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【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合28

1 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 21:24:00 ID:d50o9Rsd
     _      ここは「ゼロの使い魔」「グリーングリーン」に代表される
    〃 ` ヽ    ヤマグチノボル氏の作品のエロパロを書くスレよ。
    l lf小从} l  / 荒らし、それに反応する輩はあたしの虚無で一発なんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ /  ご・・ご・・・ご主人様が好きならSSを書いてみなさい!
  ((/} )犬({つ′  あと、次スレは480KBか、970レスを過ぎたら立ててね。
   / '"/_jl〉` j    立てないとお仕置きだかんね!
.  ヽ_/ノヘ.)〜′   分かったら返事するのよっ!犬!

前スレ
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合27
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1201174846/

過去スレ
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合26
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199213475/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合25
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197993274/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合24
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1195488562/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合23
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193840986/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191862054/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合21
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1190655203/

まとめサイト ゼロの保管庫wiki
http://wikiwiki.jp/zero/

過去スレ(20スレ以前)については、上記のまとめサイトを参照になさいっ!

2 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 21:25:20 ID:d50o9Rsd
〜シルフィードでも分かる保管庫更新講座〜


○新規に保管する場合

 1.ゼロの保管庫を開く。

 2.上のメニューバーの『新規』をクリック。

 3.ページ新規作成メニューが出るので、欄の中にSSの通し番号を入力し、『編集』をクリック。
   (通し番号は、スレ番―レス番という形式。
   たとえば1スレ目の141番から投下されたSSの場合は1-141と入力すればよい)

 4.新規ページ編集画面が出るので、フォームに本スレからSSの本文をコピペする。

 5.コピペ後、フォーム下の『ページの更新』をクリック。
   ちゃんと出来ているか不安なら、まず『プレビュー』クリックし、実際にどのように表示されるか確認すること。

 6.対象SSの作者のページを開く。
   (たとえば261氏のSSを保管したい場合は261氏のページを開く)

 7.ページ上のメニューバーの『編集』をクリック。

 8.対象作者ページの編集フォームが開くので、SSのリストの中に、新規に追加するSSの通し番号とタイトルを入力。
   出来れば通し番号順に並べた方が見やすいと思われる。
   また、この際、通し番号を[[]]で囲むと、確実にリンクされるはず。
   (上の例で言えば、[[1-141]]ゼロの使い魔(タイトル) という風に入力する)

 9.入力後、フォーム下の『ページの更新』をクリック。

 10.更新終了。余裕があればキャラ別orジャンル別も同じように更新すべし。


○既出のSSの修正or続きを追加する場合

 1.ゼロの保管庫を開く。

 2.対象SSのページを開く。

 3.上のメニューバーの『編集』をクリック。

 4.編集フォームとその中に記入されたSSの本文が現れるので、必要な部分を追加or修正する。

 5.フォーム下の『ページの更新』をクリック。

 6.更新終了。


3 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 21:26:36 ID:d50o9Rsd
大急ぎで勃てたぜ


4 名前:ボルボX:2008/02/16(土) 21:28:12 ID:18pCN0Si
>>1
向こうでも書きましたがありがとう、乙です。
続き投下。

5 名前:降臨祭の第七日・昼(クリスマス特別編・シリアス):2008/02/16(土) 21:28:52 ID:18pCN0Si
(あ、そういえば)

 アンリエッタはもじもじと両手の指先をからみあわせ、はにかみ気味にルイズを上目づかいで見た。

「あの……それならものは相談なのだけれど、今日明日サイト殿を借りる時間をもう少し延ばしてもらえないかしら?
 お昼からのごたごたで、まだ街に入ってさえいなかったんですもの」

「いえ、それは当初の約束どおりの刻限までで……」

 ルイズの態度は、一瞬にして氷河もかくやという冷然たるものに切り替わっている。
 『そっちの話なら別』と主君ではなく、幼なじみ兼恋敵に対する目で語っていた。

 ここからが肝要だわ、とアンリエッタは息をととのえる。
 なにしろ自分は、新年すぐあちこちの行事にてんてこまいに飛びまわり、七日目にして旅先ながらようやく束の間の自由を手に入れたのである。
 いつものように才人をルイズから借り、せっかく見慣れない土地に来たのだから二人で街見物でもしよう、と思ったらいきなり大きく時間がつぶされたのだった。

 問題発生で失ったやすらぎの時間を、少しでも取りもどしたい。

「ルイズお願い、そこをちょっとだけ譲歩して?
 あなたは今日までの降臨祭のあいだ、ずっとサイト殿の手をとっていられたじゃない。少しくらい」

「言っときますが、アレはわたしの使い魔です。基本わたしに属します。一緒にいるのが当然のイキモノです。
 陛下におかれましては、臣の所有物に手をかける行為をつつしまれては如何と具申しますが……」

 慇懃なイヤミを駆使することも覚えたルイズだった。
 幼いころの二人ならこのあたりで喧嘩に発展しそうなところだが、アンリエッタも今となっては粘りづよく交渉することを覚えている。
 まして才人の貸し借りに関する交渉はいつも難航するので、この程度は慣れっこになっているのだった。

 女王と貴族の本日二回目の駆け引きは、これからが本番になりそうである。

\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\

 一方。
 かなり弱まってきた風雪のなか路傍の石にこしかけ、少女たちの応酬を離れたところで聞きながら、才人はデルフリンガーを布で手入れしている。
 そのしゃべる剣が揶揄するような笑い声をたてた。

『相棒、こんなときいつも俺の相手してくれるのはいいが、ひんぱんな現実逃避はよくないぜ』

「…………待つ以外、俺に他にどうしろって言うんだよ?」

 彼は彼で、悩みが尽きないのだった。
 マリコルヌならずとも、一般の目から見るとつい刺したくなるような悩みではあったが。


6 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 21:29:57 ID:EfMITjrU
支援

7 名前:ボルボX:2008/02/16(土) 21:31:19 ID:18pCN0Si
ほんとにラスト一レスだった……
すみません、冬が終わる前にクリスマス編うpしようと、エロほっぽってシリアス書いてました。
時間かかったし、変遷したあげくクリスマスのクの字も出てこないものになったけど……
前回のエロの続きはなるべく早いうちにお届けします。

蛇足ながら目の見えない人を集め、殴りあわせて面白がっていた中世の貴族とかは実際にいたそうです。お金払ってたかは知らないけれど。

8 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 21:36:21 ID:g7/Uq+9N
乙でございます

9 名前:また挿してみた。:2008/02/16(土) 21:42:55 ID:RbnaQZft
ボルボX氏。超疲れさんでした。続編死ぬほどお待ちしてます。
既に見てらっしゃるかと思いますが、勝手にそちらの黄金溶液をネタに
挿絵描かせてもらいました。そちらの描く話はものすんごくエロくて
最高に好きです。これからもがんばってください。


っと、スレ閲覧の諸氏。如何お過ごし也や?
アレからまた一杯茶を入れてみたんで飲んでくれると嬉しい。

http://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/q2d80216213653.jpg


今回の茶葉は、ttp://wikiwiki.jp/zero/?24-5が産地だ。
おいしく入ってると嬉しい。また適当に旨そうな茶葉を見つけたら
入れに来るから。次回予定はタバサあたりを・・・

10 名前:また挿してみた。:2008/02/16(土) 21:43:23 ID:RbnaQZft
あ、イカンh抜き忘れた(汗

11 名前:また挿してみた。:2008/02/16(土) 21:51:40 ID:RbnaQZft
もう一丁忘れてた(汗汗
需要あるか知らんが、台詞・効果音のないverも
微妙に見えない箇所あるんで。

ttp://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/55380216215042.jpg

12 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 21:54:02 ID:18pCN0Si
>>11
絵うまいですね。・・・実はこの一週間、外泊とかSS追い込みとかでろくすっぽスレ見に来れてなかったんです。
今日まとめてじっくり前スレ読んだとき、>>593を見つけ、すでに見られなくなってることに歯噛みしてます。
無念すぎるううう・・・とにかく挿絵つけていただいたようで、ありがとうございます。

13 名前:また挿してみた。:2008/02/16(土) 21:58:20 ID:RbnaQZft
>>12 ボルボXサン
消えてました??ほなもう一回再UPしときますー
ttp://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/yza80216215735.jpg

14 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 22:00:40 ID:18pCN0Si
>>13
即座に保存させていただきましたwwありがとうです。

15 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 22:10:33 ID:QFvMbYJI
>>ボルボX氏
GJ!
アニエスってかっこいいよなぁと再認識した。
最近任務でかわいい服着たりしてたから微妙に忘れてたけど。

>>9
エr……旨いお茶ごちそうさん!
次も楽しみにしている。

16 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 22:12:47 ID:gO9n/mEx
>>9
GJ。だがあえて言おう。
胸 が 大 き す ぎ る と !

17 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 22:13:36 ID:PBrf7003
うわはぁい
相変わらず魅せますなぁ。

ボルボ大兄&>1&>11GJです

18 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 23:06:24 ID:FoubLOU7
>>11
なんだ、このいやら…けしからん茶は!

19 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 23:21:56 ID:8JEKBpkn
ボルボ氏 GJ!
あなたが投稿してくれる限りこのスレは不滅だ!
次も心待ちしてます。

自HPはお持ちですか?
どこか他スレに投稿してますか?
あるのならば飛んで行きますww

20 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 00:28:49 ID:m5fX2nDl
一心不乱に読みふけってしまった・・・。クオリティ高須クリニック
ボルボ氏、素晴らしいです。ありがとう

ゼロ魔のアナザーストーリーとして売られていてもおかしくないね。てか買う。

21 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 00:39:25 ID:OLywp99q
ボルボ氏 GJ!
相変わらず凄い文量ですね
そしてクオリティが高い
これからも頑張ってください

22 名前:ボルボX:2008/02/17(日) 01:25:29 ID:tBYxTvE6
GYA! 見直したら一レス分抜けていた! 何やってんだ俺・・・
>>5の前に付け加えるはずのやつは↓に。

>>19
ありがとう、でもこのスレ以外の投稿はしたことがありません。HPもないです。

23 名前:欠落補足・>>5の文の直前:2008/02/17(日) 01:26:37 ID:tBYxTvE6
「姫さま、ハトの知らせにすぐ応えてくださって、ありがとうございます。
 あの鳥があんなに便利とは思いもしませんでしたわ。あんなに早く姫さまたちに届くなんて」

 ルイズが言っている「知らせ」というのは、アニエスが武芸試合で戦う合間にルイズが飛ばした一羽のハトである。
 銃士隊が使用する連絡用のハトだった。使い魔である鳥ほど賢くはないが、訓練によって手紙をはこぶことができる。
 が、アンリエッタは首をふった。

「ハトの知らせは、この近くにある銃士隊の詰所に届くのよ。今さっきその報告が来ました。
 もちろんアニエスやあなたの判断は取りうるかぎり最良のものでしたが、それでも本来ならば増援はやや遅きに失したでしょう。
 わたくしとサイト殿がここに来たのは、〈黒騎士〉の一団に襲われていた行商人の馬車を、サイト殿が助けて事情を聞いていたからなの。
 あなたたちがここにいるとは思いもしなかった。本当にたまたま、同じ出来事の一端に関わっていたことになるわ」

「……やはりメイジの使い魔の鳥と一緒にしては駄目、ってことですね……でも、平民たちは苦労してこんな連絡方法を編み出したんですね。
 飛べる使い魔を自分が持っていなければ、メイジだってやはり他人に頼るしかない。誰でも使える通信技術というのは案外大きいかもしれません」

 そうね、とアンリエッタはうなずいた。
 平民は弱い。メイジのような力がなく、社会においても立場がせまく、それゆえ一部の貴族の横暴にはひたすら耐え忍ぶしかない。
 それでも彼らは存外にしぶとく、したたかなのだった。

 ……とはいえ旧態依然としたこの国では、隣国ゲルマニアほど平民に力はついていない。
 だからこそ今しばらくは、貴族の長にして唯一の天敵でもある王権が、目を光らせておく必要があるのだろうが……
 ふと自嘲がもれた。

「ねえルイズ、平民は貴族を恐怖し、貴族は王権を警戒する……そして王は、おそらく何もかもを怖れなければならないのでしょうね」

 民の意識を、貴族の力を。外敵と内からの裏切りを。
 みずからの手にした権力を。頂点に立っていることそのものを。
 怖れすぎて弱くなることを、驕ってなにも怖れなくなることを。

 「難しいわ」とぽつりとつぶやき、それきり口をつぐんで雪を見つめているアンリエッタに、ルイズが真摯な顔で胸をはった。

「姫さま、わたしまで怖れる必要はありません。及ばずながら微力をつくします。
 かならず御心にそえるとは限りませんが、なんでも言ってください」 

 アンリエッタは微笑んでうなずいた。
 ルイズの言葉は形としてはありきたりだが、そこにこもった真情は輝くような本物である。暗かった胸中が、徐々に晴れていくようだった。

 このルイズさえ信用できないとしたら、彼女の信用に値する生粋の貴族など残らなくなる。
 アニエスや才人はまた別だが、彼らはみずから抜擢した平民出身の者なのである。
 思考が才人におよんだとき、まったく違うことを思い出した。


24 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 01:29:58 ID:tBYxTvE6
文章欠落とか重なる顔出しとか色々失礼しました。おやすみなさい。ノシ

25 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 01:36:32 ID:Qb0snNni
あー、ハトはどうしたのかなって思ってたんだ。

とにかく乙でした。

26 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 01:48:56 ID:XDlNJFh/
一レス飛んでる気はしていたんだ
これで内容がつながった

相変わらず素晴らしいクオリティと分量でした
次回も楽しみに待ってる
GJ

27 名前:また挿してみた。:2008/02/17(日) 02:02:03 ID:VNbTU2cz
>>ボルボXサン
お疲れさんでした。なんか一箇所欠損してる様に感じてたんですが
入れ損じでしたか(笑 まぁそういうことはよくありますよw

>>16
>>17
>>18
感想thx。確かにちとルイズの胸デカくみえるね(汗 気をつけます。

>>ALL
次回はタバサをネタに一枚描くつもりだけど、
「ココの茶葉で入れろ!」ってのがもしあるなら是非言ってくれると嬉しいかも。

28 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:38:58 ID:BE64BrWE
GJすぎる

聖女の日の、泣いてるタバサはどうでつか?

麻雀ネタでSS考えてるんだけど、もういらないですよね?

29 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:54:50 ID:f4nU2fJB
>>28
いらないわけないだろ。
早くワープロの前に戻ってタイピングする作業に戻るんだ!!

30 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 03:32:12 ID:BE64BrWE
>>29
了解w頑張ってみるw

31 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 09:27:47 ID:6z4Ax8/d
ボルボXさんGJです毎度すばらしいSSありがとうございます

また挿してみた。さんの絵も最高にエロくてハァハァ
そこで思ったんですけど先に書き手の方々の了承をとってみては?
後から変なのが沸いてゴチャゴチャといわれるのはあれだと思うので

32 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 10:10:57 ID:nRD9fIp1
うん。「またに挿入してみた」さんの活躍を期待している!!

33 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 10:38:11 ID:OLywp99q
>>27
乙! SS職人だけでなくあなたのような絵師が増えれば
このスレの活性化に繋がると思う

34 名前:林檎 ◆xkeoH47fcA :2008/02/17(日) 14:00:20 ID:GjBHauZf
バレンタインでエロ無しだったのを私が納得できなかったので
短いですが番外編を投下させて頂きます

35 名前:彼女の計画、番外編 ◆xkeoH47fcA :2008/02/17(日) 14:01:26 ID:GjBHauZf
 彼と泉の所で愛し合ってどれぐらいの時間が経ったのだろうか?
 太陽は泉の上を通り過ぎ、また樹の陰へと入りそうなぐらい傾いている。
 私はジャムと彼の精液、自分の汗、愛液、濡れていない所を探すのが難しいぐらいに色々な物でどろどろになっていた。
 彼はというと、私の身体を散々攻め抜いた疲れからか、横でスヤスヤと眠っている。
「ん…、少し身体を洗わなきゃ…」
 誰に言うでもなく私は呟き、草の上から身体を起こした。
 すえた臭いが広がるが、延々イカされ続けた私の頭はそれすらも更なる性欲を刺激する匂いに感じさせる。
 改めて自分の身体を見ると、その有様に溜息しか出なかった。
 よろよろと起き上がり、泉の方へと歩いていく。
 歩いた拍子に、ごぽっと音がして、アソコとお尻から彼の精液とジャムの混じった物が溢れ出てきた。
「どろどろ…」
 まだ上手く足に力が入らないけど何とか泉まで辿り着き、そのまま泉の中に入っていく。
「っつ…、少し冷たい…」
 でも、火照った身体を鎮めてくれそうで心地よかった。
 思い切って私は飛び込むように全身を水の中へ放り込む。
「…ぷぁっ!」
 少し深いところまで泳ぎ、空を眺めながらゆらゆらと水面に浮かんでいると、身体がそのまま溶けていくような感じがして気持ちがいい。
 ずっと空を眺めながら居ると、先ほどまでの激しい情事の事を思い出してくる。
 渡した後、彼はすぐさま私の全身にジャムを塗りたくり、色々な所を攻めてきた。
 私は胸が弱いのを知っているくせに、執拗に弄ってきたり、私の愛液とジャムを混ぜて私に舐めさせたり。
 彼のペニスにジャムを塗り、私が味わったりもしたけれど…、大半は私が攻められていたような気がする。
 彼に開発されたからか、私の身体は私が思っている以上に敏感になってきている。
 最近では胸だけでイカされたり、最初は少し抵抗があったお尻でもイケるようになってしまった…。
 アソコに入れられてる時とはまた違った快感が得られるので、私も少し病み付きになってきているのかもしれない。
 それに、お尻に入れられた時の圧迫感とか、擦られた時の気持ち良さはアソコ以上だし…。
「って!何考えてるの…!」
 私は煩悩を追い出すために頭を振りながら起き上がり、身体を洗い始めた。
 至る所にキスマークの付いた身体。胸にも沢山のキスマークが付いている。
(俺はシャルロットの胸、好きだよ?)
 そんな彼の甘い言葉が思い出される。
 こんなに小さくても彼は満足しているのだろうか?やはり大きい方がいいのではないか?
「んふあっ!」
 さっきまでの情事の熱がまだ残っているのだろうか?洗おうと胸に触れると痺れるぐらいの快感が私の中を駆け巡り、私はあられもない声を上げてしまった。
「乳首…、硬くなってる…」
 一度認識すると、身体の奥底から性欲が湧き出すように溢れてくる。
 なんだか凄く、したい…かも…。でも、彼を起こしてまでなんて…。
「でも、我慢できないよぉ…」
 私は無意識のうちにアソコを擦り始めた。


36 名前:彼女の計画、番外編 ◆xkeoH47fcA :2008/02/17(日) 14:01:51 ID:GjBHauZf
「――っ!んんっ、あっ、っく、はぁん!あっ、あっ、ひ、はぁっ!」
 水面がぱしゃぱしゃと波立ち、私の肢体を隠す。
 左手で乳首を摘むと、そこは既に痛いぐらいに硬くなっていた。そのままこねる様に刺激する。
 同時にアソコも擦り上げていくと、快感で腰がビクビクと震えてくる。
「あぁっ、あんっ、ここ、擦ると、気持ち、いいよぉっ!ふあっ、ひぁっ、んっく、あんっ!」
 でも、まだ物足りない。強い刺激が欲しいけれど、そんなにあっさりと終わらせてしまうには惜しい気がした。
 そう、こんな時彼だったら…。
(シャルロット、そんなに腰を浮かせて、気持ちいいの?)
 そう、こんな風に言って、私をじらしてくるに違いない。
「ひああっ、やぁっ、はっ…、あんっ!だ、だってぇ!あぁっ、あんっ!じらすの、やぁっ!」
 頭の中で彼が私をじらしてくる。
 私の身体はそれに従うのが自然だと思うように動く。
 一番気持ちいい所には触れずに、ギリギリのところで私をどんどんと昂ぶらせていく。
(ほら、どうして欲しいのか言ってみて?)
「あっ、んふぅっ!いれ、てぇっ!いれるのぉ!あぁっ、んっ、はぁんっ!」
(何をどこに入れて欲しいのか、言ってくれないと分からないなぁ…)
 じらされている私は段々と理性が溶けていき、卑猥な言葉を口にし始める。
「サ、イトの、ペニス、ふあっ、わたしの、あぁっ!アソコに、いれてぇ!」
 彼のペニスが入ってくるのを想像しながら、私は自分の指を2本アソコに挿入していく。 ぶちゅっと愛液のはじける音がして、アソコは私の指を簡単に飲み込んでいく。
「ひああぁっ!はい、ってくるよぉっ!なか、こすれてっ!はぁ、はぁ、んふぅっ!」
 私の膣内は待ち焦がれた感触に喜ぶようにひくつきながら指に絡みつき、愛液を溢れさせる。
 胸を少し強めに揉みながら入れた指を動かし始めた。
 グチュリグチュリと粘液質の音が耳に響き、その音が聞こえるたびに私の快感も押し上げられていくように感じる。
「や、ああっ!あっ、ふあっ、うちがわ…、こ、こすれて…っ、あんっ、はぁ、はぁ、あっ、んくっ!」
 快感を貪るように挿入している指の動きをどんどんと激しくさせていく。
 指が膣内を、掌が私のクリトリスを擦り上げていき、私の喘ぎ声も大きくなる。
「あはぁっ、んんーっ、あっ、あはっ!も、もっと、うごいて…っ、あんっ、や、んっ!」
 襞が私の指をきゅっと締めてくる。全身がビクンビクンと細かく痙攣し、何時も彼としている時の絶頂を迎える直前のような感じがした。
 私はラストスパートと言わんばかりに胸と膣内を弄っていく。
「ひっ!あぁぁっ、やっ、はっ、あっ!くるっ、きもちいいの、くるぅっ!いっく!あっ、ひあっ、あんっ!」
 全身が総毛立つようにゾクゾクとする。ぶるっと身体が震え、私は一気に絶頂へと駆け上る。
「なか、締まってっ!きもちいいのでっ、あぁっ、いっぱいになっちゃあっ!ふああっ、っくあっ!」 最後のとどめとばかりに、私は指を膣奥へと突き入れた。
 ぶしゅっと愛液の弾ける音がして、私の理性のタガが外れる。
「いっく!ひあああっ!あ!!ああああっ!」
 声があたりに響くのもお構いなしに、私は嬌声を上げながらイった。
「っ!!ふああああああああああっ!あっはああっぁぁぁぁぁ!」
 全身の筋肉が弛緩し、私は水面に身体を預けるようにして、くたっと倒れた。
「ひ…はぁ…、あっ、ん、はぁ…はぁ…」
 気持ち、良かった…。



37 名前:彼女の計画、番外編 ◆xkeoH47fcA :2008/02/17(日) 14:02:30 ID:GjBHauZf
「…相変わらずイクの早いなぁ、シャルロット」
「っ!?なっ!!サイトっ!?」
 私は突然の声に驚き、水から飛び上がるように身体を起こした。
「そりゃ、あんな大きな声で喘いでたら嫌でも目が覚めるって」
「――っ!!」
 顔から火が出るんじゃないかというぐらい真っ赤になっていくのを感じ、私は逃げるように水の中に潜ろうとした。
 だけど、紙一重の差で彼が飛び込んできて私を抱きとめる。
「して欲しいなら言えばいいのに。何遠慮してるんだか」
「ちょっ!待っ――、んん…、ちゅっ、ぷあっ、サ、イト、まっ、ちゅ、んふっ」
 言い訳をしようとした私の唇を、彼は強引に塞いでくる。
 激しいディープキスに、イったばかりで余韻の残っている私の身体はまた熱くなり始めた。
「もお…、しょうがないなぁ…」
 私はさらにキスをしようとしてくる彼の頭に両手を回して、私からキスを仕返した。


38 名前:林檎 ◆xkeoH47fcA :2008/02/17(日) 14:06:58 ID:GjBHauZf
かなり短いですが以上です
シャルロット弄りすぎのような気もする

関係ないけど、改行ミスを投稿した後に見つけると凹む_| ̄|○|||

39 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 14:09:40 ID:m5fX2nDl
>>38
今すぐ出かけなきゃならんのに・・・おっきしてしまった。
ジーパンに履き替えだ。どうしてくれる

GJ

40 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 14:29:26 ID:BE64BrWE
学校で補講中なのにおっきしちゃったじゃないかwww
GJです

ミョズニルニトンが戦闘中にサイトに恋をして、愛するサイトのとこに行くために、邪魔なジョゼフを倒して愛するサイトのとこに行くっていう
ヤンデレなミョズニルニトンを毎晩妄想してる俺は異端ですか?w

41 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 15:26:39 ID:JQqFuXgz
GJ! エロカワイイよシャエロット

>40
異端ではないが間違いなく変態だな
おめでとう!我々は新たなる変態の誕生を祝福しよう
あとはその妄想を文章にすれば、君も立派な変態紳士だ

42 名前:205:2008/02/17(日) 16:35:23 ID:fIg3HJdo
「不幸せな友人たち」の続きを投下します。
サブタイトルは「アニエス」で。

43 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:35:50 ID:fIg3HJdo
 ギーシュ・ド・グラモンらが処刑されてからほとんど間を置かずに、トリステインの王政は幕を閉じた。
 それは同時に、貴族という特権階級の消滅をも意味していた。今回ばかりはデルフリンガー男爵領
にも大きな影響が出るかと危惧したティファニアだったが、問題はほとんど起こらなかった。
 現在領主として領地の運営に当たっている貴族は、各地区で選出された代表者の政治的な補佐役と
して、以後もその地位に留まってもよい。
 アンリエッタ女王が、新たに誕生した国民議会に政権を譲渡する際、そういった取り決めが交わさ
れたからである。
 これには「それは旧領地の領民の過半数から支持を得られた場合に限られる」という但し書きがつ
いていた。ルイズは十数年間の稀に見る善政により、デルフリンガー男爵領に飛躍的な発展をもたら
したので、領民は当然、これ以降もこの地に留まってくれるよう懇願し、彼女もこれを受け入れた。
「サイトも手紙でそうしてくれって書いてたし、あの人がちゃんと腰を落ち着けてくれるまで、この
土地を守っていかなくちゃ」
 ルイズはそんな風に笑っていたそうだ。
 アンリエッタに反抗的だったり、地位を利用して私腹を肥やしていた貴族はほぼ全員粛清されてい
たため、他の領地でも事情は大体同じだったらしい。元女王の計画は完璧であり、国内で大きな問題
は起こらなかった。必然的に、デルフリンガー男爵領に外界からのトラブルが持ち込まれることもな
く、時はまた穏やかにゆき過ぎる。
 手紙の中の才人は平和な世の中を飛び回り、各地で困っている人たちを助けて回っている。命の関
わるほど危険な冒険には、もう挑んでいない。ルイズは彼からもたらされる穏やかな報告を楽しみに
しながら、平穏な日々を過ごしているそうだ。
 タバサとの約束は、未だに果たせていない。
 何度か決意して城に接近したことはあるのだが、彼女の目の前に歩み出るための最後の一歩が、ど
うしても踏み出せない。
 何をするのが正しいのかは、分かっているつもりだ。それでも、実際にルイズに会おうと思うと、
どうしても心が揺らいでしまうのだ。
 そうして何も出来ぬまま、世の中が大きく変わってからニ十五年の時代が経った。
 もはや男爵ではなくなったルイズだったが、領民は未だに彼女のことを「男爵様」と呼ぶ。彼女が
住まう居城は、かつてそこに翻っていた紋章から、「剣の城」と名を変えた。
 才人はアルビオンにおり、未だ戦争の傷が癒えぬ地域で、復興事業に従事していることになっている。
 ティファニアが彼女の小屋に予期せぬ来客を迎えたのは、そんな頃のことである。

(愛しいルイズ。俺は今、アルビオンの片隅にある寂れた小都市に滞在している。ここは前の戦争で
壊滅して以来、未だにほとんど手付かずのまま復興が遅れていた町で……)
 ティファニアがテーブルに向かって偽物の手紙を書き進めていたとき、不意に小屋の外から小さな
話し声が聞こえてきた。
「……ではアン様、歓談の準備が整い次第、お迎えに上がりますので」
「ええ。遅れないようにね、アニエス」
 ゆっくりとした足音が近づいてくる。ティファニアは慌てて立ち上がり、手紙を小屋の隅の長櫃に隠した。
(誰だろう? この小屋に用事……よね、きっと。他には何もない場所だし)
 だが、先程の話し声は明らかに聞き覚えがない。いや、先に話していた方には記憶にかすかなひっ
かかりを覚えた気がしたが、答えていた方は本当に聞いたことがない声だった。
(どうしよう。誰が何の目的で来たのか分からないし、留守の振りをした方がいいのかしら)
 ティファニアがそんなことまで考えたとき、予想通りドアがノックされる。音は控え目だし乱暴で
はなかったが、不思議と無遠慮に感じられる叩き方だ。
 ある程度予想できたのはここまでである。
「入りますよ」
 返事を待つどころか、そもそも了解を得るつもりすらない言葉だ。まるでそれが当然とでも言わん
ばかりに、ドアが押し開かれる。驚くティファニアの前に姿を見せたのは、見覚えのない老女だった。
 場違いに豪華なドレスを身に纏っている。肩の辺りで切り揃えられた髪は総じて真っ白だ。眉間に
深く刻まれた縦皺と、この世の全てを疑っているような冷たく油断のない瞳が特に印象的だった。

44 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:36:15 ID:fIg3HJdo
(誰だろう)
 困惑するティファニアの前で、その老女は無遠慮に小屋の中を眺め回すと、鼻を鳴らした。「貧相
なところね、豚小屋かと思ったわ」とでも言いたげな、不遜な仕草だった。
 胸にもやもやとした感じを覚えながら、ティファニアは目の前の老女に声をかける。
「あの、どちら様でしょうか」
「あら、ごめんなさいね」
 全く謝意の感じられない声音だ。
「私、アンリエッタ・ド・トリステインと申します」
 そう名乗ったあと、白い手袋をつけた手で口元を覆い隠して、わざとらしく笑う。
「ああごめんなさい、こんな奥深いところに住んでいるんですもの、名前を言っても分かりませんわよねえ」
 胸の中のもやもやが、完全な不快感に転じた。
「いえ、知っていますよ。トリステイン王国の女王、アンリエッタ様ですよね?」
 苛立ちを声音に出したつもりはなかったが、目の前の老女の顔は不快そうに歪んだ。彼女は大きく
咳払いすると、目を鋭くしてティファニアを見た。
「残念ですが、私はもう女王ではありません。今ではアルビオンに住む一市民に過ぎませんわ。私の
ことは……アン、と呼んでくださいな」
「それでは……」
 アンさんでいいのだろうか、と一度考えたが、さすがに元女王と認識している人間相手と考えると、
違和感が拭えなかった。
「アン様、でよろしいですか?」
「ええ、それで結構です」
 アンリエッタは満足げに頷き、何かを待つように悠然と腕を組んだ。
「とりあえずこちらに掛けて下さい」
 テーブルの前に置いてある椅子を手で示したが、アンリエッタは動く気配がない。視線にわずかな
非難を込めてこちらを見つめている。そこでようやく、目の前の老女が元女王だった、ということを
思い出した。
 黙って椅子を引くと、アンリエッタは無言で椅子に座る。白手袋を脱ぎながらこちらを見る目は、
「鈍い人ね」とでも言わんばかりの目つきだった。頬が引きつりそうになるのを我慢しながら、ティ
ファニアもテーブルを挟んで向かい側の椅子に腰掛ける。
「ええと、それで」
 話を切り出そうとすると、「その前に」とアンリエッタは眉をひそめた。
「町からここまで歩き通しで、喉が渇いたのですけれど。それとも、ハーフエルフには客人にお茶を
出す習慣がありませんの?」
「すみません、そういったものは置いていなくて……水でよろしければ、ありますけど」
 アンリエッタは信じられないことを聞いたとでも言うように、ため息をつきながら大袈裟に首を振った。
「いりません。水など飲むぐらいなら我慢した方が……」
 言いかけて、何かに気付いたように視線を止める。じろじろと無遠慮にティファニアの格好を眺め
たアンリエッタは、また口元を手で隠して笑った。
「ごめんなさい、あなた、大層貧しい生活を送ってらっしゃるのね。そんな方にお茶を所望するだな
んて、気遣いが足りませんでした。どうか、許してくださいましね」
 侮蔑と嘲弄の意図が滲み出ている口調だった。ティファニアは数年前よりも継ぎはぎが増えた自分
の服が急に恥ずかしく思えてくるのと同時に、目の前の老女に対する嫌悪感がこれ以上ないぐらいに
膨れ上がるのを感じた。
(なんて嫌な人なんだろう)
 なんの躊躇もなくそう思う。基本的に臆病で、心の中ですら他人のことを悪く言ったりできない
ティファニアにとっては、ほとんど初めての体験だった。
「それで、アン様は、どういったご用件でこちらに?」
 早く帰ってくれないだろうか、と思いながらも、表面には出さないよう努力しながら問う。アンリ
エッタは皺だらけの手でドレスをいじりながら、興味なさげに答えた。
「別に、この小さな小屋に用があったわけではありませんよ。私はね、大事な大事な親友に会いに来
たのです」
 アンリエッタの乾いた唇が、大きくつり上がる。ティファニアは身を固くした。

45 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:36:39 ID:fIg3HJdo
「大事な親友、ですか」
「ええ。あなたもよくご存知でしょう? とうに死んでしまった愛しい人が、まだ生きていると思い
込んで、稚拙な嘘を少しも疑わずに幸せに生きている、世界で一番馬鹿な女……」
 一語一語に強い力を込めながら、アンリエッタは言う。
「ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールのことですよ」
 ティファニアの背筋が震えた。目の前の老女への嫌悪感が、一息で恐怖に変わる。
 アンリエッタは馬鹿にするように鼻を鳴らした。
「でも、あの子ったらちょうど体調を崩しているとかで、お付きのメイドが歓談の申し出を断りまし
たの。私の従者が交渉に行っているから、もう間もなく応じるとは思いますけどね。全く、せっかく
私がアルビオンからやってきたというのに、体調を崩しているなんて……相変わらず空気の読めない
女だわ」
 憎憎しげに言ったあと、愉悦に満ちた笑みを浮かべる。
「まあでも、仕方ないかもしれませんね。こんな辺鄙な山の中で、老婆が暮らしているのですもの。
体を悪くするのも当然の」
 突然、アンリエッタは目を見開いた。椅子の上で体をくの字に折り、激しく咳き込み始める。驚い
たティファニアが立ち上がりかけると、鋭く叫んだ。
「来ないで!」
「でも」
「大丈夫、わたしは、大丈夫です」
 苦しげに喘ぎながら、アンリエッタが言う。皺と染みが目立つ頬を、汗が一筋垂れ落ちた。目が
爛々とした不気味な光を放っている。
「そうよ、わたしは人の助けなんかいらない。そんなに弱ってなどいないもの。あの子を笑ってやる
までは……あの子よりも先に、死ぬものですか。あの子なんかよりも先に……!」
 怨嗟のこもった呟きは、途中で聞き取れなくなった。
 アンリエッタはしばらくしてようやく顔を上げると、取り出したハンカチで顔の汗を拭う。
「ごめんなさい、お見苦しいところをお見せしましたわね」
「いえ。あの、どこかお体をお悪く」
「そんなことはありませんよ。気遣いは無用です」
 ぴしゃりと断定しながらも、アンリエッタの息は荒い。よく見ると、顔色もかなり悪いようだった。
濃い化粧で巧妙に隠されているため、今の今まで気付かなかったが。
(それにしても)
 息を整えているアンリエッタを見ながら、ティファニアは思う。
(この人は、本当にアンリエッタ女王陛下なんだろうか)
 直接見るのはこれが初めてだったが、彼女もまたルイズを取り巻く嘘を形作るのに協力した人間な
ので、シエスタからいろいろと話を聞いてはいた。
 その記憶を頼りに考えれば、彼女と自分はさほど年が離れていないはずである。だが、目の前の老
女を見ていると、どうもそれが疑わしく思えてくる。
(もしかして、ここに来てから四十年だと思っていたのはわたしだけで、本当はもう六十年ぐらいの
年月が流れていたんだろうか)
 ティファニアがそう疑ってしまうぐらい、目の前の女性は実際の年齢以上に年老いていた。
 かつては白百合と讃えられたというその美貌は、艶を失った肌に深く刻まれた皺と浮き出た染みの
中に埋もれてしまっている。髪はほとんど真っ白で、瞳は暗く濁っている。背筋はまだ伸びているが、
そこから感じられるものは凛々しさではなく、自分より低いものは出来る限見下してやろうという浅
ましい高慢さに過ぎない。着ているドレスは元女王らしくきらびやかだったが、年老いた老婆にしか
思えない彼女が身につけていると、何かとても醜悪なものを見ているような、非常に嫌な気分にさせられる。
 視線に気付いたのか、アンリエッタがこちらを見て不愉快そうに眉根を寄せた。
「なんですか、人の顔をじろじろと」
「いえ……ごめんなさい、なんでもありません」
「失礼な……全く」
 アンリエッタはぶつぶつと何やら低い声で文句を言っていたが、やがてふと、何かに気付いたよう
に立ち上がった。

46 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:37:02 ID:fIg3HJdo
「あら、これはなんですか?」
 アンリエッタは、部屋の隅に置いてあった長櫃の中から、手紙を一枚取り出した。封筒から便箋を
取り出し、声に出して冒頭を読む。
「『愛しいあなたへ』……ああ、ルイズからのお手紙ね」
 皺だらけの顔に皮肉げな冷笑が浮かんだ。もう一枚、先程ティファニアが隠した書きかけの手紙を、
取り出すと、面白がるような視線をこちらに向けてくる。
「そう言えば、あなたがサイト殿の振りをして、ルイズに手紙を書いているのでしたね。彼女、今は
愛しいサイト殿がどちらにいらっしゃると思い込んでいるのかしら?」
「アルビオンの片隅、未だ戦争の傷跡が癒えない地区で、復興作業に従事している、ということに
なっています」
「ふうん、そうなのですか」
 アンリエッタは小ばかにした様子で言うと、何か汚いものにでも触れるように、ルイズからの手紙
を指でつまんでぴらぴらと振った。
「馬鹿なルイズ。サイト殿はもうとっくにこの世を去られているのだから、そんなことが出来るはず
も無いのに」
 アンリエッタは口元を手で隠し、意地悪げに目を細めた。
「私があの子のところに行ったら、きっと嬉しそうに愛しいサイト殿のことを話してくれるでしょう
ねえ。彼がとっくに死んでいて、本当は自分がずっと一人で道化を演じていたってことを、少しも知
らずに。ああ、そうだわ」
 いかにも名案を思いついたという風に、アンリエッタは手を合わせた。
「いっそのこと、今日私が本当のことを教えてあげようかしら」
 ティファニアが思わず立ち上がりかけると、アンリエッタは心底愉快そうに唇を歪めた。
「安心なさい、軽い冗談です。最愛の人の死も忘れるような愚かな女に、これ以上の仕打ちは可哀想
ですものね」
 そう言いつつも、アンリエッタはその思い付きが心底気に入ったらしい。手紙をゴミのように長櫃
の中に投げ入れると、低い声で笑い始める。
「でも、本当に今教えてあげたら、あの子一体どんな顔するかしら。驚くかしら、怒るかしら? い
いえ、それよりもまずはみっともなく泣くに違いないわ。昔から虚勢ばかり張っていて、中身の方は
哀れになるぐらいに弱い女でしたもの。今だってこんな山奥に引きこもりっぱなしなのだから、その
辺りは全然変わっていないでしょうね。ああ、なんて無様な女なのかしら。これだけ長い時間を、馬
鹿げた幻想相手に無意味に過ごしてきたんですもの。本当に、無駄な人生だわ」
 ここにはいないルイズを嘲笑い続けるアンリエッタの顔は、暗い悦びに満たされていた。聞いてい
るのが耐え難くなるほど悪意に満ちたその様子に、ティファニアは椅子に座ったまま小さく身を縮める。
(どうやったら、こんなにも下劣な人間になることができるのかしら)
 ふとアンリエッタがこちらを見て、問いかけてきた。
「ねえ、あなたもそう思うでしょう?」
 醜い老女が一歩、こちらに近づいてくる。ティファニアは椅子に座ったまま身を引いた。
「なにが、ですか?」
「ルイズのこと。愚かで哀れなあの女。ねえ、なんて無意味な人生なんでしょうねえ?」
 嬉しそうな笑みを張りつけたまま、アンリエッタの顔が小さく傾ぐ。無機質にすら見えるその動作
に、ティファニアは危うく悲鳴を上げそうになった。
「そう思うでしょう? あの女の人生は無意味でしょう、哀れでしょう、何の価値もないでしょう?
あなただって、そう思うでしょう? だって、あの子の記憶を奪い続けてきたのは、他ならぬあなた
なんですものねえ?」
 アンリエッタの瞳に、羨望の色が混じる。
「なんて素敵なのかしら。記憶を奪う魔法だなんて。ねえ、楽しかったでしょう? あの女からサイ
ト殿の死に関する記憶を消してあげるのは。あの子は今、死の直前に自分だけがサイト殿に想われて
いたという、その事実すら知らない。自分がどれだけサイト殿に愛されていたのか、永遠に理解する
ことはないんですもの。ああ、わたしにもその魔法が使えたらいいのに。そしたら、毎日ルイズにサ
イト殿の死を思い出させて、思う存分泣き叫ばせて、その後でまた記憶を奪って、嘘の思い出を教え
込んで幸せな気分に浸らせたあとでまた本当のことを教えて泣き叫ばせてまた記憶を奪って、何度も
何度も何度でも、死ぬまでそれを繰り返してあげるのに、ねえ」
 恍惚とした笑みを浮かべるアンリエッタの前で、ティファニアは耳を塞ぐことすら出来ずにいた。
頭の奥に鈍い痛みがある。視界がやけに狭くなっていた。朦朧とする意識の中、アンリエッタの声だ
けが延々と響き続ける。

47 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:37:50 ID:fIg3HJdo
 ――ねえ、楽しかったでしょう?
(違う、わたしは、この人とは、違う)
 心の中で叫んでみるが、疑念は振り払えない。
 ――あの女の人生は無意味でしょう、哀れでしょう、何の価値もないでしょう?
 悪意に満ちた言葉は、しかしすんなりと胸に入り込んでくる。
 そうなのではないか、と思っている自分が、心のどこかにいた。
 都合のいい幻想に抱かれたまま、偽りの幸せの中で生きているルイズを哀れむ気持ちが、この胸の
中に確かにある。彼女をその状態に貶めているのは、他ならぬ自分だというのに。
(この人は、わたしだ。だって、この人が言っている通りのことを、わたしはずっと繰り返してきた
のだから。悪意があるかどうかなんて、少しも関係ない。記憶を奪われ続けているルイズさんにとっ
ては、どちらにしても同じことなんだわ)
 アンリエッタを見ていて感じる醜さは、そのまま己の醜さでもあった。目をそらしたくなる気持ち
を抑えて、ティファニアはポケットの中にあるものをぎゅっと握り締める。タバサがくれたナイフは、
いつも肌身離さず持っていた。その柄を握り締めて、なんとか目をそらさずに、アンリエッタを見つ
め続ける。彼女は笑っている。老いた顔に浮かぶ醜悪な笑みを、隠そうとする素振りすら見せない。
吐き気を催す光景だった。だが、ティファニアは見つめ続けた。
(そうだ、忘れてはいけない。わたしは、これぐらいに邪悪で卑劣な行為を、今でも続けているんだから)
 そのとき、不意にアンリエッタが笑いを収めた。ティファニアもナイフの柄を握り締めていた手か
ら力を抜く。手の平に汗が滲んでいるのが、いちいち確かめずとも分かった。
 不気味なほど静かだった。笑いを収めたアンリエッタは、何も喋ろうとしない。沈痛にも思えるほ
どに力のない表情で、じっと床を見つめている。先程までの妄執的な笑いからは想像もつかない、虚
ろな雰囲気を漂わせていた。そこには狂おしい怒りも忌まわしい悦びもない。その表情を見ていると、
ティファニアの胸は強く、痛ましく締めつけられた。
(一体、どうしたんだろう)
 困惑したが、それも少しの間だけだった。アンリエッタはまた、来たときのような底意地の悪い表
情を取り戻し、退屈そうに、無遠慮に小屋の中を見回し始めた。
「それにしても、ここは本当に何もないのですね。あら、これは……?」
 ティファニアの体が激しく震えた。アンリエッタが興味を示したのは、たった一つだけある木の棚の
上段に置いてある、青銅の置物だった。ギーシュが最後にくれた贈り物で、彼女が永遠に失ってし
まった大切な時間を、唯一形として留めていてくれるものだ。
(やめて、それに触らないで! 汚さないで!)
 アンリエッタが青銅の置物に手を伸ばしかけたとき、ティファニアはもうほとんど駆け出す寸前
だった。あの皺だらけの手で触れられたら、間違いなく彼女を突き飛ばしてしまっていたに違いない。
 そうならなかったのは、非常にいいタイミングで扉がノックされたためであった。アンリエッタの
手が止まり、ティファニアは少し安心してドアを振り返る。
「どうぞ」
 言うと同時に扉が開き、一人の女性が姿を現す。
「失礼。アン様、歓談の準備が整ったそうです」
 その女性が、小屋の中に足を踏み入れながら言った。ぴしりと伸びた背筋やきびきびとした所作、
言葉遣いに、ティファニアは懐かしさを覚える。
 アンリエッタは置物に伸ばしかけていた手を引っ込めて、鼻を鳴らしながら振り返った。
「遅かったわね、アニエス」
「申し訳ありません、シエスタ……メイドが頑固だったもので、少々手間取りました。城までお送り
いたしますので」
「当たり前です。あなたが草を払わなければ、ドレスが汚れてしまいますからね。全く、どうしてこ
んなところに来なければならなかったのかしら。ではティファニアさん、ごきげんよう」
 アンリエッタはテーブルに置いていた白手袋を着けなおすと、さっさと小屋を出て行ってしまった。
その後に続いて、アニエスも出て行く。
 しばらくして、従者の方だけが小屋に戻ってきた。既に日が落ちていたので、ティファニアはテー
ブルの上のランプに明りを灯していた。その頼りない明りの中で、従者は頭を下げる。

48 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:38:44 ID:fIg3HJdo
「すまないな。アン様はお一人でルイズに会われることをお望みだ。しばらく、ここで休ませてもらえるか」
 申し訳なさそうに言うアニエスに、ティファニアは椅子を勧めた。
「ごめんなさい、お茶も出せないんですけど」
「構わんさ。ああ、だが少し喉が渇いていてな。水ぐらいはもらえるとありがたいな」
 ゆったりと椅子に腰掛けながら、アニエスが言う。ティファニアは木の棚から器を取り、小屋の隅
に置いてある水桶から水を注いだ。客人に差し出すと、感謝の笑顔を返される。
「ありがとう。本当にすまないな、突然やってきて」
 器を傾けるアニエスを改めて見て、ティファニアは深い安堵を覚えた。
 やや堅苦しい外套に包まれた背筋は、ぴしりと伸びている。張り詰めていながらも幾分か他者への
余裕を残した凛々しさが感じられた。こちらを愉快そうに眺める瞳には、前向きで確固とした光がある。
髪も取り立てて言うほど白くはなっておらず、染み一つない顔には皺など数えるほどしかない。
 いきすぎなぐらい年老いていた主に比べて、元近衛隊長でもある従者は、ほぼ実年齢どおりの外見
であった。いや、実際の年よりも幾分か若く見えるかもしれない。
「さて、改めて……久しぶりだな、ティファニア」
 気さくに言ったあと、何かに気付いたように苦笑する。
「と言っても、そちらにとってわたしは四十年前に少し会っただけの女か……わたしのことは覚えているか?」
「はい、もちろんです、アニエスさん」
 ティファニアにとっては、才人やルイズと同じく、ほぼ初めて交流を持った「外界の人間」だから、
アニエスのことは驚くほどよく覚えていた。
「アニエスさんこそ、よくわたしのことを覚えてらっしゃいましたね」
「それはまあ、な。ハーフエルフというだけあってあのころと外見がほとんど変わっていないし、な
により、いろいろと印象的だったからな」
 ティファニアの胸をちらりと見て言ったあとで、「それに」と付け加える。
「ルイズのことで、シエスタと連絡を取り合っていたんだ。お前が彼女の幸せを守るために何をして
いたかも、よく聞いている。わたしとしては、十数年来の旧友に会うような気持ちなのさ」
 アニエスはすっと立ち上がり、おもむろに右手を差し出した。戸惑いながらもそっと握り返すと、
彼女は申し訳なさそうな顔をした。
「わたしのことを、恨んではいないか?」
「どうしてですか?」
 予期せぬ問いかけに驚くと、アニエスは短く答えた。
「グラモン卿のことさ」
「ギーシュさん……いえ、彼は自分の意志で行動していましたし、彼自身もアニエスさんのことを恨
んではいませんでした。それにわたしはここにいただけで、王都での状況には少しも関わっていませ
んから、恨むだなんて……」
 実際、ギーシュのことを思うと少し複雑だったが、やはり恨むところまではいかなかった。アニエ
スは少し安心したように「そうか」と呟いたあと、またすまなそうに眉を傾げた。
「アン様のこと、すまなかったな。不快な思いをしただろう」
「ひょっとして、ずっと小屋の外で聞かれてたんですか?」
「いや。だが、何があったかは大体分かるさ」
 唇の片端が皮肉っぽくつり上がった。
「誰にでもあんな態度なんだ、あの方は」
 ここで先程どんなやり取りが交わされたのか、大体把握できている口調だった。アニエスは椅子に
座りなおしながら、少し疲れた口調で言う。
「昔はあそこまでひどくはなかったんだがな。せいぜい冷たい印象を与える程度だった。それが、王
政の破壊を成し遂げてアルビオンの片田舎に引っ込んでからというもの、ますます酷くなっていった。
王政に対して抱いていた狂おしい怒りと憎しみが矛先を失くして、周囲の全てに向けられるようにな
ったんだろうな。今ではすっかり陰険で根暗な老人だ」
 アニエスはふと、何かに気付いたように苦笑して首筋をかいた。
「すまんすまん、こんなことを言ってもお前には何のことだか分からんだろうな」
 そう言いながら、目を細くして小屋の中を見回す。
「お前もこの四十年間、一人の人間のために苦労を重ねてきたのだと思うとな……つい、同志のよう
に感じてしまって、何もかも打ち明けたくなってしまうんだ。許してくれ」
「いえ、わたしは、そんな」
 ティファニアは迷った。自分が重ねてきたのは苦労などではなく罪の意識から来る自罰なのだと、
アニエスの言葉を訂正するべきだろうか。やめておいた。彼女の話が自分にはよく分からなかったよ
うに、自分の話もまた、彼女にはうまく伝わらないだろう。

49 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:39:27 ID:fIg3HJdo
「なあ」
 椅子をかすかに傾け、胸の上で手を組んだアニエスが、不意に口を開く。
「アン様がどうして今頃になってこの土地を訪れたがったのか、分かるか?」
「いえ、わたしにはよく……」
「あの方は、もう長くはないんだ」
 体をくの字に折って激しく咳き込むアンリエッタの姿が、ティファニアの脳裏に浮かんだ。
「ではやはり、ご病気なのですか?」
「さあな……どこもかしこも悪いんじゃないだろうか。分からないんだよ、医者に体を触らせたがら
んのだ、あの方は」
 そう言ったあとで、アニエスはくぐもった笑い声を漏らした。
「いや、医者だけではないか。私にすら、体を触られることだけは許さない。まあ今さらあの方に触
れたいと願う者がいるわけでもないし、特に不都合はないんだが、な。彼女が触れてもいいと思って
いる人間は、たった一人だけさ。お前もよく知っている人物だよ、ティファニア。誰だか分かるか?」
 アニエスの瞳に探るような色が浮かぶ。ティファニアは困惑しながら答えた。
「誰、と言われても……ルイズさんですか?」
 アニエスは肩を揺すって笑った。
「まさか。ルイズに触られるのは、他の誰に触られるよりも嫌だろうよ。そのぐらい、彼女を憎んでい
るからな。それに、あの方が唯一触れられたいと願う人間は、男だよ。いや、触れられたいなんても
のじゃないな。抱きしめられたい、と言ったほうがいいか」
 ティファニアは目を見開いた。一人の少年の笑顔が、頭の中に浮かぶ。
「まさか、その人って」
 アニエスは目を閉じ、深々と頷いた。
「そう、サイトだ。サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ。アルビオン戦役にて輝かしい戦功を上げ、
それだけを歴史に残して永遠に去ってしまった、我らの愛しい英雄殿さ」
 どことなく皮肉っぽい言い回しだ。ティファニアは困惑した。
「でも、どうしてですか? サイトは、女王様のことなんてあまり口に出さなかったのに」
「だからこそ、なおさらだろうな。そのわずかな繋がりに、あの方は縋りついたのだ。サイト殿なら
自分を救ってくれる。女王アンリエッタではなく、ただ一人のアンリエッタという女として愛してく
れる。それが真実だったのか否かはともかくとして、彼女は強くそう信じていたんだ」
 アニエスは片目を開いて、静かにティファニアを見た。
「そんな男が、自分からは遠く離れたところで、知らない間に死んでしまう。しかも、死ぬ間際に他
の女のことを言い残してだ。さて、どうなるだろうな?」
 体が震えた。アンリエッタのルイズに対する激しい敵意の源がなんなのか、今では分かりすぎるほ
どよく分かる気がする。
「でも、それじゃあ」
 混乱しながら、ティファニアは問いかけた。
「彼女はどうして、今さらルイズさんに会いたいと?」
「確かめたくなったんだろうさ」
「確かめる……何を?」
「自分という人間が、ルイズよりも勝っているということをだ」
 アニエスは胸の上で手を組みかえながら言った。
「あの方はルイズにサイトの死を忘れさせ、偽りの幻想の中に貶めて、なんて馬鹿な女だろうと優越
感に浸りながら生きてきたんだ。サイトに愛されたルイズよりも、サイトに愛されなかった自分の方
が、人間としては数段優れているのだ、とな。それだけが唯一ルイズに勝つ方法だと頑なに信じてい
るのさ。そして今、近い将来の自分の死を直感したとき、確かにそうなのだと確かめたくなった。だ
からルイズに会って、間近で彼女を思い切り笑ってやろうという気になったのさ」
「それじゃあ、やっぱり彼女は、ルイズさんに真実を教えるつもりで……?」
 一瞬、あの老女を行かせたことを後悔しかける。だが、アニエスは首を横に振った。
「それはない。ありえない」
「どうしてそう言いきれるんですか?」
「ルイズが記憶を取り戻したら、サイトの最後の言葉も思い出してしまうからな。死の直前まで、ル
イズがサイトに深く愛されていた、といことを。それよりは彼女を愚かな女に貶めたまま、心の中で
思う存分高笑いする方を選ぶさ。安心しろ、今回の歓談でルイズは傷つかん。懐かしい親友との旧交
を温めて終わりさ。彼女にとってはな。だが、あの方にとっては」
 アニエスは、どこかやりきれない様子で息をついた。

