いでアギトに向かって放出される。

「痛つっ!」

 あまりに勢い良くぶつかった為にアギトは軽い痛みを感じて思わず目を瞑った。
 全身にぶつけられた白濁は彼女の肌を、バリアジャケットを、髪を満遍なく漂白する。
 特に赤い髪に点々とかかる白い精液は見る者の劣情を刺激する魅力的なコントラストを形成していた。
 
「……おーい、生きてるかー?」

 ただ、目の前で倒れ伏す少年はその光景を目撃する気力すら失っているらしい。
 その惨めとすらいえる表情を見ながら、アギトは自分が苛立っていた理由に気づいた。

 ――似ているが違うのだ。この少年とあの騎士は。

 確かに得物も同じタイプだし戦場で見せる強い意志、揺るがない信念といった部分は共通している。
 しかしこの場において彼の強さは全く発揮される事無く、自分に終始圧倒されたままだった。
 自分の事をいつもリードし、事後には優しく気遣ってくれた騎士とはまるで真逆。
 年齢や経験など致し方ない部分はあるし、そもそもどれだけ似ていても彼と同じ男性などこの世に存在しないのは
分かっている。
 分かっていたが、なまじ似ていた部分があったせいで彼女はエリオという少年に過剰過ぎる期待をしてしまっていたのだ。
 そして期待が外れると、一人で勝手に裏切られたと思い込んでしまった。


120 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:39:36 ID:1yJu35i0
(気の毒な事しちゃったな)

 アギト自身は達してはいないが、現状は半分賢者タイムが発動しているようなものである。
 彼女はは心の中で反省するとパンパンと頬を叩く。

「ほら、しっかりしろよ」
「うう……」

 とりあえずエリオの生存を確認する(まあ本番をやってないので腹上死などないだろうが)と、アギトは
この空間にいるもう一人にも声をかける。

「……でだ。一発抜いたんでアタシの方はこれで終わりだけど、お前はどうする?」

 返事は無い。
 凄まじい光景を見せられて魂が抜けているのは、何もエリオだけではなかった。

「おい起きろバッテン。目を開けたまま寝るな」
「……ハッ! ち、近寄らないでくださいですこの悪魔! 魔王! 冥王!」
「酷い言いようだなおい」
「女王! メガネ! ドS! クアットロ!」
「アイツと一緒にすんな、流石に心外だ。で、さっきも言ったようにこれでアタシのターンは一旦終わりな
訳だけど……」

 アギトはまだ回復しきっていないエリオを指差す。

「どうする? エリオの奴があんな状態じゃしばらく勝負もねえと思うんだけど」

 アギトとしては別にエリオを潰してまで勝負に勝とうという気はない。
 冷静になって考えると、彼はたまたま通りがかったところを二人の喧嘩に巻き込まれただけなのだ。
 ここは一度勝負を止めて、改めて二人だけで決着をつけるべきではないかと思う……今更な気はするが。

「な? そう思わねえかバッテン?」
「問題無いです。この程度全く問題のうちに入らないですよ」
「そうかそうか。やっぱりお前も……ってええっ!?」

 リインは大の字でベッドに転がっているエリオをひっくり返すと、何やら術式を唱え始める。


121 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:41:11 ID:1yJu35i0
「お、おいリイン一体何を」
「なんちゃらーかんちゃらー……そおぉぉい!!」




      メメタァ(※効果音はイメージです)




「アッーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 よく分からないがとんでもない力を秘めていそうな効果音と共にリインが術式をエリオのお尻に向けて
叩き込む。
 アナルに魔法を流されたエリオはベッドの上でカエルのように二度三度と跳ね上がった。

「何をするだァーー!!」
「シャマルの描いてる漫画では、お尻に刺激を与えると元気の無くなったおちんちんがまた元気になる
シーンがあったですよ。だから回復魔法の術式を座薬の要領で直接お尻に入れたです」
「……」

 あまりにあっさりと語るリインに、アギトは目を点にして口をぱくぱくと動かす。

「さあエリオ、元気になったところで次は私の番ですよ」

 リインが嬉々として服を脱ぎ始める。
 しかし肝心のエリオはというと、なるほど前立腺を刺激されたせいで肉棒こそ力を取り戻しているが、
他の部分は余さず瀕死の状態でむしろ先ほどよりも状況は悪化しているような気さえする。

「な、なあバッテン。ここで一旦休憩とか……」
「そんな事言って勝負を有耶無耶にする気ですね! そうはいかないですよ!!」

 アギトはリインを何とか止めようとするが、逆にリインに一喝されてしまう。


(こ、こいつはやばいぞ……『無知な子供』と『漫画で得た知識』の組み合わせは大抵ろくな結果に
ならねえ……ていうかシャマルの奴この時空でも腐女子だったのか……)

 全ての服を脱ぎ終わったリインは一歩一歩エリオへの間合いを詰めていく。
 このままエリオはリインに絞り殺されてしまうのだろうか……?


←To be Countinued


122 名前:>>47=ておあー:2008/10/25(土) 17:42:23 ID:1yJu35i0
以上です。お付き合いくださった方、ありがとうございました。
ストラーダ(隠喩)は余りエロくなかったんで早々と肉棒にチェンジ。言葉の選択って難すぃ。
>>54見て発作的にここまで書いたけど徹夜明けではここが限界……続きは火曜辺りまでに何とか。
結末はどうしようかしらん。やっぱ一通りきちんとヤった後デアボリックホームラン一閃エンドが妥当か……
いっそこのテーマで色んな書き手さんに執筆してもらってマルチエンディング形式に……は難しいですよねやっぱり。

ところで……アルカディア氏に一つお願いがあります。
実はこのSS、ここまで書き終わった段階に至ってもいい題名が思い浮かばず、まだ名前が決まっていません。
そこでもしよければこのSSの原案者である氏にゴッドファーザー(名づけ親)になっていただきたいのです。
『だが断る』ってな場合はこちらで捻り出しますので、気軽な気持ちで是非一つお願いします。


123 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 17:47:30 ID:dVPGR66l
もうやめて! エリオのHP(エッチポイント)は0よ!
と言いたくなるほどGJ!

124 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 17:59:50 ID:81A1whZW
>>122
エリオ逃げてええええええ
限界まで絞り取られるのはもはや彼の運命か…
GJ!!

125 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 18:30:54 ID:JiuxYp3H
>>122
GJ!アギトカワユス
リインをこんなに恐ろしいと思ったのは初めてだw

あと「外道主の日課 後編」のことも時々思い出してください
俺はずっとワクテカして続き待ってるんだぜ!

126 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 18:58:36 ID:xW+y1NSE
>>122
どんな方法でアッー!な展開に持っていくかとwktkしながら読んでいたら前立腺とかww
この後どうなってしまうんだエリオ・・・最終的にはやっぱ3Pか・・・
てか「叩き込む」ってよく考えるとすごい痛そうだwww
何はともあれGJです!

127 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 20:51:40 ID:tdFdC6hW
>>122
エ、エリオのお尻がーーー!らめぇ〜ww
何はともあれGJ。こりゃ続きも楽しみだわい。そして、諸悪の大元シャマルさん自重w

128 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 21:31:14 ID:THLw8i3W
エリオ、ナンバーズ丼を食す(性的な意味で)とか…
どちらかというと食べられちゃいそうだけど

129 名前:554:2008/10/25(土) 21:40:10 ID:VBYoSPw6
巨人日本シリーズ出場決定おめでとー。

そんなわけで(?)、クリニックFの続き投下します。 21:50頃から失礼したいと思います。


130 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 21:42:44 ID:dVPGR66l
うおっ、あぶねー。
危うく、ぶつかるとこだった。んじゃ、後で。



131 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 21:45:03 ID:xYeJcipM
うは、何か昨日あたりからいきなり密度が増してるw
大量投下wktk

132 名前:554:2008/10/25(土) 21:48:09 ID:VBYoSPw6
>>130
おっと、お先失礼しますよ。
そして、モノは相談なのですが感想レスを付けやすくするために続行して投稿なぞいかがでしょう?

133 名前:野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/10/25(土) 21:50:25 ID:dVPGR66l
>>132
僕はいいですよ。

134 名前:トリップディスクロージャ:2008/10/25(土) 21:50:32 ID:Xu5WBF0L
詞ツツリ ◆265XGj4R92
#and

( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc
#マカー

◆K17zrcUAbw
#2525

野狗 ◆gaqfQ/QUaU
#knock

◆ghfcFjWOoc
#1407063

シロクジラ ◆bsNe6z3qW2
#getterro

135 名前:554:2008/10/25(土) 21:54:41 ID:VBYoSPw6
ついにこのスレにもきたか…。
ま、そんなことはさておき。


野狗氏から許可が取れたので投下したいと思います。
書いていて心が苦しくて苦しくて…。 だが、それがいい! 正直こういう話が大好きな私は

・カップリングはジェイル(あえてこう表記)×ウーノ
・スカの性格がかなり変化してます。それについては保管庫にある話を参照して下さい。
・なのはキャラはスカとウーノ以外はフェイトくらいしか出ません。よってほぼオリジナルストーリー。
・現在までの話はほのぼのでしたが、前回から作風が百八十度変わっております。
・イメージBGMは水樹奈々さんの”through the night”です。 知らなくても楽しめますが、知っているとより楽しめます。
・NGワードは「小さな町の小さな診療所 クリニック・F」です。

それでは原案の73-381氏に多大なGJを送りつつ、投下したいと思います。


136 名前:554:2008/10/25(土) 21:55:22 ID:VBYoSPw6
「私は」で止まってますが気にせず…orz

137 名前:Clinic F 'through the night' U:2008/10/25(土) 22:00:02 ID:VBYoSPw6
 あの日の場所に連れ戻して 広くても触れあう二人の世界

 もちろん一つ この夢だけ掻き乱さないでいて



「護くん、鞍馬さんのところいってタマとあそばない?」
「いいね。あ、でもこの時間は先生の所にいるんじゃないかな」
「じゃあ、先生のところ、行ってみよう」

 微笑ましい子供達のやり取りを尻目に、フェイトは路頭に迷っていた。
 アリサとすずかの情報から医療関連で怪しい所を片っ端から当たっていって、今日で十三ヶ所目。その結果は言うまでもない。
 しかし、今までの例と今回の例で全く事情が異なるのは、今フェイトの眼前で展開されている光景そのものだった。

「家が……木で出来てる……?」

 電車が二両編成であることに驚き、切符を駅員が回収することに驚き、この地に来てから三度目の驚きを、フェイトは硬直という行動を持って感想を分かりやすく表していた。
 フェイトが驚くのも無理はない。生涯の親友と暮らしていた町も、捜査で今まで巡ってきた町も、全てがコンクリートや白壁といった素材を外壁に使った建築物ばかりで、フェイトは外壁に木目の現れる古き良き時代の木造建築を見るのは初めてであった。
 そして、フェイトを路頭に迷わせている難題がもう一つ。

「道が分からない……」

 細い路地の多い古くからの町並みにありがちな地形がフェイトを更に悩ませていた。
 ここを曲がれば行き止まりで、あそこを曲がればこっちに出ちゃって。フェイトは堂々巡りを繰り返し、下手をすれば頭を掻きむしって叫ぼうかと思うところであった。
 そんな時、フェイトの真後ろでキキーッ、という鋭い音と共に、ドンッ、という鈍い音。フェイトは反射的に今歩いてきた道を振り向き、音のする方向へと駆けだしていた。
 彼女が歩いてきた一本道の先。この町で唯一と言ってもいいほど車の通りの激しい県道がフェイトの視線の先にあった。
 その視線の先で倒れているのは、先程仲の良い様子でフェイトに癒しを与えていたうちの男の子。頭を打ったのか頭部から出血し、足もおかしな方向へ曲がっている。
 傍らには彼の名を必死に呼びかける少女が一人。手には小さなネコが抱えられていた。
 まもなくしてフェイトが駆けつけるが、その時には既に少年の意識は消え果てていた。
 フェイトは咄嗟に脈を確認する。まだ脈はある。今急いで病院に運べば、間に合う……!


138 名前:Clinic F 'through the night' U:2008/10/25(土) 22:00:37 ID:VBYoSPw6
「キミ! ケガはない!?」
「私は……でも、護くんが……」
「この近くに大きな病院は!?」
「お、丘の上にジェイル先生っていうお医者さんがいるの!」

 その言葉にフェイトは目を見張る。

「じぇ、ジェイル!?」
「お姉ちゃんお知り合い?」
「あ、うん……じゃなくて! 早くこの子を運ばないと! 救急車じゃ間に合わない! 誰か早く!!」
「わ、分かった! すぐそこに知り合いのお兄さんがいるから呼んでくる!!」

 女の子が目の前にあった書店に入っていくのを横目に見ながら、フェイトは不謹慎ながら倒れている男の子とは別のことを考えていた。
 その顔は闇夜に蔓延る女豹のような、相手を視線で殺してしまうようなそんな目つきだったという。
 眉間にしわを寄せながら、彼女は呟く。

「やっと、見つけた……!」




139 名前:Clinic F 'through the night' U:2008/10/25(土) 22:01:56 ID:VBYoSPw6
     □     □     □     □     □



 男の子は診療所に着くなり用意されていた担架に乗せられて診察室の奥へと連れられていく。
 使われる機械は余り無かったが、大学病院顔負けの施設と設備をジェイルは自らの手で作り上げていた。
 当然ながら非合法であるが、それは完璧な論理と知識が合わさった集合体であり、機械を作ることで薬でも抑えきれない衝動を抑え込んでいたことの証でもある。
 ともあれ、男の子の乗ったミニバンには乗車できず、既に泣いている女の子に案内を頼んだために男の子の到着から数分遅れてやってきたフェイトは一目見たその診療所の質素さにしばし時を忘れる。
そんなフェイトを尻目に、案内していた女の子は診療所に着くなり駆けだして、診療所の中へと入っていってしまった。
 白いペンキが鮮やかなその館は蒼い屋根と共に清涼感を演出し、傍らの庭には収穫時を迎えた色取り取りの野菜達が熟れた体を風に揺らせている。
申し訳程度の小さな木製の看板には”クリニック・F”と書かれ、そこが診療所だと言うことをその看板だけが教えていた。
 本当に、ここに長年自分が追い続けていた人間が居るというのか。あの男はこんな所で診療所などという小さな事をやっているようなタマか。彼女は疑心暗鬼に捕らわれかけていた。
 そんな呆然と立ちすくすフェイトに一人の青年が声を掛けた。

「ああ、護を助けてくれた方ですね。ありがとうございます」
「えと、あなたは……」
「立川、といいます。彼の家の近所に住む者です。お見受けしたところ、旅行の方ですか?」
「ええ、ちょっと……」

 フェイトはふいに疑問を抱く。
 何故、ジェイル・スカリエッティが人の命を弄んでもおかしくないような状況で、彼は落ち着いていられるのだろう。
 それはおそらく、彼はジェイル・スカリエッティという医師を信頼しているからだろう。それ以外の答えはいくら考えても思い浮かんでこない。
 そんな彼に「ここの主を捕まえに来ました」とは言えず、フェイトは路頭に迷っていた。そんなとき、先程入っていった女の子と共にこちらは面識のない、自分と同じくらいの年齢の女性が診療所のドアを開けて出てくる。
 女の子は女性にしがみつき、体を震わせ泣いていた。


140 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 22:03:00 ID:r5DTZm9a
>>122
Gj!
続きが待ち遠しい。
エリオもMとSの美少女二人に攻められてならきっと絞り取られても満足だろう…

141 名前:Clinic F 'through the night' U:2008/10/25(土) 22:03:28 ID:VBYoSPw6
「あの子、前にも同じようなことがあったんですわ。その時は男の子、護は全身擦り傷青痣だらけと親の説教だけで済んだんですが……」
「……そう、ですか」

 フェイトが言いよどむ理由。それは青年や少女の立ち振る舞いだった。
 この人たちを見ていると、自分が接してきたジェイル・スカリエッティは虚像で、この人たちの接してきたジェイル先生が実像であるように思えてきたのだ。
 彼らは何か脅されているだとか、弱みを握られているだとか、そういったことは全くない。己の感情に正直になっても、彼らはジェイル先生という人物を心から敬愛しているのだ。
 目を見ればそれが一目瞭然だ。これでも管理局の執務官。汚い人にはそれなりの瞳しか宿っていない。
 それがどうだろう。彼らは目が純粋なのだ。何も嘘は付いていない、自分に正直になって、その結果としてジェイル先生の診療所に駆け込むという手段を選んだ。この世界には救急車という手段があるのに、だ。
 医者が地域の人にそこまで敬愛されるには逸れ相応の時間と努力が必要である。それをジェイル・スカリエッティはたったの半年でやってきたというのか。
 フェイトにはそれが信じられなかった。



    □     □     □     □     □



 その後、彼を轢いた青年、少年の両親も到着し、更に深山と名乗った人物も診療所の中に入って内部の人口密度が高くなる一方で、フェイトは依然として駐車場を兼用にした診療所の庭にいた。
 あれから色々と調べてみた。
 植えられている野菜は毒や催涙作用のある物質が混ぜられているものなのでは、と思って調べてみてもただの家庭菜園に過ぎなくて。
 診療所の裏に違法研究を行っている大きな研究所があるのでは、と思って建物の裏に回り込んでみてもそこには山しかなくて。
 人が居ないのをいいことにゴミ箱まで漁ってみたりもしたけれど、中には普通の医療器具や普通のゴミしか入っていなくて。
 何を探しても、何処を探しても、答えとして返ってくるのは彼らが普通の生活を営んでいることの証にしかならず、自分のしている行為が彼らの手のひらで踊らされているだけだと感じ、それが腹立たしかった。


142 名前:Clinic F 'through the night' U:2008/10/25(土) 22:04:01 ID:VBYoSPw6
 フェイトはまだ、ジェイル・スカリエッティがここまで住人に信頼を寄せられていることを信じられなかった。
 人間の信頼や敬愛と言った感情は一朝一夕で得られるものではない。むしろ、長い間の善意ある行動によってのみ成立するそれは、暴力や金品によって形成されるということは決して無く、その人物がいかに自分以外の他人という存在を慈しんでいるかのバロメーターである。
 それを、あのジェイル・スカリエッティが得ているというのか。有り得ない。
 バルディッシュに命じて広域魔法の検索もやってはみたが、いくらあのジェイル・スカリエッティと言えどこれほど広範囲にしかも人格に作用する魔法を使ったとは考えにくい。
 それどころか、銃を撃った後なら火薬などの弾痕が残るように、魔法を使えばどんなに小さくとも魔力痕が残るはずなのである。
 それが、全くないのだ。この白い館を含めて辺り一帯に魔法を使用した形跡は全くない。
 ますます分からなくなった。彼はこの地で一体何をやっていると言うんだ。
 この第九十七管理外世界、通称地球には魔法関連の文化は全くないが、フェイトの親友二人のようにごく希にだが先天的に爆発的な魔力を有するものが産まれることは後の調査で既に分かっていることだ。
 だから、ジェイル・スカリエッティは先の戦闘機人での戦いで敗れた原因としてオリジナルの人間を用いなかったことを敗因としたのではないか、と部下であるティアナの報告から結論づけたフェイトは各世界に散らばる協力者に協力を要請していた。
 管理世界ももちろんのことだが、ジェイル・スカリエッティの求めているものは戦力である。そうなると、大好きな自分の世界にも当然目を付けているだろうとフェイトは思っていた。
 案の定、その後の調査でティアナからもたらされた情報にはハッキリと自分たちが長年住んでいた星の名前が記録されていた。

「分からない……」

 ヤツの、ジェイル・スカリエッティのしている行動が全く分からなかった。
 何が目的で、何のために。それすらも分からない。自分はいったい何のためにここまで努力してきたのだろうというのか。
 そんなとき、ふいに診療所のドアがベルの音を鳴らし、人の出入りがあったことを知らせる。
 理解はしていなかったけれど、それに対する心の準備はもう、出来ていた。

「―――外で待つというので外で待ってもらってるんですけど、それが―――




143 名前:Clinic F 'through the night' U:2008/10/25(土) 22:04:34 ID:VBYoSPw6
     □     □     □     □     □



「お久しぶりです。ジェイル、スカリエッティ」

 彼らの動きは実に不自然なものであった。
 フェイトと名乗った女性がそう言っている傍らで、ジェイルとウーノは揃って死んだように動かなくなってしまっていた。
 ウーノに至ってはその藍色の瞳から一筋の雫が流れ落ちている。その姿はまるで、自分の死期を死神によって宣告されたかのように影を落としている。
 そんなことは気にも留めないのか、フェイトは至極事務的な口調で二人へとたたみ掛ける。

「探しましたよ。でも、灯台もと暗しなんて幻想だと思ってた私の失策ですね、これは」
「……当時の知り合いでここに来る人間が万一に居るとしたら、それはキミだと思っていたよ」
「お褒めにあずかり光栄です」 

 ようやく動き始めたジェイルだが、明らかに不自然である。
 口調自体は普段の彼そのものなのだが、その背中から滲み出る黒い影は完全に部外者である隼たちにも分かるほどであった。
 ウーノは相変わらず、床にへたり込んだまま動かぬままだ。

「まさか偽名を使っていないなんて、驚きました」
「私はもともと根は正直な人間だからね。それに―――

 ジェイルは一度口を結び、心配そうな面持ちで床に座るウーノの方を振り向き、一呼吸置いてから、また言葉を紡ぎ始める


144 名前:Clinic F 'through the night' U:2008/10/25(土) 22:06:11 ID:VBYoSPw6
―――ウーノと約束したんだ。もう嘘は付かないって」
「……そうですか」

 その言葉に何故か表情を暗くしたフェイトはすぐに燐とした先程までの表情に戻す。
 一瞬見せたその表情は戸惑い、だろうか。彼女の瞳の中に何かしらの迷いが見えたということは確かだろう。

「明日の夕刻にまた来ます。それまでに……分かってますね」
「ああ、もう無理だ、分かっている。あの子達の力がなければ私は無力だからな」
「ご理解が早くて助かります。それでは」
「ああ、そうそう」

 何かを思い出したような口ぶりで踵を返して立ち去ろうとしたフェイトを呼び止める。
 フェイトが見たジェイルの表情は、フェイトの知っているような憎たらしく攻撃的な笑みではなく、相手を思いやる目。フェイトの全く知らない表情であった。

「この丘の麓に私の知り合いの素晴らしい旅館がある。そこに泊まっていくといい」
「……お心遣い感謝します」

 明らかに作り笑顔と分かるような微笑みを浮かべて、フェイトは丘を降りていく。
 その表情に戸惑いと、そして焦りが浮かんでいたことに死角であったジェイル達は気づいていない。
 フェイトは沈みかけた夕陽に向かっておもむろに呟く。

「どうしてこうも上手くいかないのかな……」

 自分の教官であったクロノの顔を思い出しながら、フェイトは丘を降りていく。




145 名前:Clinic F 'through the night' U:2008/10/25(土) 22:07:50 ID:VBYoSPw6
     □     □     □     □     □



 その夜。ジェイルとウーノは無言のまま食事を終え、寝室で夜を迎えていた。
 いつも楽しいはずの食事が楽しくない。いつも待ち遠しいはずの彼との夜が楽しくない。ウーノは寂しさと悲しさに胸が張り裂けそうだった。
 疾風とのお茶の埋め合わせで街へ買い物へ行ったときに、何となく目に付いたダブルベッド。二人が悠々寝られるその大きさに目を引かれつい足が止まってしまったところをジェイルに見られ、顔を真っ赤に染めながら購入したものだった。
 そんな彼との絆が、一人の女の来訪でこうも簡単に崩れ去ってしまうのか。今はあの時の彼との幸せな日々を思い出してしまうから、このベッドさえも叩き割ってしまいたい。暗い気持ちに沈んでいた。

「ウーノ、話がある」
「……なんでしょうか」

 隣で同じく深刻な面持ちで佇んでいたジェイルがウーノの方に顔を向け、ポツリと呟く。そんな彼の顔からは覚悟という二文字が伺い知れる。

「キミは、ここを出るんだ」
「……え?」

 意味が分からないというように、ウーノの表情が呆然としたものへと変わる。
 やがて、その意味を理解したのか、ウーノの顔が蒼白に染まり、目尻には涙が浮かび始めている。

「キミはここを出るんだ。これからはもう私に頼っては生きていけない。どこか、他の場所へ行くんだ」

 ウーノの心の中に悲しみと、そして絶望がこみ上げてくる。
 ウーノにとってジェイルという存在は彼女の全てである。それを捨てろというのか。だとしたら、自分はどうやって生きていけばいい……!
 支柱を失った家ほど脆いものはない。ジェイルを失った彼女を言ってみれば、まさしく支柱を失った家である。
 もう、彼女には何もなかった。彼という存在以外には。それを捨てろと言われて、そう易々と捨てられるだろうか。


146 名前:Clinic F 'through the night' U:2008/10/25(土) 22:08:20 ID:VBYoSPw6
 彼と居られるからと、彼が一緒にいるからと、ウーノの心の中で秘めてきた想いが、言葉になって空気を響かせる。



「私はッ、私は貴方を愛しています!! 機械だからと、創られたものだからと、そう言われても良い!! 私は貴方しか、貴方しか居ないんです!! だからッ……!!」



 はあはあと肩で息をしながら、そして顔には幾重もの光の筋を生み出し続けながら、ウーノは自分の全てを絶叫する。
 思えば、それだけで彼と共に動いていたのだ。起動してから、看護婦の真似事まで、彼が全てだったのだ。
 ウーノは晴れやかな気分でいた。長年の想いを正しく理解し、そして伝えたのだ。そして彼もまた、同様の返事をしてくれると信じていたから。
 しかし、ジェイルは一瞬の驚愕の後、顔を俯かせ悔しさを表すように拳を強く握りしめる。白いベッドシーツにぽたぽたと赤い染みが出来はじめていた。
 やがて、錆びた扉を開くようにゆっくりと、そして小さく口を開く。

「私は……」

 後悔の表情でそう呟き、一旦間をおくと、最近やっと見慣れてきたあの軟らかい表情ではなく、ドス黒い顔で塗り固められたあの頃の顔がウーノの瞳に映し出された。


147 名前:Clinic F 'through the night' U:2008/10/25(土) 22:09:47 ID:VBYoSPw6
 そして、呟きは言葉へと変わる。

「私は愛していない」



「私は秘書として、そして部下として優秀であったから君を連れてきたんだ。私は君を、愛してなどいない」



 静寂が支配する部屋の中で、チクタクという時計が時を刻む音だけがやけに煩く感じられた。




                                                     to be continued.....





148 名前:554:2008/10/25(土) 22:13:01 ID:VBYoSPw6
現在の伏線回収状況
護の怪我→回収完了
「ウーノを好きなのか分からない(意訳)」→回収中
嘘はもう付かない→回収中
トーレとクアットロの会話→回収中

今回は「フェイトメインのお話とジェイル達の夜の始まり」でした。ついに来ちゃったよ…告白来ちゃったよ…。 そして、皆さんGJありがとうございます。本当に励みになってます。
さて、皆さんお馴染みの通称”鬼畜止め”ですが、ご多分に漏れず次が今回の長編におけるハイライトです。わたし自身一番書きたかった話で、今から書きたくて書きたくてわくわくしてます。
さあここからまだまだ奈落の底まで落っこちていきますよ。 心臓の弱い方は読むのを辞められた方が方がよいかも知れません。

えと、ちなみに次回はエロ有りなんですが、既存のエロとはちょっと違った方向で行きたいと思います。おそらくこのスレだと前例が無いんじゃないかなあ。
実用性や萌えなどは皆無ですので、そちらの方面で期待される方はごめんなさいです。

それではお次どうぞー。

149 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:16:14 ID:dVPGR66l
あい。バトンいただきました。
トリップ解析ってホントにあったんだ。すげえな、アンリミテッド・アナライザー(違)
というわけで続けて投下します。あと、意味無くなったんで、鳥取ります。
考えてみれば鳥なしコテの方ってここ一杯いるものな。

タイトル
「魔法少女リリカルなのはIrregularS」 第二話 (全十三話予定)


捏造しまくりなので、その辺りお嫌いな方は注意してください。
あと、色々遊んでます。心底パロディ屋だ、自分。
あぼんはコテで

今回の投下数は13です。



150 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:17:02 ID:dVPGR66l
     1

 六課の解散後も、似たようなコンセプトの部隊は構想されていた。
 いかなる事態にも即応、かつ一定以上の打撃を与えることのできる部隊はやはり必要だったのだ。その意味では六課の運用試験は成功だった。
 しかし、六課自体の存続は問題外だった。一般への知名度は別として、管理局内部での風当たりがあまりにもに強すぎたのだ。
 レジアスの死、陸の混乱がそれに拍車をかけた。甚だしい者に至っては、八神はやてによる陰謀説を唱えていたというのだ。
 それは理性的対応ではなく感情的なものだった。だからこそ、はやてはその対応策をすぐに見つけることができたのだ。
 ごく単純な手だった。
 目の敵にされているのは六課タイプの部隊やその運用そのものではない。八神はやてという個人そのものなのだ。
その意味では高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンへの風当たりは弱かった。それぞれ教導官、執務官としてのイメージが強かったのだ。
 ならば、八神はやてが表舞台から消えればよい。少なくとも、六課の後継部隊からは消えればよい。
 早速はやては、新部隊の設立を始めた。と言っても、実際に設立することよりも、まずはその土台固めである。そのために、偏見を逆に利用した。
 元ナンバーズへの偏見である。
 戦闘機人たちの実力は認められていたが、それはともに戦いたいという希望ではなかった。
だから、はやてはその希望を汲み上げる、あるいは理解するふりをした。
 そして、現在のエリオ率いる遊撃部隊の基礎ができたのである。
 さらに、管理局の一部、反八神陣営がそれを後押しした形となった。
 いつでも切り捨てることのできる便利な部隊として、遊撃部隊が必要とされたのだ。
 そのころのはやては、特佐という階級を受け入れていた。
 命令系統からは完全に自由であり、独自の行動裁量を大幅に認められている。
 反八神陣営から見れば、それははやての権威を棚上げして現場に口を出させないための処置でもあった。しかしあえて、はやてはその企みに乗って見せた。
仮に反八神陣営の思惑がなかったとしても、特佐階級に付随する裁量権は捜査官としてのはやてには大きな魅力だったのだ。
 そしていつの間にか、なのはとフェイトも特佐の称号を得ていた。もっとも、フェイトに関してはそれ以前に執務官なのだが。
 まさに、三人は管理局のお飾りにされようとしていたのである。しかしそのころには、はやては現在の遊撃部隊の骨子を作り上げていた。

「エリオ君らには、トカゲのしっぽになってもらうかもしれへんよ?」
「トカゲ……そんなに俺たちは弱くないですよ。恐竜のしっぽ、くらいは言ってください」
「それは頼もしいな」

 エリオの肩をポンと叩いて笑うはやて。

「そう言えば、いろいろと噂は聞いてるで」
「……どうせ、ろくな噂じゃないんでしょ?」

 うなずくはやての悪魔の微笑み。

「ハーレム部隊」
「うわっ!」
「隊長補佐が現地妻」
「あうっ!」
「夜の槍使い」
「ひでぇ……」
「渾名がいっぱいあって面白いなぁ、エリオは」
「半分くらいは、どこかの特佐が付けた渾名だって聞いたんですけど……ナカジマ特佐?」
「私は何も知らんよ?」
「……フェイトさん、なのはさん。貴方たちの親友は、仔狸から立派な古狸に進化し始めています」
「なんか言うたか。初恋の人が義母な隊長さん」
「すんませんでしたぁっ!」
「わかればよろしい」



              魔法少女リリカルなのはIrregularS
                   第二話
              「オットーの呟き、ディードの溜息」

151 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:17:58 ID:dVPGR66l
       2


 ディードのISツインブレイズが文字通り伸びる。
 六課との最終決戦に間に合わなかった刀身伸縮機能は、今ではジュニアの手によって完成させられているのだ。
 が、双剣は目標の手前で弾かれる。

「パワーに頼りすぎだな。相手の防御は砕けても、技を持つ者にはいなされるだけだぞ」

 アギトとユニゾンしたシグナム。そのレヴァンティンを前に、ディードは一撃も与えられずにいた。
 いくら攻撃を加えてもシグナムにいなされ、それ以上は近づけないディード。シグナムは手詰まりになったディードを見て取ると瞬時に、
シュランゲフォルムを繰り出す。

「くっ……また」

 今日数度目のシュランゲフォルム。しかし、そのどれもが微妙に異なった軌跡で襲来するのだ。一度目を避けても二度目。それを避けても三度目。
避けきれない軌跡が来たときに、ツインブレイズは手元から弾かれる。
 それでもディードは残った一剣を手に、シグナムの背後へと飛ぶ。しかし、シグナムはその機動よりも早く振り向くと、
レヴァンティンの鞘でディードのみぞおちへ一撃を打ち込む。
 なすすべもなく落下していくディードには目もくれず、シグナムはレヴァンティンを鞘に戻すと待機モードへ。そしてアギトとのユニゾンを解除する。
 アギトは落ちていくディードを興味深く、どこか哀しそうに見つめていた。

「ディード……やっぱり弱くなってるよ」

 もともと、アギトは元ナンバーズ一行に対しては過剰な仲間意識など持ってはいない。彼女にとっての当時の仲間とはゼストとルーテシア、
そしてガリューだけなのだから。
 しかし、その力を認めていなかったわけではないのだ。それがこうもあっさりと負けるところを見るのはさすがに忍びない。
 しかし、シグナムは真面目に言う。

「ディードが弱いというわけではない。私とお前のユニゾンが強力すぎるのだ。並の術師なら、ディードの攻撃をいなすどころか受けることすらできんだろう」
「そうなのか?」
「自分で自分の強さがわからないのか? アギト」
「うーん……あたしは、あんまり実感がない。なんというか……シグナムとのユニゾンは自然すぎて、ピッタリだとは思うけれど、
強くなったって感じはあんましない」

 相性のいい融合騎は、主にも自分にも必要以上の負担をかけないと言われている。その意味ではアギトの言葉はまさに理想だった。

「とはいえ、戦術という意味では確かに未熟だな。戦闘機人としてのスペックに頼りすぎだ」

 シグナムはアギトを肩に止まらせると、ゆっくりと下降し始める。

「エリオには及ばないとしても、そこそこには駆け引きも覚えてもらわないとな」
「なあ、シグナム」
「なんだ?」
「あいつ、シグナムの三番弟子になるんだって?」
「ああ」
「一番はエリオだろうけど、二番って誰なんだ? そんなやついたっけ? フェイトのことか? あ、でも、それならエリオよりフェイトのほうが先だよな」

 考え込むアギトに、シグナムは笑った。

152 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:18:35 ID:dVPGR66l
        3


「そうか、お前にはまだ話していなかったな」
「あたしの知っているやつか?」
「私もまだ、どんな者かは知らない」
「は?」
「私の二番弟子は、予約済みだ」
「だから、誰なんだよ?」
「テスタロッサの子供だ。いつか子供を産んだら、私の弟子にするそうだ」
「……フェイトの子供か……あの旦那見てると、そんなに強そうには見えないけどな」
「人は見かけによらないぞ」



 一方、シャマルは座学の講義を行っていた。
 神妙な顔をして座っているのはウェンディとセイン、そして小隊長格のスバルとチンクである。
 小隊長に関しては言うまでもない。そして、セインはその能力からして戦術眼を養う必要がある。ウェンディも、現在の能力からすると戦術眼は必要なのだ。
 空間投影されたシミュレーション画面で、セインとスバルがチームを組んで戦術を組み立てている。ウェンディとチンクはシャマル側だ。
 盤上の戦いは膠着状態に陥っていた。
 もっともチンクは、
 ……わざと膠着状態に持ち込んだ? シャマル殿は何を考えている?
 シャマルの意図を疑っている。
 すると、セインが焦れて言った。

「待った。あたしなら、この位置からディープダイバーで入り込める」
「その位置にいるのはただの隊員よ。セインと決めていたわけではないでしょう?」
「いや、あたしだ。あたしが実際にこの場にいれば、すぐにここに駆けつけるはずだ。間違いない」       
「それじゃあ、そのコマはセインということなのね?」
「そうだよ。せっかくのレアスキルは有効に使わないとね」

 シャマルはセインだと宣言されたユニットの位置を確認する。シミュレーション開始から動かされていないユニットである。

「だったら、これでおしまい」

 画面上のユニットが一つ消えた。それはたった今、セインだと決められたユニット。

「設定を再確認して。そこには、IS発動に対応する地雷が仕掛けてあったはずよ」

 慌ててスバルがデータパッドを確かめた。

「……本当だ」
「……え?」


153 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:19:21 ID:dVPGR66l
       4

 セインがシャマルを見た。その表情が不満そうに歪んでいる。

「セイン。イカサマではないぞ」
「でも、チンク姉、こんなの…」
「ディープダイバーがもっとも有効に活用できる位置はそこだ。それは私にもわかる。だからこそ、シャマル殿はお前がそこに配置されると予測した。
それだけのことだ」
「でも、最初はこれはただの隊員だって……」
「それを自分だって言い張ったのはセインだよ」

 スバルの言葉に、セインは絶句する。

「えっとつまり……」

 ウェンディが全員に確かめるように言い出した。

「シャマルは、セインがそう言い出すのを予測してた?」
「セインの性格ね。だけどそれだけじゃないの。ディープダイバーの性能を知っていれば、この位置がもっとも有効活用できる位置だと言うことも予想できるわ。
さっきチンクの言った通りね」

 つまり、とシャマルは続けた。

「セインがディープダイバーを有効に使うつもりなら、必ずここに来るはずということ。そして、この部隊と戦うには、セインをつぶしてしまうのが最も重要。
言い換えれば、レアスキル持ちのいる部隊は、レアスキル持ちを優先的に叩く必要がある。では、レアスキル持ちを優先的に叩くには?」

 今の状況から、ウェンディは考える。

「相手がレアスキルを使いたくなる状況を作り、罠をはる」
「そのとおり。それじゃあ、攻守交代してもう一度ね」

 セインはよしっ、と拳を握った。

「チンク姉はランブルデトネイター、ウェンディは“ドーターズ”だね」
「お手柔らかに、セイン。あたしの娘を虐めちゃ嫌ッスよ」

 ウェンディとセインの盛り上がりに、シャマルはチンクと顔を見合わせて苦笑いする。

154 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:20:06 ID:dVPGR66l
      5


 グラーフアイゼンとジェットエッジが正面からぶつかった。
 踏ん張りきれずノーヴェはヴィータに押されるが、次の瞬間グラーフアイゼンを乗り越えるように回り、残った足でヴィータの首を刈ろうとする。
 その蹴りが届く寸前、グラーフアイゼンのシャフトが伸び、ラケーテンフォームにシフトする。それによってバランスの崩れたノーヴェだが、
辛うじて体勢を整えると再び地面に立ち、空に逃げるヴィータに向かいエアライナーを展開する。

「はっ。そんなスバルもどきであたしに張り合うつもりかっ!」
「うっるせぇ! ちょこまか飛びやがって! 降りて勝負しやがれってんだ!」
「正面から勝負したって、お前の足にあたしのアイゼンが打ち負けるわけないだろ」
「だからやってみろってんだろ!」

 再び蹴撃の体勢。迎え撃つヴィータ。
 そしてジェットエッジとグラーフアイゼンの衝突。
 と見せかけたノーヴェが身体を捻る。アイゼンの軌跡から外した位置でガンナックルをヴィータに向けた。

「もらったっ!」
「そんなフェイント、見え見えなんだよっ!」

 振るわれる速度は変わらず、その軌跡だけを変えたラケーテンハンマーがノーヴェの身体を文字通り殴り飛ばす。

「おらあっ!」

 悲鳴を上げて地面に叩きつけられるノーヴェ。

「くっ…………そっ!!」
「スペックは高いのか知んねえけど、戦うときはもっと卑怯になるんだな。デバイスの軌道なんざ、目を離した隙にいくらでも変えられるんだからな。
並の武器とアームドデバイスを一緒にするなよ?」
「卑怯になれ? それがベルカの騎士とやらのセリフかよ!」
「バーカ。卑怯な行いと戦いの駆け引きを一緒にするな」
「誰が馬鹿だ! この赤チビ!」
「……てめぇ……今なんつった?」
「チビにチビと言って何が悪い」
「てめえんとこのチンクと変わんねえだろっ!」
「チンク姉と一緒にするな! 変なウサギ頭につけやがって!」
「あ……て、てめぇ……このウサギを馬鹿にしたのか……」

 ヴィータの瞳に炎が宿る。

「……あとからゲンヤさんには謝っとく。今日からナカジマ六姉妹は五姉妹に変更だっ!」
「はんっ! はやてには後から報告だ。明日ッからヴォルケンリッターは三人だってな!」

 急降下とともに振り下ろされるアイゼン。
 最高の角度で蹴り上げられるジェットエッジ。

155 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:20:46 ID:dVPGR66l
       6

「喧嘩しちゃ駄目!」

 まさか、二人の打撃が止められるとは。しかも、たった一人の手によって。

「なにやってんのよ、ヴィータちゃんもノーヴェさんも!」
「おめえ……」
「あ……」

 驚くヴィータと、顔色を変えるノーヴェ。
 特にノーヴェの驚きは大きい。はっきり言って、この人を傷つけるのはまずい。
 ヴィータ相手なら、訓練で盛り上がりすぎて相手を病院送りにした、と言っても眉を仕掛けられるだけで済む。場合によっては笑い話になる。
本気で怒るのはギンガぐらいだろう。シグナムに至っては「ヴィータの修行不足だ」と言い放ちかねない。
 しかし、これは違う。
 彼女を傷つければ……それもかなり難しいが……、ざっと考えただけでもオットー、ディード、セイン、ディエチが敵に回る。
さらにはエリオ、スバル、ルーテシア、フェイト、ザフィーラ。そして極めつけは、高町なのはが魔王となって襲ってくる。
 絶対、敵に回してはいけないのだ。
 彼女の名は、ヴィヴィオ・高町。
 聖王の鎧効果によって二人の争いをとめたヴィヴィオはその二人をじっと睨んでいる。

「睨むなよ」
「睨んでねーです」

 ヴィータが吹き出した。

「な、なんだよ、おまえ、それ」
「ヴィータちゃんを睨むときはこう言えって、ママが」
「なのはのやつ……余計なことを……」
「喧嘩は駄目だよ」
「いや、これは訓練で」
「なんか悪口言い合ってた」
「う……」

 ヴィータはそこで思い出した。ヴィヴィオの気を反らすには一番の方法がある。

「あ、そういえばザフィーラのやつも一緒に来てるんだぞ」
「本当!?」

 輝くようなヴィヴィオの笑顔。

「どこにいるの?」
「それは知らない」
「意味なーい」
「ザフィーラならオットーと一緒だ。オットーの居場所なら、ディードに聞けばすぐわかる。そして、ディードはシグナムの所だ」

 ノーヴェの助け船。ノーヴェとて、いつヴィヴィオの矛先が向けられるかわからないのだ。さらに、元ナンバーズ組は全員ヴィヴィオに負い目がある。
なんと言っても、誘拐犯とその被害者だ。
 ノーヴェが空を指した。確かに、シグナムの姿が見えている。

「ほら、あそこ」


156 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:21:22 ID:dVPGR66l
      7


 はやてはジュニアのラボを訪れていた。先日運び込まれたロストロギアの件である。
 部屋の隅、強化フィールドの向こうに、そのロストロギアは保管されている。

「これが、例の?」

 はやての言葉にジュニアがうなずいた。

「はい、そうです。ナカジマ特佐」
「あらゆる対象をコピーするロストロギア……」
「生命体、無機質、魔法物質、ほとんどのものの複製物を作り出します」
「生命体って……まさか」
「生命体に関しては、完全な複製と言うよりもクローンと言った方がいいかもしれません。ちょうど、僕やフェイトさん、隊長のように」
「簡易版プロジェクトFか。まいったな、こりゃ」

 他人事のようにぼやくエリオ。はやてがそんなエリオをじっと見ている。

「ま、わかってるやろけど、この始末、ここに回ってくるよ」
「でしょうね。というより、回して欲しいくらいです。こんなのが正面から扱える部隊は、今の管理局じゃウチくらいでしょう」
「“無限の解析者”がおるんや、期待してるで」
「ジュニアの能力なら安心です」

 ディエチが優しく微笑んでいた。

「あいかわらず、ディエチはジュニアに甘いなぁ。甘やかしすぎるんは、良くないで」
「で、はやてさん。そろそろいいんじゃないですか?」
「何やろ?」
「ジュニアのラボは盗聴とは無縁ですよ。それに、ここにいるメンバーは隊長、補佐、参謀、後は口の堅さじゃ折り紙付きです」

 ここにいるのはエリオ、ルーテシア、ジュニア。そしてディエチとガリュー。たしかに、エリオの言葉に間違いはない。

「たしかにな。ま、私としては……」
「あ、すいません、特佐。その前に一つ」

 ジュニアがおずおずと手を挙げた。

「どうしたんだ?」
「実は、昨夜から今の間に一つ、新事実がわかったんです」
「新事実? おい、初耳だぞ。ルーテシアは?」
「私もまだ聞いてない」
「すいません。隊長。ナカジマ特佐がここに用事があるとは思わなかったので」
「あー、ジュニア、多分、私の言いたいこともそれやと思う。さすがやね」


157 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:21:57 ID:dVPGR66l
       8

 ジュニアははやての讃辞に慌てながら、告げる。

「このロストロギアは、これ自体が複製物です。オリジナルは別にあるはずです」

 一瞬にしてラボ内が静まりかえった。機械の作動音だけが聞こえている。

「同じ事を私も言うところやった」
「どうして特佐が……」

 言いかけたジュニアをエリオが遮る。

「まさか、騎士カリムの予言、ですか?」
「違う。フェイトちゃんからの報告や」
「どういうことかわかりませんが」
「ジュニア、ディエチ、ルー子。心の準備しときや。嫌なもん、見せるで。リイン、記録投影や」
「はいです」

 実際に、顔色を変えたのはルーテシア一人だった。ガリューが側に行くと、

「大丈夫、気分が悪い訳じゃない。嫌なことを思い出しただけ」

 エリオとジュニアはそれぞれ、肩を震わせていた。ディエチは、いつもの無表情で画像を見つめている。

「……これは、セイン?」
「セインの、そっくりさんやな」

 数十人のセインが画面内では倒れている。そしてそのどれもが、一目で死体とわかる姿だった。

「検知されたんですか?」

 ジュニアの問いに、はやては首を振った。
 残りのメンバーは首を傾げている。今のやりとりがわからないのだ。
 画面内に倒れているのはセインのクローン。そして死体とわかる姿はほとんどが解剖されている。何故セインを解剖するのか。
 偶然の産物として発現したレアスキル、ディープダイバーの研究のため。
 そして、ジュニアは尋ねたのだ。

「(ディープダイバーの使用痕は)検知されたんですか?」と。


158 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:22:32 ID:dVPGR66l
       9

「これは、フェイトちゃんが発見したものや。ここで、さっきのロストロギアと全く同じもんが発見されとる」
「……しかし、セインはここにいる。複製は無理だ。いったい誰が……」

 エリオの言葉を引き取るルーテシア。

「ドクターなら、セインのデータは持っていたはず」
「拘置されとる連中は、皆確認済みやよ。ドクター、ウーノ、トーレ、セッテ。四人とも確認済みや」
「第三者が、ドクターのデータを活用している?」
「マリアージュ事件の例もある。まだ捕まってない関係者の一人や二人、おっても不思議はないやろ。データとなるとなおさらや」

 はやてはリインに指示して映像を替えさせる。

「セインもどき程や無いけどな」

 映像に映るのはディエチ、ノーヴェ、セッテ。彼女たちのクローン体である。数はセインのクローンほどではない。

「……砲撃、陸戦、空戦特化タイプですね」

 他人事のようにディエチが言った。

「ナンバーズの中でも、ドンパチやらかすには一番向いてる性能やな」
「……ああ、ここにあったんですね」

 早いと言っても、戦闘機人稼働にはそれなりの時間がかかる。しかし、ロストロギアによる複製ならばその時間は大幅に短縮されるだろう。
 ジュニアは、オリジナルがそこにあったのだと理解した。
 しかし、はやては言う。

「そや。ここに同じモノがあるって聞いたんや。さすがに、ジュニアが一晩で解析したとは思わんかったけどな。せやけど、そこにあったんも多分複製や」

 フェイトが追っていた戦闘機人量産事件。そこで見つけたのが、このラボだったのだ。
 駆けつけたときそこに残されていたのは、クローンのなれの果てと複製ロストロギアだけだった。

「それで、我々はフェイトさんの指揮下に入るわけですか?」
「いや、今のところは独自に追ってもろたらええと思う。もし、フェイトちゃんが本筋を掴んだら、すぐに呼び出すと思うけどな」
「ウチのフットワークは軽いですから、いつでも呼んでください。それで、はやてさんは?」
「本部にしばらく詰めとくよ。戦闘機人がらみやと、どんなイチャモンつけられるかわからへんからな。誰かが偉いさんの近くにおらなまずい思うし。
シグナムとヴィータ、アギトはフェイトちゃんの手伝いに行くけど、ザフィーラとシャマル、リインはこっちにおるからいつでも呼んでええよ」

 シャマルとリインははやてのアシスタント、ザフィーラはボディガードだろう。

「あ、でも、ザフィーラはこっちにおらなあかんかもしれん」
「なにかあるんですか?」
「うん。なのはちゃんからエリオに伝言や。預かって欲しいもんがあるて」


159 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:23:10 ID:dVPGR66l
         10

 オットーは微動だにしていない。と言うよりできない。
 どうやっても、身体が抜けないのだ。レイストームで破壊、という手もあるが、よほど上手くやらないと自分を傷つけかねない。

「まだ諦めるつもりはないのか?」
「ないよ」

 鋼の軛に締め付けられながらも表情一つ替えないオットーを、ザフィーラは呆れたように眺めている。
 この戒めから自力で抜け出す。それがオットーの自らに課した課題のようだった。
 逆の立場なら、自分も同じ事をしていたかもしれない、とザフィーラは感じていた。攻守は別だったとしても、
オットーのあの時の立ち位置は自分の立ち位置とよく似ている。前戦メンバー(その時点ではディード、ウェンディ、ノーヴェ)を影からサポートする役だ。
 自分が同じように敗れていれば、やはりその技を破ることを望んだだろう。
 ザフィーラの推測は少し違っていた。確かに、オットーは敗北したことを乗り越えるために鋼の軛を攻略しようとしていた。
しかし、正確にはそれは敗北のためではなく、もっと個人的なもののためだった。
 前線メンバーのためではない。オットーの記憶に強く残っているのは、ディードの敗北だった。
 ノーヴェとウェンディが敗れたのは連携のミスである。それに関してオットーは二人を擁護するつもりなどない。二人が未熟だったと思っている。
 しかし、ディード自身はティアナには勝っていたはずなのだ。
 一度の攻撃では意識を失わず立ち上がり、ティアナへ向かったディードを打ち倒したのはヴァイスの狙撃である。
 これは、オットーのプリズナーボックスが健在ならば完璧に防げたもののはずだった。つまり、オットーがザフィーラとシャマルに捕らえられたことに
よって敗れたのは三人ではなく、ディードただ一人なのだ。

「ディードは…僕が守る」

 オットーの呟きが聞こえたのか、ザフィーラはその場から一歩踏み出そうとした。

「ここか、ザフィーラ」

 足を止めて振り向いたザフィーラは、烈火の将とその訓練相手の双子の姿を見る。

「珍しいな、自分の訓練中に人のものを見に来るとは」
「休憩がてらにな。ディードがオットーの様子を見たいそうだ。それと、お前に客だ」
「客……?」

 訝しげなザフィーラに、シグナムが現れたのとは別方向から飛びかかる少女。

「ザフィーラ!」

 ほとんど反射的にザフィーラはその姿を受け止める。

「ヴィヴィオ?」

160 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:23:50 ID:dVPGR66l
       11

 抱きついたまま、振り回すようにヴィヴィオが回る。とは言っても回っているのはヴィヴィオだけで、ザフィーラはびくともしていない。

「陛下?」

 オットーが動きを止めて、できる範囲で会釈する。

「陛下はやめてっていつも言ってるでしょ、オットー」
「オットー、軛を外すか?」

 ザフィーラの提案にオットーは首を振った。

「自力で脱出する」
「がんばれ、オットー」
「ヴィヴィオ、今は黙ってみていろ」
「はーい」

 ディードは無言でオットーとザフィーラのやりとりを見ている。その両脇に立つように、ザフィーラとシグナムは構えている。
 ふと、シグナムはディードの様子に気付いた。

「どうした、ディード」
「私は、弱いです」
「今はな」
「オットーに、心配をかけてしまいます」
「オットーを守りたいのか」
「はい」
「だが、オットーもお前を守りたいと思っている。今は、そのための訓練だ」

 溜息に、ザフィーラが振り向いた。

「私は本当に弱いんでしょうか。私は貴方達のようにはなれません。チンク姉様のようにも、他の姉様たちのようにも」
「何故そう思う」
「私はオットーを守りたい、助けたい。たったそれだけです」
「充分だな」

 ヴィヴィオがぎょっとした顔でザフィーラを見た。

「俺は、主はやてを守るために戦っている。お前とどう違う?」
「違うでしょう、貴方は……」
「結果論だ。主はやてが望まないのなら、我らは高町やテスタロッサとともに戦うことなど無かった。お前は、オットーに自分のためだけに戦えと望むのか? 
それとも、オットーがお前にそれを望むのか?」

161 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:24:32 ID:dVPGR66l
      12


 ディードは答えない。

「誰のために強くなるか、誰のために戦うかなど、些細なことだ。そんなことは、自分だけがわかっていればいい」
「自分だけが……」

 そのとき、招集警報が鳴り響く。





「フェイクマザーがまた一つ見つかった」

 当該のロストロギアには「フェイクマザー」との名称が付けられていた。

「すぐに回収に向かってくれ。ルーテシア、ガリュー、チンク、オットー、ディエチ。指揮はルーテシアが執る」

 オットーがディードの横を掠めるように歩いた。

「ディードが僕を守るのなら、ディードは僕が守る」

 囁くような宣言。それに答える間もなく、オットーはメンバーと合流してしまう。
 ディードはただ、苦笑のような溜息をつくだけだった。
 やれやれと言うように。
 そして、嬉しそうに。



162 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:25:10 ID:dVPGR66l
     13

   次回予告

 ジュニア「僕が生まれたとき、母はいなかった」
 エリオ「俺たちの誰も、あんな事件は予測していなかった。事件の、あんな最期を」
 ジ「母は、いったい何を思っていたのだろう」
 エ「それは、もう誰にもわからない。きっと、スカリエッティにすら」
 ジ「次回、魔法少女リリカルなのはIrregularS 第三話『クアットロの想い ウーノの祈り』 僕たちは進む IRREGULARS ASSEMBLE!」



163 名前:野狗:2008/10/25(土) 22:25:49 ID:dVPGR66l
以上、お粗末さまでした。

一個だけ説明。

“ドーターズ”
 ウェンディのIS強化策です。後で出てきます。

164 名前:B・A:2008/10/25(土) 22:41:23 ID:P/ppZlFW
>>122
先を越されたか・・・・ちなみにこっちはまだ廊下でエリオと遭遇で止まっています。
オチが被らないか凄く心配。後、エリオのHPも心配。リインなら死んでもザオリクかけてくれそうだけど。
GJでした。

>>148
GJ.遂に来た・・・・ドラマならラストで暗転、エンディングテーマGO。
切ないですよ、ものすごく。幸せになってほしいな、本当。

>>163
GJ。
ボールがだんだん坂を転がり出した。
エリオの一人称が「俺」だったり口調が変わっているのはこっちでそれだけ修羅場潜ったたということですか。
そして“ドーターズ”・・・・・・まさかファ【自主規制】とかビッ【自主規制】ーツとか?