50 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:40:16 ID:fIg3HJdo
「あの方にとっては、期待していた通りの結果にはならんだろうな」
「どういうことですか?」
「見ていれば分かる。どうせ、あの方は自分から息せき切らしてこの小屋に飛び込んでくるさ。ともかく」
 アニエスは肩を竦めた。
「これで、あの方のことを少しは分かってもらえたと思うが」
 探るような瞳がティファニアを見つめた。
「お前としては、どうだ? あの方のことを、どう思う?」
 ティファニアは俯き、己の心を探った。アンリエッタの心情をある程度理解した今、彼女に対する
嫌悪感や恐怖は、哀れみの感情に変わっていた。
「悲しい人だと思います。自分の感情を制御できずに、周りにぶつけるしかなかった」
 同時に、不思議な人だとも思った。彼女に対する感情は、短い時間の間に目まぐるしく移り変わる。
不快に思えたり、哀れに思えたり……ひょっとしたら、目の前の騎士はそんな主のことが愛しく思え
て、未だに付き従っているのかもしれない。
「でも、どうしてでしょう。どうして彼女は、そうまでサイトのことを追い求めたんでしょうか? 
彼のことを忘れて、新たな愛情を見つけることは出来なかったんでしょうか?」
「そうするには、サイトの与えてくれた希望があまりにも大きすぎたんだ。彼女は想い人を二度失く
している。一人目のときは彼自身の誇りや気高さに敗北し、二人目のときは他の女に敗北した。特に
二人目は、『ひょっとしたら、この人なら』という期待を強く抱かせてくれたようだからな。いまさ
ら、三人目に期待することは出来なかったんだろう。そうそう、こんなことがあった」
 何かを思い出すように、アニエスは表情を緩めた。
「王政が幕を閉じ、あの方が晴れて自由の身になった朝のことだ」
 その日、アニエスが「陛下」と呼ばわると、彼女は不快そうに顔をしかめたらしい。
『私はもう女王ではありません。今後は二度とそう呼ばないように』
『ではなんとお呼びいたしましょうか』
 アニエスが問うと、主は少しの間考えて、とても嬉しそうな顔で、
『では、アンとお呼びなさい』
『アン様、ですか』
『ええ。それが一番好ましいわ』
 そう答えた彼女の顔には、何かを懐かしむような、あるいは甘い夢に浸るようなうっとりとした笑
みが浮かんでいたという。
「何故彼女がアンと呼ばれたがったか、わたしはよく知っている」
「どうしてですか?」
「彼女は一度、町娘に変装して、ある男と安宿でわずかな時間を過ごしたことがある。そのとき、
『アンと呼んでくれ』とその男に頼んだそうだ。何度も何度も、そう聞かされた」
 アニエスはどことなく憂鬱そうに目を細めた。
「遠い昔の話だ。その男はもうどこにもいない。ただ、アン様の胸の中にだけ存在する思い出さ」
 アニエスは軽く肩を竦めた。
「あまりあの方を軽蔑しないでほしい。せめて哀れみに留めておいてくれ。彼女とて、誰か一人の男
に全身全霊で愛してもらっていれば、ああはならなかったかもしれんのだからな」
 アニエスは肩越しに振り返る。その方向には、ルイズが暮らす剣の城がある。
「今日遠くからルイズを見て、わたしは改めてそう思った」
 ティファニアが身を硬くしたのが分かったのか、アニエスは物問いたげな視線を向けてきた。
「最近、ルイズとは話していないのか?」
「ルイズさんは、わたしがここにいること自体知りませんから……会うのも、記憶を消すために真夜
中城の中に忍び込むときぐらいで、それも彼女が寝ている間に済ませてしまいますので」
「なるほどな。これで合点がいった」
「なにがですか」
 アニエスは椅子の背にもたれながら、目を細めて小屋の中を見回した。
「この狭苦しい小屋さ。最初見たとき、本当にこんなところで人が暮らしているのかと驚いたものだ。
入ってみるとまるで監獄だ。そして、それは事実だったらしい」
 視線がティファニアに戻ってきて、彼女を思いやり深く見据えた。
「なあティファニア。お前、強い罪悪感を持って生きてきたな? 自分は許されない罪を犯したと、
その罰を受けるために生きているんだと、そう思って生きてきたんだろう?」
 ティファニアはその視線から逃れるように俯いた。膝の上で、ぎゅっと拳を握る。

51 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:40:44 ID:fIg3HJdo
「だがな、そんな必要はないと思うぞ」
 驚いて顔を上げると、アニエスは穏やかな笑みを浮かべていた。
「わたしは今日、ルイズを見た。そして今日までずっと、アン様を見てきた。だから分かるんだ。愛
されなかったと嘆きながら生きてきた女よりは、たとえ嘘の中でも、愛されていると実感して生きて
きた女の方が、よほど幸福なのだと。ああ、反論はしないでくれ」
 口を開きかけたティファニアを、アニエスはやんわりと押しとめた。
「別に、理屈としてどちらが正しいとか、人道的にどうだという話じゃないんだ、これは。単にわた
しがどう感じたかというだけの話だ。だが、お前もあのルイズを見ては、そう思わずにはいられない
だろうよ。あらゆるしがらみやこだわりを超えて、そう思わせてくれる何かが、彼女にはある」
 言い終えて、アニエスはぽつりと呟いた。
「それは、あの方とても同じだろうな」
 と、突然小屋の扉がばたんと開き、険しい表情のアンリエッタの姿が、深い闇の中にぼんやりと浮
かび上がった。彼女は濃い化粧の上からでもはっきり分かるほど顔面蒼白で、眉間の皺はより深く
なっていた。よほど急いでここまで来たのか、息が上がっている。草木の中を無理矢理進んできたの
だろう、豪華なドレスあちこち破れている上に、草まみれだった。ここを出て行ったときの高慢な余
裕は、いまや欠片もなかった。
「アニエス、帰りますよ」
 出し抜けに言う。ティファニアには一瞥もくれない。
「おや、もうよろしいのですか? あれだけルイズとの歓談を熱望されていましたのに」
「いい、もういいです。あんな馬鹿な女、どれだけ見ていたって、あまりの馬鹿さ加減にこちらがイ
ライラさせられるだけですもの。全く……あんな女」
 ティファニアへの辞去の挨拶もなしに、アンリエッタは荒々しく身を翻す。アニエスが苦笑しなが
ら立ち上がった。
「と、いうわけだ。悪いが、お暇させてもらおう。あの方を一人で歩かせるわけにはいかないからな」
「一体、何があったんでしょう?」
 戸口に立って、遠ざかるアンリエッタの背中を見ながら問うと、アニエスは素っ気なく答えた。
「大方予想はつく。ルイズがあまりにも幸せそうで、満ち足りた様子だったから、耐えられなくなっ
たんだろうさ。彼女と比べて、自分が惨めすぎてな」
 アニエスの視線もまた、遠ざかっていく主の背中をとらえていた。
「本当に、暖かくて優しい雰囲気を纏っていたからな、ルイズは……圧倒的とすら表現できるほどだ。
遠目にもそれがわかるほどだったのだ。何か大きなものにずっと愛され続けて、それを確信しながら
生きてきた人間だけに出せる空気だよ、あれは。まるで陽だまりのような……あんな人間の前に出れ
ば、誰だって我が身が恥ずかしく思えたり、泣き出したいほど惨めに思えてきたりするものだろう」
 アニエスの瞳に哀れみの色が宿った。
「お気の毒な我が主。怒りも憎しみも熱を失い、唯一残されていた自尊心や、ルイズに対する優越感
まで、今や粉々に打ち砕かれてしまった。もはや、あの痩せ細った体を支えるだけの力すら残っては
いまい。おそらく、先は長くないだろうな」
 淡々とした口調に、ティファイアは息を飲む。それに気付いたのか、アニエスはこちらを向いて苦笑した。
「そんな顔をしないでくれ。私にとっては喜ばしいことさ。これでようやく、あの方も苦しみから解
放されるのだ。実に悲しい形ではあるが、な。忌まわしく呪わしい闇の汚泥は、ルイズによって払わ
れた。そうなれば、心の片隅に沈められていた優しさや穏やかさが、またあの方の心の表面に浮き上
がってくるかもしれん。たとえ死に向かう運命だとしても、その方がずっと人間らしいと思わないか?」
 なんとも言えないティファニアに、アニエスは微笑みかけた。
「答えられんか。まあ今はいい。だがお前はいつかルイズに会って、わたしの言葉を実感することに
なるだろう。間違いなくな。そのときわたしが生きているかどうかは分からんが、お前からの報告を
楽しみに待たせてもらうことにするよ」
 そのとき、闇に落ちた森の中から、か細い怒鳴り声がかすかに聞こえてきた。
「アニエス、何をしているのですか! あなたが道を照らさなければ、歩けないではありませんか!」
「申しわけありません、すぐに参ります!」
 答えて、アニエスは外套の中からランプを取り出した。ニ、三歩歩き出してから不意に振り返り、
ティファニア向かって軽く手を上げた。
「ではな。楽しみにしているぞ」
 そうして、彼女は何も残さず、主を追って闇の中に立ち去ってしまった。

52 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:41:11 ID:fIg3HJdo
 それから一ヶ月も経たない内に、アニエスからの手紙が届いた。剣の城に届けられたものを、ジュリ
アンが持ってきてくれたのである。

「ティファニアへ。
 昨日、アン様が亡くなった。病死だ。ルイズを見てご自身の人生の不毛さを思い知ったせいか、
すっかり抵抗力をなくされてしまったのだ。旅を終えてアルビオンに帰る途上、既に何度か意識を失
くされていたほどだ。それでも、本人が朦朧としながらもアルビオンに帰ることを望んだので、わた
しは希望を叶えて差し上げた。トリステインは彼女にとっては忌まわしい土地だ。あそこで死にたく
はなかったのだろう。
 安らかな死に様だった、とは言いがたい。ベッドに横たわったまま絶え間なく呻いて、咳き込んで
……むしろ、かなり苦しんだと言ったほうがいいだろう。
 彼女は死の直前、何かを探すように手を伸ばした。わたしが思わずその手を握ると、とてもか細い
声で誰かの名前を呟いた。ウェールズ、だったかもしれないし、サイト、だったかもしれない。それ
に答えて『アン』と呼びかけてやると、不意に表情を和らげて、そのまま息を引き取った。だから、
苦しみぬいた割に、死に顔はとても安らかだった。
 今、葬儀の準備の合間にこの手紙をしたためている。葬儀、と言っても、彼女は人間嫌いだ。こち
らに来てから親しい友人どころか、知人と呼べる人間さえ作らなかった。だから、立会人はわたしだ
けだ。長年大勢の人間にかしずかれて来た元女王のものとしては、なんとも寂しい葬儀になる。彼女
は見知らぬ人間の立会いなど望まないだろうから、これでいいのかもしれないが。
 少し、考える。彼女の人生は不幸なものだったのか、と。いや、その点については考えるまでもな
いか。彼女は女王として多くの人間に幸福をもたらしながら、一人の人間としてはとても不幸な人生
を送った。それは間違いない。
 だが、彼女は人生で一番満ち足りていた瞬間の思い出を抱いて逝ったのだ。だから、最後の一瞬だ
けは、世界中の誰よりも幸福だったのではないかと思う。
 さて、我が主は逝ってしまったが、それを送るわたしもまた、長く生きてはいられないだろう。急
に、長年溜まりに溜まった疲労が、この体を重く感じさせるようになった気がする。お前からの報告
を受けることも、きっとないだろうな。
 さらばだティファニア、我が友。お前がいつか、アン様と同じように、ルイズによって呪いから解
放されることを願っている……いや、信じている」
 文章の結びに、署名があった。迷いのない形のいい文字で、アン様の剣、アニエス・シュヴァリ
エ・ド・ミラン、と書いてあった。

 その後アニエスがどうなったのか、ティファニアは結局知らないままだった。
 後世、彼女本人ではなくアンリエッタ女王の足跡を辿った歴史家が、アルビオンの片隅で、一冊だ
け残された手記を発見した。
 その手記は、アンリエッタ女王の真の姿を後世に伝える唯一の資料として、その後も長い間大事に
保管され続けたそうである。

 アニエスとの再会を経て、ティファニアはタバサとの約束を果たすために残された時間が、あとわ
ずかであるということを思い知った。自分達と同世代であるアンリエッタが死んだのなら、ルイズだ
ってそう長くはないかもしれないのだ。
 だが、ティファニアは、ルイズよりも先に、彼女の一番近くにいた人と別れることとなった。

53 名前:205:2008/02/17(日) 16:41:57 ID:fIg3HJdo
「アニエス」はここまで。
続いてサブタイトル「シエスタ」を投下します。
途中で5分以上間が空いた場合は支援をお願いします。

54 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:42:29 ID:fIg3HJdo
 アニエスとの再会から、十九年目の初冬のこと。
 深夜、剣の城にいるジュリアンから、火急の報せが届いた。
 彼の姉であるシエスタの命が、もうあとわずかだというのである。
 ついにこの日が来たか、と思いながら、ティファニアは手紙を書く手を止めて小屋を出る。
 雪深い森の中を注意深く急ぎながら、五十九年という歳月に思いを馳せる。
 人が老いるには、十分すぎるほど長い時間だった。

「ああ、ティファニアさん。ようこそおいでくださいました」
 ランプを片手に持って城の裏口のそばに立っていたジュリアンは、森から歩み出てきたティファニ
アを見つけるなり、雪をかき分けて近寄ってきた。
「シエスタさんの容態は、どうなんですか?」
 訊ねると、ジュリアンはわずかに目を伏せた。
「よくありません。おそらく、今夜には……」
 声音は不思議なほど落ち着いていた。この地にやってきたときには年若い少年だった彼も、今では
長い白髭と曲がった腰が目につく老人だ。ある程度、覚悟はできていたのかもしれない。
 ティファニアは明りの灯る剣の城に目を移しながら訊ねた。
「ルイズさんは、まだ起きていらっしゃるのですか?」
「いえ。奥様も、あまり体調がよろしくありませんから。それでも夜通し姉のそばについていると
仰ったのですが、わたしが無理矢理お止めして、今は床についていらっしゃるはずです」
 つまり、城の中でルイズと鉢合わせする危険はないということだ。そのことについては安心できた。
死の床にあるシエスタの心を、無意味に乱したくはなかった。
「では、行きましょう。姉の部屋に案内いたします」
 裏口の扉を開け、ランプを持ったジュリアンが先に立って歩き始める。炊事場の勝手口を通り、小
さな城の中へ。小さいと言っても、もちろんティファニアの小屋よりはずっと広い。ルイズの記憶を
消すために何度も通っているとはいえ、シエスタの部屋を訪れるのは初めてのことだったから、迷う
可能性は十分にあった。
 と、先を歩いていたジュリアンが、ある角を曲がりかけたところで息を飲んで立ち止まり、こちら
を制止するように片腕を上げた。
「どうしたんですか?」
 小声で問いかけると、ジュリアンは「しっ」と人差し指を口元に当てて、注意深く角の向こうを窺った。
「廊下の向こうから、奥様が歩いてきます」
 ティファニアは息を飲んだ。起きて、話をするルイズが、この角の向こうにいる。鼓動が早くなった。
「寝ていたはずでは……」
「お優しい奥様のことです、姉の容態が気にかかって、起きてきてしまったのでしょう……こうなれ
ば、奥様が寝付かれるまで、わたしが見張っているほかありません。ティファニアさんは、わたしが
奥様を連れていくのを待って、先に姉の部屋に入っていてください」
「分かりました」
 ティファニアが頷くと、ジュリアンは服についた雪を払って角の向こうへ出て行った。彼の驚いた
ような声が聞こえてくる。
「おや奥様、お休みになられたはずでは」
「ああ、ジュリアン」
 ティファニアの背筋に震えが走った。今のが、ルイズの声だ。
「いけませんよ、奥様だってそれ程健康とは言えないのですから、休んでいただかないと」
「シエスタはわたしの大事な友達なのよ。サイトもいないし、夜通しついていてあげたいの。わたし
のことを気遣ってくれるあなたの気持ちもわかるけれど、どうか、許してちょうだい」
 目頭が痺れたように熱くなり、涙が零れそうになるのを、必死に堪える。あの声から滲み出る暖か
さはどうだ。聞いているだけで体のこわばりがほどけていくような、安らかな口調。五十九年前のル
イズは、これほど優しい声をしていただろうか。
 ティファニアは今すぐ駆け出して、彼女の前に姿を現したい衝動に駆られた。
「いけません。これで奥様の体調が悪化したら、わたしが姉に叱られてしまいます。姉だってそんな
ことを望みはしませんよ」
「でも、わたしには分かるの。シエスタは今、死の淵にいるわ。今夜ついていなければ、もう二度と
生きて会うことは出来ないかもしれない。彼女の最後の言葉を、サイトに伝えてあげなければいけな
いのに」
 最後の言葉、という単語が、ティファニアの胸に突き刺さる。先ほどの衝動が急速に萎んでいった。

55 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:42:54 ID:fIg3HJdo
「それなら、姉の容態が悪化したらお呼びいたしますから、どうかお休みください」
「分かったわ。ごめんなさいね、あなただってシエスタのそばについていたいでしょうに」
「いえ……さあ、お部屋までお送りいたします」
 二つの落ち着いた足音が、ゆっくりと遠ざかっていく。ティファニアはそっと角から顔を半分だけ
出した。二つの背中が、廊下の向こうに消えていくのが見えた。五十九年前よりも、さらに小さくな
った背中。あれがルイズだった。
 二人が立ち去ってから少し時間を置いて、ティファニアは歩き出した。冷たい石床の上を、足音を
立てないように注意しながらシエスタの部屋に近づく。ノックの音がルイズの寝室に聞こえては困る
から、黙ってゆっくりと部屋のドアを開けた。
 部屋に入ってみて、まず物の少なさに驚いた。小さなテーブルに椅子、それから一つだけある木の
棚に入った数少ない器、枕元に明りの灯ったランプが吊るされた、粗末な木のベッド。狭い部屋の中
にあったのは、それだけだった。初めて見る部屋のはずなのに、何故か見慣れているような感覚がある。
(ああ、そうか。ここは、わたしの小屋の中によく似ているんだ)
 殺風景な部屋にティファニアが驚いていると、不意にか細く問いかけられた。
「ジュリアン?」
 ティファニアは慌てて後ろ手にドアを閉めた。
「いえ、わたしです、ティファニアです」
 声に答えながら、ベッドのそばに歩み寄る。
 シエスタとは、この五十九年間連絡を絶やしたことはない。たまに小屋を訪れる彼女と、何度も言
葉を交わしてもいた。
 にも関わらず、ランプのおぼろげな明りに浮かび上がった彼女の顔を見たとき、ティファニアは五
十九年という歳月の長さを思わずにはいられなかった。
 かつては黒く艶やかだった髪は、すっかり白くなった上にところどころが薄くなっている。水気を
失って乾いた肌には深い皺が何本も刻まれ、細く息が漏れ出す唇は色を失ってかさかさだった。閉じ
られていた目蓋が億劫そうに開かれ、その下に隠されていた黒い瞳が、ティファニアを見上げた。
「ああ、ティファニアさん。お待ちしておりましたよ」
 彼女は体を起こそうとしたらしく、かすかに顔をしかめた。ティファニアは慌ててそれを止めた。
「いえ、そのままで大丈夫ですから。ご無理をなさらないでください」
「すみませんね」
 言葉は短く、苦しげだった。
「本当に、すみませんね、ティファニアさん」
「何がですか?」
「こんなことに、無駄に歳月を費やさせてしまって……わたしのことを、恨んでいるでしょう」
 ティファニアは驚いた。彼女の口から自分に対する謝罪を聞いたのは、この五十九年間で初めての
ことである。死の際にあっても、それは変わらないと思っていたのだが。
「いえ、恨んでなんかいません。わたしだって、自分でこの道を選んだのですから」
 キュルケやタバサ、ギーシュの顔が頭に思い浮かぶ。シエスタは乾ききった口元に微笑らしきもの
を浮かべた。
「でも、わたしがあんな提案をしなければ、思いつきもしなかった選択でしょう」
「それは……そうかも、しれませんけど」
「いいんですよ、あなたには何の罪もありません……悪いのは、すべてわたしです。でも後悔はして
いません。だって、これがサイトさんの望みだったんですもの。ミス・ヴァリエールを見ましたか?」
「いえ。でも、声は聞きました」
「優しくて、暖かかったでしょう」
 シエスタは満足げに息を吐いた。
「そして何より、彼女は今も幸せです。今だけでなく、この五十九年間、ずっと幸せでした。当たり
前ですよね、彼女にとっては、サイトさんが元気に生きてさえいれば、それだけでもう十分幸せだっ
たんですもの。その幸せは、あなたの助けがなければありえなかった。ありがとう、ティファニアさ
ん。本当に感謝しています」
 ティファニアには、なんと答えていいのか分からなかった。シエスタは、そんな彼女を見上げて目
を細める。

56 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:44:07 ID:fIg3HJdo
「でもねティファニアさん。本当は、わたしが一番幸せだったのかもしれません」
 驚いてシエスタを見ると、皺だらけの顔に穏やかな微笑が浮かんでいた。
「夢を見ているような気分でした。三日置きに梟が手紙を持って飛んできて、それをミス・ヴァリ
エールが嬉しそうに受け取って……彼女が待ちきれないように封を開いて中身を読み始めるとき、わ
たし、いつもそばにいて一緒に読みました。サイトさんの活躍に笑ったり、陥った危機に不安を感じ
たり、無事だったと分かって抱き合って喜んだり……真相を知っているのに、わたしまだ、あの人が
生きているんじゃないかって信じそうになったぐらいです。そのぐらい、あなたの手紙はその向こう
にサイトさんの存在を感じさせてくれました」
 そう言ってから、少し不思議そうに問いかける。
「ねえ、どうして、あんな手紙を書くことができたんですか?」
「分かりません」
 ティファニアは正直に答えた。この五十九年間、手紙の文面に困ったことはほとんどない。今サイ
トがどこにいるのかとか、設定を決めるときはシエスタの助言を受けたが、それさえ分かれば文面は
すらすらと浮かんできた。何故そんなことが出来るのかは、未だに分からない。
「そう。ひょっとしたら、サイトさんの魂が、わたしたちに力を貸してくださったのかもしれませんね」
 それはあまりに都合が良すぎる解釈なのではないか、とティファニアは思った。それが伝わったか
のように、シエスタが小さな声で謝罪する。
「ごめんなさいね、あなた自身は、そんな風には考えられないでしょう。だけど、わたしはそう思
います。あなたのペン先にサイトさんの魂が宿って、わたしたちに幸せな夢を見せてくださったん
だって。サイトさんはとても優しい人でしたし、ミス・ヴァリエールが生きることを望んでいたんで
すもの。きっと、わたしがしたことも許し、受け入れてくださるはず。そうでしょう?」
「そうかも、しれませんね」
 ティファニアは迷いながらも頷いた。確かに、才人が自分達をなじり、罵るような情景は頭に思い
浮かばない。そう思わせてくれる少年だったのだ。
 そんなティファニアを見上げていたシエスタが、不意に目を見開いた。
「ねえ、わたし、本当に夢を見ていたのではないのかしら?」
 ティファニアが驚いて見返すと、シエスタもまた、食い入るように見つめ返してきた。
「だって、あなたの姿、昔と少しも変わらないんだもの。わたしたちだけが変わってしまっただなん
て、とても信じられません。ねえ、夢だったんでしょう。みんな、悪い夢だったんでしょう? 本当
はあの日のまま時間が止まっていて、サイトさんもミス・ヴァリエールも……ご友人の皆さんも、何
も変わらずに笑っているんでしょう? ねえ、そうなんでしょう、ティファニアさん」
 懇願するような問いかけに、ティファニアは一瞬頷きそうになった。咄嗟にポケットに手を伸ばし、
タバサのナイフをつかむ。瞬時に強さを取り戻した心が、甘い囁きを弾き返した。
「いいえ、夢なんかじゃありません。サイトはあの日死にました。わたしたちは自分たちの意志で、
ルイズさんに酷いことをしました。彼女は偽りの幸せの中で、歪な生を生きて、ここにいます。それ
はどんな理屈をつけたって許されることではありませんし、わたしたちはきっと、地獄の業火の中で
永遠に終わらぬ罰を受けることになるでしょう。夢なんかじゃありません。それが、現実です」
 一言一言、強く言葉を絞り出す。死の際にあって、シエスタがきちんと現実を受け入れるように。
彼女がどんな思いを抱いていたとしても、罪は罪なのだ。実行した自分も、それを考え出したシエス
タも、やはり罰を受けるべきだろう。幸せな夢の中に逃げ込んだまま逝くなど、自分達には許されな
い。そう思えた。
 シエスタはさほど傷ついたようには見えなかった。それどころか、五十九年前に見せた冷たい微笑
の残滓を、皺だらけの顔に浮かべさえした。
「そうですね、ありがとう、ティファニアさん。おかげでわたし、自分が成し遂げたことを、はっき
りと思い出せた気がします。わたしたちは、ミス・ヴァリエールに幸せな人生をもたらした。サイト
さんの願いを、叶えて差し上げたんです」
 シエスタは目を見開き、口元に狂おしい笑みを張りつけたまま、虚空に向かって震える手を伸ばし
た。その腕は枯れ木のように細く、弱弱しい。


57 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:44:50 ID:fIg3HJdo
「ああ、サイト、サイトさん」
 愛しい人の名を呼ぶ彼女の声音は、気分が悪くなるほどに情熱的だった。
「わたし、やりとげましたよ。あなたの残した言葉どおり、あの人に幸せな一生を送らせてあげまし
た。喜んでくださいますか、サイトさん、サイトさん、サイトさん……!」
 感極まった叫びの後、彼女の腕が力を失い、ゆっくりとベッドに落ちた。いちいち確認するまでも
なく、彼女が死んだことが分かった。
 目を見開き口元に笑みを張りつけたまま、死に顔は虚ろだった。ティファニアは手を差し出し、
そっと彼女の瞳を閉じてやる。それだけで、虚ろな死に顔が穏やかなものに変わった。皺だらけの顔
に、遠い昔彼女が浮かべていた、穏やかな笑みの残り香が漂っていた。
 彼女は、今わの際に才人に会うことができたのだろうか。それとも、今わの際になっても会えな
かったからこそ、彼を求めて空に手を伸ばしたのだろうか。
 どちらとも、判断がつかなかった。
 ティファニアの背後で、扉が開いた。ジュリアンが静かな足取りで入ってくる。
「姉は、逝きましたか」
「ええ」
 短いやり取りのあと、ジュリアンはティファニアの隣に立って、姉の死に顔を見下ろした。
「わたしにとっては、ただ優しい姉でした。その優しさを振り捨ててまで、この人はサイト殿への愛
に殉ずることを選んだのでしょう。やり方は間違っていたかもしれませんが、愛情深い人だったのです」
 ティファニアは何も答えられなかった。わずかな沈黙のあと、ジュリアンが問いかけてきた。
「あなたは、これからどうなさるのですか」
「どう、と言いますと」
「みんな、死んでしまいました。奥様を取り巻く嘘の周りにいた人は、みな。残っているのは、あな
ただけです。どういう選択をしたとしても、賛同する人も責める人も、もう誰も残っていません。た
だ一人、奥様ご本人を除いては」
 その言葉を聞いて、ティファニアは自分が本当に一人になったのだと急に実感した。
 もう、誰もいない。残っているのは、この五十九年間、必死になって作り上げてきた嘘と、その中
で幸せに笑うルイズだけ。
「分かりません」
 またポケットのナイフを握りながら、ティファニアは答えた。
「分かりません」
 ジュリアンは何も言わず、黙って姉の死に顔を見つめていた。

 シエスタの葬儀は、ひっそりと行われたらしい。参列したのはルイズとジュリアンだけで、流され
た涙も二人分だけだ。
 冬が過ぎ、春になった。この土地に来てから、ちょうど六十年目。
 ティファニアは帽子を被って森から抜け出し、町へ出た。
 彼女らがこの土地に来たころとは比べ物にならないほど、町は大きくなっている。全て、才人の
期待と愛情に答えようとした、ルイズの奮闘がもたらした豊かさだった。
 人々の明るい笑い声が飛び交う中、ティファニアは一軒の店に入り、そこで緑色のワンピースを購
入した。自分が遠い昔、まだ罪人でなかったころに着ていたものと、よく似た服だった。
「とてもよくお似合いですよ」
 店員が言う。ティファニアは硬い声で即答した。
「いいえ、全然似合っていません」
 ティファニアの答えに困惑する店員に代金を払って、店を出る。そのまま、町の共同墓地に向かった。
片隅に立てられているシエスタの墓標の前で手を合わせたあと、ポケットの中のナイフを握り締める。
 半年前、シエスタが死んで以降、ルイズの体調は日に日に悪くなっているらしい。もう長くはない
だろうと、ジュリアンが報せを送ってきていた。時間は本当に、あとわずかだ。
(今日こそ、ルイズさんに会おう。彼女に真実を知らせるために)
 町より高い場所に建つ剣の城を見上げながら、ティファニアはさらに強く、ポケットの中のナイフ
を握りしめた。

58 名前:205:2008/02/17(日) 16:45:42 ID:fIg3HJdo
「シエスタ」は以上。
続いて、サブタイトル「再び、ティファニア」と投下します。

59 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:46:13 ID:fIg3HJdo
 剣の城の城門がゆっくりと開き、降りた跳ね橋を通って慌てた様子のジュリアンが駆け出してきた。
「ティファニアさん、一体どうなったのですか」
「連絡もせずに、ごめんなさい」
「いいえ、それはよろしいのですが」
 言いかけたジュリアンは、ティファニアの格好を見て息を飲み、厳しく目を細めた。
「お覚悟を、決められたのですね」
「そのつもりです」
「分かりました。我が主の下に案内いたしましょう」
 半年前、シエスタが死んだ夜のように、ジュリアンが先に立って歩き出す。ティファニアはその後
を追った。薄曇りの空の下、剣の城の中庭を通り抜ける。春の花々が、色とりどりに咲き乱れていた。
「この庭は、ジュリアンさんがお世話を?」
「ええ。奥様も大変気に入られておりまして、ここに椅子を持ってきてサイト殿からの手紙を読むこ
ともございます」
 暖かい日差しの下、花々に囲まれて手紙を読みながら微笑むルイズの姿が思い浮かぶ。不意に、先
程までは綺麗に見えていた花々が、何か歪なものに感じられてきて、ティファニアは中庭から目を背けた。
 城館に正面から入るのは、ここに初めて来たとき以来である。シエスタの部屋がある一階を通り抜
けて、二階へ上がる。ルイズの寝室は、階段のすぐ近くにあった。大きな両開きの扉が、ティファニ
アの前にそびえ立っている。
「奥様に、お客様がいらっしゃったことをお知らせいたします」
 扉に手を触れる前に、ジュリアンが振り返った。
「心の準備を、しておいてください」
 そう言い残し、彼はノックしてから部屋に入った。
「あら、どうしたのジュリアン」
 扉の隙間から、シエスタが死んだ日に聞いた声音が聞こえてくる。ティファニアは身を硬くし、
ポケットの中のナイフを強く握り締めた。
(タバサさん……どうか、わたしに、選択を誤らぬ力をください)
 念じると同時に、また声がした。
「珍しいわね、お客様? どうぞ、お通ししてちょうだい」
 ジュリアンが出てきて、部屋に入るよう無言で促した。彼はついてこないらしい。ティファニアは一
人、帽子のつばをつかんで下げながら、ルイズの寝室に足を踏み入れる。
 寝室は、元貴族のものとしては実に質素なものだった。シエスタの部屋も私物は少なかったが、こ
ちらもさほど多くはない。ただ、部屋の隅に置かれた長櫃だけが、やけに目に付いた。
「ようこそ、剣の城へ」
 長櫃とは反対側の隅から、声がした。ティファニアは、はっとしてそちらを見る。そこには質素だ
が大きなベッドが置いてあった。一人用ではなく、二人用だ。その事実が、胸を強く締め付ける。
 そしてそのベッドの上で、一人の老女が上半身を起こしていた。
「わたくし、主の留守を預かっておりますルイズ・ド・ラ・デルフリンガーと申しますわ」
 穏やかな声で話しかけられ、微笑みかけられたとき、ティファニアは決意も覚悟も何もかも忘れて、
その場に立ち竦んでしまった。
(ああ、この人、この人は……!)
 年老いたルイズの顔を見るのは、これが初めてではない。彼女の記憶を消すために城に侵入したと
き、寝顔を何度も見ている。ここに来るまでの間だって、彼女が起きて話をしたらどんな風だろうと、
繰り返し想像してもいた。
 だが、実際にこちらに語りかける彼女を目にすると、そういった何もかもが全て虚構に過ぎなかっ
たと、自覚せざるを得なかった。
「こんな格好でごめんなさいね。最近足が痛くて、もう立つことも苦しくて」
 申し訳なさそうに詫びるルイズを見つめていると、ティファニアの胸にじわりと温かさが広がった。
今すぐ彼女のそばに駆け寄り、その膝にすがり付いて声を上げて泣きたくなってしまった。そうした
くなるぐらいに、穏やかで、優しい雰囲気を持った老女だった。アニエスがルイズのことを陽だまり
と称した理由が、今ではよく分かる。
 そうやって扉のそばで立ちすくむティファニアのことを、ルイズは少し怪訝そうに見つめていたが、
やがて何かに気付いたように少し首を傾げた。

60 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:46:38 ID:fIg3HJdo
「あら、失礼ですけれど、どこかでお会いしたことがあったかしら」
 心臓が高鳴る。ルイズはそんなことには気付かぬ様子で、控え目に微笑んだ。
「気のせいですわよね。こんなに若々しくて、美しい金髪の方と知り合う機会なんて、わたくしのよ
うな老人にあるはずがありませんもの」
 そう言ったあとで、まだ自分の記憶を探るように、かすかに眉をひそめる。
「ああ、だけど本当にどこかでお会いした気がするわ。失礼ですけれど、その帽子を脱いで顔を見せ
てくださらないかしら」
 ティファニアは息を飲んだ。ついに、この瞬間がやって来た。腕を伸ばし、帽子のつばをつかむ。
震える手に無理矢理力を込め、ゆっくりと帽子を取った。
 ルイズの顔に驚きが広がった。
「まあ、テファ。ティファニアじゃないの」
 その視線から目をそらしそうになるのを我慢しながら、ティファニアは問いかける。
「わたしのこと、覚えておいでですか」
 声が震えなかったのは奇跡に近い。ルイズは微笑んで、何度も何度も頷いた。
「ええ、もちろん覚えているわ。友達の顔を忘れる訳がないでしょうに。こっちに来て、もっとよく
顔を見せてちょうだいな」
 ティファニアはルイズのベッドに歩み寄り、そばにあった椅子に腰を下ろした。自分が変な歩き方
をしていないか、座り方がおかしくないか、気になってしょうがない。
 間近で見るルイズの顔は、やはり年老いていた。しかし、もう八十近い年齢とは思えないほどに
若々しい。もちろん皺はあるが、一番深いのは口の周りの笑い皺だったし、鳶色の瞳は若いころと同
じく、いや、もしかしたら若い頃よりもずっと明るく輝いている。何よりも表情や仕草がとても穏や
かだ。一目見ただけで、誰もが彼女の幸せな人生を思い浮かべるだろうと思わせる老女だった。
 ルイズは微笑みながらティファニアの顔を見つめ、深く頷いた。
「本当に懐かしいわ。あなたはちっとも変わっていないのね。やっぱりエルフの血が混じっているせ
いかしら」
 そう言ったあと、少し慌てて詫びる。
「ああごめんなさい、悪い意味で言った訳ではないの。許してちょうだいね」
「いえ、そんな……本当のことですし」
「そう、ありがとう。だけど本当に嬉しかったのよ、わたし」
 微笑に少しだけ寂しさが混じる。彼女はベッドの枠に背をもたれさせながら、目を細めた。
「何故かしら、一人ぼっちになってしまった気がしていたのよ。キュルケもシャルロットも、ギー
シュやモンモランシー、姫様にアニエス様。皆、ずっと前にお亡くなりになって」
 その口ぶりに、悔恨や苦悩の色は窺えない。皆穏やかに死んだと、シエスタが教えたのかもしれない。
「半年前にはシエスタまで死んでしまって。その頃からかしらね、何故だか急に元気がなくなってし
まったの」
 疲労の色を滲ませながらも、その顔にはまだ優しい微笑がある。
「変よね、一人ぼっちだなんて。わたしにはまだサイトがいるっていうのに」
 ティファニアは椅子の上で身を硬くした。ルイズの口からサイトという言葉が漏れ出た瞬間、遠い
昔の雨の日の、血走ったルイズの瞳が脳裏に蘇ってきた。
 そんな彼女には気付かぬ様子で、老女はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「今ではもう食事も満足に食べられないのよ。折角作ってくれるジュリアンには悪いのだけれど」
 彼女のことを見ていられなくなり、ティファニアは目をそらす。そして、ルイズの枕元に、見覚え
のある封筒と便箋が置いてあるのを見つけて、思わず訊ねた。
「あの、それは?」
 ルイズはティファニアの視線を追って、笑った。
「ああ、これ? これはサイトからの手紙。サイトったらこの年になってもまだ子供みたいに世界中
を駆け回っているのよ」
 もちろん、それは嘘だ。そういう風に、ティファニアが書いただけの話だ。
「そんな元気な人の妻なのに、わたしは今や夫からの手紙を読み直すぐらいしか楽しみのない、寂し
い老人だわ。ううん、そのはずだけれど、あまり寂しくはないの」
 先程、一人ぼっちになってしまったと言ったことを考えると、少し矛盾した台詞である。だが、お
かしいとは思わなかった。友達が死んでしまったことは寂しく感じるが、今そばにいないとしても、
愛しい人が生きているからあまり寂しくない。そういうことなのだろう。

61 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:47:54 ID:fIg3HJdo
 ルイズはそっと手紙の一枚を手に取り、少し骨ばった指先で、ゆっくりと紙面を撫でた。
「サイトは今でも、三日に一度は手紙を送ってくれるわ。考えてみれば不思議よね。この六十年間、
どんなところにいても、サイトからの手紙が途絶えることはなかったもの」
 普通に考えれば、おかしなことである。だがルイズは、あまり訝る様子を見せなかった。サイトな
らどんなことをしてもおかしくないと、疑うまでもなく信じているような雰囲気だった。彼女は手
紙に視線を落としたまま、懐かしむように目を細める。
「本当に、いろいろなことがあったわ。もっとも、わたしはずっとこの領地を守っていただけだった
けど。その間、サイトは帰ってきてはすぐに出かけていって。今度こそ落ち着いてくれるかと思って
いたら、思い出を作る暇すらなくすぐにどこかへ」
 ルイズは、自分の背後にある大きな窓を振り返った。深い森と山々を背景に、暖かい春の日差しが
降り注いでいる。薄くかかっていたはずの雲は、いつの間にかどこかへ消え去ってしまっていた。青
い空を一羽だけで飛んでいる鳥を、彼女はじっと見つめている。
「だけど、そういう人なのよね。世界のどこかにあの人を必要としている人がいて、そういう人がい
る限り、あの人は躊躇いなく飛んでいくんだわ」
 飛んでいた鳥の後を追って、もう一羽鳥が飛んできた。二羽の鳥が連れ立って空の彼方に去るのを
見送ってから、ルイズはまたこちらを向く。目を瞑り、自分の胸に手を当てていた。
「結局、わたしの記憶に色あせずに残っているのは、六十年前の、まだ子供だったサイトの姿だけ。
でもね、わたし、それでも後悔はしていないのよ。だって、ずっとサイトを支えてこられたんですも
の。困ったり、泣いたりしている誰かのためなら、自分のことなんか省みずに助けに飛んでいく。そ
んな人の妻として、いつか帰ってくる場所を守ることができたんですもの」
 か細く、だが深く響く声で呟き、ティファニアに微笑みかける。
「だから、とても満足しているのよ。人は不幸な女というかもしれないけど、わたしは胸を張って言
うことが出来る。わたしの人生は、他の誰よりも幸福なものでした、ってね」
 ティファニアは表情を隠すために俯き、強く唇を噛んだ。膝の上に置いた右手の手首を、左手で思
い切り握り締める。今すぐこの場から逃げ出したいという衝動が、抑えきれないほど高まってきた。
「そうそう、今サイトがどこにいるか、知ってる? 今はね、西の大洋の上よ。サイトが年がいもな
く西に向けての航海に旅立ってから、もう何年かしら。ほら見て、あの人からの土産話がこんなにも
たくさん。それにね、あの人ったら、昨日の手紙にこんなこと書いてたのよ。『いま、帰りの船に
乗っている。長い間待たせてばかりですまなかった。今度こそ、ずっと一緒にいよう。もうすぐ、お
前のところへ帰る。愛しているよ、ルイズ』」
 もちろん、ティファニアはその文章を知っていた。なにせ、それは昨日自分が書いたものなのだか
ら。昨日、そんな文章が自然と紙面に記されたこともまた、今日ルイズに会うという決意を後押しし
てくれたのだ。
 ルイズはその文に目を落とし、思いやり深く苦笑した。
「ふふ、馬鹿ねえ、今頃そんな風に気を遣わなくっていいのに。ああ、だけど、聞いてちょうだいテ
ファ。わたし、最後の最後にサイトを悲しませることになりそうなの」
 ティファニアは顔を上げた。ルイズの瞳と目が合うと、彼女は一つ頷いた。
「そう、死期が近づいているのよ。サイトが帰ってくるまでは頑張ろうと思っていたんだけど、自分
でも分かるの。わたしは多分あと一ヶ月、ううん、きっと一週間も生きていられないだろうって。だ
から、ね、テファ。友人として、わたしのお願いを聞いてもらえないかしら」
「なんでしょうか」
「せめて、わたしがいなくなってもサイトが静かに暮らしていけるように、遺言を残しておきたいの」
「遺言、ですか」
「ええそう、サイトはずっとこの領地を留守にしていたから、今自分がどのぐらいの財産を持ってい
るかなんて全然知らないと思う。確かにわたしたちはもう貴族ではないけれども、それでもいくらか
財産はあるわ。そういうことでゴタゴタさせて、サイトを疲れさせたくないの。だから、ね」
 そう言ったあとで、ルイズは何度か苦しそうに咳をした。気息を整えたあとで、「ごめんなさい
ね」と申し訳なさそうに言う。自分だって苦しいだろうに、人にはそれを見せないのだ。そんな人の
頼みを断れるはずもなく、ティファニアは頷くしかなかった。


62 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:48:50 ID:fIg3HJdo
「そう、ありがとう、テファ。それじゃあ今から遺言状の内容を言うから、代筆してくれないかしら」
 ティファニアは目を見開いた。手の平に汗が滲んでくる。
「代筆って言うと、わたしが、ルイズさんが仰ったことを書くんですか」
「ええそう。ごめんなさいね、もう手も満足に動かせないの。サインだけは何とかするから、ね」
 ティファニアはぎゅっと目を細めた。自分が書いた文章を見たら、ルイズはずっと届いていた手紙
の本当の作者が誰なのか、気付いてしまうかもしれない。そうしたら、それをきっかけに失った記憶
を取り戻してしまう。何故か、そんな確信がある。
(どうしよう。どうしたら)
 ポケットの中のナイフを握ることも忘れて、ティファニアは迷う。ルイズに真実を告げることを目
的としてここに来たはずなのに、いざそのときがくると、やはり心が大きく揺らいでしまう。
 そんなティファニアを見つめて、ルイズは心配そうに、少し身を乗り出してきた。
「どうしたのテファ。そんな悲しい顔をするなんて」
 ルイズの瞳は穏やかで、そこには相手を案ずる優しさしかない。
「ごめんなさい」
 ティファニアは考えもなしに謝っていた。何に謝っているのか、自分でもよく分からなかった。
 ルイズはゆっくりと腕を伸ばして、ティファニアの手にそっと自分の手を重ねた。
「謝らないで。あなたは何も悪くないでしょう。ね、お願い、テファ。わたしの最後のお願いを、ど
うか聞いてちょうだいね」
 緩やかな声音に、強制を強いるような響きは全くない。
 断ろうと思えば、断ることもできる。ルイズはきっと許してくれるだろう。それは悪魔の囁きであ
り、甘美な誘惑だった。ティファニアはポケットの細長い膨らみを数秒見つめ、顔を上げた。
「分かりました、代筆させていただきます」
 ルイズの顔に喜びが広がった。
「ああ、ありがとうテファ。それじゃ、お願いしますね」
 ティファニアはルイズの指示に従って、テーブルをベッドのそばに運んできた。その上にインク瓶
と羽ペン、上質な紙を置き、ペン先をインクに浸す。
 それを確認したルイズは、ベッドの上で背筋を伸ばすと、目を瞑ってゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。
自分達のわずかな財産を、残された夫が穏やかに暮らしていける最低限の分だけ残して、あとは全て
国に返還する、という内容だった。実際には彼女は一人身だから、結局財産は全て国に返還されるこ
とになるだろう。
 ティファニアは一字一句違えずに、ルイズの言葉を書き写し続けた。声はこちらを気遣ってか非常
にゆっくりだったから、書き写すことそれ自体は、特に難しくはない。
 だが、腕が震えるのをどうしても抑えることができず、書き記された文字はいつもよりも粗雑なも
のになってしまう。その震えがルイズに真実を知られるかもしれないという恐怖からくるのか、それ
とも真相を悟られまいとする無意識からくるのか、彼女には判断できなかった。
 そうしている内に、声は終わった。ベッドの上でルイズが目を開き、疲れたようにため息をつく。
「……ありがとう、テファ。これで遺言は全てよ。さあ、サインをしなくっちゃ」
 そう言うと同時に、体が傾いだ。ティファニアは慌てて腕を伸ばし、ルイズの体を支える。さして
力のない女の細腕でも支えられるほど、老女の体は細く、軽かった。
 ルイズは恥らうような表情で、ティファニアを見た。
「ごめんなさい、体を支えてくださるかしら。ありがとう」
 ティファニアはルイズの体を支えたまま向きを変えさせ、ベッド脇のテーブルに向き直らせた。遺
言の記された紙に目を落としたルイズが、驚いたように目を見開く。
「あら、テファ。不思議ね、あなたの文字、びっくりするぐらいサイトにそっくりだわ」
 息が詰まった。背中に汗が滲んでくる。
(言わなくちゃ)
 ティファニアはぎこちなく唇を開く。それは当然だ、と。ずっと自分が手紙を書いていたのだか
ら、と、言わなければならない。だが、出てきたのは全く違う言葉だった。
「そうなんですか?」
「ええ、サイトの方がもっときれいだけど」
(何をしているの、ティファニア。早く、ルイズさんに本当のことを打ち明けなさい。何が正しいの
か、よく理解してここに来たはずでしょう、あなたは!)
 心の中で罵り声を上げるが、どうしても真実を告げる言葉が紡げない。そんなティファニアの前で、
ルイズはしげしげと遺言状を眺め、深く思い悩んでいる様子だった。

63 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 16:49:48 ID:fIg3HJdo
「本当に不思議。どうしてこんなに似ているのかしら……」
 そう言ったあとで、彼女は不意に目を閉じ、なにかを考え込むように沈黙し始めた。
 ティファニアは全身に嫌な汗を感じながら、ルイズの言葉を待つ。しかし、彼女は黙ったまま、な
かなか口を開かない。
「ルイズさん?」
 耐え切れずに声をかけると、彼女は小さく体を震わせ、目を開いた。ティファニアを見て、穏やか
に微笑む。
「ああ、そうだったわね、まだ力が残っているうちに」
 体から力が抜けそうになった。ルイズの顔には、怒りや憎しみどころか、何の疑いも浮かんでいない。
(気付かなかったんだわ)
 ティファニアはどこかぼんやりとした心地でルイズの腕を支え、彼女が震える手でゆっくりと署名
するのを見守った。そうしたあとで、すっかり力を失ったルイズの体を、そっとベッドに横たえてやった。
「これでいいわ。この遺言はジュリアンに渡してちょうだいね」
 ルイズの頼みに、ティファニアはこくりと頷いた。ひどく疲れているようで、何も考えることが出来ない。
「本当にありがとう、テファ」
 ティファニアは我に返った。枕に頭を乗せ、眠るように目を閉じたルイズの顔に、満ち足りた微笑
が浮かんでいる。
「これで、思い残すことなく逝くことができる」
 ルイズが迷いなく呟く。ティファニアはぐっと拳を握り締めた。何か、胸からこみ上げてくるもの
がある。それが零れ落ちないように、目に力を込めながら問いかける。
「本当ですか?」
 するとルイズは目を開き、微笑を苦笑いに変えてティファニアを見た。
「ふふ、そう、嘘よ。本当は、最後に一目だけでいいからサイトに会いたかったわ。だけどおかしい
わね。最後に思い出すサイトの顔も、やっぱりあの頃のままなの。本当に、おかしな人生だったわね」
 ティファニアは唇を内側から噛み締める。閉じた顎が細かく震えているのが分かった。
「だけど、楽しかったわ」
 ルイズがため息をつくようにそう言ったとき、とうとう耐えられなくなった。ティファニアは両手
で顔を覆って、声を上げて泣いた。自分を責める言葉も何かの理屈も、もう少しも心に浮かばない。
ただ泣きたかった。その想いのまま、声が続く限り、泣き叫び続ける。
 ルイズが困ったように眉尻を下げる。
「ああ、泣かないでちょうだい、ティファニア。わたしはとても幸福なの。幸福なままで、死んでい
くのよ。だから、悲しいことなんて何もないの、だから、泣かないでね、ティファニア」
 ティファニアを慰めるルイズの声は子供をあやすように優しく、涙を拭ってやれないためか、少し
だけ悲しそうだった。

 なんとか泣き止んだティファニアを見て、ルイズは問いかけた。
「これからアルビオンに帰るの?」
「はい、そうなると思います」
 曖昧な答えになってしまったが、ルイズは特に気にしなかった。
「そう。それがいいわ、友達の葬儀って、悲しいもの。わたしのことは気にせず、気をつけて帰って
ちょうだいね。旅の無事を祈ってるわ」
「はい。さようなら、ルイズさん」
「ええ、さよなら、テファ。わたしの大切な友達」
 ティファニアはルイズに背を向け、歩き出した。扉を開けて、外で待機していたジュリアンと入れ
違いに部屋を出る。扉が閉まる直前、二人の声が聞こえてきた。
「少し休むわ、ジュリアン。食事はいいから、あなたも自分の部屋で休んでちょうだい」
「分かりました、奥様」
「夜になったら、眠る前にこの部屋に来てちょうだい。愛しい人のために、最後の一仕事をしなけれ
ばならないの」
 ティファニアは逃げるように駆け出した。

 その夜、ルイズは息を引き取った。
 彼女の言葉に従って、夜になってからジュリアンが寝室を訪れたときには、もう死んでいたそうだ。
 死に顔はとても穏やかで満足そうだったと、彼が教えてくれた。
 その報せを聞いて、ティファニアは涙を流さなかった。
 悲しくなかったのではなく、自分には彼女を想って涙を流す資格すらないと考えたからだ。
 ルイズは嘘に包まれたまま生涯を終えたのだ、とティファニアは思った。

64 名前:205:2008/02/17(日) 16:51:09 ID:fIg3HJdo
以上。読んでくださってありがとうございました!
残りはエピローグである「彼女の選択」だけとなります。
早ければ今夜中、遅くとも今週末までには投下できるかと思いますので、最後までお付き合いいただければ幸いです。
では。

65 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 17:00:33 ID:bn/xLPzz
はぁ・・・せつねー

リアル遭遇わっふるわっふる

66 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 17:04:02 ID:HRK5Jeer
乙です、
しかしすごい執筆速度と質ですな、尊敬します

67 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 17:09:19 ID:tBYxTvE6
GJです。あれ、目から塩分が・・・

68 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 17:25:04 ID:m5fX2nDl
うう・・・

69 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 17:27:25 ID:m5fX2nDl
>>64
一生懸命読んでます。ありがとう

70 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 17:44:41 ID:RcZrOhV4
アン様が凄いことになってるのに何故だろう……
目から汗が止まらないぜ……

71 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 17:53:33 ID:VXMEoqnH
いつもスキップだったのに、今回ははじめてひとたば全部読んだ…

過去ログ追ってみるか

72 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 17:58:52 ID:tkRwwYBE
アン様…

不幸なシリーズもクライマックスかぁ

73 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 18:01:22 ID:BE64BrWE
目の前がぼやけて見える、GJです

カトレアさんが、サイトを賭けて麻雀やってる時に、理牌をしてる他のメンバーを見てそれぞれの待ち牌を振りこまないようにして
一人勝ちをするのは想像出来んだけど、文にできないorz

74 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 18:05:22 ID:OLywp99q
>>64
せつない 皆辛かったんだろうな 
ルイズは最後に気が付いたのかな?
そしてテファはどうなるんだろ

75 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 18:21:31 ID:2IibZQMc
アン様・・・
心からGJを送らせてもらう
あと少し頑張って下しあ


76 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 18:33:48 ID:m5fX2nDl
しかしここまで想われる男になってみたいような、なってみたくないような

77 名前:また挿してみた。:2008/02/17(日) 18:37:37 ID:B4ZApLeE
涙が出る・・素晴らしい出来だ!
ブラボー

78 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 18:37:57 ID:BE64BrWE
>>41
妄想は出来ても、文才がないorz

>>76
いや、なりたいだろ普通w

79 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 18:46:18 ID:m5fX2nDl
>>78
そっかな。重すぎるw
まぁ逆にいえばそれだけの器がないとここまで惚れられないかな

80 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 18:50:02 ID:BE64BrWE
>>79
その重さがヤンデレ好きにはたまらないw
それを言われると……

81 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 18:51:49 ID:f/B89TVK
>>80
あれ、俺書きこんだっけ

82 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 18:55:03 ID:tBYxTvE6
ヒロインズがみんなそれなりに重いからなぁ。テファとタバサは境遇が。
シエスタは純粋に才人好き好きーですでに「二番目でもいい」まで来てるし。
ルイズとアン様はすべてが重い。
>>80-81
うぬら、俺のドッペルか

83 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 18:58:43 ID:bW/6ZrWW
みんなサイトを好きになりすぎたな。
実際ルイズも原作で末期な感じだし。
ところで>>80-82は俺の分身か?

84 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 19:36:56 ID:giIj2dC1
>>64
GJ!
長命は不幸だってよく言うけど、
テファは優しいだけにほんとかわいそうだ。

俺の脳内にはこんなかんじに疲れたテファが浮かんでいた。
ttp://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/v5880217192503.jpg

無断挿しだから不快だったらすまない。

あ、ろだ一緒だが絵柄見ての通り上の方の挿し氏とは別人。

85 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 19:46:13 ID:bo9AE0I4
無断挿絵GJ!
>13のまた挿してみた氏もGJだ

了承は不要だからガンガン描けばいいじゃん

86 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 19:47:55 ID:hty200F9
有無、そろそろエロ分が欲しくなったな・・・

87 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 20:22:19 ID:BE64BrWE
>>81ー83
仲間だww

保管庫に、サイトがルイズの母親とヤるようなSSってなかったっけ?

88 名前:205:2008/02/17(日) 20:28:01 ID:fIg3HJdo
>>84
ありがとうございます。疲れたテファはもちろん、後方の棚に青銅の置物とかがしっかり描き込まれているのに感激しました。
情景描写とかが苦手で、「狭苦しい小屋」としか表現できなかったのになあ……今度はもっと頑張ります。

さて、エピローグが予想以上に早く書き上がったので、これから投下します。
今日は凄まじく連投しておりますが、このSSに関してはこれが最後となりますので、どうかご容赦ください。
では、不幸せな友人たち エピローグ「彼女の選択」を投下いたします。

89 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 20:28:53 ID:fIg3HJdo
 ティファニアはルイズの葬儀には参列しなかった。自分にはその資格がないと思っていたので、町
中の大通りにあるベンチに一人腰掛けて、大通りを埋め尽くす人々を眺めていた。
 やはりルイズは自らの死を予期しており、葬儀の準備は既に整えられていた。だから、死の翌日、
城の住人で一人生き残っているジュリアンが、町の教会から司祭を呼び、ささやかな葬式を挙げる。
それだけのはずだったのだが、元男爵が死んだと知るや否や、町中から喪服を纏った人々が城に押し
かけ、とてもささやかな葬儀どころの騒ぎではなくなってしまったのだという。
 ジュリアンは止む無く日程を一日ずらして新たに準備を整え、ルイズが死んでから二日後の日に葬
儀を執り行うこととなった。
(人、多いな)
 ベンチに座って黒い人だかりを見つめながら、ティファニアは驚いていた。人の数はあまりに多く、
どう見ても町の住民だけではない。最新式と思しき空船が町の上空に停泊しているのを見る限り、ど
うやら町の外からも大量に人が訪れているらしかった。外界に情報が伝わる速度はもちろん、それだ
け多くの人がルイズを慕っていたという事実が、ティファニアには信じられなかった。
(ルイズさんは、ずっとこの領地にいて、外界の人と会う機会なんてほとんどなかったはずなのに)
「もし、そこの方」
 不意に声をかけられて、ティファニアはびくりとしながら振り向いた。人だかりから抜け出してき
たと思しき黒い喪服の老婆が、ヴェールの下からティファニアを見つめていた。
「わたしに何かご用ですか」
 動揺を抑えながら問うと、老婆はティファニアの姿をしげしげと眺めて、首を傾げた。
「旅の途中か何かですか? こんな街道から離れた町に立ち寄られるとは、珍しい」
 ティファニアは自分の格好を見下ろした。あの日着ていた緑色のワンピースそのままだ。当然、ほ
ぼ黒一色の人々の中では目立っている。それで声をかけられたのだろう。
「ええ、まあ、そんなところです」
 頷くと、老婆は「そうですかそうですか」と嬉しそうに頷いた。
「この町も、わたしが生まれたころは本当に貧しいところでねえ……外から人がやってくることなん
て滅多になかったのに。本当に、男爵様が来られてから、何もかもがいい方向に変わりました」
 老婆は懐かしむように大通りを見回している。ティファニアもそれに習い、ここに来た当時の記憶
を思い起こした。あのころ、ここには一本狭い道が通っているだけで、陰気な人々が狭そうに肩を寄
せ合って細々と生活していたものだ。それが今や、様々な店が立ち並び、屋根の隙間から教会の尖塔
が垣間見える、賑やかで美しい通りに変わっていた。
「あの方のご指導があって、村は町になり、わたしたちは豊かになりました。男爵様はその頃から滅
多に町に下りてこられなくなりましたが、商売のためにやって来た人や、穏やかな生活を求めて越し
てきた人たちは、みな男爵様に会われて『なんて尊いお方だろう』と喜ばれたものですよ。男爵様か
ら助言や励ましを受けて、人生をやり直せたという方も少なくありません。だから、こんな辺鄙な町
に、こんなにも人が集まったんですよ」
「そうなんですか……男爵様、という方は、とても慕われておいでだったのですね」
「ええ、ええ、そうですとも」
 老婆の皺だらけの瞳から涙が一粒零れ落ちる。
「よろしければ、あなたも男爵様の冥福をお祈りください。本当に、とても立派な方でございました」
 手を組んで祈る老婆の前から、ティファニアはそっと立ち去った。ルイズの冥福を祈る資格は、自
分にはない。そう思った。
 やがて剣の城の城門が開かれた。黒い人の列は少しずつその中に飲み込まれ、偉大な女男爵との短
い別れを済ませて、また山を下りてくる。
 ルイズの亡骸は、森の奥深くにある才人の墓に、彼と一緒に葬られることとなった。あとでジュリ
アンから聞いたところによると、シエスタがそう指示したらしい。自分の死体は町の共同墓地に一人
で葬り、ルイズの亡骸は才人の隣に一緒に眠らせるようにと、ジュリアンに頼んだそうだ。
 棺を担いだ葬列が、ジュリアンの案内で深い森の中を抜け、粗末な小屋のそばを通りすぎ、あの森
の中の小さな広場、突き立てられた剣の下にルイズの亡骸を埋葬する。その光景を、ティファニアは
町の片隅で静かに思い浮かべた。

90 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 20:29:18 ID:fIg3HJdo
 葬列が通るときに出来る限り草木を刈り取って道を作ったらしく、その夜、小屋に戻るのは、この
六十年間で一番楽だった。
(そうよね。ルイズさんが死んでしまって、この小屋やサイトのお墓を隠す必要はなくなったんだも
の。これからは多くの人たちが、あの道を通り抜けて、二人のお墓に花を供えることになるんだわ)
 そういう道のそばに、こんな牢獄が存在していいはずはない。ティファニアは部屋の隅に置いてあ
る長櫃をじっと見つめながら、明日にはこの小屋を出て行こうと心に決めた。
 翌朝目覚めたティファニアは、帽子を目深に被り、小屋の中を見回した。
(何か、持っていくものはあるだろうか)
 少し考えて、何もないと首を振る。友人たちから託された品を自分が持っていく資格は、もうない。
(ギーシュさん。わたしは、ルイズさんに真実を教えることを選択したつもりでした。ですが、あな
たのように、最後までその思いを貫くことができなかった。タバサさん、約束を果たせず、ごめんな
さい。ルイズさんは、本当のことを知らないままに逝ってしまいました。あなたのナイフを託されて
もなお、わたしは間違った道を選んでしまったようです。キュルケさん、ハンカチを下さったことに
は感謝しています。ですが、やはりわたしは自分を許すことができません。この後は一所に留まらず、
死ぬまで罰を受けながら生きようと思っています。それで、自分の罪が許されるとは思っていません
が、わたしはもう、そうする他に自分が生きながらえている意味を感じられないのです)
 三つの品をテーブルの上に置き、ティファニアはそれに向かって深々と頭を下げた。
「さようなら、皆さん。皆さんの尊い想いと共に、わたしの幸せな思い出を、ここに置いて行きます」
 言い置いて、ティファニアは小屋を出た。外は小雨がぱらつき、陰気な空模様だった。罪人である
自分が旅立つ朝としては、ちょうどいい天気だ。
 町に下りるために昨日作られたばかりの道を歩いていると、向こう側に誰かが立っているのが見えた。
「やあ、やはりおいでになりましたね、ティファニアさん」
 ジュリアンだった。白髭を生やした腰の曲がった老人が、目を細めてティファニアを待ち構えてい
た。身を硬くしながら、彼に歩み寄る。
「おはようございます、ジュリアンさん。昨日は何のお手伝いも出来ずに、すみませんでした」
「いえ、それは大丈夫です。たくさんの人たちが手伝いを申し出てくださいましたから。おかげさま
で、なんとか葬儀の準備を終えることができたのです。奥様が立派な方だと知っていたつもりでした
が、昨日改めて、それを思い知った気分ですよ」
 ジュリアンはじっとティファニアの顔を見上げた。
「ですがそれも、ティファニアさんが作り上げた嘘が生み出した結果です。ですからわたしは」
「ありがとう、ジュリアンさん。でも、どれだけ多くの人に幸をもたらしたところで、わたしが犯し
た罪の重さには何の変わりもありません。だからわたしは、やはりここを出てゆきます。わたしがル
イズさんたちのそばにいる資格があるとは、とても思えませんから。では、失礼します」
 一方的に決め付けて、ティファニアはジュリアンの脇を通り過ぎようとした。老人は驚くほどの力
で彼女の袖をつかみ、引き止めた。
「ではせめて、城の方へおいで下さい」
「城……剣の城へ? 何故ですか?」
「墓前で直接お別れを申し上げられないのでしたら、せめて奥様のお部屋で、出立の挨拶をしていっ
てください。罪を犯したという自覚がありながら、何のけじめもなく逃げるように出て行くのは、そ
れこそ許されないことなのではありませんか?」
 ティファニアは否定できなかった。ルイズの部屋に入ることだって、自分にとっては十分許されな
いことではある。だが、どう言ってもジュリアンが引き下がるとは思えなかったし、彼の言葉が全て
間違っているとも言いきれない。
「分かりました。では、最後に城に立ち寄らせていただきます」
 結局、ティファニアは彼の言葉に従うこととなった。

91 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 20:30:23 ID:fIg3HJdo
 ルイズの寝室は、あの日ティファニアが出て行ったときそのままに保たれていた。
「なにぶん、予想以上に忙しくなってしまいまして。片付ける暇が全くなかったものでございますから。まあ元々散らかっておりませんでしたから、掃除の必要はないも同然なのですが」
 ジュリアンはそう言っていた。本当に、あのときのままだ。ティファニアがルイズの遺言を代筆す
るために持ってきたテーブルも、そのままの場所に置いてある。才人から届いた、とルイズが思い込
んでいた手紙の山も、部屋の隅の長櫃にそのまましまいこまれていた。
 その長櫃を複雑な思いと共に見つめていると、背後のジュリアンが静かに声をかけてきた。
「奥様は、あなたからの便りを本当に楽しみにしておられました。真相を知っていたはずの姉ですら
そうです。何故そんなにも、サイト殿の意志をそのまま伝えるかのような手紙が書けるのか、姉は
ずっと不思議がっていましたが……わたしには、分かるような気がします」
 振り向くと、ジュリアンはどこか必死な表情でティファニアの顔を見つめていた。
「それは、手紙を書いていたあなた自身が、奥様とサイト殿のことを深く愛しておられたからです。
深く愛し、生前の二人を優しい気持ちで見つめていたからこそ、サイト殿の思いをよく理解し、彼の
ように書くことが出来た……全ては、あなたがお二人に対して抱いていた、愛情の賜物なのです」
 ジュリアンは祈るように手を組み合わせた。
「ですから、自分のことを罪人などと仰らないでください。六十年前、あなたが決断を下した場所に
いなかったわたしに、何かを言う資格があるとも思えませんが、どうかこの言葉を聞き入れていただ
きたいのです。あなたはとても純粋に、心の底から奥様のことを案じられていた。だからこそ自分を
激しく責めながらもこの辛い務めを最後まで成し得たのだし、奥様に本当のことを告げることができ
なかったのです。どうか、ご自分のことを許してあげてください。あなたは醜くも卑劣でもありませ
ん。ただただ優しく、意志の強い人なのですから」
 縋るように言い募るジュリアンに、ティファニアは微笑み返した。
「ありがとう、ジュリアンさん。でも、あなたの言葉を受け入れることは出来ません。間違いは間違
いで、罪は罪。わたしは一生自分を許すことはないでしょう」
「そんな……奥様だって、真実を知ったら、きっとあなたのことをお許しになったでしょうに」
「いいえ、ルイズさんだって、絶対にわたしのことは許さなかったはずです」
 ティファニアの脳裏に、若いルイズの血走った瞳が浮かび上がる。自分を責める怒りに満ちた叫び
声もまた。遠い昔の、しかし鮮明に刻み付けられた記憶だ。
「いいんです、ジュリアンさん。あなたのお気遣いはとても嬉しいですけど、わたしにはそれを受け
る資格がありません。そもそも、わたしを許すことができる人は、もうこの世には」
 ティファニアはふと、そこで言葉を止めた。部屋の中の風景に、何か違和感を感じる。
(なんだろう?)
 じっと目を凝らす。部屋の中は、ジュリアンの言葉どおり、ルイズが死んだ日と全く変わっていな
いはずだ。なのに違和感があるのはどういうことか。
(何かがあの日と違う……何が違うの?)
 違和感の出所は、ベッドの隣に置いてあるテーブルだった。あの日、ティファニアがルイズの遺言
を代筆するために持ってきたテーブル。その上に、何か黒い染みが広がっている。
(最期にルイズさんと話したときは、あんな染みはなかった)
 記憶の中のテーブルは、多少傷はあったものの、よく磨かれていて汚れはなかったはずだ。その上
にはインク瓶と羽ペンが置かれていた。羽ペンは黒い染みを避けるように置かれており、蓋の開いた
インク瓶は倒れて、零れ出した中身はすっかり乾いてしまっていた。
(インク瓶が倒れたのね)
 近づいてしゃがんでみると、やはりテーブルの側面を黒いインクが流れ落ちた跡が残っており、そ
れは床の上で小さく広がっていた。
 だが、インク瓶は何故倒れたのか。ティファニアはジュリアンを振り返った。
「あの。ルイズさんが亡くなられたあと、お部屋の掃除をされましたか? さっきも同じことを教え
ていただきましたけど、もう一度よく思い出してみてほしいんです」
 ジュリアンは怪訝そうに目を細め、首を振った。
「いえ。なにぶん葬儀の準備で忙しかったもので……ただ、奥様が枕元に置かれていた何通かの手紙
だけは、なくしては困ると思って、元の場所に戻しておきましたが」


92 名前:不幸せな友人たち:2008/02/17(日) 20:31:32 ID:fIg3HJdo
 その瞬間、ティファニアの頭で鮮明な像が閃いた。
 苦しげに顔を歪めながら、ベッドの上でなんとか上半身を起こすルイズ。震える腕を伸ばして羽ペ
ンをつかみ、インク瓶の蓋を開けたものの、ペン先を浸した際にインク瓶が弾みで倒れてしまう。中
身のこぼれたインク瓶を戻す体力もなく、ルイズは仕方なく羽ペンを使って何かを書きつけたあと、
羽ペンだけをテーブルの隅に置いた。疲れ果ててベッドに戻り、そのまま目を閉じて永遠に開かない。
(何を書いたの? いえ、何に書いたの?)
 考えるまでもなく、答えは明白だった。ティファニアは部屋の隅に置いてある大きな櫃に駆け寄っ
た。鼓動が速くなっているのを感じながら蓋を持ち上げる。中は手紙で一杯だった。全て、ティファ
ニアが才人の振りをして書き、ルイズに宛てた手紙だ。山の上の一枚に、自然と視線が引き寄せられる。
(これだ)
 ティファニアはその手紙を手に取った。ルイズに宛てた、一番最後の手紙。最期に会話を交わした
とき、彼女が嬉しそうに口元を綻ばせて読んでいた手紙。その封筒に、「愛しいあなたへ」と書いて
あった。ルイズの字だ。
(愛しいあなた……サイトのこと、よね。そう言えば、ルイズさんが亡くなった日、立ち去る直前に
彼女が何か話していたような……)
 ――愛しい人のために、最後の一仕事をしなければならないの。
 ティファニアは息を飲んだ。この中には、ルイズが死の直前、才人に宛てた言葉が記してあるに違
いない。一人、心静かに、万感の想いを込めて書き記した言葉。
 自分に、それを読む資格があるだろうか。
(ううん、読まなくちゃいけないんだわ、わたしは)
 この中には、きっと才人への愛情に満ち溢れたメッセージが書き記されている。
 それを見て、もう一度ルイズの愛情の深さと尊さを思い出し、自分が犯した罪の重さと汚らわしさ
を、強く心に刻み付けなければならない。
 ティファニアはそう考え、選択した。
 封筒のふたを開けて中の紙を取り出す。裏面に何か書いてあるのが分かった。
 ティファニアは震える手で紙を広げる。予想に反して、記されていたのは短い一文だけだった。
「……え?」
 そこに書いてある言葉の意味を、すぐには理解できなかった。
 何度も何度も読み返し、ようやくその意味を理解してから、ティファニアは幾度も首を横に振った。
ぎゅっと目を細めても涙が溢れそうになって、歯を食いしばる。絞り出した声は頼りなく震えていた。
「違う、違うの……!」
 足から力が抜けて、床に膝を突く。堪えきれずに溢れた涙が、頬を流れ落ちた。
「わたし……わたしは……!」
 突然泣き出したティファニアに驚いて、ジュリアンが駆け寄ってくる。彼は戸惑いながら彼女の手
元にある手紙を覗き込むと、目を見開き、細めた。それから労わるような笑みを浮かべて、震える彼
女の両肩にそっと手を置いた。
 折りよく晴れた空から窓越しに日差しが降り注いで、部屋の中を淡い色に染める。その暖かさに抱
かれながら、ティファニアはいつまでも声を上げて泣き続けた。

 彼女が手に持つ手紙の裏面に、短い一文が書き記されている。
 最期の力を振り絞って書いたのだろう。その文字は乱れに乱れ、か細く震えていた。それでも正確
に、こう読むことができる。



 ―優しい嘘を ありがとう―



 不幸せな友人たち

 END.

93 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 20:36:49 ID:hty200F9
>>92
やべぇ・・・目から塩水が止まらん
まじでGJ

94 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 20:39:59 ID:BE64BrWE
°・(ノД`)・°・ルイズ気付いてたのか
GJでした

95 名前:205:2008/02/17(日) 20:41:01 ID:fIg3HJdo
うお、無駄に後書きめいたこと書いてる間にもうGJが……ありがとうございます!

えー、以上です! 暗くて長い話に最後までお付き合いいただいて、本当にありがとうございました!
最後の最後で一行改行ミスって大いに凹んだけどまあいいやHAHAHA……orz

途中で馬鹿な失敗やらかしてたことを指摘されて一回全消しして顰蹙買ったりしましたし、
出来自体には不満足な部分が多いのですが、書き上げられたこと自体には満足しております。

深い考察をいくつも頂くことができ(書いてる本人が「そうだったのか!」と驚くコメントが多かったです)、
最後には挿絵までつけてもらって、タイトルの割に本当に幸せな作品だったと思います。
最後まで書き上げられて本当によかった。なんとか、登場人物をみんな解放してあげられたと思います。

ちょっと休んで、また未完の長編を終わらせられるように頑張りたいです。多分犬竜とか。いつになるかは分かりませんが……

それでは。最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました!

96 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 20:42:01 ID:OLywp99q
>>92
やっぱり気が付いていたか 
テファのした事によってルイズは救われ男爵領の人々は幸せになった
そう考えるならテファが自分を許してもいいような気がする
最後にGJ!

97 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 20:45:59 ID:VXMEoqnH
>>95
GJ!!です。おつかれさまでした

わたしの稚拙な語彙では、この作品を語ることができません

98 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 20:46:36 ID:tBYxTvE6
>>92
一日にどんだけ塩分と水分を失わせる気かと・・・いやまじでGJです。
余韻がじんじん響きますね。最後の一文で、切なさが五臓六腑にしみわたります。

シリーズ完結オメ。ここまでの完成度を保ったまま最後まで書き上げるというのがどんだけ大変なことか。
ここしばらく、尋常ではない集中力を発揮して没頭されていたことと推察します。
それをなしとげたこの日、205氏にはGJの花束をどんだけ振りまいても足りない気がします。

99 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 20:46:41 ID:Qb0snNni
怒涛の投下ラッシュ乙でした。
心の底からGJ!

100 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 20:58:42 ID:OnJOTQ2L
いったい俺からどれだけの水分を奪えば気が済むんだ?

101 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:00:38 ID:BE64BrWE
ルイズが何十年間もみんなが自分のために優しいウソをついてると知ってても、みんなの為に騙されたフリをしてたんだなぁと
そう考えたらまた泣けてきた°・(ノД`)・°・
変な文章でスマン

102 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:07:19 ID:giIj2dC1
>>95
GJ!そしてシリーズおつかれさまでした。
最後の最後にテファが報われてよかった。

挿絵喜んでいただけてほっとしてます。
情景描写が苦手とは…。むしろずっと目に浮かんでいました。
鬱蒼とした森と小屋、明るくてきれいだけどどこか寂しい雰囲気の城内。
テラスで泣くルイズは、テファに感情移入していたからかひどく眩しかったです。

今はあの世でサイトと再会して抱きついてるルイズが見える。
心の底からGJ。

>>101
気づいたのってテファの字見た時じゃないの?

103 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:14:28 ID:Y7MWC4hQ
205さんありがとう。

もうそれしか言葉が出てこない。


104 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:16:29 ID:Y7MWC4hQ
>102
無粋なことを言うものでない。
読み取り方は人それぞれじゃないか

105 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:21:41 ID:giIj2dC1
>>104
それもそうだな。>>102 悪かった。

106 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:36:40 ID:m5fX2nDl
>>95
答えなんか出せなくても皆一生懸命生きたんだな。それぞれの
キャラの想いや愛情の深さが胸をついて涙が・・・
前スレで頭でっかちなだけの長文感想を書いた自分が恥ずかしい。
素晴らしいお話をありがとう205さん

。・゚・(ノД`)・゚・。

107 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:42:10 ID:bW/6ZrWW
>>95
GJ。うう・・自然と目から汗が・・・
みんな本編では幸せになってくれよお。

108 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:51:43 ID:VjVU0whN
>>95
感動した・・・。こんな重いゼロ魔はある意味新鮮だわ・・・大作をありがとう。

しかしここまで書かれるとif的な感じで死後の世界での話も考えちまうな・・・。
デスノで言えば死後の世界なんてないんだけど。でもこれはさすがに無粋かな?

109 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 21:59:28 ID:9jMvsti5
そういや最近
ルイズもの皆無だな

110 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:00:15 ID:bn/xLPzz
テファ達がルイズに嘘をついてるように見えるが
ルイズ達がテファに嘘をつき続けてる、って可能性を考えてた

テファもシエスタの情報以外は外界と触れてなかったわけだし。

111 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:18:01 ID:HRK5Jeer
>>108
死後の世界などないから死とは重いのだって誰かがいってました

112 名前:桃りんご太郎(ひめ):2008/02/17(日) 22:33:18 ID:HCpUXRBs
むか〜しむか〜しあるところにお姉さん(アニエス)とお姉さん(アン)が住んでいました。
で始まる桃りんご太郎(ひめ)という電波を受信した。
当然主役はテファ、お供は、武器を持たせたら無敵の犬(サイト)、尻は赤くないが腹は黒い猿(シエスタ)、きゅいきゅいと鳴く雉(シルフィ)。
鬼は、桃りんご太郎の胸に嫉妬したルイズとシャルロット。プラスギーシュ他男子生徒。
やっぱりサイトのハーレムエンド。
後は文章にするだけだが、それができない。
誰か完成させてくれ。

113 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:34:52 ID:P8egwKax
>>92
ハッピーエンドとも違う、「トゥルーエンド」。そんな作品だったような。
泣いた。GJ。




…次は是非エロにも取り掛かられたし(ボソ

114 名前:また挿してみた。:2008/02/17(日) 22:44:31 ID:B4ZApLeE
>>95 205氏
畜生!感動からくるふるえと
マジであふれてくる涙で紙がぼやけて新作が描けないではないか。謝罪と賠(ry

今日は気分的にエロ絵なんぞ描く気になれねぇ(涙涙涙涙涙涙涙
でも全然かまわないや・・・エエ話に触れることが出来て最高の気分。

205さんホントにお疲れ様でした!!

115 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 23:23:24 ID:wemC0Ulz
完結乙ー

最後の一文でかなり鳥肌たったわ…
最大級のGJを氏に…

116 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 23:46:25 ID:Qv61gWWK
超大作乙

117 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 23:53:13 ID:Z4pBXLB1
ありがとう。

自分なりに思った感想では、ルイズは何もないゼロだったが、
最初はサイトの為かもしれないが、自分の領地を素晴らしくした、
たくさんの人々を幸せにした、もう魔法以外でもゼロのルイズではない。


途中から嘘に気づいたが、自分の今の与えられた
領主の立場を貫いて領民を守る事や幸せにする事が、
死んでいったサイトにいずれ会う時に
自分のした事を胸をはって言えると思って、
いたのかもしれないですね。


勝手な妄想を書いてしまいましたが、本当に感動の作品をありがとう。


118 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:01:19 ID:9Jvvr6Rk
>>92
たぶんルイズは『気づいていた』のではなく、『気づいた』のではないだろうか。
具体的にはテファの字を見た瞬間。
いくらなんでも気づいていて何もかも傍観していたというのはアンやギーシュ、シエスタの死が無駄になってしまったような印象を受ける。
まぁ、あくまで私見なので解釈のひとつ、ぐらいに思っておいてください。
大作、乙かれさまでした。
次回がありましたら、楽しみにさせていただきます。

119 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:04:06 ID:FM7e8084
優しい嘘を吐いたのはどっちだったんだろ?

120 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:04:27 ID:9Jvvr6Rk
恥ずかしい。携帯で見ているとこういうことが多くて困る。

121 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:13:24 ID:F+WUmHTa
感動した。もう言うべきせりふが無い
>>205氏 GJ!!

122 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:27:01 ID:ZwPj2ro8
>>95

11スレで『幸せな男爵様』が投下された際、ここまでの大作になると予想できた者がいただろうか。いやいまい。

結局何が言いたいかというと、目から溢れ出すケフィアが止まりません ><

123 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:28:08 ID:ZOtIlZOe
はじめから読んでたけどすごいなコレ
プロの方?

124 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:30:59 ID:w/A0+a40
なんだよコレ、ここはへんたいの集まるエロパロ板だろ…

なんで俺泣きそうなんだ(;д;)ウッ

125 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:36:40 ID:4rEjjnp2
おいお前ら!今すぐYahoo!で
「でかいチョコ」
で検索してみろ!

126 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:39:47 ID:JHnhEVu7
>>95
完結お疲れさまです。
丁度11スレ前後からこのスレ見てた自分としては感慨深いものが。

余談ですが、偶然聞いてた「愚蓮」という曲のサビがSSと微妙に重なって少し泣いてしまった。


127 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:44:42 ID:2SbFIPCS
読み終えた後、じわじわ涙があふれてきた
まさかエロパロ版で泣かされる日が来るとは・・・

205氏、ありがとう

128 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:44:43 ID:G5394nwh
>>125
でかいチンコ吹いたww

129 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:53:28 ID:WATuEpmU
テファに書き残す時のルイズの心情はどうだったんだろう。
記憶に関わる事だから、下手すると幸せな自分も幸せな領民も全てが
嘘になってしまうかも知れない。それほど重大な事だよな。
でもテファへのあの一言を書けたし、最後の顔も安らかだった。
テファの行いが自分の為である事を素直に受け入れ、心から感謝する事が出来たんだろうね。
過ぎた過去よりもそう受け入れられる今現在のルイズが大切だった気がする。
結果、やっぱり幸せだったんだよ。ルイズは。
いや、憶測だけど。でも安らかな顔でいけたのは確かだ。(`・ω・´)

130 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/02/18(月) 01:34:39 ID:WgTK77/t
…なーんかさー。俺超場違い?
途中で途切れてる上にコメディ投下していいのかな?なんて思うわけですよ。

でも答えは聞いてないッ!!
それが俺のジャスティ(ry

つーわけで『呪印』テファ編逝きます

131 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/02/18(月) 01:35:19 ID:WgTK77/t
ティファニアが溜息をつかなくなった事に最初に気付いたのは、タニアだった。
それは、ある朝の朝食の給仕の際。
普段は装甲騎士団の面々に囲まれながら物憂げに朝食を採るティファニアだったが、その日はなんと、満面の笑顔で朝食を採っていたのである。
それどころか、普段は挨拶くらいしか交わさず、一方的に喋り続けるベアトリスに対し、
『おはよう、ヴィヴィ。素敵な朝ね。…あら?リボンが曲がっていてよ?』
などと曲がったリボンを直す余裕すらあったのである。
こりゃなんかあったな、と勘付いたタニアは、早速ティファニアの部屋のベッドメイキングを、友達になったメイドに代わってもらうことにした。


「さー吐け。全部吐け」

部屋に戻ったティファニアを待っていたのは、ジト目のタニアだった。

「え?え?な、何をかな?」

迫り来るジト目のメイドに、ティファニアは思わず後ずさる。
その部屋は自分のためにあてがわれた部屋だというのに、思わず出て行ってしまいそうになるくらい。
その退路を塞ぐべく、タニアは扉の前に回りこみ、扉を後ろ手に閉めてしまう。

「とぼけない。お兄ちゃんとどうなった?」

息がかかりそうなほど近づくタニア。
しかし。
その直後、それが致命的な失敗だという事に気付く。
『お兄ちゃん』の辺りでティファニアの頬が桜色に染まり始め、そして、台詞が終わる頃には目尻が垂れ下がっていた。
やばいまずいこれは。

「え?え?え?サイトとどうなったかって?
 …そんなに聞きたい?」

しまったなんか変なスイッチ入った。
桜色に染まった頬に手を当て、ニヤニヤ笑顔でこちらを見つめる元保護者の視線に、タニアはやばいものを感じた。
しかし時既に遅く。
鼻先の、息がかかりそうな距離で不自然に恥らうティファニアの目は、既に目の前の獲物をロックオンしていた。
話す気マンマンである。
イヤがる相手から聞き出すのがその手の話の醍醐味なのに、のろけ混じりにえんえん話されるソレは、苦痛でしかない事をタニアは知っていた。
そしてその次の瞬間、救いがやってきた。
扉の隙間から入り込んできた黒い影が突然、ティファニアの頭を直撃する。

「あら?」

一瞬、ティファニアはフシギそうな顔をしたが。
すぐにぽてん、とその場に倒れこんでしまう。
今がチャンス、とばかりにタニアは部屋を逃げ出す。
その際、柱の影でこちらを見ている青い髪のヘンな女を見かけたが、その時は気にも留めていなかった。

132 名前:正しいペットの躾け方 ◆mQKcT9WQPM :2008/02/18(月) 01:36:58 ID:WgTK77/t
目を醒ました私は気付いていた。
私の中に、何かが入ってきた事に。
それは、私の中で蠢いて、心に干渉しようとしてきている。
…私は、本能的にそう考えていた。
…私が、記憶を、心を操る『虚無の担い手』だからかもしれない。
その『何か』は、どうやら私の心の力を欲しているらしい。
…なんだろ、この感じ。
その『何か』が蠢くたび、私の中に妙なキモチが浮かぶ。
誰にも、会いたくない。
…まさか。
私はある可能性に行き当たる。
それはウエストウッドで読んだ御伽噺。
その物語に出てきたのは、お姫様に取り付いた、心を喰らう影。
心を食われたお姫様は、暗い塔の中に閉じこもり、全ての人との接触を絶ってしまう。
それを心配した恋仲の王子様が、姫の張り巡らせた防衛網をかいくぐって、熱いキスで助けてくれるというお話。
その『影』が実在したのかも。
きっとそうだ。
でも。
誰にも会いたくないなんて、そんなことは絶対、ない。
だって私は逢いたい。
サイトに。私の…飼い主様に。
だって、サイトに逢わないと寂しいもん。
前の、サイトに告白する前の時とは違う、そう、例えて言うなら『満たされない』カンジ。
私の心は、身体は、それを覚えてしまった。
だから、サイトに逢わないなんて。
ありえない。
そう思うと、心の中から沸きあがる衝動が、薄くなっていく。
そして思いつく。
そうだ。きっと、サイトならなんとかしてくれる。
サイトに逢えば、こんなキモチ、消し飛ぶ。
それに…ちゃんと説明すれば、サイトが、御伽噺の王子様みたいに…キス…。
ヤダ私ったら何考えてるのかしら…!もうもう!
…とりあえず、私は。
サイトに、逢いに行くことにした。
心の中に、妙なモヤモヤを抱えながら。

133 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/02/18(月) 01:37:29 ID:WgTK77/t
すまん、スキー疲れで今日はここまで。
続きは後日ですノシ

134 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 01:40:04 ID:CHsiDe4f
>>133へんたいさん乙

135 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 02:28:21 ID:v2zlgBAO
「不幸せな友人たち」の感動の余韻に浸っていたのに、いきなりへんたいさんの焦らしドSプレイを食らわせられるとは。



へへ…これだからへんたいさんファンはやめられねぇ。ゴクリ

136 名前:284 ◆yJjGBLHXE6 :2008/02/18(月) 02:41:58 ID:8DXTwoDM
遅くなったが205氏、激しく乙!
深え、深えよ……!! 

そしてそんなあとのへんたいさん乙。
なんか感動物のドラマのあとの番組が落語だったような気分だwwwwwwwwwww

137 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 02:42:32 ID:8DXTwoDM
やべ、酉消し忘れた

138 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 07:13:10 ID:uDu1xYPL
>>133
皆が幸せな男爵様の余韻に浸っているときにせんたいさんの
新作エロがww  余韻ぶち壊しだなww  
しかも前振りのみの焦らしプレイww せんたいさんどんだけSなんすかww
とりあえず新作GJ! 

139 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 07:22:13 ID:66uAhRKo
205氏の長編はコミケで売れるレベル

140 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 07:27:24 ID:T7+qxNBc
205氏がコミケならボルボ氏は市販LVだなw

141 名前:ルイズと麻雀1:2008/02/18(月) 09:48:11 ID:UkVDNZmK
場違いな麻雀ネタ行かして貰います。

サイトがガンダルーヴの力を駆使して、雀卓を作り上げた次の日の朝
サイト「お〜い ルイズ麻雀やろうぜ」
ルイズ「何よ麻雀って?」
サイト「あ〜 俺の居た世界に有るゲームなんだよ、ルール教えてやるからやろうぜ」
ルイズ「まぁ暇だからいいわよ」
サイト「よし、じゃあ教えるなまずは、麻雀の必須アイテムである牌から教えるぞ」
ルイズ「牌って何よ?」
サイト「牌って言うのは、色々模様とか書いてあるのがあるだろ?」
ルイズ「色々あるわね」

サイト「漢字っぽいのが書いてあるのが[ワンズ]って言うんだ。
    で、丸いのが並んでんのが[ピンズ]
    竹みたいのが並んいるのが[ソウズ]
    そしてそれらの牌は、1から9まであるんだ
    どれがどの数字かは、並んでる、竹やマルの数とか数字だからわかるだろ」

ルイズ「まぁね」
サイト「で呼び方は、イチとかニとか言わずに、1から9まで、イー、リャン、サン、スー、ウー、ロー、チー、パー、キュウって言うんだ」
ルイズ「ふ〜ん、じゃあこの、東西南北や中や発や真っ白な牌は?」
サイト「あ〜 それは字牌(じはい)だな」
ルイズ「字牌?」
サイト「字の牌だから、字牌っていうんだよ」
ルイズ「単純ね」
サイト「ちなみに東西南北は風牌[カゼハイ]って言うんだ、読み方は、東[トン],西[シャー]、南[ナン]、北[ペー]で
    残りの、中や発や真っ白な牌は、三元牌[サンゲンハイ]だからな読み方は、中[チュン]、発[ハツ]、真っ白な牌は[ハク]、これが牌の基本的な種類だな」


142 名前:ルイズと麻雀2:2008/02/18(月) 09:49:50 ID:UkVDNZmK
ルイズ「難しいわね、もうこれで出来んの?」
サイト「まぁ最初はな、いやまだこれじゃ出来ないよ、次は、牌の組み合わせのやり方だな。麻雀っていうのは、基本は牌を揃えるゲームなんだけど
揃え方にはルールがあるからな。基本的に[シュンツ]や[コウツ]や[アタマ]っていう、3つの牌の揃えを4種類と同じ牌を2枚、計14枚揃えればいいんだ」

ルイズ「何よ、[シュンツ]や[コウツ]や[アタマ]って?」
サイト「まず、[シュンツ]から説明するな。これは連番だったらいいんだ、1、2、3でも5、6、7でも数字が並んでればOKだ
    次は、[コウツ]だな、これは同じ牌が3枚あるもののことだ。例えば5、5、5や9、9、9っていう風に
    最後は、[アタマ]だ、これは、同じ牌が2枚あること」
サイト「で、自分の持ち牌は13枚だから、自分の番が来たら目の前の牌の山から一枚引くのを[ツモる]って言うからな、で、ツモって自分の要らない牌を捨てるんだ
それを繰り返していって。シュンツ、コウツ、アタマをそろえるここで重要なのが、ツモった時は自分の牌は14枚、他の時には13枚になること

サイト「アガる方法は覚えてるよな?」
ルイズ「ええと…確か[シュンツ]か[コウツ]が4種類に[アタマ]が一つよね」

サイト「正解だ」
ルイズ「ねえアガる時って、どうやってアガんの?」
サイト「あぁ、それは[リーチ]を掛けて。相手の捨て牌でアガるのが[ロン]、自分でツモってアガるのが[ツモ]だ、それで上がった時には[役]がつくからな」
ルイズ「役って何よ?」
サイト「役って言うのは、アガったときに貰える点数だよ、最終的に点数の高い奴の勝ちだ」
ルイズ「へぇそうなのね、だったら早く色んな役を教えなさいよ」
サイト「役を教えるのは大変だから、ルイズがアガった時に俺が見て
一飜[イーハン]、二飜[リャンハン]、三飜[サンハン]、四飜[スーハン]、五飜[ウーハン]、六飜[ローハン]、役満のどれに当たるか教えてやるよ」
ルイズ「イーハン、リャンハン、サンハン、スーハン、ウーハン、ローハン、役満って何?」
サイト「簡単に言えばそのアガった時の役の分けかただな。イーハンは安いけどその分出しやすい、役が上がってくると出すのが難しくなってくるけど、その分点数は高くなるからな。」
ルイズ「ふ〜ん、判ったわさっさとやりましょ」
サイト「言っとくけど、負けたら罰ゲームだからなw」
ルイズ「な、何ですって!ここここ、このバカ犬、初心者の私が勝てるわけないでしょ----!!!」
サイト「大丈夫だってなんとかなるさwよ〜しそろそろ始めるか」
      
つづく?

鳴きとか色々な事が抜けているうえに、説明の仕方も下手なうえ全く面白くなくてすまないorz
駄文で神聖なスレを汚してしまってスミマセンです(´・ω・)



143 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 10:17:30 ID:oxhxx36v
ふと思ったんだが、ゼロのパロでTSものって見ないね
虚無の魔法の暴走や召還されたときから何故か女になってたり
限られた一場面毎のネタは思い浮かぶけど
それを繋げて読みモノにする文才が無いぜ

144 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 10:29:17 ID:G5394nwh
>>142
がんばってくだしあ。正直麻雀知らないので、これで勉強してみる。
>>140
そういう言い方は避けたほうがいいかも。下手したら荒れるもとになりかねないからね。
SS作者さんにはそれぞれ味があって、比べるようなものじゃない・・・ってことで。

145 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 11:13:33 ID:zeLDSk8L
素朴な疑問が2つ。

・また指してみた サンって保管庫とかHPとかないの?
・今までの挿絵はまとめHPには載せないの??

146 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 11:26:43 ID:4HCJ5xkM
>>143
そもそもTS自体がマイナー属性だから

147 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 11:34:37 ID:WATuEpmU
TSてなんだと思って調べたら性転換モノなんだな
メイドサイトがせめられてあえぎ声あげたりするのだろうか・・・うーむ

148 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 11:50:23 ID:mlV5Wmgk
>テファの虚無でサイト女性化→色々あってシエスタの親戚(妹分)ということに
>→シエシエS覚醒

まで読んだ

149 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 11:57:36 ID:UkVDNZmK
>>144
ありがとう、頑張ってください俺で良かったらアドバイスしますw

サイトが女の子になって、カトレアさんに優しくしてもらうまで
まで読んだ

150 名前:バレット:2008/02/18(月) 12:09:57 ID:2orCoRm1
>143

実は今連載中の分でそういう男→女の展開考えてるから期待しないで待ってて欲しい。
でも最初っから女で男装してるって設定じゃダメか?
エロで続ける分にはそれぐらいしか自分のピーマン頭じゃ上手く書けないんだが。

151 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 12:32:04 ID:vomIHzV5
保管庫に一つか二つあったような気がする。
ルイズもので。

152 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 12:37:03 ID:UkVDNZmK
>>150
実はサイトは女の子でしたってことですか><


153 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 13:30:59 ID:w/A0+a40
巨乳半エルフが巨根半エルフになるとかどうよ

そして調教されていく某ツンデレ一年生

154 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 13:34:03 ID:GSq/VftJ
シエシエがサイトを女装させて調教ってのは昔あったような・・・

155 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 13:39:18 ID:8NS5VM49
へんたいさん GOOD JIRASHI

156 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 13:54:43 ID:UkVDNZmK
>>153
某巨乳半エルフが某ツンデレ一年生を調教して、愛するサイトに貢いで
サイトが褒美に巨乳半エルフ可愛がるっていう風に見えたw

157 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 14:37:46 ID:GSq/VftJ
「不幸せな~」を読んでの小ネタ
感動がぶち壊しなので、注意してください。

205さん、せんたいさん、141さんごめんなさい

158 名前:不幸せなチェリーパイ:2008/02/18(月) 14:38:36 ID:GSq/VftJ

  拝啓   愛しののサイト様 

  段々と秋が深くなっていく今日この頃ですが、元気にやっていますか?お腹を出
 して寝て風邪を引いたりしていないですか?あなたは直ぐに無茶をするので、すご
 く心配です。

  こっちは無事に統治権の譲渡も終わって、細かい仕事の引継ぎも全て済みました。
 使用人達も殆ど辞め、今はシエスタとジュリアンの3人でのんびり暮らしています。
  まったく、最後の大事な仕事まで妻にやらせるなんて貴族としての自覚が足りな
 いんじゃないの?帰ってきたらまたオシオキなんだから!

  でも、もし帰ってきてまたすぐに旅に行くようなら、私も付いて行っちゃおうか
 な……
 べ、別にアンタと一緒に居たいとかじゃなくて、最近運動不足というか、のんびり
 しすぎてちょっと身体がなまってきたというか……とにかく!アンタは夫で私は妻
 なんだから、ちゃんとエスコートして私を旅行に連れて行く義務があるんだからね!!

  早くサイトに会える日を楽しみに待っています。さっさと帰ってこない
 と、私お婆ちゃんになっちゃうんだからね!最近、ちょっと身体の線も崩れてきた
 みたいだし、胸もちょっと垂れt

「奥様、すぐ判る嘘はお止めください。

159 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 14:44:44 ID:GSq/VftJ
おおぅ、最後のほう改行ミスってたorz

昨日、読んで感動しながらどうしても頭からこの話題が離れなかったんですよ。
テファは半エルフだから垂れないとして、シエシエは?女王様は?そして、ルイズやタバサは!!??

 というか、初投稿でこれって言うのもどうだろう…ちょっと死んでくる。

160 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 15:55:01 ID:YDe2tgcG
これはひどいwww

161 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 16:34:44 ID:WZneziC6
ヌィーマリーゴ氏グッジョブ

目からだけじゃなく、鼻からも汗がとまらねぇ…
まじめに嗚咽がとまらねぇよ…

なんというか、シエシエの今わの際とウチのカーチャンが他界した日の情景が重なって、
思い出すだけでまた画面が歪んできたさ。

ほんと、いいものをありがとう。


へんたいさん ちょwまっwww

162 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 16:58:14 ID:8NS5VM49
>153
一瞬、半巨根エルフに見えた。

…どんなチ○コだよ

163 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 17:08:55 ID:bUFDjN2T
あの、だれか早く
ルイズとサイトが楽しく麻雀やってるSSお願いします
もうすこしで俺悲しみの向こう側行きそう

164 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 17:38:21 ID:8NS5VM49
そういう時は、自分で書いた方が早かったり…


書いちゃえよ。早ければ早い方がいいぜ?

165 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 17:43:11 ID:+Yupu0F9
俺は早く皆で王様ゲームやるSSが見たいぜ。

その内、ハルケギニアからの帰還兵さんが書いてくれるはず(゚∀゚)AHAHAHA

166 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 19:05:09 ID:SaA1DGwl
>>163
麻雀覚えたては役満ばっか狙うんだよな・・・
そして何故かワカランがあがれちゃうんだよな・・・
いきなり”あがっちゃった!これ何点?”とか言ってスーアンコウあがるルイズを想像した。
あと凹むサイトも・・・

俺からもお願いします。

あと遅レスだが不幸な友人 完結GJ!
その後に真逆なせんたいさん登場GJ!
両氏 また新作及び続き期待してまうs。

167 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 19:23:43 ID:/Y7VA2gf
ルイズとサイトのエロ麻雀書こうとしてるのに、自分の持ち牌を説明すんのが無理だorz

168 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 19:49:18 ID:5/Dvm/RH
一一三四五888VWX白白  發

こんな書き方するのは?強引だけど。


ところで昨日の無作法をテファに代理でお詫びしてもらいましたよ。
ttp://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/7g880218194208.jpg

「無粋なこと言ってごめんなさ……あっ!」ポロリ

テファがバニー着て動いたら絶対服のほうが負けると思うんだ。
別に……タキシード描き忘れたわけじゃ……ない……。orz

169 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 20:01:15 ID:G5394nwh
ほうほうほうw GJw
ほんと、挿絵も保管庫に載せられないかなぁ。

170 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 21:12:08 ID:l1dHwMB3
パッと見みくるに見えたのは俺だけだろう。

171 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 22:17:38 ID:/Y7VA2gf
>>168
それだ!!!!
エロイなw

喰いタンはありでいいよね?

172 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 22:52:58 ID:dyH3CnFx
保管庫に上がってた不幸な友人達読んで久し振りにこっちに来てしまった。11スレの頃にはこんな大作になるなんて思わんかった

作者さんGJ

173 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 23:55:50 ID:uDu1xYPL
>>169
ttp://zerokan.digital-ark.com/wiki/
の方なら18禁なのでOKなんじゃね 画像版もあるし

174 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 00:16:35 ID:oXbKA7du
>>173
おお、「挿してみた」の人とかテファ絵の人たちとか、是非とものっけてほしいな。
そのうちSSに挿してみるだけじゃなくて、うpされた絵のシチュでSS書くという
試みもできるかも。

175 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 00:22:54 ID:oeZDWwp7
>>95
完結おめでとうございます!
明日も仕事早いのに一気に読んで泣いた…
素晴らしい作品を有り難う!!心からGJ!!

176 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/02/19(火) 01:04:33 ID:epmO7ia7
さて>>131完結編投下。

あんましエロくないカポネ

177 名前:正しいペットの躾け方 ◆mQKcT9WQPM :2008/02/19(火) 01:05:33 ID:epmO7ia7
才人とシルフィードは、二人一緒に最後の『呪印』の被害者であるティファニアを捜していた。
しかしシルフィードはティファニアが『呪印』に取り憑かれるところを直接見たわけではないという。
ティファニアの部屋に『呪印』が入って行くのを目撃しただけだという。
その後、ブルネットのメイドがそこから立ち去って行くのを見たが、そのメイドには特に異常は見られなかったらしい。

「また見てるだけなのかお前は」
「生死を賭けるのは男の仕事なのねー!」

訳の分からん理屈をぶちあげながら、シルフィードは捜索を続ける。才人も仕方なく、その後に続く。
二人が人気のない裏庭に差し掛かった瞬間。

「あ、サイトー!」

どこからともなく、鈴を転がすような声が聞こえてきた。

「テファ?」

才人が声のした校舎のほうを振り向くと。
規格外の胸を凶暴に弾ませながら、金髪のハーフエルフが駆けてきた。
そのティファニアを見たシルフィードの顔が疑問に歪む。

「あれ?どーしてあの娘、サイトに寄ってくるの?」

才人は、当然予想されるある可能性を指摘する。

「…ひょっとして、テファには取り憑いてないんじゃねえの?」

シルフィードはティファニアが『呪印』に憑依されるところを目撃していない。
才人がそう考えるのも当然だった。

「おかしいのね。そんなはずないのね。『呪印』が魔力を持った女の子を見逃すはずがないのね」
「でもさあ、現にテファが」
「はぁ、はぁ。私がどうしたの?」

二人の議論が始まる前に、ティファニアは才人の前にやってきていた。

「あー、えっとだなあ」

直接本当の事を言ったもんかどうしたもんか、と才人が言葉を濁していると、その隙にシルフィードは説明を始めてしまう。

「そこの巨乳娘!『呪印』憑依容疑者として取り調べるのねー!」

しかし説明になっていない。

178 名前:正しいペットの躾け方 ◆mQKcT9WQPM :2008/02/19(火) 01:05:54 ID:epmO7ia7
ごっちん。

才人の拳骨が、シルフィードの脳天に振り下ろされる。

「話がいちいち唐突なんだよお前は」
「痛いのね酷いのね!ぼーりょくはんたいなのねー!」
「こーでもしないと止まらないだろお前」
「ひどいのね差別なのね韻竜虐待なーのねー!」

二人の漫才に、いよいよもってティファニアの顔は怪訝に歪む。
そのティファニアの中で、新たな衝動が生まれた。
サイトに…触れたい。
それはあまりにも自然で、本人も、そうしたいと思っていた。
だから、それが『呪印』による強制だとは思わなかった。

「あの…サイト?」

漫才を続ける二人に、ティファニアの声はとどかない。
少しむっとして、ティファニアは行動に出る。
己の中からの衝動に、突き動かされるまま。

「もう!無視しないでっ」

ぎゅむ。

背後から、遠慮なく才人に抱きつく。

「え、ちょ。テファ?」

突然のティファニアの行動に、驚く才人。
その瞬間。
ティファニアの中から『呪印』が抜け出し、才人へと移ろうとしたのを、シルフィードは見逃さなかった。

「サイト!その娘から離れるのね!」
「え?」

しかしその叫びは遅く。
居心地の悪いティファニアの中から飛び出した『呪印』は、とりあえず目の前にいた人間に取り憑いてしまった。
そう、才人にである。
そして、取り憑かれた才人は。
その場にばたん、とくずおれたのだった。

179 名前:正しいペットの躾け方 ◆mQKcT9WQPM :2008/02/19(火) 01:06:17 ID:epmO7ia7
まずいのねやばいのねたいへんなのねーっ!
『呪印』がサイトに入っちゃったのね!
と、とりあえずお姉さまにれんら…。
………………………………シルフィまだ死にたくないのね。
おねえさまにバレたらおしおきじゃすまないのね!韻竜のお作りにされちゃうのね!

「サイト?大丈夫?サイトっ?」

っていうか元凶はこの娘なの!この娘に責任を取らせるのね!