165 名前:83スレ260:2008/10/25(土) 22:58:01 ID:gnx2wuRC
お久しぶりです。
11時ごろにアリサ×エリオSSを投下しても大丈夫でしょうか?

166 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 23:00:06 ID:SD/w4oeA
ど〜ぞど〜ぞ

167 名前:83スレ260:2008/10/25(土) 23:01:45 ID:gnx2wuRC
タイトル 
「流されて海鳴」
アリサ×エリオ

投下数9

ではいきます

168 名前:流されて海鳴1/9:2008/10/25(土) 23:03:51 ID:gnx2wuRC
時空管理局トランスポート。ミッドチルダと他の次元世界を結ぶ輸送基地に
佇む少年が一人。機動六課ライトニング3、エリオ・モンディアルである。
本来なら厳重な管理がなされ簡単には使えないのだが、
彼にはそれをクリアしてでも外へ行きたい理由があったのだ。

「毎日毎日、もう限界ですよ…」
その決意とは裏腹にエリオの声は弱弱しく、
その顔も何処か生気に欠けていた。
ぶっちゃけて言うと純粋培養のショタっ子エリオはその総受け体質により
六課の女性陣から搾り取られまくっていた。

フェイトやキャロはもちろん、同じフォワードのスバティアコンビや
医務室のシャマル、果てはアルト・ルキノ・シャーリーといった
給湯室トリオに至るまで。
連日連夜の凶行に辛くもあるがそこはエリオも男である。
自分の意思のみで甘美な誘惑から逃れられるわけもなく、
最後は自分で求めてしまう。
この悪循環を断ち切るべくエリオが選んだのは
自ら距離を取るという道だった。

「さようなら…みなさん…」
エリオは別れの辛さと苦渋の決断の入り混じった感情で顔を歪めながら
ミッドを後にする。
残されたのは自室に置いてきた書置き一枚だけである。


毎日付き纏われ、搾取される日々に耐えられなくなったのでしばらく
ここを離れます。
探さないでください    ――エリオ」


「あれ、ここって…前に出張で来た?」
無事に転送を終えたことを確認したエリオは周囲を見渡す。
住宅が多く立ち並んでいるが自然がないわけではなく、
近くから潮風の薫りがする。
そこはなのはたちの出身世界海鳴だった。

「…ふぅ…これから何処に行こうか」
最初こそ戸惑ったエリオだがそこが見知った土地であると分かると
早速散策を始めた。
道なりに歩いていくと絵本に出てくるような豪邸に出くわした。
六課隊舎の何倍はあろうかという建物と絶壁を思わせる門扉に
エリオは圧倒されるばかりであった。
それを見上げていると、中から金髪の女性が現れた。
「うちに何か用ですかってあら…?」
金髪の女性はエリオの姿を確認すると目を丸くする。
その女性に見覚えがあるのかエリオも同様驚いた様子を見せる。
「エリオ!!」
「アリサさん!!」


169 名前:流されて海鳴2/9:2008/10/25(土) 23:05:01 ID:gnx2wuRC
「それにしても驚いたわ、エリオがここに来るなんて、それも一人で」
「すみません、突然お邪魔してしまって…」
申し訳なさそうに畏まるエリオをアリサは手で制した。
「別に謝る必要なんかないわ、丁度暇にしていたところだしね。
それで、何かあったの? わざわざ世界を跨いでまでウチに来たってことは、
それなりの事情があるんじゃないの?」
アリサの疑問は当然のものでミッドに住んでいるエリオと地球のアリサは
本来なら面識すらないはずなのだから。
「そのことなんですけど…」
しかし、エリオの口から真実を語るのは憚られたため、
核心部分を避けて説明することになった。

「ふぅん…訳は話せないが、しばらく此処に止めてほしい。
なのはやフェイト達にも知らせないでほしい、ねぇ…」
一通り話を聞いたアリサは分かりうる限りの内容を吟味する。
「…やっぱり、駄目ですよね。 こんな身勝手な頼みなんて」
対するエリオは断られるものと思って暗い表情を浮かべている。
しかしアリサの返事はエリオにとって予想外のものだった。
「別にいいわよ。 どうせ部屋は余ってるんだし、
わざわざ訪ねてきた知り合いを無下にするのも忍びないわ」
「い、いいんですか?」
エリオは半信半疑で問う。
「何よ、君の方から頼んできたんじゃない。 今更尻込みするんじゃないわよ」
アリサは元来の性格からばっさり切り捨てた。
はっきりしないのは彼女の性ではないのだ。
「えっと…それじゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」
エリオも覚悟を決めバニングス家のやっかいになることにした。
「ん、よろしい。 やっぱり君ぐらいの歳の子は素直でなくっちゃね。
ついて来なさい、部屋まで案内するわ」
アリサもそれに納得したのか、腕を組みながら立ち上がる。


170 名前:流されて海鳴3/9:2008/10/25(土) 23:06:05 ID:gnx2wuRC
「…うん、ここならいいかな。ウチにいる間は、
ここを自室だと思って好きに使ってくれて構わないから」
「な、なんだかすごく立派なお部屋に見えるんですけど…
本当に僕一人で使っていいんですか?」
案内された客間を見てエリオは目を丸くする。
普段自分たちが使っている部屋の何倍もあり、調度品も揃っているため
そこだけで生活が出来そうな程であった。
「いいわよ別に、どこも似たようなものだし。
…さて。 荷物は後で鮫島に運び込ませるから、汗でも流してきたら?」
「そうですね…確かに、ちょっとべたついてて気持ち悪いですし。
お借りしてもいいですか?」
エリオは素直にアリサの提案を受け入れた。
その様子を見てアリサに悪戯心が芽生える。
「ええ、いいわ。 何なら、お姉さんが背中流してあげようか?」
目元を下げ、誘惑するように言い放つと
エリオは顔を真っ赤にして後ろを向く。
「け、結構です!」
「ふふっ、冗談よ。 こっちよ、ついて来なさい」
アリサはエリオの反応を充分堪能し、浴室へ案内する。
だがこの時、アリサの内心ではこれ以上の欲求が鎌首を擡げていた。
(前に来た時も思ったけど、素直でいい子じゃない。結構見た目もいいしね。
…どうしよう、ちょっかいの一つでもかけてみようかしら?)
多少迷うが、相手が子どもなら本気にはならないと踏む。
この判断が後に騒動をもたらすことになるのだが…


171 名前:流されて海鳴4/9:2008/10/25(土) 23:07:44 ID:gnx2wuRC
「ふう…それにしても本当に大きなお風呂だな…。こんなお風呂、
実家の時以来…か…」
エリオはバニングス家の大浴場といって差し支えない浴室に感嘆の声を漏らす。
(それから離れ離れになって…フェイトさんに助けられて…
フェイトさんやキャロ達に搾取される日々が始まったのか。
確かに辛いけど、それでもキャロ達と一つになれる時は
すごく安心できるから不思議なんだよね…
フェイトさんやキャロ、ルーにスバルさん達…心配してるのかな)
そして無断で出てきた仲間たちのことを思い、胸が熱くなる。
自分で決めたこととはいえ10歳の少年にとって
その別離は辛いものなのは想像に難くない。
「あ、あれ…?」
彼らを思い出してかエリオの頬には涙が伝っており、
汗や水道とは異なる水が落ちていた。

ガラッ
エリオが涙をぬぐった時にアリサが悪戯、もとい背中を洗うために現れた。
「エリオー?背中流しに来てあげたわよー!」
「……ア、アリサさん!?!?!?な、何かようでしょうか?」
突然の闖入者に驚いたエリオは見られたくない場所を隠すだけで
手一杯であった。
その結果自分の泣き後をばっちり見られてしまう。
「ア…アンタ、泣いてたの…?」
「な、泣いてなんかないですよ!何を言ってるんですか!!」
子ども故の意地を張るエリオをアリサは優しく包み込む。
「………………エリオ……」
「!!!!!!な、何をしてるんですか!」
だがアリサはエリオの抗議を聞き入れずに強めに、
しかし諭すような優しい声をかける。
「何があったのか知らないけど、アンタはまだ子供なんだから…
泣きたいときには大人に甘えればいいの…」
その言葉で幾分か楽になったのかエリオはここで始めて自分の我侭を言った。
「…………っ…す、すみません…少しだけ胸を…
貸してもらってもいいですか…?」
「だーかーらー好きなだけ甘えないって。私は気にしないし、
誰にも言ったりしないわよ…」
そしてそれが引き金になったのかエリオは人目も憚らず盛大に泣いた。
それは誰よりも騎士らしく、
誰よりも大人であろうと背伸びをしていた少年の涙。
長い間溜め続け、
泣きたいときにも我慢し続けた少年の精一杯の感情の吐露だった。

172 名前:流されて海鳴5/9:2008/10/25(土) 23:08:59 ID:gnx2wuRC
「その…本当にすみませんでした…
身勝手なお願いしてしまった上に慰めていただいて…」
泣き終わったエリオは顔を上げアリサに謝罪する。
先ほどまで泣いたいたため、目は多少充血し、
目元にも涙がいくらか残っていた。
(!!!!エリオの涙目とこの上目遣い…きょ…強力すぎる………)
二人の体格差を考えればエリオが上目遣いになるのは当然のことなのだが、
アリサにとってこの衝撃は計り知れないものであった。
「アリサさん?顔が真っ赤ですけど、大丈夫ですか?」
突然のアリサの変化に心配し、エリオは顔をぐいっと近づける。
しかし、この何気ない仕草もアリサの最後の防波堤を壊すには容易すぎた。

「それじゃあエリオ、背中を流してあげるわね」
アリサは何気ない風を装い、本来の目的を果たそうとする。
エリオも多少の気恥ずかしさはあったが、
ここまできて断るのも気が引けるのでそのまま受けることにした。
エリオが椅子に座り背中を向けるとアリサも手にボディーソープを付け、
エリオの身体を直接洗い始めた。
ボディーソープの冷たさが刺激となりエリオの身体を駆け巡る。
「ひゃあ!!アリサさん、何してるんですか!?」
未知の感覚の衝撃と不意打ちにエリオが悲鳴に近い声を上げた。
「何って身体を洗ってあげてるのよ?」
アリサは今すぐ押し倒したい衝動を抑え普通に振舞う。
「だからって手で直接洗わないでくださいよ」
ムスッとした顔で文句を言うエリオ。

「暴れないでよ、こっちのが汚れが落ちやすいんだから。(嘘だけどね)
それとも何、ドキドキしちゃった?」
アリサはこれを説得しながらも身体を洗う手は一向に止まらない。
「そんなこと言ってもアリサさんの手が石鹸で冷たいし、
ヌルヌルするし……」
エリオは俯きながら言い、その語気も弱いものになっていた。
(ふふ、本当に素直で可愛いのねエリオ。もっといぢわるしたくなっちゃう)
アリサはエリオの様子に更なる追撃をしようと考えるが脳内の理性が
「子ども相手にこれ以上は駄目だ」と言う。
でも少しくらいなら……
アリサの中で天使と悪魔の熾烈な争いが行われた結果…
(毒を喰らわば皿まで、っていうし…いいわよね、もう少しくらいなら)
狡猾な悪魔が勝利を収めた。


173 名前:流されて海鳴6/9:2008/10/25(土) 23:10:12 ID:gnx2wuRC
「じゃあ、手を使うのはやめてあげる。 別のもので洗ってあげるから、
少し待ってなさい」
そう言うとアリサは両手をエリオの背後から抜き取り今度は手の泡を
自身の身体の一部に塗りだした。
「ん、冷た……よし、これくらい泡立てておけば大丈夫かな」
「あ…あの、アリサさん? 何をしようとして…」
奇行とも取れるアリサの行動にエリオは疑問符を浮かべる。
「ふふっ、直に分かるわ。 じゃ、始めるわよ」

アリサは再び背後から腕を差し込んだ。唯一つ、
さっきと違うのはエリオの胸の前でクロスさせがっちり抱え込んだことだ。
「はい…って、アリサさん!? 手は使わないって言ったじゃないですか!」
「分かってるわよ。 心配しなくても手は動かさないから、
ただ動かしやすいように腕を身体に回してるだけ。 本命は…こっち♪」
全ての準備が整いアリサは豊かなふくらみをエリオの背中に押し付けた。
「うわあっ!? あ、あああアリサさん、
背中に何か柔らかいものが当たってるんですけど!?」
エリオは背中に当たっているものの柔らかさとくすぐったさで
頭が沸騰しそうな感覚に襲われ、機械が排熱をするように言葉を吐き出した。
「当ててんのよ♪ なのはやフェイトには負けるかもしんないけど、
私のだって中々の物でしょ?」
そう言うと当てていた胸を挑発するように押し付ける。
その度にエリオの背中でマシュマロのように潰れ、形を変える。
「え、あ、その…」
エリオは何を言うべきか分からず狼狽しきっている。
アリサはそれに呆れて一旦行為を中断するがすぐに再開する。
「もう、こういう時はとりあえず誉めておくのが礼儀ってもんでしょ?
…とはいえ、まだ子どもだったら仕方ないか。
それじゃ、気を取り直してっと……んしょ、んしょ……」
アリサは胸を上下させる。双丘の圧迫に加え、
先っぽが与えるくすぐったいような刺激と本能に呼びかける性衝動が
エリオの全身の血液を急速に巡らせる。
「あ…うあぁ…」
アリサ(ふふっ、耳まで真っ赤になっちゃって…可愛い♪
…あれ、なんだか私も身体が熱くなってきたような…?)

174 名前:流されて海鳴7/9:2008/10/25(土) 23:11:25 ID:gnx2wuRC
アリサが肩越しにエリオの身体を見下ろすと、
そこには痛々しいほどに膨張したエリオ自身が自己主張していた。
「うわっ…」
初めて見るそれの予想以上のグロテクスさにアリサは思わず目を背ける。
だが、片手で目を覆いながらも隙間からチラチラ見ているあたり好奇心には
勝てないようだ。
(これが男の子の…)
アリサは恐る恐るエリオの肉棒に手を伸ばす。
ビクビクと脈打つそれはアリサの手の中でより一層力強さを増していった。
「ア、アリサさん…何してるんですか?」
「何って身体を洗ってるのよ?」
アリサが当然とばかりに答えるが、
エリオは痛さと快楽が入り混じった不思議な感覚に顔を歪める。
「手は使わないって言ったじゃないですか」
「そのつもりだったんだけどこんな立派なモノを見せられちゃったら…」
アリサの熱っぽい視線の先では雄雄しい
エリオの象徴がはちきれんばかりに肥大化し、今にも暴発しそうだった。

(まさかこんなに大きくなるなんて…)
アリサは一瞬物怖じするが年上の意地から強がって見せる。
「これだけのモノあって初めてってわけないよね?お姉さんに教えてくれる?」
悪戯っぽい笑みを浮かべてエリオにしな垂れかかると肉棒を扱いていく。
「そんなこといえな…ああ……!!」
必死に抗うエリオだがアリサの手淫は確実にエリオを絶頂へ登らせていた。
「ほら、もうこんなになってるじゃないの」
エリオの肉棒はボディソープの泡とカウパーが混ざり合い音を立てる様は
見ただけで気が触れてしまいそうな淫靡な光景だった。

「我慢しないで出しちゃっていいのよ」
カプッジュルルル……
アリサは片手で上下させながらエリオの耳を甘噛みしながら舌で舐める。
飴玉にそうするように舐めまわし、噛み付く。舌の感触と生暖かさが
エリオを絶頂へ誘う。
「アリサさん、僕もう出ます、出ちゃいます!!」
ビュルルル!!
快感がエリオの全身を電気のように駆け巡り、
耐えていた欲望を一気に吐き出した。
「きゃあ!!」
アリサが思わず悲鳴を上げる。
吐き出された精子が大理石のフローリングを真っ白に染め上げた。

175 名前:流されて海鳴8/9:2008/10/25(土) 23:12:29 ID:gnx2wuRC
「まったく…あんたはとんだやんちゃ小僧ね」
アリサは自分の手をエリオに見せる。
手に付いた精子が指の間で橋を作り零れ落ちる様は恐ろしく卑猥だった。

「アリサさん……」
エリオが上気した顔で見つめるとアリサも頬を赤くする。
ギュム……アリサはエリオを胸に抱き寄せる
「エリオもしたいならしてもいいわよ」
肌と肌が密着し心音が聞こえるほどに近づく。
二人の汗と体温が混ざり合い不思議な空気を作り上げていた。
「アリサさん……」
エリオは幼子が母親にそうするようにアリサの胸に触れ、口に含んだ。
乳房がエリオの手の中で形を変え、乳首はテラテラといやらしく光っていた。

「そんな…やあ…」
アリサはエリオの幼稚な性行為から生まれる快楽に溺れかけていた。
しかしエリオは行為を止めることはなく、寧ろ胸への吸い付きを強めていった。
「エリオォォ…」
アリサは切なげな声を出してエリオを組敷いた。
視線の先にはエリオの男性器が逞しくそびえ立っていた。

「ちょっと我慢してね…」
アリサはエリオの男性器を手で固定し、指で自らの秘部を押し広げる。
充分に濡れそぼったそこはエリオを受け入れる準備が出来ていた。
「んっ…」
クチュという卑猥な水音を立て、エリオの肉棒をくわえ込む。
「どう、エリオ?今あたしの中にエリオのが全部入ってるのよ」
「アリサさんの中、とてもきつくて…もう出そうです」
アリサはエリオの告白に娼婦のような笑みで返す。
それはすっかり快楽に溺れた女の顔だった。

「それじゃあ動くわね…」
アリサはエリオの腹部に手を置き自らの腰を動かす。
最初はねっとりとした動きだがしだいに激しく。
その度に愛液に塗れたエリオの肉棒見え隠れして劣情に火をつける。
「どうエリオ、あなたのが出たり入ったりしてるの分かる?」
「そんなこと言わないでくださ…はああ!!」
ズブズブと音を立ててグラインドを繰り返す度に
エリオの射精欲がマグマのように湧き上がっていた。
「アリサさん、僕もう……」
「エリオ、いいよ中に出してえ!!」


176 名前:流されて海鳴9/9:2008/10/25(土) 23:13:34 ID:gnx2wuRC
二人は絶頂が近いのを悟りラストスパートをかける。
二人の空気は肉棒の出し入れに身体通しがぶつかる音が加わり、
エロティズムな協奏に包まれていた。
ビュルルルル…!!
エリオの精の奔流が迸り、アリサの膣内にたたきつけられる。
「いいわ、エリオの熱いのもっと奥に注ぎなさい!!」
アリサはキュウキュウと膣を締め付け、エリオの精液を一滴残らず
吸い取ろうとする。
「もう無理ですよ…」
エリオの悲鳴に近い声とともに射精が終了する。
「あんたって本当に可愛いのね…ってあら?」
アリサがエリオに目を向けるとエリオは事後の虚脱感に包まれたのか
夢の世界に旅立っていた。
「ふふ…おやすみなさい、エリオ……」
アリサは繋がったまま身体を崩し、エリオの頬に口付けをした。

長い長い入浴?を終え、アリサの自室にてエリオが家での理由を話していた。
最初のうちはニヤニヤしながら聞いていたアリサも話が過激になるにつれ、
自身も申し訳なさを感じ出した。
「えっとじゃああたしもかなりまずかったってこと!?」
「はい…出来れば止めてもらいたかったと言いますか、
でも気持ちよかったですし…」
俯きながらしどももどろになるエリオ。
(こりゃあ流されるわけだ…でもこういうエリオも可愛いわよね)
それを見てアリサは合点がいったように内心で呟き、一つの提案をする。

「エリオ、なら暫くうちにいるってのはどう?思うんだけど、
あんたたちは一度距離を置いた方がいいわ。
そうすればフェイトたちも考え直すだろうね。」
「でもご迷惑なんじゃ?」
エリオが遠慮からか辞退をしようとするが、
アリサがそれをピシャリと封じる。
「だ〜か〜ら〜うちは部屋が余りまくってるし、
お客様にも対応出来るようになってるから
あんた一人くらいどうってことないの、分かる!?」
一気に早口で捲くし立てるアリサにエリオは観念したように申し出を受け入れた。

「それじゃあお世話になります」
「そうそう、子どもは素直が一番」
(そうすれば可愛がり放題だもんね)
こうしてしばしの間エリオの海鳴での生活が始まることになる。
どこまでも純真なエリオと邪なアリサが対称的だった。


177 名前:流されて海鳴 あとがき:2008/10/25(土) 23:15:00 ID:gnx2wuRC
あとがき

今回はエリオスレで飛び交ったネタを基にSSを書いてみました。台詞と状況ありきで作ったためやや不自然なところがあったかもしれませんが、
そこは目を瞑ってもらえると助かります。

てか二人を暴走させすぎた気が…
苦情が来そうで恐いです。

178 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 23:23:34 ID:PGZ+pkzO
>>177
はい、当該スレで何度かバトン渡してた者でゴザイマスw
全年齢向け板では涙を飲んで諦めたエロ展開を書いてくれた貴方に最大級の敬意と感謝を。マジthx
そしてエリオ、お前はまた流されるのな……これじゃ場所がミッドか海鳴かってことしか状況変わらなさそうだw
エリオのこれからに幸多からんことを願うよ……

179 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 23:30:35 ID:ZWVIQ4kF
>>177
GJ。
だが逃避した意味がナッシングだなww

ここに次元を跨いだ六課VSバニングスの抗争の幕が上がるのですね><

180 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 23:47:20 ID:P/ppZlFW
>>177
GJ.
バニングス家はモフモフの宝庫だから使いようによっては六課とタメを張れるw

181 名前:アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/10/26(日) 00:27:24 ID:Gibsv8EH
一日目を離していたら凄い量が投下されていて、目が点になりました。職人の皆様、GJです。

>>122 ておあー氏
あの電波を、まさか本当に書いて頂けるとは思っていなかったので、恐悦至極です。
ほんの小ネタのつもりだったのに、こんな量とクオリティの作品を執筆して頂き感無量です!
SS命名の件ですが、少々頭を捻ったみて、
『リインとアギトのアダルトめどろーあ!』
という電波を受信してみました。
自分の命名センスの欠如をひしひしと感じる題名ですので、これはちょっと、と思われた場合はどうぞ却下されて下さい。
では、続きを心より楽しみにしています!
尻を叩いて頂いた上こんな素敵なご馳走まで頂けて、私もこれで当分頑張れます!

182 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:54:45 ID:jgAnQKPr
>>148
554氏GJ!!

なんという逮捕劇、これは手錠がかかる半歩手前!
そして、即逮捕せずにわざわざ時間をくれるフェイトの温情に俺涙目。
こういう人情ものには弱いんだよ。

しかし、自分に愛を告げるウーノを拒絶するジェイルの行動にハラハラが止まりません。
次回にマジ期待、いや本当に掛け値なしに期待しております。

最後に一言、GJでした!!

183 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 01:02:21 ID:ltKL+jiR
>>177
GJ!!
アリサが策士に思えた。
エリオは搾り取られる運命からは逃げられないのか。

184 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 02:16:00 ID:eBhMYmFb
>>177
GJ!!
これはフェイトとキャロが乗りこんでくるのはほぼ確定だ!
そして言い争いをしてるうちに四人でくんずほぐれずになって(ry

185 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 08:58:09 ID:5dlIE6PS
>>122
GJ!!
自分より年下(に見える)二人に搾乳されるエリオ…もし君がもっと成長していれば優位に立てただろうに
てかゼストさんあんたアギトに何をw
リインのターンもすごく楽しみ

>>B・A氏
氏にもぜひに投下して欲しいです!
そして遅レスですがGJ!!
この二人のバカップルエリキャロ…たまにでも続けて欲しくて仕方がありません
ここでエリオがルーちゃんに泥棒猫されたらそれはもう、すごいことになりそうです
でもそんな余地がないぐらい、ド甘なのがまたイイ!

>>177
GJ!!
ハイ、私もまたランナーの一人でございます。
続けてくださって本当に感謝感激の嵐!
ここでも絞られ続けるのがエリオの運命というやつですよ
まあどんなことがあろうともお嬢様を守り、愛され愛し合う執事エンドもありますし永久滞在でもいいのでは
でも6課メンバーに確実に奪還されてしまう運命でもありますね

186 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 09:11:43 ID:yXFUtqLw
>>177
GJ。
うーん、このままの方がエリオは幸せなのだろうか。
でもずっと留まるつもりなら色々解決しないといけないことが多すぎるな。
6課の人達のこともそうだけど、管理外世界に永住するなら許可とか手続きとか大変だろうし。
このままじゃ不法滞在の名目を与えてしまって強制送還されたりしそうだw

187 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 13:44:30 ID:eBhMYmFb
>>163
GJ!!
そしてナイスなまでのオットーの死亡フラグ…
andエリオのアダ名が何ともw
実際にルーぐらいとは浮気しててもおかしくないな!

188 名前:シロクジラ:2008/10/26(日) 15:06:54 ID:r+zF6Isx
トリ解析・・・だと?
ちょっと衝撃受けつつひょっこり投下。

今回は捏造が異常に多い、という捏造しかないのでご注意ください。
今回は筆が速い理由=趣味に走ったから です。

注意書き
・ラッド・カルタス主人公 設定捏造しかない半オリキャラ
・カルタス×ギンガ
・シリアス、非エロ
・オリキャラあり

タイトルは

「舞い散れ乙女」です。

189 名前:舞い散れ乙女:2008/10/26(日) 15:08:46 ID:r+zF6Isx
舞い散れ乙女 序章「悪夢の中で」


すべては砂上の城、儚い幻影に他ならない。


夢を見ていた――やり直しのきかない過去の残像。
あまりにも凄惨な光景に目眩と吐き気を同時に覚える。
外の夕日は世界を茜色に照らし出し、窓からその光が煌々と入ってくる。
しかし、白い壁紙は真っ赤に染まっていて、流れ出る紅い雫が止まらない。
びちゃびちゃと足下を濡らす液体の正体に半ば気づきつつも、男は足を居間に踏み入れた。
靴下が赤く染まる。噎せ返るような鉄分の匂い――血臭だ。

これは何の冗談だ?

どうして、こんなに血がたくさん流れているんだ?

自分のものではない――確実な致死量の血が、吹き出るようにして部屋を彩っていた。
机の陰からは血染めの白い手足が、人間の関節構造からはあり得ない形で投げ出されている。
彼女の名を呻くように呟くが、返事はない。恐る恐る足を踏み出すと――


其処には、


ばらばらに切り裂かれた、


彼女だった肉塊が、


ごろりと、


虚ろな眼窩を――


「うわあああぁぁぁ!!」

堪らず悲鳴を上げる。
するすると、どこからともなく黒い影がぬっと現れ―――嗤った。
血塗れの騎士剣――黒い鋼で出来た禍々しい凶刃――をぶらりと右手で握りしめている影は、笑い声を隠そうともしない。
若い男の声――子供のように無邪気でありながら、悪意の滲み出した矛盾する声に度肝を抜かれ、男は恐怖した。
ただ、震えることしかできず、足を踏み出すことも出来なかった。
やがて影は、興味を無くしたかのように背を向けて、窓から立ち去ろうとする。
そこで漸く我に返った男は、腰から拳銃を抜こうとし――眼前に突きつけられた、黒光りする刃によって動きを止められていた。
黒い影法師は、ふふふ、と嗤いながら剣を突きつけ、言う。

「これは警告だ。貴様は殺さない、ただ我々に恐怖しろ――」

「お、ま、え、が――」

影法師は愉快そうに喉を鳴らす。
騎士剣から血糊が剥がれ落ち、ゆるゆると腰の鞘に収められていく。

190 名前:舞い散れ乙女:2008/10/26(日) 15:11:05 ID:r+zF6Isx
「斬ったさ。いい女だったな」

そして、今度こそ目の前からその怪人は消え失せた。
まるで最初からいなかったように、忽然と。
残されたのは、血塗れの肉塊と化した女の残骸と――命を拾った男のみ。
この日、ラッド・カルタスの心から平穏は消え失せた。



悪夢から覚めてみれば、時計の針は黎明を指していた。
窓から入る光は青白い朧な月光、異形の夢は寝汗をかかせていて、記憶から消えない惨劇と無力な自分を痛感させる。
ほう、とため息をつきながら布団をはね除け、自嘲した笑みを浮かべる。

「あれからもう、六年か……」

妻の命日が近い。
無力だった。無力だったとも。それゆえに、今の自分はあるのだから。
その後、怒りも悲しみも何処かに消え失せたように、放心状態だったラッドへ面会に来たのは、職場の上司であるゲンヤ・ナカジマだった。
老獪な苦労人といった風情、痩躯の壮年男性である彼は、現場の惨状を目の当たりにした上で、ラッドにこう言い放った。

『……彼女のことは残念だった。以前捜索に突入した犯罪組織のこと、覚えてるか?』

その言葉に、ラッドは視線も虚ろに頷いた。
記憶の海から引っ張り出されるのは、先日彼が所属する部隊――時空管理局陸上警備隊第108部隊の任務で強制捜査した犯罪組織のことだ。
通称“教団”と呼ばれ、人身売買や人体改造技術の売買を行う秘密結社であり、裏の世界で恐れられる組織。
先日の捜査では突入班の指揮を任されたのが若いものの優秀なラッドであり、彼らの捜査は教団へ大きなダメージを与えることに成功していた。
捜査の結果、多くの証拠品が集められ、人体実験の被験者の証言なども得られたことで、事件解決と教団解体に向けて時空管理局も動き出した矢先が、今だった。
ゲンヤは落ち着いて聞けよ、と言うと、禁煙パイポをがさがさとポケットから漁る。

『高飛びしようとしてた教団の重鎮をとっつかまえたらな、野郎いきなりこう言ったんだ――“報復は必ず行われる”とな。
今回の件でわかったことだが、連中、人体改造の一環として“戦闘機人”も独自に製造してやがった』

『戦闘機人……って、あの人体に機械を埋め込む奴ですよね? 旧暦で失敗したはずじゃ』

『……とある次元犯罪者がな、理論を完成させて裏社会にばらまいたんだ。
人機融合プラン、考案者はドクターと名乗っているらしいが――胸糞悪い話だが、教団以外にも製造してる連中がいる。
お前の奥さんが殺された現場からな、僅かだがインヒューレントスキルの反応が出た。
教団が放った暗殺者は、どうも連中が独自に製造した戦闘機人だったらしい』

低い声で淡々と語るゲンヤの目には、隠しきれない後悔の念があった。
自分がもっと情報管理をしっかりしていれば、ラッド・カルタス陸士の身元は洩れなかったのではないかと。
すでに管理局内部の内通者は逮捕されたが、犠牲者が一般人に出てからでは遅すぎた……教団の報復は、よりによって隊員の身内に行われたのだ。
現場から回収されたラッドの妻は、文字通り八つ裂きにされており、死体袋が三ついるほどだったという。


191 名前:舞い散れ乙女:2008/10/26(日) 15:12:11 ID:r+zF6Isx
『戦闘……機人……』

覇気のない表情でそう呟く青年の声は、どこまでも力がなかった。
だが、その裏に燃え盛る狂気のような暗い感情があることを、ゲンヤは察している。
甘い毒のような、暗い闇の渦巻く深淵が瞳から覗き、ぶるりと震えた。
それでも、義務として話を続ける。

『襲撃を実行した暗殺者の名前……というか連中がつけたコードネームも判明しているが、聞くか?』

顔を上げたラッドは、はっきりとした声で言った。
その瞳で渦巻くのは、意志の力か、それとも……

『教えてください、そいつの名前を』

『“ソードマン”……これだけしかわからないがな、奴は捕まっていない。
お前の奥さんを襲撃した後、何処かの次元世界へ高飛びしたらしい。
機械化した身体の定期メンテナンスも考えると、そう遠くへはいけないはずだ。
必ず……捕まえる』

『……ありがとうございます』

そう言うと、その後ラッドは何も言わなかった。
が、しかし。
このときラッドの胸に、漸く実像を結んだあの影法師が現れ――
――やり場のなかった彼の怒りは、殺意に昇華される。

(殺してやる、必ず)

それが、今に至る男の誓いであり――呪いである。
過去の反芻を終えたラッドは、顔を洗うべく今の住まいの洗面所へ向かった。
あの日、彼の妻が惨殺された新居は売り払った。
今の彼は借家暮らしであり、そこそこの家賃でそこそこの部屋を借りている。
冷たい水で顔を洗い終えると、再びベッドで横になった。
寝直すには時間がなく、何かをする気分にもなれない。
そんな朝を、彼は過ごし、考える。
ラッドは、あの新暦75年の大事件――多くの仲間が傷ついた――から一年経ち、
所謂<ジェイル・スカリエッティ事件>で存在が明らかになった戦闘機人シリーズ“ナンバーズ”の少女達と親密だ。
これは同僚のギンガ・ナカジマとともに彼女達の更正施設での教育を担当したからで、その為か「頼れるお兄さん」扱いされているらしかった。
頼りにされている、のだろう。だというのに、自分の中の心の琴線にそれらは触れもしない。


その理由は―――きっと、あの日かかった呪いのせいだ。


今はただ、朝の空気の中で彼女のことを思い出していたかった。

192 名前:舞い散れ乙女:2008/10/26(日) 15:13:46 ID:r+zF6Isx
今日もギンガ・ナカジマの朝は早い。
家族であり職場の上司でもある父や、災害救助隊で働く妹に朝食を作り終え、一緒に食べた後は慌ただしい朝の始まりだ。
台所の自動洗浄機で食器を洗うようにセットすると、身だしなみを整えて職場まで歩いていく。
母親である他界したクイント・ナカジマと同じく、健脚の持ち主である彼女の歩きは速く、二十分ほどで職場である地上本部に着く。
職場のある108部隊のオフィスへ入室すると、朝の挨拶が上司であるラッド・カルタス二等陸尉から来た。

「おはよう、ギンガ。今日も早いね」

爽やかな笑顔を浮かべる上司に胸をときめかせつつ、挨拶を返す。
ギンガの初恋の相手は、このなかなか整った容姿の青年だった。

「あ、おはようございます。カルタス陸尉も今日はお早いんですね」

「うん、まあ今日は目覚めが早くってね」

相変わらず笑顔だが、ふと何処か影のある表情をする。
それが気になり、声をかけた。

「あの、何処か具合でも?」

「え? いや、どうしてだい?」

「今、すこし悲しそうな顔してましたから」

その言葉に胸を突かれたように顔を強張らせたラッドは、微笑む。
何でもないと取り繕う様に、ギンガの疑念は僅かに深まった。

「……何でもないさ。
さ、今日も元気に仕事に取りかかろうじゃないか!
ギンガ、昨日のナンバーズに関する報告書、一つ気になる点があってね――」

それでお仕舞いだといわんばかりに、仕事の話を始める。
その様子に疑念は深まっていったが、ギンガはあえてその場では聞かなかった。
相手の調子に合わせつつ、「ラッドさんのことを父さんに聞いてみよう」と考えて。


193 名前:舞い散れ乙女:2008/10/26(日) 15:16:04 ID:r+zF6Isx
「カルタスがどうしたって?」

「いや、今朝元気が無かったから、何かあったのかなー、って思って」

この言葉に、食堂でランチに取りかかっていたゲンヤ・ナカジマは顔を顰めた。
陸上警備部隊三等陸佐をしているこの男は、魔法――個人の魔力資質に依存する強力な能力――を持たない陸士である。
つまり、彼は現場の指揮の功績でここまで出世した男であり、個人的なパイプを幾つも持っているやり手の士官だった。
その彼にとって、ラッド・カルタスは頼りになる副官だったし、娘が彼に惚れていることも知っている。
同時にラッドの抱える胸の痛みを知る人物でもあり、そのことをギンガに言うべきか迷った。
18歳の少女に言うには、あまりに残酷無残な内容だったから。
そう言えば、奴の妻の命日が近いな――と思う。

「まぁ、家に帰ったら話してやるよ。早く食べないと昼休み終わるぞ」

「――約束だからね、父さん」

最近亡き妻に容姿、性格ともにますます似てきた娘にため息をつく。
と、そのとき、話の当事者であるラッド・カルタス青年が駆け寄ってきた。
彼の顔には、ありありと動揺が浮かんでいて、そのただならぬ様子にゲンヤが腰を浮かせる。

「どうした、ラッド」

ゲンヤの前で足を止めたラッドは、顔が青ざめている。
ギンガは何事かと目を彼に向け――


―――事件の始まりとなる言葉が、口に出された。


「戦闘機人によると思われる他殺体が、発見されました。
現場にはインヒューレントスキルの形跡が――」

皆まで言う必要もなかった。

「わかった、すぐ行く。ギンガ、昼休みのところ悪いが出動準備を」

「う、うん。でも戦闘機人て――」

「すぐにわかる。行くぞ」

そう言った父の顔は何処までも厳しく――ラッドの顔は、幽かだが憎悪を滲ませていた。

(え? 今の表情は……)

見間違いかと思い目を擦ったときには、二人の後ろ姿は遠離り、横顔も見れなくなっていた。
いつも優しげな笑顔を浮かべる、あの人には似つかわしくない感情。
悪い予感が止まらない中で、陸上警備隊の面子は慌ただしく出動準備を始めていた。
その予感が正しいものだったと彼女が知るのは、後になってからだ。

194 名前:舞い散れ乙女:2008/10/26(日) 15:17:46 ID:r+zF6Isx
陸士の指揮車両に向かう通路で、ラッドとゲンヤは出動準備をしつつ会話する。
互いに強張った空気であり、それだけ事態が重いことを知らせていた。

「武装隊も出張ってるのか、すごいな」

「何せ、犯行方法が“六年前”と同じですから。
この六年間で行われた、多次元犯罪――奴と思しき戦闘機人による殺人が二十七件。
もし奴ならば、捕まえるにはかなり強力な兵員がいるでしょう」

「推定魔導師ランクは不明だが……戦闘用の人機融合体だ、並の武装隊じゃ歯が立たないはずだが?」

「無いよりはましでしょう」

ゲンヤの台詞も尤もで、戦闘機人とカテゴライズされる“兵器”の中でも、相手は相当に危険な敵だった。
ましてや、事件発生からそう時間が経っていないため、殺人現場周辺にいる可能性があるとはいえ、何度も殺人現場から逃走している奴を捕らえきれる確証はない。
戦闘専門の武装隊を呼び出す必要があるとは思えなかったが――
―――いや、これは執念か。

「ラッド……私怨を持つなとは言わん、だが仕事はしてもらうぞ」

ラッドの返答は、無言――絶対零度の虚無を瞳に秘め、押し黙った。
長い沈黙の中、通路を抜けて指揮車両に乗り込む。
車両内部のシートにゲンヤが無言のまま座り込むと、漸くラッドが口を開いた。
掠れたような声が漏れる。

「俺は……奴を捕まえて、この手で――」

「言うな。俺達は司法組織の実働部隊だ。
奴を裁くのはお前じゃない、司直だ」

「わかってます……! けど、あいつを裂いて嗤っていた奴は――人間じゃない。
機人だとかそう言うことは関係ない――あの化け物は“人を殺して愉しめる”」

そう言いきったラッドの脳裏には、あの日の地獄が再現されていた。
バラバラの手足、切断された人体、ぶちまけられた腑……
鋭い切っ先で悲鳴を上げる間もなく“解体”された愛しい妻――今年で28歳になるラッドの、胸の痛み。
ゲンヤはなお低い声音で告げた。

「だからお前に殺人を許可しろと? 馬鹿を言うな、そんなこと出来るはずねえだろ。
俺に言えるのは、だ。自分の身は自分で守れってことぐらいだ」

腰の拳銃を指さされて、ラッドは僅かに微笑んだ。

「ええ、そうします」

拳銃の名は、62年式オートマチック“Love forever”。
大口径拳銃弾を使用する無骨な自動拳銃である。



今は亡き彼女からの、贈り物だった。




続く

195 名前:シロクジラ:2008/10/26(日) 15:19:29 ID:r+zF6Isx
投下完了。

ラッド「ほほう、これは」 
妻「13mm爆裂鉄鋼弾使用、全長3900mm、重量13kg、対戦闘機人用拳銃ジャッカル」 
ラッド「パーフェクトだ(愛の抱擁)」

そんなやりとりがあったそうです(大嘘
さてさて、始めて見た理由は=「嘆きの中で」のプロット再編で頭が痛いの→趣味を詰め込んだそこそこ短いのを書きたい
が理由だったり。
本編じゃ台詞もほとんど無いラッドさんだけに、ほぼオリキャラだぜ、フゥハァハァハァーorz
微妙に不意的更新でがんばります、ではでは。

196 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 16:24:16 ID:jgAnQKPr
カルタス主人公でしかも復讐モノでメチャクチャ渋い話とか、好み過ぎるwww

原作で空気だったのを逆手に取り、作者の好きな要素を上手くキャラに取り入れるってのは二次の醍醐味ですなぁ。
しかも銃を使うあたりが硝煙臭くて良い感じ、続きに期待させて頂きます。

GJでした!!

197 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 16:59:21 ID:Pp46bzud
そうか、もうすぐSSX解禁だからリリなのSSに【自主規制】を出しても良いようになるんだな。

198 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 17:08:21 ID:0e0SQTVT
ちっちゃい子枠が熾烈だなあ・・・

199 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 21:01:16 ID:Uk6rMhpe
>>195
うぉぉぉぉぉ白クジラ氏GJ!!
ダーティーかつハードボイルドっスね。
魔法少女のSSじゃねえ、どこぞのNYPD15分署ですか!?って言いたくなる。
ラッドさん非魔導師という設定なんですね。オートマチック拳銃VS犯人の戦闘機人or騎士は
相当な戦力差だと思いますが続きが気になります。

>>197
もうイクス・ガレアも、実弾デバイス=拳銃も解禁されていいんでね?

200 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 21:54:55 ID:WpUfR2Bd
こんだけ捏造するなら素直にオリキャラを出せばいいんじゃんと思うのは俺だけ?

201 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 22:08:32 ID:kwStiSsP
確かにな
何のこだわりがあるかは知らないが、設定を捏造してまでカルタスを出す理由が分からん

202 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 22:17:19 ID:0e0SQTVT
>>200
>>201
でもカルタスが魔法少女だという設定もなかった(はず)で、SSXでは普通に実砲使った拳銃を獲物にしていたティアナの副官がいたので
まあ、いいだろうさ。復讐に燃えるオッサンキャラって燃える。

203 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 22:24:39 ID:456+tVyc
>>200-201
別に敢えてオリキャラを使う理由もないんだから構わないだろうに
職人がやりたいようにやればいい

204 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 22:44:37 ID:WpUfR2Bd
そうだな
カルタスが1期から3期までの事件の黒幕でもなんら問題よな

205 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 22:47:55 ID:DjyqwbSA
>>204
そうか……カルタスと同じ声の人やデバイスは、その伏線だったのか……

206 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 23:29:10 ID:8BO9cGRt
ゆのふぇ・・・まってます

207 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 23:36:41 ID:4FMM5Tds
すずか分が足りない……何故だ……あんなに設定上エロ向きのキャラいないのに。

208 名前:ザ・シガー:2008/10/26(日) 23:41:49 ID:jgAnQKPr
うし、日付変わる前に>>77の続き投下するよ。

209 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 23:48:54 ID:T4NAVlHV
待ってました支援

210 名前:ザ・シガー:2008/10/26(日) 23:50:37 ID:jgAnQKPr
そろそろ、投下行きます。
さっきも言ったけど>>77の続き、チンクが鬼畜メガネと化したグリフィスにすっげえ犯される話。

チンク姉の純潔を心配する人や、ロリが苦手な人、グリフィス君はそんな人じゃない! って思う人はスルーしてね?

211 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/26(日) 23:51:35 ID:jgAnQKPr
部隊長補佐の更正プログラム(後編)


哀れなる獲物、無垢なる少女は罠にかかった。
それは毒蜘蛛の巣、一度かかれば逃れることは決して叶わぬ魔窟。
彼女に出来ることはただ一つ、悪魔の牙がもたらす甘い背徳の快楽に堕ちるだけ……





チンクを満足させる、グリフィスはそう言うとはしたなく濡れそぼっている少女の秘所に己が魔手を伸ばした。
泉の如く果汁を溢れさせる秘裂に指をかけ、未だ雄の欲望を知らぬ花弁をゆっくりと左右に広げる。
粘着質な音と立てて花弁が開けば、そこには汚れなき少女の聖域、女の蕾が現れた。

幼い少女のそれはなんとも背徳的で淫靡で……そしていやらしかった。


「や、やぁぁ……み、見ないでください……」


乙女の聖域を視姦され、チンクは必死にそう懇願するが、それが聞き入れられることは無い。
目を奪われるかと思うほど綺麗な桃色の秘肉は、早く雄(おとこ)の蹂躙が欲しいのかヒクヒクと蠢き、後から後から愛液を垂れ流す。
グリフィスはその様をしっかりと己が眼に焼き付けた、これから征服するこの秘境は永遠に純潔を失うのだ。
汚れなき姿はこれで見納めになる、故にしっかりと網膜に像を記憶させた。
だがいつまでも眺めているだけと言うのも無粋の極み、紳士ならば淑女を待たせるべきではない。
グリフィスは一度ぺろりと自分の唇を舐めると、そのまま舌を少女の秘裂へと近づける。
そして指で押し広げた花弁の内に舌が滑り込み、溢れ出る蜜を舐め取るように愛撫を開始した。


「ひゃぁあっ!! だめぇ……や、やめてくださ、はぅんっ!!」


愛撫により与えられる狂おしい快感に、チンクは必死に制止をかけようと言葉を紡ごうとするがそれらは全て嬌声に変わってしまう。
理知的な理性など肉の悦びに比べればあまりに無力。
血のように紅く妖しい舌がチンクの秘所を舐め上げる度に、そこから生まれる甘い電流が背筋を駆け上り少女の脳を焼いた。
形を確かめるように陰唇をなぞり、蜜を溢れさせる膣口へと刺し入れ、充血し勃起した淫核を突く。
青年の舌は様々方法で少女を愛し悦楽を与える。
多くの情事で培われた熟練の手管は徐々にだが確実にチンクの身体を絶頂の高みへと昇らせて行く。
蠢く舌が蜜を味わう度に、少しずつ少しずつ悦楽の境地が近づき……そして決定的な快楽の破堤は寸前まで迫る。

だが、そこで愛撫の手が止まった。


「……ふえっ?」


まるでタイミングを狙い済ましたかのように、淫核を執拗に転がしていた唇と舌の動きが一瞬止まり刺激する位置を変えた。
快楽の高みを待ちわびた身体が肩透かしを喰らい、唾液でだらしなく濡れたチンクの唇から思わず声が漏れる。
無論、これはグリフィスの失敗ではない。
彼は舌先からの感触でチンクの絶頂が近いのを悟って、わざと機を外したのだ。
いきなり快楽の高みを味合わせてやったりなどしない、徹底的に焦らし尽くして愛欲に狂わせる。
そうして相手の肉も心も蕩かすのがこの男の好む嗜虐の癖だった。

そしてこれは、薬物により極限まで性感の昂ぶった雌(おんな)にとっては拷問でしかない。


212 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 23:52:00 ID:KZewB0pi
ダメだ、この鬼畜眼鏡早くなんとかしないと。
心ばかしの支援という名の期待感!!