「サイトはしばらく起きないのね。その間に準備をするのね」
「え?それってどういう…」

間抜け面で乳牛娘がそんな事聞いてくる。
うんと。説明はめんどくさいからとりあえず手伝わせるのね。

「問答無用なのね!とりあえずサイトをそのへんの倉庫に運ぶのね!」

なんでか知らないけどこの娘には『呪印』は取り憑けないみたいだから、この娘に運ばせるのね。

「あ、は、はい」

エルフの娘はそう返事すると、サイトの肩をかついでひきずっていく。
そして、シルフィ達は倉庫に入ったのね。
うーんと、オスに『呪印』が取り憑いたらどうなるかよくわかんないから…。
とりあえず、アレを試す事にします。
そして倉庫の中を見ると、頑丈そうな椅子を発見。
エルフの娘に言ってサイトをその椅子に座らせると、シルフィは縄と布を取り出したの。
どっから取り出したなんて野暮な事はいいっこなしなのねー!
さてこっからが本番なのね。

「さーこの縄でサイトを椅子に縛り付けて、目隠しするのね!」

…今、ものすごい呆れた顔されたけど気にしないことにします。
とりあえず、サイトをコーフンさせないとダメなのね!
しょーがないから、シルフィはエルフの娘に事情を説明しましたまる。

180 名前:正しいペットの躾け方 ◆mQKcT9WQPM :2008/02/19(火) 01:06:44 ID:epmO7ia7
才人が目を醒ますと、世界が闇に包まれていた。

「えっ、何?」

どうやら感触からして、布か何かで目隠しをされているらしい。
しかも、頑丈な椅子か何かに、縄で縛り付けられているらしく、身動きが取れない。
そして。
やけに肌寒い。というより、肌に布が当たる感触がしない。
つまり全裸である。
全裸で目隠しをされて、椅子に縛り付けられているのだ。
状況が飲み込めない才人だったが、奇妙な違和感を覚えていた。
こんな状況なのに、ちっとも焦っていない自分に。
そんな才人の耳に、聞きなれた声が響いた。

「お目覚めなのねサイト。とりあえず今の状況を説明するのね」

シルフィードの声だった。
そして、シルフィードは相変わらずの意味不明な言葉でで状況を説明する。
とりあえず、内容を要約すると。
才人に、『呪印』が取り憑いてしまったために、椅子に縛りつけたらしい。
つまり。

「…ってことは…?」
「そう、今度はサイトがイタヅラされる番なのねー!」
「ま、まてまてまて!俺お前にどーこーされるのなんてカンベンだぞ!」

実際このアホ竜に何かされることを想像するとぞっとしない。
しかし、それは杞憂だった。

「シルフィはなーもしないのね。するのはそこの淫乱エルフなのね」
「…淫乱ってひどい…」

その鈴を転がすような声は、才人の足元から聞こえた。

「え、テファ?」
「いま、助けてあげるからね…サイト…」

才人の誰何の声には応えず、ティファニアはくったりと力なく垂れ下がる才人の一物を優しく両手で包み込む。

「うわっ」

その柔らかい刺激は、目隠しと拘束により、背徳的に高められていた。
『呪印』によって抑えられた性感を昂ぶらせるほどに。
少しずつ硬くなっていく柔らかい肉棒を、ティファニアは右手で竿を握り、左手で先端の返しをこすり、刺激を与える。

「くぁ…!」

その刺激に、才人の腰が浮きそうになる。
股間の一物はその間にも、どんどん硬くなっていく。
やがて先端から先走りすらもれ始め、その硬さが限界に達する。

181 名前:正しいペットの躾け方 ◆mQKcT9WQPM :2008/02/19(火) 01:07:13 ID:epmO7ia7
「うぁ…なんだこれっ…」

感じている才人を見上げるティファニアの瞳は、すでにとろんと蕩けていた。

「サイト…もっと、よくしてあげる…」

言うや否や、ティファニアはブラウスの胸元のボタンを外す。
内側から肉の張力に押され、ブラウスは勝手に横にずれる。
ティファニアは露になった白い双球で、まっすぐ天を衝く才人の肉棒を挟み込む。
そしてそのまま両手で胸を挟み込み、胸が歪に歪むほどぐにぐにと圧力をかける。

「うあぁあっ…!」

才人の背筋がそる。
極上の柔らかさを持つティファニアの胸での奉仕は、『呪印』の影響下ですら、才人の官能を容赦なく刺激していた。
しかし、まだ『呪印』が出てくる兆候はない。

「まだ足りないっぽいのね。もっとエロくするのね」

後ろで行為を見守るシルフィードがティファニアに指示を飛ばす。
…もっと、いやらしいこと…。
ティファニアはその言葉に考えをめぐらせる。
そして行動に出た。
胸の谷間の一番奥で挟み込んでいた肉棒を、先端で挟み、胸の間から才人が飛び出るようにする。
それを、首を曲げて唇の先端で咥え込む。

「はうぁ!」

びくん!と才人の身体が震える。
刺激が強まったと判断したティファニアは、さらにちゅうちゅうと唾液の音を響かせながら、胸をぐにぐにと歪ませながら。才人に刺激を与える。
そして。

「あ、うぁ、も、もうだめだぁっ」

限界を告げる才人の声とともに。

「あ!出たのね!」

才人のみぞおちの辺りから、黒い影が飛び出す。
それは勢いよく、シルフィードの横を抜けて倉庫の外へ逃げ出す。

「あ、待て!逃がさないのね!」

シルフィードは才人から飛びだした『呪印』を追いかけて、倉庫を出て行ってしまった。

182 名前:正しいペットの躾け方 ◆mQKcT9WQPM :2008/02/19(火) 01:07:39 ID:epmO7ia7
倉庫に残されたのは。
白濁の粘液に顔中汚されたペットと、その飼い主。
荒い息をつく才人の目隠しを、ティファニアは外す。
才人の開かれた太股の上に座って、どろどろに汚れた発情した顔で。

「て、テファ…?」

発情した笑顔でうっとりと自分を見つめるティファニアに、才人は呼びかける。
ティファニアは、そんな才人に言った。

「ねえ、サイト…。サイトは私の飼い主様なんだから…。
 ちゃんと、面倒みなきゃ、ダメなんだよ…?」

言いながら、短いスカートをたくしあげる。
そこには。
すでに涎を垂らした金色の恥毛に覆われた性器が、はくはくと蠢いて牡を待ち構えていた。
ティファニアは才人の返事も待たず、腰を上げて才人の一物をまたぐ。

「サイト…して、いい…?」

ご飯を目の前意しておあずけを食っている犬の表情で、ティファニアは懇願する。
完全にいきりたっている才人が、それを断るはずもなく。

「テファの好きにしなよ」

しかし、その台詞はどうやらお気に召さなかったらしい。
ティファニアは軽く頬を膨らませ、眉をへの字にまげて言った。

「ちがうでしょ」
「え?」
「わたしは、おあずけされてるペットなんだよ…?
 飼い主様が言う事、違うでしょ…?」

飼い主にペットが指示するのもなんだかな、と思った才人だったが。

「わかったよ…じゃあ。
 『よし』」

望んだとおりの言葉を聞けたので、ティファニアは嬉しそうに微笑むと、一気に腰を落とした。
ぐちゅり、と卑猥な音をたて、ティファニアの牝は最奥まで才人を咥え込む。

「あっぁっあっ…!サイトの、きたぁ…!」

白濁に塗れ、これ以上ないほど幸せそうな笑顔で、ティファニアは淫欲に蕩ける。
そのまま腰を揺すり、上下に動かしながら、才人を貪る。
腰が上下するたび、ティファニアから漏れた果汁が、倉庫の床に染みを作る。

183 名前:正しいペットの躾け方 ◆mQKcT9WQPM :2008/02/19(火) 01:08:02 ID:epmO7ia7
「いいのっ、サイトぉ、キモチ、いいのぉ!」

快楽のあまり身動きの取れない主人に抱きつき、ティファニアは快楽の歌を謳う。
すると。
才人のちょうど目の前で、凶悪なももりんごが暴れまわるわけで。
才人はぴんととがったその桜色の先端に、かじりついた。

「きひぃ!」

その瞬間、ティファニアの背筋が反り返り、膣内の締め付けが増す。
意識がホワイトアウトしそうな快楽の電流にしかし、ティファニアの腰は動きを止めない。
もっと…もっと…欲しい。
獣欲に突き動かされるまま、ティファニアは囀る。

「あっあっあっ…おっぱい、いいのぉ、もっといじめてぇ…!」

その言葉に、才人は、遠慮なくその柔らかい乳房に噛み付く。
歯型の残りそうな強さの噛み付きに、ティファニアの官能は応える。
ぎゅうぎゅうと才人の頭と肉棒を締め上げ、快楽に呆ける。

「やらぁ!いたいのっ、キモチイイのっ、だめなのぉ!いっちゃうのぉ!」

限界を告げ、ティファニアはより一層強く激しく腰を振る。
そして。
ティファニアを最奥まで突き上げた瞬間、才人が限界まで引き絞られる。
そして、どくどくとティファニアの体の中に、牡の迸りがこだまする。

「あ、あっついの、サイトの、いっぱいぃ…」

ティファニアは子宮を満たす熱さに満足しながら、才人に身体を預けたのだった。


184 名前:正しいペットの躾け方 ◆mQKcT9WQPM :2008/02/19(火) 01:11:09 ID:epmO7ia7
結局。
俺はその後、二回ほどテファに付き合わされた。
縄を外されて、前から一回、後ろから一回。
…これで今日何回目だよ…。
さすがにしんどい。もう寝たい。
俺は、ルイズのところに戻る事にした。
テファにそう言うと、

「じゃあ、また寂しくなったら構ってもらいにいくから。ちゃんと相手してくんないと泣いちゃうぞ」

とか言ってきた。
…いやまあ可愛いんですけどね?正直今の俺は寝ることで頭が一杯なわけで…。
たぶん、ルイズはまだ授業中だから帰ってないし、3時間くらいは寝れるはず。
…その前に厨房行って生卵もらってこよ…。
そして俺は、絶叫を耳にする。
なんだアホ竜か。
もう構う気もおきねーよ…。

はてさて。
結論から言うならば、『呪印』は無事に三匹回収されたのであるが。
無事に済まなかったのは風韻竜である。
厨房から調味料を盗んだとか、図書館で暴れたとか言われ、そのお鉢は全部飼い主に回ってきた。
更にその上、飼い主は先の行いの償いを使い魔にさせる気マンマンだったのである。
三匹の『呪印』を回収して浮かれていたアホ竜に、本気になった飼い主から逃れるはなく。
杖で徹底的にぼこられ、氷漬けにされ、額にインクででかでかと『アホ竜』と書かれ、塔のてっぺんに三日三晩幽閉されたそうな。

「なんでなのねーっ?理不尽なのねー!!」

『大いなる意思』を理解できても、『お約束』という世の中の理が理解できないシルフィードであった。〜fin

185 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/02/19(火) 01:13:04 ID:epmO7ia7
はいおしまい。
長門のふぃぐま愛でてたらおそくなっちった(ぁ

あ、事前に行っておきますがお兄さんは無口メガネキャラが好きなわけではないですよ?
単に造形としてモノがよかったからですねえ(ry

じゃあまたねーノシ

186 名前:また挿してみた。:2008/02/19(火) 02:26:32 ID:9HEslmeL
フンガー終わらんぬ。現在のノリでやり状況だと
今の俺は 3日/1枚 or 2.5日/1枚 が限界じゃー(涙

ttp://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/eka80219022433.jpg

中途半端な状況だが次回はとりあえずタバサで行く。
各々方今しばらくお待ちくだされぃ!

187 名前:また挿してみた。:2008/02/19(火) 02:27:37 ID:9HEslmeL
あ、書き損ねましたが、
へんたい・・・もとい。せんたいさん 殿お疲れ様ござ候!
之からも期待してます。個人的には独自のテンションが大好きです。

188 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 02:38:53 ID:LzvoGuVC
>185
いつもながらへんたいさんGJ!

つか、へんたいさんはアホ竜の扱いヒドスwwww

>186
勝手挿し師匠もキタ――――!
タバっ子胸ないよタバっ子

189 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 02:47:08 ID:iEE1QaLG
>>185
さすが、へんたいさんwGJすぎる
何かへんたいさんのせいでアホ竜可愛く見えてきたw
アホ竜可愛いよ、アホ竜(*´д`*)

>>186
光速で保存した、GJです。
やっぱ、タバサかわいいなw

190 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 03:21:49 ID:d6W4A11g
>185
へんたいさんGJ!!!
テファ可愛いよテファ
そしてきゅいきゅいもアホ可愛いw

>186
上手いなあ
もちろん即座に保存した!

191 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 06:48:22 ID:gN2JrTp5
>生死を賭けるのは男の仕事なのねー!

狙ってる?狙ってるよね?

>精子をかけるのは男の仕事なのねー!

192 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 06:50:42 ID:tKoPJL0Q
…絶滅キングか 懐かしい

193 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 15:52:33 ID:0LjewoR8
>お兄さんは無口メガネキャラが好きなわけではないですよ?
そんなこと言っても全然説得力ないんだぜ

ナニはともあれGJ

194 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 18:25:46 ID:wahJ+l9T
へんたいさん続きキテルー!!(・∀・)

違うんだよ、へんたいさんが言いたいのは
「俺は無口眼鏡じゃなくてつるぺたょぅ○゛ょが好きなんだ!!」
って事なんだよ

195 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 19:01:31 ID:wLrTFU8y
タバサって眼鏡だっけ?


196 名前:ルイズと麻雀実践編1-1:2008/02/19(火) 19:04:19 ID:Vr4oRsTT
>>141の続きを書いてみました

※赤ドラ、喰いタン、喰い下がり有りです
まず、一、二がワンズで1、2がピンズでT、Uがソウズです。
点数計算が変でも許してください(作者は符計算が苦手です)

サイト「よし、それじゃやるか」
ルイズ「まぁ、いいわ完膚なきまで潰してあげるわ。バカ犬」
サイト「親決めなきゃな、サイコロが無いから交互に変わっていくか」
ルイズ「親?」
サイト「あぁ、麻雀には親と子が有って、親になると貰える点数が高いんだよ。で、子はその逆で貰える点数は安い」
ルイズ「ふ〜ん」
サイト「持ち点は25000点な。ルイズが親で始めるか」

東一局一本場
サイト「(一四八159TW南南西北か最悪な持ち牌だな、ルイズはどうなのかな?)」
ルイズ「(一二12378T二V西西東かまずは、東を切るべきね)で、私が親だからツモれば良いのよね?」
サイト「そうだよ」
ルイズ「(8か、取りあえず東を切って)」
13巡目
サイト「(・・・なんとか、鳴いてタンヤオの形になってきたな。取りあえず両面[リャンメン]待ちだな)」
ルイズ「(一二123888TUV西西か、う〜ん、なかなかアガれないわね・・・)とりあえずツモって
三か・・・ってこれツモよ!!」
サイト「えっまじかよ、見してみ」
ルイズ「いいわよ、やっぱりアタシって天才ね」
サイト「うぉまじだ、え〜と
一二123888TUV西西 三
三色同順 二飜
面前清自模 一飜
三十符 三飜  5800かよ」
持ち点、ルイズ30800、サイト19700

197 名前:ルイズと麻雀実践編2-2:2008/02/19(火) 19:05:45 ID:Vr4oRsTT
東一局二本場
ルイズが大三元[ダイサンゲン]役満、崩れの
九九九TUV白白白發發中中中の小三元[ショウサンゲン]四飜でアガり7700点
持ち点、ルイズ38500、サイト12000

東一局三本場
サイトが清一[チンイツ]六飜を出したが、鳴いていたため、五飜に喰いさがり満貫8000点
持ち点、ルイズ30500、サイト20000

東一局四本場オーラス
ルイズ「ふふ、私はやっぱり天才ね初めての麻雀でも勝ちそうだなんて、バカ犬ちゃん負けたら何だっけ?」
サイト「うっ けど勝負は最後までわからないぞ(やばい負けたら、何されるかわからん下手したら去勢ですか?去勢されちゃうんですか)」
6巡目
サイト「(五六345赤567789VW 五 よし、六を切ってリーチ掛けるか)リーチだ」
ルイズ「早いわね、(Uか要らないわね切っちゃいましょ)」
サイト「ルイズそれロンだ
五五345567789VW U
立直 一飜
一発 一飜
平和 一飜
ドラ  一飜
三十符 四飜  7700だな」
持ち点、ルイズ22800、サイト27700
サイト「(ふぅ危なかった、ギリギリで勝てたな)
ルイズ「あんた手加減しなさいよ!あ〜あ、あたしももうすぐアガれそうだったのに」
サイト「持ち牌見してみ」
ルイズ「いいわよ、ほらこれよ、一一一九九九11999TU」
サイト「こ、これは・・・」
ルイズ「な、何よ違うの?」
サイト「合ってるよ、ただもう少しで、清老頭[チンロウトウ]っていう役満になりそうで驚いただけだよ」
ルイズ「チンロウトウ?」
サイト「清老頭って言うのはすべて1と9の牌でコウツ状態にしたのを言うんだ、すごいな初心者なのに」
ルイズ「そうでしょ、すごいでしょ」
サイト「でも、負けたから罰ゲームだよなルイズ」
つづく?

198 名前:141:2008/02/19(火) 19:06:24 ID:Vr4oRsTT
相変わらず面白くもないしエロくもない文を書いてしまいすいませんでした
エロ書きたいのに力不足で書けないorz



199 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 20:36:25 ID:0THIQCHf
>>198
麻雀全然わかんないけどすごくほのぼのしてていいや。
癒される。GJ!

もちろん続くんだよな?ん?

200 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 20:52:25 ID:ltAf5CPa
>>198
あれ、大三元崩れの上がり牌、チャンタつかないか?


ともあれGJだ

201 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 20:56:56 ID:TdOyDI4h
豚切りスマソ
ワンズは一二三、ピンズは@AB、ソーズは123といった
表記が一般的だと思ってたが、それは俺だけか?

イカサマがうまいのは誰だろう・・・
モンモンあたりが薬で牌の表面の字を変えたり?

202 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 21:15:58 ID:zG5x7wni
サイトはぎりぎり盲牌(指でなぞっただけで、なんの牌か分かる)は使えそう

203 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 21:19:01 ID:Ugk7Yi/Z
ヤな17歳だな

204 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 21:20:23 ID:78iyy+Y9
エロがかかればオスマン学院長がイカサマ含めて最強

205 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 21:27:58 ID:Vr4oRsTT
>>199
gjありがとう
俺の力じゃ難しいorz

>>200
やっちまったああああああorzチャンタの存在ど忘れしてたw
gjありがとう

>>201
やっぱそっちの方が良かったか
ギーシュが自分の持ち牌、魔法で変えそうw

>>202
あと人の理牌(手牌を見やすいように整理すること)を見て何待ちかわかりそうwww



206 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 22:28:35 ID:D9Yyopwi
今来た!今読んだ!
せんたいさんGJ! ちょっと話題から遅れてるが・・・

しかしオレはタバサもテファもアンも好きだが
一番イイのがアホ竜の口調だ!せんたいさん天才!正直エロがいらんくらい。

前々から思ってたんだが、アホ竜の なのね〜口調は ノボル神よりこのスレの方が
早かったんじゃないか?

207 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 23:08:07 ID:3En7tQef
脱麻なのに、きゅいきゅいは既にマッパで麻雀してましたとさ

そんな電波を受信した俺は屑ですw

208 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 23:33:35 ID:Vr4oRsTT
>>207
ありえそうだwww

ティファニアと脱衣麻雀して、上を裸にしたらサイトは集中力無くなるんだろうなww



209 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 23:35:37 ID:3itRCHiN
シエシエ、テファ、アン様と卓を囲んで全員上半身裸でサイトだけ一人負けww

210 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 23:42:25 ID:Vr4oRsTT
>>209
揺れる胸ばっか見て、上がり牌を見逃してフリテンばっかしそうww


211 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:05:06 ID:hTo/xFzB
ちょっと聞きたい事あるんだが、エレオノール姉様ってぺたん娘だったけ?
エレ姉で一本書きたいんだけど胸のサイズがどうかで展開が変わってくるんだよな・・・

212 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:07:10 ID:zTnBkNR6
ルイズ以上のぺったんこのはず

213 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:07:21 ID:sULNvRdP
>>211
二つのパターンで書いてくださいww
胸が大きいのと小さいのでww

214 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:33:13 ID:vv+nndGR
>>211
アニメではルイズ以上の貧ny(ry
原作では描写が無い……と思う。

215 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:42:17 ID:J4ylAymy
麻雀対決、VSヴァリエール家
手堅いツモをしてくるカトレア
サイトの捨て牌を常に見ていて、ロンはつねにサイトからというパパ
ルイズに毛が生えた程度の強さしかないエレオノール

216 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:45:56 ID:sULNvRdP
何か、アン様、ティファ、カトレアさんの巨乳メンバーと脱衣麻雀やったら、胸に視線が行ってやりにくいけど
ルイズ、タバサ、エレオーノルの貧乳メンバーだったら、上半身裸でもサイトは普段どおり打てそうw

217 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:46:56 ID:x8hyIc6n
ヴァリエール姉妹の胸の話はドラマCDであったな。
一度付けた人間の胸のサイズをコピーするブラジャーの話。
ブラジャー無いのはどうなんだろ。アニエスなんか動き回らないといけないから大変そうだが。
サラシでも巻いてるか?

218 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:51:09 ID:sULNvRdP
>>215
パパは、オーラスで娘達の点がやばかったら、自分から娘達に振込みそうだwwwww
で、パパがビリになりサイトと・・・・想像したら気持ち悪くなったorz

>>217
サラシだろ、サラシを着けたアン様とかエロイなw

219 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:18:44 ID:C/E3lwPU
麻雀やる輩なんてDQNだろう…
単発ならまだしもいつまでもそのネタを引っ張らないでほしい

220 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:19:32 ID:IZo/S0wV
>>218
そこはルイズが飛び出して自分が代わるとか言い出して父とモメればOK
ただしカリーヌ様が見ていない場合に限るが、そもそも見てたら麻雀許されない気がするw


原作のエレ姉さまは11巻挿絵見る限りでは、「ルイズよりは」ありそう。
ルイズがAAとして姉さまはAって程度の。

221 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:36:17 ID:sULNvRdP
>>220
なるほどwww
これは、貴族のたしなみなんですよとかって言ってカリーヌ様を誘って二人っきりで脱衣麻雀するとか?w

222 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:51:58 ID:Qp2iQrKX
計算のタバサ
強運のシエスタ
自爆のルイズ


もちろんアンリエッタ陛下は豪運でございます
そんな麻雀

223 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 02:13:31 ID:C/E3lwPU
やめてくれ…

224 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 02:21:39 ID:sULNvRdP
>>222
サイトがルイズ以外に勝てないww

気づいたら役満のティファ


225 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 03:05:03 ID:DdWy/VNR
才人の高めのテンパイに対して見るからにヤバい牌をツモってしまったシエスタ。
リーチしてるから手崩しでの安全牌切りもできない。


「てへっ」と笑ってブラウスの内側にその牌をしまいこんでしまうシエスタ
「え?シエスタ何やってんの?」という才人に対して頬を赤らめながら
「盲牌、してください」とシエスタ。

「こ、ここここ、このおっぱいメイド!あ、アンタなにしちゃってくれてんのよ!!!」
ともっと真っ赤になったルイズ。

お尻の間に牌を挟んだら盲牌してくれるだろうか、と考えるタバサ。

そんな光景を幻視した!


226 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 03:20:50 ID:sULNvRdP
>>225
それを早く文章にするんだ

アン様と麻雀やりたい

227 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 03:54:58 ID:J4ylAymy
アン様麻雀
アン「ここではこの特殊牌を使って、麻雀をしてもらいます」
ルイズ「なによコレ?」
サイト「牌が透明で透けて見える・・・これじゃまともにうてない」
アン「その通り、このアンリエッタ麻雀において通常の麻雀程度の思考能力ではとうてい勝つことは出来ないでしょう
かくいう私も、いまだに一回もまともにあがった事がありません」
サイト「このゆとりエッタ・・・」

228 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 04:00:59 ID:sULNvRdP
ワシズ麻雀?

229 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 09:32:15 ID:wikm2sV+
いいかげん、麻雀ネタウザいよ

230 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 09:44:26 ID:8tp/JHq8
うざいならNG登録しろ
お前好みの話しかしちゃいけないのか?
それか自分でネタ振れ

231 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 11:19:49 ID:HX/HpcvT
>>222

ずぶ濡れとなってサイトは佇んでいた
「雨でも降ったのかしら?違いますわね」
「!?」
声のした方へ振り向くと白い清楚なドレスに身を包んだ一人の少女が立っていた
「いじめられるのは、自分にいじめられる理由があるからですわ」
何も言えず下を俯くサイト
「クソのような輩に引け目を感じる必要などありません
 化石になって生きながらえてる輩とは違う
 背骨だけ残して死ねば良いのです」
凄まじい衝撃が全身を走り抜ける
サイトにとって、それはまさに天啓だった



やべ、アン様格好良い

232 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 15:55:40 ID:U4mHIg7m
あー。
みんなちゃんとスルーしてたのに……
噛み付いて来た奴に、そのまま噛みつき返すのは変態紳士のする事ではないよ。
まあ、麻雀分からない人にはちょっと辛い流れだったのは事実だし。

どうやらチェスはあるみたいだから、チェスでエロい事考えてみるか?

…無理か

233 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 16:07:16 ID:T+FPego4
チェスでエロ


キングとクィーンで前と後ろを攻めるって電波を受信した

234 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 16:14:53 ID:/zZX/EoZ
俺は麻雀全然分からない
麻雀ネタばっかでスレが進むと不快に思う人もいるってこと分かってくれよ
黙ってNGに入れろと言われればそれまでだけどさ

235 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 16:37:30 ID:zTnBkNR6
茶でも飲んでのんびりまったり静観すればよろし

236 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 16:57:53 ID:qKA2v0U1
チェスって見た瞬間
電波受信www

サイト「これが、クイーンでこれがキングなんですよ」
アン様「なんか、私達みたいですね
クイーン(女王)の私とサイト様が未来の国王(キング)///」
サイト「陛下」
アン様に「アンとお呼びください、旦那様///」

何だこれ、意味が分からんorz

237 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 17:00:13 ID:mXI5Pn9Q
俺も麻雀分からないけど、麻雀ネタのせいで今までの職人さんが控えるようになった訳じゃないんだし他のネタが来るまで待てばいいじゃん。
ただ単に今少しだけ流行ってるだけで、分かる人も少なからずいるんだし他のSSと区別する必要はないだろ。

238 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 17:00:19 ID:3lGOJTa2
さて、そろそろ雛祭りな訳だが。


お内裏様の横には誰が座るのかな?

239 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 17:06:57 ID:w1qTw2sf
だとしたらトランプなんてどうでしょうか。
七並べで出す札がないルイズをフォローしようと頑張るサイト。しかしそれで有利になるのはシエスタやタバサ。どんどん機嫌が悪くなるルイズ…といった感じで。

240 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 17:40:01 ID:qKA2v0U1
>>238
それは、カトレアさんだろ

>>239
トランプなら、インディアンポーカーをサイトがみんなに教えて、普通ならカードを額に当てるけど
サイトが適当にルール教えて、これは片乳だけ出してカードで乳首隠してやるゲームなんだよ、とか言いそうww

241 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 19:10:19 ID:U4mHIg7m
>>240
だがそれはシエシエの罠だった!!
ゲームに参加するためには自分も乳首をさらさなければならないという驚愕の事実に戸惑うサイト達!!
次回「マリコヌルのチェリーパイ」

242 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 19:20:51 ID:PXGGYjAo
どんなゲームでもいつの間にかイカサマばっかり上手くなる女子共
そんなに手先が器用じゃないルイズがしょげかえっていると
自分にはインテリジェンスがあることに気づく、これで巻き返してあげるわ!と意気込んだモノの
既にイカサマブームは過ぎ去り、女子共は正々堂々とやることに目覚めていた

243 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 20:06:11 ID:qKA2v0U1
>>241
さすが、シエシエwww
さぁ速く文にするんだwww

>>242
サイトがイカサマする娘嫌いって言ったら、みんな正々堂々とやりそうwww

244 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 20:21:58 ID:BWyvdjeA
シルフィとジュリオものを頼む

245 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 20:26:30 ID:bxrTTJMN
そんなNTRになりそうなもの、読むほうでさえキツいのに
書きたがる職人はいるのだろうか・・・?
ってか自分で書けばいいと思うよ。

246 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 21:05:43 ID:sODrVsyy
>>238
なんでそんな戦争確実なネタ振りをw

247 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 21:08:42 ID:abu7TTwB
とりあえず、

お内裏様:サイト
お雛様:アン様
三人官女:ルイズ、テファ、タバサ
五人囃子:アニエス、シエシエ、アホ竜、キュルケ、モンモン

こうか?

248 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 21:59:45 ID:udEjpUnz
>>247
下克上イベントが発生しそうだ

つーかお雛様と三人官女が四方からサイトを挟んでにらみ合いの配置にならんかそれ
そして内裏雛の世話と称して最接近する五人囃子が一人

249 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 22:03:21 ID:wwRFMJNa
>>248
アンを抑えるアニエス、ルイズを抑えるシエスタ、タバサに抑えられるアホ竜。

何が言いたいのかというとおっぱい革命が真のヒロインってことさ。


250 名前:小ネタ:竜が堕ちる日:2008/02/20(水) 22:28:56 ID:bGTWA1/F
>244
「ふふっ、どうだい最高級ロマリア牛のステーキは!」
「くっ、くやしいのね!あのおいしそうな匂いさえなければこんな奴に……ビクッビクッ」
「よかったじゃないか、ヴィンダールヴの力のせいに出来て」
「きゅ、きゅい、きゅいいい」
(食べなきゃ、今は食べるしかないのね!)
「物凄い勢いで肉を頬張っているところを悪いのだけど、倍プッシュだよ!」
 そう言いながらジュリオは天井から降りた天幕を引き払う。
 ――そこには牛一頭丸ごとじっくりこんがり焼き上げるシェフの姿が!
「きゅい、お兄様、犬とお呼びくださいなのね!」


 元ネタ:クリムゾン

251 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 22:50:00 ID:lg+n+8AS
悪堕ちじゃなくて汁オチかw

252 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 22:55:10 ID:j6eIvy4r
>>250
ほのぼのしてていいな つーか普通にジュリオ良い奴じゃねーかww

253 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 23:33:18 ID:MxbrEaBa
十二単だっけか?和服は似合わないんだよなぁ彼女達は
麻雀で思い出したがバニー出てないぞ!バニー!
テファのバニーならいくらでも払うぞ



254 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 23:42:49 ID:Aibz6OBl
>>250
違和感ないのは二次小説の読み過ぎか>自分

255 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 00:05:35 ID:wwRFMJNa
>>253
その他大勢はバニースーツだがテファとシエスタにはウサギの着ぐるみを強要する大貴族の三女がいます。

256 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 00:41:49 ID:Zl44XxVj
>>255
テファ …胸から上がきぐるみに入らなくて胸をタオルで隠しつつ登場
シエ  …上乳部分だけギリギリまで切り抜いて谷間強調して登場

とかなって大貴族の三女がさらに激怒しそうな気がします。 

257 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 00:50:07 ID:lzV0+IcZ
「ひひ、ひなまつりっていうのは、ここここういうお祭りなのかしらぁららら」
とキレキレでサイトを見るルイズ。

しかしサイトはすでに別の世界(性的な意味で
に旅立っていて、火に油を注ぐ結果に

こうですか? w >>256

258 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 00:53:14 ID:ejK8aCTn
サイトがみんなの着物姿が見たいと思い
ガンダルーヴの力を駆使し着物を仕立て上げるw

259 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:41:29 ID:GlV1KJ6E
さぁ、流れを無視だが以前にエレオノールの胸のサイズを聞いた者ですが。
ネタが完成したので投下するぜ。

260 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:41:54 ID:wKyXtRu8
ルイズ:「あんたはこれを着なさい」
テファ :「で、でも、これは・・・」
ルイズ:「いいからこれを着なさい」
テファ :「そ、そんな・・・」
ルイズ:「黙ってこれを着なさい。い・い・わ・ね」



サイト:「さっき相撲取りの着ぐるみ着た人が泣きながら走ってったけど、あれはなんだったんだろう」






261 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:42:59 ID:GlV1KJ6E
長かった戦争が終わり、数年の時が流れた。ルイズ達もすっかり成長し20歳を迎え、戦争で荒れた
土地の復興に力を入れていた。ルイズの使い魔であるヒラガサイトは戦争での功績と戦争後に起した
企業が成功を収めた事によりルイズの両親に認められ、ルイズの夫としてヴァリエール家の一員とし
て正式に認められたのである。
一方で、ヴァリエール家の長女たるエレオノールは焦っていた。そう、あの性格が災いして未だに出
会いがないのである。今では見合いの相手すらいない、相手が彼女の名前を出しただけではだしで逃
げ出すくらいの評判ができてしまったためである。今年で御歳2×歳、まごうことなき行き遅れであ
る。また、それに加えてもう一つ。ルイズの胸がとうとう彼女の胸を追い越したのである。夜な夜な
行われる才人との淫靡な行為(メイドも混ざっているが)が彼女の胸囲の成長を促したのである。

「(不味い、不味いわ。いくらなんでもあのちびルイズに負けるなんて・・・あってはならない事よ)」

ルイズに唯一勝っていた点・・・バストが負けた事は彼女のプライドが許さなかった。エレオノールは
この由々しき事態をなんとかしようと必死に知恵を絞った。

まず、自分とルイズの違う点を比較してみよう。ルイズの特徴といえば・・・
・体型ロリなら顔つきも幼い、今は少しは大人びいてきてはいるがそのまま年月を重ねると『熟女ロリ』
 という属性が付与される。いずれにしてもその手が好きなタイプにはたまらない。
・性格はいわゆるツンデレ、そして普段はSだがこちらが主導権を握るとMになる。このギャップがたま
 らない。
・CV.釘宮

そして自分はというと
・大人な女性だが胸は洗濯板。しかし、これはその手が好きな人にはくる物だろう。
・性格はヒステリー、ツンデレどころかツンツン。これか、これが男を遠ざけているのか。

「くっ・・・性格は・・・性格を変えるのだけは無理だわ。」

相手に合わせるのも大事だが、それよりも自分を壊してまでは一緒にいたくはない。一時の交際はそれで
いいかもしれないが、いざ結婚となるとそれは嫌。つねに自分を偽るという事をしたくないのがエレオノ
ールという女性の性格であった。

「となると・・・やはり胸、胸なのね」

出した結論は胸。そう、いくらナイチチ派がいるといってもやはり巨乳派が大多数。ないよりはある方が
いい、エレオノールはそう結論づけた。しかし、どう豊胸したものか。数刻思い悩んだが、ここは一つ思
い切ってある方法を選ぶ事にした。

「・・・一体何の用ですか」
「いいから、早くこっちきなさい」

エレオノールが悩みぬいて考えた打開策、それはずばり『ガンダールブ式豊胸術』。あのルイズの豊胸に
成功したのだ、おそらく自分にも通用するだろうという思惑だ。なお、普段の彼女ならばこんなぶっとんだ
考えはしない、と彼女の名誉の為に言っておこう。それほどまでに彼女は追い込まれていたのだ。

「いい事、これから言う事は他言無用。これを破ると………」

命はないわ、と殺気をこめて静かに言う。その殺気たるや、かの英雄ヒラガサイトをして『死を覚悟した事は
数あれど、本気の死を覚悟したのはあの時一度きり』と言わしめるほどであったという。そしてエレオノール
は才人にこの彼女の威信をかけた提案を聞かせた。

「え?えぇ!ちょっ、正気ですか!」
「正気じゃなければこんな事言わないわ、さぁ答えは?」
「(ぐっ!………これは断ったら、殺られる!!)」

サイトはあっけなく屈した。

262 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:46:23 ID:ejK8aCTn
>>260
ルイズひでえwww

wktk

263 名前:エレオノールな話:2008/02/21(木) 01:46:33 ID:GlV1KJ6E
「そ、それじゃあ。いきますね」
「は、はやくしなさいな」

ブラウスをはだけ、ブラを外し。ベッドに横たわっているエレオノールを前に才人は顔を赤らめながら対峙する。

「(この感覚………久しぶりだ!!)」

ルイズ達と夜の生活で感じられなくなった久方ぶりの感覚に才人は興奮する。なんといって目の前には気丈に
ふるまってはいるが、同じく顔を真っ赤にし必死に羞恥に耐えているエレオノールがいるのだ。興奮しない方
が無理があるというものだ。
才人はおそるそる、といった感じでエレオノールの胸に手を伸ばしまずは掌全体で胸を包むことにした。
薄いエレオノールの胸はすっぽりと才人の掌に収まる。そして、才人は優しく力を入れて捏ねるように動かした。

「んん………」

とエレオノールがくぐもった声をあげる、なんだかんだ言いながら彼女もこの雰囲気に飲まれ興奮しているのである。

「(おお、直に心音が伝わってくる)」

エレオノールの激しい動悸が直に伝わる。大きいのもいいけど小さいのはこういうのがあるからいいよな、と才人は
心の中でひとりごちる。ひとしきり感触を楽しむと、ノッテきたのか今度は徐々に硬度を増していく乳首を責める事
にした。指先で転がすように弄くり、押し込む度にエレオノールは呻き声を必死に押し殺している。その様子をみて
才人は冷静に考える。

「(うーん、なんとか鳴かせてみたいよなぁ)」

ルイズといいシャルロットといいエレオノールといい、どうしてナイチチの娘はこうもソソル表情をしてくれるのだろう
かと才人は思った。

「ひゃうっ!」

胸に顔を寄せてペロリと一舐めするとエレオノールは嬌声をあげた。

「ちょ、ちょ、ちょ、犬!何勝手な事をしてるの!」
「え?だって、胸大きくしたいんでしょ?だったら手だけじゃあね。」

と言い切ると、そのままチュウっと軽く吸い上げる。もちろん、片方の胸も責めるのを止めない。

「あふっ………」

舌で乳首を転がし、チュッチュッと小刻みに吸い上げる。エレオノールはその度にもがくが、そこは戦争時の英雄。
ものともせずに責め続ける。そして、甘噛みしようとカプッ軽く歯を立てると変化が起きた。

「〜〜〜〜〜〜っっ!!!」

エレオノールの体が痙攣し始めたのである。プルプルと震え、声をあげまいと必死にかみ殺すエレオノール。

264 名前:エレオノールな話:2008/02/21(木) 01:48:10 ID:GlV1KJ6E
「あれ?もしかして・・・」

と、才人は空いていた手を股間部に伸ばすと。ぬっとりとした感触が。

「あんっ、ちょ、っとぉ……どこさわ、ってるのよぉ……」

弱い声で抗議の声をあげるエレオノール、目つきも厳しくしてはいるものの火照った頬と目じりには軽く涙をうかべ
てるその顔を見て、才人の中でなにかがふっつりと切れてしまった。

「へぇ、エレオノール義姉様ったら。感じてたんですか。」
「な、何を馬鹿な事を!」
「だってほら、ここ凄く濡れてる。」

下着の横から指を滑り込ませてエレオノールの中へと指を突き入れる才人。

「ひぐっ」
「あ〜あ、そんなはしたない声だしちゃって。もしかして、胸を大きくしたいっていうのは方便でこういう事
 したかったじゃないんですか。」
「そ、そんな……、くっ、か、掻き回さないで……」
「溜まってるんなら、思いっきり解消させてあげますよ義姉様。」

才人は胸を責めていたもう片方の手を腰に持っていき、エレオノールの下の衣服を脱がしにかかった。
エレオノールはこれに抵抗するそぶりをみせるも、秘部を弄られ思うように体が動かせないのと才人が体を抑えようと
かけてくる圧力に負け、あっさりとはぎとられ生まれたままの姿を晒していく。

「凄い、溢れてますよ」

エレオノールの膝に手を入れ、そのまま上に持ち上げる。当然、腰部分は上に向かれてエレオノールの秘部は才人の
目の前に晒される事となった。

「止めなさい!こんな事、ああぁっ!」

抗議の声を無視して、そのまま口を持っていって吸い上げると。エレオノールはあられもない声をあげた。

「この部屋、魔法で完全防音にしてるんでしょ?だったらもっと素直になって声を出して良いですよ。」

ジュルジュルとわざと大きな音を立ててエレオノールの秘部を嬲る才人に、必死にもがくエレオノール。
そしてエレオノールは二度目の絶頂に達する。

「ひゃ…!ダメッ、もう、ダメェッ!」

おおよそ2×歳とは思えないような可愛い声をあげて体を振るわせるエレオノール、一度目の時より波が大きかったの
か今度は目の焦点も少し合っていない。才人は彼女から体を離し、フゥフゥと息を整えるエレオノールの姿を見た。
ズボンを脱ぎながら。

「エレオノール義姉様も可愛らしい声でイクんですね。」
「あぁ…、ちょっと、あなた……もうやめ…、ひぃっ!」


265 名前:エレオノールな話:2008/02/21(木) 01:49:12 ID:GlV1KJ6E
少し落ち着きを取り戻したエレオノールが才人の方に目をやると、悲鳴をあげた。そこには『荒ぶる』という形容詞
が似合う才人の怒張があったからだ。

「それじゃあ、いきますか。」
「ちょっと、ヤダ!それだけは!それだけは本当に!ヤメ!ヤメなさい!」

才人から逃げようとするも、二度の絶頂により思うように体が動かずいとも簡単に押さえ込まれてしまう。

「イヤ!イヤァァァァァ!!」
「(うーん、なんかこの感覚誰かに似てるんだよなぁ)」

照準を定めながら狼狽するエレオノールにどこか近視感を感じる才人。

ヌチッ
「ひぃっ!」
「(ああ、そうか)」
ズプズプズプ……
「ん!いぃ!くっ……」
「(無理やり後ろの処女を奪った時のルイズに似てるんだ)」
ズンッ!
「ひぎぃっっ!!」

ズプズプと才人の肉棒がエレオノールの中に侵入し、強く力をいれ突きいれると何かが破れ才人のモノは彼女の最奥
へと到達した。

「い、痛いぃぃぃぃっっっ……」

エレオノールの痛がっている反応を見、才人は結合部に目をやった。するとそこには処女であった証である破瓜の血が

「な……、あんた処女だったのか?」
「う、うぅ、初めてが……、私の初めてがこんな犬なんかに……」

エレオノールの頬に涙が流れた。そして、エレオノールが処女だった事にたいし衝撃を受ける才人。

「そうだったのか………、それならそうと言ってくれれば良かったのに」
「え………?んっ!!」

才人は腰をゆっくりと動かし始めた。

「なるべく痛くないように動かしますから、我慢してくださいね。」
「嫌っ!それなら、早く、離れなさい!」
「すぐ良くしてあげますから。」

エレオノールの言葉を無視して、行為を続ける才人。腰はもちろんの事、胸を責める事も忘れない。

「(すっげ………、締め付けてくる。)」

266 名前:エレオノールな話:2008/02/21(木) 01:49:45 ID:GlV1KJ6E
異物を吐き出そうキュウキュウと締め付けてくる感触に才人は快感を得ていた。できるなら、このまま己の欲望のまま
に動かしてエレオノールを蹂躙したいところであるが、その気持ちをグッとこらえる。いくら2×歳とはいえ、目の前
にいるのは破瓜を迎え、その痛みを耐える女の子。あまり傷つけるような事はしたくはなかった。ルイズ、シャルロット
、シエスタ、アン、テファ、シルフィード、etc、etc……。今まで、体を交じあわせた女性達との初体験を思い出すよう
にしてエレオノールを労わりながら体を動かしていく。そうこうしているとやがて………。

「ん……、あ、んん………」

と甘い声が聞こえ始めてきた。

「どうです、気持ちよくなって、きましたか?」
「き、気持ちよくなんて…ん!ないんだから!」

んー、反応までルイズと一緒だな。なんて思いながらも少しずつエレオノールを追い詰めていく才人。
そして、あるそろそろ大丈夫だな。と思ったところで才人の動きが少し激しくなった。

「ひゃっ!え?な、何!」

いきなり激しくなった動きに思わず声をあげてしまうエレオノール、そして一度あがってしまった声は止まる事はなく。

「んっ、あん、や、は、激し」

グチャグチャと音を立てながら、才人は腰を大きく引いては突き入れる。エレオノールには痛みに耐える表情はなく、完全
に流されて恍惚とした表情が浮かべられていた。そして、そのまま三度目の絶頂を迎える、かと思いきやピタリと才人は動
きを止めてしまった。

「あぁ、ま、また!ヤメテ、もう、ヤメテ!んんっ………な、何で、?」
「イヤ、ヤメろって義姉様が言いましたから。」
「そんな……ひゃう!」

戸惑っているエレオノールに才人は再度大きく一突きする。

「……どうしてもらいたいですか?エレオノール義姉さま」
「ど、どう、てぇっ!はぁっ、もう、楽に、して……」
「わかりました」

とエレオノールが屈したのを見て、才人はようやく自分の思うがままエレオノールを突き上げた。腰に手を回ししっかりと
固定しズンズンと突き上げ、勢いに任せてエレオノールの唇を奪った。すでに抵抗する気力が失せてしまったエレオノール
はそれを成すがままに受け入れる。エレオノールも才人の腰に手を回しがっちりとしがみつく。

267 名前:エレオノールな話:2008/02/21(木) 01:51:02 ID:GlV1KJ6E
「んっ、んっ、んっ、んっ!」
「う、もうダメだ!イキます!イキますよ!義姉様!」
「あっ、ダメよ、出すなら、外に!外にぃぃっっ!」

エレオノールの中で才人のモノが弾け、無常にもその子種が子宮に注がれていく。そしてエレオノールも中に出された感覚
を知覚しながら三度目の絶頂を迎えていった。

「う、うぅ……、中には………中には出すなといったのに………」

蕩けた意識から回復するとエレオノールは才人の腕の中ですすり泣いた。二人の結合部からは思ったより精液の量が多かった
のか白濁色の液体が溢れ出ていた。

「エレオノールさん、大丈夫ですよ。」
「何が大丈夫だというのだ!冗談ではひゃぅっ」

思わず叫んだエレオノールに才人は笑顔で答え、再度腰を一突きする。

「これから……ルイズともども可愛がってあげますから」
「イヤ、イヤ!もう、あん、ヤメロォォッ」

数週間後、夜な夜な才人とルイズの私室からあがる女の嬉声がもう一色増えたと言われているが。
その噂の真意はさだかではない…。

268 名前:アトピック ◆KU6RbkKUvA :2008/02/21(木) 01:56:39 ID:GlV1KJ6E
うん、エレオノールお姉さまは一旦潰れると弱いタイプだと思うんだ。
ゼロつかはアニメしか知らないので果たしてキャラ掴み切れてるか不安です。
それよりも書いてる途中からこれの続きネタが湧いてきたりしたんだが¥けど、
このまま続けちゃってもいいかな?

269 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:57:28 ID:ejK8aCTn
リアルタイムで読めた
GJです。エロ可愛いよエレオノールさん

カトレアさんバージョンも是非

270 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 02:00:16 ID:ejK8aCTn
>>268
エレオノールお姉さまはヤンデレな素質が有りそう
当たり前じゃないか続きを早く

271 名前:アトピック ◆KU6RbkKUvA :2008/02/21(木) 02:01:59 ID:GlV1KJ6E
あ、すいません続きはあくまでも次回に続くって感じので。
言葉足りなかったですね。すいません。

272 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 03:32:01 ID:0v++4Me/
>>268
>>271
>ルイズ、シャルロット、シエスタ、アン、テファ、シルフィード、etc、etc……。
>今まで、体を交じあわせた女性達との初体験を思い出すようにしてエレオノールを労わりながら体を動かしていく。

アホ竜の処女膜まで破ってしまうだなんてアンタのサイトはどんだけ鬼畜なんだよw
GJ。この調子でカトレアもおながいします。

273 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 04:00:14 ID:lGfwpb2q
問1.
http://vipup.org/d/20080218183713.jpg
http://vipup.org/d/20080218183127.jpg
http://vipup.org/d/20080218183318.jpg
http://vipup.org/d/20080218183056.jpg

以上の画像を使ってSSを書け。(20点)

274 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 04:20:10 ID:ejK8aCTn
>>273
画像が見えない…

275 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 04:53:05 ID:UkF0QnWG
そうか、アニメ基準だとサイトは鬼畜に見えるか
原作のサイトはもっと一途だぞとか言っておく

あとエレオノールのCV井上喜久子も十分魅力的・・・あれ?よくおぼえてねーや

276 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 07:24:41 ID:XP/ttcOc
>>275
このコピペを思い出したw

01巻 ああ、キュルケは魅力的だ。褐色の野生的な肌を見てるとどうにかなりそうになる
02巻 息が止まりそうになるほど美しい…。うっとりとしてアンリエッタを見つめた
03巻 シエスタ可愛かった。ルイズは守るって決めた存在だけど、それって恋人とは違うのかも
04巻 シエスタ最高ぉおおおオオッ!一等賞。シエスタさん、いっとうしょー
05巻 視線はジェシカの胸の谷間を正確にホーミング。これも立派な情報収集の一環だ
06巻 カトレアの容姿は好みを直撃だ。きゅーんと胸が締め付けられた
07巻 離したくない、シエスタ。抱きしめて…自分のものにしたい
08巻 タバサかわええ。こいつって綺麗なんだな。あとテファの胸、でけえ。胸 革 命だ
09巻 アンリエッタは誰よりも美しく見えた。ルイズよりも、美しく見えた。
10巻 姫さま…もっと、その先にある顔が見てみたい。キスの先にある顔… ←←←←←←←←←いまここ


デルフ「相棒はあれで一途だよ。まあ信じる信じないは、お前さんの勝手だがね」

277 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 09:15:55 ID:PRX4GMa+
>>275
永遠の17歳で中の人はあっているはず 
演技がザ・ボスやロべりア見たいな感じだが

278 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 09:51:30 ID:cICy4XKn
>272
アニエスがいねーぞ!!

279 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 10:07:57 ID:EvMApEiU
処女膜があるのは人間とモグラだけじゃなかったっけ?



……ってことは、サイトにもあるのか?

280 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 11:05:33 ID:c9icEhtZ
エレ姉がぶち切れると
ギルティギアのボスイノみたくなるのか

281 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 11:28:07 ID:ejK8aCTn
>>280
攻撃避けるの怠いなw

282 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 11:52:24 ID:6BQI+vb4
>>272
結局キュルケには手を出さなかったんだな。


283 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 12:17:52 ID:iFUpc/cU
おぱーい&ビッチ要員は他にで足りちゃったしね
あと、親友の為に身を引いたとか?

284 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 15:50:35 ID:9ymTQIxu
タバサの尿道攻めみてみたいなー

285 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 15:51:48 ID:qvOHWfg+
>>279
ヴェルダンデにもあると…(w

286 名前:また挿してみた。(次回から「つばめ」に改名の予定候):2008/02/21(木) 17:03:15 ID:4tpDC5CP
どーも。ちょっとずつ春の陽気が近づいていますね。
皆様方・・・は当然年中桃色小春日和だと思いますが(笑

さてさて。>>284サンじゃないですが、自分もその類のが見たく
なったんでまたまた挿してみました。ただし攻め「られる」方ですけども(汗

http://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/99980221165646.jpg

http://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/cuj80221165706.jpg (効果無しver)

今回の挿絵モトネタはSoft-M氏のタバサ物「月の涙(後編)」から
http://zerokan.digital-ark.com/wiki/index.php?X00-05)です。
超エロい小説をホントにありがとうございます。これからも
作家様方や閲覧されてるみんなの思ってる光景を描けるようにがんばりやすー



ちなみに次回はシエスタ。ご期待アレ。

287 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 17:06:02 ID:DKweBGPH
エロス

288 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 20:22:21 ID:pKIkbwxj
>>286
効果なしVerの左下のコマ見て
「その時シャルロットに、電撃走る・・・っ!!」
とか
「悔しいのに、感じちゃうっ!!ビクッビクッ」
とか思い浮かべた俺はもう駄目かもわからんね

289 名前:また挿してみた。(次回から「つばめ」に改名の予定候):2008/02/21(木) 21:40:05 ID:4tpDC5CP
>>288
「あのサークル」かwwww
褒め言葉と受け取らせてもらいますww
実は個人的には好きだったりして。あのサークルって(汗

290 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 23:22:14 ID:trDkw4V7
>>286
GJ
はいはーい
シエスタならへんたいさんの痴漢プレイの絵きぼーん

291 名前:205:2008/02/21(木) 23:27:00 ID:Mldpj0/x
中途半端ですが投下します。

292 名前:素直ルイズ:2008/02/21(木) 23:27:35 ID:Mldpj0/x
 誰かの吐息がかすかに鼻の頭をくすぐった。才人は小さく呻きながら目を開ける。視界一杯にルイ
ズの笑顔がある。無理なところなど何一つない、実に自然な満面の笑みだ。
(……夢か)
 ぼんやりとそう判断し、また目をつむる。数秒ほどして跳ね起きた。ベッドの上に四つんばいにな
り、目を一杯に見開いてルイズを凝視する。横になり、体を毛布にくるんだまま、可笑しそうに笑っている。
「おはよう、サイト」
 言いながら、ベッドの上でのんびりと身を起こす。毛布が細い肩を滑り落ちて、ひそやかな音を
立てた。唖然としている才人を見て、ルイズは小さく首を傾げる。
「どうしたの、そんなに驚いて」
「いや、どうしたのってお前」
 才人はまじまじとルイズを見た。こういうことをすると「なにじろじろ見てんのよ!」と、ちょっ
と赤い顔をして怒るのがいつもの彼女である。しかし、今はそんな気配は全くなく、ただ優しく目元
を緩ませて見返してくるだけだ。
(……ありえねえ)
 才人は首を振った。だが夢ではない。間違いなく、目の前にルイズがいて、滅多に見せない笑顔を
全開にしてこちらに笑いかけている。
 そういうルイズの笑顔を見るのはほとんど初めてのことだ。顔がどんどん熱くなってくる。
(落ち着け、落ち着け俺、平常心だ……!)
 必死に言い聞かせる才人とは裏腹に、ルイズはいつもとは比べ物にならないほど、のんびりしてい
る。両腕を真っ直ぐ上げて伸びをしたあと、軽やかにベッドを降りて窓際に立つ。薄らとした日差し
が部屋に差し込んできた。
「いいお天気。こんな日は一緒に遠乗りにでも出かけたいわね。ねえ、サイト」
 窓枠に両手をかけたまま、ルイズが声を弾ませる。「ああ、そうだな」と頷きながら、才人は考えた。
(シエスタはもう厨房の方に行ってるみたいだから、相談は出来ねえ。となると、俺一人でルイズがこんなになってる原因を考えなくちゃならないわけだな。一番可能性が高いのは……)
 少しの間頭を整理して、才人は提案した。
「なあ、ルイズ。今から、ちょっと出かけないか?」
「うん、いいわよ。それで、どこに?」
「モンモンの部屋だ」

 着替えたルイズを連れてモンモランシーの部屋の前に立った才人は、全く遠慮せずに扉を叩きまくった。
「おいコラ、出てきやがれモンモン! ネタは上がってんだよ!」
 扉はすぐに開き、目をしょぼつかせたモンモランシーが顔を出す。
「なによ、朝っぱらからうるさいわね」
 才人とルイズを見て、納得したように頷く。
「ああ、やっぱり来たの」
「やっぱりって、俺らが来るのが予想できてたのかよ」
「そりゃそうよ」
 モンモランシーは大きく欠伸をすると、「で」と、セットする前らしく、少し乱れている髪を弄り始めた。
「ルイズ、どんな感じ?」
「どんな感じもなにも……ルイズ、ちょっとモンモンと話してくれ」
 普通、ルイズにこんな口調で何かを頼もうものなら、「なによ、使い魔のくせに生意気!」とか文
句を言われるところだが、今日のルイズは一味も二味も違う。
「うん、わかった」
 素直に頷くと、才人の前に出て柔らかい微笑を浮かべる。
「おはようモンモランシー。あなたの金髪、今日もとってもきれいね。あ、そうだ、この間つけてた
香水、とってもいい香りだったから、わたしにも少し分けてもらえないかしら」
 モンモランシーが髪を指に絡めたまま硬直した。頬が引きつり、中途半端な笑顔が妙な具合に固
まっている。ルイズが不思議そうに目を瞬いた。
「どうしたの、モンモランシー」
「ああいえ、別になんでもないわ。ルイズ、わたしちょっとサイトと話したいことがあるから、あっ
ち行っててもらえる?」
「うん、わかった」
 ルイズは素直に頷くとぱたぱた小股に駆けていって、廊下の壁際に立った。内緒話が聞こえない程
度の距離を置いたらしい。
 モンモランシーが髪を巻くのも忘れて才人を手招きし、声を潜めて話し出した。

293 名前:素直ルイズ:2008/02/21(木) 23:28:18 ID:Mldpj0/x
「ねえ、朝からあんな感じなの、あの子?」
「そうだよ。なんだよモンモン、お前の仕業だったんじゃないのかよ」
「いや、そうなんだけど」
 モンモランシーはちらりと廊下の壁際に目をやる。才人も肩越しに見やると、そこではルイズがに
こにこしたまま、機嫌良さそうにこちらを眺めていた。
「実物を見るとね。まさか、あそこまでとは……あの子、薬の効きがいい体質なのかもしれないわね」
「どうでもいいよそんなことは。一体何の薬飲ませたんだよ?」
「んー……素直になる薬、ってところかしら」
「素直に……」
 もう一度ちらりと見やると、ルイズもこちらを見返して嬉しそうに微笑んだ。いつもどこか刺々し
い彼女に似合わぬ無垢な表情に、才人は少しどきりとしながら視線を戻す。
「……どっちかって言うと、純真っていうか、なんか幼い感じがするが……素直になる薬、だって?」
「ええ、そういう薬だったんだけど……これは予想外だわ」
「お前の予想じゃ、どういう感じになるはずだったんだ?」
「そうね……もっとこう」
 モンモランシーが気難しげに親指の爪を噛んだとき、寮の外から鐘の音が響いてきた。
「あ、いけない。そろそろ身支度しなくちゃ」
 言いつつ、モンモランシーはそそくさと部屋の中に引っ込もうとする。才人は慌てて止めた。
「おい、説明しろよ」
「悪いけど、あとにしてちょうだい」
「あとに……って、ルイズはどうすんだよ!?」
 叫ぶと、モンモランシーは扉を閉め切る寸前で止め、顔だけ出して答えた。
「心配しなくても、前の惚れ薬みたいなことにはならないわよ。常識まで失ってるわけじゃないから」
「でも、こんな風になんでもかんでも人の言うこと聞いてるじゃんか」
「なんでもってわけじゃないはずよ。今のルイズは……そうね、一時的に心を縛るものが極端に少な
くなってる状態、って言うか」
「わけ分からん」
「だからあとで説明してあげるって言ってるでしょ。そんなに心配なら、ずっとついててあげればい
いでしょ。じゃあね」
 モンモランシーは有無を言わさず扉を閉める。おそらくそれ以上呼びかけても出てこないだろうと
思い、才人は深々とため息を吐いた。
「サイト、大丈夫?」
 心配そうな声に振り向くと、ルイズが眉尻を下げてこちらを見ていた。
「ごめんね、わたしのせいで」
 肩を小さくして、心底申し訳なさそうだ。才人は慌ててなだめた。
「いや、そんな落ち込むなよ。別に大したことじゃねえって」
「でも、わたしのせいでいろいろ面倒なことになって……サイトにはいつも助けてもらってばっかりなのに」
 ルイズがますます落ち込んでいくので、才人も焦ってしまう。所在無く中途半端に腕を上げ、なん
とかルイズを元気付けようとする。
「お前のせいじゃないよ。モンモンが悪いんだって、変な薬作りやがるから」
「でもあれ、わたしが勝手に飲んだの」
「なに?」
 才人は目を見張った。ルイズがもう一度繰り返す。
「あのね、昨日モンモランシーが、『素直になる薬』を作ったって言うから、こっそり飲んじゃったの」
「なんでまた」
「素直になりたかったの」
「……そりゃそうだよな、『素直になる薬』だもんな」
 つい納得してしまってから、才人は頭を掻き毟った。
(つまりルイズは、そういう薬だって分かった上で飲んだってことか?)
 そう思ってみれば、多少思い当たることはある。昨日の夜、ルイズがそわそわしながらこちらの様
子を窺っていたので、何かおかしいと思っていたのだ。
(あれは、薬が効いて自分が素直になってるのかどうか、気にしてたのか。今になってようやっと効
果が現れ始めたんだから、効きが遅い薬なのかもしれねえな)

294 名前:素直ルイズ:2008/02/21(木) 23:29:02 ID:Mldpj0/x
 だが、細かく考えている暇はない。もうすぐ朝食の時間だ。廊下の壁に並んでいるドアがいくつか
開いて、学生たちがちらほらと姿を見せ始めている。こんなところであーだこーだ言い合っていては、
悪目立ちしてしまうだろう。才人は焦りながらルイズの肩に手をかけた。
「とにかくさ、なにも気にすることないって! 俺なんか、今日はお前に殴られずに済みそうだし、
かえって喜んでるぐらいなんだぜ!」
 言ってしまってから、本人を目の前にしてこんなことを言うのはどうなんだ、と少し後悔する。し
かし当のルイズは気を悪くするどころか、嬉しそうに顔を綻ばせた。
「ありがとう、優しいのね。だからサイト、大好き!」
 逃げる暇もなくぎゅっと抱きつかれて、才人は硬直する。近くを歩く女生徒たちが、こちらを見て
眉をひそめたり、ひそひそと囁きあったりしながら通り過ぎていく。結局悪目立ちしている現状が、
今日という一日の困難さを暗示しているようで、才人はまたため息をつきたくなった。

 起き出してきた生徒達に混じって食堂に向かう途中、廊下の向こうからシエスタがやって来て、目を丸くした。
「あら、おはようございます。お二人とも今日は早いんですね。今から起こしに行こうと思ってましたのに」
 シエスタは基本的に二人よりも早起きだ。朝早くから厨房に出かけて、学生達に出される朝食の準
備を手伝うことが多い。その理由について、彼女はこんな風に言っていた。
「今はサイトさんのお付きですから、そんなことしなくてもいいって皆さん仰るんですけど、朝は絶
対早く目が覚めちゃうんですよ……習慣なんでしょうね。それに、朝食のどれかはサイトさんのお口
にも入るわけですから、毎朝サイトさんの朝食をご用意してると思えば、特におかしくはないですし」
 そうやって朝食の準備を手伝ったあと、頃合を見て厨房を抜け出し、ルイズの部屋に戻って二人を
起こしにくるのである。といっても、その時間帯になると大抵二人も起き出して身支度を始めている
ため、単に朝の挨拶を交わして終わり、となることが多いのだが。
 才人は周囲の生徒たちの邪魔にならないように廊下の端に避けながら、「おはよう」とシエスタに
挨拶する。シエスタは不思議そうに言った。
「一体どうしたんですか? たまたま早く目が覚めちゃった、とかですか」
「あー、とりあえず、ルイズを見てもらえば大体のことは分かってもらえると思う」
「ミス・ヴァリエールを?」
 シエスタが怪訝そうに視線を移す。ルイズは彼女ににっこりと笑いかけた。
「おはようシエスタ、気持ちのいい朝ね」
「は」
 ぽかんと口を開けて固まったあと、シエスタは油の切れた人形のように、ぎこちなく首を動かして
才人の方を向いた。
「……一体どうしちゃったんですか、ミス・ヴァリエール」
「どうしたもこうしたも」
 才人は先程モンモランシーと会話したときのことを、手短に説明した。
 シエスタが感嘆したように息をつく。

295 名前:素直ルイズ:2008/02/21(木) 23:29:27 ID:Mldpj0/x
「素直になる薬、ですかあ。そんなものがあるなんて、魔法って凄いですね」
「まあ、惚れ薬なんてもんがマジで存在するぐらいだから、もうなにがあったって驚きゃしねえけど、よ」
「そうですねえ。驚きはしません、けど」
 才人はシエスタと顔を見合わせたあと、ルイズに目を転じる。いつも以上に小さく、可愛らしく見
えるこの少女は、二人が自分そっちのけで話し込んでいる様を機嫌良さそうに眺めていた。
「いつもだったら、『ちょっと、二人でなにコソコソ話してんのよ!』とか怒鳴ってるところですよ」
「下手すりゃ金的蹴りが炸裂してるところだぜ。それが何もないどころかご機嫌な感じでこっち見て
るんだから、もうほとんど不気味なレベルだよなこれ」
「そうですねえ」
 シエスタが悩ましげに頬に手を添えたとき、彼女の袖を小さな手がくいくいと引っ張った。
「ねえ、シエスタ」
「は、はい? なんですか、ミス・ヴァリエール」
 シエスタが笑顔を取り繕いながら振り向くと、ルイズが無邪気に言った。
「あのね、わたし、シエスタに編み物教えてほしいの」
「あ、編み物……教えてほしいって、わたしにですか!?」
 シエスタが目を見開いて自分の顔を指差す。ルイズは「うん」と大きく頷いた。
「シエスタ、とっても上手だから。わたしね、今度はサイトにちゃんとしたのプレゼントしたげるの」
「は、はあ、そうですか」
「あとねえ、お料理と、お掃除と……他にもいっぱい、シエスタに教えてほしいことあるの。だめ?」
「ええと、いえ、だめってことはないですけど」
 シエスタがためらいがちに答えると、ルイズの顔が明るく輝いた。
「ありがとう。シエスタ、ちいねえさまみたいに優しいから大好き!」
 ルイズがシエスタの胸に顔を埋めるように抱きつく。「はううっ!」と、抱きつかれたシエスタが
激しく身悶えした。
「さ、サイトさん!」
「どうしたシエスタ!?」
「どうしましょう、このミス・ヴァリエールものすっごく可愛いんですけど!?」
「安心しろ、俺も同じ気持ちだ!」
「ですよね! なんかこう、守ってあげたくなっちゃいますよね! ああミス・ヴァリエール、わた
しも大好きですぅ……」
 顔を真っ赤にして相好を崩したシエスタが、ルイズをぎゅっと抱きしめ返す。周囲を通る生徒達が
奇異の目線を向けてくるが、その辺に関してはもう諦めることにした。
(しかしまあ、確かに今日のルイズはなんつーか、保護欲をそそられるよな)
 普段は高慢に振舞っているルイズだが、外見は非常に可愛らしい美少女である。身長が低い故に美
人というよりは可愛いという表現の方が似合うため、こんな風に甘えられたらついつい守ってあげた
くなるのは自明の理だ。
(……要するに、普段のこいつは自分の持つポテンシャルを全く理解してないってことなんだよな)
 やたらと刺々しい態度で人に噛み付きたがる普段の主をしみじみと想像していると、頭上から高ら
かに鳴り響く鐘の音が降ってきた。
「あ、やべえ。おいルイズ、早く行かないと飯食いそびれちまうぞ」
「そうね。それじゃシエスタ、今夜、編み物教えてね」
「はい、分かりましたミス・ヴァリエール。お気をつけて……あ、慌てて走っちゃダメですよ、転ん
だら怪我しますからね。悪い人にはついていっちゃダメですよー」
 心配そうにはらはらしてこちらを、というよりルイズを見守っているシエスタの声を背中に受けつ
つ、才人たちは食堂に向かった。

296 名前:素直ルイズ:2008/02/21(木) 23:30:00 ID:Mldpj0/x
 特に問題なく食事を終えて(食事の間、ルイズがたまにじーっと嬉しそうにこちらを見るので非常
に落ち着かなかったが)教室に向かっていると、廊下の途中で今度はキュルケに出くわした。相変わ
らずブラウスの胸元をはだけさせ、今日も爆乳絶好調。ティファニアの革命乳を知った今となっては
別段驚くほどではないが、それでもやはり規格外の大きさだ。
「あーらお二人さん、おはよう。サイトが一緒に来るなんて、最近じゃ珍しいわね。なあに、とうと
う公衆の面前でいちゃつくような関係になったのかしら?」
 キュルケは早速からかい気味に話しかけてきたが、おそらく二人の反応は予想どおりではなかった
だろう。才人は主の反応が気になって仕方がなくてそれどころではなかったし、ルイズの方は「えへ
へ」と頬を染めて幸せそうに微笑んだだけだ。いつもなら「そそそそそ、そんなんじゃないわよバ
カッ!」だのと怒鳴り散らすところである。
 キュルケが眉をひそめた。
「なんか張り合いがないわね。どうしたのこの子、今日は調子でも悪いの?」
「いや、あのな」
「ねえねえキュルケ」
 才人が説明しようとしたら、ルイズがなにか興味津々な表情を浮かべて割り込んできた。その視線
は、常時激しく自己主張しているキュルケの胸に向けられている。その視線に気付いたためか、彼女
は若干気味悪そうな顔をした。
「なによルイズ、人の胸を無遠慮に……」
 言いかけてから、意地悪げな笑みを浮かべる。
「さては、自分の胸があまりに哀れなものだから、とうとう羨望と嫉妬の念が抑えられなくなったの
ね? よくってよよくってよ、あなたの胸ったら本当に、いつまで経ってもお子様だものね」
「うん、そうなの」
「……はい?」
 あっけらかんと頷いたルイズに、キュルケがぽかんと間抜けに口を開ける。いつも大抵余裕がある
彼女にしては、実に珍しい表情だ。そんなキュルケを見上げながら、ルイズはおもむろに腕を伸ばした。
「あのね、わたし、前からキュルケに聞きたかったの」
 言いつつ、キュルケの胸をぷにぷに突きながら首を傾げる。
「どうやったらこんなにおっぱいが大きくなるの?」
 才人はぶはっと息を吐き出した。
(そりゃいくらなんでも直球すぎんだろお前!)
 キュルケはぷにぷにと胸を突かれたまま硬直していたが、やがてこの世の終わりが来たような表情
を浮かべて才人の方に顔を向けた。青ざめた褐色の肌に鳥肌が立っている。
「さささささ、サイト。この子どうしちゃったの。頭ぶつけたの? それともあなたがやったの?」
「俺がなんかしてこんなになるかよ。実はな」
 才人が手短に説明すると、キュルケは大袈裟にため息をついた。
「モンモランシーも毎度毎度面倒なことばっかりしてくれるわね」
「だよな。まあ、今回は惚れ薬のときほど問題じゃねえけど」
「だからって……っていうかルイズ、いつまでわたしの胸突いてるのあなたは」
「あ、ごめんなさい」
 ルイズはあっさり手を引っ込めて、照れたように笑った。
「羨ましくって、つい」
「……ホントに素直ねこの子」
「だって、本当に羨ましいんだもん。キュルケは背が高いし胸も大きいし美人だし、とっても大人っ
ぽいと思うわ」
「あなたにだってあなたなりの魅力があるでしょうに」
 あまりに無邪気な発言に毒気を抜かれたのか、キュルケの方も珍しくルイズを褒める。
「でも」
 ルイズは唇を尖らせた。
「サイトは大人っぽい女の子の方が好きだもん」
「へーえ?」
 キュルケがにやけた笑みを浮かべてこちらを見る。才人は後ろを向いた。明らかに赤い顔をキュル
ケに見られるのがなんとなく癪だった。背後から話し声が聞こえてくる。

297 名前:素直ルイズ:2008/02/21(木) 23:30:28 ID:Mldpj0/x
「じゃあ、サイト好みの女になりたいのね、あなたは」
「うん。あのね、ちいねえさまみたいになって、サイトに喜んでもらうの。だからどうやったらおっ
ぱい大きくなるかおせーて」
「そうねえ。好きな人に揉んでもらうのがいいんじゃないかしら」
「そうなんだ」
 軽い足音がこちらに近寄ってくる。肘を引かれた。
「ねえねえサイト」
「なんだ」
 半ばこの後の展開を予想しながら振り向くと、ルイズは笑顔を浮かべてまっ平らな胸を張った。
「揉んで」
「揉むか!」
 思わず怒鳴り返すと、ルイズはしょんぼりと肩を落とした。
「やっぱり小さいのは嫌なのね」
「そういう問題じゃないって……大体、好きな人に揉んでもらうと大きくなるってのは俗説だし…
…っつーかキュルケ、今のルイズに変なこと吹き込むな、なんでもかんでもあっさり信じるんだからよ」
 顔を背けて笑いを堪えているキュルケに一言警告したあと、才人は悲しそうな顔をしているルイズ
を見下ろした。ごほん、と一つ咳払い。
「あー、ルイズ。そういうのはな、もっと年を取れば自然に大きくなってくるもんだ……多分」
「そうなの?」
「そうなの。そういうことにしとけ。あとな」
 才人は言いかけて、口を噤んだ。ルイズがあどけない表情でこちらを見上げている。彼女の頭に右
手を乗せて無理矢理下を向かせ、なんとか声を絞り出す。
「……俺は、お前のなら小さくても好きだ」
「え、なに、サイト。よく聞こえなかった」
「そうか、それは幸いだ。ほら、もう授業始まるから教室入るぞ」
 才人が歩き出すと、ルイズも黙ってついてきた。同じく追いついてきたキュルケが、にやにやしな
がら耳元で囁く。
「顔が真っ赤よ、幸せ者」
「うるせえや」
 才人は歩調を速めて顔面を冷やしながら、始業間近で人通りが少なくて本当によかった、と思った。

298 名前:205:2008/02/21(木) 23:33:14 ID:Mldpj0/x
ここまでで。読んでくださってありがとうございました! 続きは後日。

自分なりにちょっと苦手な分野に挑戦しようと思って
精一杯書いたけど自信がなくなってきたので、最後まで一気投下する
当初の予定を曲げてこの辺まで投下してみた次第。タイトルも敢えて直球で。
……ど、どうでしょう?

299 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 23:41:15 ID:ke81uziR
これはイイ、すごくイイ!
13巻の後半と差し替えて保存しときたいぐらいだ
続き楽しみに待ってます

300 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 23:45:09 ID:18Tj88N7
GJ&wktk。
なんだか素直なルイズを読んでると涙が出てくるんだよな。
本編でもこの二人大変なことになってるし。
ちゃんと気持ちを伝え合ったらもうちょっと素直になってくれよルイズ。
全部自分で抱え込んだままドカーンとか勘弁だぜ?

301 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 00:32:03 ID:cpN7Bopb
>>298
うひー。身もだえするーw
続きが楽しみなので、とっとと投下するように!
GJ!

302 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 00:55:11 ID:uOcUAv50
ニヤニヤしながら読めました
GJ!

303 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 01:18:59 ID:RvvatPgm
>>298
GJ!です。いままでどうしてなかったのか不思議なくらい

苦手?信じられない。いまところうまくいってるように見えますよ

304 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 02:30:30 ID:6fbrbv1d
GJです。ニヤニヤしまくったww

ルイズのZippo見てると、何かSS出来そうな気がするwww

305 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 03:16:57 ID:evABNkgW
これはニヤニヤだwwww

306 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 03:28:54 ID:QFAAtE2V
コレはヤバいw
ヌィーマリーゴ氏本気出した!
俺達を殺す気だww

307 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 07:31:12 ID:dBzcM3sN
何と言う可愛さ
このルイズは間違いなくお持ち帰り

308 名前:また挿してみた。(次回から「つばめ」に改名の予定候):2008/02/22(金) 15:09:51 ID:vaAq5bS6
素直ルイズかわエエー。205氏お疲れサンですー
感謝・支援ついでに昨日UPったヤツにちょっと手を加えたオマケを・・

ttp://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/g1r80222150651.jpg

いくつかのコマはちゃんと全部描いてたりしまふ。

309 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 15:29:03 ID:HBKxG8fQ
個人的な感想を言わせて貰うと
口をもう少し工夫すればもっとよくなると思うよ

310 名前:また挿してみた。(次回から「つばめ」に改名の予定候):2008/02/22(金) 15:35:53 ID:vaAq5bS6
>>309
わかりましたー。次回はちょっと気をつけてみます。
御指摘に感謝^^

311 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 16:33:31 ID:ETYBR+6W
すごくいい
GJ!

312 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 17:46:09 ID:0cTl8JS9
乳首の描き方に魂を感じるw

313 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 23:29:04 ID:u2GDUvJO
これは良いチェリーパイw

314 名前:205:2008/02/23(土) 18:39:53 ID:jQcnRAzi
そこそこ評判がいいようでほっと一安心しつつ、素直ルイズの続きを投下。
なんというか割といつも通りのところに収まっちゃったんで、多分萌えないと思いますが。

315 名前:素直ルイズ:2008/02/23(土) 18:40:34 ID:jQcnRAzi
 私語厳禁の授業中なら問題ごとは起こるまい、と多少安心していた才人だったが、その考えは甘
かった。確かに、ギトー教員が風魔法の何たるかについて講義しているときは、周りもルイズも話に
聞き入っていて静かだった。問題が起きたのは、前に歩み出たド・ロレーヌが、ギトーの指示に従っ
て風魔法を披露したときだった。
「ふむ。なかなかいい具合だ」
 陰険なギトーが珍しく褒めたためか、ド・ロレーヌが調子に乗り始めたのである。
「いやだなミスタ・ギトー。この程度、ロレーヌの名を背負うわたしにとっては造作もないことです
よ。この課題なら、このクラスにいる誰だってこなせるでしょう。もっとも、わたしほど簡単にやっ
てのける者は他にはいないでしょうが」
 などと、彼は自分がいかに優秀かということを早口に捲し立てた挙句、「ま、でも」とこちらに向
けて嫌味な視線を飛ばしてきた。
「ゼロのルイズだけは別ですがね」
 すかさず、周囲に座っていた性悪な生徒達がくすくすと笑い始める。ルイズが虚無系統の魔法を扱
えることは未だに秘密なので、こういった事態もまた尽きることはない。才人は額を押さえて天を仰いだ。
(ド・ロレーヌのバカたれめ、なんだってこういうときに限ってルイズを突っつくんだよ)
 いつものルイズなら、ここで顔を真っ赤にして怒鳴るか唇を噛んで俯くか、もしくは無表情で無視
するかのどれかだが、もちろん今日の彼女はそのどれでもない。感心した様子で、にっこり笑ってみせる。
「そうねえ。ロレーヌ家は優秀な風魔法の使い手をたくさん輩出してる名門だし、やっぱりあなたも
すごいわねえ」
 邪気のない口調だった。得意げかつ嫌味に笑っていたド・ロレーヌが、呆気に取られたように口を
半開きにし、周囲でくすくす笑っていた生徒達も皆一様に目を剥いてルイズを見る。そんな注視の中
でも、ルイズはにこにこと機嫌良さそうに笑っている。
「……ド・ロレーヌ。いつまで間抜け面で突っ立っているつもりだ。早く座れ」
「あ、ああ、すみませんミスタ・ギトー」
 不機嫌そうなギトーに注意されたド・ロレーヌが、慌てた様子で席に戻る。彼の席はここより前方
にある。先程のやり取りがまだ信じられないようで、肩越しにおそるおそる振り返って、こちらを見
た。ルイズは才人の隣でその視線を受け止め、嬉しそうに微笑み返した。ド・ロレーヌが顔を赤くし
て前を向き、またちらちらとこちらに目を向けてくる。
 ルイズが気になっているのはド・ロレーヌだけではないようで、今や教室中の生徒……特に女生徒
たちが、こちらを盗み見ながら隣同士でひそひそ何かを囁き合っている。元々陰険で人気のないギ
トーの授業中ということもあって、声をひそめた噂話はなかなか止まらないようだ。
「ねえ、ゼロのルイズったら一体どうしたのかしら」
「ド・ロレーヌに色目使っちゃって」
「魔法が使えないから女の武器を鍛えようって考えなんじゃないの?」
「じゃ、あの使い魔の男の子、振られちゃったの? 本人目の前にいるのにあんなことするなんて、
かわいそー」
 聞きたくもないのに囁き声のいくつかが耳に入ってきて、才人は頭を抱えたくなった。


316 名前:素直ルイズ:2008/02/23(土) 18:40:56 ID:jQcnRAzi
「ちょっと、ゼロのルイズ」
 授業と授業の合間、短い休み時間中に声をかけてきたのは、尊大に腕を組んだ女生徒だった。その
視線には冷たい敵意が込められていたが、それを投げつけられた側はきょとんとするばかりである。
「なあに」
 不思議そうに目をしばたたくルイズに向かって、その女生徒は頬を引きつらせる。
「ふん、急に無邪気な振りしちゃって……! わざとらしいのよあなた。悪いけどね、ド・ロレーヌ
はわたしの恋人なの。あなたなんかが入り込む隙間はこれっぽっちもないのよ。お分かり?」
 その割にずいぶん必死だな、と才人は思った。この女生徒、それほど悪くない目鼻立ちだが、顔だ
けは二枚目と言ってもいいド・ロレーヌに比べると、多少見劣りする感がある。文句なく美少女のル
イズが自分の恋人を狙っていると勘違いして、かなり危機感を持っているらしい。
(ま、その辺は誤解だし、ほっときゃいいか)
 とりあえず静観することに決めた才人の前で、ルイズはまたもにこやかに頷いている。
「うん、そうね、あなたとっても素敵な人だもの。ド・ロレーヌも幸せだわ」
 女生徒の顔が朱に染まった。
「なによ、わたしを馬鹿にしてるの、あなた!?」
「え、どうして?」
 ルイズの声は心底不思議そうだ。よほどのひねくれ者でない限り、そこに邪気を見出すことは出来
ないだろう。実際女生徒も怒るに怒れなくなったようで、どことなく苦しげに眉根を寄せたまま黙っ
てしまった。
 そんな女生徒の前で、ルイズは目を輝かせながら立ち上がった。
「そうだ。ねえあなた、前にミセス・シュヴルーズの授業で、銅像作ってたわよね。土魔法で」
「え?」
 すぐには思い出せなかったらしく、女生徒は最初怪訝そうにしていたが、やがて「ああ」と素っ気
なく頷いた。
「前に一度、そんなことあったような気がするわね。それが、なに?」
「あのときの銅像、凄くよく出来てたから、近くで見たいなあと思ってたの。だけど、そんな暇な
かったから。もし良かったら、今見せてくれない?」
 身を乗り出すルイズに間近で見つめられて、女生徒は頬を染めたままわずかにあとずさる。無理も
ないな、と才人は思った。
(今日のルイズ、目をきらきらさせて見つめてくるからなあ。いろんな意味で耐えられんよな
 女生徒はどう答えていいか分からないらしく、言葉もなく口をわななかせている。ルイズはそれを
拒否と受け取ったらしく、残念そうに顔を伏せた。
「だめ?」
「え? あ、いや、だめってわけじゃ……まあ、今は時間がないから無理だけど、後でだったら」
 女生徒が慌てて答えると、ルイズはぱっと顔を輝かせ、相手の手をぎゅっと握った。
「ありがとう。あなた、とってもいい人ね」
 心底嬉しそうに頬を緩ませるルイズの前で、女生徒は真っ赤な顔をして固まっている。どうやら揉
め事は起こらないようだ、と才人は少し安心した。

317 名前:素直ルイズ:2008/02/23(土) 18:42:20 ID:jQcnRAzi
 昼食を終えた昼休みの時間、才人たちはヴェストリの広場の隅っこにいた。少し離れたベンチに先
程の女生徒とルイズが座っていて、周りを男女入り混じった多数の生徒が取り巻いている。約束どお
り土魔法で作った銅像を見せてもらっているようで、感嘆の声が聞こえてくる。
「やっぱり凄いわねえ。銅像だけど、ここのところは違う金属なの?」
「そうよ。腕輪とか髪飾りとか、装飾の部分は銅より光沢のある金属にした方が見栄えがいいでしょ
う。まあわたしなりの工夫っていうか、アクセントってやつね」
「そうねえ。こういうのって気をつけないと嫌味になるけど、全然そんなところがないし。それに、
こんな細かいところまで細工できるなんて、やっぱり凄いわ。あなたって才能があるのね」
「そんな、褒めるほどのことでもないわよ」
 そう言いつつも、声音は得意げだった。女生徒は気を良くしているようだ。「これ、もらってい
い?」というルイズの願いにも、「ええそうぞ、大切にしてちょうだいね」と気分よく答えている。
「すげえな、ルイズの奴」
 才人がぽつりと呟くと、隣に立っていたギーシュが深く頷いた。
「全くだ。ルイズと話している彼女、いつも刺々しいというか、気難しい性質だからね。あんなに機
嫌がよさそうなのを見るのはほとんど初めてだよ」
 向こうのベンチを取り巻く人垣の隙間から、楽しそうに話すルイズが見える。今は先程の女生徒で
はなく別の生徒と話しているようだ。相手の魔法の扱いなどを褒める声が聞こえてくる。キュルケが
感心したように言った。
「あの子、褒めるの上手いわね。おべっかとかお世辞とかじゃなくて、ちゃんと相手の能力に見合っ
た褒め方をしてるもの」
「そうなのか?」
「ええ。相手が『こう褒めてほしい』とか、『ここを評価してほしい』とか思ってるところを、的確
に賞賛してる感じ。あの子にあんな能力があったなんてねえ」
 意外そうなキュルケの隣で、モンモランシーが目を細める。
「それだけよく他人を見てるってことよ」
「あの雰囲気読めないルイズがか?」
 才人が眉をひそめると、モンモランシーは肩をすくめた。
「雰囲気が読めないって言われるのは、相手の感情を察するのが下手だからでしょ。今あの子が褒め
てるのは、ほとんど相手の能力に関することだもの。これ、どういうことか分かる?」
「どういうこと、って」
「つまりね、あの子、他人の凄いところばっかりに目が向いてるってことよ。ほら、見て」
 モンモランシーが指差す先を見ると、地味な顔立ちの男子生徒に、ルイズが熱心に話しかけている
ところだった。
「本当よ、あのときわたし、凄いなって思ったんだから」
「いや、僕なんか……ツェルプストーの方が派手だし火勢も強かったし」
 その遠慮がちな返答から察するに、どうやら男子生徒は火系統の使い手らしい。ルイズは大きく首
を振った。
「ううん。確かにキュルケの方が炎は大きかったかもしれないけど、あなたは小さな炎をいくつも上
手に制御していたじゃない。わたしは使えないから実感は出来ないけど、勉強してきたから分かるの。
あんな風に繊細に炎を操るのって、実は物凄く技術が必要なことなんだって」
 そう言って、ルイズはそっと男子生徒の手を握った。
「あのときは言えなかったから、今この場で賞賛を送らせてもらうわ。あなたはとても、凄い人よ」
 ストレートな褒め言葉に慣れていないのか、男子生徒はほとんど茹蛸状態である。
「わたしは別にそういうことが出来ないんじゃなくて、単にちまちましたのが気に入らないだけなんだけど」
 ぼやくように言って、キュルケが面白がるように笑う。
「それにしても、凄いわねあの子。あんな本人すら覚えてないようなこと、よく覚えてるもんだわ」
「だから言ったでしょ。あの子、他人の凄いところは本当によく見てるのよ。下手したら、本人より
もずっとよくね」
「なんでだろうな?」
 ルイズの観察眼の源が分からず首を傾げる才人に、モンモランシーが複雑な表情で言った。
「多分、あの子の劣等感のせいでしょうね。『みんなは凄いけど、それに比べて自分は……』ってい
う感情が凄く強いのよ、きっと。自分の欠点ばかり見すぎているから、逆に他人の長所ばかり見すぎ
てしまうってことね」

318 名前:素直ルイズ:2008/02/23(土) 18:42:49 ID:jQcnRAzi
「素直になる薬、か」
 才人はため息をつく。
「つまり、今は劣等感とか余計な自尊心とかが綺麗に消えてる状態だから、他人の凄いところを素直
に褒められるってことなんだよな」
「そういうことになるわね」
 モンモランシーは少し寂しそうに笑った。
「わたし、あの子があの薬を飲んだら、いつも言い返さずに我慢してる分も、全部周りに吐き散らす
んじゃないかと思ってた。でも、違ったわね」
「そりゃそうだ」
 才人は笑った。
「あいつ、お姉ちゃん子だもんな。本当は甘えたり可愛がられたりするのが似合う奴なんだ、きっと」
 ルイズは女生徒の一人に頭を撫でられて、はにかんだ笑みを浮かべていた。

「ねえシエスタ、ここのところは、こんな風でいいの?」
 手に持っている編みかけのマフラーを持ち上げながら、ルイズが首を傾げる。シエスタはにっこり
笑って、ルイズの頭を優しく撫でた。
「はい、とってもお上手ですわ、ミス・ヴァリエール」
「ありがとう」
 ルイズが嬉しそうに笑うのを、才人はベッドの縁に腰掛けながら眺めていた。背中が少しむず痒い。
 結局、今日一日、問題らしいことは何も起こらなかった。午後の授業中もそれが終わったあとも、
クラスの連中がやたらとルイズを可愛がりたがって、逆に引き剥がすのが大変だったほどだ。
 今、夜になって部屋に戻ってきてから、ルイズはシエスタと並んで椅子に腰掛け、約束どおり編み
物を教えてもらっている。教え方がいいのかそれとも素直に教えを聞き入れる態度が功を奏している
のか、前のものに比べると格段に出来がいいように見える。
(と言っても、完成はしねえだろうな)
 ルイズの目蓋が落ちかかっているのを見て、才人は少し残念に思う。モンモランシーの話では、薬
の効果が持続するのは一日だけだということだ。
「それに、今日の記憶は残らないらしいの。薬に関する記憶ごと、全部頭から消えちゃうみたい」
「なんでだよ」
「最初に調合したメイジが、そんな風にしたのよ。でも正解だと思うわ。素直に感情を表した自分が、
周りに受け入れられていようと、そうでなかろうと……どちらにしろ、心にしこりが残るはずだもの」
 モンモランシーは、そんな風にも言っていた。明日になれば、いつも通りの頑ななルイズに戻って
いるのだろう。
(でもきっと、それでいいんだな)
 才人が心の中で呟いたとき、シエスタが労わるようにルイズの背に手をかけた。
「さ、ミス・ヴァリエール。今日はもうこのぐらいにして、続きは明日にしましょう」
「ううん、最後までやる。だって、明日になったらまた……」
 頑固に言い張るルイズだが、睡魔には勝てないらしく、こっくりこっくりと舟をこぎ始めている。
才人も苦笑しながら近づいて、彼女の肩に手を置いた。
「シエスタの言うとおりだよ、ルイズ。無理して今日完成させる必要なんかないって。俺はいつまで
だって待ってやるからさ。な?」
 そう言ってやると、ルイズは少し残念そうに微笑んで、頷いた。
「うん、そうする。今日はもう眠るわ」
「ああ、そうしようぜ」
「ねえサイト」
「うん?」
 ルイズは机に編みかけのマフラーを置くと、椅子の上で姿勢を正して才人に向き直った。

319 名前:素直ルイズ:2008/02/23(土) 18:43:19 ID:jQcnRAzi
「あのね、ありがとう」
「なにがだよ?」
「わたしのことを、守ってくれて。わたし、ずっとサイトに助けてもらってばかりだったのに、お礼
言ったことってほとんどなかったから。だから、ありがとう」
 真剣な顔で言うルイズを見ていて、才人は不意に気がついた。
「お前、ひょっとしてそれを伝えたいがために、『素直になる薬』を飲んだのか?」
「うん、そう」
 ルイズは恥ずかしそうに頬を染めて、少し俯いた。
「いつものわたしだったら、きっと伝えられないと思ったの。だから、モンモランシーが試しに作っ
てみたって話してくれたとき、これを飲めばって思って」
 昨日の夜、そわそわしていたルイズの姿が思い浮かんだ。
「そっか。俺に感謝の言葉を伝えたくて、か」
「そう。わたし、あなたがそばにいてくれて、本当に感謝しているの。キュルケやモンモランシー、
それにシエスタと仲良くなれたのだって、全部サイトが来てくれたおかげだもの。あなたはきっと、
自分で思ってるよりもたくさんのものを、わたしに与えてくれたわ。だから、ありがとう」
 才人は、瞬きもしないルイズとじっと見つめあった。
「そうか。お前が何を考えてたのかは、大体分かったよ。でもな」
 首を横に振る。
「今のお前の言葉は、聞かなかったことにしておく」
「どうして」
 ルイズが驚き、悲しげに顔を曇らせる。
「わたしがいつも、サイトに酷いことばかりしているから? だから信じてくれないの? でも、わ
たしは本当に」
「違うよ、そういうんじゃないんだ」
 才人は、ルイズの頭にそっと手を置いた。
「お前はさ、多分本当に、俺に感謝してくれてるんだと思う。その気持ちは凄く嬉しい。本当だ。だけどな」
 少しかがんで、鳶色の瞳を真正面から覗き込む。
「それは、薬の力なんかなしに、いつも通りのお前に言ってほしいんだよ。お前はきっと、自尊心と
か劣等感とかそういうのが邪魔して、素直に思いを伝えられないんだ。それを乗り越えようとして、
いつも苦しんでるんだろうな。だからこそ、もっともっと頑張って、自分の力でそれを乗り越えて、
俺に……いや、俺たちに、お前の本当の気持ちを伝えてほしいんだ。俺の言ってること、分かるか?」
 ルイズは少し考えてから、大きく頷いた。
「うん、分かる」
「そうか。やっぱり偉いよ、お前は」
「ううん、サイトがいてくれるおかげよ。ねえサイト」
 ルイズは両手を伸ばして、才人の左手をぎゅっと握った。
「わたし、頑張るから。頑張って頑張って、いつかきっと、ありのままの自分で、サイトにお礼を言
えるようになるから。本当に、いつになるのか分からないけど……それまで、待っていてくれる?」
 才人は笑った。
「ああ、いつまでだって待ってるさ。そのときが楽しみだよ」
「ありがとう。やっぱりあなたは、いつでもわたしのことを助けてくれるのね。これからもよろしくね」
「こっちこそ」
「うん」
 微笑んだルイズの体が、小さく傾ぐ。慌てて支えてやると、彼女ははっとして首を振った。それで
も眠気が消えないらしく、眠そうに目をこする。
「ごめんね、なんだかすごく眠たくて」
「薬の副作用かもな。ベッドまで運ぶよ」
 才人はルイズの体を抱え上げた。幼い子供のように軽い彼女の体をそっとベッドに横たえ、毛布を
かけてやる。

320 名前:素直ルイズ:2008/02/23(土) 18:43:59 ID:jQcnRAzi
「サイト」
 ルイズは薄目を開けて微笑んだ。
「言い忘れてたこと、あったわ。これも忘れてくれていいんだけど」
「なんだ」
「わたしね、サイトのこと大好きよ。みんなのことも」
「そんなことか」
 才人は微笑み、ルイズの頬を撫でた。
「知ってるよ。みんなだって、きっと分かってくれたと思うぜ」
「そう、よかった。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
 ルイズは目を閉じ、静かな寝息を立て始めた。
 幸せな夢を見ているように穏やかな寝顔を眺めながら、才人はそっと息をつく。
 不意に鼻をすすり上げる音が聞こえてきて振り返ると、シエスタが目を潤ませてこちらを見ていた。
「どうした、シエスタ」
「だって、サイトさん」
 シエスタが目元を拭いながら言う。
「ミス・ヴァリエールったら、とっても健気なんですもの」
「そうだなあ。こいつがこんなにいい子だとは思ってなかったよ」
 しみじみ言うと、シエスタは決意に目を光らせながら、ぐっと拳を握り締めた。
「わたし、決めました。これからは全力でミス・ヴァリエールを応援してあげます。いえ、もちろん
恋のライバルであることに変わりはありませんけど」
 とりあえず後半は聞き流すことにしておいた。
「そうだな。ま、出来る限り助けになってやってくれよ。本当は俺が頼めることじゃねーんだろうけど」
「はい、もちろんです。必ずやミス・ヴァリエールを素直な女の子に」
 意気込みを語ろうとしていたシエスタが、不意に眉をひそめて部屋の入り口の方を見た。
「どうした?」
「いえ、なんだか、外が騒がしいような」
「なに」
 言われてみると、確かに聞こえた。扉の向こうから、誰かの泣き声。それも複数だ。
(まさか)
 扉を開けてみると、予想通り、部屋の周りに人だかりが出来ていた。みなルイズのクラスメイトた
ちで、一様にハンカチを目に押し当てたり黙って涙ぐんだり、あるいは近くにいる者と抱き合ってさ
めざめと泣いていたりする。どうやら盗み聞きしていたらしい。
「なにやってんのお前らは」
「話は聞かせてもらったぞ!」
 おいおい泣きながら、ド・ロレーヌが才人の肩を握り締める。
「僕らも協力する! 必ずや彼女を一人前のメイジにしてみせるぞ!」
「そうだ!」
「わたしも協力するわ!」
「僕もだ!」
「クラス全員、一丸となって彼女の力になることを約束しよう」
「あなたも頑張ってね」
「必ずルイズを幸せにしてあげるのよ」
「泣かせたら許さんからな!」
 思い思いに才人の肩を叩き手を握り、勝手なことを叫びながら立ち去っていく。
「アホな奴らだなあ」
 呆れて頭をかきつつも、なんとなく悪い気はしない才人だった。
 これだけの騒ぎの中でも、ルイズは目を覚ます気配すらなく、無邪気な顔で眠っていた。

321 名前:素直ルイズ:2008/02/23(土) 18:44:38 ID:jQcnRAzi
 翌朝目を覚ましたルイズは、妙に目覚めがすっきりしていることに違和感を持った。
(なんでだろう)
 いつも朝が弱い自分のことを思い返しながら、ベッドの上で身を起こす。すると、なんだかいい匂
いが漂ってきた。見ると、机の上にティーカップが乗っていて、そこから湯気が立ち上っている。
(紅茶? なんで?)
 疑問に思っていると、机のそばの椅子に座って紅茶を啜っていたいた才人が、明るく声をかけてくる。
「よう、おはようルイズ。今日もいい天気だぜ」
「おはようございますミス・ヴァリエール。目覚めの紅茶はいかがですか?」
 既にメイド服を着ているシエスタが、穏やかな声で勧めてくる。二人とも、目元がやけに優しい。そ
の視線に妙な生温かさを感じて、ルイズは頬を引きつらせた。
「なによあんたたち、なに企んでんの?」
「何も企んでなんかいねえよ。なあシエスタ?」
「そうですよミス・ヴァリエール。あ、お体の調子はどうですか? 具合悪くありませんか?」
「別に、なんともないけど」
 言いかけて、ルイズは気がついた。机の上に、ティーカップ以外のものが乗っている。ルイズはシ
エスタを睨みつけた。
「ちょっとシエスタ、いくら同じ部屋で暮らしてるからって、わたしの机に私物を置きっぱなしにし
ないでよね」
「なんのことです?」
「そのマフラーよ。あんたのでしょ?」
「違いますよ」
 シエスタは優しく微笑んだ。
「あれは、昨日の夜ミス・ヴァリエールが一生懸命編まれてたものじゃないですか」
「は、わたしが? でも、ずいぶん出来がいいみたいだし」
「ミス・ヴァリエールの努力の結果じゃないですか」
「あのね、大体昨日のことなんて」
 言いかけて、ルイズはふと気がついた。
「って言うか、わたし、昨日のことよく思い出せないんだけど」
 才人が勢いよく音を立ててティーカップを置き、焦ったように目をそらした。
「ん。まあ、いいじゃんか。おっと、そろそろ飯の時間だぜ」
「ああ、本当ですね。さあミス・ヴァリエール。お着替えしましょうね」
「なにその赤ん坊に語りかけるような口調」
「いやですわ赤ん坊だなんて。ミス・ヴァリエールみたいな立派なレディに」
「そうそう。ルイズは実に立派な奴だ」
 まるで子供を見守るような二人の温かい視線に、ルイズはまた頬を引きつらせたのだった。

 おかしなことはその後も続いた。廊下の途中で会ったキュルケに「豊胸の香油」なる怪しいものを
渡されたり、モンモランシーに体調のことをしつこく聞かれたり、ギーシュにセンスの悪い首飾りを
プレゼントされたり、タバサから「心を開く方法」なる本を押し付けられたり。
 極めつけだったのは、授業中の出来事である。
「さて、それではこの石を金属に変えてもらいましょう。誰か、やってくれる方はおりませんか?」
 一時限目の担当であるシュヴルーズが教室を見回しながら言ったとき、ルイズはもちろん手を挙げ
るつもりなどなかった。
(虚無系統の使い手だって分かった今、上手くいく可能性はゼロだもんね。教室を吹っ飛ばして顰蹙
買うのも馬鹿らしいし、黙っておきましょう)
 そう考えていたのだが、何故かド・ロレーヌが張り切って立ち上がり、こちらを指差した。
「はい、ミセス・シュヴルーズ! ここは是非ミス・ヴァリエールにやってもらいましょう!」
「は!? なに言ってんのあんた!?」
「そうだ、ルイズにやってもらおう!」
「ちょ!?」
「ルイズなら適任だ!」
「頑張って、ルイズ!」
「いや、だから!」
「ルイズ!」
「ルイズ!」
「あの、ちょっと待ってってば……!」

322 名前:素直ルイズ:2008/02/23(土) 18:45:25 ID:jQcnRAzi
 本人の抗議を飲み込むような勢いで、教室中から大音声のルイズコールが巻き起こる。それを聞い
て呆然としていたシュヴルーズが、不意に目を潤ませながら深く頷いた。
「皆さん、今まで失敗続きのミス・ヴァリエールに、名誉を挽回させてあげたいのね。私、皆さんの
友情に大変感動いたしました! さあミス・ヴァリエール、お友だちの期待に応えてあげましょうね」
「ええ!?」
 いつの間にやら自分が実演する流れになっている。ルイズは唖然とした。
(ひょっとして、わたしの失敗をみんなで笑って楽しもうって魂胆なんじゃ)
 しかし、周りから飛んでくるのは祈るような切実な視線ばかりで、そこにはからかいや嘲笑など一
切含まれていない。大体にして、教室が爆発するリスクを背負ってまでこちらをからかおうというの
は、どう考えても理屈に合わないだろう。
(何が起こってるの一体)
 混乱しつつも、ルイズは立ち上がる。階段を下りて教壇に向かう間中、周りから励ますような視線
と囁き声が飛んできていた。
「頑張れ」
「しっかりね」
「負けるなよ」
 自分はどこにいるんだろうかとぼんやり考えながら、ルイズは教壇に乗った石ころの前に立つ。そ
してそのまま固まった。
「どうしたんですか、ミス・ヴァリエール」
「ええと、ミセス・シュヴルーズ」
 ルイズは誤魔化すように笑った。
「あの、わたしはやめておいたほうがいいんじゃないかなって。ほら、いつも通り爆発するに決まってるし」
「そんなことはないぞ!」
 ド・ロレーヌが机を叩きながら立ち上がり、拳を掲げて叫んだ。いつもルイズを陰で笑っている女
生徒も、祈るように手を組んで立ち上がる。
「自信をなくなさないで!」
 あまり話したこともない地味な男子生徒が、椅子を蹴って身を乗り出す。
「君は精一杯努力してきたじゃないか!」
「そうだ、今度こそきっとやれるさ!」
「頑張って!」
 教室のほぼ全員が総立ちである。キュルケやタバサなど、こちらの事情を知っている者たちは机の
陰に引っ込む準備をしているようだったが、それでもこの異様な盛り上がりを抑えようとはしない。
傍らのミセス・シュヴルーズもやけに温かい顔をして頷いているし、どうやら逃げ場はないらしかった。
(ええい、もうどうにでもなれ!)
 ルイズは目を瞑って杖を取り出した。無駄と知りつつも錬金の魔法を詠唱し、やけっぱちに杖を振
り下ろす。
 そして奇跡が起きた……ということはもちろんなく、案の定爆発が起こった。石ころが内部から光
を放ちながら消し飛び、爆風が教室中をなぎ払う。自身も煤だらけになりながら、ルイズはけほ、と
息を吐き出した。
(ほら見なさい。なんだか知らないけど、これであんたたちも分かったでしょ)
 内心そんなことを考えながら振り返ると、さっき立っていたメンバーは相変わらずそこに立ったま
まだった。煤だらけで全身真っ黒になりながら、それでも瞳だけはやけに優しい光を浮かべてルイズ
を見つめている。ド・ロレーヌが叫んだ。

323 名前:素直ルイズ:2008/02/23(土) 18:46:07 ID:jQcnRAzi
「くじけるな! 一度や二度の失敗が何だって言うんだ!」
「そうよ、負けちゃだめよ!」
「何度だって挑戦すればいいじゃないか!」
「僕達がついてるぞ!」
「諦めないで!」
 教室中から飛んでくる温かい声援に、ルイズは眩暈を感じた。まるで悪夢の中に迷い込んでしまっ
たかのような感覚。しかし、本当の悪夢はこれからだった。
「ああ皆さん、友情というものはなんて尊いものなんでしょう。教師生活数十年、わたしはこれほど
の感動を覚えたことはありません」
 大仰に両腕を広げながら、シュヴルーズが感極まったように叫ぶ。この妙なテンションに、すっか
り飲み込まれてしまったようだ。そんな彼女が振り返り、服の中から何かを取り出した。
「さあミス・ヴァリエール、もう一度挑戦しましょうね」
「はい?」
「大丈夫、石も時間も、まだまだたくさんありますからね」
 優しく語りかけながら、取り出した無数の石ころをごろごろと教卓の上に転がす。ルイズは悲鳴
を上げそうになった。
 結局授業が終わるまでに、ルイズはその日だけで数十回も教室に爆発を巻き起こすことになってしまった。

「もう、いったい何なのよ!」
 放課後、ほうほうの体で自室に戻ってきたルイズが、ベッドに身を投げ出しながら叫んだ。今日一
日中付きまとっていたであろう生温かい視線に、すっかり疲れ果ててしまったようである。
「なにこれ、なんかの陰謀? それともみんな頭がおかしくなっちゃったの?」
「おいおい、ひどいこと言うなよ。みんな心の底からお前を応援してるんだぜ。気のいい連中じゃな
いですか」
「それが気持ち悪いって言ってんの!」
 ヒステリック気味に怒鳴ったあと、ルイズは爪を噛みながらぶつぶつと呟き始めた。
「おかしい。何かがおかしいわ。きっと昨日何かあったんだわ。大体わたし、昨日のこと全然覚えて
ないし……あんた、何か隠してるでしょ!?」
 唐突に矛先がこちらに向いたが、才人は軽く肩を竦めて受け流した。
「知らねえな。ああでも、昨日一つだけ分かったことがあるな」
「なによ」
 唇を尖らせるルイズを見ながら、笑って言ってやる。
「お前が物凄く可愛い奴だってことさ」
「な」
 ルイズは絶句した。その顔が見る見る赤くなっていき、唇が何か言いたげにぱくぱくとわななく。
だが結局何もいえないまま、彼女は真っ赤な顔のまま唇を引き結んで、乱暴に毛布を被った。
「もう寝る、今日は寝る!」
「おう、好きなようにしろよ。ホント可愛い奴だなあ、お前は」
「その生温かい声やめなさいよ! わたしが可愛いのはホントだけど!」
 ひどく混乱した口調で叫びながら、ルイズがやみくもに枕を投げつけてくる。それを顔で受け止め、
机の上にある編みかけのマフラーを眺めながら、才人は愉快に笑い続けた。

324 名前:205:2008/02/23(土) 18:46:55 ID:jQcnRAzi
以上。読んでくださってありがとうございました!

325 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 18:52:10 ID:JbzdhuG0
今日もGJ!でした。いい話だ〜。

326 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 19:42:35 ID:atBJiPU9
ニヤニヤしすぎてとてもじゃなくて見れないよorz
作者さん、もうしわけありません破壊力ありsさhりjlふじこ;p

327 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 19:44:50 ID:WmihYnJb
なんかこう…久しぶりに萌えって叫びたくなったよ。GJ

328 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 19:48:21 ID:QRyjIN16
素ルイズヤヴェwww
ヌィーマリーゴ氏GJwwwwwww
だめだwwww 芝生が止まらないwwwwwwwwwwwww ニヤリ顔も止まらないwwwww

329 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 20:16:14 ID:CBgHCMuc
GJ。
にやけちゃうよ〜205氏。
素直ルイズやべえ、破壊力高すぎるよ。

330 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 21:02:24 ID:0ctuEW7/
にやにやにや

331 名前:また挿してみた。(次回から「つばめ」に改名の予定候):2008/02/23(土) 21:57:39 ID:4m+dgt30
ちょっと質問。このスレ的に百合の需要ってありやす??
次の挿絵ネタがシエスタなんだが、ラフ描いていたらなんかおかしな
方向へ進み始めて(汗

332 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 22:24:02 ID:xKnB2Mbo
挿絵自体、需要あるのかが疑問

ま、見なけりゃいいって言えばそうだけど

333 名前:また挿してみた。(次回から「つばめ」に改名の予定候):2008/02/23(土) 22:37:28 ID:4m+dgt30
>>挿絵自体、需要あるのかが疑問

それを言われちゃおしまいですゼ旦那(´∀`;)


334 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 22:41:14 ID:dX7GHBOr
>>324
GJ!です。とてもあたたかい話でした。
オチがくるのかな?と身構えてたわたし、歪んでるナー ('A`)

335 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 23:15:16 ID:ReXfc7vE
おマチさんやイザベラのエロ絵も見てみたいと思う俺は欲張りか?欲張りだな。

336 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 23:21:32 ID:tb11lJdO
>>335土肥

「それは蒼から始まった物語」を挿してほしいなあ。>>333


337 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 23:33:38 ID:vvDH004x
>>336
風呂場で泣き笑いのイザベラなんかがいいなぁ。

338 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 23:46:46 ID:J2V7RV8P
>332
百合でもなんでもシエシエが可愛いからOK

339 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 23:53:34 ID:dX7GHBOr
>>331
ニーズはあるが、本編でノボル神が百合書いてから書きづらいふいんき(ryに w

340 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 00:04:38 ID:cQAj1fk3
しかもその百合、一部の人に大変不評であった
やっぱ公式的に百合っちゃだめだよな

341 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 00:46:37 ID:PrCkN5+V
>>331
好きなように書いていいと思う。

>>340
あれ、百合好きな人にも不評だったらしいぞ。

342 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 00:48:22 ID:XOZ1TH9d
ヒロイン二人が主人公そっちのけでイチャイチャとか誰が望むのかと小一時間(ry

343 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/02/24(日) 01:49:17 ID:PTNOhaTx
ちょっと外出してるウチに沢山レスが(汗
んっと、コメント感謝。賛成反対そろぞれ在るみたいですが、とりあえず
仕上げてみますわ。喜んで貰えるのが嬉しいので。
コテ付けましたんで、問題ある場合はNG指定お願いします。

344 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 02:50:47 ID:wVxLokGk
205氏、ニヤニヤがとまらない作品をありがとう
大変満足ですw

345 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 08:43:23 ID:63VdrTlC
公式の百合も美味しくいただきましたが何か?