213 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/26(日) 23:52:35 ID:jgAnQKPr
しかも寸止めは一度や二度ではない、何度も何度も舌先と唇が快楽を与える度に達する寸前で止められる。
一体それくらい経った頃か、ベッドのシーツが蜜でグショグショに濡れた時、遂に少女は限界を迎えた。
これ以上快楽を我慢し続ければ壊れてしまう。チンクは息も絶え絶えに彼に懇願の言葉を零す。


「はぁ……はぁ……ロ、ロウラン陸尉……これ以上は……もう……我慢できません……」
「さっきから頑張っているんですけど、まだ満足していただけませんか?」


なんとわざとらしい言葉か。
グリフィスはさも自分が努力して少女を絶頂させようとしているかのような口ぶりで語る。
もちろんチンクには彼が心の中でほくそ笑んでいる事など想像もできない。
そして彼女は性感の昂ぶりだけでなく恥じらいにより頬を赤く染めて、淫靡なる哀願を請うた。


「はい……できれば、その……い、入れてください……」


少女は自分の秘所に雄の欲望が、滾る肉の槍が欲しいとそう頼んだ。
チンクの女の入り口は既にびしょびしょに濡れて準備を整えているが、彼女は無論処女である。
少女は産まれてこの方恋など知らない、それも当然だ、身近な男など親であるスカリエッティや一時期世話をしたゼストくらいしかいなかった。
そんな二人と恋愛関係になるなどなかった、故に彼女は完全に純潔なる処女である。
グリフィスはチンクのそんな哀願を口内に残る愛液をじっくり舌の上で転がしながら、表情を意図的に思案気味に変えた。


「良いのですか? 男性との経験がある訳ではないでしょう?」
「はい……構いません。これ以上我慢できませんし……それに……あなたとでしたら……」


確かに一般的な女性から比べればナンバーズは社会的常識に疎い、だが女が男を受け入れるという事がどういう事かは知っていた。
なにより彼女は純潔であり慎み深い性格である、その認識もひとしおである。
しかし薬物の効果とグリフィスの巧みな愛撫により子宮に生まれた肉欲の激しい疼きがそれらを凌駕しつつあり。
そして何より、チンクは彼に対して好意的な感情を抱いていたというのも大きかった。
いつも姉妹へ優しい笑みを浮かべてくれるこの男になら自分の純潔を捧げても良いと考える。

それが悪魔の施した罠の内とも知らず……


「そうですか、女性にそうまで言われては男として引けませんね。では……」


腹の底で少女の反応に歓喜の黒い笑いを上げなら、グリフィスは自分の服を脱ぎ始める。
ネクタイとボタンが外されて上半身が露になり、しなやかな筋肉を練り上げられた上半身を曝け出した。
そしてファスナーが下ろされれば、未だ完全に隆起していないにも関わらず尋常のものよりも大きく硬い肉棒が取り出される。
赤黒い色彩、反り返るカリ首、浮き上がる血管、グリフィスの美貌に似つかわしく無いその異形の形にチンクは思わずゾクリと寒気を感じた。
今まで異性との情事を行った事などないという事は男性器を目にした事もないという事だ。
産まれて初めて見る男根のその凄まじい外観にチンクは僅かに恐怖を感じる。
思わず彼女の白く細い喉がごくりと鳴り唾を飲み込んだ。

無論、情事に手馴れた悪魔はこれを即座に感知する。


「大丈夫ですよ、優しくしますから」


まるで相手を労わる心に満ちたかのような優しい言葉と一片の曇りも無い笑顔。それは、その裏にどす黒い打算が隠れているなど想像もできないほどの完璧な演技だった。
彼の紡ぐ言葉と微笑みに自然とチンクの緊張は解され、全身の力が緩む。
グリフィスはファスナーの内から顔を覗かせた自分の肉棒を、ゆっくりと少女の汚れなき蕾にすり寄せる。


214 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/26(日) 23:54:22 ID:jgAnQKPr
ぬちょり、と溢れ出た蜜に肉槍が触れて粘着質な音を立てた。
そして雄の槍は、濡れた花弁の肉を味わうように少女の果汁をその全身に塗りたくる。
薬物を用いているとは言えど長大な男根が侵入すれば決して痛みはゼロではない。蹂躙はしっかりと濡らして準備しなくてはならないのだ。

そして亀頭全体に淫らなる雌の潤滑油が満遍なく塗られた時、遂に交合が始まった。


「んっ!……く、ぅああぁぁぁ」


小さな花弁が押し開かれ、汚れなき蕾がこじ開けられ、凶暴な雄の侵攻に少女の純潔が散らされて行く。
生長しきらぬ身体、それも初めて男を受け入れる少女の蜜壷は、みちみちという音が聞こえそうな程の様だった。
チンクは身体の芯から突き抜ける様な痛みと圧迫感にきゅっと唇を噛み締めて目をつぶる。

やはり自分では男を受け入れるなど無理だったのか、彼女がそう思った時、軽く噛み締められた唇にそっと柔らかいものが触れた。
敏感な桜色の唇にそれと同じくらい柔らかく温かいモノが優しく触れる感触。
うっすらと目を開ければ、そこにはグリフィスの顔があった。

産まれて初めての破瓜の中、少女の初めての口付けが奪われた。


「ふぇ?……ロ、ロウラン陸尉?」
「大丈夫、力を抜いてください。決してあなたを苦しませたりしませんから」
「は、はい……」


破瓜の痛みを一瞬全て忘れてしまいそうな涼やかな笑みと優しい言葉に、チンクは頬を媚薬の熱とは違うもので朱に染めて頷く。
初めての口付けはなんとも形容し難い程に、甘くそして切ない味がした。
世の恋人達はこの行為を遥か昔から飽きる事無く繰り返してきたというが、確かにこれは一度味わえば病み付きになってしまうと少女は思った。
そう考えていると、再び男のキスが美しい桜色の唇に降り注ぐ。
重なり合う唇と唇、今度は触れ合うだけでなく口内に侵入を行い軽く舌を絡ませる。


「んぅぅ……ちゅぷっ……んむぅ」


舌が絡まり唾液が交換されて淫らな水音が部屋に響く。
チンクは自分の唇が溶けるのではないかという錯覚すら覚えた。それほどに彼とのキスは甘かった。
そして彼はそれだけでなく、手を伸ばして流れる銀髪を撫で、なだらかで小さな胸をやんわりと揉む。
口付けや愛撫の甘さと快楽により、蜜壷に侵攻を行う肉棒が与える痛みと圧迫感が少しずつ消えていく。
薬の効果だけではない、これが熟練の手管を持つグリフィスの口付けと愛撫の効果である。

そして、ゆっくりと愛撫と姦通が行われる中、遂に肉棒は埋没できる可能範囲全てを埋め尽くす。
サイズの違う幼い秘所を完全に制圧した男根は、その亀頭で膣の最も奥の子宮口を軽く小突いた。
破瓜の痛みが薬物と快楽の甘さで消える中、その小さな衝撃にチンクの子宮から爆発的な熱が生まれる。
それは快楽、それは悦楽、それは電撃、紛れも無い絶頂の奔流。
少女の今まで味わってきた“悦”という感覚が全て塗り替えられるほどの強烈なそれが、彼女の背筋を駆け上った。


「はぁぁああぁっ!!」


背筋が折れそうなほどのけ反り、チンクの白く美しい肢体が未知の快感にビクビクと震えた。
口からは甘く切ない吐息と共に艶めかしい嬌声が零れ落ち、身体が震えるたびに輝く銀髪がベッドの上に河を広げる。
少女の媚態に呼応して、幼い膣はきゅうきゅうと収縮して雄から精を搾り取ろうと蠢いた。
だがそれでも男、グリフィス・ロウランが達するには足りない。
彼の鋼鉄の精神は容易くその快楽を耐えて射精を抑えた。


215 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/26(日) 23:55:44 ID:jgAnQKPr
いきなり出すのはもったいない、もう少しこの甘酸っぱい果実を味わい、堪能してから解放するのが彼の課した美学である。

グリフィスは優しくチンクの髪を撫でながら、彼女が一度目の絶頂の波から覚めるのを待つ。
そしてしばしの間、少女が荒い呼吸を吐き息を整えるとそっと耳元に顔を寄せる。


「はぁ……はぁ……」
「大丈夫ですか?」
「は、はい……なんとか……」
「そうですか、では動きますよ」


了承を取るとグリフィスは即座に腰の動きを再開した。
無論、初めての行為のもたらす未知の快感に震える少女の負担にならぬように細心の注意を払う。
ゆっくりとゆっくりと、先ほどまで純潔を守り続けていた膣の感触を満遍なく味わうように滾る雄の肉棒が蠢く。
少女の蜜壷は素晴らしかった、単に未発達なきつさだけではなく緩急をつけて男根を貪る締め付けと肉ヒダの絡みつき、幼い容姿に似つかわしくない淫らな名器である。


(へえ……これは中々)


肉棒から背筋まで走る快感にグリフィスは胸中で感嘆の声を上げた。
今まで数多の乙女をその毒牙と魔手により奈落の底へと堕としてきた彼だが、これほどの雌(おんな)を喰らうのは久々だ。
俄然として我が手に堕とす気が湧いてくる。

グリフィスは腰の律動と共に膣のあらゆる箇所を様々な角度と力で突き、叩き、抉り、擦り、チンクの性感帯を探った。
媚薬の効果により普段とは比べられないほど昂ぶった性感の為に、ソレは即座に明らかとなる。
膣の腹側部天井、膣奥の子宮口付近やや下側、この二点を突き・擦った時の反応は他の刺激とは違うものだった。
故にそこを重点的に責める。


「ひぁゃんっ!……そこぉ……やぁぁ……んはぁぁっ!!」


自分でも知らなかった未知の性感帯を念入りに刺激され、チンクの口からあられもない甘い声が漏れた。
片方しかない金色の瞳は暴力的な快楽で涙に溢れ、白磁の如く白い肌は高まった血流により桃色の染まり、全身は汗に濡れて淫靡に濡れ光る。
乱れた銀髪の蕩けるような芳香と相まって、とてもその幼い容姿からは想像も出来ぬほどの淫らさが醸し出されていた。
もはや彼女の姿形が子供のようだと笑うことは出来ぬ。
チンクと言う名の花は今正に快楽と言う名の水を得て、狂ったように咲き誇る。

何度も何度も、それこそ正気が削り取られそうなくらい狂的な快楽を貪る中で遂にグリフィスも限界を迎えようとしていた。
流石に一度も発射していないのに少女の淫穴を味わい続けるのは、流石の彼でも難しい。
きゅうきゅうと切なそうに締め付ける名器の感触に、徐々に灼熱の精が登りつつあるのを感じる。
しかし、このままただ発射してしまうのは味気ない、グリフィスはそう考えて少女をもっと狂おしく悦楽の中へ突き落とそうと考えた。


「ひうっ!……んぅ、はぁんっ!……んむぅぅ……ちゅぷっ」


甘やかな美声で奏でられる喘ぎ声、もっと聞いていたかったが彼はそれを己が唇で塞いだ。
今度は先ほどの優しい口付けではない。暴力的に舌を口内に挿し入れ、無理やり舌同士を絡ませあい、歯の裏側まで舐め尽す。
激しく情熱的な口付けがもたらす快楽は今までの比ではない。
だが狂おしい愛撫はそれだけに終わるはずも無く、さらなる魔手が躍る。
舌と唇は甘い口付けを味わいつつ、腰の律動は絶妙なる膣肉を味わいつつ、グリフィスの手が小さな胸に移る。


216 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/26(日) 23:56:49 ID:jgAnQKPr
そして慎ましい膨らみを揉みしだきながら、その頂上に鎮座する桃色の突起を摘んだ。


「ひゃぁっ! む、胸ぇ……んぅぅ!」


愛撫によりコリコリと硬くなった乳首を力を込めて捻り上げられ、チンクは胸の先から凄まじい衝撃的な快感を感じた。
内臓まで貫通されそうな膣を抉る肉棒の衝撃と相まって、再びチンク中で快楽の奔流がざわめき立つ。
背筋を悪寒にも似た怖気が駆け登る、だがそれは決して嫌悪を催すものに非ず、むしろその逆……正気を失いそうな程の悦楽。
今までの比ではない、正真正銘最大級の絶頂の波が近づいているのを少女は感じた。


「んっ!……クる……ひぅうっ!……なにかきます、おおきいのがぁ……きますぅ」
「ええ、イくんですね。良いですよ? 好きなだけイってください」
「こわい……こわいです……ひゃぁっ!……わたし……おかしくなっちゃう……」


恐かった、あまりに大きすぎる快感で自分がどうにかなってしまうと思った。
きっと“そっち側”に堕ちてしまったら二度と元には戻れない、一息に奈落の底まで堕落する。
そうなるのが堪らなく恐い……

だが、その時またあの優しい口付けが少女の唇に触れた。
そっとただ重ねるだけの優しいキス、甘くて切ない味のする蕩けるような愛撫。
目の前では青年がメガネ越しに慈愛を込めた笑みを浮かべていた。


「大丈夫ですよ、“そちら側”に堕ちても。僕が傍にいますから」
「ひいぃああああぁぁっ!!!」


言葉と共にさらに力を込めて乳首が捻られ、強烈な力を込めて肉棒が膣肉を抉りこみ子宮口を突き刺す。
優しい微笑み、優しい言葉、そして苛烈なる陵辱に快楽と言う名の暴力が遂に最終的な決壊を迎える。
膣と子宮から生まれた凄まじい悦楽の炎が爆発、刹那、その衝撃が桃色の電撃となって背筋を一気に駆け上り脳を焦がした。
思考の全てが塗り潰される、冗談抜きでそう思えるほどの極大の絶頂がチンクを襲う。
少女のしなやかな肢体がのけ反り、甘い芳香を巻き散らす銀髪が振り乱される。そして万力の如き力で埋没する肉棒を締め付けた。
ぎゅう、と強い力で締められて肉棒を刺激され、少女の絶頂に呼応するようにグリフィスも射精感を解放する。
濁った白をしたマグマがチンクの体内で噴火した。


「はぅうぁぁぁ……あつぅい……なか……やけひゃうぅ」


強烈過ぎる快楽に翻弄され、チンクはろれつの回らない言葉を唾液でだらしなく濡れた唇から漏らす。
ドクドクと音が聞こえる勢いで脈動と共に幼い膣は精液の侵略で真っ白に染め上げられる。
それこそ膣内の粘膜全てが焼け焦げるのではないかと錯覚するほどの熱が、絶頂に震える少女の快楽を更なる深遠へと導いて行った。

あまりにも強く底の知れない快楽と言う名の奈落、チンクの意識は暗黒の中へと堕ちて行く……





「あ、あの……」
「どうしました?」
「恥ずかしいのですが……」
「そうですか?」


チンクは顔を先ほどの情欲とは違う、乙女の恥じらいで顔を真っ赤に染めてグリフィスにそう言うが、当の彼はまるでその言葉を気になどしていない様子だった。


217 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/26(日) 23:57:37 ID:jgAnQKPr
熱く激しい情事の中で気を失ったチンクだったが、目を覚ませば汗やら愛液でびしょ濡れだった身体は綺麗に拭かれて、服は全てノリの効いた新しいモノへと着替えさせられていた。
そして今、媚薬の効果から解放された彼女は長く艶やかなその銀髪をグリフィスに梳かれている真っ最中だった。


「しっかり梳いておかないと、髪が痛みますから」
「そ、そうですか……しかし良かったのですか? 私のような者と……その……契って……」
「なにか問題でも? もし僕がお嫌いでしたら謝罪しますが」
「いえ! その……そうでなくて……私はこんな体系ですし」


チンクはそう言いながら自分の小さな胸を手でポンと触る。まっ平らとは行かないまでも、かなり小さい僅かな膨らみしかない。
彼女は自分の幼児体系にかなりのコンプレックスを抱いている、故に成り行きとは言えど身体を重ねたグリフィスに負い目を感じていた。
先の痴態が媚薬の為に引き起こされた事を知らぬチンクからすれば、これは自分が彼に迷惑をかけた行為と認識している。
そうして少し哀しそうに俯いた少女の横顔に、グリフィスは涼しげな笑みを浮かべてそっと囁く。


「チンクさん、あなたは少し美と言う概念に対して見方が狭いですね」
「え?」
「良いですか?……」


グリフィスは言葉を紡ぎながらチンクの髪を撫でる手に力を込めて、敏感な彼女のうなじをそっと刺激する。
んっ、っと思わずくぐもった声が漏れるが青年は構わず言葉を続けた。


「確かに乳房が大きく発育した身体を持った女性は美しい、これは事実です。ですが女性の持つ美とはこれに限らない。そう、たとえばあなたのこの髪のように」
「髪、ですか?」
「ええ、そうです」


グリフィスは言葉と共に指に絡めたチンクの髪にそっと頬を寄せて感触を味わうと、スンと音を立てて香りを鼻腔に吸い込む。


「まるで極上の絹糸のようになめらかな触っているだけで至福を味わえる手触り、そして熟した果実のように甘く蕩けるような香り……これはもはや芸術の域ですよ」


それこそ一流の芸術品を批評するような口ぶりでグリフィスはチンクの髪を褒めちぎった。
これは決して取り繕った彼の虚実の仮面ではなく、本心からの言葉である。
チンクは彼の言葉に顔をますます真っ赤にしてしまった。


「ほ、褒めすぎですよ……」
「そんな事は無い、あなたは自分を卑下し過ぎですね。艶やかで美しい髪、吸い込まれそうな金色の瞳、澄んだ声の音色……言い出したらあなたの魅力は尽きない」


グリフィスはそう言うと、髪を撫でていた手をチンクの顔に移して向きを変える。
そして彼女の隻眼に魔物めいた色気を持つ視線を浴びせると、そっと自分の顔を近づけた。
迫り来る口付けの気配、それを自覚してなおチンクは拒まなかった。もう彼のもたらすあらゆるモノを拒む事など彼女の思考には欠片も無い。

そして重なり合う二人の唇。
一秒か一分か、僅かな時間をじんわりと広がる甘い味を味わう。
軽く唾液の糸を引かせつつ顔を離すと、グリフィスは優しげな微笑を浮かべて一言囁いた。


「なによりも、この甘い唇が素晴らしい」


これにチンクは耳まで真っ赤になってしまう。
そんな時だった、グリフィスの持っていた通信端末がけたたましいコール音を鳴らした。


218 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/26(日) 23:59:35 ID:jgAnQKPr
チンクは突然の音に思わず身体を強張らせたが、グリフィスは冷静に懐からそれを取り出す。


「はい、ロウランですが」
『あ、グリフィスさんですか? ギンガです。今どこにいるんですか? それにチンクの姿が見当たらないのですが』
「ああ、彼女なら今医務室です。少し具合が悪いようだったので僕が連れてきました」
『そうですか、分かりました。それと、明日の講習の件で話したいので今から良いですか?』
「ええ、では今からそちらに行きますよ」


そして二・三言葉を続けるとグリフィスは通信を切り、端末を懐に戻した。
するとチンクに顔を戻してすまなそうな顔をした。


「と、言う訳ですので、僕はこれで失礼しますね?」
「い、いえ……お気になさらず」
「では、失礼します」


グリフィスは最後にもう一度チンクの唇を味わうと、人を魅了する涼やかな笑みを見せて医務室を後にした。
残されたチンクは、ただ彼と交わした行為に淡く切ない想いを馳せる。
それは少女の産まれて初めて味わう異性への愛だった。

そう、悪魔の手管は優しいどこまでも優しい、優しく愛し優しく犯しそして堕とす、どこまでも奈落の深き底に……





「さて、この調子ならここのナンバーズ全員が堕ちるのもそう遠くないかな?」


グリフィスはそう独り言を言うと、指折りながら今までに喰ったナンバーズを数える。
ディエチにディード・オットー、そして今日喰ったチンク。実に四人の少女を毒牙にかけている事実に、青年は愉快そうな笑みを零す。


「全員手にかけたら、今度は軌道拘置所のナンバーズにでも手を出そうかな? 案外面白そうだし」


彼は言葉と共に軌道拘置所に拘束されているナンバーズを思い浮かべた。
全員が全員、並みならぬ美女・美少女揃い、全て篭絡するのは実に愉快極まるだろう。
思わず、普段は隠しているどす黒い笑みが浮かびそうになる。

すると、彼の前に一人の女性が現われた。
長く艶やかな青紫色の髪に、素晴らしいプロポーションを茶色の管理局制服に包んだ女、この施設でナンバーズの更正を携わるギンガ・ナカジマである。
彼女の表情は、どこか切なそうで、頬は赤く染まっていた。
ギンガのこの様子に、グリフィスは表情のどす黒さを隠すどころかさらに深める。


「どうしたんですか? 資料室で待っていたのでは?」
「そんな……酷いです……今日は“して”くれるって言ったのに……」


ギンガは言葉と共にスカートをたくし上げる。
そして、むっちりとした白く美しい彼女の太股と濃い紫色の扇情的な下着が現れた。
彼女の股の間からはつう、と一筋の透明な液体が垂れている。
それは紛れも無い、発情した雌の流す蜜だった。


「ああ、ごめんね。最近構ってあげられなかったね」

219 名前:部隊長補佐の更正プログラム:2008/10/27(月) 00:00:50 ID:+S68STC8
「きょ、今日は大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。今夜空いてるでしょ? 仕事が終わるまでもう少し我慢してて……」


そう言いながら、グリフィスはギンガに一歩ずつ近寄る。
そして唇が触れそうなほど近づくと、まるで獰猛で凶悪な肉食獣の如き笑みを見せつけて、彼女の耳元でそっと囁いた。


「今日はたくさん可愛がってあげるから」


悪魔は優しい、どこまでも優しい。
その爪が、その牙が、その言葉が、その魔手が、その毒が、何もかも優しい。
ただ相手は気付かぬだけだ、その胸の奥底に隠された歪な欲望と悪意に。



数ヵ月後、軌道拘置所に拘束されていたナンバーズ全員が構成プログラムを受講する事となるが、それにグリフィス・ロウランが関わっていたかどうかは……また別の話。


終幕。


220 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 00:02:00 ID:9mBRCCsT
えろーいけど、グリフィス氏ね☆
なんていう鬼畜! この外道!(褒め言葉)

GJでしたー!

221 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 00:05:59 ID:qUfMh4YB
ギン姉…アンタまでおいしくいただかれていたのか…汚いなさすがグリフィスきたない(誉め言葉)
これならどこぞの同名の人ともタメ張れるんじゃね?w
ただ単に致すだけじゃなくてアフターケアまでやる徹底振りに感服。GJっした!

222 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 00:06:16 ID:B6KgtqPf
GJ!
ディエチを真っ先に落とすとはグリフィス、なかなかの通だな……

223 名前:ザ・シガー:2008/10/27(月) 00:08:02 ID:+S68STC8
うい、投下終了。
という訳で、我がSSきっての便利チンコ要員グリフィス君でした。
本編で空気な分、きっちり活用させて頂いております。
とりあえず、ギンガ落としてるあたりは前に書いた「部隊長補佐の淫獄な日々」の〆あたりからの繋がりで。

そして、俺はやっぱ無乳でも全然喰える事が証明された。
オッパイも良いがロリも素晴らしいな、うん。

224 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 00:21:01 ID:faqsOO7K
グリフィスめ、この鬼畜野郎(褒め言葉)
いいぞ、もっとやれ。
これは既に六課全員(エリオ込み)でグリフィスに喰われているのではないだろうか?
GJでした。

225 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 00:26:01 ID:Izxa/8CS
キラッ☆をやってる>>220の姿が見えてしまった俺はきっと疲れてるんだろうな・・・

226 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 02:15:36 ID:Q7rqMjm4
>>219
超エロスでGJ!
チンクどころか戦闘機人と言う戦闘機人を全員落とすか!!
ん、ギンガもということは……ひょとしてスバルも補佐官の毒牙に!?


あとグリフィス氏ねw

227 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 02:41:06 ID:Nivj+MjB
GJ
チンクのエロ堪能させてもらいましたー、ロリはいいものだ
しかしあの下衆眼鏡は駄目だ許さねえ一体何人その毒牙にかかっていることやら
……シャマルさーん、この外道眼鏡なんとかしてぇー!

228 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 09:46:02 ID:rSLR1cXq
>>223
GJ!
>全員手にかけたら、今度は軌道拘置所のナンバーズにでも手を出そうかな?
いいぞグリフィスもっとやれと言わざるを得ないw

229 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 12:47:43 ID:7g9XCGWE
>>223
GJ!この鬼畜眼鏡!どうしようもねえな!

230 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 14:18:20 ID:TQnoDLCR
>>223
この眼鏡叩き割ってやりてえwしかしシガー氏に罪は無いGJw

231 名前:B・A:2008/10/27(月) 18:44:54 ID:faqsOO7K
ておあー氏はおられますか?
実は、執筆中の>>54のSSですが、内容で一部被りが生じそうなのです。
具体的に言うと、エリオへの直腸責めでして。
シチュエーション的にこれは外したくないと考えているのですが、そちらが先に書かれているので良ければご了承願えないでしょうか?

232 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 19:49:39 ID:IeWkOy1t
>>163
GJ!!
ハーレム部隊の隊長の活躍にすごく期待
予告を見る限りではジュニアは味方のままなのかな?

>>231
氏のストーリーも楽しみにしてます

233 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 23:57:51 ID:/R/nDhZp
ちょっと質問
ヴェロッサが着てる白いスーツって査察官の制服なのかな?

234 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 00:21:28 ID:hhIVg+sX
>>233
それは情報出てないんじゃね?
でも……さすがにあれが制服って事は無いような気もw

235 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 00:27:46 ID:kVcZ8iC5
>>233
刑事ドラマの背広組は、公の場で制服、普段はスーツで過ごしているみたいに描かれているから、
そんな感じの認識で良いんじゃない?
制服姿のヴェロッサってちょいイメージできないけど。

236 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 18:01:17 ID:aya9sesR
誰もおられないようなので、今のうちに投下させて頂きます

79スレでクロノ×ユーノのガチショタ書いた者です。
何というか、2作目を書いてしまいました。
というわけで行きます。今回はフェイトも出ます。
注意書きは下記の通り。

・クロノとフェイトがユーノを攻めまくり。
・もちろんエロ。もはやユーノ陵辱。
・ガチショタ と ふたなり 注 意。
・クロノどS。フェイト、ぶっ壊れ気味。
・時期的にはクロノ15歳、ユーノ、フェイト10歳くらい。
・NGワードは『湯船にのぼせて』

237 名前:湯船にのぼせて:2008/10/28(火) 18:03:08 ID:aya9sesR
ひどい雨に遭った。
海鳴に舞い込んだ次元犯罪者を追っていたのはいい。
捕らえた頃には土砂降りの雨に見舞われてしまい、追っていた僕とユーノはずぶ濡れになってしまっていた。

だけど、それも悪くない。
だって、犯人を捕らえた後、事後処理はやっておくから、自宅に戻ってお風呂に入りなさいと母さんが気を利かせてくれたから。

もちろん一緒に入ろうとしたら、ユーノが嫌がったるのは分かっていたから、ユーノを先に入れて、待ってる間に風邪引くのは嫌だからと理屈を捏ねて後から僕も一緒に入った。

で、今、一緒に入っているわけだけれど。
身体を洗っていると湯船に浸かっているユーノが時折、僕をチラチラと見ている。
正確には僕の股間を。

嗤うのを堪えるのに精一杯だ。

「ユーノ、湯船に浸かってばかりじゃいけないぞ。背中流してやるから、こっちに来い」
「い、いいよ! ぼ、ぼくは!」
「いいから」

そういって僕は、ユーノの手を強引に手を引っ張って立ち上がらせてる。
慌ててユーノが空いている手で股間を押さえたけれど、明らかに可愛いモノが勃っているのが分かった。
期待してるのか、こいつは。

手を離してやると、両手で股間を押さえて、そのまま湯船に逃げ込もうとしたから、背中から両肩を掴んで無理矢理座らせてやる。

僕がスポンジに石けんを染みこませて、ユーノの背中を擦り始めると、背中越しにユーノの息が多少荒いのが伝わってきた。

嗤いを堪えながら、ざっと背中を擦り終えた後、ユーノの細い腰に手を回して、ワザと体を密着させてやった。

「あひゃ!? く、クロノ。あ、当たってる! 当たってるよ!!」
「僕は単に前の方を洗ってやろうとしてるだけなんだけどな。何が当たってるって?」

ワザと答えをはぐらかして僕は意地悪く嗤う。
もちろん、ユーノの背中に当たってるのは僕のモノ。それもさっき、ユーノのモノを見てからすでに臨戦態勢だったりする。

密着したまま肌を摺り合わせると、ユーノが甘い声を上げ始めた。

「ほら、何が当たってるって?」
「お、おちんちん! クロノのおちんちんが当たってるんだってば!!」
「ああ、そう」

ワザとらしく、何事でもないように聞き流して、僕はクツクツと嗤いながら、前に回していた手でそそり勃ったユーノのモノを掴んで、擦り始める。

「あ、ひゃ、く、くろ、だ、だめぇ…」
「今度は何だい?」
「おち、おちんちん、こすっちゃやだぁ……!」
「失礼だな、きみは。擦ってるんじゃなくて、洗ってるだけじゃないか」
「ぁ、やぁ……」

半分は本当だけど、もちろん、ユーノのモノを刺激するように手を動かしている。
逃げるようとしてユーノが腰を浮かし掛けたけど、足に力が入らなくて、四つんばいになるみたいに前に倒れ込んだ。

「何だ、お尻も洗って欲しいんだ」
「ち、ちが……ひぎゃ!?」

ユーノが反論しきる前に片手でまだまだ可愛いユーノのモノを剥いた。
途端に反応して腰がガクガク震え始める。

238 名前:湯船にのぼせて:2008/10/28(火) 18:04:02 ID:aya9sesR
ヒクヒクしている尻穴にまず一本指を突っ込んだ。
ユーノが喘ぎ声を上げるのを見て、指で尻穴を軽く捏ねて、一旦引き抜き、続いて2本同時に指を突っ込む。
更にユーノの声が大きくなる。
どうやら、もう限界らしい。

「どうしたんだ、ユーノ? 随分、気持ちよさそうじゃないか」

もちろん、もう声なんか出せないだろう。
だから、ひときわ勢いを付けてユーノのモノを扱いて、尻穴に指を突き込んだ。

「あゃあ、あぎゃ!? あふゃあああ!?」

堪えきれなくなって、ユーノのモノの先から勢いよく精液が飛び出す。
飛び出す精液を僕は手で受け止めながら、それをローション代わりに塗りたくって、更にユーノのモノを扱き上げる。

ついにはユーノの全身から力が抜けてしまった。
慌てて、僕はその体を支えるとぼくの胸を支え代わりに仰向けにする。

「何やってるんだ、ユーノ。せっかく洗ってやってるのに。また汚したりして」

朦朧としているユーノの耳にささやきかけた。そっと耳たぶを甘噛みする。
ペロリと手に付いたユーノの精液の味を楽しんで、それに濡れたままの指でユーノの乳首を摘んで、抓った。

「ひ、ぎぃぁあ!? く、あ、ら、らめ、ち、ちぐう゛ぃ、らめらってばあ」
「相変わらず、乳首が弱いんだな」

快感と熱気でノボせてきたのか、呂律が回らなくなってきたユーノに僕はクツクツと嗤う。
まだまだ満足できない。
このままヒクついているお尻に僕のモノを入れたら、それはそれで気持ちいいだろうけど、それはまだだ。
だって、今日はまだゲストがいるんだから。

風呂場の入り口に視線を向けた。戸の向こうに誰かが立っている。

「フェイト、そこにいるんだろう? 構わないから、入ってこい」
「ぁ、ぇ……?」

僕の声に焦点が合ってない両目でユーノが入り口に視線を向けた。
ためらいがちに音を立てながら、戸が開いて、何も纏わぬフェイトが恥ずかしそうにしながら入ってくる。

「ぇえ!? ふぇ、ふぇいと、し、それ……」
「ユーノぉ…わたしも、ふぇいともまぜてぇ」

フェイトが股間に手を当てて、擦り始める。そう男の子特有のソレを。
どうやら、さっきから見てたみたいだ。もう準備万全らしい。

擦りながら、興奮から既にフェイトのモノの先からカウパーがポタポタとこぼれているし、恥部からも愛液が垂れて、太ももを伝っている。
モノのサイズもユーノより立派だし、もう剥けていた。

「く、くろ……」
「驚いたか、ユーノ? フェイトの人に言えない秘密ってやつさ。ついでに言うと、前に僕らがこういう状態になったときのこと、見てたらしい」

嗤いながら僕はユーノの耳元で囁く。
そう、見られていた。
だから、それを素直に告白してきたフェイトに逆に訊いた。
混ざりたくないかって。

239 名前:湯船にのぼせて:2008/10/28(火) 18:05:02 ID:aya9sesR
もちろん、フェイトは首を縦に振ってきた。
そして、ここにいる。
ユーノはフェイトの妖艶な姿に目を奪われているらしい。
そして、もしかしたら期待しているのか? フェイトのモノに。
我慢が出来ないのか、フェイトがユーノの前にしゃがみ込む。

「ユーノぉ、いれていいよね? ユーノのおしりにふぇいとのおちんちんいれてもいいよね??」
「まあ待て、フェイト。ユーノは今、身体を洗ってたんだぞ」
「あらう?」
「そう、身体をキレイにしてたんだ。どうすれば、いいか分かるな?」
「うん♪」

意図は理解したらしく、まだ痙攣しているユーノのモノを優しく掴むと、そっと舐め始める。

「はふぅ、ユーノぉ、じっとしててぇ、んちゅ」
「あゃ、やぁ、ふぇ、ふぇい…ら、だめぁ!!」
「遠慮すること無いじゃないか、キレイにしてもらってるんだから。でも、ほら、出したモノはキレイにしないと」

そういって、僕は精液の付いている手をユーノの口に突っ込む。
ユーノが苦しそうにするが、構わず口の中で指を動かす。指に舌が触れる感触がたまらない。
口から引き抜いた手に伝う唾液の糸。
それを自分の口で舐め取ると、そのままユーノの唇を奪った。
舌を差し込んで、ユーノの舌を弄る。
口を塞がれて苦しそうにユーノが喘ぐけど、それ以上に快感が勝ってるんだろう。
見てみれば、フェイトが舐めたり頬張ったりする度にどんどん元気を取り戻している。

ジュルリと音を立てて、ユーノのモノを吸い上げるフェイト。
その行動にユーノの腰がガクガクと震えている。

「はは、ユーノ。これからがお楽しみなんだ。もっと頑張らないと」

そう言って、僕はユーノの身体をずらし、頭を僕の膝あたりまで下げて、手に僕のモノを握らせる。

「ほら、きみを見てて、僕のももうこんなだ。キレイにしてくれるよね?」

カウパーでヌルヌルになった僕のモノを躊躇いがちにさすって、切なげな顔でユーノがペロリと舐め始めた。

「そうそう、口に含んで、ゆっくりだ。よし、フェイト。もういいだろ。切なそうにしてるユーノのお尻を可愛がってやれ」
「ぷはぁ、……うん♪」

丹念にユーノのモノを舐め終えたフェイトが自分のモノを扱く。
最初に入れる前にユーノのモノに自分のモノをあてがって、擦り始めた。
前に僕がしたことと同じ事をするとは。

「ほらぁ、ユーノぉ、これがきもちいいんでしょ?」

ユーノが甘い声を上げ始める。
フェイト自身も気持ちよさそうにしているのを見て、僕のモノがいきり出した。

「あふぁ、ふぇ、ふぇいとぉ、ゃ、ゃめれぇ……」
「や・だ♪」

こすりあわせていたモノをすらして、尻穴にあてがうとフェイトが一気に突き込んだ。

「ぁ……が、かはっ」
「あはぁ、ユーノのおしり、きもちいぃよぅ、こんなのすぐでちゃ、でちゃ……ぁゃあ!」


240 名前:湯船にのぼせて:2008/10/28(火) 18:06:23 ID:aya9sesR
我慢が出来ないのか、勢いよくユーノの尻を突くフェイト。
その激しさを見ていると興奮してくる。

「ほら、ユーノ。喘いでないで僕のも。あっと、歯は立てるんじゃないぞ」

パクパクさせているユーノの口を塞ぐように僕のモノを突き込んだ。
たまらないなぁ。この支配感。

フェイトももう限界らしい。
今にも出そうなのを我慢しながら、腰を動かしている。
だったら、もっと良くしてやろう。

「フェイト、ユーノの乳首を抓ってみろ」
「く、ろ、ら、らめ……」

僕の言われるままにフェイトは腰を動かすことは止めずにユーノの乳首を抓りあげた。

「ひ、あが、ぎゃ、ああああっ!?」
「なっ!? あっ!? おしり、しまっ、あ、でる、でちゃああ!?」

乳首を抓られた快感で締め上げられた尻穴の感触にフェイトはついに限界を超えたみたいだ。
ビクンと腰が震えたかと思ったら、断続的に痙攣が始まる。
精を放つ快感にフェイトの顔が恍惚に染まっていく。
ユーノも限界を迎えたみたいで、二回目の精液をまき散らした。
自分の胸やらフェイトの胸にまで飛び散って、見ていると実に厭らしい。

しかし、二度も放ったにもかかわらず、まだ元気だな。こいつのモノは。
まだ堅さを失っていないユーノのモノを掴んでゆっくり扱いてやる。
射精直後に更に扱かれ、腰がビクビク動いてる。

「フェイト、今度は僕の番だ。代わって」
「はぁい」

ズルリとフェイトのモノがユーノの尻から抜ける。
だらしなく広がった穴からフェイトの精液が垂れてくる。
正常位に陣取って、両手でユーノの細い腰を掴む。精液が落ちきらないうちに今度は僕のモノで蓋をした。

「さ、ユーノ。最終ラウンドだ」

話しかけるけど、ユーノは気をやってしまったのか、もう口をパクパクさせてるだけ。
それじゃつまらないんだよな。
そう思った僕はいつものように乳首を甘噛みして、腰をひと突きしてやった。
途端にユーノの意識がしっかりする。

「あわぁ、く、くろのぉ、も、もうゆるしてぇ…ぼ、こわれ……」
「はは、大丈夫だよ、ユーノ。人間そうそう壊れやしないさ」

ああ、今僕はとてもサドい笑みを浮かべてるんだろう。
そう思いながらも止められない。

「フェイト、ユーノの前が空いてるぞ」
「あはぁ、ユーノのおちんちんだぁ。ねぇ、ユーノぉ、まえとうしろとどっちがいーい?」
「ま、まぇ、と、うし…ろ……?」

僕に尻を突かれてるせいで、ユーノはまともに考えられないらしい。
フェイトが楽しそうに笑い出す。

「きーめたぁ、ユーノのどーてい、ちょーだい」

241 名前:湯船にのぼせて:2008/10/28(火) 18:07:44 ID:aya9sesR
そう言って、フェイトはユーノの前に立つと、自分の恥部を指で開いて見せた。
垂れた愛液がユーノのモノに滴り落ちる。
そのままゆっくりと腰を降ろして、ユーノのモノを飲み込んでいく。

「あはっ、ユーノのおちんちん、きもちいいよぅ。ねぇ、ユーノぉ、ふぇいとのおまんこきもちいい?」

大事な場所を同時に攻められて、ユーノはもう言葉も出せないらしい。
ただガクガクと首を縦に振る。

更にフェイトは腰を振りながら、ユーノの精液で濡れた胸をユーノの乳首に密着させて擦り始めた。
更に自分の唇でユーノの唇を塞いで、舌と舌を舐めあわせ始めた。

「あふぁ、ぷ、ぅふぁ、ふぇ、ふぇいと、それ、ら、らめ。くろ、お、じり、づいちゃやぁああ!?」
「はは、聞いてあげたいけど。…もう我慢できないよ、ユーノ」

ユーノに跨っているフェイトのお尻がこっちを向いている。
ユーノと前で繋がって、ヒクヒクしているそのお尻に僕は指を突き込んだ。
途端にフェイトが甘い声を上げた。
その刺激で恥部を締め上げたんだろう。モノを刺激されて、ユーノが口をパクパクさせる。
僕のモノを飲み込んでいる尻穴もキュッと締まってきた。

もう限界だ。
僕はどう猛な獣みたいに一気に腰を突き上げ始める。
その振動がユーノのモノに繋がっているフェイトにも伝わるのだろう。
自身も腰を振りながら必死にユーノに抱きついている。

口をパクパクさせながら、必死になってる二人のアヘ顔に僕の興奮は限界を超えた。
ユーノの尻に思い切り精を解き放つ。

「あふぁあ!? あつ、あづぃ……おなかのなか、ぜーじでぃっばいぃぃ!?」
「んぁぁ!? ユーノのおちんちん、いっぱい、いっぱいでてるよぉ!!」

僕の射精と同時に放たれたユーノの精をたっぷりと受け、フェイトの腹がぷっくりと膨れてくるのが分かる。
こいつは3回目なのにどれだけ出るんだ。

たまらず、ユーノのモノがフェイトから抜け出た。
フェイトの恥部から受けきれなかった精液が大量に流れ出す。
更にフェイトも我慢しきれなくなってもう一度射精していた。
ユーノの胸に盛大に精液が飛び散る。

「ぁあ、ユーノのせーし、でちゃうぅ……」

フェイトが立ち上がろうとするけど、腰が抜けたのか、ユーノの身体に乗っかったままになってしまった。
流れ出した精液がユーノの腹に広がっていく。
更にユーノの尻から僕のモノを抜くと、広がりきってしまった穴からフェイトと僕の精液がたっぷりと流れ出てきた。

何ともいえない。本当に何ともいえない淫艶な光景。
抜き取った僕のモノを恍惚として目の焦点が合っていない二人の前に差し出す。

242 名前:湯船にのぼせて:2008/10/28(火) 18:08:19 ID:aya9sesR
「ほら、二人とも、キレイにして」

二人がゆっくりと僕のモノに舌を触れる。
その快感で残っていた精液が吹き出した。
二人の顔が精液にまみれ、むせるののを見ながら、僕はクツクツと嗤う。

「あー、気持ちよかった。次はどうしようかな♪」

次はどんなことをして虐めてやろう。
僕はそんなことを思いがら、精液にまみれた二人の唇を順に奪っていった。



243 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 18:09:51 ID:aya9sesR
以上です。
もうちっと改行計算して投下しろよ、自分orz

書き上げた後で、だから己の性癖はどうなってるんだ、と自分に問いつめた作品。
特殊なもん晒してすいませんでした。

244 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 18:13:20 ID:uUhEc0Va
>>243
GJ
こういう特殊なのも何気に好きです。


245 名前:ておあー:2008/10/28(火) 19:11:32 ID:MnecFZKL
>>231
返答が遅くなってすいません
こちらにエリオ直腸責めの予定はありませんのでガンガン苛めてもらって
かまいません。自分も一読者として氏の投下を楽しみに待っています!

そして火曜辺りと言っていたのに後編の完成が見えない俺orz
ま、まあ火曜と限定してはないから……少し、続き書こうか……


246 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 19:13:40 ID:MnecFZKL
っと、連投になりますが>>243氏GJ
特殊? 大好物ですよ……このスレを知ってから確実に守備範囲が広がった
気がする今日この頃

247 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 19:18:02 ID:zl2SHYHc
そ、それは洗脳では………w

248 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 20:19:01 ID:DrhSdv9w
>>246
確かにこのスレに来るまでは尻以外の属性はなかったはずなのに、
気がつけば巨乳・コスプレ・ロリ・フタナリ・足コキ・納豆と非常に幅が増えた。

何が言いたいかっつうと、さらなる新しい世界を見せてくれた
>>243氏GJ!!

249 名前:B・A:2008/10/28(火) 20:33:32 ID:kVcZ8iC5
>>245
ありがとうございます。
ラストでリインが直腸に回復魔法のシーンで思わず、「やべ、被った」と思ったんです。
こっちはやっと折り返しまで来たので、あともう一息ってところですね。
そちらも頑張ってください。

250 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 21:50:35 ID:o1hKrGLB
>>243
GJ!
そしてこのクロノもある意味尻好き…

251 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 22:27:07 ID:mc1m8JXM
>>245
>>249
お二人とも頑張ってください!お待ちしております!

252 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 00:35:13 ID:4BuYFl85
>>250
アナルファッカークロノは相手が男でも女でも関係ないという事ですね? わかります。

何はともあれ>>243氏GJ!

253 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 03:20:56 ID:ql6uGBA9
ボ〜クは尻痛いか〜ら〜♪ケツして、止まら〜な〜い♪

254 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 12:39:07 ID:K51PZtHo
>>248
>気がつけば巨乳・コスプレ・ロリ・フタナリ・足コキ・納豆
最後ちょっと待てwww

まぁ、俺もアナル・ロリ・キシャーと、守備範囲が広がったのは確かだがな。

255 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 13:09:05 ID:skGwFqC2
最初はノンケだったのに、気がつけばショタやガチエロや触手まで書いているな、俺。

256 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 17:24:36 ID:gKr/l8e8
携帯で保管庫を読もうとしたら形式が変わっていてビビった。

257 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 18:25:13 ID:zykrRjZS
ゼスト×レジアスまだー?

258 名前:ゼスト×レジアス ◆K17zrcUAbw :2008/10/29(水) 21:30:13 ID:/Q6XHWDJ
『おおぉぉぉぉ!!』
暗い部屋に響き渡るのはの太い男の声。
騎士ゼスト・グランガイツは自分の置かれた状況をうまく理解出来ていない。
向かい合った男、レジアス・ゲイズはニヤリと口元をつり上げる。
レジアスはゆっくりと、だが確実にゼストを追い詰めて行く。
『お前の弱い場所は全て知っている……』
『ぬっ、うぁぁぁぁぁぁ!!』
レジアスが動く度にゼストが唸る。
長年の付き合いにて弱い場所など熟知している。
レジアス攻勢に見えていたが、ここに来てゼストが手を出した。
『うぬぅっ!!』
『ふふふ……これでどうだ?』
『こ、このような…うぅ』
ゼストの繰り出す一撃が全てをひっくり返した。
立場は逆転、レジアスは窮地に立たされる。
精神的にも追い詰められ、頭が回らない。
その隙をゼストは逃さない。
すかさず手を変えさらに惑わせる。
『うぬぁ!!』
『ふふふ……これで』



『チェックメイト』
『うぉぉぉぉぉぉっ!!』
コツンと置かれたビショップがキングの行く手を阻んだ。
レジアスは食い入るように盤面を見つめる。
『立場的に忙しくなってから弱くなったな、レジアス』
『…ふぅ、まだまだだな』
カタカタと再び駒を並べて行く。
『まだまだ現役で行けるんだがな』
『やめておけ、お前には妻子があるだろうに』
『何をいうか。お前こそ…』
『それ以上はやめてくれ』


259 名前: ◆K17zrcUAbw :2008/10/29(水) 21:31:29 ID:/Q6XHWDJ
>>257
これでいいかい?


ところでトリ抜かれてみんな外してるけど、オイラもそうした方がいいかな?

260 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 21:59:36 ID:p1Sc3Adp
そんぐらい自分で考えようよ

261 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 22:21:16 ID:E7MKaq/E
>>259
不都合や危険性がなかったら、やってみたらどうでしょうか。

262 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 22:43:46 ID:1kg9PPNd
成りすましされることくらいか?
それにしたって、替わりにSS書いてくれるなら、大歓迎だw
本物と偽物のSSでここがさらににぎわう。
しょーもないこと書いたら本物でもスルーされるだけだし。

263 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 23:55:36 ID:RbCkyted
偽者が出るような人の作品なんて書けないw

264 名前:B・A:2008/10/30(木) 00:20:58 ID:GLoIEG1f
さて、ようやくデバイス娘によるエリオ責め倒しSSが完成したので投下にきました。
完成したのは10時ごろなのに2時間タイトルで悩むという事件が起きたのはここだけの秘密だ。


注意事項
・リインとアギトがエリオをエロエロに責めまくる。
・ハードな責め多し。
・今回も、いっぱいお尻を弄ります。
・ある意味、エリオは勝ち組。
・買ったけどSSXはまだ聞いていない
・原案は>>54
・タイトルは「はんさようトライアングル」

それでは原案者のアルカディア ◆vyCuygcBYc氏に改めて感謝の意を送りつつ投下を開始します。

265 名前:はんさようトライアングル@:2008/10/30(木) 00:22:05 ID:GLoIEG1f
「アギト、おはようですぅ」

ある早朝。
眠い眼を擦りながら、ふよふよと六課の隊舎を漂っていたアギトは、背後からそんな挨拶を聞いた。

「なんだ、バッテンチビか。おはよーさん……え?」

振り向いた背後には、そこに在るべき自分と同じ30pサイズの少女の姿が無かった。
そこに居たのは、機動六課のサイズをぴったりと着こなし、地に足をつけた等身大のリインフォースU空曹長だ。
目を点にして、ぱくぱくと口を動かすアギトは、慌てて眼を擦ったり頬を抓ったりしてみたが、
目の前の彼女の大きさが変わることはなかった。どうやら、目の錯覚ではないらしい。

「マリエルんとこ行ってくる」

「ちょ、ちょっと、それはどういう意味ですか!?」

「きっと、視覚回路が壊れてものの大きさを見間違えているんだ。でなきゃバッテンチビがあんな大きさになるなんて・・・・・・」

「現実を直視してください、これがリインの本当の姿なんです」

立ち去ろうとするアギトを振り向かせ、リインは言う。

「普段は燃費が悪いので、体を小さくしているんです。けど、今日はこれからはやてちゃんのお使いで、
海鳴まで行かなきゃいけないから、大きくなったです」

えっへん、とリインは胸を張る。

「どうですか? 本当のリインはアギトの何倍も大きいんですよ。これからはリインがアギトのことをおチビさんって呼んであげますねぇ」

勝ち誇ったかのような笑みを浮かべ、リインはアギトの額を小突く。
その仕草がカンに障ったのか、アギトの表情に見る見る怒りの色が浮かんでいく。

「けっ、ちょっと変身魔法使ってるだけだろ! あたしにその程度が出来ないと思ってんのかよ!」

直後、アギトの体が光に包まれ、人形サイズだった体が等身大の大きさへと変化した。

「へへ〜ん、あたしの方がちょっぴり背が高いぜ! 変身魔法程度で大威張りなんで、やっぱりお前はガキんちょだな、バッテンチビ!」

「そんなことないでぅ! リインはもう立派な大人ですぅ!」

そんな、いつもと同じ喧々諤々をやっていると、背後から「うわっ」という驚愕の声が響いた。
そこにいたのは、フォワード部隊の黒一点、エリオ・モンディアル少年(10)だった。
訓練帰りなのか、業務用の制服ではなく管理局支給の体操服を着ている。

「よお、エリオ」

「ア、アギトさん、なんて格好してるんですか―――」

「あん?」

エリオは何故か顔を真っ赤にしてこちらと目を合わせようとしない。
しかも、何かを隠しているのか下腹部を片手で押さえて前屈みになっている。
その理由にいち早く気づいたアギトは、人の悪そうな笑みを浮かべてエリオの肩をバシバシと叩いた。

266 名前:はんさようトライアングルA:2008/10/30(木) 00:22:40 ID:GLoIEG1f
「そうか、そうだよなぁ。美人ばっかでお前も大変だなぁ。おかずにしたけりゃ好きなだけ見て良いぞ」

「ア、アギトぉっ!」

仮にも管理局の人間とは思えない言葉に、リインは目を吊り上げてアギトに詰め寄る。
先ほどまでアギトが着ていた服は人形サイズの制服であったため、巨大化すれば当然のことながら破れてしまう。
なので、巨大化する前に衣服をバリアジャケットに変えていたのである。だが、それが問題だった。
アギトのバリアジャケットはビキニ水着を連想させる意匠であり、極端に露出部分が多い。
小悪魔を連想させる扇情的なその衣装は、例え着ている本人のボリュームが著しく欠けていたとしても十分な破壊力を秘めていた。

「どうだ、バッテンチビ。あたしの方が大人の魅力に溢れてるってことだろ、これは?」

「ち、違いますぅ! アギトはただHな格好をしてるだけるだけですぅ!  リインは知ってるですよ! 
本当の大人は、こんなことが出来る人のことを言うですぅ!」

言うなり、リインは顔を真っ赤にしながら手で目を覆っていたエリオの頭を掴み、有無も言わさず彼の唇を奪った。

「うぅっ!? んうぅ!」

突然の出来事に、エリオは目を白黒させながら後ろによろめく。エリオにとって彼女はあくまで上司である。
小さい体で一生懸命仕事に励む姿を可愛いと思ったことはあったが、それ以上の感情を抱いたことはない。
そんな彼女に予告もなく唇を奪われたのだから、動転するのも無理なかった。

「どーですか? これが大人のオンナってやつですぅ」

えっへん、とリインは小さな胸を張ってアギトに向き直る。自信あり気に浮かぶ微笑むは正く勝者の笑みだ。
だが、それに対するアギトの反応は冷ややかなものだった。彼女はリインの勝利宣言を鼻で一笑すると、
動転しているエリオを自分のもとへ抱き寄せた。そして、片足をエリオの足に絡めて膝の上に跨り、
うっとりと微笑みがらエリオの胸元から顎にかけてを指でなぞる。アギトの衣装も相まって、
その仕草は男を誘惑する本物の悪魔のようだ。免疫のないエリオはおろおろと視線を彷徨わせることしかできず、
近づいてくるアギトの唇を拒むこともできなかった。

「うぅん・・・ん・・・・くちゅ・・・ちゅぱぁ・・・・はぁ・・・・」

貪るように舌を絡ませる濃厚なキスに、エリオはおろかリインまでもが顔を真っ赤にして押し黙る。
さすがは天然ものの融合騎、伊達に長く生きてはいない。

「どうだ、大人のキスってのはこれくらいするもんだぜ、お子ちゃま」

「リインはお子ちゃまじゃありません、立派はレディです!」

「図星突かれてムキになってやんの」

「リインは、アギトにできないようなエッチなことだってできるです!」

(ぼ、僕のファーストキス・・・・・いつか恋人ができた時のために取っていたキスが・・・・・・・)

言い争う2人の横で、1人の少年がさめざめと涙を流していた。
苦節10年(推定)、儚い貞操であった。

267 名前:はんさようトライアングルB:2008/10/30(木) 00:23:13 ID:GLoIEG1f
「それじゃ、勝負するですか?」

「いいぜ、バッテンチビ、その勝負受けて立ってやる! おい、エリオ、お前の部屋に案内しろよ。決着はベッドの上だ」

そして、落ち込むエリオを無視して2機のデバイスは実践で決着をつけることが決定された。
幼女2人に引きずられるその様は、まるで売られていく牛のようである。

「あ、あの・・・僕の自由意思は?」

「そんなものはない」

「この後、フェイトさんと一緒に外回りが・・・・・・」

「これは曹長命令ですぅ」

2人の体から滲み出る禍々しいオーラに、エリオは思わず竦み上がる。
睨みあって火花を散らす様は、子どもの頃にフェイトに見せてもらった竜虎の絵のようだった。

「良いな、エリオ」

「良いですね、エリオ」

「は、はいい」

エリオは怒涛の展開について行けず、ただ真っ赤な顔をぶんぶんと縦に振った。





数分後、エリオは手足をバインドで拘束され、裸にひん剥かれて自室のベッドの上に転がされていた。
管理局が誇る最新鋭のデバイスと最古のデバイスがタッグを組んで汲み上げたバインドは、
エリオ程度の実力では解除することもできない。それに結界が張られているので大声を出しても助けが来る望みは薄かった。
何より、今されていることを考えると逃走の意思も萎えてきてしまう。

「エリオ、気持ち良いですか?」

「うあ・・ああ・・・ふ、2人とも、やめ・・・・・」

「こんな風にしていたら、説得力ないぜ」

「ああ・・・アギトさ・・・あ・あうあ・あ・・・・・」

「エリオのおチ○チン、カチカチですぅ」

妖艶な笑みを浮かべながら、2人はエリオの乳首を舐め上げる。
小さな手は股間の肉棒に絡みつき、もつれ合う様に扱かれると切ない喘ぎが室内に響き渡る。

「うわあ・・・・エリオの体、すっごく汗臭いですぅ」

「おいおい、気持ち良くて声もでないのか?」

「あ・・・・あああ・・・ああ・・・」

真昼間からベッドに縛り付けられ、幼女2人に全身を舐められる。純情なエリオからすればまるで別世界の出来事のようで、
彼の脳みそはとっくの昔に飽和状態を迎えていた。それでも体の方は正直で、
これからされることを想像していきり立った肉棒からは先走り汁が滲み出ている。