346 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 09:01:06 ID:SpUJV/xs


347 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 11:21:42 ID:mptAUJnn
素ルイズ来てター!!
悶え転げさせて頂きました。そしてクラスメイトが善人過ぎてワロタww

>343
ここの変態は紳士ばかりだから、好きなものを書いていいよ。
ただ、誘い受けは嫌われる可能性が高いかもしれなくもないかもしれない。


348 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 15:54:53 ID:V7/CUwr0
俺、会社で総務課にいたある女の子から、ものの10分かそこらの間に
「セクハラ」「紳士」と呼ばれて自分が分からなくなったことがあるんだぜ

349 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 19:30:39 ID:aY/koGsl
>>348

それは「セクハラ紳士」と言うことですか?

350 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 23:16:07 ID:6QYYO9hx
>>348
それはただの褒め言葉じゃないか

351 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/02/24(日) 23:58:32 ID:5Tp5Xk9M
とりあえずまだ途中だけど河口してうp
ttp://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/2dm80224235725.jpg
後2日くらいかな・・

352 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/02/24(日) 23:59:11 ID:5Tp5Xk9M
×河口
○加工

353 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:16:05 ID:VYZyxNYX
ちょくちょく貼る程のもんじゃない気がするな。

354 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:21:09 ID:lZU/6cAk
SSの前編・後編とは微妙に違うもんな。
完成して初めて表に出てくるものじゃないかな。

355 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/02/25(月) 00:35:34 ID:qOUZbH5t
じゃあ俺も完成途中でとうかすゆー。
「どきどき異端審問!」のアナザーでおます
勿論あの人が被害者です

356 名前:ようぎしゃふざいのだいさいばん ◆mQKcT9WQPM :2008/02/25(月) 00:36:42 ID:qOUZbH5t
厨房で生卵を三つくすねた才人は、それを丸呑みすると、ルイズの部屋に戻ってきた。

「はぁ…疲れた」

言ってベッドに倒れこむ。
今日は本当に疲れた。
流石に花の十代といえども、一日に三人を相手にすればへばりもする。
薬の効果で手助けされたとはいえ、才人は文字通り精も根も尽き果てていた。
さてそれじゃあそろそろひと寝入り…と、移った体温で温かくなったシーツの上でまどろもうとした才人の耳に、金切り声が飛び込んできた。

「いいいいい、犬ぅーっ!」

部屋の主人が真っ赤な顔をして帰ってきた。
言動と表情から、何か怒っているらしい。
才人はベッドの上で大の字、ルイズは入り口で仁王立ち。
やばいまずいこの体勢はストンピングかフットスタンプが来るぞ!
才人は慌てて大事な所を両手でガードする。
しかし。
覚悟を決めて完全ガードを決め込んでいた才人に、いつまで経ってもご主人様のおみ足は降ってこない。
才人はぎゅっと閉じた瞼をそっと開け、部屋の入り口に立つご主人様を見る。
その場所でご主人様は。
先ほどまでの怒り顔とは打って変わり、何かぶつぶつ言いながら急に後ろを向いた。
そして、大きく手を広げて…、何故か深呼吸を始めた。
深呼吸を数回して、ルイズは振り向く。
その顔からは怒りが消えうせ、代わりに貼り付けたような無表情になっていた。
ちょっと口の端が歪に歪んで、右の眉がぴくぴく動いていたが。
そして言った。

「…あ、あんたなんかどうでもいいんだからね。
 べ、別にどうとも思ってないんだから」

何が言いたいのかさっぱりである。
才人はベッドから立ち上がると、満面に疑問を浮かべ、ルイズに尋ねる。

「どしたのルイズ?」
「きょ、興味ないって言ってるの!え、えっと、なんだっけ、そう!
 そこの角で妙な黒い影に取り憑かれたりとかそんなことないんだから!」

言いながらルイズはすたすたと部屋の中に入ってきて、ぼすん!とベッドに腰を下ろす。
ひょっとして、『呪印』の事を言ってるのか?
しかし、才人は知っている。
封印から抜け出した『呪印』はシルフィードが全て回収した。
だから、ルイズのこの言動はおかしい。
ていうか、ころころ変わる表情とか、妙にきつい口ぶりとか、軽く赤く染まった頬とか、ぜんぜん『呪印』に取り憑かれた者の言動ではない。
しかしルイズはそんな才人の嫌疑の視線をものともせず、ベッドの上で足など組み替えてみせる。

「う、うんと、ああ、もう何もする気が起きないわ。
 このまま永遠に寝ちゃおうかしら」

言ってルイズはぽてり、とベッドの上に横になり、目を閉じる。
…何をしたいんだこのご主人様は。
呆れたように立ち尽くす才人と、何かを期待するように狸寝入りをするルイズの間で、きまずい空気がしばらくの間、流れたのだった。

357 名前:ようぎしゃふざいのだいさいばん ◆mQKcT9WQPM :2008/02/25(月) 00:37:10 ID:qOUZbH5t
時は数刻、遡る。

さて、授業が終わった。
礼を終えて、私はそそくさと教室を出る。
次の時間の教室に移動しないといけないし、それに。
…ちょっと、授業の合間に、サイトの顔見てこようかなー、なんて…。
い、いや別に、使い魔見たって元気になんてなんないわよ?
ちょ、ちょっとからかってストレス解消でもしようかな、なんて。
そうよ、さっきの授業でちょっとわからないところあってストレス溜まっちゃったから!そうそう!
そう考えて私は、普段から才人がよくいるゼロセンの格納庫に向かう。
…ちょっと時間ないから、裏庭通って行きましょ。
人気の全くない、日の当たらない裏庭を私は小走りに抜ける。
この裏庭にはいくつか倉庫があるんだけど、物置になってる。
基本的にいらないものを突っ込んでおく場所だから、あんまり人が来ないから、少し荒れてる。
だから、この道はちょっと不気味な雰囲気がある。
…ま、人気ないから逢引なんかにはぴったりだろうけど。
…今度サイト連れ込もうかな。…ここだったらちょっとくらい、ひっついてても誰も見てないし…。
いやそうじゃなくて!今は急がないと!
とか思ってると。
目の前の古い倉庫の扉が突然開き、中から黒髪の女の子が出てきた。
シエスタ?…じゃない、短いポニーテールに、あのトリスタニアじゃあまり見ないぴったりたズボン…。
…なんでここにあのわたあめ姫がいるのよ…。
私はとりあえず手近な物陰に隠れて姫様の様子を観察する。
すると。
その倉庫から、姫様に続くように…。
ああああああああああああああああのばかいぬうううううううううううううう!
ひ、ひとが一生懸命授業受けてる時に姫様とナニやってんのよおおおおおおおおおおおおお!
しかし、私は叫んで飛び出しそうになるのを必死で堪えることができた。
だって、イイコト思いついたから。
そーよ、この事をネタに今夜は思いっきりいじめちゃうんだから。
今どーにかしてもいいけど、それじゃあ趣ってもんがないわ。
ていうかそれじゃワンパターンだしね。
…そーよ、こないだ買ってきたクスリ使って、思いっきりイジメちゃうんだから…!
なんて考えてると、姫様が喋りだした。

「…ありがとうございました、サイト様」
「いや、無事で何よりでしたよ」

…?何のこと?
よく意味のわからない会話に、私は耳をそばだてる。

「でも、そんな変わった生き物が実在するんですのね」
「…俺も最初は冗談だと思ってましたけどね」

…イキモノ?
余計訳が分からなくなってきたわね…。

「あ、でも、サイト様が助けてくださるならまた取り憑かれてもいいかも♪」
「…カンベンしてください…そのたんびにシルフィードの馬鹿に付き合わされるんですよ…」

…やっぱりかあの馬鹿犬わあああああああああああああああ!
…ん?でもチョットマテヨ?
その何か妙なイキモノに取り憑かれると、サイトにシテもらえる…。
んでもって、それはタバサの使い魔が関係してる…。
私はとりあえず二人を吹っ飛ばすのはまた今度にして、タバサの使い魔を捜しに行くことにした。

358 名前:ようぎしゃふざいのだいさいばん ◆mQKcT9WQPM :2008/02/25(月) 00:38:16 ID:qOUZbH5t
「へ?取り憑くイキモノ?
 『呪印』のことなのね?それならあと1匹で最後なのね。
 でももう他の子に取り憑いてるから全部封印できるのもすぐなのね。
 え?ナニ?どういうイキモノなのかって?
 うんとね。『呪印』は人に取り憑いて魔力を食べる生き物なのね。
 取り憑かれた人は心が動かなくなって廃人になっちゃうのね。
 その前に興奮させてもらって身体から追い出さないとダメなのね。きゅいきゅい」

なるほど。
ルイズは納得した。
つまりは、才人はその『呪印』からアンリエッタを助けるために、あそこにいたのだ。
…しかし、興奮させるとは何事。
まあ、その辺は詳しく後で全部まるっと聞かせてもらうことにして。
ルイズは決心する。
『呪印』に取り憑かれたと狂言をぶちあげて、才人に悪戯させる。
そして。
そのあと、『おさまりがつかなくなった』とか何とか言って…!
そんな妄想ににやにやしていると、風韻竜からツッコミが入った。

「…その顔キモいのね」

次の瞬間、風韻竜の顔に、ルイズの拳がめり込んでいた。

359 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/02/25(月) 00:39:22 ID:qOUZbH5t
>>357
×シテもらえる
○何かシテもらえる
あーあ、またやっちゃった。推敲ちゃんとしようぜ俺。

んじゃ世界樹2やりながらねゆ。ノシ

360 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:43:45 ID:YuKNH/MF
これはwktk

361 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:44:00 ID:rUTsqgmK
へんたいさん、GJです
次回は神判編ですか?wktkしながら待ってます

362 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/02/25(月) 00:56:40 ID:BKyrXSlO
せんたいさん乙です。続きwktkで御待ちしております。

363 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 02:10:27 ID:hkObhcFP
ルイズきたきた。
続き楽しみにしてます。

364 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 03:34:03 ID:0uYsWuzu
>>362
コテやめろ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1201941569/
こっち池。氏ね

365 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 03:48:45 ID:WeiVGq+/
>359
へんたいさんいつもながらGJ!
一刻も早く続きplz!!!

>362
こっちはアンタの絵をwktkしながら待ってるんだぜ

>364
コテ叩きイクナイ。
イヤなら個人的にあぼーん設定するが吉。

366 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 03:58:32 ID:tWzBLEGu
>364
>365の通り。何のためのNG設定なのか…
もしIEなどのブラウザを使っているのなら、専ブラ使用をマジオススメする。
>364に幸あらんことを

367 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 04:01:41 ID:MYrqcBnc
捕手

368 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/02/25(月) 04:45:31 ID:BKyrXSlO
>>364
一応紹介いただいたスレに関しても一番最初の絵をUPする時に
考えました。ただそちらは自作絵やパロディー作品の発表場所
というよりも、ネット上にある画像の収拾場の様な様相でしたので、
こちらの方が適切と考えて参加させて頂いている次第です。

一応コテは鬱陶しい人のNG用の為につけさせて頂きました。
今後スレの流れを見て圧倒的多数の閲覧者から退去を命じられたのなら
素直に退散しますが、今は>>365様の様に支持してくださる人がいる限り
描かせていただこうと考えています。ご了承下さい。


>>365
ありがとうございますー。遅筆ですが出来るだけ急ぎますんで。

369 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 05:08:09 ID:1Lta3SRw
つばめ氏はオトナだなー
>>364が哀れに見えてきた

370 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 05:13:29 ID:Pbgpss3X
絵の投稿は大歓迎。
だけどコテ付けて感想とかレスすると馴れ合いになるから付けないのが吉。
名無しの感想なら中身が誰であれ不快に思う人は居ないはず。
作者さん達だって誰も不必要に名乗ってないでしょ?

371 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 08:13:49 ID:gjyb9hlU
名前が消し忘れて残っていたり、
名前消しても同じ日だとIDでわかったりとかもあるんだよね。
そんなの一々気にしてつつくなよ。

そんなことより>>351が404になってるんで再希望

372 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 08:39:46 ID:/T8OUCUE
うへぇ

373 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 09:01:55 ID:YaFuO7yM
>>371
>>371
>>371

374 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 12:40:36 ID:sI0W7Xab
ルイズまたキタ!!(・∀・)
へんたいさんの寸止めはもう様式美みたいになっちゃってるな。
>359はルイズ(へんたいさん?)の本音がこぼれ出たと言うことでw


お前ら!!
せっかく久しぶりにチェリーパイが豊作だって時に他に言うことはないのかよ!!

375 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 17:44:35 ID:JvX5uE87
>>371
それは仕方ない。
ただ必要ないときは名前消す程度の姿勢は示すべきじゃない?

376 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 17:57:13 ID:roQ9NfIg
一時期荒れたから思わず自治に走る気持ちもわかるが……、
>>370とか>>375が言ってる内容も2ch的には正しいが……、
そろそろ、マターリいけないもんかね?
スルースキルは必須だってのも2ch的には正しいよな?
こんな調子じゃ嵐に狙われっちまうよ。
ぐだぐだ争ってられると投下しづらいし。

377 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 18:47:15 ID:ukKSpE2J
まぁ去年は職人や住人達の思いやりがいい方向に働いていたからな

所で思いやりと言えばホワイトデーの時
サイトは何をお返しするのか考えようじゃないか?

378 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 18:52:55 ID:pTGAwsfF
なあ、お前ら 昔ここで俺が言われた台詞だが議論するよりも
SSの感想を書いて職人さんの士気をあげるかSSを書いた方がよくないか
>>359
いつもの事ながらGJ! ルイズがどんどん駄目な人になってるなww
サイトと会う前のルイズが未来の自身の行動を見てなんて思うんだろうなww

379 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 18:58:44 ID:roQ9NfIg
>>377
お返しは俺!とか言うのもおもしろいかもしれんな。

冗談半分で言うのにほぼ全員が本気に取る。
ルイズだと以前のようにこきつかわれ、ただのラブコメでおわるな。
他の人だと……、当然このスレにぴったりの……。

380 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 19:25:54 ID:RcTXmBOh
>>356
しかし、今更ながらサイト、生卵はやばいぞ。
日本じゃ当たり前に食べるが海外のはお勧めできん。
魔法で無菌処理でもされてるなら別だが。

まぁ腹壊したら女の子に看病してもらえるから、それはそれで役得か。


381 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:05:56 ID:hqMBT7BN
コテつけること事態は別に構わないんだが、いつもつけてるとー…って思うんだが
絵をうpする時だけコテでいいんじゃないかい?
勘違いされちゃ何だから言うけど自分も待ってる側の人間


382 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:35:06 ID:SLJ8KNdK
SSに対する挿絵だから角二かここかで意見わかれるからなぁ

一番無難なのは自分でSS書いてそれに自分の挿絵を入れる
それなら文句言われないと思うが。

おれは反対派なんで禁止にしますた

383 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:43:14 ID:NYFSjNdv
そういえば作者さん方が自分の作品に関わる事以外でコテつけて雑談してるの
ほとんど見た事がないな。なぜみんなコテを外すかは推して知るべしだね。
大人な良いスレだと思うよ。

384 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:50:17 ID:jEvBApDv
外国だと生で卵を食べない代わりに、消費期限が日本の3倍近くあるらしいぞ。

トリステインだとどうなるのかな?街から離れてるから近所から毎朝新鮮な卵が届けられるのか、
はたまた防腐処理の魔法とかがあるのか・・・

ところで、防腐魔法は何系統なんだろう?水?風?

385 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:51:17 ID:GAFQ5Jsd
>>384
水じゃないのか?
回復系だからという単純な話だが・・・


386 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:07:07 ID:AmH3rtf2
韻竜も卵なのかが一番重要だと思うんだ
アホ竜の卵食いたいです

387 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:14:24 ID:PtXpwAcG
>>386
ペドにもほどがあるのね!

388 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:25:14 ID:8aRQduzS
人化した幼い韻竜に甘噛みされたい

389 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:39:50 ID:QtGYvJ+U
「オムレツ・・・かに玉・・・」
「おねーさま、竜の卵はおいしくないのねー」

390 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:57:02 ID:IR/RwP5M
>>384
完全に火を通す事が前提だから、割った中身を牛乳パックみたいな入れ物の中に入れて売ってるのもあるぞ
ハワイのスーパーで見かけた時、、ある意味機能的だとは思ったが…アレは食べたくはないとしみじみ思った(w

391 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 04:50:00 ID:pE4sda3U
未完成SSの続きが気になる今日この頃。特に「契約」とか「あなたの未来は〜」
はどうなったのよー?(ノ∀`)

392 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 06:17:42 ID:4uAuHkYa
>>391
作者さんが作品の存在を忘れる訳はないから催促は必要ないと思うんだぜ。

393 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 13:26:43 ID:sJt9JleY
>392
でも、あまり時間が空くと投下しても良いのかと悩むから、たまにはしてほしいって誤爆スレで聞いたぜ?

394 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 14:02:00 ID:UhWSSHX1
もう需要がないとか思ってしまうとかあるのかな

395 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 15:23:55 ID:M2Pxxa8L
だいたいの作品には完結を望むけどなあ。

396 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 15:46:43 ID:Kyfu+ODB
SS職人の方々は誰しも乙女ちっくハート☆をお持ちなのですね

397 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 16:39:46 ID:YDNi3Wbs
「あなたの未来は〜」は、ルイズとサイトの掛け合いで満足できたからいいかな。

398 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:31:37 ID:kJlEtvRG
>>368
挿絵はありがたいし、挿絵職人にコテはあってもいいと思う。
NGにする人だけでなく、その職人の画風が好きな人にとってもいろいろ便利だし。

それとは別の話だけど、新保管庫の画像庫にこれまでの絵をUPしないん? 個人的にはしてほしいけどね。

399 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:39:55 ID:BmE/eG6c
逆に長いSS程終わらせ方を悩んでいて結局放置状態かな?

それをみると不幸せなシリーズを完結させたの凄いと思う。

400 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 20:53:34 ID:BEgm5kKl
>>399
不幸せな〜さ、ふと気になって投下された日付見てみたら、
アン様パートの途中〜最後まで、2008/02/02(土)〜2008/02/17(日)で、
二週間ちょっとしかかかってないんだよね。
その気になればそのぐらいで書けるってことなんだな……

401 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 21:05:25 ID:kgv1Cx3I
溜めてたんじゃね

402 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 21:46:38 ID:sJt9JleY
たまに、神様がまとめて降りてくる事もあるんだよ


なんで順番に来ないのかなぁorz

403 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:05:25 ID:ZrnVuypR
「不幸せな」シリーズを読んで思い出したのが、アガサ・クリスティの
「春にして君を離れ」なんだが、クリスティは何年も構想を練ったあげく、
一週間で書き上げたそうな。
書き上げてからはすっかり精も根も尽き果てて寝込んだそうだが、
「不幸せな」シリーズにもそんな事情があったりするのかな、と思った。

404 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/02/26(火) 22:07:48 ID:6665ty0B
>>398
あ、やっぱり今までうpった挿絵は
一時的じゃなくて、ずっと見れたほうがエエですか?
自分としては一時的なモンかなぁ・・と勝手に思ってました。
というか保管場所ってあったんだ(汗 知らなかった。

405 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:24:50 ID:UhWSSHX1
最近気付いたんだが数スレ前のラストの鼻ちょうちんも205氏だったんだなw

406 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:37:54 ID:HEgbZvDm
>>403
そういや、205氏いわく詳細で丁寧な感想のお陰で構想が膨らんだとか
いうから構想自体はあったんだろうな

407 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:59:49 ID:Sw+/51MG
>392
忘れられてるかと不安な俺が来たんだぜ

どのSSの完結を望む?
もし俺のを望んでるんだったら・・・

408 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:13:23 ID:g0MxXLcd
その前に貴方はどの作者なんだい?

409 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:46:38 ID:hu5YS+X0
保管庫にあるやつで中途のヤツ、気になるの多いな。
前の分はこれ、って示してもらえれば何の問題もないよ。



だからplz!

410 名前:バレット:2008/02/27(水) 00:03:00 ID:i7N0hMVR
流れぶった切って申し訳ないが、本編投稿行かせて貰いまっす。

411 名前:(5):Let’s Go ハーレムへの道:2008/02/27(水) 00:05:30 ID:pMixseN/
夜も更けた女子寮の1室は今、異様な雰囲気に包まれている。

深い青色の長髪を持つ部屋の主は、泣き腫らした切れ長の目の端を引き攣らせ。
髪の色以外はまるで対照的な小柄で短髪の少女は一見無表情ながら、跡が付きそうなほど背丈よりも大きい立派な杖をギリギリと握り締め。
緑の髪の頭1つ飛びぬけた歳の『ドスッ!』ごぐほばっ!?・・・かふっ、妙齢のメガネ美女は杖をまるで何かのプレイ用の鞭のように弄び。
金髪の尖った耳と立派通り越して超(×無限)ご立派な胸が特徴的な少女は1人、オロオロと視線を行ったり来たり。

・・・そして最後に、部屋の真ん中に何とも形容しがたい物体が1つ。

「俺だけ物扱い!?」

地の分に突っ込んではいけない。さっきのでとっくにカラータイマー鳴りっ放しなんです。
物体の正体はサイトであった。ロープの上から泥、更にその周囲を氷で固めた3層構造で拘束されていた。
イザベラ・シャルロット・マチルダの合同作品であった。
しかもシャルロットがありったけの魔力を使って固めたもんだから、彼是半日以上経った今でも溶ける気配はナッシング。
実際にはサイトの体温でジンワリ内部は溶けてるが、むしろ濡れたロープや泥の感触が酷くなって気持ち悪いの何のな状況だ。

「腹減ったろう?土でも食うかい?タップリご馳走してやろうじゃないの」

ニッコリ笑ってマチルダ。
見惚れそうな位綺麗な笑顔ですけど、背後に盛り上がってるのは土の山どころかもはやゴーレムなんですが!?

「・・・この部屋少し暑い。涼しくしてあげる」

こっくり頷きながらシャルロット。
小動物っぽくて可愛いですが、背後に吹き荒れてる吹雪は洒落になりません。涼しい所か凍死しそうですよ!?

「水はどうだいサイト?好きなだけ飲ませてやってもいいよ」

そしてゾクッと来る微笑を浮かべてマチルダ。
うん、強気そうな顔も良いけどこういう優しそうな表情も良い。
でも額にぶっとい青筋立ててなきゃもっと良い。背後にもはやどっかのマンガ忍術みたいに水が龍みたいに渦巻いてなきゃ一番良い!

「さ、3人とも落ち着いて!わ、悪いのはその私の方だし・・・」

唯一サイトを庇ってくれるのはエルフっ子のティファニア。
今の雁字搦めの少年にはまさに天使、もしくは救世主。背後に後光が見えそうだ。
しかし。

「「「アンタ(あなた・テファ)は黙ってな(黙ってて)」」」
「は、はひ・・・ううう、サイトお兄様、ごめんなさい」

三重のドスの利いた声にあえなく撃沈。テファの援護はティッシュ並みに薄かった。
現実は非情なり。


412 名前:(5):Let’s Go ハーレムへの道:2008/02/27(水) 00:07:08 ID:pMixseN/
「さて、アンタが私達に言わなきゃいけない言葉は分かってるわね?」
「ゴメンなさい。本当にゴメンなさい。成り行き上だったとしても浮気して本当にゴメンなさい」

頭を床に擦りつけながら謝罪の言葉を述べる。
もっとも足首から首元まで氷漬けで転がってるんだから元からそんな体勢だ。
土下座なんて出来やしない。物理的な理由で。

「だから頼む、せめてこの氷どうにかしてくれ・・・」

切実だった。というか冗談抜きの懇願だった。
それも仕方ない。実は泥に含まれていた水分も氷結していた上、サイトの体温で溶けた分が服を濡らし、悉く体温を奪っていったのだから。
実際今のサイトの顔面は蒼白、唇は紫で意識も少し混濁状態だったり。
ぶっちゃけ、冗談抜きで凍死ちょっとな状況だった。具体的には棺桶に爪先が入ったぐらい。
・・・微妙だ。

「そ、そうだね、そろそろ許してやろうじゃないの」

一転、慌てて魔法で氷を液状、つまり水に戻して分離させる。
そのままだと部屋が水浸しなので、分離させた水の塊はそのまま開いた窓から外にポイだ。
――――数秒後、水の弾ける音と一緒に外から悲鳴が聞こえたが気にしちゃいけない。
ある程度水分が抜けて泥から土に変わった名残を払うとロープを解いてやる。
その時触れたサイトの肌はとことん冷め切っていた。半日以上氷付けになってりゃ当たり前だ。
それでも自分の力で立ち上がって動ける辺り、サイトもかなり頑丈だった。

「イザベラの手、暖けぇ・・・」

思わず、握り締める。気が抜けて、ホッと息を吐き出す。
イザベラの方は冷たい感触に一瞬手を引っ込めかけたが、すぐにこっちからも手を握り締め返した。
彼女のそれより一回り大きくてややゴツゴツした感触が、何故か心地良い。

「身体が冷たい時にこういう風にしてもらうのって、すっげえホッとするよな」
「そうかい?これぐらいアンタにならいくらだってしてやるよ」
「ん、サンキュ」
「ふふっ・・・」

突発的バカップル発動!2人は良い雰囲気だ!
コレにはシャルロットはプクッと頬を膨らまし、ティファニアは羨ましそうな目でその光景を見つめている。
数分後、いい加減焦れたマチルダのワザとらしい咳払いでようやく2人は離れた。
マチルダの目つきが怖かったのは錯覚ではない。その目は相手の居ない私への当て付けかいゴラァとハッキリと物語って――――・・・
命の危険を感じたのでこの辺にしとこう。ナレーター死亡で強制完結なんてバツが悪すぎる。

とにかく、バカップルは慌てて離れた。

「と、とととりあえず風呂入ってきな!これ以上私の部屋汚されたら堪んないからね!」
「あ、ああ・・・分かったよ」

元妹分現在本妻(予定)な少女のぶっきらぼうな物言いに苦笑が漏れる。
隠しきれてない頬の赤みにいとおしいものを感じて、サイトは昔よくしてたように滑る様に滑らかな髪ををクシャクシャ軽く撫でてから部屋を出て行く。
部屋に残るは女性陣のみ。

さて、本題に入る時間だ。


413 名前:(5):Let’s Go ハーレムへの道:2008/02/27(水) 00:08:36 ID:pMixseN/
「テファも分かってるんだろうね。人の男に手ぇ出したんだからさあ」
「ほ、本当にゴメンなさい、イザベラお姉様!!」
「・・・『お姉様』はいらないよ。イザベラだけで良い」
「・・・わかりました・・・あの、謝って済む事じゃないのは分かってるけど・・・ごめん、なさい。
でも、私、お兄様の事が本気で――――・・・好き、なの」

深々と、金色の頭が下げられる。
見えるのは長い耳ぐらいで表情は全く分からないがそれでも、小さく肩と声が震えているのは嫌でも気付く。
きっと本気で申し訳無く思っているんだろう。ちょっとズレた性格でも、彼女が心優しい性格なのはよく分かっている。
なんかもうもう一言追い討ちかけたら泣き出す事確実だ。誰が好き好んで悪役なんかなりたがる物か。

・・第一、既に愛人1号(シャルロット)が居る時点でこういう事にあーだこーだ言うのが間違ってるような気がしないでもない。
打算が無いでもない。
ティファニア自身アルビオン王家のれっきとした後継者の一員、サイトとそういう関係となればガリアとアルビオン同士更に強固な関係を結べる事になる。
イザベラも国の運営の中心である王家の後継者。そういう考えも出てくるのがむしろ当たり前。

でもそれ以前にティファニアも受け入れるのは―――サイトの為だ。

彼女も混ざれば、サイトもまた嬉しいだろうから。
女として見れば幾分彼女も充分ズレた考えかもしれない。
けれどこれは多分・・・・・・・・・いわゆる惚れた弱みなんだろう。

愛人1号とアイコンタクト。長い付き合いなだけにすぐ意を汲んだ少女はこくりと頷く。

「頭を上げな――別にとって食べやしないよ」

おずおずと頭を上げた妖精に、意地悪だけど優しい王女は男らしい――矛盾してるが、実際そんな感じの笑みを浮かべて見せた。

「そういう事なら、キッチリ最後まで可愛がってもらわなきゃ、ねえ?」


414 名前:バレット:2008/02/27(水) 00:10:20 ID:KhDbLpTE
今回分はこれで完了です。
イザベラとおマチさんの口調が似たり寄ったりで書き分けが難しいぜちくせう。

415 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:11:56 ID:7gvXvggt
>>414
(´-`).。。ooO○◯(GJだが生殺し・・・)

416 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:12:38 ID:WibDqzpQ
>>414
GJ。マチルダが>>411で二人いるが「水」がイザベラで良いのかな?

417 名前:バレット:2008/02/27(水) 00:13:15 ID:KhDbLpTE
あ、あと話を蒸し返してすまないが、自分は挿絵大歓迎です。
その分自分の作品が読んでもらえてるって事で励みになるし、そっからインスピレーション沸く事もあるし。




だからイザベラのエロ絵を誰か描いてくr(コラ)

418 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:13:19 ID:4zdxYPdA
サイト氏ね
誰か分けろ

GJ

419 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:29:42 ID:0qKzus4F
マチルダさんのエロ絵だな・・・

420 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 03:14:26 ID:uYyh+MyV
バレット氏、投下乙です。

マチルダ姉さんが二人……、一人は妖婦フーケ仕様、もう一人は眼鏡っ娘ロングビル仕様。
うん、一粒で二度美味しくて、何の問題もないんだぜ?w

421 名前:痴女109号:2008/02/27(水) 04:16:01 ID:lFefESPD
>>391
「契約」を投稿させてもらった、痴女109号です。
現在、よそのスレッドに長編を書いています(しかも終わる気配が、あんまりない)ので、
いつになるか分かりませんが、……でもいずれ、必ず完成させる気ではいます。

実際、あの当時、書いてる最中に、タバサがあまりにも人間離れした残忍さを発揮するようになり、

(これは……ヤバイか?)

と、びびってしまったのもあります。

でも、いずれは完結させたいので、期待せずにお待ちください。

422 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 06:05:11 ID:asHFxX2U
>>414
バレット氏GJ!でもルイズとかアン様も出てくるんだよね?(;´Д`)

つーか原作でもイザベラフラグ立つよね?(;´Д`)ノボルも更に複雑になるって
言ってるし。。

>>421
痴女氏キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! ちなみに>>391は俺ね。。意を決して
言ってみた甲斐あったよ。。待ってるYo

423 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 07:28:12 ID:ngIsVfp2
>>422
ノボルそんなこと言ってるのかwwww
そういやノボルも相当速筆だよね
14巻はいつだろ
ノボル神このスレ見てそうな気するけど、こんなところ見てないで執筆に戻るんだ!

424 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 08:05:45 ID:JwWctpgM
いや、さすがにイザベラフラグはたたないだろ

425 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 12:35:24 ID:MShvJ9lw
>>424
アホ竜フラグが先とな?!


426 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:18:04 ID:iPvi3t8G
つばめ氏の新作はまだか???

427 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:34:53 ID:YmC6xKFE
>>414
バレット氏新作GJ!
やっぱり職人さんが来るとこのスレは活気付くなあ いいことだ
>>421
痴女氏 期待して待っております

428 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:40:11 ID:dCUpWYeA
俺は林檎氏のメイドになる!の続編を期待してます

429 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 19:55:40 ID:W/hanRQa
リクエストはwikiの各作者さんのページにあるコメント欄にすれば、
スレも消費しないし作者さんも見てないフリして新作投下出来るからいいと思うんだ。

430 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:35:53 ID:0ko3vAvz
お前賢いな
ほめてあげやう

431 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:39:16 ID:WibDqzpQ
>>429
つ飴

432 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:44:31 ID:LoxpWXBU
>>423
やっぱ14巻 3月25日に出ないのか!
最近3か月ペースでなくなってきてるな・・・

正直オレは外伝いらない・・・
そんな暇あるなら是非本編を

多分ホントに面白いのは15巻頃だと踏んでいる
だからさっさと14巻を出してほしい

433 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:48:29 ID:WibDqzpQ
今は新作を2つ抱えてるんだよな。
新作がどんどん出てゼロだけ止まったりして・・・

434 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:49:10 ID:sPW6Bg6J
>>432
実は1000ページぐらいになったので出版が遅れてたりしてなwww

435 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:51:00 ID:eopI9mRW
>>434
いや、ダンバインとネタが被って悩んでるのかも。

436 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:53:04 ID:WibDqzpQ
>>434
なにその終わりのクロニクル。

437 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:21:37 ID:TZ/uj2mV
コンスタントに新刊が出るだけまだマシではあるな。
どこかのスレの人たちは数年ぶりの新刊発売に喜んでるみたいだし。

438 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:25:17 ID:xCdqZqMy
>>414
イザベラかわいいよイザベラ
続き期待してます

>>432
タバサの冒険2のあとがきにノボル神が書いてるように
外伝を書くことによって本編により深みが増すことになるんだったら良いんでないかなあ
ちょっと寄り道して実験的なことするのはどの作者さんにとっても
次の作品に良い影響を与える気がする
とはいえ自分も早く本編の続き読みたいんだっぜ

439 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:27:47 ID:eopI9mRW
ルイズがキンタマ蹴りを繰り返すネタで短編1本上がり、とかはやめて欲しい。

440 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:32:33 ID:sPW6Bg6J
アン様サイト争奪戦復帰かで一本上げて欲しいwww

441 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:32:10 ID:nHJHDwzs
ルイズとのデートで一本短編ができないかな

442 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:29:05 ID:RIaQ8E6p
>>440
俺はそれを待ち続けているのだ

443 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/02/28(木) 17:14:55 ID:cHqGtulo
どうもー。
一週間も御待たせして申し訳なしでありやす。
新しいのできたんでUPしますね。

ttp://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/f2280228171006.jpg

題材はぺとるーしゅか様の作品「星の都」(ttp://zerokan.digital-ark.com/wiki/index.php?25-59)
からです。このノリで受けが良かったら次はキュルケ行こうかと思うんですが
どーですかね??(ソノ場合はオリジナルになっちゃうんですが・・・)

444 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:58:41 ID:Pt+hIeeq
>>443
信じる道を進むべし。

445 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 18:21:29 ID:puxziJK9
>>443
エロイw

会社でずっと、ヒロインみんながツンデレの薬をモンモンに飲まされて
サイトとデートするというのを
仕事中に考えてたw
仕事しろよ俺orz

446 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 19:12:33 ID:5XkgkTgB
そうだ、たまにはモンモンが薬漬けにされるべきだ。

447 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:44:53 ID:5S4ZX37M
>>443
乙。意外な作品に来たな。

448 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:46:51 ID:IfwCG85g
むしろサイトがアニエスに薬漬けにされた後に調教されてアン様に献上されるwww

449 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:02:26 ID:L4e1XYyn
毒手と言うのがある様に、薬手(それか発展型として薬体)があってもいいと思うんだ…
この場合の薬はもちろんそういうものでry

450 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:08:54 ID:puxziJK9
>>448
ヤンデレアン様が嬉しがってるのが想像出来たw
>>449
種馬サイトなら極めそうだなw

451 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/02/28(木) 22:35:16 ID:cHqGtulo
>>398
今までのを補完庫の画像板にUPしました。
後ついでに『ルイズの胸がデカすぎるぞ(#゚Д゚)ゴラァ』等のご指摘
頂いたミスもコソーリ訂正したつもりですw

452 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:57:41 ID:ZhP7Oz8j
>>451

・・・カフッ(吐血)



GJ←血文字のダイイングメッセージ

453 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:03:04 ID:H+9Jd/x3
>>440
432だが

不本意ながらそれはちょっと読みたいwww

だからボルボ氏のSSはツボなんだな。
はやく降臨しないかな。

454 名前:名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:37:46 ID:DKmA3swV
書いてみたいんだがネタが浮かばないぜ

455 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:17:04 ID:rYdHQxWx
>>454
上に書いてあるジャマイカw
24時間ずっとエロ調教されるアン様キボンヌ

その前にボルボ氏がそろそろ来そうだがナーw

456 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:53:21 ID:ng9kN7Wy
サイト「哀 ふるえる哀〜それは〜別れ唄〜♪
     拾う骨も〜燃え尽きて〜濡れる肌も〜土に〜還る〜♪」
ルイズ「何ぶっそうな唄歌ってんのよ」

みたいな電波が来た

457 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 10:14:40 ID:cNkQnir9
荒野を走る 死神の列

458 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 10:37:43 ID:v4NQRi0l
ルイズ「この力解き放つ時♪この時空、桃に染める〜♪派手にいくわDouble-Action!動き出せばクライマックス〜♪」
サイト「こぼれ落ちる砂のように〜♪」
ルイズ「誰も時止められない♪」
二人「その運命を侵すもの〜♪オレが(私が)消してみせる必ず〜♪」

という挿入歌を受信した

459 名前:バレット:2008/03/01(土) 23:15:08 ID:uWThy5c6
諸君、第5話の続きが完成したからぜひとも投下させて欲しい!

460 名前:(5):Let’s Go ハーレムへの道:2008/03/01(土) 23:17:16 ID:uWThy5c6
「あ゛〜〜〜五臓六腑に染み渡る〜〜〜〜」

オヤジへの道一直線の台詞をのたまいながら一気に肩まで湯船に浸かる。
言い回しの使い方が微妙に間違っているがそこはそれ、大体のニュアンスは分かるからほっとこう。大雑把とは言わないで欲しい。

ここは魔法学院の大浴場、その男子風呂だ。
貴族向けの風呂らしくその規模はとんでもない。学院の男子生徒が一斉に入れるだろう。むさ苦しいからそんなの想像したかないけど。
公営プール並みのサイズの浴槽には香水の混じったお湯が張られている。家庭向けの入浴剤の超豪華版みたいな感じだ。
しかし今男子風呂に入っている人間は才人のみである。生徒のほぼ全員はとっくに入った後なのだ。
水滴が濡れた床に滴る反響音が、えらく耳に付いた。

まずお湯を浴びて大雑把に汚れを落としてから湯船に浸かったサイトは、身体が充分温まったと判断すると本格的に身体を洗おうと湯船の中で立ち上がる。
短くない期間鍛錬で鍛えられ実戦で研ぎ澄まされた身体は、しなやかさと逞しさを両立している。
身体に残る大小さまざまな傷がそれを際ださせているが、今日はそれに目を向ける人間はこの場に居な―――――

「サイト、背中流しに来てやったよっ!」
「一緒にお風呂」
「さ、さささサイトお兄様、よろしくお願いします!」

今現れました。つーかここ男子風呂なのに3人とも女性でした。そしてタオル一枚でした。

「イザベもがぶがげべぱっ!!?」

そしてサイト、足を滑らして浴槽内に沈んだ。
う〜〜〜ん、デジャヴ。

「おおおお兄様!?大丈夫ですか!」
「が、がふっ、あ、ああ・・・いやそれよりもさ、何で3人が来んだよ!?ここ男子風呂!」
「別にいいじゃないか、私達以外誰も居ないんだし。それともなんだい、私達と一緒に入りたくないってのかい?」
「いや、大歓迎です。とっても嬉しいですハイ」

即答。人間、本能には中々勝てない。
つーかぶっちゃけ、3人ともエロい。しかもそれぞれ別々のタイプでそんな感じと来たもんだ。
イザベラのバスタオル姿は見た事はあるが、シャルロットとティファニアも特徴的なエロさがある。

シャルロットは一見いつも通りの無表情、しかし頬はハッキリ分かるぐらい朱に染まってどこかモジモジ恥ずかし気だ。
何で風呂場なのにメガネ外してねーんだ、曇るだろうと突っ込んではいけない。
メガネは今や彼女を構成する重要なパーツなのだ。無くてはならない存在なのである。

ティファニアは部屋で彼女からあんな事をしてきたにも関わらずとっても恥ずかしそうにしている。
潤んだ瞳でチラチラこっちを見てくるその様子だけでも悶絶ものだが、目を引かれるのはタオルでは隠しきれない胸だろう。
恥ずかしそうに身を捩る度揺れて今にも飛び出しそうなそれを拝めただけでも死んだっていいだろう。我が生涯に一片の悔い無し!


461 名前:(5):Let’s Go ハーレムへの道:2008/03/01(土) 23:19:12 ID:uWThy5c6
近寄ってきたイザベラに惹かれるまま、サイトは身体を洗う時用の小椅子に腰掛ける。

「い、イザベラ?」
「アンタは黙って座っとくんだよ。身体を洗うのは私達がやってあげるからさ」
「何ですと!?」
「・・・頑張る」
「あの、お兄様はジッとしているだけでいいですから」

そう言うと3人、バスタオルを脱ぎ捨ててサイトの目の前で真っ裸になった。
三者三様の形で備えられた真っ白な胸部装甲の天辺についた1対のさくらんぼが、何だか眩しい。
石鹸を身体にこすり付けて、泡立てる。

「ほっ、うほぉっ!?」

ティファニアが胸側、イザベラが背中側からサイトに抱きついた。
泡立った石鹸のヌルヌル感と2人の肌の滑らかさがいやはやなんともかんとも。
サイズの違いはあれどそれでも同年代より大幅に大きい胸の質感と、その先の乳首のコリコリ感が、イイ。

「泡洗い!?」
「どうだい、気持ち良いかいサイト?」
「お兄様の身体、すっごく逞しいです・・・」

前で後ろで、当たってる塊がグニグニプニプニムニュムニュムニョムニョ。
とっくの昔に股間の相棒は限界どころか天元突破、ティファニアの胸と同じぐらい柔らかい尻の割れ目へと食い込んで自己主張している。
そこでシャルロットの出番だ。四つん這いの体勢でサイトの先端を咥える。
というか、先端だけ責める。
一回りでっぱった部分を小さい口の中一杯で舐め回し、尿道を小さな舌の先でチロチロ穿る。
身体で負けるなら、こちとらテクニックで勝負だ!かかって来い!

「うひゃ、ちょ、シャルロットか!?」
「ん―――――っ・・・ぷはっ」

直接への刺激で更に1段階進化した愚息が露になる。
ティファニアの方もサイトの胸板の感触としりに擦り付けられていたサイト自身による刺激で準備万端、
サイトの腰を汗とお湯以外のもので湿らせていた。

「おにいさまぁ・・・」
「テファ・・・」
「ほら、早く思う存分可愛がってあげたらどうだい」
「でもさ、いいのか?その、イザベラもシャルロットも・・・」

気まずそうな声で才人は聞いたが、返って来たのは背中に抱きついているイザベラの一際力の篭った抱擁である。

「良いったら良いんだよ。テファも本気だし、私達2人も認めてんだからさ」
「私は愛人だから、本妻の決定に口を出すつもりは無い」
「サイトお兄様は・・・私は嫌なんですか?」
「いやいや誰も嫌だって言ってないから!
つーか大歓迎だけどさって痛てててなんでイザベラつねるんだシャルロットもそんな袋を力込めて握っちゃあーっ!!」

女心は複雑なのである。


462 名前:(5):Let’s Go ハーレムへの道:2008/03/01(土) 23:20:14 ID:uWThy5c6
「そのまま腰を下ろして・・・」
「ん、んんんっ・・・・ああ゛っ!」

ティファニアの腰が落ちると、割れ目から鮮血が滲み落ちる。
経験則で今動いたらティファニアには辛かろうと考えたサイトはしばらくの間彼女が膝の上に乗って抱きついてきた体勢のまま、
静かに両腕をハーフエルフの少女の背中に廻してぎゅっと抱き締める。
微かに、ティファニアの身体からこわばりが抜けた。

「ほら、落ち着いて息を吐きな」
「しばらくすれば、楽になる」

経験者2人もアドバイス。予めハッキリとそれぞれの立場が決まっているお陰で、ここまで来るとケンカとは無縁なようである。
痛みを快楽で上書きすべく、蒼の姉妹は金色の少女の身体に触り始めた。

「ひぐぅ、あっ、そこ、や、だめぇ、触られたら、あぁっ」
「それにしても何食ったらこれだけ大きくなるのかねえ」
「・・・少し分けて」

前から後ろからその爆乳をムニュムニュモミモミ。
手の大きさが違う事で微妙に差があるその感触に震えが奔る。
・・・あと、シャルロットの呟きは微妙に切実そうだった。小さい方がそれはそれで味があるんですよ?

「こっちの方はどう?」
「ぬひゃああぁあっ!そ、そこはぁ!」

イザベラの細い指が、チュプッとお尻の割れ目の底の穴に差し込まれた。
そこはあっさり滑らかに動かせる事が出来るぐらいに分泌液が早くも滴っている。
それに応じて、秘裂からは血以外にも透明で少し粘っこい液体も出始めて。

「ひあぁ、そこ、しり、いじっちゃだめ、らめぇ!」
「・・・ここは?」

脇腹を撫でるようにしていたシャルロットが、小さな口ではむっとエルフの血が流れる証ともいえる長い耳の先端を咥える。
そのまま口の中で軽くはみはみ。お尻以上に激しく切なく鳴いた後、サイトの腕の中でくたっとなった。
どうやらお耳がとっても弱いようで。

「そろそろ大丈夫か?」
「は、はい、わ、私が動くから・・・」
「無理すんなよ」
「んっ、んんっ、ふあ、お兄様の、いっぱい、擦れてますっ」


463 名前:(5):Let’s Go ハーレムへの道:2008/03/01(土) 23:21:36 ID:uWThy5c6
ちゅぷっ ちゅぷっ ちゅぷっ

密やかな粘着質の音が響きだした。
力が上手く入らないのか少女2人の補助を借りた、つたない動きだが、その分少女のひたむきさが心身共に伝わってくるというものだ。
もう痛みは殆ど響いてないようで、擦れ合う音が大きくなるのに比例して嬌声も上がる。
結合部から全身に電流が奔る奔る奔る。そこへ胸と耳からイザベラとシャルロットによって快楽を与えられて、ティファニアの意識は既にオーバーフロー寸前だ。
そして意識の高まりに合わせて、サイトを根元まで咥え込んだ膣中も締め付けを増して―――――

どぷどぷどぷどぷっ!!

「あっ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ――――――っ!!」

女人禁制の男子風呂に、ハーフエルフの少女の嬌声が長く木霊した。




「さて、今度は私達が洗ってもらう番だよねぇ」
「・・・中まで、しっかり洗って欲しい///」
「もっちろんvv」

結局イザベラとシャルロットが、身体を洗う筈が膣中から腸内までまでしっかりサイトによって汚される事になったのは言うまでも無い。
そしてついでに途中で目を覚ましたティファニアもその毒牙にかかって、後ろもしっかり中まで洗われたそうな。





・・・失神した全裸の美少女3人を女子寮に運び込むので一苦労する羽目に陥ったのは、まあ天罰といっても差し支えあるまい。


464 名前:バレット:2008/03/01(土) 23:24:35 ID:uWThy5c6
第5話終了。
マンガ版外伝のタバサとかアホ竜とかイザベラとかが原作イラストよりもよっぽどエロいと思うのは俺だけか俺だけなのか。
次回辺り、急展開?

465 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 23:49:11 ID:R2l+H7YT
>>464
新作UP 乙!
サイト氏ね うらやましいぞ畜生

466 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 23:51:52 ID:WqzfxbaB
>>464
毎度GJ!
イザベラがしっかり本妻やってるw
そろそろ授業のシーンとかもあるのかな?楽しみにしてます。

467 名前:バレット:2008/03/02(日) 00:15:33 ID:kjX82W6A
今保管庫(新しい方ね)見たらもうまとめに追加されてた。
スレ投下40分でまとめ更新ってどんだけー!?

468 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:32:00 ID:cNB56StH
>>467
GJです!

http://zerokan.digital-ark.com/
こっちですね、念のため誘導


更新早いのは素晴らしい

469 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:26:07 ID:at144ybq
バレット氏のバはバカエロのバ!!(・∀・)

素晴らしい!!

470 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 12:45:45 ID:s8zROeHr
どうぞどうぞ

471 名前:27-616:2008/03/02(日) 20:30:10 ID:RAGvR93E
ちょっとご報告させていただきます。
>>468の方の新保管庫の管理人です。

設置の報告後本スレに書き込みしておりませんでしたが、
新保管庫は現在すでに本稼動可能です。
本スレへの告知が遅くなって申し訳ありませんでした。

472 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 20:48:04 ID:HcVlbSgq
pspだと文字化けが酷くて厳しい。

473 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 20:50:09 ID:HcVlbSgq
pspだと文字化けが酷くて厳しい。

474 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 20:52:33 ID:HcVlbSgq
すまん、ミスった。

475 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 20:56:44 ID:On7+jKvz
>>471
乙です。


476 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 20:57:52 ID:TLmJU7Yy
>>471
本格稼働開始報告待ってました!
前の保管庫だと微妙にブラウザとの相性が悪かったのがこちらだと問題ないので助かってます。
ありがとうございます。

477 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:04:16 ID:wDIPzzZe
>>473
pspて……いつぞやのリア厨じゃあるまいし、PCで見れ

478 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:05:40 ID:y6uXP3Q8
というか本人じゃないか?

479 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:07:29 ID:tWxPD/Sn
本人はもうアク禁されてるんじゃ?
それとも旧保管庫のこと言ってんのか

480 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:26:18 ID:LXKbH56H
旧、じゃないだろw現役だよ

481 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 22:13:05 ID:IDdvrEct
ジャン・ジャック・フランシス・ド・バウアーさんの武勇伝が聞けるスレはここですか?

482 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 22:33:48 ID:NbAQtHcF
それはこっちだ同志>>481

ttp://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/army/1201970134/

483 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/02(日) 22:35:06 ID:iV5TnGt+
さて、おそくなったけど
>>356の続きです

…最近遅筆になってきたなぁ…もうトシかなあ…
(sマブラのやりすぎだということはない決して)

484 名前:ようぎしゃふざいのだいさいばん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/02(日) 22:36:34 ID:iV5TnGt+
そして現在。ルイズの部屋では。
どうしようもないほど気まずい空気が辺りに満ちていた。
…どないせえと。
と呆然と立ち尽くす才人と、
…なんで何もしないのよ。
と察しの悪い使い魔に苛立つルイズの思惑が見事に絡み合い、完全なる調和をもってきまずい空気を抽出していた。
こういう所だけは見事に気の合う二人であった。
そして、先に沈黙に耐えられなくなったのは、仕掛けを垂らした釣り人の方。

「…あのねえ」

何もしてこない才人に業を煮やし、ルイズは上半身だけを起き上がらせ、半眼で才人を睨む。

「あんたねえ!ご主人様の様子がおかしいのに、どうとも思わないわけ?」

…どこから突っ込んでいいのやら。
突っ込みどころ過積載なご主人様の言動に、才人は呆れたように応えた。

「…普段と変わらないように見えるけど」

ルイズは思わずはっとして、もう一度無表情のふりをする。
しかしそれはうまくいかず、顔のあちこちがへんに突っ張って、ぎこちない笑顔のように見えた。
そしてそのぎこちない顔のまま、ルイズは言う。

「だ、だってほら。今だって何も感じないもの。
 サイトはおかしくなくても、私の中はおかしいのよ。わかる?」

そう言われてもよくわからない。
才人はとりあえず、ルイズが何をしているつもりなのか、考えてみる。
そしてすぐ思いつく。
ひょっとして。
ひょっとしてルイズは、どこからか『呪印』の情報を手に入れて、そして、取り憑かれたという大義名分でもって、自分に悪戯させようとしているのではないのだろうか。
恐ろしく正鵠を射た発想だったが、残念な事に今の才人は種切れである。

「…ごめん、ルイズ。今そういう気分じゃないんだ」

そう言って才人は背中を向け、部屋を出て行こうとする。
もちろん、ルイズのいない静かな所でひと寝入りするつもりだった。
そして、予想外の才人の反応に、ルイズの目が点になった。
もちろん、ルイズは食い下がる。

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

今度は、演技ではなく素の表情で、背後から才人に抱きついた。
その顔は、半分怒っているような、半分泣いているような、奇妙な表情だった。
当然、才人からはその表情は見えない。
ったくしょうがねえなあ、などと思いながら、どう言って退散しようか、などと考えている才人に、ルイズの先制攻撃が飛んできた。

「…私には、してくれないんだ」
「へ?」
「…他のコにはいろいろしたのに、私にはしてくれないんだ?」
「…あ、あのーう?」

この声が、少しでも悲哀の篭ったものだったなら、ちょっとは才人も振り向く気になっただろう

485 名前:ようぎしゃふざいのだいさいばん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/02(日) 22:37:17 ID:iV5TnGt+
しかし。

「いー加減にしなさいよこの種馬ーっ!」

完全にその声は怒り声だった。
背後を取って完全な優位にあるルイズは、そのまま腕を絡めて遠慮なく才人の喉笛を締め上げた。

「ぐええ!しっ、締まる締まるっ!」
「いっぺんあの世で去勢してもらってきなさいよこのバカ犬ぅーっ!」
「ぐへ…ごほ」

最後の締め付けが綺麗に入り、才人の目がぐりん、と回る。
完璧に落ちた。
その場でくたん、とくずおれた才人を見て、ルイズは慌てる。

「あっ、あれっ?だ、大丈夫よね?ね、サイト?」
「…締め技まで伝説級かよ嬢ちゃん…」

壁に立てかけられて、半分埃に塗れた伝説が、呆れたように呟いた。


ふぅ、よかった。息してる。
サイトは気絶してるだけだった。
…でもまさか、あそこまでやっても何の興味も示さないなんて。
察しが悪いにも程があるわよ全く。
ふんとに、ご主人様が、『呪印』に憑かれたかもしれないってのに。
私は足元で伸びているサイトを見下ろしながら、ちょっとムカついていた。
ほんとにねー、この天然鈍感男はどーにかしないと。
いっぺん、徹底的に精神的に服従させないとダメよね。
私はその方法を考える。
やっぱりアレよ、私が欲しくて欲しくてたまらない、ってのが足りないのよ最近。
ちょっと身体許したらすぐいい気になるんだから。やっぱ『お預け』が足りないのよ。
…そーいえば、あの薬があったわね。
…そうだ。アレ使って、あーしてこーして…。
うふ。うふふふふふふふふふうふふふふふふふふ。
いーいこと思いついちゃった♪
私はサイトを見下ろしながら、自分の想像に笑いが止まらなくなった。
怖い!私、自分の才能が怖いわ!
そうよ、これで私は主人の威厳を取り戻すのよ!
うふふふふふふ。うふ。ふふあはははははははははははははははははは!

「こえーよ嬢ちゃん…」

うっさい黙れ伝説のナマクラ。
私は作戦に邪魔な錆びた棒を、布でくるんで箪笥の中に放り込んだ。

486 名前:ようぎしゃふざいのだいさいばん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/02(日) 22:37:59 ID:iV5TnGt+
才人が目を醒ますと、例によって例の如く。
全裸で手首足首を縄で縛られてベッドの上に転がされていた。
またか。またなのか。
しかし、才人があきれ返るより先に。

「ようやくお目覚めかしら?」

才人の右側から、聴き慣れた声が聞こえた。
才人がそちらを向くと、やはりそこにはルイズがいた。
こちらは才人と違い、いつもどおりのトリステイン魔法学院の制服で、頬杖などつきながらうつ伏せに寝転んでいる。
満面の笑顔だが、笑っていない目が怖い。

「あ、あのーう?」

大体ナニをされるか想像のついた才人だったが、とりあえずこの状況では抵抗は無駄である。
不安そうに自分を見つめる才人に、ルイズは笑顔のまま言った。

「さて。見てのとおりご主人様は大変ご立腹です」
「わ、笑ってるように見えるけど」
「うん。ちょっと今から楽しい事しようと思ってね?
 まあ分かってるとは思うけど、楽しむのは私でアンタは楽しめないでしょうけど」

笑顔のまま恐ろしい事を言い放ち、そして。
ルイズは起き上がると、才人に跨ってそのお腹の上に腰をぺたん、と下ろした。
そして笑顔で言う。

「うふふ…それじゃあ、今からちょっとした質問をするわよ?」
「い、いやルイズちょっと待って?」
「質問するのはこっち…だけどまあいいわ。聞いてあげる」
「なんか…肌が密着してるカンジがするんですが」
「だって私はいてないもの」

驚愕の事実をさらっと口にして、ルイズはスカートをたくしあげる。
黒いニーハイソックスと短いプリーツの下から覗く白いブラウスの裾が作り出す絶対領域には。
本来存在するはずの、布の三角形が存在していなかった。
そこにあったのは、ルイズの桜色の髪と同じ色の陰毛が彩る、真っ白な肌と、その隙間から覗く桃色の牝の唇。

「お、おま、な、なにやってっ」

思わず突っ込む才人の唇を、ルイズは右の人差し指で塞いだ。

「はい黙るー。しっかりおっ立てて何か言っても無駄だからね」

ルイズの言うとおり。
主人の晒された恥部を見た才人は、問答無用でいきり立ってしまった。
今朝から、何回も搾り取られているというのにである。
そして、それと同時に襲い来る牡の本能。
もっと、ルイズを見たい。目の前の牝を蹂躙したい。本能の赴くままに、交わりたい。
しかし、ルイズは、お尻の後ろに熱源を感じた瞬間、無情にもスカートを下ろしてしまう。

487 名前:ようぎしゃふざいのだいさいばん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/02(日) 22:38:55 ID:iV5TnGt+
「はい、お預け。見たかったら質問に応えなさい?」

言って、息がかかりそうな距離まで顔を寄せ、少し桜色に染まった頬で淫靡に笑う。
才人は、それに従うしかないわけで。

「わ、わかったよ」
「じゃあ聞くわよ。
 犬は、『呪印』に取り憑かれたかもしれないご主人様を放置しました。どうしてですか?」

…ナニを今更。

「いやだって『呪印』封印した後だったし。それに『呪印』じゃなかっただろ」
「はい減点」

ルイズはまともに答えた才人に、笑顔のままでこぴんをかます。
そして意外な行動に出る。
おもむろにブラウスの前をはだけて、平坦だが柔らかい胸板を、才人の胸板に密着させたのである。
ルイズの髪の臭いと、なんともいえない絶妙な弾力が、才人の牡を刺激する。
更にいきり立つ己を感じながら、才人は慌てる。

「ちょっ、ルイズっ?」
「今からスーパー罰点タイムです。まずは、こすっちゃおうかな」

そう言ってルイズは、裸の股間を、真っ赤に充血して天を衝く使い魔の煩悩に押し当てる。
そして軽く押し当てて、上下にゆっくりと、じっくりと、温度と触感を愉しむように腰を動かす。

「くぁ…っ!」

その刺激に才人の喉から喘ぎが漏れる。
竿の外側を牝で擦られるだけの刺激だったが、胸板に感じるルイズの温度と弾力、そして髪のにおいが、才人の性感を加速させていた。
しかしその刺激はすぐに止む。
ルイズは三度ほど才人の竿を擦ると、元の位置に戻って、服装を正してしまう。

「え…?」

そのまま行為に至るかと期待していた才人だったが、思わぬ肩透かしに、呆けてしまう。
ルイズは才人の焦燥感すら感じる表情に、ある種の満足を感じながら、酷薄な笑みを浮かべて言う。

「はい、お預けぇ。続きが欲しい変態ワンちゃんは、次の質問にも応えること」
「は、はいっ」

すでに限界まで焦らされている才人には、そう応えるしかなかった。
ルイズは満足そうに頷くと、質問に入る。

「次のしつもぉん。
 ヒラガサイトはどこのだれの飼い犬ちゃんですか?」
「え、えっと」

どう応えたものか。
湧き上がった脳みそで必死に才人は考える。
ルイズは、間違えたらエロいことしてくれるんだよな。
…でも待てよ?間違えたからお預けなわけで、正解なら最後までいけるってことか?
しかし。
必死に考えているうちに、ルイズの顔はあっという間に不機嫌になっていった。
沸きあがった頭で必死に考える才人には、その光景は目に入っていなかった。

488 名前:ようぎしゃふざいのだいさいばん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/02(日) 22:39:31 ID:iV5TnGt+
「ぶっぶー。時間切れ」
「え?」

時間切れなんてありかよ、と思った才人だったが、それについて文句を言う前にルイズが行動に出た。
ルイズはおもむろに立ち上がり、才人をまたいでベッドの上に仁王立ちで立つ。
ベッドの上に転がされて横たわる才人からは、そのスカートの中が丸見えだった。

「主人に対する忠誠心がなっちゃいないわね。はい、減点2ー。」
「じ、時間制限あるなんて聞いてな」
「言ってないもん。当然でしょ?
 はーい、すぅぱぁ罰点たーいむ」

ルイズはそう言っておもむろに右足を持ち上げる。
そして。
完全にいきり立った才人の肉棒を、腹の上に押し付けるように右足の裏で踏みつけた。
痛みと同時に、才人の中に屈辱感と、快感の電流が走る。

「ちょっ、ルイズそれっ」

荒い息をつき、喘ぐ才人に、ルイズは見下したような視線を投げかける。
その視線にすら、才人は背徳的な快感を覚える。

「踏まれてキモチいいんだ…。
 ほっっっんと、どーしよーもない変態犬ねぇ…♪」

快楽に必死に耐える才人の表情に、これ以上ないほどの優越感を感じながら、ルイズは足で才人の一物を踏み潰したまま、それをぐにぐにと左右にこね回す。
それに耐え切れなくなった才人が悲鳴をあげる。

「ちょ、まってルイズっ、そんなしたらっ」

そして、それが限界の合図だった。

びゅびゅっ!

才人の先から白濁が飛び散り、大半は才人の身体を、一部はルイズの黒いニーソックスを汚す。
ルイズは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに元のような酷薄な笑顔になると、才人に言った。

「はやすぎ。減点3」
「い、いやだって」
「言い訳禁止。それに、ご主人様のソックス汚しちゃって…どうすんのよもう」

ならしなきゃいいじゃん、と突っ込もうと思ったが、どうやらそういう空気ではないらしい。
ルイズはまだ硬さを失わない才人を確認してに満足そうに微笑むと、白濁で汚れた才人の腹部に腰を下ろして、言った。

「それじゃあ、踏まれて感じて射精しちゃう変態犬に最後の質問です。
 …ご主人様を抱きたいですか?」

489 名前:ようぎしゃふざいのだいさいばん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/02(日) 22:40:04 ID:iV5TnGt+
ごくり、と才人の喉が鳴る。
果たして、そのまま欲望を口にしていいのか。
しかし、先ほどの事もある。
時間が来る前に、才人は応えた。

「ルイズと、したい」

この答えで間違いない。
何故なら。
白濁で滑る自分の上で、ルイズの腰がもじもじと蠢いていたからだ。
その股間は、才人の白濁とは違う質感の液体で濡れていた。
必死に訴える才人の顔を、ルイズはじっと覗きこむ。
そして。
にっこり笑って、こう言った。

「よくできました。
 でも、タダじゃさせてあげない」

言いながら、屹立した才人を立てひざで跨ぐ。
股間は、ルイズの愛液と、絡みついた才人の精液で汚れきっていた。
再び、才人の喉がごくりと鳴る。
どうすれば、と視線で投げかける才人に、ルイズは応えた。

「愛してるって言って。大好きって言いながら…して」
「分かった。愛してるよ…ルイズ」

間をおかずに応えた才人に、ルイズはこれ以上ないほど幸せそうな笑顔で、応えた。

「よくできました…」

ぶちゅうっ…。

言いながら、粘膜の絡みつく音を立てつつ、腰を下ろす。
あっという間に、ルイズは才人をくわえ込んでしまった。
そのままルイズは才人の胸板に倒れこんで、唇を重ねる。
その間も、腰を上下に動かし、才人を責め続ける。

「大好きだよ、ルイズっ、ルイズっ!」
「もっと、もっと言って!
 お願い、サイトぉ!」

才人も腰を使い、ルイズの動きに応える。
互いを呼び合う声と腰を打ち付けあう音と粘膜の弾ける音が、部屋の中に響き渡る。

「ルイズっ、ルイズっ、ルイズぅっ!」
「あっ、サイトっ、いくの、サイト、わたしいっちゃうのっ!」

先に限界を迎えたのはルイズの方。
膣が収縮すると同時に最奥まで才人を咥え込む。
ぎゅうぎゅうと締め付ける主人の肉襞に、使い魔の肉棒が吼える。

どくどくどくぅっ!

先ほど射精下にも拘らず、才人の迸りはルイズの膣内を満たした。
ルイズは子宮が灼かれるのを感じながら、才人の唇を塞いだ。

490 名前:ようぎしゃふざいのだいさいばん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/02(日) 22:40:35 ID:iV5TnGt+
そして。
なんで縮こまらないんだ俺の暴れん坊将軍っ!?
俺の上でくったりしているルイズの中で、俺の暴れん坊はギンギンだった。
あんだけ出したのに!なんでっ?
それに気付いたのか、ルイズがむっくりと起き上がった。
そして。
下腹部を手で押さえ…ってちょっとうわっ!?
お腹の上から手コキっすかっ?

「うふふ…お薬、利いてるみたいね…♪」

ルイズはそう言いながら、下腹部の、俺の入っているところを、丹念にマッサージする。。
…っておい。薬ってナニー?

「んー?ちょっと寝てる間にサイトに飲ませたのよ。
 半日勃起が納まらなくなるお・く・す・り♪」

って待てちょっと待て!
俺今日は何発も出してもう…。
しかし、ルイズはそんな俺の話など聞くはずもなく。
うっとりした顔で、言った。

「うふふ…♪出なくなるまで、搾り取ってあげる…♪
 今日はいっぱい、いーっぱい、可愛がってあげるからね♪」

言いながら、奥まで俺をくわえ込んで、腰をぐりんぐりん動かし始めた。
まって待ってマジ死ぬ俺死ぬ!
赤玉出るーーーーーーっ!!


次の日。
やけにやつれた才人は、養護室に担ぎ込まれる事になる。
診断は『過労』とのことだった。
そしてお見舞いにやってきた韻竜はこうのたまったという。

「ヤりすぎなのね。少しは自重しろなのね」
「原因はお前だろうがーっ!」

いけしゃあしゃあとゆで卵一ダースをお見舞いに持ってきたシルフィードの脳天に、才人の手刀が突き刺さったのだった。〜fin

491 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/02(日) 22:42:24 ID:iV5TnGt+
はい終わり。
あんだけ伸ばしといてこんなオチ。どんだけぇー。

けしてながも○のふぃぐまを愛でていたから手が抜けているとかそう言うわけでは(ry

では明日も仕事なのでこの辺でノシ

492 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:34:56 ID:yCu9PbxW
>>491
せんたいさん 乙! サイトの奴は果報者だな

493 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 00:30:29 ID:q+Ea0ZEU
>>491
へ……せんたいさんGJ!
ちょうどこういうエロルイズ分が足りなかったんだよ。
あといつもながらきゅいきゅいがアホかわいくていいな。

494 名前:アトピック ◆xsDbUITz4M :2008/03/03(月) 01:13:06 ID:yw9M2Ema
「目が覚めましたか?ミョズニトニルン」
(ここは…?)

女の声が響き、シェフィールドは目を覚ました。が、開かれた目には光が差し込むことはなく。そこは
暗闇の世界だった。

(そうだ、私は……)

トリステイン軍とガリア軍の決戦…いや、正確にはジョセフ軍とハルケギニア連合といった方が正しい
か。ともかく戦争があって、負けた。ジョセフ様は捕らえられ、私は殺された、死んだはずだがこれは
一体・・・。

「あなたを蘇生させるのには金がかかりましたよ。エルフから聞き出した特製の秘薬でね。」

自分の状況を確認する、目はおそらく目隠しされているのであろう。両手は背に回され縛られている。
椅子のようなものに座らされており、両足はついているもののあまりよく動かせない。

「ふふふ、こうしてみると無様ですね。これが虚無の使い魔とは、とてもとても」

甲高い女の声が気に障る、私はせめてその女を黙らせようと魔法の詠唱を試みる、が。

(!!何だ!?なにかがおかしいぞ!?)
「あら?何か喚いていますね、ふふ。驚いていますね、そうですよねぇ、自分の歯が一本もないんですから」

なんという事だろう、私の歯が一本残らず姿を消してしまっていた。

「魔法を使われると厄介ですから、摘出させてもらいました。あと自殺も面倒ですからね。脚はちょっと
 腱の方をプチッとね。」
「〜〜〜〜〜〜」
「あと声帯も摘出しましたから、声事体も出せませんよ。ああ、目はきちんと残してあげてますから
 心配しないでください。」
「〜〜〜、〜〜〜。」
「煩い!!」

パシィィィンと良い音が響き、頬に痛みが走る。

「自己紹介はまだでしたね、姿はみえませんけど。声は聞いた事があるでしょう?トリステイン王女、
 アンリエッタでございます。」
「・・・・・」
「それにしてもミョズニトニルン、少し儀礼をわきまえたらどうですか?人と会うのに全裸というのは
 少し・・・もしかしてその手の方ですか?」

自らをアンリエッタと名乗る女の言葉を受け、私はもう一つの事実を突きつけられる。そう、衣服を身に
まとっていないのだ。

「まったくです…ね!」

ガコンと椅子が蹴っ飛ばされたのか、私はそのまま吹っ飛んだ。

「そろそろ本題にうつさせてもらいますか、きなさい!」

倒れた私を誰かが抱き起こして、膝の上に座らせられる。

495 名前:アトピック ◆xsDbUITz4M :2008/03/03(月) 01:13:59 ID:yw9M2Ema
「〜……!!」

脚を開かされ、無理やり大事な所に指を突き入れられ掻き回された。

「ふふふ、感じやすいんですね。ジョセフ王には毎晩このように可愛がられていたんですか?この売女!」

胸が揉みしたかれ、乳首は指先で弄ばれる。私は悲鳴をあげようとするが、声が上手くだせない。

「そういえばアンドバリの指輪・・・でしたっけ、あれには大層手を焼かされましたよ。」
「……!!」
「特にウェールズ様、彼を使っての策は…やってくれましたね。あれは今思い返しても腸が煮えくり返りま
 すわ。ああ、忌々しい。でも、その指輪も今は私の手元に。ふふふ」

そのセリフに私に嫌な予感がよぎる。

「あなたには、あの時に受けた屈辱を受けてもらいますよ。ふふふふ、あはっはっはっははは」

ま、まさか……。この背後にいる者は……。

「〜〜〜!!」

股が裂ける痛みが私を襲う。

「そうそう、あなたを治す時についでに処女膜の方も再生させてあげました。二度も殿方に処女を奪われる
 なんて経験普通は味わえませんよ。よかったですね。」

そのまま、押し倒され獣のように犯される。

「やはり、あなたの初めての相手はジョセフだったのでしょうかね?ふふふ」
(ジョセフ様……)

おそらく、私を犯しているのは指輪に操られたジョセフ様だろう。やがて、腹の中から熱い何かが吐き出された。

「あらあら、もう果てましたか。そのままその女に綺麗にしてもらったらどうですか?」

熱く、特有の臭みのある物が口に押し付けられる。
(これがジョセフ様のものなら……)
操られているとはいえ、敬愛するジョセフ様の物だ。私は自らの意思でその物を受け入れた。
歯がない分、吸い付く事が容易になった。そして私は舌を動かして奉仕する。

496 名前:アトピック ◆xsDbUITz4M :2008/03/03(月) 01:14:45 ID:yw9M2Ema
「いやらしいですわね。おいしそうにそんなものにむしゃぶりついて。」

ドクンッと肉棒が脈を打ち、粘っこい液が口内に出される。私はそれを咽ないように飲み干した。

「ずいぶん、たのしんでますね。それでは今度は顔を見ながら楽しんでくださいね。」

するりと目隠しが外される、目に光が差し込みくらっとするも、次第に光に慣れてくる。
ぼんやりとした目の前の男、ジョセフ様の顔がはっきり、はっきり……

「!!」
「あっはっは、何をびっくりしてるんですか!目の前の男がジョセフとでも思いましたか!」

目の前にいたのは見たこともない下品そうな顔立ちの男だった。

「あなたと同じ事をやるとでも!見損なうな!下賎な者め!ジョセフなぞはいまごろ市中でその首を
 さらしておるわ!!」

ぞろぞろ下卑た笑いを浮かべた男達が私を取り囲む。

「あなたにはせいぜい重犯罪人達の慰め者になってもらうわ、でもいいわよね。そんな見も知らぬ男
 の一物を美味しそうに頬張っていたんですものね。」

甲高い声を出し、アンリエッタは去っていき。私は絶望に打ちひしがれた・・・。

497 名前:アトピック ◆xsDbUITz4M :2008/03/03(月) 01:16:44 ID:yw9M2Ema
すまない、黒いアン様を書きたかったんだ。保管庫みてたらいつもヤラれて
ばっかだったから、つい。

せんたいさん、GJです。
キュイキュイ良い味だしてるよなぁ。

498 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 01:19:06 ID:HsIwZl8I
>>497
そういうあんたもGJじゃないか…

499 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/03/03(月) 02:02:06 ID:uHlp/o0n
新しいのが出来たのでうp。
ttp://upload.fam.cx/cgi-bin/img-box/xju80303020012.jpg
キュルケは絶対一・二回はタバサを召し上がってる気がしてならんのですよ(笑

ところで、今まではあぷろだにUPしてましたが、今後は保管庫にUPして
其処にリンクはってエエんでしょうか??

500 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/03/03(月) 02:09:33 ID:uHlp/o0n
ちなみに次回はメインヒロイン一周してまたアン様を予定。
ティファニア描きたいんですが見てのとおり絵柄アニメ版寄りなんで
未だ彼女に関しては資料が少なすぎてちょっと厳しいかも・・・
兎塚ネ申の方はとてもつばめごときの腕じゃ模倣すら困難です(涙
三期の情報が早く開示されればエエんですがね(汗

501 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 02:17:58 ID:GdNFlsEJ
気色悪い

502 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 03:06:54 ID:fNATjggz
>500
ボルボX氏のアン様調教ネタで挿してくれー
ヨロシク

503 名前:つばめ(また挿してみた。) ◆yITSNv0Kls :2008/03/03(月) 03:51:58 ID:uHlp/o0n
>>501
(T-T)
>>502
了解。んじゃ次はそれで行きます。

504 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 04:09:29 ID:D2YOVRu/
なんつうか…少し自己主張激しすぎないか?
いいから自分でHP作ってそこでやれよ

505 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 04:59:57 ID:1TtCDyZj
久々に来て詳細な流れまでは知らないけれど・・・ 
>>503多少自己主張が激しいと思いますね。 
自分の絵に感想を貰いたいというのは当然ですし、スレの住人期待されたい、又知名度を上げたい(一括りにすれば人気になりたい)と思うのは自然過ぎる位に当然の事です。
ただ、エロパロ板の他ほとんどのスレでは、コテを付けて馴れ合い、作品の評価をしている人はいません。皆自分の技量で頑張っています。
要望に応えるという事を伝える返信程度なら普通ですが、私の主観では、それを多少逸脱しているようにも感じました。
やはりコテを付けるのは必要最低限程度に留めた方がいいと思います。それが一種のマナーみたいなものですしね。
無意味にコテを付けていると、皆潜在的に嫌悪を感じてしまいますので、やはりそういう意味でも多少自重していただけると嬉しいです。
 
長々と失礼しました。

506 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 05:47:18 ID:/lkX6p7I
オッパイノペラペラルイズ!

507 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 08:07:56 ID:uqJhXHaC
絵を描いたときにそれを告知したり感想をもらえる場としてここを使うのは良いんでない?

自己主張が強いかどうかだけど、作者の意見数>他の人の感想数 だとそう見えやすいと思うよ。

508 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 08:12:02 ID:9j2WnsxS
絵は別に見ないからどうでもいいけど空気くらい読めないのかねと思わなくも

509 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 08:18:13 ID:IrWovvOf
>>505
お前里香スレにもいなかったか?

それはともかくつばめ氏は馴れ合いが目に付くな。
あんだけ言われてこれって中の人は中学生かなにか?
いい加減他の職人さん見てスレの空気読んだ方がいいと思うんだ。

510 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 09:09:19 ID:hFu73PCb
それは中学生に失礼だろ

511 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 09:45:17 ID:xoyXcQDt
せっかく来てくれる絵職人にオマエラ本気で冷たいな。
デカイ態度で出ればキレるし、お礼をすれば馴れ合いと罵り
どーすりゃ気に入るんだよ。

512 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 10:04:55 ID:+IPgwtXM
>503
wktkしながら待ってます!
エロいアン様が楽しみです!

>505>509
うざかったらスルー汁。絵師さんが居にくい雰囲気にしてどーする。
イヤだったらコテハンで透明あぼーんしとけばいいじゃん


513 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 10:08:06 ID:xoyXcQDt
>>512
同意。ウザけりゃNGしとけよ。本人がそうできるように
コテつけたんだろうが。>>343読めや
つばめサン、挿絵職人自体が希少種な上に、腕前結構エエと
思うからがんばれ。オレは期待してる。

514 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 10:13:18 ID:Q1uscb+N
じゃあ、連鎖あぼーんするから感想書くときは全部安価つけてくれ

515 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 11:47:58 ID:eoiO1DOo
>>497
隠れリョナ属性の俺としては非常にGJ

516 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 12:39:16 ID:hSDr/tru
つばめ氏の誘い受けに辟易してきた。
>510 黙っとけばいいと思うよ

517 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 13:07:47 ID:eoiO1DOo
しかしあれだな。どちらに非がある関係なしに、自分が出るたびに荒れるスレを見て
それでもコテを続けられる神経が凄いわ。俺なら自分に非がなくてもコテ外すけどな。
好きなスレが荒れるのは忍びないしさ

518 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 13:47:00 ID:IrWovvOf
>>514に同意。
まあ感想書く人に指図なんて出来るわけ無いけど荒れない為にと思ってここはひとつ。

519 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 14:18:52 ID:2On4MnJU
なんていうか ここを某動画サイトと一緒の感覚でやってません?
あそこはあそこ ここはここのある程度のルールがあると思うんですが

520 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 14:22:41 ID:IrWovvOf
>>519
僕読解力ないのでつばめ氏に言ってるのか批判側にいってるのかよくわからないです><


521 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 14:24:56 ID:xoyXcQDt
つかもうやめれ。荒れまくって職人来なくなるぞ。

522 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 15:57:23 ID:WJDcB/Sn
馴れ合いとかいうけど
絵を描いてくれるだけで俺は全肯定だけどな

SS書いてくれる職人も絵師さんもいてくれる
いいスレじゃんか

挿してみた氏は気にせず挿したりレスしたりしてくれ
おながい

523 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 16:17:52 ID:osw4VlLM
なんか最近定期的に荒れるな

524 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 16:22:00 ID:7a4cImij
それにしても無意味な荒れ方だな
吹き飛ばす意味で職人さんの降臨を切に願う

525 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:29:10 ID:eZKIL3uQ
つうか、つばめ氏を叩いてる連中はちゃんとスレ読んでんのかよ?
俺には普通にみんなの為に挿絵を入れてくれて、
感想に丁寧にお礼して荒らしまがいの奴にもまじめに対応してる
いい人にしか見えんのだがな??俺がおかしいのかよ?


>>499
超乙。こういう世界もあるのか(笑
次回のアン様楽しみにしてる。個人的にはそっちの絵柄で
イイからティファニアも描いてほしい。

526 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:35:26 ID:EV8v3grJ
>>525
SSが上がった直後の感想に対するレスなんてSS職人さんが固定ハンで
応対するなんてこのスレでも結構普通にあるからな
つばめ氏だけが叩かれるのはおかしいと言う気持ちも分からんでもない

527 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:38:59 ID:Xb47XfS6
>>526
だな。荒らしてるのは一部の連中だと思う

>>つばめ氏
お疲れさん&ご愁傷様。ムカつくかもしれんけど俺もアンタの絵好きなんで
コレからも投下よろしく。

528 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:44:03 ID:TmiZX5Mm
まあ、どうでもいい独り言なんだが

自分の投下した作品の評価が気になってついつい過剰にレスをしたくなるのは理解できるが、それをぐっと堪えて自重のが変態紳士だと思うし
仮に空気読めてない奴が居てまた荒れそうだとついつい対応が厳しくなるのも理解できるが、そこはぐっと堪えてスルーするのが変態紳士だと思う。

まあ、送信ボタンをクリックする前に紅茶の一杯でも飲んで股間の蝶タイの曲がりを整えるくらいの余裕が欲しいって事だな。


あと、前の作品の数レス後に無言でいきなり投下するのは失礼だと思います。
というか、1レスで複数の職人さんにGJするのってなんか気兼ねするんだぜ?

529 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:55:18 ID:TmiZX5Mm
といいつつGJ忘れてた

全てのSS職人と挿し絵師と全ての読者に始祖ブリミルの加護を

530 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:55:58 ID:Xb47XfS6
>>528
>>過剰にレスをしたくなるのは理解できるが
このスレの何処にそんな職人がいるんだ????

>>あと、前の作品の数レス後に無言でいきなり
投下するのは失礼だと思います。
その理屈だと投下が連続しているときはどうするの?
それに無理して感想を言うほうがよほど失礼かと思うんだがな??

くだらん独り言なら言うなよ。それこそスルーしたらどうだオマエが。

531 名前:530:2008/03/03(月) 17:57:53 ID:Xb47XfS6
>>529
ごめん。感情的になりすぎた・・・あやまります。

俺も同じく。
全てのSS職人と挿し絵師と全ての読者に始祖ブリミルの加護を

532 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 18:08:09 ID:yxkLjeC9
>>531
ワロタww オマエいい奴だなw

んじゃ俺も続いて。
全てのSS職人と挿し絵師と全ての読者に始祖ブリミルの加護を

533 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 19:26:40 ID:fhanOIhc
おー、ようやっと終息しそうだな。えがったえがった。
とりあえず、以降もこの話題を続けたい人は雑談掲示板でね。

↓雑談掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7927/1162204142/l10

534 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 20:39:22 ID:Ml69KNwj
ルールとか・・・馴れ合いとか・・・
個人の範疇でいいべ

絵も、小説でも読みたくないものなら飛ばせばいいだけ

535 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 22:12:05 ID:zmJE09S7
いっきに過疎ったか?

全職人様ご帰還願う。ROM専の自分は待つ事しか・・・

536 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 22:15:30 ID:z0bqTNv4
>>494氏の投稿から一日も経ってないべ

537 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:28:21 ID:tWpkR2vo
とにかく
全てのSS職人と挿し絵師と全ての読者に始祖ノーヴォル・ヤマグッティの加護を

538 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:37:03 ID:LP5gWMUs
ついでに俺の息子にも加護をくれ 
SS一気読みしたら立たなくなったんだ

539 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:57:11 ID:5Hqbww5l
貴重な絵職人だし目くじら立てなくてもとは思うな。
つばめ氏の絵好きだし。

540 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:59:44 ID:9j2WnsxS
空気読めない奴はいらない

541 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:04:39 ID:XIG2UeUW
だか、もうその話は終わったんだってば。

>538
そういう時は、このスレでは伝統的にきゅいきゅいの尻尾で前立腺マッサージをするSSをヌイマリーゴ氏に処方してもらうことになっているんだ。

542 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:06:06 ID:drt1PV/s
>>540 自爆乙。

543 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:09:47 ID:G67S3UNe
平和なのはいいけど馴れ合いすげい

544 名前:205:2008/03/04(火) 00:34:16 ID:pkyepuSa
呼ばれてもいないのにのこのこやってくる男、スパイダーマッ(ry いや、205です。
なんか気分がいいので>>541のリクエストに答えてみた!

545 名前:シルフィのファックto才人:2008/03/04(火) 00:35:13 ID:pkyepuSa
 魔法学院の校舎の陰で、タバサは青ざめて震えていた。実に彼女らしくない態度である。しかし、
それも仕方のないことだった。何せ、目の前に愛しい才人少年が縄で縛られて転がされているのだか
ら。しかも、下半身真っ裸の状態である。
「やめなさい」
 タバサは声を絞り出す。目の前の巨大な影が、嘲るように笑った。
「きゅいきゅい。お姉さまったら、そんな格好で言ってもちいとも怖くないのね」
 シルフィードである。このアホ竜、なにをトチ狂ったか、今日の朝唐突に主であるタバサを眠らせ、
この学院の校舎の陰に引っ張りこんだのだった。ちなみにこの竜の言う「そんな格好」とは、タバサ
の小さな体には不釣合いな、ぴっちりラバー製のボンテージ衣装であった。良識ある諸兄なら「オイ
オイ、そんなものハルケギニアに存在しているのかいマイク?」とアメリカンな笑いを浮かべたくな
るところであろうが、その辺は気にしてはいけない。SSとはそういうものだ。
「クッ……このアホ……! 今度は一体何を企んだの」
「きゅいきゅい。もちろん、お姉さまとサイトをくっつけるための儀式なのね」
「儀式、ですって?」
「おい、その前に俺の縄を解いて、せめてパンツだけでも履かせてくれ!」
 転がされた才人が、顔を真っ赤にして呻いている。無理もないことだ。下半身真っ裸のまま女の子
の前に転がされて、恥ずかしがらない少年がどこの世界にいるというのか。
(ああ、でも)
 タバサはゴクリと唾を飲み込む。
(サイトの、おっきい……)
 思わず彼の股間に視線が集中するほどの立派なブツである。タバサが凝視していることに気付いた
のか、才人はますます恥ずかしそうに顔を歪める。縛られたままもぞもぞと動いて下半身を隠そうと
しているらしいが、どうにも上手くいかないようだ。
「はいはいお姉さま、発情するのはそこまでなのね、きゅいきゅい」
 シルフィードが呆れたように、尻尾で地面をぺしぺし叩く。
「まーったく、原作では無表情なくせにSSになるとエロくなるんですからね、お姉さまは。このエロリっ娘」
「クッ……適当に読み流される話だと思ってメタ的な発言を連発して……!」
「きゅいきゅい。とにかく、お姉さまには残念だけれど、今日使うのはサイトの立派なブツではございませんのよ」
 ではどういうことだ、と目で問うと、シルフィードは「きゅいっきゅいっきゅいっ」と下品に笑い
ながら、太い尻尾を大きく持ち上げた。


546 名前:シルフィのファックto才人:2008/03/04(火) 00:35:38 ID:pkyepuSa
「これでサイトのお尻の穴を貫いてあげますのよ」
「お、お尻を!?」
「バッ、おまっ、やめろ、俺にはそんな趣味は――!」
 才人の赤い顔が、一転して真っ青になる。シルフィードはそれを見てさらに下劣な笑い声を上げた。
「きゅいきゅい。そんなに怖がらなくてもいいのね、すぐに気持ちよくなるのね」
「な、ならねーよ!」
「そう。彼はそんなところで感じるような変態では……!」
「それはこれを見てから言うといいのね!」
 シルフィードは叫びつつ、才人の尻に向かってそろそろと尻尾を伸ばした。細い先端が肛門に近づく。
「ちょっ、やめ……アッー!」
 尻尾の先端が菊門を押し開くと同時に、才人が甲高い悲鳴を上げた。タバサの背筋がぶるりと震える。
(なに、この妙な感覚……!)
 戸惑うタバサの前で、シルフィードの尻尾が才人の肛門を激しく責め立てる。出ては入り、入って
は出る。その内、尻尾の先端が透明な液体で濡れ始めた。
「きゅいきゅい。見なさいなお姉さま、サイトったら女の子みたいにだらしなく体液を垂れ流してるのね」
「ちがっ……そんなん、じゃ……!」
「そうなの。じゃあもっと激しくしても大丈夫なのね」
「やめっ……うぅん!」
 才人の体がびくりと跳ねる。どうもシルフィードは風の魔法で尻以外の部分も責め立てているらし
く、彼の体は傍目にも赤く、激しく火照っているようだ。尻に尻尾が突き入れられるたび、口から女
のような切ない嬌声が漏れ出している。愛しい人の痴態から、タバサは目を離すことが出来なかった。
(ああ、男の子……あのたくましいサイトが、こんな風に可愛らしく見えるなんて……!)
 ひそかに身震いするタバサの目の前で、シルフィードはようやく尻尾を才人の尻から引き抜いた。
彼の体がどさりと地面に落ちる。
「さ、準備完了ですのね、お姉さま」
 上機嫌なシルフィードの声に従って、タバサはふらつく足取りで前に歩み出る。
 眼下には、才人が転がっている。縄で縛られたまま息も絶え絶え、顔は真っ赤で目は虚ろ、だらし
なく開きっぱなしの唇からは涎が垂れ流しになっている。
(可愛い……いぢめてあげたい……)
 タバサは渡されていた鞭をぎゅっと握り締め、ブーツの先端をゆっくりと才人の肛門に近づけて、

547 名前:205:2008/03/04(火) 00:36:40 ID:pkyepuSa
ここまで書いて唐突に冷静になった。
こんな夜中に何をやってるんだ俺は。寝るわ。

548 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:46:05 ID:oOA+yX0T
>>546
わっふるわっふる

549 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:48:12 ID:cvN6KAPV
>>547
ちょw どうやってツッコめばいいのかわからないのでとりあえず尻を出したまえ。

GJです。

550 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:48:28 ID:jgySssGy
さ、続きを(ry

というか、人型に変化すらしないのかYO!

551 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:50:12 ID:oOA+yX0T
>シルフィードは「きゅいっきゅいっきゅいっ」と下品に笑い
>ながら、太い尻尾を大きく持ち上げた。

新鮮すぎる表現だな。
まったく想像がつきません><

552 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:56:46 ID:3S6Ia6gP
やっと竜態シルフィとの合体・・・!

553 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 03:29:04 ID:NzktX9Mk
>>491
こんなエロルイズな作品を読みたかった
個人的にルイズにも陰毛がちゃんと生えてるってのがリアルで尚良し

554 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 03:45:46 ID:RyCR7zxh
>>547ああ・・・夢にまでみた竜姦もとい竜強←【この文字重要】姦ktkr!!!
てか寸止めですか?まさか呪印にでも取り付かれたのか?
なら早くサイトに興奮させてもらいなさい!続きにwktkしてる

555 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 12:02:15 ID:NDbSHsaQ
ありがとう…ありがとう205氏
これでやっと成仏できる……

556 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 13:17:12 ID:W5DI+jLr
>>555

そこのファイズ、逝っちゃらめええぇぇぇぇ!!

557 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 15:25:22 ID:pH5CKeti
ファイズギア、カイザギア、デルタギアがまとめてハルケギニア(ry

558 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 16:43:19 ID:sc+8WfYC
マリコルヌ「男には・・・やらなきゃいけないときがあるんだ!」
カイザギア装着

559 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 17:55:20 ID:Wn5cO7Hz
>>557
SBの人工衛星が無いから無理だぞw

560 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 18:01:28 ID:jr7MedNM
つばめさん…あなた三日目の東のタにいませんでした?
コミケの

561 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 18:02:14 ID:jr7MedNM
sage忘れた…

562 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 18:28:52 ID:3wz0oc/Y
>>559
それを言ったらギア自体無理になっちまう
なんか・・・こう・・・虚無で繋がっちゃって
ギア(ファイズ、カイザ、デルタと、サイガ、オーガ)と、
人工衛星とファイズブラスターまで来ちゃった、テヘ❤
的な感じじゃないのか?

563 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 18:54:25 ID:ViPpx+uc
ここゼロ魔のSSスレだよな 何このカオスwww
>>547
205氏 ここまで書いたのだから最後まで書き上げてくださいよww
つーかアホ竜 メタ発言しすぎ 

564 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 19:35:29 ID:BpB+nlbM
>>560
>>533
その人の話題はあっちで頼む。荒れるから

565 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 20:09:18 ID:BpjrPknv
>>546 GJ
最近はわっふるじゃなく餅のような食感のもっふる
というものがあるとか。もっふるもっふる

566 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 21:19:03 ID:EzKVodI6
保管庫完全に移行したの?
新しいのだと携帯で全部読めないんだよなあ

567 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22:06:13 ID:UgCeRqaV
>>566
まずなるべくならageないで欲しい。
あと、自分の携帯では読めるけどブラウザの設定で何とか出来ないかな。

568 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22:32:36 ID:eeFxY082
>>563
おかしいな。カオスなゼロ魔のSSスレは既にあるんだが(w

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part117
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204344199/l50


569 名前:ガンダールブ風俗記:2008/03/04(火) 22:37:10 ID:0zYgZLMy
英雄ヒラガサイト。幾多の戦いでは戦神のごとき力を奮い、戦後には東方への道を切り開く為度々仲間達
を伴い東方遠征に力を入れる。他にも『簡単皮むき器』、『徳用ナイフ』、『よく切れる包丁』等、平民
の生活を役立つ道具を考案・作製し巨大な富と名誉を得る。存命時からその生き様から各地で様々な逸話
が語られ生きた伝説となっており、中でも一部の好事家の間では神として崇められている。

「眼福じゃのう」

中庭で体育の授業に勤しむ生徒達を見て、学院長オールドオスマンはつぶやいた。本来ならば魔法学院で
あるこの学校には体育の授業はない。しかし、一時戦時中この学院も巻き込まれ生徒達に指導が入った事
があった。最初は渋っていたものの意外とこれが好評で、戦争が終わってからも自主的に運動をする生徒
達がでてきたのだ。挙句の果てには『トリステイン行進曲それゆけ大運動会』なる運動大会が生徒達の手
で自主的に企画されるようになり、学院側も授業の一環として体育を導入することとなった。

「最近の子は発育がよろしい、しかし貧乳もなかなか・・・」

オスマンの目線は男子ではなく女子に向かわれていた。黒地のショートパンツからすらりと伸びた脚、
尻に少し食い込むショートパンツ、シャツの裾からちらりとみえる臍、シャツの襟からちらりとみえる胸
の谷間、そして少し視力を強化すればシャツからは下着がうっすらと拝見できる。

「本当、才人君さまさまじゃなぁ」

トリステイン魔法学院の体育の授業にはブルマが採用されていた、才人考案によるものである。このブルマ
当初はこの学院のみで着用されていたのだが、その動きやすさゆえに今では軍の女性衛士隊の訓練着や、軍
学校の体操着としても採用されている。

「ええ、本当に彼は我々の妄想を形にしてくれる。」

この春、学院の教師となったマリコルヌがオスマンに答えた。

「このブルマといいスクール水着といい、私達が頭の片隅で求めていた物がここにある。
 しかし、何故彼はこの物達を形にできたのでしょうか?いかなガンダールブ・・・虚無の使い魔とはいえ
 妄想力においては私達は彼に引けをとらなかったはず。」

マリコルヌはオスマンに問うた。

「それはマリコルヌ君、彼がやはりガンダールブであったとした導き出せる答えはないな」
「そうですね。」

答えたはオスマンは手元にあった茶をぐいっと一飲みし、さらに言葉を続けた。

570 名前:ガンダールブ風俗記:2008/03/04(火) 22:37:32 ID:0zYgZLMy
「まぁ、今年から君はここの教師となったわけだが。君らがいた頃よりは中々楽しいイベントがまっておる。
 新任として最初は苦労するかもしれんが、それらのイベントを糧に励むといい」
「はい、それはもちろんです。して、学院長おすすめのイベントは何かないのですか?」
「そうじゃのう、運動会は・・・知っておろうな。君達の代が初めにやったのじゃからな。」
「はい、あれはかなり楽しいイベントでした。手を縛ってのパン喰い競争は今でも鮮明に思い出せます。」
「ふふふ、実はな。君達が卒業した後にできたんじゃが、あと数月で競泳大会なるものが行われる。」
「おお!卒業するさい才人をして『まじ在学中に実現したかった、くそ!戦争の馬鹿野郎!』と言わしめたあれですか」
「才人君が悔やむのがよくわかるほどのものじゃったよ、今から楽しみに待っておれ」
「はい!」

なお、トリステイン魔法学院の水泳授業にはスクール水着を採用しており。大会時には競泳水着の着用を義務付けている。
もちろん考案は才人によるものである、他にも才人はナース服、浴衣、バニースーツ等を考案。男性からの支持を一身に
受ける事となる。後にオスマンの意志を受け継ぎ『萌教』の祖を築いたマリコルヌは彼の事をこう残した。

「ガンダールブの萌力には始祖ブルミルといえど遠く及ばない」

571 名前:アトピック ◆xsDbUITz4M :2008/03/04(火) 22:40:17 ID:0zYgZLMy
ブルマアニエスを書いてたら急にこんな話になった。あれ?おかしいな・・・。
ってかアニエスの話よりも先にエレオノール姉様の話を終わらせないとね。
それではまた時間ができたら投下します、ぅわらばっ!

572 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22:43:20 ID:hhIaZ8Jk
ワロタ


573 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22:46:26 ID:ABjUzJbK
オスマンの後継者がマリコヌルw
い い ぞ も っ と や れ w

574 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22:52:53 ID:BpB+nlbM
ゼロ魔の後日談として実際にありそうな話だから恐いw

575 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22:55:37 ID:ZEXBcMx+
他のスレでもこの事は書いたが……。

ハルケギニアにはブラジャーは存在しない。存在しないんだよ!

と言うことは、オールド・オスマン。

貴方の見ている体操服の上着の下は……当然。

だから見えるはずだ。こすれて立ち上がった、ポッチの先端が。

576 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22:59:46 ID:cvN6KAPV
存在しないって記述あったっけ?

577 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:03:05 ID:ZEXBcMx+
つ シエスタのセーラー服の中身。

578 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:03:44 ID:GoBd1MBs
あるよ

コルセットでもちあげているんだ

579 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:18:20 ID:cvN6KAPV
あー、そうか。
黒猫衣装とか踊り子衣装とかでブラジャー型衣服っつか乳当ては出てきてるから、普通にあるかと思ってた。

580 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:25:18 ID:bXl6bjR4
女性兵士とか普通にいるからありそうなもんだけどな・・・

まあそこはノボル神の趣味なんだろうけど。

581 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:32:51 ID:3S6Ia6gP
女性兵士は女武士っぽくサラシで

582 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:43:50 ID:ViPpx+uc
>>580
ゼロ魔パーフェクトガイドだかで文化はヨーロッパの16,17世紀
の頃をそのままもってきているから本来なら魔法学院の制服なんかも
本来なら存在しないはずだけど服飾系は本来の文化レベルを無視してると
ノボル神がいってた

583 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:34:09 ID:/Fhkx1x0
こんな小説に時代考証なんて物を持ち込む無粋な奴がいたら俺はそいつが謝るまで殴るのをやめない。

584 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 02:19:36 ID:DMUMtZl7
>>583
神は細部に宿るという言葉があるから考証も必要だろうさ
ただ服飾系に突っ込みを入れるのは無粋だろうが

585 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 02:37:54 ID:woLgu7kx
ま、そんな16世紀、17世紀に21世紀の萌えを持ち込むんだから
何もかもがすばらしく見えるだろw
男のスケベな欲求なんて時代にかかわらず不変だろうしww

「萌え」が受け入れられる土壌があるかだなw
マリコルヌはそう言う意味では21世紀的感覚を持っていたとw

586 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 08:39:15 ID:8q3nPlH5
マリコルヌ「今から500年後…遥か東方の島国より、全世界を巻き込む何かが発信されるだろう……



と言うわけで、サイト!あのセーラー服とやらをもう一度拝ませてもらえないかね?!できればあの胸がけしからん彼女に着せて欲しいのだが!!」
サイト「駄目だこいつ、なんとかしないと…」

587 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 10:41:35 ID:bHuZroi/
余談だけどブルマーは女性が気軽にスポーツを楽しめるようにと
エリザベス・スミス・ミラーという人が原型を発明し、
さらにブルマー夫人という人が広めたといわれている。
そこの所考えるとブルマーとかスク水の萌えは
ゴスロリとかとは対照的に機能美から来ているとも言えるのでは?

588 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 10:53:17 ID:EGi/8llG
ブルマは化学繊維でできてるから人体に悪影響が出る
だからブルマは全部オレが預かることにした

589 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 12:09:12 ID:bZ2lI57E
ブルマだけ持っててもしょうがないんじゃ…
ハッ ま、まさか使用z(ry

590 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 12:32:40 ID:B/StE1uC
ブルマとスク水の魅力が俺にはサッパリ解らん・・・_no


591 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 14:36:48 ID:WooPw7rl
>>588
半分俺にくれ

592 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 14:41:20 ID:5zoHZaBl
・・・枯れてんのか?

593 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 15:58:15 ID:AnOFkRa2
別のこだわりがあるんだろう。
俺はブルマより短パンの方が好きだぜ。
ハミパンもいいが、座った時とかにパンチラとか最高。
短パンの裾と足の隙間に浪漫が詰まってる。

594 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:40:38 ID:ag0FhWJ+
>>590
年代の差かな?
俺みたいな加齢臭が漂い始めた人間にはたまらん物が

595 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 18:24:26 ID:iIfj2O9j
俺はブルマ現役時代に小中学校を過ごしていたが、
そのせいもあってかいまいち萌えん。
蒸れ気味でヤな感じぃ〜という印象が先に立つな。

596 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 18:46:22 ID:QiHJJ+I5
http://ohpai.com/
ココにいろいろ入れてみな・・・
アン様可愛いよアン様

597 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 19:05:23 ID:tinVwSGN
ちょうど小学校に上がった頃にブルマが廃止されたんだよなあ
そんなわけで1年くらいしかブルマの女の子を見たことが無いので大変憧れます
スカートの下にはいても短パンと違ってゴワゴワしない機能美溢れるデザインなのに
何故廃止してしまったんだッ!!!!11!!

598 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 19:42:58 ID:DMUMtZl7
>>597
なんか何時の間に世代の差による性癖の告白大会になってるな
俺は小学校の半ばくらいでハーフパンツが増え始め小学校高学年から
中学校の時には廃止されてたなあ 当時は価値が分からなかったから
別にありがたいとは思わなかったなあ 今なって少し後悔してる
当時何でもう少し丹念に見ようとしなかったのかと・・・orz

599 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:11:18 ID:ihLfxABs
スパッツ最高。
ブルマやスク水は理解不能。

600 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 21:37:47 ID:bZ2lI57E
え、スク水は今でもスク水ちゃうの?
みんな競泳水着?

601 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:46:55 ID:8q3nPlH5
脱がせばみんな一緒ですよ





ウワチョスイマセンデシタ

602 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 00:00:43 ID:6kj153AL
脱がしちゃいかんだろ

603 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 00:10:53 ID:fnxhCz24
ずらすんだよな

604 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 00:13:01 ID:0soMkB6F
布に包まれることによって逆に強調される柔らかな曲線、および、露出部とのコントラストが心をゆさぶると思うんだが…
まぁ、かく言う私も、スク水とスパッツは良いと思うんだが、ブルマーの良さがいまだ理解できない未熟者…ちなみに今まで一番そそられたのが、カットジーンズ(w


605 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 00:22:33 ID:k8eTvxdE
ロリペタ+ブルマーorスク水=王道
グラマー+ブルマーorスク水=マニアック





誰だ、こんな風に最初に定義した奴は!

606 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 00:29:38 ID:bScovBtr
>>603
海中でずらすのがおすすめ

607 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 00:57:10 ID:xb+VlCTM
えっと…ここはゼロ魔のスレ…だよな?

608 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 01:00:12 ID:jBMMChok
頭の中で着せ替えしてるんじゃないか?

609 名前:アトピック ◆xsDbUITz4M :2008/03/06(木) 01:06:25 ID:8FvKMHx7
下着がどうのという意見がでたのでカッとなってWIKIでコルセットを
調べて自分なりに補完したネタが完成した。投下したいけどこのスレの流れ
で投下しても大丈夫かな?

610 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 01:09:15 ID:IV/kXVVm
おkおk

611 名前:ガンダールブ風俗記〜ブラを開発した男〜:2008/03/06(木) 01:19:12 ID:8FvKMHx7
「なぁ、ギーシュ。頼みたい事があるんだがいいか?」

学院寮のギーシュ私室訪れた才人が口を開いた。

「なんだい?才人。また、新しい新製品の錬金でも頼みに来たのかい?」

最近、才人は戦争で得た報奨金を元手にちょっとした工場を起した。それは家庭で役立つ便利アイテム、
というか元の世界で販売されていた通販などで見られた便利アイテムなのだが、それらを製造して販売
を始めたのだ。会社を起して半年経った現在、業績は上場。取引はトリステインのみならず周辺諸国に
も伸ばし始めている勢いだ。これによって才人自身は元より主であるルイズ、ヴァリエール家の財産は
潤す事になったため、ルイズの両親達からその存在を徐々に認められつつある。才人自身このように金
儲けに走っているのは単なる金銭欲の類のものではなく、上記にあるヴァリエール家に正式に認められ
る事ともう一つ、別な目的があるのだがその話はまた別の機会にしよう。
とりあえず、話は戻す。新商品を作るに至って、才人はまず商品の試作品を親友であるギーシュに頼ん
で錬金してもらっている。これはコストを抑える為と実際の使い心地を試す目的がある。その際、一応
報酬金はいくらか支払っているのでギーシュとしては拒む理由がない話なのだが、今回はどうやら話が
違うようだった。

612 名前:ガンダールブ風俗記〜ブラを開発した男〜:2008/03/06(木) 01:19:42 ID:8FvKMHx7
「いや、ちょっと聞きたい事があるんだ。」
「ん?何を聞きたいんだい。」
「怒らないで冷静に聞いてくれよ?あのさぁ、お前モンモン達とヤる前って服を自分で脱がした事あるか?」
「な、いきなり何を言い出すんだい!」
「いや、だから落ち着けって。モンモン達にいやらしい妄想抱いてるわけじゃねぇんだから。」
「む、そうか・・・。うん、そうだな。あまり脱がすって事しないねぇ」
「正確にはどのあたりまで脱がす?」
「そもそもが脱がすというシチュエーション自体が少ないかな?いつも彼女達を抱く時はお互い裸の状態さ。
 しかし、いきなりなんだい?もしかして君は脱ぎかけとか服を乱暴にしたままの方が燃える性質なのかい」
「いや、それは燃えるだろ・・・いやいや、そうじゃなくてさ。例えば服を着たまま意識が高ぶってそのまま
 なし崩しになる時ってあるだろ?」
「ああ、あるねぇ」
「そういう時さ、こっちが服を脱がしてやる時。下着までいくとちょっとがっかりしないか?」
「いやー、一概にそうとはい言い切れないね。パンツの方を時間をかけてゆっくりと脱がす時のケティはなか
 なか。こちらの劣情をかきたてる表情をしてくれるよ。」
「まぁ、下はたしかにそうだけどな。上の方だよ、ほら、付けてない奴もいるけど大抵はコルセット付けてる
 だろ?あれ見るとちょっとがっかりしないかって。」
「うーん、外したときに見えるうなじと背中のラインは何事にも変えがたい物があるけど・・・。
 確かに、コルセットが目に入ってくるとちょっとがっかりするかな。」
「あれ、外すの面倒なんだよ。手まどると怒られるし。」
「そうそう」
「そこで、だ。ここで、外すのが容易で正面からおっぱいが拝見できる様な下着があったら・・・どうする?」
「っ!!、才人!君は・・・」
「ちょっと、これ見てみろよ」

才人がテーブルの上に何かを置いた、特徴的な肩紐と二つの膨らみ。まぎれもなくブラジャーだった。

「以前、体操服とスク水を作った時に頼んだツテで作らしたんだ。よくできているだろう?」
「成るほど、腰から絞めつけるのではなく肩で支えるっていうんだね。そしてそれはたくし上げてずらせるとい
 う事になる。」

初見のブラを手に取り、素早く分析するギーシュ。

「さすがギーシュだな、ブラの特徴をこんなに早く見抜くとは」
「このギーシュを甘く見てもらっては困るな、して頼みとはこれをモンモランシー、ケティに着けてくれという
 話だね」
「そういうこと、俺の周りにはちょっと標準より小さいか大きいかしかいないからな。モンモン達みたいに普通
 サイズの人たちの意見も聞きたくてな。」
「ふぅん、でもそれならルイズ達の方から言った方が良かったんじゃないか?同性の方がそういう話しやすいだ
 ろう。」
「馬鹿だな、好いた女にプレゼントしたランジェリーをきちんと身に着けてきてくれたり、行為の前にそれを自分
 の手で脱がすっていうのがいいんじゃないか」
「友よ!!」
「応っ!!」

613 名前:ガンダールブ風俗記〜ブラを開発した男〜:2008/03/06(木) 01:20:11 ID:8FvKMHx7
二人は熱い握手をがっちりと交わした。下着を脱がした時に見える無防備な背中もいいが、俺達はそれでも一番最
初におっぱいがみたいんだ!といわんばかりの熱い握手だった。
後日、ギーシュは後のこう言い残したという「ナイス、ブラシャー」と。
この後、ブラは瞬く間にハルケギニア中に広まり、普及した。さらに軍部からも「機能的な下着を!」という意見
が出され、スポーツブラの着手、成功し、日ごろから運動に勤しむ女性、胸の貧しい女性、一部の好事家に受け入れ
られていく事になる。なお、ギーシュはこの事がきっかけで目覚めてしまったのか才人の知識不足により世に出る
事がなかった、いわゆるビスチェの開発に成功。セクシーランジェリーとして好評を博す事となる。他にも男の目
に訴えかける色調、デザインのブラを生み出しランジェリー界の革命児と後に評される事になった

614 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 01:20:25 ID:bScovBtr
支援

615 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 01:24:13 ID:CNEqESk+
ナイスブラジャー!