268 名前:はんさようトライアングルC:2008/10/30(木) 00:23:47 ID:GLoIEG1f
「そんじゃ、まずはあたしからな」

そう言って、アギトは亀頭に被さっている皮を器用に剥いていく。
そして、何の躊躇もなく垢がこびりついた肉棒をその小さな口で咥え込んだ。

「はうあああぁっ!?」

背筋を駆け抜ける感覚に、エリオは素っ頓狂な声を上げる。今まで皮に隠れていて外的刺激をほとんど受けたことのない部分を
責められたのだから、それも無理はなかった。敏感な亀頭が口の裏側を擦れ、舌で舐め回される度に電気のようなものが神経を走り、
声にならない悲鳴がエリオの色素の薄い唇から漏れる。何とか逃れようともがいても、拘束された手足はビクともせず、
彼女の成すがままに口奉仕を受け入れるしかなかった。
ふと視線を上げると、そこには上司であるリインの顔があった。彼女の目は自分のことを軽蔑しているようにも、
興味深く観察しているようにも見える。意識した途端、恥ずかしさが込み上げてきた。顔は火が噴いたように真っ赤になり、
心臓が早鐘を打つので呼吸すらまともにできない。

「やあ・・・ああぁ・・・・だ、やだ・・・・いで・・・・・」

見ないで、と叫ぼうとしたが、その言葉はリインのキスによって阻まれてしまう。
まるでさっきのアギトのキスを真似するかのような、舌を絡める貪欲なキス。口付けとはとても言えない、口内の凌辱だ。
流し込まれた唾液が自分のそれと混ざり合い、窒息しそうなほど溢れ返って喉奥に逆流していく。
差し込まれる舌を拒もうにも、亀頭への刺激が邪魔をしてロクに舌を動かすこともできなかった。

「うんん・・・エリオのお口、温かいですぅ」

「まだイクんじゃねぇぞ、面白いことしてやるから」

そう言って、アギトは唾液がたっぷりと付着いた自身の左手の人差し指と親指で輪を作り、カリ首に引っかけてその上から
右手の手の平で亀頭を握り潰すように包み込む。そして、その状態のまま左手のわっかと右手を回転させ、
亀頭とカリ首を同時に刺激し始めた。

(な、なに・・・・・なにが・・あ・あ・・・・・い、いたい・・・いた・・あ・あ・あ・・・・・)

これは、亀頭のみを重点的に刺激する地獄車という技法であった。
指と手の平の回転運動は手扱きの往復運動と違い、基本的に止まることはない。それこそ、行っている者が疲れて休まない限り、
敏感な亀頭を延々と責められ続けるのである。一瞬たりとも途絶えることのないむず痒さが被虐心をくすぐり、
過剰に供給された酸素が全身を巡って細胞そのものが沸騰したかのような暴れ出す。
あまりの苦しさに頭を振ってリインを突き飛ばすが、拘束された手足が快楽責めからの脱出を阻んでしまう。
許容範囲を逸脱した快楽はまるで拷問であり、エリオはただ泣き叫びながら悶えるしかなかった。

「ううう・・あああ・・あ・あ・・・く、くる・・・・し・・・・やめ・・・え・・・・」

「とか言って、こっちは益々固くなってきているぜ」

「ち、ちが・・・ああ・・・あ・あ・・だ、だめぇ・・・・く、くる・・あ・あ・・・しゃ、射精・・あ・あ・・・・
ああぁぁ・・・・・・あ?」

下腹部が熱くなっていく感覚に、エリオは射精が近いことを感じ取って身構える。
しかし、予想に反して尿道を駆け上がる絶頂は訪れなかった。いや、絶頂そのものは確かに訪れたのだが、
精子が飛ばなかったのである。未だ、下腹部に精液が溜まっている感覚は消えておらず、
ただ果てることなく快感のみが際限なく膨れ上がっていっているのだ。
実は、竿を刺激せずに亀頭のみを刺激し続けると、射精ができなくなるのである。
これは性行為におけるプレイの一環として確立されており、うまくいけば射精した時のようにペニスが萎えたり
亀頭が過敏になることもないまま、何度でも絶頂を味わうことができるのである。最も、それを知らないエリオからすれば、
これは過酷な責めであった。通常の射精が言うならば溜めに溜めた欲望を一点から解き放つのに対して、
こちらは体ごと真上に持ち上げられる感じなのである。果てるための行為ではなく悶絶を目的とした行為。
呼吸なんてとてもできないし、片足は痙攣したかのような痛みが走っていてとても耐えることができない。


269 名前:はんさようトライアングルD:2008/10/30(木) 00:24:28 ID:GLoIEG1f
「やあああ・・あああ・あ・あ・あ・あ・あや、やめ・・・やめてぇっ・・・・射精させて、だ、だして・・・・
やぁ、あああぁぁぁぁっ!!」

気が狂ったかのようにエリオは懇願するが、アギトはその訴えを聞こうとしない。まるでエリオのもがく様を楽しむかのように、
ひたすら亀頭のみを重点的に責め上げるのだ。

「アギト、いい加減にしないとエリオが死んじゃうですよ」

「だらしがないなぁ。しゃーない、いったん射精してすっきりするか」

リインに窘められ、アギトは亀頭責めを止めて真っ赤に膨れた肉棒を再び咥え込んだ。

「ふあうあ!? ああああぁぁぁぁぁぁっ!!」

射精したくてもできずにずっと溜まっていた精液は、その容赦のない上下運動で一気に爆発し、
アギトの口の中に収まり切らないほど大量の白濁液が尿道を駆け巡る。待ちに待った射精の感覚に、
エリオは涙と涎を吹き飛ばしながら悶絶し、全身をがくがくと痙攣させてアギトの顔を汚していく。

「けほ・・・・若いだけに凄い量だな・・・・・ほれ、バッテンチビ」

「タッチですぅ」

今度はリインがアギトと入れ替わり、エリオの股間と向き合う。
だが、先ほどまでのアギトの責めでいっぱいいっぱいのエリオの肉棒はすっかり萎えており、
回復するにはもうしばらくかかりそうに見えた。

「どうする?」

「問題ないです。リインには奥の手のごーるでんふぃんがーがあるんですぅ」

「光になるのか?」

「それはヴィータちゃんですぅ」

などと冗談を口にしながら、リインはおもむろにエリオの足を広げると、無防備に収縮を繰り返す菊の門に
ごーるでんふぃんがーの狙いを定める。
次の瞬間、聞くに堪えない男の悲鳴が室内の結界を大きく震わせた。

「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

まるでボールのようにエリオの体がバウンドし、ベッドが激しく軋む。
ただならぬ様子に、脇で顔の精液を拭っていたアギトが慌ててエリオの体を押さえつけた。

「お、おい・・・何やったんだいったい!?」

「男のじーすぽっとです」

つまり、前立腺マッサージである。丁度、膀胱の真下に存在し、精液を作り出す精嚢と隣接している器官である。
俗にここを刺激されると快感が得られ、萎えた肉棒も勃起させることがでいると言われているが、
そのプロセスなどは具体的に解明されていない。
だが、今回はうまくいったのか、さっきまで萎んでいたエリオの肉棒はすっかり元の大きさを取り戻していた。

270 名前:はんさようトライアングルE:2008/10/30(木) 00:25:11 ID:GLoIEG1f
「エリオ、今度は私の番ですよ」

「ま、待って・・・・さっきので、力が・・・・・・」

「大丈夫です、後でヒーリングかけてあげますから」

「おお、その手があったな」

ポンっと、アギトは手の平を叩いて納得する。
どうでも良いが、過度の回復魔法の使用はバックファイアの危険があるのであまり推奨する行為ではない。
何故、JS事件が解決した後にヴァイスとザフィーラが再入院したのか、この2人は覚えているのだろうか? 
そこまで考えたところで、エリオは再び直腸を襲う激痛に身悶えた。リインが腸内で指を折り曲げたのである。

「リ、リイン曹長!?」

「同じことしてもつまらないですから、リインはこっちを刺激しながらしてあげるです。大丈夫、アギトみたいに焦らしたりしませんから」

「ちょ、そういう問題じゃ・・・・・ああ、ああああ・・・ま、まって・・あ・あ・あ・ああぁぁぁぁぁぁっ!!!」

反論する間も与えず、リインはエリオの直腸を穿り返しながら勃起した肉棒に舌を這わす。
彼女の舌はまるで蛇のような艶めかしい動きで裏筋をなぞり、そのまま亀頭にかぶりついて根元まで深々と咥え込む。
更に、空いている片方の手はその舌の2つの膨らみをにぎにぎと揉みしだいてエリオを射精に導いていく。
亀頭と睾丸と直腸、その三ヶ所を同時に責められるのは、年若い彼には完全に未知の快感であった。

「エリオの精液、タマタマにいっぱい溜まっているです」

「リイン曹長、やめ・・・・ぶぅっ!?」

エリオが反論する前に、アギトの小さなお尻が顔面に押し付けられる。
口に覆いかぶさったピンク色の秘唇は愛液でトロトロに濡れそぼっており、呼吸しようと息を吸えばツンとするような尿の匂いと
芳しい雌の芳香がない交ぜとなってエリオの意識を夢の彼方へと追放しようとする。
当然のことながら、覆い被さった肉ビラが邪魔をして発した言葉は声にならず、舌と唇の動きがアギトに快楽を与えただけだった。

「ほら、良いことしてもらっているんだから、あたしにもお返ししろ」

「ふううん・・・ううんん・・・んんんんんんぬぬぬん!!!」

「もう、暴れると口でできないですぅ、この」

「ふぐうっ!!」

手足をバタつかせるエリオを鎮めようと、再びリインは前立腺を刺激する。
それからはどうしようもない悪循環に陥っていた。酸素を求めてアギトの秘唇に奉仕すると、
悦びに悶えたアギトがより強く秘唇を押し付けて呼吸を阻害する。そして、それから脱しようともがくと
リインが前立腺を擦り上げてエリオを黙らせようとし、問答無用で叩き上げられるドライオーガズムで酸欠を起こしてまた暴れ、
直腸を掘られる。それにリインの口奉仕はアギトと違って肉棒そのものを食い千切らんばかりの強力なバキュームフェラであり、
逃げ場のない肛門責めと合間ってエリオの限界は意外なほど早く訪れようとしていた。

「エリオ、いきたかったら我慢せずに射精して良いんですよ」

「ふぐっ・・あ・あ・・・うふぐうく・・・・で、でも・・・あはうあ・・・・・」

「強情ですねぇ」

頑なに射精を拒むエリオに業を煮やし、リインはとどめのバキュームを開始する。
根元まで肉棒を咥え込み、下品な音を立てながら吸い上げる様に肉棒全体を唇と舌で扱いていく。
そして、尖った八重歯が亀頭の端を突いた瞬間、エリオの中で最後の堤防が決壊した。

271 名前:はんさようトライアングルF:2008/10/30(木) 00:25:46 ID:GLoIEG1f
「わあぁ・・・・あああ、で、射精るうぅぅぅぅぅぅっ!!」

「ふぐっ・・・ううぅん・・・・くう・・・・」

喉奥に叩きつけられた欲望を、リインは頬を赤く染めながら嚥下していく。
飲み切れずに零してしまった分は手ですくい、それも全て口の中へと運んだ。
粘度の高い白濁液は喉に引っかかってなかなか飲み込むことはできなかったが、
アギトには負けたくないという一心から彼女はその全てを飲み干すことに成功した。

「ぷはぁ・・・・・はあ・・・・どうですか。リインは全部飲めたですよ」

「あたしだってちゃんと飲めたぞ」

「零していたです」

「お前だって一度に飲み切れなかったじゃないか」

「なら、エリオに決めてもらうです」

「そうだな。おい、どっちの方が気持ち良かった?」

「ふぇ?」

急に話の矛先を向けられたが、今のエリオには返事をするだけの余力は残っていなかった。
この短い時間でディープキスに亀頭責め、フェラチオ、前立腺マッサージと、
童貞には些か刺激が強すぎるメニューのオンパレードだったのだ。辛うじて意識は保っているが、
目は虚ろで焦点が合わず、手足には力が入らない。それに痙攣した足の痛みはまだ残っており、
骨が捩じれたような感覚が怖くて動くことへの恐怖すらあった。

「・・あ・・・・・・」

「うん?」

「いや・・・・・その・・・・・・」

「ハッキリしないですねぇ。ならこうです」

「あ、ずるいぞバッテンチビ!」

競い合うように、2人は萎えてしまったエリオの肉棒に齧り付く。位置の関係上、リインが下でアギトが上だ。
亀頭から先端にかけて頬張ったアギトは舌先で尿道の入り口を突き回し、玉袋を甘噛みしていたリインは
そのままむせ返る肉の匂いを嗅ぎながら竿を舐め上げていく。するとそのまま2人の口が肉棒を隔てて重なり合い、
ごく自然に唇が重ねられる。いがみ合っていたはずなのに、抜群のコンビネーションだ。
こんな光景を見せられては、萎えていたものもすぐに復活してしまう。

「ううん・・・ぬんぅ・・・ぬうう・・・・どうですか、エリオ?」

「あたしの方が・・・・くちぅ・・・ううんん・・・・・・良いに決まっているよな?」

「もちろん・・・ちゅぱぁ・・・くぱぁ・・・・・・リインですよね?」

「そ、そんあ・・・・ああぁ・・・ふ、2人が、僕の・・・・・・・」

「まだ決められねぇのか」

「なら、次はこうです」

アギトを押しのけ、リインは自身の肉壺にいきり立ったエリオの肉棒をあてがう。
慌ててエリオは止めようとしたが、遅かった。リインは一気に腰を下ろし、エリオの肉棒を根元まで飲み込んだのだ。
脱・童貞の瞬間である。

272 名前:はんさようトライアングルG:2008/10/30(木) 00:26:23 ID:GLoIEG1f
「うふ・・・・エリオの初めて、貰っちゃったですぅ」

愛おしげに色白の胸板を撫でながら、リインは腰を前後に振るう。まるで肉壺で咥え込んだ肉棒の形に膣を馴染ませるかのように、
ゆっくりと時間をかけて揺するのだ。

「わかりますか? エリオのおチ○チンが、私の子宮の入り口に当たっているです」

「リ、リイン曹長?」

「このまま射精したら、きっとエリオの赤ちゃんを妊娠しちゃうですね。その時は、責任取ってくれますか?」

「せ、責任・・・・・・・」

一瞬、妊娠したリインと結婚する自分の姿を想像し、息を飲む。
早熟とはいえエリオはまだ10歳、そういった大人の覚悟というものはまだできていない。

「曹長、その・・・・僕・・・・・」

「ふふ、嘘ですよ」

「え?」

「デバイスが妊娠なんてするわけないじゃないですか、慌てん坊さんですねぇ」

言われてみれば、確かにそうだ。人間そっくりに造られているとはいえ、彼女達は魔法で創り出された人造生命である。
いくら膣内に精液を注ぎ込もうと人間の子どもを妊娠することはない。つまり、慌てふためくエリオを見て楽しんでいたのだ。

「だから楽しんで良いんですよ。リインの膣にいっぱい中出ししても、全然OKなんですから」

リインの腰遣いが、段々と激しいものに変わっていく。それと共に、膣の中も火で焙られたかのように熱くなっていった。
熱したクリームのように絡みつく媚肉が鋼のように固い肉棒を締め上げ、与えられる快楽に心臓が跳ねる。
初めての異性の体内は驚くほど熱く、まるで彼女に食べられているかのような錯覚を覚えた。
実際、自分はリインフォースUという肉食獣に捕まった哀れな草食獣なのである。
ただ捕食され、与えられる快楽に悶えることしかできない無力な存在。
こうして考えている間にも肉体は快感に打ち震え、尿道を精液が駆け昇っていく感覚が手に取るようにわかる。
あまりに呆気ない限界だ。

「ほら、こうされるとどうですか?」

リインが乳首を思いっきり抓ってくる。堪らず、エリオは感極まった声を上げて身を捩った。
痛みがなかったわけではない。だが、それ以上の快感があった。加速した血流が肉棒を更に膨れ上がらせ、
収縮する膣の熱さと締め付けが増していく。気づけば、エリオは自然に腰を振っていた。

「そ、曹長・・・・ぼ、僕・・・・もう・・・・・」

「射精すですか? 堪え性のない豚ちゃんですねぇ。そんなにリインの膣が気持ち良かったですか?」

「は、はい・・・良いです。リイン曹長の膣、気持ちい・・・・ああ・・あ・・・うああぁ・・・・・」

「イクならイクが良いです。豚らしくぶーぶー言いながら、乳首抓られて果てるが良いです!」

「あぁ、あああ、で、でるぅ・・・ううわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

ゴツンと、膨れ上がった肉棒が骨盤を叩き上げる。直後、マグマのような熱さが膣内に迸り、リインの媚肉全体に広がっていく。
煮え滾った欲望の奔流にリインは悶えながら軽い絶頂へと達し、最後の一滴まで絞り尽くさんと膣を収縮させる。
幼いながらも、彼女は雌の本能に忠実だった。

273 名前:はんさようトライアングルH:2008/10/30(木) 00:27:31 ID:GLoIEG1f
「おい、へばったか?」

「まさか・・・・まだまだいけるです」

「おう、なら選手交代だ。お前に次は来させねぇ」

ニヤリと笑い、アギトはリインをエリオの上から下ろす。余程快感が強かったのか、エリオの肉棒はまだ勃起を保ってた。
これは好都合とばかりにアギトはほくそ笑み、手に取った肉棒を自分の股間へと導く。しかし、そこは女体の神秘たる秘唇ではなかった。

「お前に取っておきを味あわせてやるよ」

亀頭の先端が、固い媚肉をグイと押し広げる。そこは、排泄物をひり出す不浄なる菊の穴だった。

「ちょっ!? アギトさん、そこちが・・・・・」

「同じことしても詰まんないだろ」

「で、でも・・・うぐ・・・あうああぁっ!!」

初めて体験する直腸の締め付けに、エリオは悲鳴を上げて悶える。
膣が包み込むような感じなら、こちらは食い千切られるような感覚だ。強烈な括約筋の締め付けが肉棒をがっちりホールドし、
突き当りがないのでどこまでも深く呑み込まれていく。ネバネバした腸液はまるで唾液のようであり、
秘唇から漏れ出た愛液が股間の溝を伝ってエリオの腹を汚していく。

「うぅあ・・・・ふぁ・・・・どうだ、バッテンチビのマ○コなんかよりもずっと良いだろう」

「あうあ・・・ああ・・・・ま、待って・・・・頭の中、まっしろ・・・・・で・・・・・」

「気持ち良くて馬鹿になったか? つまりこの勝負はあたしの勝ちってことか?」

「違います、リインとしていた時の感覚が残っているからです」

「言ってろ、バッテンチビ。エリオはあたしで気持ち良くなってんだからさ」

アギトはパチンと指を弾き、エリオの手足を拘束していたバインドを解除する。
縛り付けられていた感覚が消え、虚脱感が四肢を襲う。

「好きに動いて良いぜ。たっぷり搾り取ってやるからさ」

妖しく微笑みながら、アギトは腰を振り下ろす。
ごく自然に伸びた腕は、アギトの小さな腰を掴んでいた。
逃げ出そうという意識は、いつの間にか失せていた。それよりも、2人との時間が終わってしまうことの方が何倍も惜しい。
短い時間で立て続けに味わった至高の快楽が、眠っていたエリオの性欲を一気に爆発させたのである。
血走ったその目は自分の上に跨るアギトに好色な視線を注ぎ、だらしなく開いた口からは乾いた笑みが漏れる。
興奮のあまり、自分が何をしているのかさえ定かではない。ただ、肉棒から伝わる快感だけが彼の全てだった。

「アギトさん・・・アギトさん・・・僕・・・僕・・・・・・」

「うぉっ? お、おい・・・・・そんな焦らなくても・・・・・・」

「ううああ・・・・ああぁああ・・・・あああ・・・・だめです、止まらな・・・あぁうあぁぁぁぁぁっ!!」

「ま、まて・・・・・はや・・・あひゃ・・やあぁ・・・うううあぁ・・・・・・」

若さに頼った力強い突き入れに、アギトは思わず嬌声を漏らした。
訓練で鍛えられた彼の肉体は恐ろしい力を発揮し、逃れようとするアギトの体を放そうとしない。
それどころか、自由になったのを良いことにエリオはアギトを押し倒して主従を逆転させていた。

274 名前:はんさようトライアングルI:2008/10/30(木) 00:28:07 ID:GLoIEG1f
「ううあ・・あ・・お尻・・・アギトさんのお尻の穴・・・・穴が・・・ああ・・あは・・・うああぁあっぁぁっっ!!」

「あん・・ああん・・・・・ううあん・・・うくんんぅああ・・・・・・あ、暴れている・・・・・け、ケツ穴・・・切れ・・・る・・・・・」

「ケツ・・・しま・・・しまる・・・・ああぁぁ・・・・はぐあぁっ!!?」

突然、エリオは素っ頓狂な声を上げてアギトの上にのしかかってきた。
いったい何事かとアギトが顔を上げると、形の良いエリオの臀部の向こうに銀髪の幼女の顔が見え隠れしている。

「お、お前、何やってんだよ!?」

「ううん・・・・2人とも何だか楽しそうだから、リインも混ぜて欲しいなぁって」

「これは勝負だろ、邪魔するなぁ」

「まあ、硬いこと抜きにして・・・・・・・・仕返しするには丁度良い機会ですし」

「そ、それが本音か・・・ああぁ・・・・な、なん・・・・ふ、膨れ・・・・ケツん中で膨れてる!?」

「前立腺責めは効くですよぉ。エリオのオチ○チン、きっとパンパンですぅ」

「リイン曹長・・・アギトさん、僕・・・・ぼ・・・うううああぁぁぁぁっ!!」

「うんん・・・くちゅうぅ・・・・くっさいお尻の穴、舐め舐めしますねぇ」

「ひゃぁっ・・・ぬ、抜け・・・・腰が抜け・・・・・・こ、この・・・・いい加減にしろっ!」

「はうあぁっ!?」

反撃とばかりに伸ばしたアギトの尻尾が、リインの可憐な菊の穴にズッポリと潜り込む。
自分の穴を弄られるのは初めてだったのか、情けない声を上げてリインは腰を痙攣させた。
だが、すぐに順応してピンク色の舌を伸ばし、エリオの菊門を割って直腸内を穿り返す。
するとその刺激で膨れ上がったエリオの肉棒がアギトの肛門を抉り、激しい直腸責めに喘ぎながらアギトの尻尾がリインの腸内で暴れまわる。
それは正に三位一体、ケツ穴のトライアングルだ。止まることのない尻の快楽が3人を享楽の頂に押し上げていき、
その思考を桃色で埋め尽くしていく。3人は今、ケツで1つとなったのだ。

「ううぅ・・・あ・・ひぃ・・・あ、あたし・・・いく・・・・ケツ穴切れ・・・ちゃ・・・・ああぁぁぁっ!!」

「リインのお尻、お尻の穴・・・ほじほじされているです・・・ああ・・・こ、こんなの・・・初めてですぅっ!!」

「ぼ、僕も・・・・ううあ・・・ふ、2人とも・・・・で、射精します・・・ううあぁぁ・・・ああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

アギトの腸内で熱い欲望が迸り、連鎖的に絶頂の渦が3人に伝播していく。
まるで芋虫のように、3人はベッドの上で重なり合って動かなくなった。
気絶したその表情は、誰もが悦びに呆けていたことは言うまでもない。





その日の夕方。

「はやてちゃん、もう許してくださぁい」

「畜生、反省文って何書きゃ良いんだよぉ」

仕事をサボっていたことがバレた彼女達は、罰として反省文の提出を求められていた。パッと見、仲良しクラブのようにのんびりとした風紀の六課ではあるが、
何気にその辺はしっかりとしている。「締めるところはしっかり締めなあかんからなぁ」というのが部隊長であるはやての談だが、
実は無理難題を押し付けられて苦しむ部下を見て笑いたいだけなのではないのかという噂もあった。

275 名前:はんさようトライアングルJ:2008/10/30(木) 00:28:49 ID:GLoIEG1f
「シグナム、手伝ってくれよぉ」

「自業自得だ。なに、あまり深く考えず、自分が何をしていたのかをありのままに書けば良い」

「書けねーつうの!」

「書けないようなことをしていたのか?」

「シグナム、それは誘導尋問です!」

「うお、危ねぇ。ナイスだ、バッテンチビ」

「はいはい、口やのうて手を動かそうな、2人とも」

「「はーい」」

はやてに注意され、2人は机の上の原稿用紙に集中する。昔ながらの紙に拘る辺りが、この罰の過酷さを物語っていた。
誤字脱字や文法上の間違いがあると、問答無用で書き直しなのである。この罰で腱鞘炎を起こした隊員は、1人や2人ではない。

「ほ、補習訓練・・・・終わりました・・・・・」

半ば倒れ込むように、エリオがはやて達のいるオフィスに戻ってくる。彼は高町教導官監督の下、サボっていた分の訓練カリキュラムをこなしていたのである。
もちろん、罰なのでいつもの5割増しで厳しい訓練内容だった。インターバルなしで弾丸回避訓練(シュートイベーション)10セットを言い渡された時は
天国にいる本物のエリオ・モンディアルが川の向こうで手を振っているような気がした。

「ご苦労さん。ほな、エリオにも反省文を書いてもらおうか」

「は、はいいぃ」

力なく頷きながら、エリオはリインとアギトの間に用意された席へと腰かける。
疲れ果てたこの体でペンを握れるかどうかは神のみぞ知るだった。

「まったく、バッテンチビのせいでとんだとばっちりだ」

「リインのせいですか!?」

「勝負をしかけてきたのはお前だろ」

「アギトだって反対しなかったです」

「2人とも、喧嘩しないで・・・・」

言い合いを始める2人の間でおろおろしながら、エリオは2人を宥めようとする。だいたい、一番のとばっちりは巻き込まれた自分のはずだ。

「ま、あたしの方がエリオを満足させられたんだから、勝負はあたしの勝ちだな。な、エリオ」

「何を言っているんです? リインの勝ちに決まってます。そうですね、エリオ」

「えっ・・・・・え?」

話の雲行きが徐々におかしな方向に向かっていき、エリオの胸中に一抹の不安が過ぎる。


276 名前:はんさようトライアングルK:2008/10/30(木) 00:29:25 ID:GLoIEG1f
「エリオはあたしの中で射精しただろ」

「射精させたのはリインです」

「あたしだ」

「リインです」

「2人とも、喧嘩は・・はぐぅわぁっ!?」

下半身を襲った衝撃に、エリオはカエルが潰れたような声を上げる。2人が前後から睾丸と肛門に手を伸ばしたからだ。

「こうなりゃもう一回勝負だな」

「望むところです。エリオ、後でたっぷりお尻を穿ってあげますから、リインを勝たせてくださいね」

「あたしのケツ穴、好きに使って良いから、勝たせてくれよ」

「は・・・あわわ・・・・うあ・・・・」

前後から同時に襲いかかる刺激に、エリオは引きつった笑みを浮かべる。流されてしまう。そうとわかっていても、彼は断ることができなかった。
数時間前まで童貞だったこの体は、今ではすっかり悦楽の味を覚えてしまったからだ。

「3人とも、ちゃんと反省している?」

小声でボソボソと話をする3人に気づいたはやてが、振り返りながら声をかける。
ビクッと背筋を伸ばした3人は、はやてに向き直りながら異口同音で返事をした。

「「「はーい」」」

無論、これで懲りるリインとアギトではないし、エリオに最初から拒否権は存在しなかった。


                                                                     おわり

277 名前:B・A:2008/10/30(木) 00:31:00 ID:GLoIEG1f
以上です。
僅か数時間でディープキスからアナルセックスまで体験した男、エリオ・モンディアル。
この一件の後、リインとアギトはちょくちょくエリオを取り合うようになったとかならなかったとか。
よく考えたらエリオは雷属性だから、炎・氷・雷の三大属性が揃ったことになるんですね。
では、原案のアルカディア氏に改めて感謝しつつ、ありがとうございました。

278 名前:マルチマックス:2008/10/30(木) 00:58:42 ID:8Q0tpOOe
はじめまして。
投稿を行いたいと思うのですが、以下のようなものは大丈夫でしょうか?

・18禁。陵辱もの
・オリジナルキャラ(男)×フェイト
・オリジナルキャラ(男)×はやて
・オリジナルキャラ(男)×なのは
・なのはたちは中●生時代。

ためしに序章だけを投下してみます。
問題ありましたら中止しますので確認お願いします。


279 名前:復讐鬼:2008/10/30(木) 00:59:31 ID:8Q0tpOOe
「一体どれだけ数がいるんや? 倒しても倒してもキリがないで」

夜天の王と呼ばれる少女、八神はやてがが目の前に迫る魔物を数体、攻撃魔法で屠りながら呆れたようなため息をつく。

「うん。個々の力はそんなに強くないんだけど……これだけ数がいると厄介だね」

金髪を風になびかせながら、雷神と呼ばれることになる少女、フェイトが金色の戦斧をはためかせ魔物を切り伏せていく。

「こうなると、なのはちゃんが頼りなんやけど……準備はまだ?」
「もうちょっとだけ待って。はやてちゃん!」

強力な親友である魔道士2人に守られた純白の衣を身に纏った少女が、魔法に意識を集中させたまま答えを返す。
愛杖であるレイジングハートに、膨大な魔力が収束していく。

「うん、任せて。なのはは必ずわたしが守るから」
「ありがとう、フェイトちゃん」

強力な魔法を放つには、それなりの準備が必要だ。
高町なのはは頼れる友人を信じて、高威力の砲撃魔法の構成を行っていた。
空中に浮かぶ彼女の足元に、次から次へと魔力を注ぎ込み終えたカートリッジの残骸が落ちていく。

そのスピードを生かした近接戦闘を得意とするフェイトが先陣を切り、バランスに優れた八神はやてがフェイトをサポートしつつなのはを守る。
その隙になのはが砲撃魔法を完成させ、敵を一網打尽にする。

まだ中学生の魔道士の少女たちでありながら、3人のコンビネーションは、管理局でもNo・1との呼び声も高い。

「OK! いっくよ〜!!」

「ほい。さっさと退散するでぇ。くわばらくわばら」
「了解!」

魔法の充填終了を告げるなのはの声に、はやてとフェイトは同時に飛びのき、目標となのはの間をクリアにする。

「シュ────ト!!!」

威勢のいい掛け声と共に、レイジングハートから光の奔流が目標の魔物の群れに向かっていく。
光が過ぎ去った後に残るものは何もなく……そこに何かあったという存在の記憶さえも刈り取っていく。

数多の敵を一撃で葬り去ってきたなのはは、いつからか「管理局の白い悪魔」と呼ばれるようになっていた。

280 名前:復讐鬼:2008/10/30(木) 01:00:24 ID:8Q0tpOOe
「目標、全て消滅……かな?」

悪魔と呼ばれるにはあまりに可憐であどけない笑顔でなのはは親友の少女たちに微笑む。

「うん。データにあった敵はこれで全滅や」
「お疲れ様、なのは、はやて」

健闘を称えあう3人の少女は戦闘さえ終われば、仲良しの中学生に過ぎない。
誰もがうらやむほどの可憐さを備えた3人は、管理局の中でアイドル的な存在になりつつあった。

「じゃあ、クロノ君に残った人たちに降伏勧告をしてもらおか」

海鳴町付近に突如出現した1つの島。
管理局の見解によると、次元を転移してこの世界に現れたものとのことだった。

多くの触手をはやしたおぞましい魔物と共に、それを使役していると思われる人間の存在も確認されている。

管理局が調査のため接近したところ、魔物を中心として攻撃を加えてきたことから危険な存在としてブラックリスト入り。
島の周囲を、結界で覆い外界から隔離。
近場にいる管理局付きの魔道士である、なのはたちに実力での排除が命令されたのだった。

「うん。話し合えばきっと分かってもらえるよ」

魔道士である前に、心優しい女の子である。
無駄な戦いを避けたいという思いは、三人とも同じだった。

「兄さん、聞こえる? 敵部隊壊滅です。交渉の準備を……」

義理の兄である、彼女たちの所属艦「アースラ」の館長のクロノにフェイトが連絡をとろうとする。
だが、その交信ははやての金切り声で遮られてしまう。

「待ちや! なんか、また来たで!」

「嘘……さっきより多い」

レイジングハートを構えることさえできず、なのはが声を震わす。
なのはが消滅させたよりも数を増した魔物の群れが……島を守るように彼女たちの前に立ちはだかっている。


281 名前:復讐鬼:2008/10/30(木) 01:01:28 ID:8Q0tpOOe
「フェイト、なのは、はやて。聞こえるか?」

彼女たちの後方で待機していたアースラから非常回線でクロノからの対話が送られてくる。

「兄さん? 一体これは……」
「わからん。だが、敵は無限に等しくあの魔物を生み出し続けられる。それだけは間違いない」
「なんやて? だったら倒しても倒しても無駄やの?」
「ああ。残念だがキリがない」
「そんな……」

強大な魔力を持つ彼女たちとは言え、その魔力は有限だ。
無限に増殖する相手にしては、いつか魔力が尽き敗北する未来がやってくる。

「ど、どうしたらいいの? クロノ君」
「現在本部にアルカンシェルの使用許可を求めている」
「アルカンシェル! そんな! あんなの撃ったら島もろともなくなってしまうで?」

管理局最高の威力を持つ魔法砲台「アルカンシェル」。
闇の書事件以降、より強大な力を求めた結果、今となっては惑星1つを消し去れる、とまで言われていた。
無論、制御の術も向上しているので狭い範囲の目標のみを消滅させることも可能となってはいるが、危険な代物であることに変わりは無い。

「……やむを得ない。放置してはより甚大な被害が予測される」」

表情は見えないが、苦悩していることはクロノの声だけで十分に伝わってくる。
だが、それでもなのはは納得することはできない。

「そんな! だって、非戦闘員だって絶対にいるはずだよ!」
「だったらどうしろと言うんだ!!!」

なのはに向かってクロノの怒号が響く。

「代案があるなら言ってくれ。ないのなら、黙っていてくれ!」
「でも、でも!!」

食い下がろうとするなのはに、クロノの冷たい声が降りかかる。

「アルカンシェルの使用許可が下りた。カウントダウンの後、目標に向けて発射する」
「ダメだよ! そんなの!」
「射線上にいるものは、全て標的とみなす。総員退避せよ」
「クロノ君!!!!」


282 名前:復讐鬼:2008/10/30(木) 01:03:09 ID:8Q0tpOOe
射線上から抗議を続けるなのはを威嚇するように、アルカンシェルがエネルギーの充填を開始する。
なのはは怯むことなく、両手を広げて立ちはだかる。

「あかん! フェイトちゃん!」
「うん」

こうなったらなのははテコでも動かないことを、親友の少女たちは知っている。
そして、クロノが決して砲撃を中止しない強い意思の持ち主であることを少女たちは知っている。

このままだと、本当にアルカンシェルに島もろとも焼き払われてしまう……それが高町なのはという少女だった。

「離して! クロノ君を止めないと!」

「ダメや! なのはちゃんの言うことも分かるけど、クロノ君の気持ちも察してやりや」
「ごめん! なのは! あなたをここで死なせるわけにはいかないの!」

必死の抵抗も、彼女と同等の力を持つ魔道士2人の前には無意味だった。
親友2人に両腕を抱えられ、射線上からなのはの姿が消える。

「3、2、1……発射!」

同時にアルカンシェルの砲撃が、島に向かって開始される。

「ダメ────!!!!!!」

なのはの叫びも虚しく……先ほどなのはが放った魔法とは比較にならない威力の光の奔流が標的へと向かっていく。

「……いつ見ても気分のいいもんやないな」
「うん……。もう二度と見たくないっていつも思ってるのに」

呆けたように、はやてとフェイトがなのはを抱えたままつぶやく。
やむを得ないことが分かっていても……やりきれない気持ちまでもがなくなるわけではない。

「目標消滅を確認。アルカンシェル、目的を殲滅しました」

押し殺したアルカンシェルオペレーターエイミィの声が響く。
アルカンシェルが通り過ぎた場所にあったはずの島は……その存在した証を何一つ残すことなく消滅していた。

「あぁ……」

目の前で繰り広げられた光景に空の上で、浮力を失い崩れ落ちる。
両脇を親友たちに支えられていなければ、自由に駆けた空から堕ちていたことだろう。

消滅した島を前に……三人の魔法少女たちは、ただ言葉もなく佇んでいた。


283 名前:復讐鬼:2008/10/30(木) 01:04:01 ID:8Q0tpOOe
…………
……………………

「な、なんだと!!!!」

その光景をなのはたちとは別の少し離れた場所から眺めていた男がいた。
和平の交渉のために、島を離れたほんの数分後……。
自分が今までいた島が、跡形もなく消滅する様を男は何もできずに見送るしかなかった。

「無抵抗なものもいただろう! これが管理局とやらのやり方か!」

魔物を前に出したのも防衛のため。
攻撃の意思を見せる前の攻撃に、人道といえるものは感じられなかった。

「許さん! 絶対に許さんぞ!!!!!」

島には残っていた男の家族がいた。
愛する恋人がいた。

その全てを、男は一瞬で失ったのだった。

「見ていろ! お前らを死さえ生温い目に遭わせてやる!!!!」

男は戦艦アースラと……その前に佇む三人の少女の姿をその目に焼き付ける。
復讐のターゲットの姿は、憎悪と共に永遠に男の心に刻まれたのだった。


これは、男の復讐の物語。

雷神と呼ばれた少女がその金色の輝きを失った記憶。
夜天の王と呼ばれた少女が跪いた記憶。
エースオブエースと呼ばれるはずだった管理局の白い悪魔と呼ばれる少女が空から堕ちる記憶。

悪夢の陵辱劇の幕は今あがったのだった。

284 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 01:24:29 ID:lSLPUi1T
終わり?

285 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 01:30:17 ID:eRe6xv8u
>>278
投下乙、陵辱ものとか期待するわ〜。
でも投下終了宣言はしてくれ。 いやマジで頼む。


>>B・A氏
ロリっ子エロスGJ〜。
これから仲良く3P地獄、いや天国な毎日ですなwww

286 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 01:40:39 ID:T/WQ5TtN
>>魔物を中心として攻撃を加えてきた
>>攻撃の意思を見せる前の攻撃
どっちやねん。……って、管理局側の捏造か?

287 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 01:50:57 ID:GLoIEG1f
>>286
それぞれの主観なんだろうね。
局側には魔物が押し寄せて攻めてきたように見えたし、島側には警戒していたところを問答無用で攻撃されたと。
何れにしても、期待半分怖さ半分って感じだわ。

288 名前:マルチマックス:2008/10/30(木) 04:16:43 ID:8Q0tpOOe
終了後エラーが出て書き込めないでいる間に、PCフリーズ。
原因究明&復旧が今ようやく終わりました。
終了報告できず申し訳ないです。

>>286氏 287氏
概ね287氏の言うとおりです。
あえて含みを持たせてあるのでそれはおいおいということで。

「目標消滅を確認。アルカンシェル、目的を殲滅しました」
→目的× 目標○

押し殺したアルカンシェルオペレーターエイミィの声が響く。
アルカンシェル× アースラ○

色々ぼけててすみません。

289 名前:マルチマックス:2008/10/30(木) 04:20:02 ID:8Q0tpOOe
あれ?
再起動したのにIDが変わらないってことあるのかな? まあいいか……。
考えたら携帯から終了宣言すればよかったです。
以降ないように気をつけます。

290 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 07:15:43 ID:qYVHJ4Qc
ところで、チンクは一人称が姉だけど1〜4までと会話してるときも同じなのか?

291 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 07:48:45 ID:lOvQIhxW
>>290
普段は「私」だ

292 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 10:40:33 ID:pDF6FyaI
>>277
GJ!!
さすがはエリオ!
別次元ではもろSなのにこの世界では見事なMに
羨ましいようなそうでもないような
でもここで絆を深めていけば(戦闘的な意味で)ダブルユニゾンとかできるようになるかも

そしてどうでもいい事ですが、三大属性が〜の言葉で三人技のミックスデルタを思い出しました

293 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 14:02:21 ID:Imh3LdRe
炎、氷、雷、の三属性なら某歪んだRPGが……

294 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 15:29:03 ID:BLj0gnvx
GJ!!です。
主観の違いでの争い……なんて言うか、海とかの仕事では一番注意しなくてはいけないような事かも。
エロも期待しているのですが、クロノやリンディ等のこの件に絡む者達が被害を受けたときにどんな反応をするのか
のようなストーリーも期待したいですw


295 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 15:41:39 ID:muzsIUpS
>>289
おk、問題なんてないぜ兄弟。どんどんやってくれ。
でも、このスレというかエロパロ板は初めてのようだから忠告しておくと、
前の人の投下が終わった後、感想レスがつくのを待つか、もう少し時間をおくほうがいいと思うんだぜ?

296 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 16:18:40 ID:UjG0XRlU
>>295
投下時間みてみ
約30分空いてるからこの場合は問題ない

297 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 16:28:05 ID:8tszXNE3
単に人がいなかっただけみたいだね。
週の真ん中だから少なかったのか。

298 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 16:39:19 ID:muzsIUpS
30分でもはやいような気もするけどな、以前のように半日待てとかは流石にあり得んが
まあ、読み手の言うことじゃないのか・・・?

299 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 17:37:16 ID:mBdaTnTl
>>298
じゃあ書き手が言えばいいって事もないと思うんだが……
一応書き手やってる者の意見としては、投下の際は最後の投下からは一時間くらい
間を空けてほしかったり。
やっぱり書いた以上反応欲しい&投下直後が一番感想レスがつきやすいと思ってるんで、
人間のちっちゃい自分は自分の投下直後に別の人が投下してると「何をするだァー!」と
ちょっぴり思ってしまったりしまわなかったりする。
自分のSSにいわゆる『遅レスだがGJ』を貰う力が無いだけなんだけどねッ!!

300 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 17:54:35 ID:kr9hVooa
>>283
ツマンネ

301 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 18:09:38 ID:muzsIUpS
>>299
だって実際、このスレにかぎっていえば、連続投下に対して書き手さん達のほうが
寛容というか、むしろノリノリで勧めてる空気があるんだもの。
書き手の方が別にいいよって言ってきたら、こっちは立つ瀬がなくなるじゃん?
その意味ではちょっとアンタのレスでほっとしたわw

302 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 20:43:33 ID:uDuruxxz
>>301
どうだろ。それはある程度経験積んで中堅以上といえる書き手さんたちの話だと思う。
みんながみんなって訳じゃないんじゃないかなぁ。

303 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 20:56:33 ID:QAVCFsNb
>>277
相手がデバイスであっても孕ませそうなラブラブ(?)話。実にGJ!!
この三人は間違いなく快楽にはまり込んでいき、いつのまにか三人とも同棲するように…
そんな気がして仕方がない!


304 名前:マルチマックス:2008/10/30(木) 22:04:42 ID:8Q0tpOOe
自分のポカのせいでご迷惑をおかけしました。
ルールを守って参加していきたいと思っています。

>>300
申し訳ありません。
少しでも面白くなるように努力したいと思います。

305 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 22:28:47 ID:03eT+Wtq
>>300は多分嵐だろ
定期的に沸く奴

気にすることないよ

306 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 22:30:23 ID:z5cpZY2M
前に投下間隔について話した時は30分くらい開けるのがマナーみたいな話になってた気がする
だから問題無いと思うよ
むしろそんなことよか>>304みたいのに触る方がアウト
スルーしなさい

307 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 22:31:18 ID:z5cpZY2M
間違えた
>>304でなく>>300

308 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 22:42:01 ID:GpnZM/BV
30分と1時間のあいだをとって45分ルールでもつくれば?w
前はテンプレに何か書いてあったんだが、結局、投下間隔は職人の良識に任せるってことで外したんじゃなかったか?

309 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 00:21:57 ID:w9tS72He
>>299
私も投下間隔は職人さんの良識に任せるのに賛成ですが、心情的にはとても同意します。
好きで書いて投下してるものですが、やっぱり感想やgjを頂くととても励みになります。
まだ駆け出しの域で筆力も足りないので、なんとか書いて落としたものが大作を沢山投下できる職人さんの影に埋もれると、少し寂しく感じたりもしますね。
読まれないなら、髪を掴んで顔を向けさせるのだ! と言える位の筆力が欲しいです。

310 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 00:23:08 ID:r+W+i2VA
>>277
GJ!!
これで初代リインがいれば、炎、氷、雷、闇と揃い踏みだったのか…
そして一日ごとに昼も夜もユニゾンする相手を変えて…いかん、これではエリオの体力がもたん

311 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 13:13:59 ID:2U/p3vyE
蟻地獄と歪んだ素直の続きって投下されないの?
蟻地獄はまだ投下するって言ってた気がするのにこないから錯覚かも、と迷ってしまう

312 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 14:08:19 ID:cwSmabSS
「でかメロン」の続きをだな…

それは置いといて
なのは達も彼氏が出来たら夜の生活について話し合ったりするんだろうか?


313 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 15:24:12 ID:01vZLCg5
軍隊だから猥談はむしろ日常会話です

314 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 15:42:37 ID:gC/6jijq
上司「おい高町、溜まってたらいつでも俺のとこに来てもいいんだぞ」

315 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 15:49:29 ID:XFiL3Oyn
なのはさんが教導隊に輪姦される話ってのも読みたいね

316 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 15:50:33 ID:R4Jfh1Ra
>>314
そこでレイハさんが溜まっていたものを吐き出すわけですね

317 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 17:33:40 ID:GKCMjLYo
>>316
らめぇw(隊舎や訓練場が)壊れちゃうw

318 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 17:37:18 ID:X/wqfa8Q
うぜえ

319 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 18:33:32 ID:gNYjgQmr
>>312
人間を超越した力を持ってはいても精神は人間だから、普通にするんじゃない?
本編の感じだと、かなり恥ずかしがりながらでネタだと飯喰いながらさらっとはやてとフェイトヴィータに
昨日のプレイ内容を言うとか。
「昨日、ユーノくんに縛られながら、ヤってみたんだけど思ったより良くなかったの……その後、ユーノくんを縛ってヤってみたら
 思いのほか……凄かった」とか話しながら、眼が段々Sよりになっていくみたいな。

あと関係ないが、フェイトさんって滅茶苦茶、セクシャルハラスメントの標的になりそうだよなw
執務官試験の時も二回目とかは、試験管に俺と寝たら合格にしてやるよとか言われそうだしw


320 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 18:57:34 ID:jhwd/lfA
>試験管
あの細長いガラス容器に迫られてるトコ想像して吹いたw

321 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 19:33:41 ID:EkXMFzLl
>>319
クロノおにいちゃんにバレてフルボッコですねわかります

322 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 19:41:43 ID:54ftTyba
>>321
後におにいちゃんは義妹の部下に一緒のことをするんですねわかります

323 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 19:44:06 ID:QAS1LEdF
一度なのはさんに試させてから感想聞くフェイトさんとか・・・

324 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 19:44:29 ID:Cw08XwGN
>>319
フェイトさんは体つきがエロいからな。
雰囲気もなんか脅しやすそうというか、本人にはその気はないだろうにMの気配が。
嗜虐心をそそるんだ。フェイトさんより立場が強かったらやりたくなる。

325 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 19:49:31 ID:gC/6jijq
>>322
義妹にバレてフルボッコですねわかります。

326 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 19:52:22 ID:kD6SqFcI
>>325
後に義妹は保護した少年に一緒のことを(ry

327 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 19:54:45 ID:jhwd/lfA
>>326
召喚士にバレてフルボ(ry

328 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 20:07:10 ID:bVlJCW/g
臭い流れだ

329 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 20:43:55 ID:oQ1QlOZ9
なのはさんあたりは歴戦の迫力があるから駄目だろうが
フェイトは下ネタで困らせたら面白そうだよな
経歴と実力の割に気弱だし
はやてはヴォルケンが恐くてちょっかいかけるの無理だろうし

330 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 20:50:56 ID:NiSoExsI
>>277
GJ!!
氏にリクエストさせていただいた者ですが、すみませんと同時にして良かったと心から思ってしまいました。ありがとうございます!
「ケツで1つとなった」で思わずフイタwトライアングルってそういう事ですかと納得
そしてリインUのドSっぷりに感動。どこで豚ちゃんとか罵倒の言葉覚えたんだ、リインTが泣いているぞ!


331 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 20:53:39 ID:MuqyoUhx
いや、なのはの場合仕事中はともかくプライベートでならいけそうだ
平静を保とうとして赤くなる、みたいな
はやてだと照れるどころか食いついてきそうだけど

332 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 20:54:40 ID:cwSmabSS
なのはがシグナムに夜の相談をしてる電波を受信した。

な「ヴァイス君は経験豊富みたいだし…他に経験してる娘っていないから」
シ「いや、その…なんだ…困る」
みたいな
俺ってキモイな

333 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 20:59:48 ID:jhwd/lfA
>>332
ヴァイスが求めてくれない事に悩んで、アルトに相談するシグナムのSSならここであったよな
続きマダー?

334 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 21:11:09 ID:SYHk36xj
>>319
それクロスSSで出たネタだろ?

335 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 21:15:48 ID:cdGSOxK2
>>333
ああ、詞ツツリ氏のSSな。
俺も待ってる、すっげえ待ってる。

336 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 21:53:19 ID:shb2dYwP
メートヒュン……

337 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 22:21:10 ID:r+W+i2VA
「ある槍騎士の逃走失敗後の話・後編」はまだなのか…
諦めず、ずっと待ち続けますぞー

338 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 22:39:03 ID:1RfQGgEF
ゆのふぇ……

339 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 22:49:13 ID:PMb44qX/
>>319
確か11才の時だから、その試験官はかなりやばいなw

340 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:07:08 ID:tVt5k931
投下、いいですかね?

341 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:07:59 ID:gNYjgQmr
>>339
ミッドは実力主義だから、試験官の年齢がもしかしたら15とかかも知れないぜw
>>334
知っている人がいるとはw
>>324
目の前でちょっと不機嫌な顔をしてロッカーを殴りつけたら、
S心をくすぐるようなビクッて驚きかたと表情しそうw
>>332
何を血迷ったか、ヴァイスに相談するなのはが見てみたいw
男の子の心が分かるのは男の子なの!って意気込んで頑張るが、赤い顔でモジモジしながら聞くみたいな。


342 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:08:01 ID:47rio8mR
家紋

343 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:08:08 ID:aObya6rB
支援するぜよ〜

344 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:08:49 ID:tVt5k931
タイトル
「魔法少女リリカルなのはIrregularS」 第三話 (全十三話予定)


捏造しまくりなので、その辺りお嫌いな方は注意してください。
あと、色々遊んでます。心底パロディ屋だ、自分。
あぼんはコテまたは鳥で

今回の投下数は15です。


345 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:09:23 ID:tVt5k931
     1

 何も見えない。それは視神経の問題ではない。光がない全くの闇の中、チンクは立っていた。
 チンクは周囲の雰囲気に気付いた。
 異臭だが、これは知っている匂いだった。
 血と肉の匂い。死んで間もない肉体の放つ不快な匂い。
 死臭に囲まれた世界で、チンクは呆然と立ちつくしていた。
 ……どうして、私がこんな所に
 ……ここは、どこなんだ

「お前が作った場所じゃないか」

 静かに、抑揚のない声が言う。それはチンクには聞き覚えのある声。

「お前たちがこの世界を作ったんじゃないか。ドクターとお前が」

 少しずつ、どこからか光が漏れていた。

「トーレとお前が」

 うっすらと見え始める人影。

「クアットロとお前が」

 三つの人影。チンクには、どれにも見覚えがある。
 真ん中の人影は、別の誰かを抱いていた。
 チンクにはわかる。抱かれているのは死体なのだと。
 その男の妻なのだと。

「お前が殺したんじゃないか」

 ゲンヤは言った。クイントの死体を抱いたまま。

「お前が殺したんだ」

 ギンガが言った。

「お前が殺したんだ」

 スバルが言った。

「……父上……ギンガ……スバル……」

 三人がチンクを追いつめるように半円を描いて近づく。


346 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:09:26 ID:EgA60t2C
リンディ提督に保護されずに投獄されたり、どこかの施設預りとかになってたら…

347 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:09:57 ID:tVt5k931

       2

 夢だ。
 これは夢だ。悪夢だ。
 チンクは叫びたかった。夢から覚めたかった。しかし、何かがそれを許さない。

「貴方、一人だけで逃げるつもり?」
「ひどいのねぇ、チンクちゃんは」

 いつの間にか、両脇をトーレとクアットロが固めていた。

「まったく、君はどういうつもりなんだろうね」

 ドクターがチンクの頬を撫でていた。

「我々を裏切り、君の落ち着いた場所。実に面白いよ、君のその選択は。君はすでに、彼らを裏切っているというのに。
まさか、君がこれほど厚顔無恥だとは思わなかったよ」
「どうして……チンク……」

 ジュニアが泣いている。

「ジュニア!」
「僕は君を信じていたのに。君も同じだったんだ……」
「私は……私は!」

 ゲンヤがチンクの鼻先にクイントの死体を突きつける。
 クイントの頭がぐるんと回った。
 その姿が変わる。

「どうして、あたしを殺すの、チンク姉……」

 血まみれのノーヴェが白目を剥いた。



348 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:11:20 ID:tVt5k931
       3

 気がつくと叫んでいた。
 ガリューとディエチが、暴れる自分の身体を押さえつけていた。

「チンク姉、落ち着いて。わかる? ディエチだよ」
「あ、あ、あ、あ……あああっ!!」

 ガリューの拳が、チンクの頬をはたく。そして、肩を掴み揺さぶる。

「……ガリュー……?」

 ガリューはうなずいた。
 チンクはようやく、自分のいる場所、そして時間に気付いた。
 ここはヘリの中。任務で移送されている途中だ。
 そう。待機している間、ついうとうととしていたのだ。
 夢。
 ……戦闘機人である私も、夢を見るのだな……
 それを知ったときには、単純に嬉しかった。しかし、悪夢の存在を知った今では、夢の時間は拷問に等しい。

「すまん、ガリュー」
「ルーテシアお嬢様も、あの頃は時々悪夢にうなされていた。チンク姉様にはそのときお世話になったから、その恩を返しているだけだ。
と言ってるよ」

 オットーがガリューの言葉をチンクに伝える。何故か、オットーにはガリューの言いたいことがわかるらしい。
チンクにしてみれば、オットーが適当に言っているだけに見えるのだが、ルーテシアに確認すると間違っていないらしいのだ。
 チンクは時計を見た。
 到着予定時間は近い。どのみち、目覚めておくべき時間だった。

「大丈夫? チンク姉」

 ディエチの持ってきた水を飲む。

「あの頃の夢は、あたしもよく見るよ。嫌な夢が多いけれど」
「ディエチもか……」
「だけど、夢は夢で現実じゃない。夢に囚われて現実に敗れるのは、愚か者のやることだって」

 チンクは水を飲み干したコップを返し、尋ねた。

「誰が言ってたんだ?」
「ヴァイスに狙撃のコツを尋ねたとき、そう教えてくれた」
「そうか……」

 チンクは再び、外を見た。

「たまには、いい夢を見たいな」
「見られるよ。時が来れば」
「そうだな」

 見たいな、いい夢が。
 チンクは、痛切にそう願っていた。


349 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:11:56 ID:tVt5k931
     4


                     魔法少女リリカルなのはIrregularS
                         第三話
                    「クアットロの想い ウーノの祈り」



 数年前――
 非常招集を受けたエリオは、キャロとともにミッドチルダへ向かった。
 指定された場所には、すでにティアナが待機している。

「来たわね。なのはさんたちはもう現場に向かってる。私たちも急ぐよ」
「はいっ!」
「ヴァイスさん、お願いします!」
「おう、飛ばすからな、しっかり捕まってろよ!」

 緊急発進したヘリの飛行が安定したところで、ティアナは一同を見渡した。

「エリオとキャロは詳しい話を聞いている?」
「いえ、ただ、元六課フォワードに緊急招集がかかったと言われて」
「そういえば、スバルさんの姿が」
「スバルは、ギンガさんと一緒にいるわ。ナンバーズと一緒に、拘禁されてる」
「拘禁って……何があったんですか」

 キャロの悲鳴のような声の質問に、ティアナは落ち着くように身振りすると、ゆっくりと言った。

「……クアットロが脱走したわ」

350 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:12:53 ID:gNYjgQmr
支援

351 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:13:11 ID:tVt5k931
      5


 その、数日前――
 監視係員のキューブは自分の目を疑っていた。何があったというのか。

「……囚人ナンバー04聞こえるか?」
「はいはーい。インターコムは感度良好ですわよ」
「質問がある」
「はい、なにかしらん?」

 キューブは自分が焦っているのを自覚していた。
 なんてこった。それなりの手当付きでこんな簡単な任務はないってのに。どうしてこんなアクシデントが。

「腹が膨らんでいるだろう! なにをしたっ!」
「あらら。またダイエットですわぁ」
「ふざけるな! 食い過ぎなんてレベルか!」

 明らかにこの膨らみは妊娠だ。しかし、この囚人は年単位でここにいるのだ。さらに分単位で監視されている。
 いや、まさか……。
 キューブは冷や汗が流れるのを感じていた。
 ナンバー01、03、07も含めて、確かにここで監視している囚人は美女だ。妄想相手という意味ならキューブとて何度抱いたかは覚えていない


しかし、現実となれば話は別だ。
 だが、監視係員はキューブだけではない。交代要員はいるのだ。その内の一人でも、良からぬ考えを起こしていたとすれば?
 キューブは首を振った。こいつらは人の命を何とも思わない凶悪犯なのだ。それを抱こうとするなんて、命がいくらあっても足りない。
それに、ここでの会話は全て記録されているのだ。それは係員に関しても同じである。
 ということは、これは妊娠ではないということだ。
 だがどちらにしても、何故腹が膨らんだかという疑問は残る。
 男の存在が関わるとすれば、監視員が絡んでいるとしか考えようがないではないか。
 いったい誰が……。
 キューブは仲間の顔を思い浮かべる。
 と、キューブは監視モニターの一つに気を取られた。時計を確認するとやはりいつもの時間だ。
 キューブはナンバー04を当面無視することにして、コーヒーメーカーのスイッチを入れた。
 モニターの中ではナンバー01がコーヒーを作っている。それにタイミングを合わせるのが、キューブのお気に入りになっていたのだ。
 01はコーヒーを作ると、カップをテーブルに置く。彼女は決して、それを飲まない。
 そして、彼女がカップを置くのとほとんど同時に、ナンバー00がカップを手に取り、自分用に支給された安物のインスタントコーヒーを口にするのだ。
 最初は誰も気付かなかった二人の行為。キューブはある日気付いた。これはもしかして、01が00のためにコーヒーを作っているのではないかと。
 二人の間には通信などされていない。タイミングを計ることもできない。それでも、二人のタイミングは見事に一致しているのだ。
 それが十日続いたとき、キューブは自分を納得させた。この二人には、余人のうかがい知れない絆があるのだろう、と。
 その後も、キューブの知る限り二人がこの行為について口にすることはなかった。それでも、その行為は続いている。
 ウーノ。
 ジェイル・スカリエッティ。
 キューブは二人の名前を呼びはしないが、覚えている。
 モニターの中のスカリエッティとほとんど同時に、キューブはコーヒーを飲み終えた。不思議と、心が落ち着くのを感じる。

「……ナンバー04」

 キューブは静かに語りかけた。囚人ナンバー04、クアットロに。

「あー。つまらない悪戯ならやめた方がいい。どちらにしろ、このことは上に報告するよ」
「……面白くない人ね。そんな人生つまらないでしょう、せめてお世話になったお礼に、最後はニュースの片隅にでも出られるように、私が殺してあげるわ」

 クアットロの言葉は数日後、現実になる。もちろん、キューブにそれがわかるはずもなかった。

352 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:14:13 ID:tVt5k931
      6


 そして、時間軸は戻る――

「スカリエッティのクローンが、クアットロの胎内に残っていたの」

 ティアナの言葉でも、エリオとキャロは納得できない。
 あの事件から数年経っているのだ。それまで胚の状態で保存されていたというのだろうか。しかも、クアットロの胎内で。

「そうとしか考えられないわよ。……単なる普通の妊娠のほうが、まだわかりやすかったでしょうけどね」

 監視員の不手際。その方があり得る話だ。

「でも、拘置される前に検査があったんでしょう?」
「……幻術を使わせてもらえるのなら、私でも誤魔化せるわ。クアットロなら、なおさらでしょう」

 クアットロのISをエリオは思い出した。

「だけど、ISは封じられていたって……」
「今となってはそれも怪しいものね。ISに関して一番詳しいのは、私たち拘置した側ではなくて、拘置される側ですもの。その気になれば誤魔化しは効くわ」
「つまり、脱走自体はいつでもできた?」
「さすがに、事件直後の厳戒態勢では無理だったでしょうけどね。ある時期以降は好きに脱獄できたと考えるべきかもね」
「残りのナンバーズは!?」
「クアットロの脱走直後にすぐにドクターが声明を出したわ」

 ドクターは事件を知ると、間髪入れずにこう言ったのだ。

「あの子の脱走に便乗する気はないよ。もちろん、君たちの追跡を援護するつもりもないがね。六課を失った今の管理局が私の娘相手にどれほどのことができるのか、
とっくりと拝見しよう」

 ウーノはそのドクターの言葉に従う、とだけ。
 トーレとセッテは、敗者としての立ち位置を守る、と。
 上層部はすぐに聖王教会が身柄を預かっていた三名と、ナカジマ家の四人を拘束。スバルとギンガは、それに付き添う形で自ら拘禁室に入った。
 教会側は公式に抗議を表明したが、実際に事件が起きている現状を前にしては、処置を撤回させることは難しかった。

「だから私たちやあなた達が呼ばれたわけ。遅れるだろうけど、フェイトさんたちもね」

 エリオはセットアップしたストラーダを握りしめていた。

「わかりました。それで、今の状況は?」
「クアットロはクローンの処置のため運ばれた先でISを発動。付き添っていた局員を殺害、病院に立てこもっているの。人質付きよ」

 人質、という言葉でエリオとキャロは顔を見合わせる。
 相手はあのクアットロだ。直接戦闘力には劣るものの、策士としては嫌らしい相手である。それが人質を取っている状況だとすれば、不安を覚えない方がどうかしている。
 しかし、三人の緊張を余所に事件はあっさりと終幕を迎えることとなる。
 クアットロが自殺した。
 人質を巻き込んで、病院の半分を吹き飛ばしたのだ。

353 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:14:48 ID:tVt5k931


       7


「どうして誰も出てこないのぉ!」

 クアットロによる強制介入で、現場のモニターは全てその叫びを映し出していた。

「トーレ姉様もウーノ姉様もチンクちゃんもセッテちゃんも、みーんなみーんな、こんなにヘタレちゃんになっていたなんて……クアットロ哀しい♪ 
元々お馬鹿だったウェンディちゃんやセインちゃん、つまんないディエチちゃんだって、前はここまでお馬鹿じゃなかったし、つまんなくもなかったのにぃ……」
「クアットロ……」

 拘禁室でディエチが呟く。
 事件の概要を知るために、拘禁室のテレビでもクアットロの演説は中継されていたのだ。

「……馬鹿だから、あたしらは何も考えずにあんな事をしてたんスよ……」

 ウェンディは地面に座り込んだまま、俯いて顔を上げようともしない。

「ギンガ」

 ディエチが唇を噛みしめるように尋ねる。

「あたしたちは出動できないの? クアットロを止められないの?」
「できるわけねえ。ギンガだって、スバルだって、いざとなったらあたしたちを止めるためにここにいるんだろっ!」

 ノーヴェの言葉をセインが制止する。

「違うよ、ノーヴェ」
「何が違うんだよ……」
「ギンガとスバルがここにいるのは、私たちを止めるためじゃない。私たちを守るためだよ」
「……ここにいるのが我々だけなら、元ナンバーズがクアットロに呼応しようとしたところを制止するためにやむなく破壊。そう報告すれば済む話だ」
「チンク姉……」
「スバルとギンガがいる限り、そのシナリオはあり得ない。我らが起こしてもいない呼応によって処理されることはない。そういうことだ」

 静まりかえる拘禁室。
 テレビの中では、クアットロの演説が続いていた。

「そしてドクター! 貴方にも失望しましたわ! ドゥーエお姉さまを追悼ですって? 何故、仇を取ろうとしないのですか。貴方の娘を、私のお姉さまを殺したのは、
六課を率いた八神はやての手の者だというのにっ!」
「クアットロ。その物言いが、戦いに敗れた者をさらに貶めるのだと言うことがわからんのか……」

 トーレも同じく、モニターに向かって呟いていた。

「クアットロ。貴方も結局、戦士ではないのですね……」

 そしてセッテも。

354 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:15:24 ID:tVt5k931
        8

 クアットロの演説は続いた。六課を、そしてナンバーズを次々と弾劾し、偽善者と罵り臆病者と誹る。
 クアットロは最後にこう言った。

「さすがに、クアットロ一人で世界がどうにかできるなんて、そこまでお馬鹿じゃないんですから。こんなふざけた世界、さよならですわ」

 演説が終わると同時に、全ての映像はカットされた。
 その二秒後、爆発が起こったのだ。



 遺体は四散していたが、間違いなく戦闘機人のものだった。
 個体の判別こそ事実上不可能だったが、どう考えてもクアットロにダミーの遺体を準備する余裕があったわけもなく、
四散したそれはクアットロのものだと公式に発表されることとなる。
 元六課メンバーはその公式発表に異を唱えたが、ダミーの遺体の存在を説明できる者は誰もいなかった。
 管理局上層部はこう判断する。
 遺体がダミーでなければ、その遺体は本物と判断するしかない。そして何よりも、クアットロが逃げ延びたとするならば残す訳のないものが現場には残されていた。
 ジェイル・スカリエッティのクローン。今のジュニアである。
 ジュニアには徹底した、ある意味では虐待とも言える検査が行われた。それでわかったことは三つ。
 ジェイル・スカリエッティの記憶は一部保有。
 ジェイル・スカリエッティの意志は保有せず。
 自らがジェイル・スカリエッティだという認識は非常に薄く、別個体としての人格を付与されている。
 多数の心理学者による膨大な量のプロファイルデータが積み重ねられた結果、ジュニアはスカリエッティのクローンと言うよりも、
一部遺伝子を受け継いだ別個体と考える方が妥当であるという結論が出たのだ。
 本来なら、後継者としてのクローンはこのような形で生まれるのではない。主であるスカリエッティの死を確認した後、しかるべき処置を受けて生まれるのである。
 しかし、スカリエッティに失望したクアットロはスカリエッティのクローンではなく、スカリエッティの能力を受け継いだ別個体を望んだ。
 結果として、ジュニアはスカリエッティのクローンではなく息子と言うべき個体となった。
 その後、ジュニアに対する処置は紛糾した。
 最終的に、事件直後のナンバーズに準ずる形で更正施設預かりとなったのである。そして現在、紆余曲折の末、遊撃隊の一員となっている。
 もっとも遊撃隊入りは、エリオやルーテシアに言わせれば「厄介者を一カ所に集めて処理しやすくしただけ」ということなのだが。

 そして、今、エリオは新たな厄介者の登場に頭を痛めていた。

 その厄介者を前にして、エリオは隊長の椅子に座り、横に立つジュニアに話しかけている。

「……よりによってこのタイミングで…」
「戦力アップと思うしかないですね」


355 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:15:58 ID:tVt5k931

         9

 ジュニアは事実上の参謀格でもある。前線にこそ出ないが、ルーテシアがいないときはエリオの副官ポジションだ。

「……こういうときは前向きだな、君は」
「他人事ですから」
「……嫌な性格は父親に似てるって言われたこと無いか?」
「言われたことないですね」

 エリオは、掲げていたヴィヴィオのプロフィール書類をデスクに置いた。

「……確かに、ここが一番妥当だな。ヴィヴィをまともに取り扱うのはここくらいだろうし……オットーやディードが未だに陛下って呼ぶことくらいだな」
「ポジションはどうします? 母親と同じく砲撃魔道士志望ですけれど」
「訓練はディエチかウェンディにつけるしかないだろうな。ウチの砲撃ポジションは二人だけだからな」
「ディエチを薦めます。ディエチは彼女に個人的な思いがあるようですから」
「なるほど。……本人の希望は?」

 ようやく水を向けられ、ヴィヴィオ・高町訓練生は姿勢を正す。

「ディエチ二等陸士を希望します」
「……わかった。平時はディエチ二等陸士付きの研修生とする」
「平…時?」
「現在は非常態勢下である。よって、当面の所属は主任研究員ジェイル・スカリエッティ・ジュニア付きの研修生とする」
「ええっ!」

 叫んだのはヴィヴィオではなくジュニア。

「隊長! ちょっと待ってくださいよ」
「異議は認めない」
「ヴィヴィオ・高町訓練生、了解しました。ただいまより、ジェイル・スカリエッティ・ジュニア付き研修生として勤務します」
「ほら、ヴィヴィオは了解してる。ジュニアよりよっぽど大人だ」
「絶対楽しんでる。顔が笑ってるもの……なのはさんそっくりですよ……」

356 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:16:32 ID:tVt5k931
          10

 廃棄されたラボは、天然の地下洞窟にあった。
 明かり代わりに、オットーがレイストームを周囲に展開させていた。自然の落盤や待ち伏せにあったときの盾代わりとしても利用できるので、
この手の作戦の場合には有効に活用されていた。
 先頭はオットーとガリュー。殿をチンク。真ん中にはルーテシアと、イノーメスカノンを抱えたディエチ。
 ちなみに、現在のイノーメスカノンはジュニアの改良でデバイスのように小型化して持ち運びができるようになっている。今は、奇襲に備えて構えている。
 洞窟の入り口からは、ルーテシアが召喚したインゼクトを点々と配置している。道に迷う心配はない。いざとなれば、ルーテシアの転送魔法で脱出する。
 メンバーがメンバーなので、無駄口を叩く者はいない。静かに一行は進んでいく。
 ルーテシアは、エリオのメンバー選択について考えていた。
 単なる侵入作戦であればセインが一番適役なのだが、今回はすでに放棄された拠点である。隠密に侵入する意味はほとんど無い。
 そして判断力という意味では、チンクとオットー、ディエチの存在は大きい。三人とも、猪突猛進とはかけ離れた性格だ。
 そしてガリューは勇猛果敢だが、決して猪武者ではない。
 そう考えると、順当なメンバー構成だ、とルーテシアは思った。
 強いて言うなら、発見したものを即座に解析できるジュニアを連れてくるべきだったかもしれない。しかし、ジュニアには戦闘能力は皆無だ。
侵入するのはある程度安全を確保してからのほうがいい。

「……登り坂が長すぎるね」

 オットーの呟きに、ガリューは遠くを見通すように背伸びした。視力そのものは戦闘機人に劣るが、召喚蟲としての感覚は闇の中では視力以上のものを発揮する。
 もっとも、今のガリューはルーテシアの召喚蟲ではないのだが。


357 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:17:09 ID:tVt5k931
             11

 ルーテシアが遊撃隊に入って一ヶ月後、ガリューがルーテシアに召喚蟲としての使役を解除してほしいと申し出たのだ。
 このとき、そこにいた全員が驚いたことにルーテシアはいきなり泣き出した。まるで、父親とはぐれた幼い女の子のように泣き出したのだ。
 事情を知ったオットーがエリオやフリードとともに説得しようとすると、今度はガリューが驚くべき事を言い始めたのだ。

「……フリードは召喚竜じゃない、って言ってる」

 オットーの通訳に首を傾げる一同。

「……ヴォルテールや白天王とは違う、って言ってる」
「もしかして、召喚された状態ではなく、完全にこの世界で生きていきたいって言うのか」
「……それがルーテシアのためなら、って言ってる」
「だからって、使役を解除って、具体的にどうするつもりなんだ」
「……いったん故郷に戻って、今度はアルピーノ三尉の召喚でなく、自力でこの世界に戻ってくればいいんですよ」

 ジュニアの言葉にうなずくガリュー。

「待て。その理屈だと、地雷王や白天王だって……」
「地雷王は知性がないし、白天王はこの世界で生きていくことを由としないと思いますよ」
「ジュニアの言うとおり。世界が違いすぎる」

 ルーテシアは、顔を拭くと、ガリューに向き直った。

「ガリュー。ここは貴方の世界じゃない。私のために貴方の全てを渡す必要はないの。貴方が戻りたいときは、いつでも戻っていいの。
私は、貴方をただの召喚蟲と思ったことなんてない。貴方は私にとって、兄であり、親友であり、守護騎士だから」
「シグナムたちがはやてさんの傍にいることを認めるのなら、自分がお嬢様のそばにいることも認めて欲しい。どこが違うというのだ。だって」

 オットーは通訳しながら、自分もそう思う、と言いたげにうなずいていた。

「ルーテシア。ガリューの言うことももっともだ。認めてやったらどうだ? それに、召喚蟲でなくなってもガリューはガリューだ。そうだろ?」

 それほど時間はかからず、ルーテシアは折れた。
 ガリューの故郷はかなりの秘境で、戻って来るだけで二日ほどかかる。そう言ったところ、異常に興味を示したのがウェンディとセイン。
 二人が強引にルーテシアとガリューについていくことになり、休暇を取った一行はガリューの故郷を訪れた。ちなみに、ルーテシアの魔法で送っても良かったのだが、
いい機会だからと休暇旅行にしてしまったのだ。
 二日後、ガリューに連れられて半泣きで帰ってきたウェンディとセイン。ルーテシアはガリューの故郷を満喫したとご満悦の様子。
 それ以来、ウェンディとセインはガリューに頭が上がらないらしい。

358 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:17:43 ID:tVt5k931
       12

 今――
 ガリューの合図を、ルーテシアは全員に伝えた。

「外へ通じているわ」
「どうやら、仕掛けの類はないようです。中を調べるのは急ぐ必要はないようですね」

 チンクの言葉に賛同してうなずくガリュー。

「ディエチ、お願い」
「わかった。ISヘビィバレル」

 ディエチの砲撃能力に連動した観測能力が起動する。そのまま、ディエチは辺りを見回した。

「やっぱり、何も見えない」

 ガリューの感覚とディエチの観測。二者で何も見えないのなら、残りのメンバーではどのみち発見できないだろう。

「いったん外へ出ましょう。前方警戒」

 隊列を入れ替え、先頭にチンクとガリュー、殿がディエチになる。
 レイストームの輝きが必要なくなって、一行は慎重に外へ出た。
 何もない。ただの山の麓。開けていて奇襲される心配はない。
 再び、ディエチが観測を開始する。

「何もなければ戻って…」

 言いかけたルーテシアをディエチが遮った。

「接近してくる。二つ…いや、三つ」
「特徴は?」
「……見たことある……………そんな……」

 ディエチの口調にチンクが顔をしかめた。
 普段のディエチの口調ではない。
 ルーテシアが重ねて尋ねると、ディエチが応えた。

「砲撃が来るっ!」

 咄嗟にシールドを貼るルーテシア。直後に衝撃。凄まじい圧力がルーテシアの魔力防御を瞬時に崩壊させていく。

「嘘……支えきれないっ!? 逃げてっ!」

359 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:18:17 ID:tVt5k931
      13

 散開する一同。保持されなくなったシールドが破壊される。
 ディエチにしか見えない距離から、ルーテシアのシールドを破壊する砲撃。チンクの知る限り、そんなことができるのは二人しかいない。
 一人はディエチ。
 そしてもう一人………

「ディエチ! 何を見たんだ!」

 答えようとしたディエチの身体をガリューが抱えて飛んだ。
 その場所を空振りする刃。
 チンクは見た。超速で飛来した金色の姿を。

「空!」

 ルーテシアの叫び。
 見上げた空には、六枚の翼を持つ漆黒の魔道士が。

「な……な……」

 チンクは自分が震えるのを感じていた。

「なんで……」

 全てを複製するロストロギア。チンクはその言葉の意味を思い知る。

「逃げても無駄やで」

 六枚の翼の魔道士の隣に並ぶのは、

「逃げても追うから、問題ないよ?」

 金色の髪をなびかせ、優雅に舞う黒の死神と、

「わざわざ追わなくてもいいよ。私が撃ち落とすから」

 白のバリアジャケットに身を包む、最強の砲撃魔道士。

「はやて・ナカジマ……フェイト・テスタロッサ・スクライア……高町なのは……」

 知らぬ者のない三人がいた。
 誰も見たことのない、邪悪な笑みを浮かべて。

「というわけで、さっさと死んでくれるかな、そこの五人」
「違うよ、なのは。虫けらがいるよ。四人と一匹だよ」
「ちゃうちゃう。虫けらどころかジャンクまでおるよ。一人と一匹、それから三台やよ」


360 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:18:54 ID:tVt5k931
            14

 ラボに案内されたヴィヴィオは、時計を確認した。とりあえず落ち着こうというジュニアの提案で、今はお茶を飲んでいる。
 目の前では、ジュニアも。
 そして今は、いつもの時間。
以前、なのはの元を訪れていたディエチと鉢合わせしたときに聞いた話。

「何故か、ジュニアは毎日同じ時間にコーヒーを飲む癖がある」

 それを目の当たりにしたヴィヴィオは妙な関心をしていた。

「やっぱり、この時間なんだ」
「ん? このコーヒー? ……ディエチさんに聞いたんだ?」

 ヴィヴィオに出会うのも話すのも、ディエチの可能性が一番高いとジュニアにはわかっている。

「何故だろうね。しばらく前から、この時間になるとコーヒーが飲みたくなるんだ」
「不思議だね」
「うん。不思議だ」


 ウーノはコーヒーを準備した。
 確認したことはないが、確信している。
 ドクターがこの時間にコーヒーを飲むことを。
 コーヒーメーカーをセットしながら、ウーノは考えていた。
 これほどの満ち足りた時間など、これまでにあっただろうかと。
 自由など、いかほどのものでもない。
 制覇など、どれほどの価値もない。
 ただ、ドクターとの時間を共有できる。それが喜びだった。
 ……クアットロ、貴方にもこの時間を共有できる人がいれば……
 ウーノはただ祈っていた。
 この時間がいつまでも続くことを。


 ウーノもドクターも、ジュニアも知らない。
 この時間にコーヒーを飲みたくなる男がもう一人、この世に存在してることを。

361 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:19:27 ID:tVt5k931

               15

  次回予告

フェイト「うざいよね、あいつら」
なのは「うん、悪人のくせにね。更正? なにそれ」
はやて「死刑で良かったんや、あんな連中」
フ「ホントホント、税金の無駄だよねぇ」
な「今から殺しちゃおうか」
は「ええ考えやね、そしたら、行こか」

ヴィヴィオ「あれ? 今の、誰? 次回、魔法少女リリカルなのはIrregularS第四話『悔い改めよナンバーズ』 僕たちは進む IRREGULARS ASSEMBLE!」

362 名前:野狗:2008/10/31(金) 23:20:01 ID:tVt5k931
以上、お粗末様でした

363 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:26:49 ID:gNYjgQmr
GJ!!です。
もう一人のスカリエッティーがいるのかw
楽しみです。

364 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:27:38 ID:47rio8mR
GJ
あれか、A’sの時の邪悪な笑みななのはさん達の再来か((;゚Д゚)ガクガクブルブル
何か3人のやりとりが偽物の割に嵌ってるのがまたwチームワークよさそうw
細かいことだけど魔導師が魔道士に変換されてるのがちょい気になったり

365 名前:名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:51:20 ID:r+W+i2VA
GJ!!
やっぱりクワ姐はこうでなくては
そして鍵となるであろうジュニア…
次回も待ってます

366 名前:アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:14:33 ID:t+FLzUVd
次辺り投下行ってもいいですか?

367 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 00:18:58 ID:SIfyubOB
>>362
GJ。
ここでなのは達のコピーですか。
容赦ないんだろうな、きっと。
惨殺シーンすらおみっとされたキューブ君に合掌。

>>366
迷う必要などございません。

368 名前:アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:21:01 ID:t+FLzUVd
「伊達眼鏡と狙撃銃」

 また随分と遅くなり、申し訳御座いません。

 注意事項
・ザ・シガー氏原案の短編連作『ソープ・ナンバーズ』シリーズからのスピンアウトです。
・長編一部エロ描写有り。シリアス気味。エロ描写は基本薄め。
・ネトラレ気味な描写とかも有るので、苦手な方はご注意を。
・NGワードはトリップでお願いします。
・原作『ソープ・ナンバーズ』からの設定改変、こじつけ解釈の部分も存在します。
・原作者のザ・シガー氏に最高の敬意を表して―――

*エロ描写は、このスレの普通のエロSSが普通のエロ漫画位だとすると、レディコミ位だと考えて下さい。



369 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 00:21:04 ID:Cug7rbgm
お待ちしておりました!!

370 名前:伊達眼鏡と狙撃銃2話 1/9 ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:24:51 ID:t+FLzUVd
 女王は、仄暗い部屋の光に爪を透かす。
 血の様な深紅のネイルは、如何にも女王に似合っている。
 だが、彼女はそれを一瞥して乱暴に拭い去った。
 
 ……解りきっていた事だが、女王の技術は、彼女が敬愛して止まない女神の足元にも及ばない。
 勿論、十分に人並み以上のものではあるのだが、その程度女王が満足出来る筈も無い。
 また、暇を見つけて女神に教えを乞おう。女神の部屋は世界の何処よりも心安らげることができる。
 上品な調度に囲まれたあの部屋で、甘い砂糖菓子と紅茶を片手に談笑したい―――
 そんなことを胡乱に考えていた女王は、現在の自分の状況を鑑みて嘆息をした。

 周囲に散らばるのは凶悪な形状のバラ鞭とごわごわした荒縄の束。
 部屋を不気味に照らしあげるのは赤みがかかった安っぽい照明だ。
 鏡に映る自分は下品なメイクで目じりと唇を朱く染め上げ、いつもの黒革のボンテージで身を鎧い、この女王を演じている。
 別段、不満がある訳ではない。彼女は、自分の特性が生かせるこの任に満足している。
 ―――それでも、彼女でも。憂鬱に襲われる日というのはあるものだ。

 女王は座っていた長椅子に更に体重を預けた。椅子に置いてある小さな文庫本を手に取る。
 気まぐれに買った流行の詩集には、大衆に迎合する安い人生への励しの言葉が溢れている。
 ―――曰く、『苦しくても人生には必ず光が見える』
 ―――曰く、『自分に似合った伴侶と必ず出会える』
 ―――曰く、『前を向いて進む事が何よりも大切だ』
 余分な修飾の言葉を除いてしまえば、大意はそんなところだ。
 女王の唇が引き攣るように吊上がった。
 こんなものでは、暇つぶしにすらならない。乱暴に詩集を閉じて、長椅子に置いた。
 長椅子には座布団代わりに上等のクッションが置かれており、座り心地は悪くない。
 だが、背凭れが無いのが難点と言えば難点だろう。
 こんな憂鬱な日は、椅子に体重を預けて頭の中を空っぽにしたいものだ。
 
 女王は、意味も無く椅子から立ったり座ったりを繰り返した。
 だが、退屈そうな顔をして背中を丸めて椅子に腰を下ろした。そのまま、行儀悪く足をぶらつかせてみる。

「ああ暑い。いい加減、喉が渇いたわ。この部屋はどうも空気が澱んでいるようね。―――貴方もそう思わない?」

 女王は、己の座る椅子に向かってそう語りかけた。

「………………」

 微かに足元から疲れきった苦悶の呻きが聞こえた。
 女王の座る長椅子は駿河問いに使う薄く長大な石板である。
 それを―――男は全裸で四つん這いになって背に乗せていた。
 女王は地に這う蟻でも見るような視線でそれを見下ろし、椅子の上で大きく伸びをした。
 この、女王を背に戴く名誉を授かった男は、件の、不能者の癖にソープに通う変態の中の変態だ。
 そして唯一、女王が商売抜きで下種と蔑み嫌悪感を抱く男だった。男は四つん這いで、背に石板と女王を乗せ只管にその重みに耐えている。
 石版は決して滑らかではなく、下面は軽石のような凹凸がびっしりと刻まれている。背中に乗せるだけで、重みだけでなく凄まじい痛みが背面を襲うだろう。
 すぐに潰れて踏まれた蛙のような無様を晒すと思っていたが、存外鍛えた肉体を持っているらしい。
 それでも、この重量は男にとって苦行に違いない。
 事実、男は油汗を流し、震える手足を懸命に支えながら女王の椅子という重責を勤めている。
 
 ―――だが、その瞳だけは何も移さぬ空虚な洞そのものだった。

 打たれて悦ぶ変態ならまだしも理解できる。
 だが、女を抱くでなし、ただ苦痛の時を過ごすためだけにこのソープ・ナンバーズに通うこの男は、完全に女王の理解の範疇の外だった。
 
 ―――時間終了のタイマーが鳴り響く。男にとっての苦痛の時間はこれで終わりだ。
 ……だのに、苦痛から開放された男の瞳は椅子であった時と微塵も違わずどんよりと濁っていた。
 何にせよ、これで今日の勤めはおしまいだ。
 女王―――いや、女王の務めを終えたクアットロは安堵し、これではまるで自分が責め苦を受けているようだと歯噛みした。
 

『伊達眼鏡と狙撃銃』 第二話:彼の事情と彼女の情事

371 名前:伊達眼鏡と狙撃銃2話 2/9 ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:26:51 ID:t+FLzUVd
 ―――彼の名を、ヴァイス・グランセニックという。

「おはようございます、ヴァイス先輩! あれれ、なんだかまだ眠たそうですよ!
 ダメですよ! あんまり夜更かしをしちゃ! ……ふふ、それともイイ人が出来ちゃったりしたんですかぁ?」

 いつもと同じ朝が始まる。
 後輩のアルトが、朝からハイテンションで軽い調子のジョークを飛ばす。

「はは、それなら嬉しいんだけどな。生憎、武装隊の馴染とちょっと飲みすぎただけだ」
「つまんないの〜 先輩、また寝癖で髪ボサボサだし、そんなだからいつまでも彼女の一人もできないんですよ〜」
「おいおい、これでも武装隊の頃は引く手数多だったんだぞ」
「兎に角! 今朝のヴァイス先輩は顔にしまりがありません! 仕事が始まる前に冷たい水で顔を洗ってシャッキリして下さい!」

 人差し指を立てて「めっ」と叱るアルトにひらひらと手を振り軽くかわしながら、ヴァイスは歩き出す。
 鏡の前に立ってみると、なるほど目の下に隈が出来ている。髪も後ろが少々跳ねていて、確かにアルトの言った通りだ。
 手早く髪を整え、鏡の前で表情を作っていつもの自分を形作る。
 ……アルトこそ、彼氏の一人でも作ればいいのに。そんな、余計な心配をしてしまう。
 彼女こそ、本当に幸せになるべき人間だと心の底から思う。
 アルトはロングアーチのムードメーカーだ。彼女の溌剌とした姿は、いつもこの職場に活気を与えている。
 アルトは誰に対してでも分け隔てなく気さくで、親切で。
 ―――そんな彼女の親愛が自分にも差別無く向けられることは……正直、少し辛い。
 
 もっとも、こんなことで躓いていたらヴァイス・グランセニックという自分は立ち行かない。
 ―――どんな時にも、揺らがぬ自分であれ。そう念じて、固くネクタイを締めなおす。
 洒脱で気さくな兄貴分、軽い性格だが根は真面目な好青年―――そんな自分を今日も滞り無く始めるのだ。
 偽者。作り物。アルトのような本物とは似ても似つかない張りぼてに過ぎないが、この自分を作らなければ自分は立ち行かない。
 軽く頬を叩いて気合を入れる

「それじゃ、一丁始めますか」

 鏡の中の彼は、唇を吊り上げて不敵に微笑んでいた。
 その姿は、機動六課の誰もが知るヴァイス陸曹そのものだ。
 
 背筋を伸ばして立ち上がると、背筋や足腰の関節を鈍く重い痛みが走った。
 矢張り、昨夜の影響は簡単には消えてくれないようだ。
 火山岩のような石版を乗せたせいで背中は一面赤く腫れ上がり、足腰の関節は重みで完全にガタがきている。
 それでもヴァイスは、鏡に向ける不敵な笑みを崩さない。
 彼にとって、アルトに疲労を見抜かれたは大きな失敗だった。己を崩すな。そう自分を叱責して、ヴァイスは立ち上がる。

 ―――この機動六課は、良い職場だとヴァイスは思う。武装隊に所属していた彼からすれば、こんな風変わりな部隊は見たことがない。
 単体で出動する事態は殆どなく、デスクワークと緊急出動時のシュミレーションが普段の仕事だ。
 これといって切迫した状況に面している訳でも無し、馬鹿馬鹿しい程の戦力を保有し、優秀な新人を育成している。
 何かの実験部隊には違いないのだろうが、一体どんな状況を想定しているのか予測も出来ない。
 もっとも、少々の興味はあっても、詮索してまで知ろうという気にはならない。
 それはきっと、自分自身には関わりの無い話だろう事をヴァイスは知っている。
 彼には、車輪の中を走る鼠のように働くことが出来るこの場所があるだけで十分だった。
 
「ヴァイス陸曹、おはようございます!」

 ルキノが丁寧に敬礼をして、ぱたぱたと廊下を走っていく。きっとアルトの所に行くのだろう。

「ヴァイスさん、おはようございます!!」

 朝のトレーニングを終えたエリオとキャロが爽やかな笑顔を見せる。その額には、綺麗な汗の玉が光っていた。

 機動六課は良い職場だと、ヴァイスは心の底から思う。指揮官も、隊長陣も、隊員達も、皆清廉な良い人達ばかりだ。
 ここでは、誰もがヴァイスに優しい。誰も、ヴァイスのことを責めない。
 機動六課は、本当に良い職場だ。―――機動六課の空気は優しすぎて、ここで働くことは針の筵に座る程に辛かった。
 しかし、どんなに辛かろうが投げ出すことだけは出来ない。ヴァイス・グランセニックの一日が今日も始まる。

372 名前:伊達眼鏡と狙撃銃2話 3/9 ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:28:00 ID:t+FLzUVd
 午前中の職務を恙なくこなし、ささやかな休息時間であるランチタイムがやってきた。
 ある者は食堂で、ある者は広い庭園で、ある者は自室で。
 各々が和気藹々と昼食を楽しむその光景は、この六課がどれだけ恵まれた職場かという事を物語っている。
 大抵の職員は気心知れた仲間達のグループで昼食をとるのだが、ヴァイスは特定のグループには属していなかった。
 かといって、一人孤独に昼食を摂るような事は断じて行わない。
 あるときは誘われるがままに、ある時は自分から顔を出し、その日その時の状況に任せて様々なグループと昼食を共にしている。
 どこに行ってもヴァイスは暖かく迎えられる。洒脱な会話で場を和ませ、良き聞き手である彼は誰に対しても好かれていた。
 ―――場の空気を読み、それに合わせた発言をして自分を取り繕うのには慣れている。
 これが彼にとって、この職場での自分のスタンスを保ち、かつ他人と深く触れ合わない最善の方法なのだ。
 そうして、彼は今日もランチを共にする場所を探して彷徨っていた。
 理想は、昼食を共にするのが一週間ぶりほどで、気安く馬鹿話に花を咲かせることの出来るグループだ。
 ふと、廊下の曲がり角で人の気配を感じて立ち止まる。
 
「ファイトだよ! ティア! 自分からガンガン攻めてかなきゃ駄目だからね!」
「うるさいわねスバル、大事のは無闇に攻めることじゃなくて、適度に引くこと―――らしいわよ」
「へぇ〜、さっすがティア、大人な発言ー!」

 どうやらスターズの新人二人のようだ。また訓練の相談だろうか? 
 
「じゃあね〜ティア! あたしは『予定通り』足を痛めたってことでお邪魔虫は退散するから、頑張ってね〜!」
「うるさい! 早く行った行った!」
「はいは〜い♪ アイタタタ、足が痛くて走れない〜〜」

 スバルの足音が遠ざかっていく。
 踏み込み難い雰囲気でつい足を止めて聞き入ってしまったが、何の相談事だったのだろうとヴァイスは首を捻る。
 「もう、スバルの奴……」とぶつぶつ言いながらティアナが廊下の角から姿を見せた。

「よっ! ティアナ。午前中の訓練はこれで終わりか?」 

 にこやかに、当たり障りの無い挨拶をしてみる。
「ひああああっ!」

 ティアナは心底驚いたという顔をして、大きく後ろに後ずさった。
 その腕には、大事そうに籐製のバスケットのランチボックスが抱えられていた。大きさからして二人分程だろうか。
 ティアナはぱくぱくと口を動かしていたが、深呼吸を一度するとキッとヴァイスを見つめた。
 敵を睨むような目つきである。そして、詰問をするような口調で尋ねた。

「ヴァイス陸曹っ、お昼はもう摂られましたかっ!?」
「い、いやまだだけど」

 一瞬、ほっとしたようにティアナの顔付きが緩む。しかし、すぐに唇を噛んで、彼女は告げた。

「実は今日、スバルの分もお弁当を作ってきたんですが、あのドジスバルが訓練で足を捻って医務室の方に行ってるんです。
 念の為に検査するとかで、今日はお昼も要らないらしいんです。ほら、スバル大食いですから沢山作ってきたんですけど、余っちゃって困ってるんです。
 ―――その、お昼をご一緒して頂けませんか?」

 ティアナは頬を好調させて、真剣な瞳でヴァイスを正面から見つめている。
 断るべきだ、とヴァイスは思った。
 人間関係はあくまで浅く広く、特定の誰かと深い人間関係を築くような真似はすべきではない。
 真剣な瞳がヴァイスを見つめる。純粋で、汚れを知らない美しい瞳だった。
 すぐさま断るべきだが、その瞳に篭められた期待を無碍に裏切ることは出来なくて、断りの言葉が上手く口から出ない。
 ヴァイスの沈黙に、ティアナの顔に不安の影が差す。バスケットを抱くその手が微かに震える。

「おっ、これはありがたい! 是非ご相伴に預かるとするよ! どこで食べる? 食堂がいいか? それとも庭がいいかな?」

 ぱあっ、とティアナの顔が輝いた。
「ありがとうございますっ、それじゃあ、庭の方で一緒に食べましょう! 木陰の素敵な場所を知ってるんです!」

 彼女はヴァイスの予想通り、庭を選んだ。その笑顔が何を意味しているのかなど、ヴァイスはとうに気づいていた。
 また、流されている。だが仕方ない、これが俺なんだ―――。彼は自分自身にそう言い訳をして、光差す庭へ向かった。

373 名前:伊達眼鏡と狙撃銃2話 4/9 ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:29:33 ID:t+FLzUVd
 バスケットの中身は、丁寧な作りのサンドイッチだった。
 挟まれた具も色鮮やかで美しく、切り口も整い、付け合せの料理も少女らしい細やかさで精緻に作られている。
 無論、味も外見を裏切らぬ見事なもので、作り手の誠意がありありと伝わってくる絢爛な昼食だった。
 ヴァイスは笑顔で舌鼓を打ちながらそれを口に運ぶ。
 彼がその出来ぶりを褒めるたびに、ティアナの顔に無垢な笑みが浮かんだ。

「良かった。急ごしらえだったから、ヴァイス陸曹のお口に合わないかと心配してたんです」

 この昼食のどこが急ごしらえなものか。ヴァイスは苦笑する。
 幼い、とヴァイスは思った。
 ティアナ・ランスターは機動六課のフォワード部隊の中で最も大人びており、その齢にそぐわず冷静な考え方が出来る優秀なストライカーだ。
 それでも、まだ所詮は16歳の少女。
 一皮剥けば、その初々しい齢相応の少女としての内面が顔を見せる。
 かつて、訓練中の失敗で失意に陥ったティアナを慰めたこともあったが、その時も子供っぽい拗ねたような顔をしていたのを思い出す。
 ティアナは、一言一言自分の言葉を確かめるように、ゆっくりとヴァイスに語りかけた。

「あたし、ずっとヴァイス陸曹にお礼を言いたかったんです。
 独りで特訓しているのをずっと見ていて、声を掛けてくれたのはヴァイス陸曹でした。なのはさんに叱られて、落ち込んでた時に励ましてくれたのもヴァイス陸曹でした。
 ヴァイス陸曹はあたしが苦しい時にいつも気遣ってくれて―――それで、あたしは頑張ってくることが出来ました」

 半分はティアナの買いかぶりで、半分はヴァイスの計算づくの行為だった。
 あまり接点のないフォワード陣の中で、特にティアナに話し掛けることが多かった。
 ティアナはフォワード陣の中のリーダー的ポジションにあり、理知的で感情に流されず会話が出来そうなタイプに見えたからだ。
 人脈は作っておいて損は無い。ヴァイスはフォワードメンバーと軽い親交を持つ為の足がかりとしてティアナに声を掛けただけだった。
 ティアナへの励ましも、ありきたりな言葉で社交辞令程度のものを述べたに過ぎない。
 だが、それは思春期真っ只中のティアナにとっては―――

「ありがとうございます、ヴァイス陸曹。
 あたしは何の才能もない凡人ですが―――やっぱり凡人なりに努力して頑張っていきたいと思ってます。
 だから、その、……これからも、見守ってくれると嬉しいな、なんて思っちゃったり―――
 あはは、何言ってるんだろうあたし。ごめんなさい、変なこと言っちゃって……」

 ティアナは頬を染めて頭を掻く。
 ヴァイスは小さな嫉妬を覚える。彼女は本当に聡明だ。自分の器というものをきちんと理解して、尚上を目指そうとしている。
 彼女の聡明さの欠片でもあれば、自分は―――
 小さな角が一本立っていたというだけで、己の器を見失って驕るような愚行に走らなかっただろうに。
 ちくりと胸を刺す痛みを無視して、ヴァイスは顔に貼り付けた笑顔を浮かべる。
 六課の頼れる兄貴分、ヴァイス・グランセニックの笑顔を。

「いや、弛まぬ努力が出来るということは立派な才能だよ。
 それが出来ない馬鹿がこの世にどれだけいることか―――っと、怠け者の俺が言っても説得力無いよな、はは。
 前にも言ったが、お前は十分立派だぜ、ティアナ。
 ただ、見上げる目標が高すぎて自分がちっぽけに見えるかも知れないが、努力を続けていれば、きっと、届くさ。
 俺は本当の凡人だからさ、羽ばたいたお前を見上げて下から手を振ってやるよ」

 なんて陳腐な、心の欠片も篭らないありふれた台詞。我ながら反吐が出そうとヴァイスは感じる。
 何より救われないのが、ティアナがその台詞に感極まって頭を下げたことだ。

「ありがとうございます、ヴァイス軍曹! あたし、頑張りますからっ!」

 本当に救われない。少女の瞳が恐ろしくて堪らない。
 判り易い過ぎて彼女の顔を直視するのが辛い。ヴァイスは目を逸らす。
 ティアナ・ランスターという少女は、この自分、ヴァイス・グランセニックの抜け殻に激しく恋をしているのだから。

374 名前:伊達眼鏡と狙撃銃2話 5/9 ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:30:05 ID:t+FLzUVd
「やあ、お疲れ様です、ヴァイス陸曹。羨ましいことですね。
 若い娘と、それもスターズのティアナ・ランスターと二人っきりで昼食だなんて」

 ティアナとの昼食が終わるのを見計らうように、にこやかな笑顔で手を振りながら現れた男にヴァイスは冷たい目を向けた。
 端整な顔立ちの眼鏡をかけた青年だった。
 グリフィス・ロウラン。
 II種キャリア試験合格、内勤キャリアとして指揮官を目指しているエリートの卵だ。
 その内面も生真面目で礼儀正しい好青年と、経歴を汚すこと無い完璧な青年。
 機動六課抱かれたい男No.1。非の打ち所の無い男である。―――あくまで、表向きは。

「お疲れ様です、グリフィス・ロウラン准陸尉」

 ヴァイスは突然現れた自分の上司に、形式ばった慇懃無礼な仕草で一礼をした。
 グリフィスは苦笑して掌を振る。

「堅っ苦しいのは抜きにしようよ、ヴァイス。君と僕の仲じゃないか」

 眼鏡の下の優しげな笑顔の更に下には、冷たい打算と人並み外れた黒い欲望が渦巻いている事をヴァイスは知っている。
 自分が言えた義理では無いのだが、グリフィスは最低という言葉でも飽き足らない程の最低の男だ。
 彼ほど酷く女を玩ぶ鬼畜のような男をヴァイスは知らない。
 グリフィスに激しい同属嫌悪を抱く反面、自分を偽らずに住む事に安堵している己に気づき、ヴァイスは苛立った。
 
「何の用だ、グリフィス。今更俺に話し掛ける用事なんて無かったんじゃないのか?」
「いやいや、君も変わったな〜、って話さ。あんなウブで可愛い子を前にして、堕とす気の欠片も見せないなんてさ。
 昔の君なら、とっくにベッドに連れ込んでいたはずなのにさ。
 あ、もしかして君の好みじゃあ無いのかい? 彼女、結構純情そうで僕好みだからさ、君が要らないなら僕が―――」

 ヴァイスは怒りを篭めた視線でグリフィスを睨みつけた。

「おい、グリフィス、六課の中では『喰わない』って話じゃ無かったのか?」
「ああ、そんな怖い顔は止してくれよ、ヴァイス。冗談だよ、当然さ。六課の中で食べちゃったりしたら、きっとおおごとになる。
 僕の大事なキャリアに傷がついちゃうじゃないか。僕の趣味は手堅く外で済ませる事にしているよ。全く、難儀な事なだね」

 グリフィスは幾人もの女性を虜にし、堕落させてきたその笑顔を崩さずに懐に手を入れ、一枚の写真を取り出した。
 
「ヴァイス、遊びはもう止める、なんて言いながら君も結構お盛んじゃないか。
 実は僕、ここのゴールドカードの会員でね。10番のディエチっていう娘がお気に入りなんだ。 
 君のお気に入りは何番だい? 水くさいなぁ、ヴァイス。また二人であの夜の街を歩こうよ」

 その写真中には、ソープ・ナンバーズに入るヴァイスの後姿が写っていた。
 ヴァイスは即座にその写真をグリフィスの手からひったくり、握り潰した。

「おお恐ろしい。僕は君のような体育会系じゃないんだから、手荒な真似は止してくれよ。
 それじゃあ僕はもう行くよ。ルキノとお茶の約束があるんでね。
 ―――気が変わったら、何時でも声を掛けてくれ。君とあの街を歩くんなら、僕は何時でも大歓迎だ」

 グリフィスが去っても、ヴァイスはずっとそこに立ち尽くしていた。
 掌の中の写真を握りながら、ずっと立ち尽くしていた。

「ヴァイス、何をしている。そろそろ午後の勤務時間が始まるぞ」

 背後からシグナムに掛けられた。

「ちっす、シグナム姐さん。済みません、直ぐに行きますよ―――」

 振り返った時に、一瞬だけシグナムと目が合った。彼女は、不満そうな目つきでヴァイスを見つめていた。
 シグナムは、きっと全てに気づいている。そんな確信が、ヴァイスには確信があった。
 全てに気づいて、それに触れずにおいてくれている。その寛容が、ヴァイスには辛かった。
 矢張り、この機動六課は辛いことばかりだ。身を焼くような苦痛が欲しかった。
 そして何より、この身を蔑み憎悪する、冷たい視線が――――――

375 名前:伊達眼鏡と狙撃銃2話 6/9 ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:31:05 ID:t+FLzUVd
 ソープ・ナンバーズには、ミッドチルダ最高の娼婦がいると聞く。
 伝え聞く所によれば、その性技は正に入神の域、聖王ですら勃起させる―――
 全く、良い笑い話だ。男は、唇を歪めた。
 受付に立ち、人伝に作らせたゴールドカードをガジェットに差し出す。壮年の恰幅の良い男だった。
 身なりからして、一目で大金持ちに類される男であるには間違いない。間違っても、町の風俗に足を運ぶような人間では無いだろう。
 彼は、全てに飽いていた。
 現代のミッドチルダの画壇の最高峰として祭り上げられた男であり、彼の作品は億に近い値段で売買される。
 全てを手に入れるだけの金を手にした男は、全てに飽いていた。
 贅沢にも、ギャンブルにも、美食にも、―――勿論、女にも。
 彼女を抱くのは一生に一度の贅沢、と呼ばれる程の値段の娼婦だが、所詮は庶民の話。彼にとっては、在り来たりな女遊びに過ぎない。
 どうせ、噂倒れの十束一絡の女に過ぎないのだろう。
 そう思いながらも、男がここソープ・ナンバーズに足を運んだのには、理由がある。
 件の娼婦、ドゥーエの正体が掴めない。
 彼女を抱いたある男はこう言った「黒髪で色白の清楚な美人だった、最高の女だった」と。
 別の男はこう言った。「プラチナブロンドで浅黒い肌の活発な女だった。最高の女だった」と。
 聞く度に、件の女の姿は変わり、その実態は杳として掴めない。ただ、だれもが口を揃えて「最高の女だった」と言う。
 全ての快楽に飽食した男は思い立った。
 一晩の慰みに、そのミッド最高の娼婦とやらの化けの皮を剥いでやろう、と。

「当店の特別の趣向です。今晩はどうぞ、旦那様の足で遊戯室までおいで下さい」

 ナンバーズの1番、ウーノはそう告げて頭を下げた。彼女も十二分以上の上玉であり、娼婦の中でも最高位の女だろう。
 それにしても解せないのが、その趣向だ。
 普段なら、艶めかし、高級のナイトドレスで着飾った本人が現れ、恭しく手を取り部屋まで誘うものだろう。
 それを、部屋の場所だけ告げて歩かせるなど、高級ソープでは前代未聞の扱いであり、これは趣向では無く唯の職務怠慢だ。
 これは外れを引いたか、と男は落胆する。
 それでも、エレベーターで最上階に上がり、赤い絨毯の敷かれた廊下を通って、最奥の扉に手を掛けた。
 ……キイ、と豪奢な見た目にそぐわない安っぽい軋みを上げて、扉が開いた。

「な、何だこれは―――」

 男は絶句した。当然である。扉の向こうにあったのは、高級ソープの遊戯室などでは無かった。
 否、そこはソープランドの一室ですら無かった。

「これは一体……?」

 ガタガタと音を立てて、リニアの通り過ぎる音に合わせて建てつけの悪い窓ガラスが震えた。
 薄汚れた壁、染みの付いた天井、猫の額程の玄関には、履き潰した安物の靴が転がっている。
 ―――そこは、今にも潰れそうな、小さな安アパートの一室だった。
 男は混乱しきった頭で周囲を見渡す。自分は一体何処に迷いこんでしまったのか。
 古ぼけた安アパートだ。ガタガタという音が絶えないのは、リニアの高架下という最悪の立地条件にあるからだ。
 ぼんやりと、そんなことを思う。
 足元を見下ろした。転がっている紙屑は、気に入らずに握りつぶしたデッサンの数々だ。
 あちこちに、最後の一滴まで絞りつくした絵の具のチューブが幾つも散乱している。
 ああ、あの木製のイーゼルは、新しいものを買う金が無くて何度も補修をしながら使っていた愛用品だ。
 男の唇がわなないた。

「ここは、ここは俺の――――――」

376 名前:伊達眼鏡と狙撃銃2話 7/9 ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:32:17 ID:t+FLzUVd
 香ばしい薫りが、男の鼻をくすぐった。じゅわじゅわと、料理をする音が聞こえる。
 短い廊下と一体となったキッチンで、女性がフライパンで炒め物をしていた。
 彼女は振り向いて、満面の笑顔を男に向ける。

「もう少し待ってて、今日は卵が安かったの。あなたの大好物のオムライスよ」

 安い木綿の白いTシャツと、洗いざらしのジーンズ。
 肩まである黒髪は、料理の邪魔にならないように後ろでざっくりと束ねてある。
 健康的な肌は少し日に焼けていて、指先は家事で少しだけ荒れていた。

“―――お兄さん、毎日ここに座って何してるんですか?”

“―――ん? ああ、似顔絵描きをしているんだよ”

“―――ええっ!? 絵描きさんだったんですか!? ごめんなさい、全然知りませんでした”

“―――ははっ、今時似顔絵描きなんて流行らないかな。見ての通り、毎日暇してるよ”

“―――へえ〜っ、これがお兄さんの絵ですか〜。あ、私結構好きですよこの絵、なんだか味があって素敵です!”

“―――お世辞でもそう言ってくれると嬉しいよ”

“―――ふふ、面白い人ですね。それじゃあお兄さん、似顔絵一枚、宜しくお願いします!”

 それが、彼女との出会いだった。
 それから毎日公園で会うようになって、不器用な恋をし、不器用な告白をして―――
 いつしか同棲するようになって、それでも売れなかった自分は彼女に食わせてもらってばかりで。
 ずっと自分は我武者羅だった。ただ、彼女に立派になった自分の姿を見てもらいたい一心で。

「あ、ああ……」

 男の瞳から、止め処なく涙が零れ落ちる。彼は、小さな子供のようにボロボロと泣いた。

「だけど、エブリイ、君はあの事故で―――」

 心の底に封印した筈の遠い日の光景。夕暮れ。回る赤色灯。地面に投げ出された彼女の買い物籠。
 初めて念願のコンクールに受賞したあの日。彼女の買い物籠の中は背伸びをした豪華の夕食の材料がぎっしり詰まっていた―――
 そんな過去は、今目の前にある現実に押し流された。 
 彼女は、花のような笑顔で微笑む。

「お帰りなさい、よく頑張ったわね」

 男の胸に、言葉に出来ない感情の奔流が巻き起こった。
 どんな賞も、地位も、名誉も要らなかった。ただ、彼女のその言葉だけが聞きたくて―――

「ただいまエブリイ。帰ったよ、今、帰ったよ」

 彼女は顔を少しだけ傾げてにっこりと微笑み、男の首に手を回す。
 そのまま強く抱きしめ、優しく唇を重ねた。男は涙を流しながら、その体を固く固く抱きしめる。
 二人はゆっくりと、安アパートの敷きっぱなしの安蒲団へと倒れ込んだ。


 ―――此処は『ソープ・ナンバーズ』ただ一晩の春を求めて男達が集う、ミッドチルダの不夜城―――

377 名前:伊達眼鏡と狙撃銃2話 8/9 ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:36:44 ID:t+FLzUVd
 さあ、狩りの時間だ。彼女は髪をかき上げた。
 
 髪を括っていたゴムを外し、子供っぽい丸眼鏡を、シャープな細いブランド物に換える。
 背中と胸元の大きく開いたセクシーな黒いナイトドレスを身にまとい、高級な毛皮のファーを首に巻く。
 唇に深紅のルージュを引き、それと同じ色のハイヒールを履けば夜の彼女の完成だ。
 今日の仕事は之にてお仕舞い、クアットロはプライベートを楽しむために夜の街へと向かう。

「―――ドゥーエ姉様」

 今日の最後の仕事は、姉の手伝いだった。役割は演出担当。
 クアットロの敬愛して止まない姉は、今日も完璧以上に仕事を終えた。
 今日の客、ミッドチルダ画壇の大物だというあの男の子供のような涙を思い出す。
 時折、ドゥーエはこの日のような「趣向を凝らした」プレイを行う事がある。
 無論、ドゥーエの性技をもってすれば、それだけで十分以上の満足を客に与えることが出来るだろう。
 それでも、彼女は時折、このような凝った演出を行う。
 このような客の内面にまで踏み込むようなプレイを、一介の娼婦が行う必要など言うまでも無く皆無だ。
 クアットロは、何故姉が之ほどまでの特殊なプレイを行うのかを尋ねた事がある。
 ドゥーエは、体だけでは満足出来ない客には心に踏み込ませてもらう、と応えた。
 その真意は、未だクアットロには解らない。
 今日の客の男の顔を―――帰り際のその表情を思い出す。何か憑き物が落ちたような、満足しきった安らかなその表情を
 ドゥーエは、今日も客に完璧な満足を与えたのだ。
 ―――自分では、きっと彼女の域には到達し得ないだろうという確信がある。
 
 ……胡乱に考え事をしているうちに、彼女の狩場へと到着した。
 煌びやかなネオンが輝く夜の街、歓楽街から少し離れた街の一角だ。
 その街角に立って、クアットロは何をするでも無く立ち尽くす。
 通り過ぎる男達が、彼女の姿をちらちらと横目で見ながら通り過ぎていく。
 彼女の容姿と、立ち上る色香が男達の視線を引き付けて離さない。
 並大抵の女ならば直ぐにナンパの声が掛かるだろうところだが、彼女は触れたら指先から血の滲む深紅な薔薇のような、気高さと危うさを併せ持っていた。
 多くの男が声をかけようして、寸前でその手を引っ込めた。
 手持ち無沙汰に立ちすくむ彼女の瞳が、憂いを帯びて地に落ちる。
 悲しげな彼女の表情に、周囲の男達が唾を飲み込んだ。
 そのまま、嘆息を一つ。クアットロは、寂しげな表情で助けを求めるかのように周囲を見回した。
 
「……ね、ねえ君、その―――ずっと、ここに居るけど、だ、誰か、待っているのかな?」

 しどろもどろな口調で、男の一人が声を掛けた。
 クアットロは、憂いを秘めた瞳で男を弱弱しく見上げると、助けを求めるような声で語りかける。

「すみません、それが、わたし、少し体調が悪くて……」
「それなら、俺が送ってあげるよ! 車、すぐそこにあるからさ!」

 男は頬を上気させ彼女の手を引き、二人は帰路へとつく。
 クアットロの指示するままに車を走らせていた男だったが、その途中でホテル街へとさしかかった。
 助手席のクアットロは、男の肩に頭を預け、その腕を柔らかい指でそっと掴む。蛇が獲物を絞め殺すように緩慢に。

「ねえ……疲れちゃいました。休憩、していきません―――……?」
 
 男は―――――――――――――――――
 ―――――――――――――――
 ―――――――――――

378 名前:伊達眼鏡と狙撃銃2話 9/9 ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:37:44 ID:t+FLzUVd
「凄い、君が、こんなにやるとは思わなかったよ―――」
 
 男は、息も絶え絶えになってベッドの上で大の字になった。全く素晴らしい時間だった。脊髄までが精となって搾り取られるような感触。
 幾度となく絶頂に達し、女の中に精を放ち、その度に意識が飛びそうな快楽を味わった。
 彼女の体はドラッグの塊のようだった。こんな経験は、産まれて初めてだった。

「ねえ―――」

 激しい情交の余韻を味わいながら、男は彼女―――クアットロへと語りかける。
 思い出す。彼女の甘い喘ぎ声を。彼女が絶頂へと達するときの体の震えを。
 若鮎のように跳ねる美しい肢体を。熱く蕩けそうな彼女の中を。
 この時期に、こんな女性を抱けるなんて最高の行幸だ、男は美酒に酔ったように宙を仰ぐ。

「ねえ君―――」

 語りかけるも、返事は無い。仕方無い事だろうと男は思う。
 あれ程激しく、幾度も幾度も達したのだ。彼女も力尽きてベッドに倒れ込んでいるのだろう。
 男が目を向けると、クアットロは背中を向けて、静かに髪を掻き揚げていた。

「はは、凄かったよ、君」

 男がそう語りかけると、クアットロは静かに目を細めて肯いた。

「貴方も、随分凄いわよ」

 愛情さえ感じるほどの、優しげな口調。クアットロは、そっと瞳をひらく。
 その瞬間、男の背中に怖気が走った。不安感、巨大な蜘蛛の巣に何時しか絡まっていたような、得体の知れない恐怖。

「こんなに可愛い婚約者がいるなんて、堂々と浮気ができるなんて、ね♪」

 クアットロは一枚の画像データを提示する。そこには、男の経歴データや婚約者とのメールの一覧が表示されていた。
 男の顔が、一気に青ざめた。
 全裸のクアットロが立ち上がる。クアットロの股から、二人の白い体液が糸を引きながら滴り落ちた。
 冷たく、淫靡で、鮮やかで。どうしようもなく、美しかった。
 彼女は、さらにもう一枚、今度は動画データを提示する。

「―――イイッ、いいよ君ッ、凄い、ああもう駄目だ、出すよ、出すよっ……」

 女の尻を掴んでヘコヘコと腰を動かす姿は、男の目にもどうしようもなく滑稽に映った。

「た、頼む、この事はどうか内密に―――」
「無理よ、もう送信しちゃったもの」

 表示されるのは、「送信完了」の文字。宛先は当然のように男の婚約者へと設定されている。
 
「あああ、ああ、ああああああぁぁっ」

 男は、頭を抱えて膝を折り、床へと崩れ落ちた。
 どうしようも無い絶望、未来を失った悲哀の表情。それを見つめるうちに、どうしようもない喜悦がクアットロの中へと湧き上がった。
 唇が歪み、くすくすと押さえきれない笑いが喉から漏れ、遂には哄笑となって溢れ出た。

「はは、きゃはは、あはははっ!!!」

 目に涙を浮かべ、腹を浮かべて笑い転げる。気持ち良かった。性感がどんなものかは知らない。
 だが、今背筋を駆け上がるこの感触は、どうしようも無いほどの快感だった。
 気持ちいい。堪らない程に気持ちイイ―――だから、私は不感症の出来損ないなんかじゃない。
 クアットロは、哄笑を上げながら、塵を見下す目つきで男を見下しこう告げた。

「貴方のSEX、ペコペコ腰を動かすだけで気持ちよくも何とも無かったわ。貴方、最低の下手糞ね」


379 名前:アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/11/01(土) 00:39:17 ID:t+FLzUVd
「ソープ・ナンバーズ」みんなの質問コーナー

Q* 究極の下げマンのクアットロ嬢と至高の上げマンのドゥーエ嬢ですが、
   二人とも抱いたら一体どうなるんですか!?

             ミッドチルダ出身(19歳) P.N.淫獣フェレット さん

A* 現時点ではドゥーエ嬢の上げマンレベルの方が圧倒的に上ですので、二人とも抱かれた方は(なんと羨ましい!)
   漏れなく幸せになれるでしょう。
   過去ドゥーエ嬢を抱かれた男性は、漏れなく幸せを掴んでいます。
   あれ程のプレイでは依存しきって身代食いつぶしてしまうのでは……? という恐れを持つ必要はありません。
   ドゥーエ嬢のプレイは、貴方を縛る過去から決別させ、未来へと優しく背中を押します。
   彼女を抱かれた方達からは、仕事は成功し、学業は成就し、病は癒え、素敵な彼女も出来たと嬉しい悲鳴が絶えません。
   まさにミッド一の娼婦です。

   ―――かと言って、クアットロ嬢を避けると言うのは早計というもの。
   彼女はプライベートでは多くの男性を破滅させていますが、皆家庭やパートナーを持ちながら情欲に負け彼女に手を出した者ばかり。
   ソリッドに見える彼女ですが、心の奥底では真実の愛などという青臭いものに憧れており、
   今日もまた誰かの愛を裏切った男達を破滅させているのです。
   ……と、いうのもプライベートの話、当店での彼女は今日も素敵な女王様を勤めております。
   そんな彼女を愛して抱いてみたい方、思わぬ彼女の愛が手にはいるかも……!?
  
              ソープ・ナンバーズ客引き担当 通称Dr.S



 なんだか、名無しの男達が妙に活躍する回でした。
 ておあー氏とB・A氏の作品を拝読して一人で悶えているうちに、居ても立っても居られなくなって、
 ておあー氏とB・A氏のお二方に3Pをお願いしたくなったので、次はこの前の電波を自分で書いてみるかもしれません……。


380 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 01:13:39 ID:8OwXwiFz
激しく乙です

思わず引き込まれてしまう文章は相変わらずですね。
そして氏の書くクワットロの悪女っぷりはどこか不思議な魅力に溢れていて鳥肌立つ。

そして最後のQ&Aでシリアス気味な本編とのギャップに盛大に吹いたw

381 名前:ザ・シガー:2008/11/01(土) 01:16:44 ID:Cug7rbgm
良い仕事しますねぇ〜。 GJ!!!!

いやもう、内面は酷く擦り切れているのにそれをなんとか取り繕って生きているヴァイスに萌えたり、そんな彼に想いを馳せるティアナに萌えたりで俺の股間が大ブレイク!
んで、客の心理まで理解して神演出でプレイするドゥーエ姉さんに感服。
こんな素晴らしいアイディア出されて、俺は今後どうやってドゥーエのソープ話を書けば良いんだwww

しかしクアットロ恐っ! 趣味で人の人生ぶち壊すなwww
いや本当、氏の書く4の子は毎回毎回とんでもねえ。
愛が伝わってきますなぁ。

でもね、一番最高だったのはグリフィス君の最低っぷりwww
俺が毎回ゲス男に書いてしまったばっかりに……

良いぞ! もっとやれ!!


という訳で、このザ・シガー、氏の描くソープ物語を毎回楽しみにさせていただいております。
ほとんど勢いで始めたカオスジャンルでこのような作品を読めるようになった事、喜悦の極み!
次回も楽しみにしております、最後にもう一回GJ!!

382 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 12:27:09 ID:bqtEFnUG
>>361
GJ!!!
間違いなくコピーのなのは、フェイト、はやてだろうな…
コピーであっても同等の能力持ちなら今のパーティだとすごくやばいかも
撤退するにしろ、エリオ達誰かが援軍に入るにしろ一刻の猶予もなさそうな状態だ
wktkしながら次回を待ち望んでます


383 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 12:57:56 ID:AGq7PQik
SWの兵士みたいに大量生産されたら管理局は終わりだな

384 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 13:50:33 ID:EZXUgIqf
量産型なのはさん…脅威のメカニズムだな。

385 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 14:12:16 ID:TY1ePPAd
NANO-HA量産の暁には、管理局など捻り潰してくれるわ!

386 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 14:53:49 ID:KofOcakq
なんでだろ、量産型NANOHAと聞いて先行者が思い浮かんだ

砲撃する場所が問題だなぁ

387 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 18:10:58 ID:SIfyubOB
なるほど、前ではなく後ろかr

【返事がない、ただの消し炭のようだ】

388 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 19:58:27 ID:Yl8YaXeM
>アルカディア氏
通常のGJを超えた、超GJを贈らざるを得ないッッ!!

そうなんだよな〜
ソープ開いてるからレリック絡みの戦闘は起きてないんだよな〜
その分男性陣が黒かったり後ろめたかったりするけど殺し合いするよりは健全じゃね?

あと普通にエロくていいよw
クアットロいいよ、クアットロ!

389 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 20:10:30 ID:KdN6ujRI
アルカディア氏超GJ!
クアットロもいいけど、ドゥーエ素敵だよドゥーエ!(実はドゥーエスキー)
リトルランサーだと死んでるから出番なかったけど、なんて濃密な描写なんだ。
ティアナは失恋もはや確定な気もするが、えらい可愛いです。
アルトもシグナムもいいキャラをしているけど、ヴァイスの虚無り具合とグリフィスの外道具合に吹きましたww
ソープのグリフィスのキャラはあれで確定ですかw

ここで出てくるヴァイスは大抵明るいエロ親父系か、虚無ったヴァイスが多いなぁ。
設定的には黒く煤けるのが普通だけど、いつからが発祥なんだろう?
とにかく素敵でした、GJ!!

390 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 21:11:33 ID:jlrjDvKX
>>379
GJ!
これはヴァイスオワッタね。それはもう確実に…
待ち受けるのは大多数の男と同じように破滅か…救いは果たして

アルカディア氏も電波の具現化をなさるだと!
これはまた楽しみが一つ増えました

391 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 21:21:37 ID:oDHD2Bg3
>>362GJ
下らない感想だけど、三人娘で独身がなのはさんだけなんですねwww

392 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 21:50:24 ID:YX7vbO8t
>>379
GJ!!
ドゥーエ姉やクア姉のみならず、男達もこんなに輝くとは!
そしてグリフィス、お前はもう仕置きされてしまえw

393 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:00:15 ID:+axAc7lk
>>391
別に良いだろ。淫獣みたいなクズキャラとくっつくくらいなら一生独身の方がマシ。
てか誰も彼もが男キャラばっかり書いてるってどうなんだよ。
リリカルなのはは女同士の友情を描いたアニメだろ?

394 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:07:26 ID:Fmoc6msJ
>>393
とりあえずアンタが過激百合厨ってことはわかった。
不満があるなら、自分で書けばいい。
なのはエロパロスレは盗作さえなければ、非エロ含めてどんな話だろうと自由なスレだ。
面白いなら褒めてくれるだろうさ。
それすらできないなら、口をつぐんでろ。たわけが。

395 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:11:57 ID:Nh8qfDef
こんなわかりやすい煽りにのるなよ……それとも自演か?


それはともかくなのはさんは俺の嫁
あの背中がよかとです

396 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:12:44 ID:I1BVbcUs
まあ落ち着け。

>>393
レズ・百合萌え板の方になのは百合スレあるから逝ってみるといいよ。

……見てるのが大人のおにーさんである以上、エロパロで自分を投影できる男が主なのは仕方ないべ。

397 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:14:47 ID:8cvRO1dx
>>396
そこ行くとアレか
百合厨は本編のなのはに自分を投影してんのか

さすがの俺もそれは(ry

398 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:19:23 ID:Cug7rbgm
荒らしには触れるなって。

↓以下、いままで通りの流れで感想・雑談・投下。

399 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:20:29 ID:hOJ3VcxG
ディエチは俺の嫁。

400 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:28:57 ID:nYP5Sqsl
百合厨の俺は男キャラに自分を投影できないのでなんか寝取られてる気分がするってそんな感じだ

401 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:29:05 ID:I1BVbcUs
髪を伸ばした成長キャロは俺の女神な。

>>397
つまり俺はなのはさんになってフェイトソンをめろめろに(ry

んなわけあるかぁっ(っ`Д´)=○)Д゚)

俺の場合は好きなカプを生温く見守るのが好きなだけだし。
エリ×キャロルーとかは俺も好きだし、傍観者チックに見守るのがいいんだ。

402 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:45:46 ID:mIc88bSz
クロノ系も大体はそんな感じだなー
efとか見てる感じに近い
…うん、だからStSで廃れたんだよ

403 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 23:07:32 ID:ezziZdB1
>>401
>カプを生暖かく見守る
わかるなぁ、そういうの
俺もユノアリで2人がらぶらぶしてる光景はそっと見守ってたい

404 名前:B・A:2008/11/01(土) 23:19:03 ID:SIfyubOB
>>394
盗作云々で思ったんですけど、もうすぐ書きあがる非エロSSが何となくシロクジラ氏の「嘆きの中で」と似ている感じがするんですよ。
JS事件でスカが逮捕されなくて数年後の話なんですけど、何ていうか雰囲気が? 
気になると何だか怖くなってきたんですが、1話の投下はシロクジラ氏に伺ってからにした方が良いでしょうか?
その後の反応次第で続行するかどうか決めようとは考えているんですけど。

405 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 23:22:16 ID:tzpa+Qmn
盗作ってのは文体とか展開があまりにも被ってる時だよ
雰囲気が被るくらいでいちいち確認とってたらキリが無い

406 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 23:27:58 ID:AcZ+QGjz
ここ最近クロなのとかフェイなの、ユノフェあんま来てないね
誰か書いて欲しいぜ

407 名前:シロクジラ:2008/11/01(土) 23:39:30 ID:OdVE/sY4
>>404
いや、お気になさらず。
雰囲気が似る程度のこと、よくあることですし。
氏の最新作、楽しみに待っていますー。

408 名前:B・A:2008/11/01(土) 23:42:05 ID:SIfyubOB
>>407
ありがとうございます。
ですが、一点だけどうしても伺わねばならない設定があるんです。
実は、「キャロが死んでエリオがフリードを使役している」というものなのですが。

409 名前:詞ツツリ:2008/11/01(土) 23:44:47 ID:KdN6ujRI
>>404
雰囲気が被るなんてよくありますよー。
そ、そうだよね。
アルカディア氏のヴァイスとノリが被っても、ほら、心が折れるだけですから……げふぅ(吐血)

と、すみませんが 50分頃から依然書いた『放浪騎士 その朽ち果てる先』の続きをちょっと投下させていただいてもよろしいでしょうか?
「煙草をつける先」や「空へと響く銃弾」を待っている方はすみません。
直ぐに書きますので(土下座)

410 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 23:49:30 ID:Cug7rbgm
ゼストのターンキタwww

411 名前:シロクジラ:2008/11/01(土) 23:52:54 ID:OdVE/sY4
>>408
あー、なるほど。
そういうことでしたかー。

ワクワクしてきましたよ!
というわけで、氏のSSは氏のもの。
どうか、ご自由に筆を振るってくださいませ。

412 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/01(土) 23:56:17 ID:KdN6ujRI
投下してもいいかな?
そろそろ投下します。

NGワードは「放浪騎士」
注意事項:
エロはあまりない。
ずっとオッサンのターン。ゼストが主役です。
CPはゼスト×メガーヌがデフォルト。
本編再構成ですが、独自解釈などや行動の差異などがあります。

以上の内容に問題がなければ読んでいただけると幸いです。


413 名前:B・A:2008/11/01(土) 23:57:20 ID:SIfyubOB
>>411
ありがとうございます。
ご期待に応えられるよう推敲し、詞ツツリ氏の後に投下させて頂きます。

>>409
ややこしくしてしまってすみません。
支援させて頂きます。

414 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/01(土) 23:58:34 ID:KdN6ujRI

 好きな女性がいた。
 無骨な自分には決して似合わない美しい女性だったから諦めていた。
 愛など知らぬ不器用な自分だから、思いを言葉になんて出来なかった。
 秘める恋なんてカッコいいものではない。
 部下と上司。
 職場の同僚。
 そんな関係で、常に周囲に戦いに満ちていたけれど、どこか心が安らぐ自分が居たのは事実だったけれど。
 決して口にはしなかった。
 決めていた誓いがあった。
 同じ理想を抱く友人の支えになろうと決めていた。
 手に握った槍は正義に捧げると決めていた。
 愛する世界は悲劇の火種ばかりで、治安は乱れて、上の組織は常に力を欲し、こちらの力を削ぎ続ける。
 何度も勧誘があった。
 立場を与えると言われたこともある。
 脅迫じみた誘い文句もあったが、それを自分は撥ね退けた。
 親など既に死んでいる、恋人もいない、いるのは友人のみで彼もまた頑強。
 恐れる必要などなかった。
 走って、走って、現場であっけなくゴミのように死ぬのだろうと漠然と思っていた。
 部下の女性に言われた。

「隊長はもう少し家庭とかを持ったほうがいいですよ」

 それは惚気か? と、養子の娘を二人持った部下に告げると、彼女は照れ隠しに微笑んでいた。
 とても幸せそうだった。
 自分が家庭を持つなど想像すらしたことはなかったが、幸福だということは理解出来た。

「好きな人とかいないんですか?」

 もう一人の部下の女性が聞いてきたことがあった。
 それはお前かもしれない。
 などと、正直に言うわけがなく、自分は横を首に振った。
 あえて言うなら仕事が恋人だな。と、冗談めかして告げると、彼女は寂しそうな顔を浮かべて。

「それじゃあ悲しすぎますよ」

 といった。
 どこか心配そうな顔を浮かべていて、自分はそんなに物欲しそうな顔を浮かべていたのだろうかとしばらく悩んだほどだった。
 他にも沢山の部下がいた。
 どれもいい人材で、自分にはもったいないほどだった。
 得意なのは槍を握り、戦うことだけな不器用な自分。
 こんな自分に付いてきてくれるだけでも嬉しかった。
 その信頼に応えたいとと思っていた。
 気が付けばストライカーとさえ呼ばれていた。
 友は魔力素養に恵まれなかったが、自分は戦う素質があった。それだけで嬉しかった。
 友は言った。


415 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/01(土) 23:59:37 ID:KdN6ujRI
 
「お前には苦労ばかりかけるな。私が戦うことが出来ればいいんだが」

 自分は答える。

「戦うのは俺の役目だ。その分お前は偉くなってくれ。一秒でも早く治安が取り戻されれば、俺たちの負担が減る」

「ああ」

 友は優れた男だと言えた。
 魔力素養が尊ばれる魔法社会において、魔力素養もなしにその手腕によって次々と昇進していき、管理局に食い込んでいった。
 少々強引とも言えるやり方に敵は多かったが、優れた味方や現場の改革などに力を入れていた。
 無理はするなよ、と俺が言うと、お前が言うなと苦笑された。
 年齢の割りには心労の所為か、顔の皺が多くなっていく友を見るたびに、こちらの心が痛んだ。
 発生する犯罪は現場で対処出来る。
 けれど、犯罪そのものを食い止め、対応を早めるには組織の改革が必要だった。
 ただ戦い続けるだけでは犯罪は止まらない、悪意を消し去ることは出来ないと自分は知っていた。
 爆弾テロで多くの犠牲者が発生し、いつまでも嘆き続ける沢山の者たちの悲鳴が脳にこびりつく。
 息子を誘拐され、対処が遅く帰らぬ人となった両親から浴びせられる罵倒の声がどこまでも耳に木霊する。
 強盗に襲われ、妻と娘を目の前で汚された夫の虚無めいた瞳が恐怖となって神経に染み込んでいく。
 悪意は終わらない。
 まるで夜が醒めないように。
 救われた時の笑顔を超える量の悲しみに、薬に頼ることが多くなった。
 精神安定剤。
 自らでは発散出来ないストレスを緩和するための錠剤。
 頑強なことだけが取り柄だと思っていた自分が神経を患うなど思ってもいなかった。
 眠ることが出来ずに、錠剤を齧る自分が居た。
 吐き気が止まらず、食事を抜く自分が居た。
 敵対する違法魔導師を捕縛し、戻る際の輸送車の中で意識を失うこともあった。
 部下は心配する。
 けれども、自分は大丈夫だと言い張った。
 Sランクオーバー、血を吐くほどの修練の果てに高めた己の限界性能。
 圧倒的な力、ストライカー級と讃えられた。
 けれど、そんな賞賛の声は空しいと思った。
 力の量に興味は無い。
 それでどれだけの悪意を叩き潰せるか、ただそれだけを求めた。
 鉄すらも切り裂く一撃を繰り出せる、それで建物に立てこもった犯罪者を犠牲無く叩き潰せるか?
 音速を超える速度で移動できる、それで犯罪が発生する前に駆けつけることが出来るのか?
 無理だ。
 どんなに強かろうが、どんなに力があろうが、全知全能の神でなければ犯罪は終わらない、人は救いきれない。
 助けようとした人たちはボロボロとこの手から零れ落ちていく。
 無力さを痛感していた。
 誰かの泣き叫ぶ声が無くなるのならば魂すら売り渡してもいい、そんな思いすら抱いていた。
 部下が言った。

「広い次元世界、それを救う海。それは必要なのかもしれないけれど、自分の故郷を犠牲にしてもいいわけがない。あいつらは大義名分に酔った正義の味方なだけだ!」

 戦力が足りない理由の一つ、海からの人材の引き抜き。
 それに対する愚痴を洩らしていた部下を自分はその時嗜めた。
 その部下は麻薬犯罪で中毒者となった少女を監禁場所から救い出したばかりだということは知っていた。
 クラナガン、そこで過ごして、低ランクながらに熱心に任務に励む部下だった。
 彼は言っていた。

416 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/02(日) 00:00:41 ID:KdN6ujRI
 
「時空管理局が謳う次元世界、他の世界なんてどうでもいいんです。俺はこの町が好きで、ここで暮らしているから、平和にしたかったんです」

 幼い彼が生きて行けたのは、母親が売春婦となって客を取っていたからだとゼストの部隊に入って数年後に愚痴交じりに明かしてくれた。
 母親が荒っぽい客に殴られて、痣を残した顔で帰ってくるのが嫌だったと嘆いていた。
 その時に力があれば、母親を殴った客を全員殺していたかもしれないと告げていた。
 次元管理局、それに入るための陸士訓練校に入った理由は母親の死だと告げた。
 客から感染した性病、それに冒されて苦しみ抜いた果てに母親が死んだ。
 陸士訓練校に入ったのは入学金が安く結果次第で補助金が入るため、そして力が手に入るからだとその部下は告げた。
 世界を変えてやる、腐ってない世界に。
 そう願っていた部下は数ヵ月後、質量兵器による銃撃であっさりと死んだ。
 二十代の半ばだった。
 まだ家庭も持っていない早すぎる死だった。
 狂った世界に生まれて、歪んだ世界に使い捨てのように殺された。
 何のための人生だったのだろうか。
 戦力という意味でなら苦しいが、なんとか補充は利く。
 だが、その人物と人格は補充など決して利かないのだ。
 若い少年少女、就労年齢の低年齢化、魔力素養とスキル、それだけで取り上げられる。
 入ってくる部下の経験できる人生を四分の一すらも謳歌していないその若さに、決して死なせたくないと思う。
 けれど、自分は神じゃない。
 ストライカーなどと謳われても自分の非力さを痛感する。
 がむしゃらに戦い続ける。
 浴びせられる鉛玉がめり込む激痛に、絶叫を上げながらも槍を振るった。
 叩きつけられる衝撃波に骨が折れるのも構わずに生み出した障壁で受け止め、部下を護りきった。
 召喚魔法で呼び出される異形の怪物、それが生み出す災厄の如き業火を自分が燃えるのも構わずに叩き切った。
 その時代、まだ安定化していないカートリッジシステムを己のデバイスに組み込み、使用。
 反動がキツイ、クールダウンが上手く出来ずに魔力酔い、後日になってもリンカーコアが痛み続けることがあった。
 凶悪化する犯罪、戦力が増え続ける、それらに対抗するためにフルドライブスキルを習得、しかし、反動が大きすぎた。
 医者から言われる、使い続ければ後遺症が残る、寿命が削れると。
 構わない、自分の人生は四十を迎えれば本望だと考えていた。
 救いは部下が無事であること、知っている人間の人生が全うできればいいと思えてきていた。
 望みは友人、彼が生きてさえ居れば理想は叶えられると信じていた。

417 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/02(日) 00:01:36 ID:jGNap90V
 
 しかし、何故か部下は悲壮な顔を浮かべていた。
 自分が無茶するたびに心配をかけてしまった。
 部下曰く、生き急いでいる。
 部下曰く、もう少し頼って欲しい。
 友人曰く、無理はしないでくれ。
 気が付けば、多くの人間に慕われていた。
 嬉しいと思える。
 だけれども、止まるわけにはいかなかった。
 無理をしなければ悲劇が増える、誰かが悲しむ、だからこそさらに踏み込む。
 理想のための犠牲、それが自分だけならばどれほど幸福なことか。
 悪夢を見ないほど疲れきればいい、後悔など出来ぬほど力を尽くせばいい。
 薬を齧る、水を飲む、栄養剤などを服用しながら体を保つ。
 休息を取れば体からではない痛みは増える一方だった。
 痛みを恐れている。臆病だと自覚はしていた。
 強いといわれる。そんなことはなかった。
 誰かが幸福になる、部下の一人が結婚をした。
 そして、事件調査の結果残された犠牲者の戦闘機人の少女が二人、その子を養子にした。
 幸せそうだと思えた。
 他の部下が無事で、家庭を持つ、恋人を持つ、笑みを浮かべる。
 それだけが己の幸せだと思えた。
 例えるなら幸せとは空に輝く太陽のようなものだ。
 太陽は空に輝いているからこそ温かい。
 地に落ちれば眩しすぎる、熱すぎる。
 自分にとって幸せとはそんなものだ。
 太陽のように眺めていればいい。
 その陽光だけで心は温まる、温もりが持てた。
 自分は間違っていなかったと信じられる。
 そうして。
 そうして。

 ずっと、ずっと、自分を酷使して、誤魔化して、誰かを護り続けていた。

 そんな時だった。
 彼女が、ただの部下だった彼女が声を掛けてきたのは……





【一人の部下と上司 その思いの結末から今に至るまで】



418 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 00:02:10 ID:SIfyubOB
支援

419 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/02(日) 00:02:25 ID:jGNap90V
 
 夜も昼も時間というものを磨耗しかけていた。
 とんっと書類をまとめる手の触感は確かに現実で、ため息を吐く際の感覚が自分の居場所を知らせてくれた。

「ふぅ」

 いつまで経っても書類作業には慣れる気がしない。
 電子データの類に目を通し、データを入力するだけなら手早く終わるが、証拠として紙の書類が重宝されることは多い。
 ペンを手に取り、文字を走らせる。
 この細かな作業が、何枚、何十枚と増えればもはや一つの戦場だ。
 消耗物品の陳情、被害報告書類、部下からの反省文など、部隊を預かるものとして目を通さなければいけないものは多い。
 とりあえず明日中に出さなければいけないものだけを餞別して、サインと記入を終えたのだが……拳と槍を振るうよりもペンを振るうのは遅く、窓の外を見れば既に夜の帳は幕を下ろしていた。

「……書類整理だけで時間が潰れたか」

 やれやれと軽く伸びをした後、疲れた目蓋を揉み解す。
 焦げ付くような戦闘の疲労とは異なりべとつくような眼球の疲労。
 体力には自信のあるゼストだが、この疲労だけはどうにも耐えがたく疲れやすい。
 しばらく丹念に揉み解し、しばし目を休めていると、不意に背後で気配と声がした。

「お疲れ様です、隊長」

 手には二つのコーヒーカップ、それをゼストの机の上に差し出すように置いた一人の女性の姿が目に映った。
 紫という色を筆に乗せて流れるままに振るったかのような美しい髪、女神のように整えられた儚い肢体、白い制服を乱れなく着こなした清楚な女性。
 メガーヌ・アルピーノ。
 ゼストの部下にして、陸戦AAランクの高位魔導師。
 貴重な召喚魔法の使い手である女性。
 ゼストの心を密かに捕え続ける美しき女性。

「ん? メガーヌか、こんな時間までどうした?」

 彼女の髪から漂うどこか甘い香り。
 髪に付けた香料、そして彼女自身の体臭の香りだろうか。
 連日の過酷労働でゼストはカラスの行水にも程がある程度にシャワーを浴びているだけに済ませているのに、メガーヌやクイントなどの身だしなみには呆れを通り越して感心すら憶えていた。
 女性は強いな……そう考えるのは疲労のせいかもしれない。
 他愛無いことを考えながら、ゼストは尋ねる。
 他の部下たちは全員隊舎に帰ったか、仮眠室で寝ていると思っていたのだが。

「いえ、先に仮眠を取らせて頂いたのですが……こんな時間に目が醒めてしまって。まさか隊長がまだ仕事をしているとは思いませんでしたよ」

「まあな。俺も驚いている」

 もう少し早めに終わらせる予定だったのだが、この分だと眠れるのは数時間程度か。
 また薬に頼ることになりそうだ。
 疲労は抜けない、だが体を動かすには支障ない。

「隊長……眉間にまた皺が寄ってますよ」

 苦々しいコーヒーを啜り、その熱が喉を通って胃に流れていく感覚を味わっていると、メガーヌが不意に告げた。
 それに従い人差し指を眉間に寄せると皺が確かに出来ていた。
 どうやら気付かぬうちにしかめ面をしていたらしい。

「疲れているのならば、もうお休みになってはどうですか」

「いや、俺はもう少し起きている。メガーヌ、お前の方こそさっさと休め。寝れなくても目を閉じているだけで違うはずだ」

 薬に頼るなら中途半端な睡眠はむしろ必要ない。
 睡眠欲は浅く眠れば強くなる、ならばいっそ眠らぬほうがマシだ。
 そして、あまり薬に頼る姿は部下には見せたくない。いらぬ心配をかけるからだ。

420 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/02(日) 00:03:32 ID:jGNap90V
 
「しかし」

「自己管理は自分で出来る。心配をするな」

 どこか冷たい、と自分でも自覚できるような言い回し。
 卑怯だなと突き放すような態度を取る自分を自嘲した。
 嬉しいくせに、幸せだと感じるくせに、苦痛のみを選び続ける。
 怖いのか? そう蔑む自分がいる。
 怖いのだろうと自分は結論を持っている。
 想いを曝け出すつもりはない、だがそれが辛いとは感じていた、満たされていく感覚が恐ろしかった。
 故に苦々しいコーヒーを啜り、言葉と態度を誤魔化そうとした。
 しかし、メガーヌは言葉を重ねた。

「心配します」

 どこか透き通るような、刃のような言葉がゼストに向けられた。
 常に無い強さを秘めた語調。
 不審に感じてゼストが目を向けると、メガーヌは真摯な双眸を浮かべて自分を睨み付けていた。

「また薬に頼るのですか?」

「なに?」

「隊長。自覚してください、そんなのは体を壊す……いえ、もう体はボロボロなんですよ」

 悲しみを湛えた瞳。
 きゅっと口元が結ばれて、どこか泣きそうな顔だった。
 何故? と思う。
 不器用な自分には悲しませる理由が咄嗟に思いつかず、ただ誤魔化しの言葉のみが自然と口から洩れ出ていた。

「俺は大丈夫だ」

 ああ、なんて空しい言葉だろうか。
 どこが大丈夫なのだろうか。
 健康であればいい? それなら不適格だ、今は疲労を帯びて、夜もロクに眠れない体の癖に健康など図々しい。
 体が動く? それなら適格だろう、指は動く、手は動く、脚も動く、魔法も使える。戦うことが出来る、いずれ崩れ落ちる身であろうとも今動けるのならば問題ない。
 だから、嘘ではない。

「嘘です」

 脆い嘘は容易に引き剥がされた。
 メガーヌの細腕が、不意を突いてゼストの手を握り締めていた。
 冷たく、温かい彼女の体温。
 それが伝わってきて、込み上げる感情を押し殺すために不愉快そうな顔を浮かべるしかなかった。


421 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/02(日) 00:04:33 ID:jGNap90V
 
「震えていますよ」

「なに?」

「気付いていないんですか? 隊長」

 そうだ。
 自分は気付いていなかった、いや目を逸らしていた。
 コーヒーを受け取った時から、いやそれ以前にペンを握り、書類を書いていたときから手の震えは収まらず、何度も書類を書き損じていた。
 だから、これほど遅くなった。
 一文字一文字書くのが困難なほどに握力が衰え、啜るコーヒーは常に波紋が生じていた。
 体は既にボロボロだった。
 疲れは限界まで来ていた、けれども休むことを自分は選ばなかった。
 眠れぬから、仕事以外に意識を向ければ自分の心に誤魔化しが聞かない、怨嗟の声が耳に木霊し続ける。
 強迫観念にも似た恐れ、戦えば如何なる強敵であろうとも怯まずに立ち向かうとされるゼストは、ただ己の臆病さに怯えていた。
 意識をすれば呼吸すらも辛くなる。
 呼吸器官に異常はないというのに、息さえ吸えぬ吐き気が生じる。

「……お前には関係ないだろ、メガーヌ」

 触るなと拒絶の心があった。
 お前は俺を苦しませたいのかと、罵倒したくなった。
 呼吸が荒れる。
 眩暈がする。
 やろうと思えば数分にも渡り息を止め続けられる鍛えられた体が心から発せられる苦痛に挫けそうになっている。
 なんて弱いのだと嘆きたくなる。
 なんて脆いのだと絶望したくなる。
 力が欲しいと僅かに考える、渇望する力への執念、決して挫けぬ折れぬ曲がらぬ鋼のような意思が欲しいといつしか願っていた。
 なのに、目の前の女性はただの一振りで、その意思とその願いを無残までに踏み砕いた。

「関係ありますよ」

 強引に指を絡めてくる、侵食されるような感覚。

「ないわけなんてないですよ」

 伝わってくる柔らかい感触、染み渡ってくる体温、穢されるような恐怖感。
 まるで強姦魔の目の前に晒された少女のように怯える自分が情けないと思う。
 恐ろしいと心の中で悲鳴を上げているのに、自分の歳よりも一回りも二回りも低い年頃の女性の眼光から目を離せなかった。
 瞳は伝えてくる、悲しいと。
 その双眸は伝えてくるのだ、やめてくれと。
 どこまでもゼスト自身を心配し、思いやり、労わる慈愛の瞳。
 それが上司と部下、ただの立場と親愛を越えた感情だとその時の自分は気付かなかった。
 どこか気恥ずかしく、頬を紅潮させるメガーヌの顔に、吸い込まれるように半ば呆然としていたから。

「……迷惑ですか」

 目が潤んでいた、まるで朝露に濡れるアサガオのように美しく、どこか切なく胸を締め付けられるような瞳が目の前にあった。
 メガーヌは心底悲しんでいた、想いを吐き出そうと、その感情は顔に、態度に、纏う透明なローブの如き雰囲気に現れていた。
 何故こうも己の心を掻き乱すのか、目の前の女性はと叫びたくなった。
 迷惑だ。
 そう冷たくあしらえればどれだけ楽だろうか。
 幸福が恐ろしい、怯える自分は苦痛という安易な道を選び続けている。
 それから外れるのが恐ろしい。
 だから、迷惑というのはあながち間違いではない。
 ギチギチと己の中の歯車が噛み合わなくなることを自覚しながら、ゼストはゆっくりと言葉を選んだ。

「迷惑なわけがないだろう」


422 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/02(日) 00:06:03 ID:jGNap90V
 
 それはどういう意味だ?
 自問。
 上司として部下の心遣いが嬉しいという親愛の意味か?
 それとも目の前の女性、その思いが嬉しいという情愛の意味か?
 自分に問いかける、ゲラゲラと己を嘲笑する道化師を幻想する。
 錯覚するな、ただの思いやり、それに特別なものなど一ミリたりとも含まれてなどいないのだから。
 夢など見るなと決意する。

「お前の心遣いは嬉しい。だが、俺は後悔したくない」

 走って、走って、走りぬいて。
 細胞の一粒たりとも余力なく力尽きる。
 それに後悔など含まれるものか。
 それに悲しみなど覚えるものか。
 満足だ。
 己の力不足を、行える行動に全て全力を尽くした。
 そんな大義名分が持てるのだから。

「いずれ倒れますよ」

「倒れんさ。終わるまではな」

「終わりとは……いつなんですか?」

 メガーヌは泣きそうな顔をしていた、声が震えていた。
 何故そんなにも悲しそうな顔を浮かべるのか、鈍い自分には分からなかった。
 その返事は自分は返さない。
 返したところで、余計に心配を掛ける内容でしかないから。

「貴方が死ぬときですか」

 沈黙のみが肯定を返していた。
 もはや十分だろうと、ゼストは手を翻し、出来るのならば握り続けたかったメガーヌの手を振り払おうとした。
 そのままあっけなく彼女を拒絶し、そのまま部下と上司、その一線を保ち続けるはずだった。
 それが正しいと彼は思っていた。
 だけど、それは、正しく、彼一人だけの妄信だった。
 夢から醒めさせるかのように、振り払われかけた手はそれでもゼストの手を握っていた。
 振り払う力は半ば本気だった、細いガラスのような彼女の手では成すすべもなく引き剥がされるような動作だったのに、彼女は離さなかった。
 嗚咽が洩れていた、人魚が流す宝石の雫のように彼女の目尻から美しい涙が流れていた。

「いやです。そんなことは!」

 絶叫のような泣き声、それと同時にパシンと頬に衝撃が走った。
 叩かれたと気付いたのはらしくもなく、数秒後のことだった。
 真っ直ぐに前を見る、メガーヌは戸惑いと衝動に少しだけ視線を震わせていたが、やがて心を定めたかのように真っ直ぐにこちらを睨み付けていた。


423 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/02(日) 00:06:57 ID:jGNap90V
 
「……疲れているようだな、少しやす――」

「好きなんです」

 疲労ゆえの気の迷いだと流そうとしたゼストの動きが、メガーヌの唇から紡がれた言葉に硬直した。
 まるで呪いの呪文でも告げられたかのように不自然に止まり、信じられぬとばかりに目が見開かれる。
 幻聴か。
 それとも単なる錯覚か。
 有り得ないと、理性が悲鳴を上げて、ゼストは思わず問い返していた。

「なにを……」

「好きです……ゼスト隊長。それが貴方を心配する理由にはなりませんか……?」

 震えた言葉だった。
 想像すらもしていなかった言葉は頭部を殴り飛ばされたかのような衝撃だった。
 これは現実なのかどうかすら一瞬疑った。
 夢見ることすらも罪深いと考えることを忌避していた可能性。
 己が手を伸ばしたいいものではない、己程度では彼女を求めることなど罪悪だと唾棄していた。
 ありえない。
 ありえないのだ。
 友愛ならばまだしも、情愛など向けられてはいい人間ではないのだと、幸せのみが絶望への道だと知り尽くしている己は喜びに満ち溢れる自分を罵倒していた。
 そんな己の恐れを悟ったのか、メガーヌはポロリと涙の一滴をさらに流すと、嗚咽を繰り返していた口をゆっくりと引き結んだ。

「すみません……こんな、こんな言葉言っても迷惑ですよね」

 心を吐き出して、言葉を吐き出して、涙をも零れさせた彼女は壮絶なまでに美しいと思えた。
 彼女は踵を返す、その小さな背を震わせて、抱き寄せれば脆く崩れてしまいそうな儚い背中を見せて。
 そして、そして、どこまでも愚かな自分はこう叫んだ。

「ありがとう」

 と。
 放っておけばいいのに。そうすれば幸福という残酷な痛みは遠ざけられる。
 言葉などかけなければいいのに。さすれば、彼女は己以外の誰かを想うことが出来る、きっと幸せになれる。
 なのに、なのに。
 感謝の情念を、己の喜びに屈した。
 だからこそ、溢れ出る感情を押さえ込むことが出来なかった。

 そして、その後振り返った彼女の浮かべた笑みは今のこの瞬間まで心に焼き付いて消えることはなかった。




424 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 00:07:00 ID:2oMO4swV
支援

425 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/02(日) 00:07:41 ID:jGNap90V
 
「……だん……!」

 暗く水の其処に沈んでいるような感覚。
 呼吸は出来ない、光も届かない、重力すらも感じられずに、ただ重い感覚。

「旦那!」

 そんな中で目を覚ます。
 苦痛と共に、誰かが叫ぶ声と共に。

「……メガーヌ?」

 必死な叫び声が彼女に似ていた。
 幻影のように焼きついた妄執が、追憶の感情を湧き上がらせた。
 故の発言。
 それに目の前に浮かんでいた人影は、覚醒すると共に蘇る記憶の中の少女はどこか悲痛に顔を歪ませて、声を荒げた。

「旦那! 目が覚めたんだね!」

 パタパタと翼をはためかせて、紫色の瞳をぎこちない喜びに歪めた少女は嬉しそうに声を上げる。

「ここは……そうか」

 意識を失う前の記憶を確認。
 ルーテシアとの合流地点、局の探査から免れるだろうと事前に調査しておいた廃棄都市の一角にある廃屋。
 探査から逃れるための偽装処理を施し、やってくるだろうルーテシアを待つ間に膝を下ろしていたのだが、いつの間にか意識を失っていたのだろうか。
 眠りの心地よさというよりも気絶に近い、それを耐えられなかった己の未熟をゼストは憎んだ。

「よかったよぉ……顔色も悪くて、死んじゃうかと思った……」

 翼を弱々しく動かしながら、アギトが己の炎熱で暖めたのだろう薬湯の入った器を差し出した。
 ゼストは震える手でそれを受け取り、啜る。
 苦々しく、不味い。
 まるであの日啜ったコーヒーのようだと考えるのは、夢に見た幸福の所為か。
 なんて罪深い己の惰弱。
 護れなかった己にそんな資格はないというのに。


426 名前:放浪騎士 その朽ち果てる先:2008/11/02(日) 00:08:40 ID:jGNap90V
 
「心配をかけたな」

 骨が砕かれた、肉は裂け、血は緩やかにだが出血を続けている。
 腸をナイフでえぐられるような激痛は続いているが、鋼の如き意思でその発露を押さえ込み、ゼストはアギトの頭を撫でた。
 彼女の頬が紅潮に染まり、ぼっと蒸気のような熱気が吹き出るが、それには構わずにゼストは告げる。

「すまない。己の弱さが、お前に苦労を掛ける」

「そんなことない。旦那は十分強いよ!」

「思い返せばあれはよい騎士であり、ロードだったな」

 対峙した鉄槌の騎士を思い返す。
 不満足な同調しか果たせぬ己とは異なり、心身共に息を合わせ、十二分に力を発揮した一人の騎士の姿。
 己が勝てたのは奇策を用いたが故に、実力では劣るとゼストは自嘲する。

「いつかお前には俺以上のマスターが見つかるだろう」

「そんな……」

「全てが終わる前には見つけ出す。そう終わる前に」

 ゼストは未来を語りながら、己の未来を捨てていた。
 彼は傍に佇む少女の悲しみを知らない。
 彼は最後まで思い続けた女性の想いを知らない。
 彼はどこまでも信じ続けた友人の思いを知らない。
 何も知らぬ。
 愚者。
 愚かな男。
 ただ真っ直ぐに進みすぎて、誰よりも傷ついて、誰よりも愚かだった。


 不器用な騎士。

 その想いの果てはどこに辿り着くのか。

 それは現時点では誰も知らぬ。



 ただ過去を語る融合騎のみが知っている。




427 名前:詞ツツリ:2008/11/02(日) 00:12:44 ID:jGNap90V
投下終了です。
虚無る前のゼストが沢山かけてよかったです。
しっとりとした大人なような、大人未満のような淡い恋愛劇を書いてみたかったのですが、上手くいったでしょうか?
フルドライブスキルやカートリッジシステムなどを使うゼストはスカリエッティのラボ襲撃がなくても、長生きは出来なかったような気がします。

強くありたいと願いながらも、どこか弱さを残し続ける男たちなどを書くのが大好きな詞ツツリでした。
B・A氏、質問タイムなどに割り込んでしまって本当に申し訳ありませんでした。


428 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 00:24:17 ID:azJ1qPpB
ああ、なんという……なんという切ない物語だ。
死を迎えるその日まで、想いを伝えたメガーヌとこの後ゼストがどう過ごしたか凄まじく気になります。
しかし、最終的には決して幸せになれない二人の事を考えると胸が張り裂けそうだ。

GJでした、多作の続きも待っております。

429 名前:アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/11/02(日) 00:34:45 ID:V895PEaH
>>427
果てしなくGJ!
豪傑的描写の多いゼストですが、内面の弱さに苦しむSSは余り見たことが無いのでとても楽しく読ませて頂きました!
疲労を押して書類整理を行う所などにしんみりときました。
このゼストがスカリエッティ側で、ずっとルーテシアを見守ってきた事を思うと切ないですね。
オヤジキャラはここでは希少なので、素敵なSSが読めて嬉しい限りです。ありがとうございました!

430 名前:B・A:2008/11/02(日) 00:49:15 ID:2oMO4swV
>>427
もうGJとしか言えない。
凄く切ないよ。旦那は凄く強くて凄く弱いんだ。
何が言いたいのかわからなくてGJしか言えない自分が情けない。


さて、こちらも投下しようと思うのですが、まだ待った方が良いですか?

431 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 00:50:17 ID:iRXiN5KF
ハリー ハリー

432 名前:B・A:2008/11/02(日) 00:55:25 ID:2oMO4swV
それでは、投下します。
快く了承してくださったシロクジラ氏に改めて感謝しつつ、
同時に皆さんの反応に戦々恐々しながら行かせていただきます。


注意事項
・非エロでバトルです
・時間軸はJS事件から3年後
・JS事件でもしもスカ側が勝利していたら
・捏造満載
・一部のキャラクターは死亡しています
・一部のキャラクターはスカ側に寝返っています
・色んなキャラが悲惨な目にあっています
・主人公その1:エリオ
    その2:×××(まだ登場しないので伏字)
・タイトルは「UNDERDOGS」  訳:負け犬

433 名前:UNDERDOGS@:2008/11/02(日) 00:56:14 ID:2oMO4swV
耳をつんざくような警報を背景に、2人組の男たちがクラナガンの銀行から飛び出てきた。
2人とも、目出し帽で顔を隠して手にはデバイスらしき杖を握っている。彼らは無数の紙幣を撒き散らしながら予め用意しておいた
車に飛び乗り、周囲の注目を浴びながらも大急ぎでエンジンをかけてその場から走り去る。

「追っ手は!?」

ハンドルを握る男が声高に叫ぶ。運転の邪魔になるのか、目出し帽は既に脱ぎ捨てていた。
荷台で銀行から奪ってきた紙幣を数えていたもう1人の男は、デバイスを手に慎重に後ろを確認し、
張り詰めていた緊張の糸を解く。

「大丈夫だ」

「よし、入念にシミュレートした甲斐があるってもんだ」

「ああ」

見事に目論見が成功し、大金を手に入れた2人はほくそ笑みながらハイタッチする。
だが、その笑みはすぐに凍りつくこととなった。

「不味い、奴らだ・・・・・・」

後ろの男が声を震わせながら、リアウィンドウを叩き割ってデバイスを構える。
ハンドルを握る男もバックミラーで追いかけてきている連中を確認し、静かに息を飲んで掌に滲む汗を拭った。

「シミュレーションより早い!? 飛ばすぞ、援護しろ!」

「おう!」

アクセルが踏み込まれ、車体が一気に傾く。
その瞬間、もの凄い衝撃が車体を突き抜け、乗り込んでいた2人はしたたかに頭をぶつけてもんどりを打つ。
いつの間に回り込んだのか、年端もいかない少女が片手でフロントバンパーを押さえつけていた。
真正面からぶつかったにも関わらず、少女は涼やかな顔をしてこちらを見上げている。
その目には、何の感情も読み取ることはできない。

「この野郎!」

いち早く我に返った男が車外に躍り出てデバイスを構える。
苛立ちながらも思考は冷静で、淀みのない手つきでリンカーコアを活性化させて汲み上げた魔力をデバイスの魔力回路に流し込んでいく。
だが、必殺を念じて撃ち出そうとした魔力弾は形を成さず、スフィアすら形成されずに結合を解かれて大気中に霧散していく。
同時に体が鉛になったかのような重圧感がのしかかり、膝から力が抜けて体が大きく傅く。

「AMF・・・・ガジェットか!?」

見上げれば、数機のガジェットT型が2人を取り囲むように陣形を組み、AMFを展開していた。
更に後方では、ライディングボードで武装した警邏部隊が迫ってきている。万事休すだ。

「囲まれたか」

「この、魔導師を舐めるなぁっ!

男の1人がデバイスを振り上げて車を押さえつけている少女に突撃する。だが、裂帛の気合いを込めて振り下ろされたデバイスは難なく受け止められ、
そのままビルの壁に叩きつけられてしまう。

434 名前:UNDERDOGSA:2008/11/02(日) 00:56:57 ID:2oMO4swV
「ぐ・・・な・・・・」

それでも抵抗の意思を見せる男に、彼女は容赦しなかった。引き千切った車のバンパーで何度も顔面を殴打し、
痛みで体が動かなくなるまで履いているローラーブーツで踏みつける。目を覆いたくなるような凄惨なその光景に恐れをなしたもう1人の男は、
相方を見捨てて逃げ出そうとするが、鼻先を掠めた熱線がそれを許さなかった。後方にいるライディングボード部隊からの援護射撃だ。
その恐ろしい命中精度を垣間見た男は、恐怖で頬を引きつらせたまま抗うのを止めて動かなくなる。いや、恐怖のあまり意識を失ったのだ。
そして、2人は駆けつけたライディングボード部隊によって拘束され、連行されていった。
それを見送る少女の瞳に意思の光はなく、ただ機械的な双眸がそこにあるだけだった。





白昼に起きた銀行強盗事件と、その後の市街地での大捕り物を一部始終観察していたものがいた。
その男は現場から数百メートル離れた洒落たオープンカフェのテラスで足を組み、優雅に紅茶の香りを楽しんでいた。
腰まで届く緑色の髪に、青年実業家を思わせる高級なスーツ。生憎、端正と思われる容貌は黒いサングラスで隠されていたが、
滲み出る優雅さは隠しきれない。彼がその場にいるだけで、まるでそこが貴族の茶会の場であるかのような錯覚を起こさせる。

(Bランク魔導師を一蹴か。AMF環境下とはいえ、手も足も出ないとは・・・・・)

猟犬から送られてくる映像に嘆息しながら、男は紅茶を啜る。嗅覚は3年前より落ちているが、それでも愛飲しているお茶の香りくらいはわかる。
鼻腔をくすぐる温かみと舌に広がる仄かな苦みは、例え五感が鈍ったこの体でも確かに記憶している。変わってしまった世界でも、お茶の味だけは変わらない。

(警邏隊にすら、彼女達は配備されているのか。となると、各陸士隊に最低二分隊はあると見て良いか)

映像を反芻しながら、銀行強盗を取り押さえた少女のことを考える。強盗2人の身のこなしを見れば、門外漢である自分でも彼らが正規の訓練を
受けたことのある魔導師であることは容易に察することができる。にも拘らず、2人は年端もいかない少女たちに手も足もでなかったのだ。
圧倒的な戦闘能力の差により、完膚無きまでに。
それほどまでに、時空管理局が保有する戦闘機人の性能が優れているのだ。

(何もかも変わってしまった。10分後のこのお茶が、冷えて味がなくなるように)

心の中で自嘲気味に呟き、彼――――――――ヴェロッサ・アコースはカップに残ったお茶を飲み干した。
全ては、3年前のJS事件と呼ばれる出来事から始まった。
稀代の天才科学者にして広域次元犯罪者ジェイル・スカリエッティによる、大型ロストロギアを用いた時空管理局への一大蜂起。
これにより、世界は一変した。
管理局は彼を捕らえることができなかった。
古代ベルカの大型質量兵器〈聖王のゆりかご〉を迎撃するために出撃した本局艦隊は間に合わず、
スカリエッティが長い年月をかけて完成させた人造魔導師、戦闘機人の前に管理局は成す術もなく打ち破られてしまった。
唯一の希望ともいえた、少数精鋭の特殊部隊〈機動六課〉も例外ではなかった。
戦いの中で多くの者が死んでいった。
ゆりかごに突入した者は誰一人として帰還せず、スカリエッティの逮捕に向かったフェイト・T・ハラオウンも重傷を負った。
将来を有望されていたストライカー達も、かけがえのない友と大事な家族を失った。
ヴェロッサ自身も、あの事件で大切な友人と自身の足を失い、後遺症で五感が衰えてしまった。
今は、精巧に作られた義足を取り付け、自身の魔力で作り出した猟犬に目と耳の代わりをさせなければまともに生活するのも困難な状態である。

435 名前:UNDERDOGSB:2008/11/02(日) 00:57:37 ID:2oMO4swV
(そして、JS事件は終わった)

テーブルの上に広げた新聞には、様々なニュースの見出しが載せられていた。

『初のクローン心臓移植患者、順調に回復』

『遺伝子診断で隠れた才能を見つけ出そう』

『徹底比較、デザイナーベビー』

『全身義体化研究、経過報告』

『突撃取材、戦闘機人部隊』

『特集、実弾デバイス』

『これからは遺伝子調整の時代だ』

どれもこれも、3年前では報じられることのなかったニュースばかりだ。
次元世界の平和と安寧を願った時空管理局は、完膚なきまでに敗北したのである。
圧倒的な武力優位に立ったスカリエッティに逆らえる者はおらず、時空管理局は彼の申し出を受け入れるしかなかった。
一つ、自分たちに対する一切の干渉を禁ずる。
一つ、質量兵器や遺伝子操作技術、サイバネティックテクノロジーの解禁。
一つ、上記の技術を導入した上での時空管理局の組織再編。
一つ、聖王教会による聖王ヴィヴィオの認知と、ベルカ王家の復権。
建前上の権力は残されたが、実質的にはスカリエッティによる独裁政治の容認であった。
彼は政治にこそ口出しをしてこなかったが、心おきなく研究を続けられるように管理局を自らの傀儡としたのである。
そして、世界は変わった。
スカリエッティがもたらした画期的な技術の数々が、各次元世界の文明レベルを一気に引き上げたのである。
医療技術の革新は、死亡率を限りなく0に近づけ、また不治の病とされていた病気の治療も可能とした。
科学技術の発展は、交通網の発達による迅速な流通、作業ロボットによる労働力の代替をもたらした。
特に変革が大きかったのは、時空管理局である。
組織再編とともに、管理局の使命に次元世界のロストロギアや優れた技術の確保が組み込まれた。
そして、そのための戦力として遺伝子操作による身体能力や魔力の向上、戦闘機人の量産配備による武力の底上げ、
質量兵器の開発が行われた。
そこに人手不足を嘆かれていた管理局の姿はなかった。豊富な戦力と縦糸に統制された指揮系統による機動力を有し、
スカリエッティが命じるままに他世界へ侵略をしかける非情なる軍隊。それが、今の時空管理局であった。
世界は大きく変わってしまったのである。
最初はあった戸惑いや反発はなくなった。
暮らしは豊かになった、技術は進歩した。不満など、上がるはずもなかった。ごく一部を除いて。

「お茶のお代わりは如何ですか?」

足下に傅く猟犬から受信されたウェイトレスの言葉に、ヴェロッサは意識を現実へと戻した。

「いえ、お勘定をお願いします」

口に笑みだけを浮かべて手を振り、椅子から立ち上がる。たったそれだけで、周りにいた女性陣の何人かから歓声のようなものが上がった。
反射的に、ヴェロッサは彼女達にも会釈を振りまいた。だが、彼の心中はどこか冷めきっていた。もしも今、このサングラスを外して濁った瞳を晒せば、
彼女達はどんな反応を返すであろうか? つい、そんなことを考えてしまう。

「美味しかったです。今度は、あなたと2人っきりでお茶が飲みたいですね・・・・・では」

擦れ違い様にウェイトレスに囁き、ヴェロッサは店を後にする。猟犬が捉えた彼女の顔は真っ赤に染まっており、呆けたように宙を見つめていた。
きっと、しばらくの間は仕事が手に着かないだろう。

436 名前:UNDERDOGSC:2008/11/02(日) 00:58:45 ID:2oMO4swV
(終わっちゃいないさ。僕達のJS事件は、まだ・・・・・・)

変わってしまった世界を歩きながら、ヴェロッサは変わることのない思いを反芻する。
まだ終わってはいない。
例え世界が変わっても、勝利して得られるものがなくなっても、自分達の戦いは終わらない。
その思いのままに戦い続ける者は、彼だけではなかった。





飛来したエネルギー弾が脇を掠め、眼下の地面へと降り注ぐ。
轟音とともに大地が爆ぜる音が響き、断末魔の悲鳴が木霊した。
参謀からリアルタイムで送られてくる戦況図から、仲間の信号がまた1つ消えた。
後悔の念が胸を過ぎる。しかし、それに駆られる暇すら彼女には与えられなかった。
考えるよりも先に手足を動かし、一騎でも多くの敵を切り捨てる。それが今の彼女にできる最善であった。

「レヴァンティン!」

《Schlangeform》

愛剣を蛇腹剣へと変化させ、陣形を組むガジェット達に叩きつける。渦を巻く悲しみの刃は、一瞬の内に20機以上ものガジェットを鉄屑へと変えていった。

『畜生、数が多い』

「泣き言を言うな、我らがやらずに、誰がここを押さえる!」

相棒であるアギトを叱咤しながら、シグナムは手首の捻りだけでレヴァンティンを操り、地上に向かおうとしていたU型の群れを撃墜する。
ユニゾン状態の彼女にガジェット如きは敵ではなかった。だが、いかに強くても所詮は1人。どれだけ奮戦しようとも打ち漏らしは出てきてしまう。

(シャマル、状況は!?)

(正直、ガタガタよ。今はシグナムが空を押さえてくれているから何とかなっているけど、地上はあまり長く保ちそうにないわ)

(ザフィーラを連れてくるべきだったか。増援は!?)

(あまり期待するなと言われたわ。シグナム、消耗の激しい部隊から逐一離脱させるから、それまで時間を稼いで)

(わかった。いくぞ、アギト!)

『お、おう!』

残った力を振り絞り、シグナムは炎の鞭を駆使して群がるガジェット達を迎撃する。
そうしながらも、シグナムは悔しさで歯嚙みしていた。
彼女達が攻撃をしかけたのは、管理局が密かに設立した人造生命製造プラントであった。
スカリエッティがあらゆる違法な研究の容認を認めさせて以来、法の番人である時空管理局ですらこのような施設を保有するようになったのである。
そこで行われているのは非道な人体実験の数々であり、そこで培ったデータは管理局やその上に君臨するスカリエッティに送られるようになっている。
そして、当然のことながら民衆はその事実を知らない。彼らにとって時空管理局は平和と秩序の象徴であり、道徳に反する研究が行われていることは
徹底的に隠ぺいされている。世界は、誰も知らないところで確実に捻じ曲がってしまったのだ。
レジスタンスとして地下に潜伏していたシグナム達は、その歪みを正すために活動していた。
そして、山岳部に設けられたこの施設を発見し、少数の仲間を率いて行動に出たのである。

『シグナム、左だ!』

「くっ!」

アギトの言葉で咄嗟にレヴァンティンを長剣形態に戻し、左から繰り出された斬撃を受け止める。
鋭いその一撃は異様に重く、人間では到底成し得ることのできない威力だ。


437 名前:UNDERDOGSD:2008/11/02(日) 01:00:02 ID:2oMO4swV
「戦闘機人か!」

二撃目が打ち込まれる前に腹を蹴り飛ばして距離を取り、消費したカートリッジを補充する。
眼前には2本の長剣を構えた近接型の量産型戦闘機人が隊列を組んで飛翔していた。平時ならば決して遅れをとる相手ではないが、
高濃度のAMF環境下で全力のまま戦い続けたことで体力・魔力ともに消耗している。いくらアギトとユニゾンしているとはいえ、
この状況は極めて不利だった。

(シグナム!)

(シャマルか!?)

(側面から攻撃を受けたわ。何とか凌いだけど、戦闘機人が・・・・・・・)

(こちらにも現われた。どうやら、あいつは本気で私達を潰そうとしているようだ)

怒りで奥歯を噛み締めながら、シグナムは遙か遠くに陣を構える敵の司令官を睨みつける。
視線で炎を灯せるのなら、間違いなくあいつを焼き殺すことができるほどの憎悪がそこに込められていた。

「何故だ・・・・・何故なんだ、グリフィス!!」





仮設司令部である装甲車内で戦闘の指揮を取っていたグリフィス・ロウラン准将は、通信機越しにシグナムの叫びを聞いていた。
彼女の嘆きも最もだろう。自分はかつて、彼女と同じ部隊に所属し、同じ正義を志していた。だが、体制は変わったのだ。
上司であり、シグナムが忠を尽くす騎士である八神はやてへの恩を感じていない訳ではなかったが、
彼女のように古臭い騎士道精神や忠義心を振りかざすつもりは毛頭なかった。
あくまでも自分は組織の歯車。時代や情勢で移ろう敵と戦うための駒でしかないのだから。

「道徳、倫理、大いに結構。ですが、綺麗事では世界は動かせない。時代は変わったんですよ、シグナム元二等空尉。
変わってしまった以上、それに従うのが公僕というものです。例え汚れた営みの上に立つ楼閣であったとしても、
そこに住む人々にとっては美しい楽園に変わりはない。それを守るのが、管理局としての僕の使命だ」

グリフィスは、愛用の眼鏡のズレを直し、戦局図に向き直る。
状況は圧倒的にこちらが有利だった。戦闘機人やガジェットの導入により、戦力不足を解消された今の時空管理局に出遅れるという概念は存在しない。
連絡を受ければ、その事件に対して必要な戦力を迅速に届けることができる。今回も、施設が攻撃を受けた5分後には出動の準備が完了しており、
広域転送で即座に駆けつけることができたのである。

「粘るな。さすがは烈火の将、たった1人でよくここまで押さえられる。けど、あなたとは知らない間柄じゃない」

無表情のまま、チェスの駒を動かすように、各部隊に指示を送る。
機動六課時代のグリフィスの役職は部隊長補佐であり、同時にシグナムが隊長を務める実動部隊の責任者も兼ねていた。
当然のことながら、彼女の性格から戦術の構築内容まで、全てを把握している。

「攻撃的な布陣は相変わらずだ。ならばここに部隊を展開すれば・・・・・ほら、やはり引っかかった。
残念だけどそれはブラフだ。本命は後ろの砲撃部隊。シャマルさんだけでどこまで守り切れるかな?」

こちらが新たなカードを1枚切る度に、戦場の様子は面白いように変わっていく。
砲撃部隊による火力支援、少数の隠密部隊によるかく乱、数にモノを言わせた正面突破に機動力を生かした側面・背面からの奇襲。
いくら敵に2人のエースがいるとはいえ、所詮は生身。戦い続ければ疲弊し、動きも鈍ってくる。だが、戦闘機人にはそれがない。
生体をパーツとしている以上、疲労がない訳ではないが、それでも常人を遙かに上回る体力と耐久性を誇る。
そして安定した威力と高い量産性を誇る質量兵器。この2つを前にすれば、彼女達とて敗北は免れない。

「まあ、増援が来ないとも限らない。いや、彼らの性格を考えれば確実に来る。その時はお願いしますよ、アルピーノ一等陸尉」

鈍く光る眼鏡のズレを直し、傍らに立つ少女の話しかける。
ルーテシア・アルピーノ。スカリエッティに協力する召喚師にして、既存の指揮系統に組み込まれていない遊撃隊員だ。


438 名前:UNDERDOGSE:2008/11/02(日) 01:00:38 ID:2oMO4swV
「君がここにいるとは、思いもしなかったよ」

「母さんがいるから」

「うん?」

「ここには母さんがいる。だから、壊させちゃダメ」

「なるほど」

彼女の母、メガーヌ・アルピーノの肉体が治療という名目で保管されているのは、どうやらこの施設のようだ。
彼女は気づいているのだろうか。愛してやまない母親が、永遠に目覚めることのない眠りに強制的に着かされていることに。

(知らないのだろうな、きっと)

グリフィスには彼女の事情は断片的に聞き取ったことしかわからないが、それでもスカリエッティに彼女の願いを
叶える気がないことくらい容易に察することができる。メガーヌは地上本部の元武装局員であり、
現行の管理局の主戦力であるガジェットや戦闘機人と敵対していた経験がある。そんな彼女が目覚めれば、
間違いなく愛娘を戦いから遠ざけようとするだろう。最悪、ルーテシア共々敵に回るかもしれない。
そうなると、彼女の召喚魔法は非常に厄介な相手だ。こちらとてただでは済まないだろう。
故に、ルーテシアの母が目覚めることは決してない。そして彼女はこれからもスカリエッティの傀儡として利用され続けるのだ。
もしも、そのことに彼女が気づけばどういう末路を辿るのか、それ以上は考えたくもなかった。

(揺らぐな。同情では何も変わらない。彼女を救えるとしたら、それは・・・・・・・・・)

ズレてきた眼鏡を指先で押し上げ、雑念を遮断して指揮に集中しようとする。
その時、副官であるルキノ・リリエからの報告が飛んだ。

「准将、高速で接近する反応・・・・・・これは?」

「ルキノ、報告は簡潔にだ」

「は、はい・・・・・・反応は1つ。推定AAランク、もの凄いスピードで近づいてきています。エンゲージまで後30秒」

その言葉に、グリフィスは無言で眼鏡のズレを直す。
予想通り、増援がやって来たようだ。しかも、ルーテシアが戦う相手としては格好の人物だ。

「楽しい?」

「そう見えるかい?」

「うん」

「戦いを楽しいなんて思ったことはないよ。君はどうなんだい、ルーテシア?」

「わからない」

「そういうものさ」

「あなたのことも、よくわからない」

ルーテシアは踵を返し、指揮車の出口へと歩を進める。

「けど、お仕事はちゃんとするから」

感慨などと呼べるものは何もない、無感動な響きだった。
命じられたからそれをこなす。疑問など持たず、反論などせず、躊躇などしない。
感情を抑制された人造魔導師や戦闘機人は、既に人間とは呼べないのかもしれない。

439 名前:UNDERDOGSF:2008/11/02(日) 01:01:22 ID:2oMO4swV
「良いの、このままで?」

「何をだい?」

「管理局にい続けるということは、スカリエッティの非人道的な研究の手助けをするということだよ」

副官としてではなく、友人としてルキノは言う。
彼女の言いたいこともわからないわけではない。いや、一般的な感情からすれば、寧ろそれが当たり前である。
人を人とは思わぬ非道な実験、生命を弄ぶ禁忌の技術、使い手を選ばない非情な質量兵器。
そんな研究の片棒を担がされていると知れば、誰だって嫌悪感を示す。だが、スカリエッティが世界の頂点に君臨したことで、
人々の生活が豊かになったのは事実だ。死傷者は減り、技術は発達し、管理局は人手不足を解消された。
それらは全て、禁じられていた技術の恩恵によるものである。そして、一度でも甘い汁を覚えた者は、それを手放せなくなってしまう。
もしもスカリエッティを打倒し、再びそれらを禁じてしまえば、確実に世界は混乱して暴動が起きる。
政治、経済、軍事、文化、今やありとあらゆるところで違法技術が用いられているのだ。
杖を失った老人は、成す術もなく倒れ伏して二度と起き上がることはできない。

「ルキノ、僕はもう決めたんだ。君まで付き合う必要はないよ」

「私も、あなたに付いて行くって決めたから、ここにいる」

「なら、この話はこれで終わりだ」

「・・・・・了解しました、ロウラン准将」





何百回目かの攻撃を受け流したところで、とうとうシグナムは動けなくなってしまった。
レヴァンティンの刀身に纏う炎も目に見えて小さくなってきている。アギトからの補助も徐々に弱まっており、これ以上はユニゾンを維持し続けるのも難しい。
かと言って、ここでユニゾンを解除すれば隙のない連携を繰り出してくる戦闘機人達に押し切られてしまう。地上からの援護もアテにならないだろう。
支援役であるシャマルは、戦闘機人の猛攻から必死で仲間を守りつつ、退却の隙を伺っている。とてもこちらに気を配る余裕はないはずだ。

『くそっ、嫌な空だ。天気まで暗くなってきてやがる』

頭上でとぐろを巻く雨雲に、アギトは悪態を吐く。彼女の言うとおり、黒い雲に覆われた空は鬱屈した気分を呼び起こさせる。
時々聞こえる雷鳴の不吉な音は、まるで自分達の死を待つ死神の呻きのようであった。

「まだだ、まだ死ねん。志半ばで天に召された主やヴィータのためにも、まだ私は死ぬ訳には・・・・・」

残るカートリッジを連続リロードさせ、燃え滾る炎の刃を眼前の敵に叩き込む。限界を超えた魔力行使に肉体が悲鳴を上げ、
断末魔の如き魔力残滓が地上へと降り注いだ。
シグナムの限界が近いことに、アギトは無言で歯嚙みした。本格的に管理局と事を構えるようになって以来、シグナムは常に前線に立っている。
圧倒的に戦力が不足しているという理由もあった。だが、それ以上に一騎当千のヴォルケンリッターの将が最前線で脅威を打ち払うことで、
仲間の士気高揚を図るためでもあったのだ。そのため、シグナムは傷を癒す暇すら与えられずに戦いを強いられている。
そして、とうとう肉体の限界が訪れようとしているのだ。このままでは、遠からず彼女は存在を維持できずに消滅してしまう。

『・・・シグナム!』

「・・!」

頭上からの一撃を受け止めきれず、バランスを失ったシグナムの体が大きく落下する。
何とか墜落は免れたが、ダメージが酷くて腕に力が入らない。アギトが懸命に治癒魔法を施してくれてはいるが、
回復し切るまで敵が悠長に待ってくれるわけはなく、シグナムは残った魔力を総動員して防壁を展開する。
無論、AMFによって本来の防御力を発揮できない状態では焼け石に水でしかなく、全方位から打ち込まれる強力の剣に、堅牢なベルカの鎧は瞬く間にひびを走らせる。
後一撃。後一撃打ち込まれれば、バリアごと自分達は切り捨てられる。主と仲間の仇も討てず、先に死にゆくことをシグナムは心の中で仲間達に詫びた。

440 名前:UNDERDOGSG:2008/11/02(日) 01:01:58 ID:2oMO4swV
(すまん、みんな・・・・・・・)

シグナムは己の死を覚悟し、せめてアギトだけは逃がそうとユニゾンを解除しようとする。
その瞬間、彼女の頭上で金色の光は煌いた。

「サンダーブレイド!!」

少年の槍が一閃されるとともに雷鳴が大気を引き裂き、頭上の黒雲から飛来した無数の雷の刃が背後から戦闘機人達を串刺しにする。
自然の力を借りて生成されたその刃は魔法でありながらAMFで無効化できない属性を帯びており、
とどめの一撃を振り下ろさんとしていた彼女達は衝撃で眼下へと落下していく。

「ブレイク!」

すかさず発せられたコマンドにより、雷の刃が爆散して放電をまき散らす。
肉体を機械化している戦闘機人にとって電気は天敵であり、体内の精密機械をショートさせられて機能障害を起こした彼女達の動きは目に見えて鈍くなっていた。
同時に、腕の感覚を取り戻したシグナムは渾身の力を込めて蛇腹剣を走らせ、散々苦しめられた戦闘機人を行動不能に陥らせていく。

「シグナム副隊長!」

「エリオか!」

空薬莢を排出し、デューゼンフォルムへと変形させたストラーダでエリオ・モンディアルは滞空する。

『遅いぞ、来るならもっと早く来やがれ!』

「す、すみません」

怒鳴りつけるアギトを前にして、エリオは恐縮したかのように身を縮こまらせる。
背丈が伸び、顔立ちが大人びたものに変わっていても、エリオは3年前と何も変わっていない。
ただ一つ、傍らで共に戦う少女がいないこと以外は。

「エリオ、増援はお前だけか?」

「はい。現状で動けるのは僕だけです」

「わかった、お前は地上の援護に向かってくれ。数分だけでも時間を稼げれば、シャマルが部隊を撤退させる」

「わかり・・・・ストラーダ!」

《Düsen!》

不意に魔力噴射でシグナムの頭上を飛び越えたエリオは、振り下ろされた異形の爪をストラーダの穂先で弾き返した。
すると、ぐにゃりと空間の一部が歪み、漆黒の鎧を纏った人型の昆虫が姿を現す。

「ガリュー・・・・・・なら、彼女も!?」

「エリオ!」

「地上をお願いします。彼らは僕が!」

「・・・・死ぬなよ」

消耗している自分では足手まといになると感じたシグナムは、後ろ髪を引かれながらも地上の部隊の援護へと向かう。
すかさず、ガリューは追撃をかけようとしたが、持ち前の研ぎ澄まされた感覚で動きを先読みしたエリオは2人の間に回り込み、
手にしたストラーダを振りかざす。

441 名前:UNDERDOGSH:2008/11/02(日) 01:03:04 ID:2oMO4swV
「久し振りだね、ガリュー。そして・・・・・・ルー」

3年前のあのあどけない童顔からは想像もできない鬼のような形相で、エリオはガリューとその背後に立つ少女に語りかける。

「あれから、3年経った」

「だから?」

ガジェットU型に搭乗して現われたルーテシアが、感情のこもらない言葉で聞き返してくる。
演技ではなく、本当に何を言われているのか理解できていないようであった。その佇まいを垣間見て、エリオの胸の内に焦燥にも似た思いが駆け巡る。
彼女はわかっていない。自分がどうしてここにいるのかも、どうして自分達が対立しているのかも。
その小さな手をどれだけ汚してきたかも知らずに、彼女はただ1人の家族のことだけを思って生きているのだ。

「ルー!」

「あなたは・・・・・私を殺すの?」

「・・・・・・・・」

「無駄だよ。あなたじゃガリューに勝てない・・・・・あの娘と同じように、私に殺されるだけ」

「・・・!」

ストラーダの柄を握り締める手に力がこもる。
そう、自分のパートナーであるキャロ・ル・ルシエは、3年前に彼女の手で殺された。
スカリエッティに協力する訳を知りたい。ただそれだけの理由で何度も呼びかけ続けた彼女を、ひょっとしたら友達になれたかもしれない少女を、
ルーテシアは自らの召喚蟲の手で無残にもその命を奪ったのだ。

「確かに、君はキャロを殺した。僕はきっと、それを許すことはできないと思う。けど・・・・・・・」

憎しみからは何も生まれない。
我が身の不幸を呪い、誰かを憎むことは簡単である。だが、憎んだところで悲しみや怒りが終わることはない。
既に発生してしまったどうしようもない悲しみをなくすことなど、できはしない。
きっと、恨むことを彼女は望んではいない。憎しみ合うことを望んではいない。
ならば、自分の役目は最後までルーテシアと分かり合おうとしていた心優しき召喚師の願いを叶えてやることだ。

「名前を・・・・教えて・・・・・」

「・・・・・・・・」

「僕は君を憎まない。キャロはそれを望まない・・・・・・・だから、僕は君を解放する!」

槍を一閃させ、戦闘態勢を取る。
やり場のない嘆きと悲しみの連鎖を断ち切るために。
今は亡き、大切な家族の思いを果たすために。

「僕はエリオ・・・・エリオ・モンディアル。教えて欲しい、君の名前を!」


                                                    to be continued


442 名前:B・A:2008/11/02(日) 01:05:03 ID:2oMO4swV
以上です。
過去作よりも無茶度5割増し。
長らくエロばかり書いていたせいか、無性にどシリアスを書きたくなった結果です。


443 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 01:10:46 ID:nPCYBhgw
GJ!
そしてキャロ………(泣)

>>ゆりかごに突入した者は誰一人として帰還せず、
なのはさんとヴィータ……部隊長もか……まさかスバティアまで?
悪夢にGJ

444 名前:詞ツツリ:2008/11/02(日) 01:16:01 ID:jGNap90V
B・A氏、GJ!
なんていうか、グリフィスが組織に仕えるものとしては正しい生き方を全うしているのが泣ける。
この分だとギンガもスバルもティアナも全滅か。
フォワードと副隊長で生き延びているのはシグナムとエリオだけ。
絶望的だよ! 聖王教会所属のシャッハとかはロッサを護りきれなかったんだろうか?
シグナムがアギトに仕えているってことはゼストは結局アギトを託したのかな?

うーん、想像だけが膨れ上がりますね。
悲惨な状況にwktkする自分が居るし、欝になる自分も居る。
この悲しい物語の始まりからどのような未来に辿り着くのか楽しみにしてます!
頑張ってください!!

……ヴァイスとクロノは無事なのかぁ!?(個人的な感情の発露 おちつけ)

445 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 01:26:10 ID:TfH2QuHg
>>442
うわぁ、悲惨だ…ifルートに進んでコトが進展すると、こんな風にもなっちゃうのか;
ただ、今のままでも何も知らない人たちは幸せな生活を送っているっていうのがなんとも…
下手をすれば、旧六課メンバーは『悪の手先』として後ろ指を指される生活を強いられることになるやもしれんのぅ('A`)
これからこの世界は何処へ向かっていくのか、この目で確かめさせてもらいたいと思います。 乙&GJ、続き待ってます。

>>444
>……ヴァイスとクロノは無事なのかぁ!?
>ヴェロッサ自身も、あの事件で『大切な友人』と自身の足を失い、後遺症で五感が衰えてしまった。
…最悪の覚悟だけはしておいた方がよろしいかと存じます…クロ助orz

446 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 01:49:39 ID:zDIpjQgJ
これでエリオが勝ち続けていくのだけは勘弁だな
そんな話はもう飽きたし
むしろルーにボコボコにされていく展開なら万々歳だ

447 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 01:53:36 ID:nPCYBhgw
だったらスルーして他の話読んでりゃいい。
幸い、このスレは職人さんも豊富だ。

448 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 02:11:22 ID:Hlrcwoct
まあ気持ちはわかる。
この人の長編は同じ展開だからな〜。

449 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 04:06:01 ID:fzK+Pb3p
GJです
非人道的な手段で弄ばれてる命があるとはいえ、一応スカの技術で多くの人々が救われてる世界にエリオ達がどう向き合っていくのか楽しみです。
今の状況を望む人もいるだろうし、問題があるのは前も現在も変わらないし、簡単にスカを否定はして欲しくないな、とも。
今までの作品と違って世界が敵役の恩恵を受けてる以上、最終的に勝利したとしてもエリオ達が非難を受ける事や、グリフィス以外にもエリオ達と道を違えたキャラ絡みの欝展開も期待できるかも
この時点でもそういう雰囲気も感じさせる氏のSSの続き、期待してます

450 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 04:42:17 ID:+kCWTmsa
フェイトとかはどうなったんだ?

451 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 07:02:55 ID:gTk6tIsg
>>442
GJ!!
この世界ではキャロの言葉は届かなかったのか…そして…
この戦いエリオ達が勝てたとしても世界がどうなるかわからない。
もう色んな意味で続きが気になります。
若干荒らしっぽい人達がいるようですが、気にせずB・A氏の思うがままに書き続けて下さい!


452 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 08:17:42 ID:L3lUv/Mi
>>451
酷評や苦言を荒らし扱いはどうかと思うぞ?
まぁそもそも俺はB・A氏の作品は読んでないんだけどね

453 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 10:33:29 ID:iRXiN5KF
読みたくなければ黙ってスルーすればいいだけ

それを一々口にするのは嵐と似たようなもんだ

454 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 10:50:24 ID:HfIiQXgj
>>452
実際擁護にならないよねこういうの
気にせずも何も書きたいから書くわけだし
それどころか貴方の書くものは完璧ですあいつらは嵐ですって
露骨に持ち上げたって逆効果になりかねないよ

455 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 11:28:28 ID:YybLglSP
>>442
これは是非シリーズ化して欲しいです!
ルーテシアが最愛の女性ではなく、憎むべき相手だった世界
キャロの仇の相手…
しかし、エリオが完全な復讐鬼になってなくて安心しました
もしそうなってたら、問答無用でルーテシアを殺すか捕まえて奴隷扱いをしたり
グリフィスの見てる前でルキノを犯した後、二人とも拷問して殺したりとそんな妄想が浮かんでしまいました。でもちょっとだけ見たかったり…
嵐がうざいですがスルーして続けてください。GJ!!

456 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 13:34:46 ID:WshOcB0Z
GJ!!です。
こうゆうのはあんまり見たことがないので楽しみです。
いっそ、主要のキャラは正義なんて何のそのエゴでスカ博士を殺しちまってもいいじゃないか?w
技術の革新や死者の減少、治安の回復、それは認めるがスカ博士おめぇの存在は認めないとかw

457 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 13:48:08 ID:1PugCBRQ
しかしこのスレに長くいるせいかグリフィスが悪役でもまったく違和感を感じなくなったなぁ〜
むしろ、今回は比較的まともだが鬼畜眼鏡が俺の中でデフォになってるし

458 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 14:46:02 ID:TJHJYFnu
そうか?俺も結構長いこといるにはいるが違和感バリバリだぞ?>鬼畜グリフィス
本編では情けないシーンの方が多かったし報われなくてかわいそうな子ってイメージがどうしてもある

459 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 15:02:20 ID:6H7rIaHY
さて、SSXネタの一番乗りは誰かなー。などと期待してみたり。


460 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 15:02:42 ID:nPCYBhgw
受け取め方は人それぞれなんだから別にいいじゃない。

461 名前:69スレ264:2008/11/02(日) 15:11:47 ID:+7mvzWBb
業務連絡です。
86スレ保管完了しました。
職人の方々は確認お願いします。

462 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 16:08:52 ID:azJ1qPpB
>>461
補完作業乙!! 超乙!!

463 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 16:26:46 ID:2oMO4swV
>>461
乙です

464 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 17:38:25 ID:+XRksIXC
>>442
それまで禁忌とされた技術が解放されて
遺伝子いじるのとかも当たり前になった世界
エリオが「自分はクローンです」って言っても
別にそれくらい普通って反応される

あれ?これでもう自分の出生のことコンプレックスに思わなくてよくね?
六課の仲間が死んだこととか考慮に入れなければ
こっちの世界のほうがエリオにとって居心地よかったりして

ってことでエリオが寝返り組に入ってても面白いかと思った

465 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 17:57:44 ID:hxZyLTiS
>>461
いつも乙です
つ旦

466 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 18:01:48 ID:f6H+RxcX
>>455
パクリだけはやめて欲しいけどな
前回のは明らかにフルメタのパクリと思われるところがあったし

467 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 19:21:44 ID:nrrbQrQt
>>442
GJです。
ここの世界は技術が行き過ぎて、古代ベルカの二の舞になるかもしれませんね。
まさに無限の欲望が世界を飲み込む感じで。


468 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 20:58:01 ID:5Pk2QQ3s
投下予告、最終チェックが終わり次第、一本投下します

469 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 21:00:49 ID:TfH2QuHg
>>468
お、誰かは知らんが待ってるぜー

470 名前:26-111:2008/11/02(日) 21:06:35 ID:5Pk2QQ3s
>>69スレ264氏
お疲れ様です。お世話になってます・・・
確認させていただきました。全力で大丈夫です。感謝感謝
貴兄への応援になるか迷惑になるかは判断の分かれるところですが・・・一本行かせていただきますぜ

投下予告です

・メインはイクス。つまりSSXネタです。SSX本編の内容にはあまり触れませんが、未聴の方はご注意ください
・エロ、一応エロ。ペドだけは勘弁な!って言ってたのは・・・スマン、ありゃ嘘だ
・使用レス数:10レス
・タイトル:“イクスヴェリア”の生誕
・SSX未聴で、SSXネタは絶対に触れたくないと言う方は、タイトルでNGをお願いします
・繰り返します。SSX未聴で、SSXネタは絶対に触れたくないと言う方は、タイトルでNGをお願いします
・しつこく繰り返します。SSX未聴で、SSXネタは絶対に触れたくないと言う方は、タイトルでNGをお願いします

3回、警告しておけば大丈夫ですよね?ですよね?
では、投下します

471 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:07:59 ID:5Pk2QQ3s
私は、きっと産まれた瞬間から自分の役割を知っていたんだと思う
私が創り出された理由、為すべき事・・・“兵器”と言う言葉の意味
つまり私は壊す為の存在で、殺す為の存在で、焼き尽くす為の存在なんだって

それは、もう千年以上も昔の事。まだ、ベルカの地が諸王による戦乱によって喰い潰される少し前の話・・・ガレア王国の王城。その地下牢獄から、この話は始まる・・・



○“イクスヴェリア”の生誕



「・・・こんな娘が、そうなのか?」

薄暗い、陰気な雰囲気が漂う城の地下牢獄・・・そんな闇の中で、低く、重く響いた男の声があった
筋骨逞しい大男で、身体のあちこちに刀傷や火傷の痕が残っている。着込んでいる衣服はと言えば、赤黒い汚れがこびり付いた革製のズボンにブーツ
上半身は肉食獣の毛皮を巻き付けているだけで、おおよそ半裸と言える身なりで、腰には無骨な拵えの長剣を差している
どこからどう見ても“蛮族”と呼ばれるべき風体だが、獅子の鬣のような蓬髪の中には、薄汚れた黄金製の宝冠が埋もれていた

恐るべき事に、この大男は“王族”であった

戦乱の真っ直中という御時世に於いて、“王”を名乗るのは別に難しい話ではない
力を示す事。ただその一点のみが、この戦乱の時代に於いて王が王である事を証明してくれる。最早、血統など何の意味も無い・・・そんな時代だったのだ

「はい、その通りであります。王よ」

闇の中で恭しく跪いた影が、へりくだった口調でそう言った

「その者こそが、例の屍共の王・・・アレを創り出す核を生み出せる者にございます」
「ふぅむ・・・ただのガキでは無いか?」
「王よ、外見こそただの無力な子供ではありますが、その者は歴とした古代兵器にございます。ご油断、召されませぬよう・・・」

472 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:08:30 ID:5Pk2QQ3s
王、と呼ばれた大男は、床に置いていたランプを掴み取り、牢獄の壁に鎖で拘束されている少女に向けた
柔らかい丸みを帯びた頬肉を炙るつもりなのでは、と思えるくらいに小さな炎を顔に近付け、太い指で顎を掴む
力を込めれば握り潰せそうな程、細い下顎が小さく軋んだ・・・それでも、彼女は特に苦痛を感じた素振りもなく、頬を炙るランプの熱も全く気にしていない様子だった

「ふん、薄気味の悪いガキだ。悲鳴の一つも上げんか」
「・・・それが、私の役目でしょうか?」

か細い返答に、王と、従者は目を丸くした
従者ははようすだったが、はっきりとたじろいた様子だったが、王は分厚い唇を捲り上げるような笑みを浮かべている

「ふむ、口は利けるか」
「・・・はい」
「良かろう。お前は俺は所有物となった。俺の覇道の為にお前は力を振るえ。良いな」

余りにも強引で、一方的な王の言葉だったが、彼女はこくりと頷いてみせた

「・・・忠誠を、お誓いいたします。我が、王よ」

臣下の礼を取ろうとでもしたのか、彼女は身を縛る鎖の中でもぞもぞと身を捩り、やがて、困ったような顔を王に見せた
その姿に何を思ったのか、王は牢獄の闇を吹き飛ばすように呵々大笑すると、錆の浮いた鎖を掴み取るや、そのまま力任せに引き千切って見せた

「来い、貴様の力を見せて貰おうか」
「・・・はい」
「お、お待ちください!王よ!」

腰を抜かしていた従者が、這い蹲った格好のまま、悲鳴のような声を上げて王を制止した

「さ、先程申し上げました通り、その者は殲滅兵器・・・危険極まりない存在にてございます!不用意に解き放っては、御身に災いをもたらしますぞ!」

彼の目には、王の傍に佇んでいる少女が、少女には見えていない・・・言うなれば、悪魔が解き放たれたような感覚なのだろう
だが、そんな従者が発した、必死の諫言など聞こえぬように、王はずかずかと歩き始めた

473 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:09:04 ID:5Pk2QQ3s
「王よ!」
「やかましいぞ。この娘の力を見たい。とっとと来ぬか」
「し、しかし・・・」
「おい。この娘の災いとやらに殺されるのと、今この場で俺に斬り殺されるのはどちらが恐ろしいか、確かめてみるか?」
「・・・!?・・・か、畏まりました・・・」

決して、冗談などではあるまい・・・抜き身の刃で首筋を撫でられるような殺気を向けられて、彼は腰が引けた格好のまま何とか起き上がり、王と少女の後を追った



城の廊下を歩く3人の姿に、臣下の多くは思わず目を疑った

先頭は、王である。普段は自室で寝ているか参謀達と地図を眺めているかのどちらかである王が、堂々と廊下を突き進んでいる
その口元には、戦場でしか浮かべないような獰猛な笑みが宿っており、何やら不吉な予感がする程上機嫌そうに見えた

そして、王の後ろ。大股で歩く彼の後ろを小走りに追い掛ける、薄汚れた格好の少女
歳の頃は10に満たぬ程だろうか?城の中には子供も居るが、彼の王の後ろを追い掛けて歩くような命知らずな子供は居ない筈だ
あまつさえ、王は彼女の方を振り返り、「さっさと来い」などと促している

さらにもう一人、少女から5歩分は離れて、腰が引けた様子で祈りの言葉を呟きながら足早に歩く従者の姿
ブツブツと呟く祈りの言葉は、少女が不思議そうな顔をして振り返った瞬間、喉の奥で凍り付いた
助けを求めるように周囲を見回すが、帰ってくるのは奇異な者を見詰める視線ばかりである

誰一人として、この城の日常にはそぐわない。そんな3人は玉座の間に到着すると、王はどかりと玉座に腰掛けた
玉座、と言っても絢爛豪華なわけではない。王が戦場で斬り伏せた将の得物で飾り立てている所為で、むしろ禍々しい王の座であった

「さて、それでは見せてもらおうか。お前の力をな」
「・・・」
「お、王よ・・・」

からからに干上がった口調で、従者は王を諫めようとするが、鋭い眼光に射抜かれて言葉は最後まで発することができない

474 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:09:36 ID:5Pk2QQ3s
「準備が必要ならさっさとせんか」
「は、はっ・・・しかし、例の屍兵共は、人間の死体を依り代として生み出される者ですので、流石に、玉座の間では・・・」
「構わぬ。死体など今更珍しくも無い・・・新鮮な死体が必要ならば、お前を斬り殺して作るとしようか?」
「し、しばしお待ちをッ!」



およそ10分後・・・



玉座の間は、王命の下に呼び集められた参謀や将達で埋め尽くされた
玉座の正面にぽっかりと空いた人の輪の中には、年端もいかぬ少女と・・・どこから調達してきたものか、まだ血も生乾きな男の死体が放り出されていた

「これで、準備は整いましてございます・・・」
「うむ、良かろう」

従者の言葉を受けて王は満足げに頷くと、立ち上がり、玉座の間の隅々にまで蛮声を轟かせた

「我が将兵等よ、良く聞けぃ!その者は、この度我に忠誠を誓った古代兵器の一つ!此度はその真価の一端を垣間見せよう!」

古代兵器という言葉に、細波のようなざわめきが起こった・・・そして、王は不安そうに辺りを見回している少女に歪んだ笑みを向け、震えている従者を睨み下ろすと、

「やれ」

とだけ、短く命じた
従者は震える吐息を吐き出しながら古文書を繰り、そこに掛かれている一節・・・彼の少女への命令を強制する言葉を唱え始めた
言語とは思えない不気味な音の羅列が静かに玉座の間に響き・・・それが進むにつれて、少女の顔が青ざめてゆく
彼女は耳を両手で塞いで、抗うように首を振るが、

「く、ぅぁっ・・・」

475 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:10:07 ID:5Pk2QQ3s
苦悶の表情を浮かべたまま、ふらふらとした、操られる様な足取りで死体に向かって近寄ってゆく
助けを求めるように周りを見回すが、返ってくるのは好奇の視線ばかりで、彼女の願いは叶えられそうにない
勿論、もしも今この場で、彼女を助けるような輩が出てきたら、問答無用で王に斬り捨てられ、二つ目の死体ができあがるだけだろうが

「くぅぅっ・・・ひ、あ、ゃぁぁっ・・・!」

少女は死体の傍らに少女は跪くと、何を思ったのか薄汚い衣服の裾を捲り上げ・・・股間を指先でまさぐり始めた

「?・・・おい、どういう事だ」
「し、詳細は私にも分かりかねますが・・・古文書によれば、先程の命令で間違いは無い筈です・・・」

いきなり、大衆の面前で痴態を晒し始めた少女の姿に、王は小声で従者に詰問したが、従者としても理解不能である
ただ、彼女は操られるように平坦な胸を掌でさすり、ぴったりと閉じた秘部を撫で上げている

「ひぅっ!?あっ、ひぃゃぁぁっ!」

何が起こっているのか、何を起こそうとしているのか。観衆からのざわめきが徐々に大きくなってゆく
快感の為か、背筋を震わせながら、悲鳴の様な嬌声を上げる少女の身体がびくびくと跳ね、やがて、彼女の指先に塗れ付く体液が秘部から滲み出てきた

事の成り行きを玉座で眺めていた王は不機嫌げに眉を顰めて、オロオロと狼狽している従者に低く囁いた

「・・・古代兵器とはどれ程の者なのかと期待していれば・・・貴様、俺を謀ったか?」
「め、滅相もございませぬ!ただ、私としても理解不能でして・・・」

顔面蒼白になっている従者を本気で斬り殺すつもりで王は長剣の柄を握り、玉座から腰を上げようとして、


少女の異変に気付いた


「ぃ、あ、はぁぅぅっ!ひゃ、あ、ん、んんっ!」

476 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:10:38 ID:5Pk2QQ3s
観衆の中にも、同じモノが目に入った者が何人か居るらしい。言葉を無くして硬直している
それは、人間であれば絶対に有り得ない筈の光景だった



指先で弄られている秘部から滴り落ちるほどに溢れてきた愛液が、墨のようにどす黒い色をしていたからだ



掌と股を、真っ黒に汚しながら喘いでいる少女は、肩で息をしながら死体に取りすがり、血で固まりつつあったズボンを苦労して剥ぎ取り、
もはや二度と屹立することのない死体の性器を摘み出し、秘部から溢れ出る真っ黒な愛液を塗り付ける

「・・・」

満場言葉も無い玉座の間で、ただ少女の吐き出す荒い息遣いと、押し殺しきれない嬌声が響き渡る
愛液を塗り付けられた死体の性器は、何の作用なのか硬く勃ち上がっている・・・いや、根本がフニャフニャと安定していないところを見ると、
塗りたくられた愛液だけが固まっているらしい。そして、表面だけの硬さを取り戻した死体の逸物を、少女はどす黒い愛液をしたたらせる秘部へと強引に挿し入れた

「ふああぁぁぁぁっ!!!」

年端も行かぬ少女の秘部には、どう考えても不釣り合いな大きさの性器が呑み込まれ、彼女は目を見開いて苦悶の悲鳴を上げる
それでも、身体だけは操られるように、死体を“犯し”始めた

「ぎぅっ!ふ、ぅあぁぁっ!いやぁぁっ!!」

大きな瞳の端から零れ落ちる涙の理由は、苦痛なのだろうか。それとも、死者への冒涜を責めているのか
どす黒い愛液とは対照的に、涙は透明な雫となって頬を伝い落ちてゆく
だが、涙を零しながらも彼女の腰は卑猥に蠢き続けている。死体の腰に跨るように性器を咥え込み、肩に手を付いて身体を揺すり立てる
内股を真っ黒に染めるほどの愛液を垂れ流しながら、死者への陵辱は続き・・・

「んぅぅっ!!く、あ、ああぁぁぁぁっ!!!!」


477 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:11:10 ID:5Pk2QQ3s
一際大きな絶叫と共に、少女の身体が弓形に反り返った
ついに絶頂に達したらしい、くったりと力を失った身体がそのまま後ろに倒れ込み、秘部から性器が抜け出てきた
汗だくになった身体を床に投げ出し、荒い息を吐く少女と、彼女に犯された死体・・・

しばらくは、その場に居た誰もが動けず、咳の一つも無く、固唾を飲み下しながら事の成り行きを見守っていた・・・
玉座の間は、少女の荒い息遣いだけが微かに響き・・・やがて、死体に変化が起こった

「・・・な、何と・・・」

誰かがそう呟いたが、それ以上の言葉は思いつけなかったらしい
王の隣に控えていた従者に至っては、腰を抜かして絨毯の上にへたり込んでいる



死体が、融け始めていた。絶頂と共に少女の胎内から排出された“核”が、屍肉を喰らい始めたのだ

どす黒い愛液で汚れていた腰元から、徐々に同化するように黒い粘液となってゆく
やがて衣服を残して全身が融け崩れ、タールの様に真っ黒な粘液の塊は、宝玉の様に艶やかな表面に細波を走らせた

恐るべき事に、粘塊は風になぶられた様にふるふると蠢き、やがて、卵から孵る雛の様に、粘液の中から人の姿が現れた

「これが・・・屍兵・・・“マリアージュ”か・・・!」

誰もが肝を潰して、そのおぞましい生誕劇を見詰める中で、王だけは玉座から起ち上がり、目を輝かせてその名を呼んだ

“マリアージュ”

それが、この兵器の名前だと、古文書には記されていた

「ど、どうやら・・・成功、の、様です・・・」
「言われるまでもないわ!これが成功でなくて何なのか!おい、詳しく説明しろ。こいつの事をだ!」


478 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:11:41 ID:5Pk2QQ3s
興奮を隠そうともしない王に、子供の様にせっつかれて、従者は慌てて古文書のページを繰った
――― 記述されているとおりの、マリアージュの姿がそこにある
大柄の女の姿をした屍兵器。顔をバイザーで隠し、レオタードの様な衣服を身に纏っている
事情を知らない者から見れば、男好きのする身体をした女の姿に劣情の一つも抱いたかも知れないが、生憎、この場にいる男達は全員既に萎えていた
無理もないことだが

「えぇ・・・この女の名前はマリアージュ。こうした産まれ方をした個体は、特に“分隊長”級に分類されるようです」
「分隊長?では、こいつの下に兵隊がつく。というわけか?」
「はい・・・先程の様に、この分隊長級にもマリアージュを創り出す能力がある様で・・・兵隊級も、同じようマリアージュを創り出せるようです」
「ならば文字通りに、無限に増殖する兵力と言うわけか!!」

喜色満面の王に肩を揺さぶられながらも、従者は続く言葉を口にした

「た、ただし!この強力な力を持つ分隊長級は直接生産でしか産み出せない様です・・・つまり、先程の様に、この古代兵器によって創り出すしかない。と書かれております」
「その様な些末な問題など!要は数を揃えておけば良いだけだろう!おい、大手柄だぞ貴様!名前は何と言う!?」

王は息も絶え絶えという風情の少女を引き摺り起こしながら、彼女に名前を問うた
だが、“兵器”という身の上である彼女には名乗れる様な名前は持ち合わせていない・・・彼女自身、“屍兵器:マリアージュのコアユニット”としか、自分を認識していない
顔を俯けて沈黙する少女に、従者が古文書のページを繰りながら、彼女の“名前”を告げる

「古文書には、“煉獄の愛児”、“屍人の繰り手”などと記されていますが・・・」
「何だ、それは・・・名前らしいものが一つも無いではないか・・・
よし、ならば貴様に俺の名前をくれてやろう!いずれ、このベルカの地を統べる偉大な王の名を、貴様も名乗れ!」

高らかに、王は宣言した

「煉獄の愛児、屍人の繰り手、そんな二つ名など生温い。貴様には最高の栄誉をくれてやろう!俺と同じ、“冥王”の尊称を名乗るが良い!」



そして、私は初めて“名前”を貰った
こんな形だったけど、こんな男の名前だったけど、これが、私に与えられた名前・・・



「“冥王”イクスヴェリア・・・今後は、そう名乗るが良い!!」

479 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:13:51 ID:5Pk2QQ3s
それから、私は来る日も来る日も、マリアージュを“産み”続けた
どこから調達されていたのかは考えもしなかったが、まだあまり傷んでいない、“綺麗な”死体を交わり、マリアージュを生み出す・・・
それが、私の役目だった。胎内で生成されるコアに限りなど無かったし、命じられるまま、私は私の役目を果たしていた

城の死体置き場は、私に生み出されたマリアージュ達の嬌声に満ち、それが静まり返る頃には、物言わぬ屍人達はマリアージュに生まれ変わっている
普段は表情を動かすことなど絶対にないマリアージュだけど、男女を問わず死体を犯して、マリアージュを“産む”時だけは、驚くほど喜悦に満ちた、扇情的な顔を見せていた

私がこの一月の間で“産んだ”マリアージュは50体。彼女達は、死体置き場や、戦場から持ち帰られた屍の全てをマリアージュに変え、
王の命令で投獄されていた捕虜に、自国の兵でさえ、重傷を負っていた者や無能と判断された者は悉く処刑され、その死体はマリアージュに産まれ変わった

マリアージュ・・・人形、という意味だ

その後、初めて実戦投入されたマリアージュ達はその力を遺憾なく発揮し、瞬く間に近隣の城を制圧していった
元より人では無い彼女達には、生半可な攻撃など通じず、仮に斃されたとしても、その遺体は炎となって敵手を喰らう・・・そして新たな死体はマリアージュの素材となる



私を手に入れ、マリアージュの操手となったガレア王国君主:冥王・イクスヴェリア・・・

私に名前をくれた彼がどんな最後を迎えたのかを、私は今もはっきりと覚えている

屍兵:マリアージュの力を持ってしても、ベルカの覇権を狙う列強全てに打ち勝つことはできず。全ての兵を失った王は、私の元を訪れ・・・そして、私を犯したのだ

彼は生ある身にして私を犯し、同時に自らの喉を刃で斬り裂いて自害した・・・そして、自らもマリアージュと化し、敵陣に駆けていったのだ

今際の際に彼が残した言葉に従い、私は城の地下に安置されていた、私が眠っていたのだという冬眠ポッドの中で再び眠りに就いた



『貴様も、もう眠れ・・・お前の“人形”は、私が最後だ・・・達者で、な・・・イクス、ヴェリアよ・・・』



それが、最後の言葉だった


480 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:14:25 ID:5Pk2QQ3s
そして今、私は昔を彷彿される光景を再び目にしている

彼は、もう眠れと言ったのに、
彼は、自分が最後の“マリアージュ”だ。と言っていたのに

微かに見覚えのある古文書のページを繰る男の口から発せられる命令文に操られて、私は目の前で四肢を投げ出し、倒れている男の死体に歩み寄っている

「ひぅっ!は、あぁっ・・・くぅああぁぁぁっ!!」

死体を犯し、マリアージュを生み出す・・・新たな操手となったこの男は一体何を望んでいるのだろう
かつてのガレア王:イクスヴェリアの様に、世界の覇権を狙っているのだろうか?

わからない
わからない
私には、わからない・・・



私にわかることが、3つだけある

私の名前が“イクスヴェリア”だということ
そして、私の役目は変わらず、マリアージュを生み出して、世界に炎の災厄をもたらすということ

そして最後に、私に名前をくれたあの人の最後の言葉を、何とか実現したいと、私自身が願っていること



私の名前はイクスヴェリア。冥王、イクスヴェリア
私は、逃げている

“あの子達”から

――― そして、“運命”から

481 名前:“イクスヴェリア”の生誕:2008/11/02(日) 21:15:40 ID:5Pk2QQ3s
以上です。NG設定されていれば大丈夫でしょうがここもネタバレを含みます。ご注意ください

さて、無茶な展開です。ドラマCDサウンドステージXに登場したイクスことイクスヴェリアですが、
外見は少女です。恐らく10歳前後くらい、多分ヴィヴィオに合わせて9歳くらいの
しかし、劇中では、“冥王”“邪知暴虐の王”と紹介されている割にマリアージュから逃げまどっている無力な少女です

何故、イクスはマリアージュから逃げるのか?何故、マリアージュに命令を下せないのか?

私的結論→別人

という、無茶な発想から描かれた展開でしたとさ

ややこしい内容を掻い摘んで説明すると、
古代ベルカ、ガレア王国には二人の王が居た。一人が古代兵器:イクスヴェリア(イクス(仮))
もう一人が、この話に登場した人間の王:イクスヴェリア
王:イクスヴェリアはイクス(仮)を見つけ、自分の物とし、無限の兵力:マリアージュを手にしてベルカの覇権を狙う
王はイクスの名付け親となり、最後に遺言を残して死ぬ。千年後、イクスはその遺言を自らが抱く唯一の“生きる動機”として、トレディアから脱走
ただし、一体だけ生み出してしまった分隊長級マリアージュにより、トレディアはマリアージュ:無限の兵力を手にしてしまう
古代兵器:イクス≠人間の王:イクスヴェリアという事は、ヴィヴィオ達が調べた歴史書には記されていない
正しく、“邪知暴虐の王”だったのは、人間の王:イクスヴェリアの方であり、古代兵器:イクスの存在は、彼女を操る古文書にしか記されていない

色々ツッコまれそうな事を先に書いておくぜ!

・イクスに命令を下してた古文書って何?
→イクスたんの取り扱い説明書。千年後、トレディアがイクスと共に発見した。コマンドの大半はルネも暗記している。トレディアの死亡と同時に消失
・女性体のイクスとマリアージュが男女を問わず死体を犯してたって、アリなん?
→粘液プレイorふたなりマリアージュたんをお楽しみください。イクスは永遠の幼女
・何で死姦?
→「十中八九、若い女性の姿」+「コアを無限に“生産”する」=逆種付け←結論。エロパロ的には大助かりです。どうもありがとうございました
・諸王の生体改造とか、子孫もそれを宿命付けられたとか、そういう公式設定は?
→ガン無視してます。王・イクスヴェリアは脳筋且つ単純明快な豪快さん。役立たずな自国の兵士まで処刑し、マリアージュとしたことから後世に悪名を残した
・王:イクスヴェリアは、どうして自分の名前をイクスに付けた?
→彼なりの敬意です
・マリアージュ軍団はどうして負けたの?
→銀色の髪をした女性の広域魔法によって消し飛ばされました
・トレディアはマリアージュに喰われたらしいけど、つまり・・・?
→殺されて犯されて仲間入りです。順番が逆になってもあんまりおかしくないですね。不思議!

さて、SSXネタ一番槍がこんなネタで良いのかと海より深く内省。吊ってきます
それでは、スレ汚し失礼しました

482 名前:26-111:2008/11/02(日) 21:16:13 ID:5Pk2QQ3s
投下終了しました。スレ汚し失礼しましたー

483 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 21:44:38 ID:XzAOPTv/
うわぁ・・・何というおそろしいSSなんだ。GJでした。
個人的にマリアージュとなった屍も、イクスも、王も本当に怖いぜ古代ベルカ。

484 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 21:51:23 ID:iCV/h9E7
SSX、ニコ動にあったよ

485 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 21:51:39 ID:6sP9wLeo
待望の26ー111氏が来たのに、SSXまだ聴いてねぇから読めねー・・・・orz

486 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 22:14:11 ID:2oMO4swV
イクス王の男気に惚れた。
傍若無人なのに格好良いぞ、こいつ。
買ってから3日経つけど、そろそろSSX聞こうかな。

487 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 22:25:53 ID:VsKxg1A7
コミケで買ったのに未だSSX聴いてない俺がいる

488 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 22:31:56 ID:nrrbQrQt
>>479
やたらかっこいいイクス王だ。
だが途中で銀髪の人と出会うとは運がなかった……。


489 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 22:41:21 ID:10PrGgAU
SSXはヴィヴィオ陛下とティアナのSLBの印象が強かったなあ。

・・・川澄かわいいよ川澄。

490 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 23:30:03 ID:+kCWTmsa
ドラマCDが苦手で買ってない俺もいる、

491 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 00:44:37 ID:6tAGueVf
>>490
あれ? 俺がいる

492 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 01:07:02 ID:sQXH5ZVD
そして今聞き終えたが、ラストで○○○が機能不全で【自主規制】する直接の原因は明かされていない。
つまりだ・・・・・IFはFAということか。
みなぎってきた(創作意欲的に)

493 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 01:11:48 ID:r5JbIZJO
>>492
もしも4期があるのならば当然のように新キャラとして出てくると思うんだよな>イクス


494 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 03:09:34 ID:SCVPwYfv
イクスとかED以外まったく内容覚えてねぇ

495 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 03:27:09 ID:1ZIkShDG
>>493
4期があれば又微妙っつーか、出る意味無い様なキャラが増えるのかよ…



と思ったが、妄想の基になるキャラが増えると思えば良いのか。


496 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 03:44:27 ID:sQXH5ZVD
イクス株が俺の中で急上昇中だ。

497 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 03:46:17 ID:Q5XJmDCq
>>442
GJ!!
今のところ味方で生存が確認されているのはエリオとシグナムだけか…
シグナムが生きてるということは、はやても生きてはいるということだろうけど果たしてどうなっているのか気になる
そしてキャロが…いや、あの戦いで負けていれば当然か。
もちろん個人的にはエリオには勝って欲しいです。
許すことはないがひとまずは仲間としてルーを迎えるにしろ絶対に許さずに恨み続けるにしろ、勝ってもっと二人で話をして欲しい。そう思います
そして氏の持ち味の一つは熱血的展開がうまいという部分なのですから、周りが何を言おうと自分の書きたいように書いてくださるのが一番いいです!

>>481
GJ!!
まさかここまで深い考察をなさるとは…
本編も聞いてて思ったが、イクスはかわいそうすぎる
過去で兵器扱いされて、やっと平穏を得たと思ったら…
その過去の部分を実に詳しく補うような感じでぞくぞくしました。

498 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 04:30:05 ID:XxkXapQ0
gj!
あそこでイクスが「問おう。汝が私のマスターか」みたいな事を
言ったら全てぶち壊しだろーなと思ったのは俺だけじゃないはず

499 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 06:01:44 ID:1n2DHiqh
SSXから数年後。

局員A「反応出ましたー。今度は砂漠のド真ん中ー」
局員B「ま た ベ ル カ の 王 か」


局員C「今回保護されたのは、外見年齢10歳前後、記憶は無し、という事ですが……」
ゲンヤ「いつからウチは託児所になったんだ」


ドキッ! 王様だらけで1クラス

「聖王ヴィヴィオさーん」 「はーい」
「冥王イクスヴェリアさーん」 「はい」
「修羅王○○くーん」 「はーい」
「夜叉王○○くーん」 「……はい」

そんな緊張感のカケラもない未来予想図。
いや、二人目のちびっこ王様が出てきたんなら、もう何人か復活してもおかしくないよね?

500 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 07:58:08 ID:tU9D3Yu+
>>499
アイゼン明王がかるら王に弄られるんですね、わかります。

501 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 08:32:02 ID:STuU80KG
>>499
修羅王……CVは茶風林ですね、わかります

502 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 09:22:26 ID:k9xtU6UA
気合だけで時空を越えるアルカイド君吹いた

503 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 09:39:21 ID:roV256F3
>>499 シュラトとか懐かし過ぎるわww

504 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 10:32:04 ID:6tAGueVf
イクスを持ってない俺に三行で内容を説明してくれ

505 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 10:45:02 ID:UlBHb6dw
ナンバーズ、楽しそう
ヴィヴィオ、無限図書司書長候補
スバル、要救助者落としまくり

506 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 10:59:13 ID:sQXH5ZVD
ラスト一行w
あれは不可抗力だと思うけど。
あの場で腕でも切り落とせば救えた?

507 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 11:53:47 ID:Tz8LKXBI
それ以上SSXの話は専用スレか本スレいきなされ
ここでする話題ではない

508 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 14:59:46 ID:sjMVZ7RB
作者がどんだけネタバレ注意しても読者が語れば世話ないわな

509 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 15:07:36 ID:ECqQfcGB
でも、どうなん?
既に一般発売されてる以上、ネタバレ解禁じゃね?
放送当時、遅れて放送される局の連中に気遣いなんてしてなかったわけだし。

510 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 15:22:35 ID:UlBHb6dw
>>508はなんか微妙に言葉がおかしいので、
(原作に対して読者とか作者なんて、このスレでそんな表現普段してるか?)
最近出てきはじめた、特定単語に反応するウィルスだと思う。

511 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 15:34:29 ID:+ujTEQM2
>>510
作者=職人て置き換えれば別段おかしくないんでね?

512 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 15:46:03 ID:ufRIOOOz
ネタバレはいいだろ
ただSSXの雑談で何レスも消費するのは無しだぞ

513 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 15:48:05 ID:sQXH5ZVD
ここに来たばかりのころは、俺も書き手=職人って呼び方に驚いたな。
まあ、ここが創作系で初めて来たところだったわけだが。

514 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 16:12:37 ID:rVvQrDKY
そうか?いわゆるAA職人とかは創作系に限らず、たいていの板にいるから
職人っつう呼び方にはべつに驚かなかったけどな。

515 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 16:26:39 ID:sQXH5ZVD
>>514
自分、最初はパソコン始めたばかりのど素人だったもんで。

516 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 20:45:57 ID:vVNfafFf
未来モノ描いてる作者さんとかSSXは見なきゃいけない感じしてんだろーな

517 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 21:03:13 ID:5B3jXtlZ
だな。そういう俺もSSX買っちゃったし……
ドラマCD買うの初めてだったよ(´・ω・)

518 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:07:48 ID:KwNBIsMF
そろそろ、エロい話に戻ろうよ

519 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:11:56 ID:wK3/2sok
言いだしっぺの法則というものを知ってるか?
責任をもってエロい話題を振れ

520 名前:ザ・シガー:2008/11/03(月) 22:15:59 ID:5jNfiQmt
ここは俺がエロいSS投下するって事で一つ。

20分まで最終チェックしてから投下します。

521 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:16:11 ID:sQXH5ZVD
代わりに振ろう。
はやてとシグナムならどっちが太もも美人か?

522 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:17:00 ID:sQXH5ZVD
>>520
すみません、どーぞどーぞ。

523 名前:ザ・シガー:2008/11/03(月) 22:24:10 ID:5jNfiQmt
んではそろそろ投下。

>>223での話の〆からの続きの流れでギン姉のエロ、一応前のSSを詠んでなくても大丈夫なようには出来てます。
鬼畜なグリフィス君がギン姉といやらしい事します。
それが許せない人はスルーしてね?

あと>>521、太股でもオッパイでもはやてがシグナムに勝てる要素が見当たらないというのが私の意見。


524 名前:部隊長補佐と彼の飼い犬:2008/11/03(月) 22:27:09 ID:5jNfiQmt
(注)このSSは「部隊長補佐の更正プログラム」からの続きとなっております。


部隊長補佐と彼の飼い犬


「んぅぅ……はぁっ!!」


 くぐもった甘い女の喘ぎ声が壁に反射して木霊する。
 場所は陸士108部隊隊舎内部の男子用トイレの個室、夕暮れとは言えどいつ人が来るやも知れぬそんな場所で淫靡な歌声が響いていた。
 声を上げてよがり悶えるのは青紫の長く美しい髪を振り乱す美少女、ギンガ・ナカジマ。
 そして、ギンガに淫らなる責めを行うのはメガネの底に嗜虐的な瞳を隠した青年、グリフィス・ロウラン。
 グリフィスは後ろからギンガを抱きしめながら、耳たぶやうなじに舌を這わせ、乳房を揉みしだき、スカートの中に手を挿し入れて秘所を嬲る。
 制服越しに力を込めて掴まれた豊かな乳房が形を変える度に、ストッキングと下着越しに淫核を突かれる度に、ギンガは身体を震わせて甘く心地良い嬌声を奏でて歌った。
 そしてうなじに這う舌が耳たぶに移り、軽く歯が立てられた刹那、少女の身体は軽く跳ねる。


「ひゃぁっ!」


 敏感な箇所への度重なる愛撫に、蕩けるような絶頂間が訪れて脳髄に浸透して行く。
 絶頂に達した少女のしなやかな肢体は小刻みに震え、淫蕩な表情を称えた顔は艶めいた媚態を呈した。
 だらしなく垂れた唾液で濡れ光る唇からはただ甘く荒い吐息だけが漏れる。
 その吐息が吐かれる度に、個室の中の温度が発情した少女の体温と共にどんどん上がっていく気がした。


「はぁ……はぁ……」
「今日は随分と早くイったね。そんなに待ち切れなかった?」
「だ、だって……久しぶりだからぁ」


 意地悪そうな笑みを浮かべたグリフィスに、ギンガは甘えた媚を含んだ瞳で少し恨めしそうに彼を見た。
 彼と身体を重ねる内にすっかり調教され快楽を嫌と言うほど覚え込まされた身体は、さながら甘く熟れ切った果実のように雌の快楽に蕩けている。
 普段の静かで理知的な姿とは程遠いギンガのこの淫らではしたない姿に、彼女をここまで堕とした青年は腹の底のどす黒さを滲ませた笑みを浮かべた。
 何人もの美女・美少女をその毒牙と魔手により奈落へと堕とした彼だが、ここまで淫らで被虐的な雌(おんな)はそういない。
 自然とグリフィスの顔も普段の優男然としたものから本性を表して行く。


「今日は色々と“オモチャ”も用意してあるけど、まずはこのままここで一回しようか?」


 鋭い犬歯を剥き出しにしてグリフィスは獰猛な笑みを見せつけると、そう質問する。
 彼の股間はズボン越しに分かるくらい激しく怒張していた。
 その下に隠された凶器の凄まじさを思い起こし、ギンガの口元に淫靡で妖艶な笑みが浮かぶ。


「はい……もう待ちきれないです……こ、ここでお願いします」


 ギンガはそう言うと、スカートをたくし上げ穿いていた下着をパンストごと軽くずり下ろして彼に向かって尻を突き出した。
 蜜壷は既に果汁を溢れさせて濡れており、脱いだ下着とストッキングと糸を引いている程だ。
 そして、淫欲の入り口は早く雄の蹂躙が欲しいとでも言っているかのように媚肉をヒクつかせている。
 蒸れた汗と愛蜜が混じりあい、芳しい発情した雌の香りを漂わせる様はさながら虫を引き寄せる食虫花の如く男を誘う。
 グリフィスは目の前の雌(おんな)の見せる淫靡な姿に黒く笑みで口元を歪めると、ファスナーを下ろして硬くいきり立った肉棒を取り出した。


525 名前:部隊長補佐と彼の飼い犬:2008/11/03(月) 22:28:45 ID:5jNfiQmt
 湯気が立ちそうな程に熱く、鉄のように硬く、そして色白な彼の一部とは思えぬほどに赤黒い巨大な肉の槍が姿を現す。
 だが、グロテスクと形容して余りある異形の肉根を見てギンガの胸に訪れたのは嫌悪ではなく歓喜。
 待ち焦がれた快楽の訪れに、少女の胸の鼓動が高まる。


「それじゃあ、お望み通りここでしてあげるよ」


 グリフィスはそう言うと、むっちりとして肉付きの良い豊満なギンガの尻を掴み、己の肉棒の先端をびしょ濡れになっていた彼女の蜜壷に向ける。
 そしてゆっくりと近づけていく、静かにゆっくりと少しずつ、巨大な肉の凶器が少女の淫穴と距離を縮めて行った。
 そして、愛液で濡れそぼる粘膜に亀頭が触れる寸前、性器越しに互いの体温を感じる程に近づいた刹那……


 グリフィスは一気に腰を突き出した。


 今まで触れるか否か、という距離にあった肉根が数瞬の間に少女の体内深くに埋没する。
 反り返った亀頭と太い竿が膣肉の粘膜を抉るように突き進み、あっという間に最奥の子宮口まで届いて凄まじい打撃を叩き込んだ。
 そして、衝撃が遥か上の内臓まで達する程の力と共に、脳が根こそぎ焼け付いてしまいそうな程の凄まじい快楽がギンガを襲う。
 背筋を強烈な甘い電撃が駆け上ったかと思えば、目の前が一瞬真っ白に染まる。
 迎えた絶頂の快楽に媚肉は締まり、背が折れそうなくらいに反り返ってしなやかな肢体が踊った。
 あまりの快感に喘ぎ声を叫ぶことも出来ず、少女の口は丘に上がった魚のようにパクパクと開いてはだらしなく口元を唾液で汚していく。


「ぅああぁぁ……はぁぁ」


 一瞬で天上まで登り詰めた反動でギンガは眼の焦点も合わず、ただ虚ろな瞳で声にもならぬ声を漏らす。
 そんな彼女の様子にグリフィスは軽く腰を動かすと共に、耳元で聴覚を嬲るように囁きかけた。


「ひゃぁっ!」
「ああ、もしかしてもうイった?」
「あぁぁ……い、今動かないで……ください……はぅんっ! イったばかりで敏感に……」


 絶頂に達したばかりの感覚の鋭敏化した身体に更なる快楽を刻み込まれ、ギンガは息苦しさすら覚えて必死に彼に許しを請う。
 しかし、それで返ってくるのは肉棒による強烈な突きと嗜虐の愉悦に浸ったどす黒い笑み。
 それもそうだ、完全に嗜虐のスイッチが入った彼がギンガの懇願で止まってくれる訳が無い。
 むしろギンガの哀願がその唇から零れる度に責めは激しくなって行く。
 蜜で溢れる淫穴に暴力的な肉棒の蹂躙が行われ、グチャグチャとした粘着質な音を奏でながら媚肉を貪る。
 様々な角度から力加減を変則的に変えた突きがもたらす快楽が背筋から脳天まで駆け抜ける甘い衝撃に、ギンガの身体は面白いくらい踊った。
 蜜壷の腹側天井を擦りあげられればくぐもった声を我慢しながら髪を振り乱した、肉棒の先端が子宮口付近を突き上げればしなやかな背筋がのけ反る。
 襲い掛かる圧倒的な快楽に、少女の唇から抑え切れなくなった甲高い嬌声が漏れた。


「はぁあっ!! ひぃいっ! ひゃぅんっ!!」


 トイレどころか外の廊下まで響き渡りそうな程の大きな喘ぎ声が溢れ出し、耳に甘い残響を残す。
 ギンガは必死に声を抑えようとするが、膣内を掻き乱しては的確に性感帯を刺激する肉棒の快楽にそれは叶わない。
 さらに乳房とうなじに愛撫が開始されればなおさらだ。
 豊かに実った胸の果実がグリフィスの手で掴まれ、制服越しに激しく揉みしだかれる。


526 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:30:09 ID:xXWJ/H1e
鬼畜は好きでないが支援

527 名前:部隊長補佐と彼の飼い犬:2008/11/03(月) 22:30:46 ID:5jNfiQmt
 ぐにぐにと柔らかい乳肉の形が変わり、服の上からも正確に乳頭を摘まれて甘い快楽を生み出す。
 長く美しい青い髪に顔を寄せたかと思えば、グリフィスは芳しいその香りをしばし堪能しつつ白くしなやかな彼女のうなじに狙いを定めた。
 掻き分けた髪の合間から覗くそこに舌を這わせ、時に軽く甘噛みして愛撫を行う。
 無論、腰を動かして蜜壷を貪るのも忘れない。

 そのあまりにも女体の性感帯を熟知した責めに、ギンガは先ほど達したばかりだというのに早くも次の波が近づいているのを感じた。
 意識さえ失いそうな快楽の濁流、しかしまだグリフィスは一度も精を吐き出していない。
 この先彼にどれだけ責め立てられ、泥沼の愛欲の中に沈められるか……


(きっと……わたし……たくさんたくさんいぢめられるんだ……やだぁ……すっごくうれしいぃ♪)


 それを考えるだけでギンガは受虐の悦びにさらに下腹部が熱くなるのを感じた。
 激しい情交でむせ返るような暑さと男女の契る濃密な性臭とが交じり合った中で、少女は自分が完全に彼の所有物になった事を痛感する。
 それに嫌悪感なんて欠片もありはしない。
 むしろその逆、彼に従属し単なる一匹の雌犬奴隷として扱われる事が心の底から嬉しくて堪らなかった。
 もっと快楽と言う名の暴力で苛めて欲しい、雌犬と罵られて蔑まれたい、単なる性欲処理の道具として扱われたい。
 グリフィスの手により育てられ、既に満開に咲き誇る被虐の花は少女の中で狂い咲いていた。
 彼から与えられるものは苦痛も恥辱も何もかも、全てはただ快楽でしかない。


「やぁぁ……また……またイくぅ……ひゃはぁっ!……イきますぅ!」


 数々の淫行で養われた膣内の性感帯を肉棒の呵責な責めで執拗に刺激され、再び迫り来る絶頂の高みにギンガはよがる。
 服の上から転がされる乳頭とうなじに這う舌の愛撫と相まって、もうそれは直ぐそこまで来ていた。
 突き上げる肉棒の一突き一突きに、あとどれだけで自分が絶頂に達するかが分かるくらいだった。
 しなやかに反り返る背筋を快楽の甘い電撃が駆け上り、脳髄を桃色に蕩かしていく。
 早くそこに辿り着きたくて、ギンガはグリフィスの腰の律動に合わせて自分も腰を振る。
 二人の性器が互いに絶頂を求めて淫らに蠢き合い、粘着質な水音と少女の嬌声とが混じった凄まじく淫蕩な狂想曲を紡ぎだしていった。


 そんな時だった、突如としてけたたましいコール音が鳴り響いたのは。 


 音源はギンガの制服のポケットの中にある通信用端末。
 コール音の種類から任務や仕事の類で無い事が分かる。ギンガはこれに表情を快楽ではなく煩わしさで歪ませた。
 せっかくもう少しで絶頂に至れるのだから、こんなもの無視して早く達したい。
 ギンガはコール音を鳴り散らす端末を無視して腰を振ろうとしたが、そこでグリフィスの手が乳房から離れて彼女の身体を這った。
 向かう先は上着のポケットの中、するりと手を滑らせてコール音を響かせている通信端末を取り出す。
 それと同時にギンガを絶頂へと導いていた責めも一気に動きが落ちる。
 与えられていた無上の快楽が弱まり、少女の美貌に不満の色が浮かんだ。


「んぅ……グリフィスさん……やめないでください……もうすこし……もうすこしでイけそうなんです」
「それはそうだけどさギンガ、可愛い妹からの連絡を反故にして良いの?」


 愛欲に餓えた切なそうな眼と声でねだるギンガだったが、そんな彼女にグリフィスは端末に表示された名前を見せる。
 そこには通話相手の番号と名前、スバル・ナカジマと浮かんでいた。
 グリフィスは端末を操作して通話モードを音声のみに設定すると、そのままギンガの耳元に近づける。


「えっ? グ、グリフィスさん!?」


528 名前:部隊長補佐と彼の飼い犬:2008/11/03(月) 22:31:55 ID:5jNfiQmt
「ほら、ちゃんと出てあげなよ」


にっこりと、それこそ女性なら誰しもを魅了しそうな優しげな笑みを浮かべながらグリフィスはそう言った。
無論、彼のその仮面の下には嗜虐の暗黒しかないのは言うまでも無い。
そして無慈悲にも通話のチャンネルは開かれる。


『ああ、ギン姉? スバルだよぉ〜♪』


底抜けの明るさを持つ妹の声が場に響く。
映像がないので見えないが、きっと満面の笑みを浮かべていると易く想像がついた。
ギンガはこれに、発情して形容し難い艶を帯びた声を押し殺して返事を紡ぎだす。


「ああ……スバル? こんばんは、どうかしたの?」
『ん、別にこれといった用は無いけどさ、ギン姉元気かなぁ〜って』
「うん、私はいつも通り元気、ひゃっ!」


平静を装って答えようと刹那、彼女の声が途端に艶めいた嬌声を響かせた。
止まっていた腰の動きが再開し、快楽の暴力がまたギンガの神経を駆け巡る。
後ろからギンガを責め立てるグリフィスは、凄まじくどす黒い嗜虐の笑みを浮かべて彼女を眺めていた。
これにギンガはすぐさま理解する、彼はこうやってスバルの前で自分を嬲り、痴態に耐える姿を楽しむ気なのだ。


『へ? どうしたのギン姉?』
「な、なんでもないわ……んぅうっ! ちょっと喉の調子が……はぅんっ!……おかしいだけ……なの」


ギンガから処女を奪い、徹底的に快楽を教え込んだ肉棒が彼女の弱点をこれでもかと責め立てた。
膣腹側で硬くしこったGスポットを擦り上げられ、膣奥の子宮口付近を凄まじい力で突き上げられ、乳房を痛いくらい力を込めて揉みしだかれる。
その全てがギンガ・ナカジマという少女の性感帯・快楽の絶頂に至るプロセスを完璧に熟知した至高の責めだった。


「ひぅっ!……んぅぅ……」
『ギン姉大丈夫? なんだか声変だよ?』
「ほ、ほんとうに……んぅっ!……だいじょうぶよ? きにしないで」


 心配そうな声をかけるスバルに、ギンガはあられもない嬌声が漏れるのを必至になって堪える。
 快楽によがり狂うのを我慢する様を見るのがよほど愉快なのか、グリフィスの口元に浮かぶ笑みは黒さを極めていた。
もはやそこに温和で優しい美青年の姿は無い。それは雌という生き物を使役し、隷属させ、蹂躙する外道なる主だった。
彼のその冷たく嗜虐的な悦びに満ちた視線で見下ろされ、ギンガの体内には更なる熱が生まれる。
彼に従属し、ひたすら苛め尽くされる事は至福でしかないのだ。


『でねギン姉、ティアったら私に“アイス食べ過ぎ”って言うんだよ?』
「そ、そう……はんっ! 今度私も……んっ……食べたいわね」


 妹との会話が続く中だというのに、呵責な程の蹂躙の手管が否応なく少女を襲い、甘い陶酔へと向かって一直線に駆け抜ける。
 絶頂の頂きを越えるのは時間の問題だった。
 グチャグチャと淫らでいやらしい音を立てながら何度も何度も肉の槍が膣肉を抉りこみ、粘膜を擦り上げて絶望的とも言える快楽を刻む。
 その度に少女のしなやかで艶めいた肢体が快楽の衝撃に溜まらず跳ねた。
 甘い香りを放つ髪を振り乱し、美しいラインを描く背筋がしなり、肉付きの良い尻が締まる。
 そして最高の力を込めた肉棒の一撃が行われた刹那、ギンガは目の前が真っ白に染まる錯覚を感じた。


529 名前:部隊長補佐と彼の飼い犬:2008/11/03(月) 22:33:23 ID:5jNfiQmt
 訪れたのは紛れも無い、甘く蕩けるような悦楽の頂きだった。


「ひっいぃああぁぁぁっ!!」


 背筋に埋まる脊椎から脳髄に至るまで、その全てが溶け尽くすような感覚。
 今まで必至に我慢していたあられもない甘い喘ぎ声がスバルの聞こえているというのに堪え切れず吐き出される。
 美しい曲線を描く背筋がのけ反り、鍛えられたギンガのしなやかな肢体がのたうつ。
 快楽の果てに達した膣がキュウと締まり、埋没している肉棒を痛いほど締め付ける。
 これには堪らずグリフィスも強靭な意志で塞き止めていた白いマグマを解放、少女の体内を白く染め上げた。
 膣と子宮を焼くような熱い精と絶頂の快楽のもたらすあまりの悦楽に、ギンガは半ば意識を失いその場で四肢の力を失った。
 崩れる彼女の身体をグリフィスはしっかりと受け止めた、女性としての凹凸が豊かに実った四肢は少しばかり重かったが、まるで気にせず彼の腕は支える。


『ちょ? え? ギン姉?』
「ああ、大丈夫ですよスバル」


 甲高い声を上げた姉にスバルが心配そうな声をかけるが、そこへグリフィスが返事を返す。
 厳密に言えば、彼が答えなければならない状況だった。ギンガはもはや虫の息で、とてもじゃないがスバルと会話できる状態ではない。


『はえ? この声……グリフィスさん?』
「ああ、ちょっと108部隊に出向してるって言ったでしょ? それでこっちにね」
『ああ、そう言ってましたね。でも……ギン姉どうしたんですか?』
「うん、ちょっと具合が悪いみたいでね。今日は僕が家まで送って行くよ」
『そうなんですか? えっと……ギン姉の事頼みますね』
「ええ、ちゃんと責任をもって」


 通話越しに完璧な笑みを想像できるくらい清々しい声色でグリフィスはスバルに答えると、二・三言葉を交わしてから通信を切った。
 そして、用を終えた端末をギンガのポケットに移して、意識を覚醒しつつある彼女の耳元にそっと唇を寄せる。


「どうだった? 妹にはしたないアヘ声聞かれる気分は」
「いやぁ……そ、そんなこと……聞かないでください……」


 羞恥心を煽る言葉にギンガは恥ずかしそうな弱弱しい声で答える。
 だがそれを待っていたかのようにグリフィスは頬を歪めて嗜虐の暗黒に染まった笑みを浮かべた。


「“嫌”? 可愛い妹に声を聞かれながら嬉しそうに腰振ってたのに?」
「そんなぁ……グリフィスさん……今日は一段といぢわるです……」


 心底意地の悪い言葉で自分をなじるグリフィスにギンガは恨めしそうな瞳を投げかける。
 だがそこに込められたのは嫌悪ではなく嬉しさに他ならない。こういう反応をすれば彼がもっと自分を責めてくれると知っているから。
 グリフィスもそれを解しているのか、視線が一段と鋭さを増した気がした。


「苛められれば君はもっと喜ぶだろ? ドマゾで、スケベな、雌犬奴隷の、ギンガ・ナカジマさん」


 グリフィスは一言一言を区切り、しっかりと脳髄に刻み込むように恥辱の言葉を吐く。
 耳を陵辱されるような言葉の舐りにギンガは再び下腹部に熱が生まれるのを感じた。
 主人に支配される被虐の悦びが身も心も全てを蕩かしてしまう。


530 名前:部隊長補佐と彼の飼い犬:2008/11/03(月) 22:35:15 ID:5jNfiQmt
 自然と頬がまた紅潮し、吐息が甘く熱くなる。


「は、はい……そうです、ご主人様……」


 知らずの内に淫蕩で締まりのない雌の顔を浮かべながら、ギンガは嬉しそうにそう答えた。
 自分の言葉に希望通りの答えを返され、グリフィスもまた嬉しそうに優しげとすら思えるほどの笑みを見せる。
 そして彼は、未だ硬度を失わずギンガの中に埋まっていた肉棒をずるりと抜き去った。
 大量の愛液と精液が混ざり合った混合液が陰茎と蜜壷との間で糸を引き、名残惜しそうに両者を繋げる。
 今まで体内を占拠していた肉の征服が消える事にギンガが“あっ”と切なそうな声を漏らし、グリフィスに物欲しそうな視線を投げかけた。
 だがそれも即座に悦びの色に染まる。
 グリフィスの手には三つのボール上の器具、振動で性的な刺激をもたらす性玩具、いわゆるローターが握られていた。
 これで彼がナニをするかは想像するまでもない。


「さて、スバルにちゃんと家まで送るって言った手前、反故にはできないよね? 今から“お散歩”しながら君を家まで送るよ。準備は良い? 僕の可愛い雌犬奴隷さん」


 にっこりと、それはもう満面の笑みを浮かべてグリフィスは笑いかける。
 だが彼のにこやかな微笑は、その下に隠されたおぞましい程の嗜虐の色が透けて見え、どす黒い瘴気すら感じさせた。
 優しさとおぞましさの同居する、正に悪魔の笑み。
 ギンガは己が主人の見せる真実の顔に、甘い吐息を吐きながら答えた。


「はい、ご主人様……今日もたくさん可愛がってください」


 淫らで背徳的な調教への期待に、ギンガの瞳が情欲の炎でトロンと潤む。それは、とてもまだ二十歳にも満たない少女が抱くとは思えぬ程の媚態だった。

 その日、ギンガ・ナカジマの帰宅が深夜になったのは言うまでもない……





「ふう……昨日は少し“頑張り”すぎたかな」


 機動六課隊舎の廊下を歩きながら、グリフィスは昨晩の事を思い起こしてそう呟いた。
 最近は108部隊でのナンバーズの更正プログラムに一時出向という形で出向いている上に機動六課との仕事とも兼任して忙しいというのに、ギンガへの調教に精を出しすぎたようだ。
 だが、ギンガの身体は成熟しはじめた果実のように熟れており、その味と言ったら極上の甘味を誇る。
 それを前に、グリフィスと言う雄(おとこ)が食さずにいられる訳は無かった。
 まあそのお陰で今現在、腰の辺りに鈍い痛みと疲労感を感じているのだが、それは仕方の無い代償だろう。
 少なくとも半日は休養を取らないと“次の果実”を喰らうのは無理そうだ。
 そして、上層部に提出する書類の内容を考えつつそんな事を思案していると、彼の前に蒼穹を思わせる青い髪を持った小柄な女の子が現れる。
 グリフィスは即座にいつもの優しい好青年の仮面を被った。


「やあスバル」
「はい、こんにちはです、グリフィスさん」


 短く切りそろえられた青く美しい髪の美少女、機動六課スターズ所属スバル・ナカジマ。
 スバルは少しはにかんだような愛らしい微笑を浮かべてグリフィスに一礼する。


531 名前:部隊長補佐と彼の飼い犬:2008/11/03(月) 22:37:48 ID:5jNfiQmt
 そして手短に挨拶を終えると、少女は早速自分の気に掛けている話題を振った。


「具合が悪いって聞いたけど、ギン姉どうでした? まだメールの返事も返ってきてなくて、その……ちょっと心配で」


 姉の事を案じて、スバルは普段は底抜けに明るい顔に心配そうな表情を浮かべる。
 だが“昨晩はたっぷりと野外で陵辱し、気絶するまで犯しぬいた”なんて事実を言える訳も無い。


「大丈夫ですよ、少し風邪気味なだけで元気でしたから」
「そうですか。 ……良かった」


 彼の言葉に姉の容態を知り、スバルは胸を撫で下ろして安堵する。
 そして少女は一番気になっていた問題を終えると、周囲に視線を巡らせた。
 辺りには自分と目の前の青年以外にいない事をしっかりと確認する。
 心なしか頬を淡く紅潮させ、恥ずかしそうな表情を浮かべ、熱を込めた眼差しでグリフィスを見上げた。
 僅かな時間、中空で絡み合う二つの視線、そしてどちらともなく二人の顔がそっと近づく。
 
 スバルの瑞々しい唇とグリフィスのそれが、優しく触れ合って結ばれた。
 
 ほんの少しの時間だけ重ね合わせるだけの口付けだったが、それはまるで体温が溶け合うような錯覚を感じるような愛撫だった。
 そしてキスが始まった時と同じように、どちらともなく静かに顔が離れ愛撫の時間は終わる。


「ダメだろスバル、誰かに見られたら大変だよ?」
「だって……最近キスもしてなかったし……」
「まったく、甘えんぼだねスバルは」


 グリフィスは目ざとく周囲を警戒しつつスバルの頭を優しく撫でる。最高の触り心地を有する青い髪を梳き、その感触を存分に堪能。

532 名前:部隊長補佐と彼の飼い犬:2008/11/03(月) 22:38:45 ID:5jNfiQmt
 彼の愛撫の心地良さに、スバルは嬉しそうにうっとりと目を細めた。


「甘えんぼの女の子は……嫌い?」
「そんな事無いよ、大好きさ」
「ありがと……」


 言葉で互いの愛を交わして、しばしの沈黙。
 そうしてしばらく髪を撫でられる快感に酔い痴れると、スバルはふと口を開いた。


「えっとね……明日は休みなのは知ってるよね?」
「ああ」
「なら、その……今夜グリフィスさんの家に行っても良いかな?」


 ほんのりと朱に染まり、恥じらいの中にほんの少しだけ女の媚を含んだ表情でスバルはそう言った。
 無論、グリフィスはこれにいつも通りの満面の笑みで返す。
 優しく、温かく、微塵の毒気も無い悪魔の笑みで……


「もちろんさ、スバル。君が来るならいつでも大歓迎だからね」



 姉が成熟し完成された雌犬奴隷ならば、この妹はさしずめ完全に調教するには早い未成熟な子犬。
 だがその愛くるしさと媚態は他の奴隷に負けず劣らず、むしろ幼さを残した仕草や表情は何とも形容し難い艶めかしさを誇るものだ。

 自身の所有物と貸した雌犬姉妹に、グリフィスは胸中にドロドロとした粘着質で、暗黒のようにどす黒い悦びを感じた……


終幕。


533 名前:ザ・シガー:2008/11/03(月) 22:40:20 ID:5jNfiQmt
投下終了。
とにかくギン姉が書きたかった、後悔はしてない……筈。
やっぱね、ナカジマ姉妹はワンコよね、うん。
可愛い雌犬です。

そしてなんか埋めSSになっちまったぜ。
今から新スレ立ててくるっす。

534 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:44:15 ID:UlBHb6dw
乙、やっぱギン姉はエロいやね。

ところで、
>>521
>>523
はやてちゃん(九歳)に決まってるじゃないかっ!
 

535 名前:ザ・シガー:2008/11/03(月) 22:50:55 ID:5jNfiQmt
んで新スレ立ててきた。

☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第88話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225719903/l50

536 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:51:54 ID:Xcd0tzLh
所で居酒屋中将の派生で闇の書の闇がスナックのママをやっている小ネタがあったと思うんだけど
あれの題名ってなんだっけ?

537 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:52:58 ID:UsBJXk7J
GJ!
ところで最近投下途中に支援の書き込みする人正直目障りなんだが
支援って確かスレに書き込む必要無いとかって何スレか前で誰か言って無かったっけ

538 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:54:37 ID:bTM/NTPK
ザ・シガー氏グッジョブ。
そして、スバルまで魔の手に堕ちてるのか!?
やべえ、こりゃあちょっとあの鬼畜眼鏡を粉砕玉砕大喝采な目にしないと☆
ギンガエロイよ、ギンガ。
BJは太腿すら露出してないけど、ビジュアル的にはリインフォースTとシグナムに次ぐエロスの化身だよ!(異論は認める)

ソープといい、貴方のおかげでグリフィスのデフォルトが鬼畜眼鏡に思えてきたぜ!


……狙撃手と烈火の騎士とツンデレガンナーのお話も続きがあることを期待しているんだぜ?

539 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:59:23 ID:dxNKNrcG
GJ!!
ナカジマ姉妹はワンコ>
なんというエロい響き。確かにスバルはワンコみたいだけど、やっぱりギン姉もかwww
やっぱりあの姉妹は絶対エロいと思うんだ……。

540 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 23:06:17 ID:KwNBIsMF
>>519
言いだしっぺの法則は責任を押し付けたがりな小学生の発想
それのせいで物事が言えなくなることに気付いて欲しい


541 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 23:07:23 ID:wK3/2sok
>>533
ヤってる最中に通信…いいねGJ!
そしてスレ立ても乙!

>>526
最初の9文字はできれば心の中にしまっておいて欲しかったんだぜ

542 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 23:10:20 ID:sQXH5ZVD
>>533
GJ!
エロすぎるよ、ギン姉。
しかもスバルまで子犬ちゃんにされているなんて、グリフィスめ、俺にも半分分け(r
このまま全ての女性はグリフィスに喰われてしまうのか・・・・・・・ミゼット婆ちゃんいっとく?

543 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 23:15:21 ID:wK3/2sok
>>540
何とおおげさな・・・俺の言い方も意地悪だったかもしれんが、流れ変えたいならまず自分から振るべきじゃね?
一言、「フェイトのケツえろいよな?」とでも書けば誰かしらのってくれたはず・・・だよな?

544 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 23:20:50 ID:LAYwOq4m
>>536
・78スレ77 バー「夜天」
 1レスネタ故、保管庫には未収録

545 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 23:20:59 ID:S2UykcVs
エリオ×ヴィータっていいよね?

546 名前:野狗:2008/11/03(月) 23:22:45 ID:UlBHb6dw
埋めネタのコピペッスよ。
ガイドライン板より。
「全盛期のなのはさんなら…」

・3攻撃5カートリッジ使用は当たり前、3攻撃8カートリッジも
・砲撃魔法一撃敵全滅を頻発
・なのはさんにとってのSLBはディバインバスターの打ちそこない
・ゆりかご大気圏脱出、フォワード全員負傷の状況から1人で逆転
・空港火災も余裕で砲撃
・戦場に立つだけでナンバーズが泣いて謝った、心臓発作を起こすクアットロも
・圧勝でも納得いかなければ犯人捕まえずに帰ってきてた
・あまりに強すぎるからなのはさんのいない次元世界で犯罪
・その次元にも砲撃
・犯罪者を一睨みしただけでレイジングハートが砲撃する
・実戦のない訓練日でも「……頭、冷やそうか」
・レイジングハート使わずに手で撃ってたことも
・一撃で敵全滅なんてザラ、味方まで全滅することも
・戦場に着くより砲撃する方が早かった
・六課建物内で砲撃した
・狙撃しようとしたディエチと、たまたまゆりかご船内にいたクアットロ、ヴィヴィオ、ヴィータともども砲撃
・陸のレジアスのイチャモンに流暢な肉体言語で反論しながら砲撃
・グッとガッツポーズしただけでガジェットが落ちた
・九歳でSLBができたことは有名
・スカの野望か始まったきっかけはなのはさんの撃墜
・海鳴の自分の部屋からミッドチルダまで砲撃が届いた
・アルカンシェルを砲撃で楽々相殺してた
・自分の砲撃に飛び乗ってゆりかごまで行くというファンサービス

・なのはさんは本気を出した事がない
・虚数空間に砲撃できるのはなのはさんくらい
・なのはさんがケガしたらリリカルなのは中断
・なのはさんが撃つと次元が歪む
・拾った子供に砲撃を約束
・イチローに砲撃されたことにまだ気づいていないナンバーズも多い
・じつはリンカーコアが稼働しているのは二割だけ
・なのはさんが戦場に立った時点で管理局の勝ちでいいだろ
・2回連続SLBは「今日はフェイトちゃんが食べたい」という暗号
・なのはさんは落ちてきたりんごを砲撃して万有引力発見したの有名
・なのはさんは、いつもはやての隣で懐いているヴィータを砲撃してあげたことがある

・全力全開すると周囲に怪我人が発生するので力をセーブしてた
・なのはさんが撃った砲撃をアジトで観察していたスカがすでに捕まっていた
・あまり砲撃を撃つとはやてちゃんとフェイトちゃんが傷付くから撃ちたくないという名言
・なのはさんの砲撃をかわせば減刑という法律はもはや伝説
・砲撃を防げば即無罪決定という破格の法律も達成できた犯罪者なし

547 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 23:30:42 ID:l5ZeQKWT
>>533
GJ!
ここのグリフィスは、初めから身分の高い伊良子清玄といった感じで性質が悪いw

548 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 23:33:55 ID:v8UxDAhx
>>540
その程度で物が言えなくなる奴はその程度の行動力ってことなのでは?

549 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 00:00:00 ID:YCs8AGtm
>>546
突っ込み所しかないんですけどーw
なのはさんどんだけ魔王なんd(次元跳躍砲

550 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 00:07:12 ID:t+HWRsdZ
>陸のレジアスのイチャモンに流暢な肉体言語で反論しながら砲撃
一瞬、ガチムチのレジアスが砲撃を搔い潜りつつなのはとお話している姿がw
そしてラストは夕日をバックにがっちり握手。無論、レジーはレスラーパンツで。

551 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 00:24:19 ID:RmI7Kj7g
>>544d
保管されてないのか〜
ちょっと残念

552 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 00:26:25 ID:Im+mvzUu
次スレで蟻地獄と歪んだ素直の新作が来ますように

553 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 00:28:50 ID:RmI7Kj7g
・ショーウィンドーのトランペットを物欲しそうに見ている少年に砲撃魔法をプレゼント

554 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 00:31:04 ID:sf9OQ84U
>>546
残念、一箇所だけイチローのままだw

555 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 00:32:17 ID:fKMbpBbv
>>546
イチローが砲撃しとるがな

556 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 13:47:37 ID:/L+aW9YK
>>545
ここにばっちり需要があるから安心して書いて下さい!
ちびっこ赤毛コンビ大好きだ

557 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 16:37:04 ID:GH974Si6
>>556
騎士服も真っ赤、釣り目もお揃いの天然ペアルックコンビでもあるw
それまで全く意識してなかった相手が「女の子」なんだと突然気づいて
意識し始める青春的展開とか大好物ですわ

558 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 18:47:25 ID:sf9OQ84U
>>557
男の子より女の子の方が年齢高いのも良ポイントだよな。

559 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 19:01:51 ID:xDuClOf0
ヴィータは「女」って気がしないんだが…
言葉使いのせいかな…

560 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 19:28:42 ID:oMCp6j0H
見た目がお子様で精神が漢だからな。
だが体が女の子ならエロパロ的には何の問題もない。
むしろ女の自覚がない子に自分が女であることを体でわからせて
苛めて苛めて泣かせるのが好きなので俺的には好都合。

561 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 19:35:00 ID:RdgPP73F
>>554>>555
ガイドラインについて詳しく知っているわけではないが、
あえて一つ元ネタを残しておくのがたしなみだと別のスレで聞いた。

562 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 20:05:52 ID:cAZ7yg5u
>>559
あの外見年齢の子を「女」として見るのはそれはそれでマズい気がするんだぜ

563 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 20:47:23 ID:TMqe5DOs
重要なのは社会的常識ではなく、自分が欲情出来るか否かだよ。
たが、紳士は幼女に性を感じても手を出すことは決してない。
何故ならロリコンの本質とは幼女性愛者ではなく幼女信仰者であるからだ。

564 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 20:54:18 ID:fQcD7P7I
>>559
あの言葉使いからデレへの移行がたまらないって人も居るんだぜ

565 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 21:40:06 ID:t+HWRsdZ
すんごくツンケンしながら手を握ろうとしたりするのか。
「あたしの方が年上だからな」とか言って。

566 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 22:21:43 ID:yZaljHVU
>>557
ラッキースケベを発動させてしまって、殴られるか物凄く怒られるかのどちらかかと思ってたら、
「キャッ!」なんて可愛らしい悲鳴を上げて手を振り払い、胸を守るようにしながら真っ赤になって涙目で睨んでくるだけだった、とか

で、そっから妙に意識するようになっちゃって、それに勘付いたはやてが「同じポジションの先輩とマンツーマンで訓練しよかー」なんて言い出して、
互いにギクシャクしながら少しずつ距離を縮めていくんですね
その内エリオがバリアジャケットのコートの色を白から赤に変えてくれってシャーリーに頼むようになったり、
お昼休みに木陰を覗き込むと、木に寄りかかるようにして寝てるヴィータと彼女に膝枕してもらって気持ちよさそうに寝息を立てているエリオの姿が発見できたりするようになる、と

ヴィータとしては「本当にこんなのでいいのか?」なんて控えめなエリオを焚きつけようとしてるんだけど、
エリオは「いえ、これで十分幸せなんです」なんて心底嬉しそうな表情で言うもんだから強く言えなくてもやもやしてるんだな

…我ながらすげぇきめぇ妄想だなーと思った、だが反省はしていない、むしろ転がりたくなったぞコンチクショウ!(ゴロゴロゴロゴロ

567 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 22:42:20 ID:3cNQRCTD
>>566
貴方は変態という名の紳士だ

568 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 22:57:09 ID:oMCp6j0H
>>566
読んでるこっちも転がりたくなったぞw
2行目あたりでヴィータがんな乙女な反応するわけねーwと思ったが
昔の主に色々されたトラウマからついらしくない反応してもおかしくないかもしれん

すまん、凌辱系好きなんでどうもそっち方面に補正がかかってしまうw

569 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:04:17 ID:sf9OQ84U
>>566
「キャッ!」じゃなくて「ひゃっ!」なら十分アリな気がするなw

570 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:09:32 ID:fQcD7P7I
それにしても44スレ見てると埋めAA氏を失ったのが悔やまれる

571 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:09:51 ID:O23HDoIz
確かにありだが、某サザエさんの「ひゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛」を連想してしまったw
ヴィータの場合うまい飯を食わせてくれる人には懐きそうだ

よし、黄金チャーハンつくってくらぁ

572 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:21:31 ID:lfx17Z7u
>>570
何スレか前に一回戻ってきてなかったか?w
気が向いたらきっとまた来てくれるさ

573 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:32:23 ID:O23HDoIz
それはたぶん別のお方ですよ
何だかんだでこうして埋まってるし、小ネタも投下されてるからお得感があってかえって良かった気が
r'⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒X⌒ヽ ⊂゙⌒゙、∩
ヽ__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__乂__ノ ⊂\(。^。)/


ついでにちょっくら次スレへのリンク貼らせていただきます

【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第88話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225719903/l50

574 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:39:15 ID:yZaljHVU
このレスで埋まったら次スレでエリオ×ヴィータ書く

575 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:41:35 ID:YxLnskio
このレスで埋まったら、ディエチのエロ書く。

576 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:44:37 ID:3semD/GL
このレスで埋まったらマリアージュのエロを書く

577 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:49:13 ID:uJ+PujwY
このレスで埋まらなくてもヴィヴィオ(ロリ)のエロ書く。

578 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:49:46 ID:M41wzbb6
このレスで埋まったらAs再構成クロはや長編書く

579 名前:名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 23:52:13 ID:NNUklzRB
>>573
>かえって良かった気が
埋めの小ネタは前からあったしそんな事はない
やっぱ帰って来て欲しいね


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