616 名前:アトピック ◆xsDbUITz4M :2008/03/06(木) 01:25:18 ID:8FvKMHx7
試験期間の真っ最中なのになんでこんなの書いているんだろう。
それはともかくとして、いままでエロに関係ない話ばっかだったので次回は
エレヲノール姉さんの続編を投下したいなと思っています。
それではまた。

617 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 01:32:32 ID:f5ECg/xl
ギーシュとサイトをここまで生き生きと書くとは。
もうあほ過ぎて大好きだw

618 名前:痴女109号:2008/03/06(木) 01:59:01 ID:WBRqO+jN
>ttp://zerokan.digital-ark.com/wiki/index.php?15-26

去年の7月以来、久しぶりに投稿します。
主なストーリー:当時、まだ文盲だった才人が、内容もわからずシエスタと交わした一枚の契約書。
         それは、これまでの才人の生活を地獄に叩き込む、悪夢のような契約であった。

詳細は、上のアドレスから保管庫の本編をどうぞ。

619 名前:契約(その10):2008/03/06(木) 02:01:11 ID:WBRqO+jN
 夜になった。
 
 新郎新婦に休息は無い。
 式と披露宴が終わると、二人は、早速荷物をまとめて新婚旅行の準備に取り掛かっていた。
 七泊八日の新婚旅行――とは言っても、実質は結婚式に来られなかった、トリステイン貴族諸侯たちへの挨拶回りに他ならない。
 
「あーあ、全く、やんなるわよね」
「……そうだな」
「ちょっとアンタ、なに疲れた顔してんのよ?」
 そう言いながら、頬を真っ赤に染めた少女は、自らの“夫”に、もたれかかった。

「――こっ、これから……しょっ、しょっ、しょっ」
「しょ?」
「『初夜』なんだからね……!! ちゃっ、ちゃんと、花嫁を……リード、しなさいよっ!!」

 そう言って恥かしげにキスをねだるルイズは、才人が、今まで見たことも無い程に可愛かった。
 少年は、その幼き花嫁の、花びらのような唇に、自らのそれを接れさせる。
 だが……才人はもはや、自分自身の意思だけで、彼女が期待する通りに振る舞うことを許されない身の上だった。

「ルイズ」
「なに?」
「もう一度、ウェディングドレスに着替えてくれないか?」
「――え? 何で?」
 ルイズは、その予想外の申し出に、目をぱちくりさせる。


「もう一回、大聖堂に行って、二人だけで、式を挙げよう?」


 才人は、今の自分の立場を十分承知していた。
 だからせめて、あの二人の小悪魔が、愛する花嫁を蹂躙する前に、もう一度だけ、美しい想い出を記憶に止めておきたかった。
 今宵の成り行き次第では、才人は、もう二度と、この愛する少女の眼前に現れる事も出来なくなってしまうのだから。


620 名前:契約(その10):2008/03/06(木) 02:03:15 ID:WBRqO+jN
.
「なんか、……恥かしいな……」
 
 そう言いながらルイズは、昼間に歩いたバージンロードを、純白の花嫁衣裳に身を包み、再び、歩いていた。
 無論、その傍らには、才人の姿がある。こちらも凛々しいタキシード姿だ。

「やっぱ、綺麗だよな、……お前ってさ」
 才人が、溜め息交じりにそう言う。
「なに言ってるの? いまさら、そんな分かりきったこと言われても、御主人様は喜びませんよぅだ」
 ルイズが幸せそうな顔を、さらにほころばせて、アカンベーをする。
「わかった。――じゃ、もう言わない」
 才人が苦笑しながらそう言うと、今度は花嫁が、少し不服そうな顔をし、才人に抱きつく。

「――だめ」
「だめ?」
「御主人様は、犬のお世辞なんかに喜んで上げないけど、――でも、やっぱり、……誉めなさい」
「はぁ?」
 才人が、目をぱちくりさせると、
「だから……喜んでなんか上げないけど……ちょっとくらいは嬉しいのも事実だから……もっともっと誉めなさい……って、そう言ってるのよっ!!」
 頬を真っ赤に染め、逆ギレしたように声を荒げ、にもかかわらずコアラのように才人にくっつくルイズの可愛らしさは、――披露宴の時に見せた、ツンとすましたような美しさとは、まるで別種のものだった。

 ルイズの本当の美しさは、ああいう、衆目の眼前に晒された時の緊張美ではない。
 彼女は――性格はともかく――もともと顔の造型だけは、生まれながらにズバ抜けていた。だから、背筋を伸ばして黙って立っているだけで、ルイズはそれなりに絵になる。
 だが、彼は知っている。
 才人自身と二人の時にしか見せない、この安心しきった可愛らしい表情こそが、彼女の一番美しい表情なのだ、ということが。
 ハルケギニア広しといえども、平賀才人にしか見ることが出来ない、満開の花。

 だから、才人は彼女には、決して逆らえない。眼前の花嫁の望むがままに誉め言葉を口にする。そして――その言葉は決して嘘ではない。


621 名前:契約(その10):2008/03/06(木) 02:05:00 ID:WBRqO+jN
.
「ルイズ、お前は綺麗だ。すっごく綺麗だ。こんな可愛い花嫁と結婚できるなんて、まるで夢でも見てるみたいだ。だから……」
「だから……?」
「幸せにする。――絶対に」

「ありがとう……サイト、大好き」

 少女が薄く眼をつぶり、紅潮した頬よりも鮮やかな紅を差した唇を、少年に捧げる。
 花嫁と花婿は、誰もいない教会の聖堂の中、始祖の像が見守る前で、誰よりも愛を込めた――それでいて、誰よりもいやらしい、誓いのキスを交わした。

 唾液と舌の蠢く音が、この世でもっとも神聖なる空間に響く。
 禁欲を是とする教えを説く始祖ブリミル。だが、二人の放つ淫蕩の気は、この大聖堂の重い空気さえ、いや始祖ブリミル本人であろうと、全く介入できないほどの、ある種の荘厳さに満ちていた。
 たとえて言うならそれは、互いが互いを骨の髄から求め合う――“愛”というべきものであったろうか。

 だが、その神聖なる愛欲の行為も、やがて、静かに終焉を迎える。
 ルイズの体から力が抜け、才人の背に回した腕が落ち、膝が崩れ、彼女はずるずると、その場に倒れ伏した。
「ル、イズ……?」
 才人は、まるで白い粘液のように足元に崩れ落ちる花嫁に、戸惑いの声を上げる。
 が、ウエディングドレスの少女は、そのまま死んだように意識を失い、何の反応もしなかった。
「ルイズ、ルイズ!! 起きてくれ!! 目を覚ましてくれよっ!!」

 叫んだところで無駄だということは分かっている。
 でも、叫ばずにいられない。
 分かっている。奴らの仕業だ。あの……悪魔たち。
 ルイズには、“その時”が来たら、自動的に意識を喪失するよう仕込まれたポーションが、あらかじめ一服盛ってあると聞いている。それが効いたという事は……。

「もう時間切れ……なのか……?」
 振り返りもせず才人は呟く。
「せめて、もう少しくらい二人きりで……」
 
「――ダメですよ、サイトさん」


622 名前:契約(その10):2008/03/06(木) 02:06:53 ID:WBRqO+jN
.
 才人の背に、むにゅっとした柔らかい感触が押しつけられる。
 その声、感触……確認するまでもない。
 彼を、この無間地獄に叩き込んだ最初の一人――シエスタ。
 披露宴の準備中にポーションを、よりにもよって、三々九度のワインに仕込んだ少女。
 そのままシエスタは、背後から才人に抱きついたまま、無理やりルイズから引き剥がす。
 少年は、反射的に抵抗しようとしたが、股間を優しく一撫でされただけで、全身の一切の力を奪われ、だらしなく花嫁から隔離されてしまう。

「今日はめでたい結婚式の日なんですからね。花婿さんが『部外者』相手に盛り上がっているのを見るのは、心の広いわたしたちといえども、やっぱり不快ですわ」
「『部外者』って――シエスタっ、お前っ!?」

 そう言い放ったシエスタの手を振り解き、振り返った才人は思わず絶句した。彼女は――それは見事な、純白のウェディングドレスに身を包んでいたからだ。
 いや、シエスタだけではない。

「そう。今日のあなたの花嫁は、ルイズじゃない」

 シエスタの影から、ゆらりと現れたタバサも、空色の見事な花嫁衣裳を身に纏っていた。
 手にした無骨な杖は、相変わらずだったが。
 そして、大聖堂の巨大な扉から姿を現した、もう二人の女性。
 
「姫さま……テファ……!?」

 やはり二人とも、タバサやシエスタと同じく、来賓として列席した時とは違う、見事なウェディングドレスに着替えていた。
 ティファニアは、やはりというか、うつむいて気まずそうに才人から視線を逸らしていたが、アンリエッタは、そんな従姉妹とは対照的に、冷えた目線で大聖堂の中を見回している。

 始祖ブリミルの像の前で、くにゃりと倒れこんだルイズ。
 タキシードを僅かに乱れさせて、うろたえた表情で自分たちを見ている才人。
 そんな『新郎新婦』に嘲るような微笑を送っている、シエスタ。
 何を考えているのか、サッパリ分からない、無表情なタバサ。
 そして、これから行う行為の、あまりの罪深さに、いまだに震えが止まらないティファニア。
 そして、混乱の極みにあるらしい才人を、再び嘗めるように見つめると、女王は静かに微笑んだ。
 大聖堂の扉は、大きな音を立てて閉ざされ、“ロック”のスペルが、ここを外界から隔絶する……。


623 名前:契約(その10):2008/03/06(木) 02:08:58 ID:WBRqO+jN
.
 なぜ……? なぜ二人がここに……!?
 疑問に思うまでもない。
 この二人がタバサとシエスタの二人と行動を共にしている。ただそれだけでもう、真相は明らかだ。

「サイト殿。ルイズに飲ませたポーションを調合したのは、このわたくしです」
 アンリエッタが、全く感情をうかがわせない冷たい表情で、才人に言った。
 そう聞いて、才人は初めて、この女王が『水』のトライアングルだった事を思い出す。
 いや、それ以上に感じたのは、アンリエッタの語調の厳しさだった。
 そこには『告白』といった風の、罪の意識はカケラも存在せず、むしろ『宣告』と呼ぶべき開き直り感さえ、覚えるほどだった。
 少年は、こんな彼女は見たことがなかった。

「何で……そんな……だって姫さま、あんた、ルイズの親友じゃなかったのかよ……!?」
「ええ。ルイズはわたくしの、大事な大事なお友達です」
「だったら、何で……あんたまでルイズを裏切るような真似を――!?」
「裏切る……?」
 アンリエッタの目に、わずかに感情の色が篭もる。
――それは、軽蔑であった。


「貴方に言われたくはないですわ、花婿さん。ルイズの想いを知っていながら、それを踏み躙り、快楽に溺れて、この二人と何度も情を通じ合った『裏切り者』の貴方には」


 その言葉を前に、才人は凝然と凍りつく。
 女王の言うことは、まさしく、そのとおりであったからだ。
 この場において、もっとも断罪されるべき者は、シエスタでもタバサでもない。彼女たちを受け入れ、拒絶できなかった、この俺だ……!! 才人は思うともなく、そう思ってしまう。
 そして、女王はそんな彼に、畳み掛けるように言う。

「サイト殿。わたくしの親友を裏切った貴方に、この国の主権を預かる者として罰を与えねばなりません。とてもとても重い罰を」
 そこで話を切ると、女王は振り向き、シエスタを呼んだ。
 そしてシエスタは、才人に対する以上のうやうやしさで、彼女から一枚の書類を受け取り、彼の前でそれを読み上げた。


624 名前:契約(その10):2008/03/06(木) 02:12:10 ID:WBRqO+jN
.
「サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ。
――上の者、この国における一切の基本的人権・及び生存権を剥奪し、トリステイン国籍からその名を削除する事を宣告する。ゆえにその身は、神と始祖と王家の定めし国法の庇護を受ける事は、永久に許されないものとする」
「は……?」
「なお、以上の刑の執行は、国権の代表者たる女王の名のもとに行われ、いつ、いかなる形で処罰が科せられるかは、女王の判断に基づくものとされる。――トリステイン王国女王アンリエッタ・ド・トリステイン」

 そこまで一気に読み上げて、シエスタは不安げに才人を見た。
 彼は、――予想通りというべきか、一度聞いただけでは文章の内容が把握できず、ぽかんとしていた。
「あの……サイトさん、これ、読みます?」
「うん。いいかな」
 彼は、羊皮紙を受け取ると、文章とにらめっこを開始するが、……やはり、あまり理解しているようには見えない。

 さすがにアンリエッタが、そのパッとしない彼の反応に焦れだした。
「〜〜〜〜〜〜っ!! で・す・か・ら!! つまりサイト殿!! 誰が貴方を殺そうが、法は、殺人犯を逮捕できないという事なのです!! 貴方はいま、この瞬間から一切の法の庇護を受けられなくなったのですから!!」
 しかし、才人はまだ、きょとんとしている。
 文章の内容が問題なのではない。彼にとっては、そもそもアンリエッタが、何故そんな事を言い出したのか、全く理解できないのだ。

「――つまり、こういう事なのですわ!!」
 アンリエッタは、懐からもう一枚の書類を取り出し、シエスタに渡す。
 そして、シエスタはそれを読み上げ始めた。
 先程にも勝る、氷のような声で。

「――私サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガは、以下の契約を結ぶ事を、始祖ブリミルに誓います」
「え?」
「現在行われつつある、ヴァリエール家の三女との婚姻を、その心中で封殺し、夫婦関係の維持に必要な最低回数の性行為を除き、妊娠の可能性が高い排卵日の性行為を、絶対にしない事を。さらに――」
「なっ……!? なにいいっ!?」
「その上で、以下の四人の女性との愛を、新たに始祖の眼前で誓い、四人の“妻”の望む時に、望む場所で、望むがままに“夫”の肉体を捧げ、全霊を持って奉仕する事を」
「いやだ!! いやだいやだいやだ!! 冗談じゃねえっ!!」
「シエスタ、タバサ、ティファニア、アンリエッタの四人の“妻”に仕える、“夫”という名の奴隷契約を、始祖の御前にて交し、“妻”に対する永久の奉仕者宣言をする事を」
「いい加減にしろシエスタっ!! そんな契約、出来るわけないだろうがっ!!」
「なお、忠誠の証しとして、我が“便宜上の”花嫁たるルイズ・フランソワーズの処女を、“本当の”花嫁たる四人の“妻”に捧げる事を」
「……本気なのか……?」
「以上のことを、始祖の御前にて誓います。――サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ」


625 名前:契約(その10):2008/03/06(木) 02:13:39 ID:WBRqO+jN
.
 アンリエッタが、いかにも残酷そうな光を目から放ち、ぬけぬけと言う。
「本来なら、こんな契約は“重婚罪”に当たるため、いかに始祖の前でも誓えるワケはありませんが、いまの貴方は女王の名に於いて、国籍を剥奪されている身。トリステイン国法たる“重婚罪”は貴方を咎められません」

 才人はもはや、絶句していた。
 何か言いたいのだが、もう言葉が出てこなかった。
 ただ、絶望がその身を焼き、なんとか救いを周囲の女性たちに求めるが、“花嫁”たちは、粘っこい視線を彼に送るのみで、一分の救いも期待できない。
――いや、いやいやいや。一人だけいた。良識が罪の意識を凌駕する唯一の女性!
「テファ!! 何とか言ってくれ!! こんなムチャクチャな茶番は――」
「ごめんなさい、サイト……」

 瞬殺だった。
 常識ある行動を訴えようとする才人の言葉を、雑音のように遮る彼女。
 普段は、こんな話し方をする少女ではない。
 だが、俯いていた目がこちらを向いた時、才人は、幾度目かの絶望を改めて味わう。
「分かってるわ……サイトが本当に好きなのは、ルイズだけだって事も。でも――わたしもやっぱり――サイトの花嫁さんになりたいの……」

 語尾は消え行くような細い声であったが、それでも、才人には充分だった。
 この場にもはや、自分の味方は誰もいない、ということを認識するには。


「はじめる」
 退屈そうに、事の成り行きを見ていたタバサが、ようやく動き出した。
 いや、タバサだけではない。アンリエッタも、ティファニアも、包囲するようにジリジリと少年に迫る。
 思わず逃げ腰になる才人。――しかし突然、下半身から力が抜け、その場に崩れ落ちてしまう。
「――これ、まさか……!?」

「はい!! 一服盛らせて頂きましたぁ」

 語尾にハートマークが付きそうな声で、シエスタが笑う。
「油断しちゃダメですよ、サイトさん。ポーションがまさか自分の盃には入ってないなんて考えてるようじゃ、シュヴァリエ失格ですよねぇ、陛下?」
「そうですわサイト殿。これでは水精霊騎士隊の進退も考えねばなりませんね。なにせ副長の貴方が、このようなザマでは、わたくしの近衛隊など、勤まるかどうか……?」
「そんな、そんなっ!! 俺のブザマは俺一人の責任で、あいつらには関係ないよっ!!」

「――安心なさい、サイト殿」
 アンリエッタが、静かな声で囁いた。
「そんな、どうでもいい事などすぐに忘れさせてあげますわ」
 アンリエッタが、そう言いながら指し示した先では、意識を失ったルイズのウェディングドレスの重いスカートをまくり上げたシエスタが、ドレスと同じく純白な色をしたショーツを、足首までズリ下ろしていた……。


 タバサは、突然現れて、この場を仕切り始めた若き女王を見て、才人に対する彼女の鬱積した想いを想像し、彼女に話を持っていった自分の判断に、やや後悔し始めていた。
 だが、一つ分かる事があるとすれば、アンリエッタからすれば、本当の『裏切り者』は、才人でも、才人を誘惑した自分たちでもなく、『法的に』才人を奪った、ルイズその人なのだという事が。
 アンリエッタが、彼から国籍と国法の庇護を剥奪するという暴挙に出たのは、間違いなくルイズに対する当てつけのつもりなのだろう。

 しかし、どちらにしろタバサも、才人を他の女に渡すつもりはなかった。


626 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 02:15:17 ID:aHR1YXmE
しえ

627 名前:痴女109号:2008/03/06(木) 02:18:09 ID:WBRqO+jN
お久しぶりにございます。
タバサさんが、あまりにも残忍になりすぎたので、書き換えたら、今度はお姫様が好き放題暴れ出してしまいました。
こちらを立てれば、あっちが立たず、といった具合ですな。

ではでは。

628 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 02:21:25 ID:bScovBtr
おつでした。

629 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 02:22:41 ID:CWVVA2Qb
黒アン様ステキすぎるよアン様!

630 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 03:06:44 ID:Rk0bYW+X
四月くらいに14巻出てくれないかなー
13巻の終わりでルイズとサイトの別れが気になってしょうがないw

631 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 05:24:52 ID:D/lrh/L7
>>586
マリコルヌがトリステイン版「電車男」になる電波を受信したwww
脱ヲタして「エルメス」のハートを射抜くのだwww

>>616
21世紀が産んだひんぬー革命「ヌーブラ」を早く作って
愛するご主人様へ献上するのだ、サイト!!!

632 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 05:57:19 ID:dXLsxSWv
痴女109号氏、投下乙でした。
アン様はどんなとんでもないこと仕出かしても説得力があるから困るw


>>631
相手役の顔をよく見たら、「エルメス」じゃなくて「エルメェス」兄貴でした。
マリコルヌ、むーざんむーざん。

633 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 15:13:15 ID:i53GItHZ
>>627
>>391の俺からGJ!続き期待してます!!

しかしこれはある意味、ゼロ魔BADENDだよな・・・。なんとなくスク○ズっぽい
展開だ。

634 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 15:19:04 ID:037n5hV8
>>624
GJです
が、突っ込ませていただくと
基本的人権という概念はは貴族社会においては存在しない。
そもそも基本的人権という概念が生まれたのは、フランス革命が起きて、貴族が処刑・国外追放され
民主主義が確立してからフランス憲法において定められた。

つまり基本的人権とは民主主義国家の象徴。


635 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 15:35:54 ID:aF52sNUD
生き物である以上、自分の命が脅かされたら死にものぐるいであらがう。
その流れで、財産生命を脅かす存在に対しては、個人、家族、集落、あるいは国家単位で反撃する。
基本的人権という言葉はなくてもそれに似たようなものは本能レベルで存在したと言えるでしょう。
独り言を書いてしまった。チラウラスマソ

636 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 17:33:43 ID:037n5hV8
>>635
まぁ基本的人権の起源には、名前忘れたけどイギリスに
国王がむやみに平民の財産、生命を侵すことを禁止し
国王の権利を制限する取り決めが始まりだといわれている
今の基本的人権とはかなり差があるが
これに倣えば、国家元首であっても基本的人権を奪うのは重罪(殺人刑等)


637 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 17:40:02 ID:037n5hV8
マグナ・カルタだった

638 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 17:40:46 ID:qzVubu4Y
貴族と平民で分けられてて、貴族から見た平民には人権があるとは思えないんだが

639 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 17:44:33 ID:037n5hV8
いや、サイトは平民じゃないよ、一応

640 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 18:53:53 ID:aF52sNUD
使い魔と平民、それと貴族と王の力関係が良くわからん。
それとどんな手段で下の者を支配してるのか。
あとお金(税)の流れ。

641 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 18:57:22 ID:5ySJkq2w
本気で検証議論したいならラノベ板の方がいいかと

642 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/06(木) 19:26:21 ID:YWbns4Wb
さてと。おまいら。とりあえず、だ。
http://www.zero-tsukaima.com/
このテファを見てくれ。こいつをどう思う?

このけしからん衣装が動くのか?かがんだりしたらパンチラとかちちちらとかじゃすまんぞ!
そんなわけでテファもの、途中だけど投下します。

643 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/06(木) 19:26:46 ID:YWbns4Wb
それは、まだ少し肌寒い春の日の午後。
春の日差しを求めて外へ出て行く生徒たちに逆行するように、小走りに女子寮の廊下を駆ける影があった。
トリステイン魔法学院の制服を着たその影は、大きな帽子を目深に被っているために誰なのかはよく分からない…つもりだった。本人は。

「あら?お姉さま?どちらかへお出かけでしたの?」

小走りに駆けるティファニアに、たまたまそこを通りかかったベアトリスはそう声を掛けた。
あの異端審問の事件以来、校内では帽子を被らなくなったティファニアが、帽子を被っているという事は、とりもなおさず学院の外へ出たという事。
ティファニアはびくん!と背筋を逸らせて立ち止まり、慌ててベアトリスの方を振り向く。
その背中に、一冊の書物を隠しながら。

「あ、うん、いい日和ねヴィヴィ!それじゃ私急ぐから!」

言ってティファニアは一切の質疑を拒否すると、ベアトリスに背を向けて自室へと向かう。
その背中は、一切の問答を拒絶していた。

「…どうなさったのかしら…」

ベアトリスは一切の質問を諦め、首を捻る。

「答えは簡単。見られると恥ずかしい本を買ってきたのよ。町でね」
「ひゃあっ?あ、あなたどこから沸きましたの?」

いつの間にか、ベアトリスの隣にタニアが腕を組んで立っていた。
彼女がこのポジションにいるという事は、常にベアトリスの脇に控えているはずの装甲騎士団団長、もしくは団員が、タニアを通したということである。
その原因として上げられるのが、装甲騎士団の内部でのタニアの扱いである。
ベアトリスの心酔するティファニアの関係者ということ、さらにベアトリスから近づく彼女を排除せよとの司令がないために、騎士団がタニアを遠ざける事はなかった。
そのこともあって、タニアはいつの間にか貴族であるベアトリスの傍に立てる、数少ない平民という地位を手にしていた。

「人をボーフラみたいに。失礼なヤツだなあベアちゃんは」
「ベアちゃん言うな!全くあなたは平民のくせにっ!身分をわきまえなさいな!」

本人には全くその自覚はないが。
荒ぶるベアトリスに、タニアは涼しい顔で手を振りながら言った。

「まあ、今度お姉ちゃんの部屋掃除したときにでも家捜しして、内容把握しとくわ。
 ベアちゃんも知りたいっしょ?お姉ちゃんが急いで読みたがる本の内容」
「…う。確かに…。
 わ、わかりました。しかと頼みましたよ、タニアさん」

こうやって、いつもベアトリスは肩透かしを食らうのである。
そのやりとりは、傍から見ると、仲のいい友達同士に見えるのであった。
そして、タニアは後日、その本そのものをベアトリスに見せる。
それを読んだベアトリスは、軽い男性不審に陥り、数日の間部屋に引きこもってしまうのだが。
それはまた、別の話。

644 名前:よく売れる本 ◆mQKcT9WQPM :2008/03/06(木) 19:27:50 ID:YWbns4Wb
ばたん!

自分で締めたドアの音に、私は思わずびくっ!と身を縮こまらせる。
私は慌てて、ドアの鍵を閉める。
よ、よし。開いてないよね?
私は胸元に買ってきた革張りの表紙の本を抱えると、部屋に備え付けられた椅子に腰掛ける。
そしてその椅子の前にあるテーブルに本を置いて、帽子とマントを脱いで、はぁ、とため息をつく。
か、買っちゃった…!
今日。
私は、ヴィヴィに勧められた参考書を買いに、近くの町の本屋に出かけた。
そこで。
そこでその本を探していた私は、とんでもないものを見つけてしまう。
ちらり、とテーブルの上に置かれた本のタイトルを見る。

『夜伽の達人 〜ひと目でわかる殿方の悦ばせ方講習〜』

その本は。
その本屋さんの奥まった所の台の上に、一冊だけ、平積みで置いてあった。
その台の上には、店員さんの直筆らしい宣伝文句の書かれた紙が張られていた。

『今、王都で大ヒット中!
 倦怠期のご主人も、熱愛中の恋人にも、不倫中の愛人にも大好評!
 最終頒布分を緊急入荷、現品のみ、重版は未定!買うなら今!』

それを見た私の脳裏に、サイトの顔が浮かんだ。
彼は私の想像の中で、私の髪を優しく撫でながら、笑顔で私に囁く。

『上手だね、テファ。いつの間にこんなにエッチになったんだい?』

…っきゃーーーーーーーーーーーー!
その想像に思わず私は真っ赤になってその場で回ってしまう。
そして、その本の値段を確認する。
し、新金貨で10枚っ?
こ、今月女王様から戴いたお金のほとんど。
…で、でも。
こ、この本読んで、夜伽のお勉強して。
さ、サイトが、サイトに、褒められたら。
……………………………………………………………………………………………。
気がついたら、私の財布から金貨が全部なくなっていた。


645 名前:よく売れる本 ◆mQKcT9WQPM :2008/03/06(木) 19:28:36 ID:YWbns4Wb
そして、今に至る。
ホントは、夕方くらいまで町でゆっくりしてくる予定だったけど。
ごくり。
私の喉が鳴る。
こ、これでお勉強して。
今夜、サイト誘っちゃおう…!
あ、で、でも、ダメとか言われたら。
…ううん、そんなことない。
サイトきっと優しいから、断ったりしない。
あ、でもルイズさんが反対したら…。
どうしよっかなぁ…。
私はもう一度本を見る。
そして、その重厚な革張りの表紙をめくる。
その下には、ずらりとならんだ目次。
…すご。全部で45個も項目がある…。
その中に、目を引くものがあった。

『複数での行為』

…あ、そっか。いいこと思いついた。
ルイズさんも、一緒にすればいいんじゃないかな。
そうした方が、サイトも悦ぶだろうし。
私はそう思って、その項目をまず読み進めた…。

646 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/03/06(木) 19:30:38 ID:YWbns4Wb
今日のところはここまで。
元ネタは某アレですよアレ。

しかし、どんどんアホの子になりつつあるな俺のテファ。もう原作カケラも残ってねえw
超原作レイパーですよね俺。

それじゃあ晩飯くってくゆ。ノシ

647 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 19:54:06 ID:kMpjRiGN
せんたいさんGJ



なんか過去の自分を見てるようで痛いな
テファが

648 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 20:52:34 ID:037n5hV8
gjgj
さすがせいたいさん

649 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 20:56:45 ID:yL5YgKkN
ぐはぁっ
へんたいさんもっふるもっふる

>647
それは登場人物が全員思春期真っ只中だから仕方ないな。頭の中はいつだってピンク色だよ

650 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 21:03:55 ID:aF52sNUD
>>647
なんか過去の自分を見てるようで痛いな
テファ(の体型)が

に見えた。疲れてるのかな。

651 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 21:18:40 ID:whxrw0H+
>>642
け、け、けしからん!
実にけしからんですぞハアハア 
ルイズに邪魔されて横が見えないだけに裸エプロンというか金太郎の前掛けみたいだ

652 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 21:33:23 ID:kMpjRiGN
>新金貨10枚
どうみても騙されてます


653 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 21:33:43 ID:i53GItHZ
>>646
へんたいさんGJ!早急に続き希望です。。とゆー事でへんたいさんに燃料投下
つ ttp://yui.cynthia.bne.jp/newanime/img/1187185365_0128.jpg

でも原作レイパーはへんたいさんじゃねぇwwアニメのが(ry へんたいさんに
アニメの監督をお願いしたいw無論、18禁でww

654 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 21:59:45 ID:sEaymvf7
>>646
せんたいさん GJ! なんかどんどんテファが駄目な人にww
まあ、せんたいさんのSSの登場人物は殆ど駄目な人ばかりだがww
>>649の指摘の通り10代はやりたい盛りだからしょうがないのかな

655 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 22:02:47 ID:5y5S+mlv
よーし、胸に脂肪がつきすぎた不健康児は高洲クリニックがどんどん吸引してあげるからね

656 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 22:14:47 ID:ba+oE/Cn
高洲クリニック社長の友達の友達はひろゆき

657 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 22:23:34 ID:fZ9BoLMN
>>484がツボだったから描いてしまったのを投下する。
罰点タイム一回目。

http://zerokan.digital-ark.com/upbbs/ref/1204809518120.htm

職人の皆様、いつもごちそうさまです。

658 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 23:17:01 ID:4TkYq1tU
>657 サイトの剛直ぶりに吹いたw

659 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 23:32:47 ID:kMpjRiGN
まぁ日本人のは外国のと比べて堅くはあるよな
食文化のせいで

660 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 23:46:50 ID:9pQynXiu
硬いってのは聞いたことがあったが、食文化のせいってのは知らなかった。
どうゆうこと?

661 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 23:51:27 ID:kMpjRiGN
肉じゃなくて魚とか食う民族なんだよ日本人は

662 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 00:20:39 ID:LUQdvTGW
日本人のアレは膨張率が高いのと硬いとは良く聞くが
食文化のせいだったのか

663 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 02:12:09 ID:Nl9t45jT
>>653
これ何の雑誌ですか?

ていうか二期があんな終わり方して三期どうすんだろう

664 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 08:03:34 ID:V53PC8+Y
へんたいさんSSの現在のキャラの立場をまとめてみた

ルイズ:ご主人様(セックス狂い
シエスタ:メイド(あててます
タバサ:使い魔(アナル中毒
アンリエッタ:メス奴隷(露出狂
ティファニア:ペット(調教中

うん、見事なダメ人間の集団だ

665 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 09:34:20 ID:P+hvhyl2
>>664
才人:愛の蜜蜂(精液タンク

666 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 17:41:12 ID:B9bJ5zC8
>>664
欲求不満とは無縁な陣容だな

667 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 18:35:31 ID:LUQdvTGW
>>664
こうして見るとせんたいさんが各キャラの性癖を書き分けてたのが分かるな
というか、国家の将来を担うべき人材と現在進行形で担っている人物が
そろいもそろって駄目人間ぞろいなのは拙いなww

668 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 18:44:46 ID:1bjTXXEN
>>667
安心しろ。マザリーニ卿とアニエスが残っているwww
アニエスが陥落したらもうマザリーニしか居ないwww


669 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 18:55:17 ID:7PKSH06T
アニエスさんもすぐにメロメロになるだろ
あの歳まで男とつき合ったことすらない(俺設定)んだから

670 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 19:18:13 ID:MOYQgmhV
>>668
__________
    <○√
     ‖ 
     くく

うおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!
まだだ! まだトリステインは終わらんよッ!!


↑こんな感じでトリステインを一人で支え続ける枢機卿を想像して噴いたw

671 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 19:19:14 ID:eH+olS+/
ヤル前にやることはやってるから大丈夫

672 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 19:45:19 ID:V53PC8+Y
あれ?サイトにエロ修行したのってアニエスさんじゃなかったか?
あとへんたいさんのアニエスはコッパゲとよろしくやってるはずだが

673 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 22:50:45 ID:jAt6jQam
つうかマザリンはどうして出身地でもないトリステインなんかで
首相代行みたいな苦労をしてるんだろう。

674 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 23:00:43 ID:uSGjXkXj
ロマリアでの権力闘争に嫌気が差したんじゃね?

675 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 23:06:32 ID:3I5p+6+A
史実みたいに皇后とデキてるとか・・・

676 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:50:28 ID:QbFTBGPl
このレスを見たあなたは確実に交通事故に会います

逃れる方法はただ一つ
↓このスレに行き
http://ex21.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1204608839/


ゆかりんがいちばんすごくてかわいい


と書き込んでください。書き込まなければ確実に明日交通事故にあいますよ


677 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 04:26:11 ID:x9+gZTIV
あれ?
マザリーニってトリステイン出身じゃなかったっけ?

678 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 04:30:59 ID:BKVNsxIE
>>677
ロマリアの次期法王の座を蹴っ飛ばしてここにいるのですよ。

679 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 05:01:29 ID:x9+gZTIV
教皇の座を蹴って、政治的に危うい母国トリステインの窮状を救うべく宰相してるのかと思った。
現実のローマ法王もイタリア人が多いとは言え、少なからぬ他国人が即位している訳だし、
ロマリアとマザリーニの場合もそうだとばかり思い込んでたよ。
どこかで毒されたかな?

680 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 06:47:53 ID:79+/lX6R
案外、マザリーニは教皇が嫌いというか理由のわからぬ嫌悪感を抱いてると
予想してる。まぁデルフが気に食わない奴って伏線たててるくらいだから
才人も反教皇になるだろうし。

つーかここエロパロだよな?w

681 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 08:32:56 ID:WHNTv4T5
デルフが気に食わないといっていたのは初代。

マザリーニがアンリエッタやその母に純愛を抱いているとかだと、
スレ的にもアリでは?
マザリーニの妄想内の話とか出来そうだよね。

682 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 09:26:08 ID:cyKzR0fr
マザリーニを弄るなら
ボルボ氏並みに話を練り上げないと、駄作になりそうだなw

あの人、政治背景とか、駆け引きとかうまくかけてるほうだと思うからw

683 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 12:38:50 ID:MDlUBW19
枢機卿は前国王と……うわぁなにするやm

684 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 19:30:14 ID:5rNV+vSD
保管庫の人気ページ見て吹いた

お前らほんとにへんたい好きだな

685 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 19:45:10 ID:/dMe3Mmv
>>684
他の追随を許してないもんな。
作者別のページよりもカウンター回ってる日すらあるから、
多分へんたいさんのページを直接ブックマークに登録してる人が多いんだろう。
なんにしても凄いことだ。へんたいさんは偉大。

686 名前:陥落のエレオノール:2008/03/08(土) 23:58:37 ID:sNm5mLZq
今宵も二つの月が昇る夜、ベッドの上で二人の男女が体を交わらせていた。

「ん…ジュル、チュ」
「い、いいよ。エレオノール、そろそろっ!!」

すっと才人は自身の肉棒に吸い付くエレオノールの顔を掴み引き離し溜まった物を吐き出し、その高慢
な顔を白濁の液で汚していった。

「きゃぁっ………、もう、外に出さなくても飲んであげたのに」

当のエレオノールはというとなんら嫌悪感も出すことなく、逆に顔にかかった精液を指でとっては口に
運んでいく。

「それよりさ、そろそろ欲しいんじゃないの?」
「…はい、もう体が熱くて………」
「そっか、じゃあ今日はさ。エレオノールから入れてみてくれよ」

才人は未だ衰えを見せない自分の肉棒を片手で摘み、軽く揺らしてエレオノールを促す。
エレオノールは才人の言葉に頷くとすっと膝立ちになり、自分から才人の肉棒を受けに行くが…

「あ、待った。後ろ向いてからやってくれ」
「後ろ?ん、もういいけど……」
「俺も姿勢起すからちょっと辛いと思うけど腰浮かしてくれよ。」

才人は上半身を起して、エレオノールを後ろから抱きしめた。

「欲しがっているやつは支えておくから、エレオノールはそのイヤらしくひくひくさせてるの自分で広
 げて入れて」
「ん……」

エレオノールは才人の言われるまま腰を浮かしたまま、愛液で溢れている秘肉を両手で広げた。

「ん、いいよ。あ、前向いたまま入れてくれない?」
「前?それじゃあ、私は見え………これは!」

前を向いたエレオノールの目の前には才人の上に跨り、自分から脚を広げて彼を受け入れようとする
淫らな自分がいた。鏡だ、衣装鏡に自分の姿が写っているのだ。

「ちょ、ちょっと、サイト君!?」
「それで見ながら、入れてみてよ」
「で、でも…、これは………」
「今更恥ずかしがる必要ないじゃん、いつも俺に抱かれてる時はそんな顔してるんだから」

ニヤニヤとした笑いを浮かべて才人は早くエレオノールにするよう促した。
エレオノールも諦めた様子で言われるがままにする事にした。

「うを、すげぇ。エレオノールの俺のを飲み込んでいってるみたいだ」
「は、恥ずかしいから言わないで」

ズプズプとエレオノールの秘肉は才人の肉棒を飲み込んでいく。やがて、全部飲み込むと今度はゆっ
くりと上下にしごき始める。

「こうやって、男の上に跨って腰振ってるとこ同僚の人たちに見せたらなんていうのかな」
「う、んん…、そんな……やぁっ」

才人は腰に回していた手を胸の方にスライドさせてエレオノールの薄い胸とツンと自己主張している乳
首を責めていき、自身もまた腰を使い責めていく。

687 名前:陥落のエレオノール:2008/03/08(土) 23:59:36 ID:sNm5mLZq
「(こ、これが、私の姿…)」

才人に跨り快楽を貪る浅ましい自分の姿を鏡越しに見て、エレオノールは戸惑っていた。普段の凛とし
た自分とはかけ離れた、緊張感のかけらもない顔をむざむざと見せ付けられた為だ。

「ン、ン、ン、ン!」
「ほら、そろそろいくぞ!」
「あぁ、クッ、も、もうイクッ!」

才人の動きが一層激しくなり、ひと際強く突き上げた時に才人の肉棒から二度目の精液が吐き出された。
エレオノールは膣中に射精されたのを感じると、目元を快楽に歪ませた。

「はぁぁっ……出てる!!ビュクビュクって……」

子宮が精液に満たされてく満足感を感じながら、エレオノールは意識を手放していった。

「(うん、もうそろそろいいかな)」

しばらくして、覚醒する事なくそのまま睡眠へとシフトしたのかスースーと寝息を立てて横で寝息を立
てるエレオノールの頭を軽く撫でて才人は考え事をしていた。
エレオノールの純潔を奪ったあの日以来、機会を見ては才人は彼女の部屋に押しかけにいった。エレオ
ノールも最初は抵抗の意志を見せるも、最初の夜に性行為の快楽を叩き込まれたためか才人に丸め込ま
れ、結局は思うがままに弄ばれていった。しまいには、自分からも誘うようになりいまやエレオノール
は才人の愛人の一人に成り果てていた。こうして見ると、ただの不倫に見える関係であるがこれには才
人以外の第三者の思惑も実は絡んでいたりしていた。才人はベッドから起き上がると、つかつかとドア
方に歩み寄りコンコンと内側をノックして何者かに合図をした。

「エレオノールさん、起きて、起きてくださいよ」
「う、うぅん、あら、いつのまに私ったら寝て…ちょっと、これは…何?」

才人にエレオノールは起されると、何かの違和感に気づき声を荒げた。視界は暗く、両手が思うように
動かせない。どうやら目隠しをされ、両手を縛られているようだ。

「心配しないでくださいよ、これはちょっとした余興ですから。」
「んんんっ!!」

才人は正上位エレオノールを再び貫き、対面座位の体勢に持っていく。

「よ、余興って……あんっ、そこは…!」

そのまま、才人の手は尻に伸びエレオノールの菊座を弄り始める。

「ここだって、気持ちよくなれるんですよ」
「ダメ、そこは汚…くぅっ」

ゆっくりとであるが人差し指がズブズブと穴に埋まり始める。エレオノールは慣れぬ感触に思わず腹か
ら声を出した。

「ふっ、くぅ…、さ、サイト君。そこは……フウッ」

丸々一本が埋まったところでゆっくりと中を掻き回すように動かす。指が動くと同時に肉棒をくわえ込
んでいる膣もまた、きゅうっと肉棒を絞めつけた。

688 名前:陥落のエレオノール:2008/03/09(日) 00:00:03 ID:sNm5mLZq
「くぅっ、指動かす度にこっちも絞めつけてきてたまんねぇ…」
「や、あ、あ、あぁ………」

今度はゆっくりと指を抜いていく、腸を引っ張り出される様な妙な感触にエレオノールはあられもない
声を出す。にゅぽんと人差し指が完全に抜かれるとエレオノールは体を振るわせた。

「あら、あら。初めてなのにもう軽くイっちゃたんだ」
「はぁー…、はぁー…お尻の穴なんて…汚いのに…」
「今度は、指より大きいの入るからちょっと我慢してよ」
「へ?な、何?ん、ああああああ」

体を才人によって彼ごと前に倒され、尻肉を広げられると不意に背後に何者かの気配を感じた。
そして才人ではない第三者の手に腰を掴まれると菊門に何か冷たくて大きいモノが挿入されていった。

「あ、あああ、あっ」

急な大きい異物が肛門に挿入された事でエレオノールは大口を開けて大きく息を吐くように声をあげた。
ゆっくりと、しかし徐々にその異物はエレオノールの不浄の穴を犯してゆく。異物が最後まで埋まると
エレオノールは切れぎれながらもゆっくりと呼吸をする。

「すー…はぁー…すー…はぁー…ひゃうっ」

今度は背中に何か冷たい液体がたらされ、それは才人ではなくエレオノールの菊を犯しているものによ
って背中だけでなく首や胸など全身に摺りこまれていった。

「んっ、んん、サ、サイト…これは一体!!」
「あまり怒らないで下さいよ、あなたの良く知る人ですから。心配しなくてもいいですよっと」
「あぁっ!」

思わぬ仕打ちに怒りの声をあげるも、才人の腰が突き上げられそれは空しく掻き消されてしまう。

「(な、なんなの!?な、なんだか体が熱く………)」
「おお、どうやら馴染んできたようだな。そろそろいいぞ」
「ひゃぐっ!!」

後ろのモノが急に動いたが為、エレオノールはあられもない言葉をあげた。

「あぐっ、そんな…大きいの、お尻じゃ…無理!!」
「そんな事言って、あそこはきゅうきゅう締め付けて声もだいぶ甘くなってきてますよ」
「そ、そんな事、ない!」

尻を責められ感じている事を否定するも、実際は才人の指摘どおり感じていた。

「(な、何。お尻を…汚いところを責められてるのに感じるなんて)」
「ああああ!!」

後ろと前の穴を同時に攻められ、エレオノールは嬉声をあげ絶頂へと達した。

「くっっ!!すっげぇ…!!二回出してなきゃ、搾り取られるところだ」
「あ、あぁ…(そんな…お尻でイッちゃうなんて…)」

エレオノールの目からは涙が溢れ目隠しの布が涙で滲んだ。

689 名前:陥落のエレオノール:2008/03/09(日) 00:00:36 ID:TKfbphKX
「あらあら、お姉さま。お尻、初めての癖にイッちゃったんですか?」
「そ、その声は…ルイズ!!」

背後から声をかけられ、エレオノールは自分の後ろを犯している相手の正体を知った。

「る、ルイズ。何故あなたがここに」
「何故?それは私の方が聞きたいですわ。どうして、この馬鹿犬に抱かれているのですか?」
「そ、それは………」
「どうせ、この馬鹿犬がなにかいつもの変な気を起したんでしょうけど。実の妹の夫を寝取るのは
 どうかと思いますよ?」
「は、ぅ……それは……」

ルイズはエレオノールを責めながら再び腰を動かし、後ろを攻め始めた。

「まぁ、でもこうなってしまったんですよね。もう仕方ありませんよね、許してあげます。」
「えっ………」
「才人、かっこいいですもんね、優しいし。一度でも抱かれてしまったら誰だって惚れちゃいますも
 んね。」

このままルイズに非難されてしまうかと思われたエレオノールだったが、その続きの言葉は以外な物だった。

「だから、同じ才人を好きなった女として許してあげます。だけど、勝手に手をだしたのは事実ですか
 ら後ろの処女で許してあげる事にしました。」

そう言い終わるとルイズは腰の動きを早めた。

「ひゃ、ル、ルイ……あふぅっ!」

ルイズが動き始めるのと同時に才人も腰を動かし始める、二点を同時に責められエレオノールの意識は
一気に白み始める。

「は、はひぃっ!!そ、んな、二ついっぺんなんて、こ、壊れ!!」
「ほら、イッて下さいよ。お姉さまの淫乱な姿見せてくださいよ!」
「わ、私は、い、淫乱なんかじゃンンッ!!」

才人は腰をうごかすだけじゃなく乳首を抓り、舌で転がし胸を責め始めた。

「ン!ン!ン!ン!」
「もう、我慢しないで、イッテ下さい!お姉さま!」
「ア!も、もうダメッ!イク!イックゥゥゥ〜〜ッ!!」

エレオノールの体が大きくビクンと跳ね、尻の穴がキュッとすぼまる。才人の精液が三度放たれ、エレオ
ノールは絶叫した。

「や、やりすぎちまったかな」

ルイズと才人、二人の結合から解かれたエレオノールはそのまま脱力したままベッドに崩れ落ちた。目
は焦点が合わず、肩で息をし、口から涎を垂らしあそこからはだらしなく精液が零れ落ちる。その姿に
清楚で気難しそうな外見は感じられなかった。

「そりゃあ、ちょっと媚薬で感度あげたせいもあるからかもしれないけど。初めて二つ同時に責められ
 たんですもの、最初はこんな感じじゃないかしら。」

姉のだらしない姿を見てルイズは冷静に分析する。

「でも、これでお姉さまも私達の一員ね。」
「ああ、そうだな。」

690 名前:陥落のエレオノール:2008/03/09(日) 00:01:21 ID:TKfbphKX
ルイズは無邪気な笑顔を浮かべた、そうエレオノールを才人の愛人にさせるように仕向けたのは彼女なのだ。
元々、ルイズは嫉妬深い。普段であるなら才人が他の女性と不倫関係になるというものならそれこそ烈
火のごとく怒り、才人に鞭と体を奮うはずなのであるが。この才人という男、ルイズの予想越えた男だった。
なにせ、お互いの想いが通じ合い処女と童貞を奪い合った後でも才人は他の女に手を出していた。
まぁ、シエスタとは『私が正妻、あんたは妾』協定を結んでいたのでシエスタとの関係はノーカウント
なのだが、さすがにタバサやアンリエッタ女王達の関係については別問題である。確かに彼女達が才人
に惹かれ恋をしている事は同じ女として知ってはいたのだが、人の恋人に手を出す事まで許すルイズで
はない。しかし、そんなルイズの思惑は別として才人は彼女達と肉体関係をもってしまった。これには
才人自らの意志ではなく半ば逆レイプ的な状況でそうなってしまったのだが、結局は不倫関係である。
この問題にルイズは頭を悩ませた、そこでしばらく考えをめぐらせたところ一つ名案を思いついた。
『そうだ、どうせならば彼女達も妾として扱おう』と、ルイズも才人に大分毒されていたようだった。
しかし、この考え。意外や意外に受け入れられ以後、なんの軋轢もなく逆に以前よりも彼女達と親しく
なった。ちなみに、タバサなんかはそれでも引かず抵抗したのではあるが、そういう輩については才人
やシエスタと共に強制的に合意に持っていった。
「可愛いわ、タバサ」
「シャルロットと呼んで……ルイズ……」(頬を赤らめながら)
和解した瞬間であった、そして一つの戦いを終えたルイズは一つの疑問を感じた。
他にも才人の事が好きだったり、才人が気にかけている人いたらどうしようと、才人が他の女に手を出
すのは嫌だが、自分もその娘と楽しめるなら認めようというある意味大人の考えに至ったルイズは今度
は自分から手を出しにいくようになった。自分から身を引いていったティファニア、自分と才人との生
活を羨望の眼差しでみていた敬愛する姉カトレア、実は奥手だったシエスタの従姉妹だったジェシカ等。
気づけば才人とルイズの周辺はハルキゲニア諸国の有力者と平民に固められていった、唯一その関係者
のいないゲルマニアとロマリアが危ない。
ともかくそういった思考のルイズの次のターゲットがエレオノールだったのである、自分から蜘蛛の巣
に引っかかりに来たのは想定外だったが、それはむしろ好都合。計画は実行され、現在に至った。

691 名前:陥落のエレオノール:2008/03/09(日) 00:01:46 ID:sNm5mLZq
「これで気兼ねなく家にいれるわね」
「エレオノールさん、行き遅れてるのきにしてたもんなぁ」

なお、両親にもきちんとネマワシして許可をもらっているとこが恐ろしいところである。

「それより、サイト……」

ふと、ルイズが甘い声を出し才人にしなだれかかる。


「お姉さまに使った媚薬ね、実は私も使っちゃったんだ………」

ぼとりとグラモン印の入ったエレオノールを犯していた張り型がルイズの陰部から糸を立てて落ちた。

「はい、はい。本妻もきちんと可愛がってあげなきゃなぁ」
「サァイトォ(はぁと)」

「(ん……、そういえば私は……、ルイズに……)」

ぼんやりとしていた意識が徐々に回復していき、エレオノールは目を覚ました。

「(あ、あれは……)」

目の前には才人に突かれあえぎ声を漏らすルイズがいた。思わずルイズと目が合う。

「(さぁ、お姉さまも一緒に……)」

淫靡な顔を浮かべルイズは姉に誘いかける。

「(わ、私は………)」

エレオノールは力の入らない体をなんとか動かし、ルイズの元に近寄り

「ん……」
「はぅ…、ん……」

唇を重ねた。

692 名前:アトピック ◆xsDbUITz4M :2008/03/09(日) 00:05:14 ID:sNm5mLZq
エレオノールな話の続編です、書いてる途中気づいたけどエレオノールさんの
あえぎ声ってああ女神様のベルダンディなんよな…。
それよりルイズが予想外の方向に向いてしまった、いいんだろうかこれで。
では、機会ができましたらまた。

693 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 00:06:01 ID:Jr2dubQR
なんてけしからんハーレムだ!

GJ

694 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 00:10:49 ID:vzVEfa0V
カトレアさんもう陥落済だったのかw
そもそもエロ行為にあの人の体が耐えられるのかは疑問でありますが
なにはともあれGJっす。

695 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 00:14:56 ID:Ky4HhW3+
けしくりからん。なんてけしくりからん

696 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 00:26:11 ID:cKuqIanU
>>692
逆レイプってww その逆レイプの模様を機会があったぜひ!
サイトは果報者だなww  GJ!
>>694
エロSSでそういう無粋な突っ込みは入れるなww

697 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 00:45:40 ID:HTwZLD8B
サイトの精液に、カトレアさんの難病を予防する成分があるのです。

これは、カトレアさんを助けるためのやむを得ん処置なのですよ。

その証拠にホラ、サイトに抱かれた翌日のカトレアさんの顔色のツヤツヤしたこと……。

でいいじゃないの。

698 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 01:15:18 ID:/Vr6ntT0
つまりサイトとSEXする度に活力を得ると。
どっかであったわね・・・・

699 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 01:45:27 ID:9xtIwqJL
>>698

つ http://zerokan.digital-ark.com/wiki/index.php?17-548


700 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 05:07:48 ID:PCKiNbll
友達とカラオケに来てるのにこのスレ見てる俺って…
全ての職人と読み手にGJ!!

701 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 07:49:12 ID:OwrYr51j
>>697
それ、どこかのSSの設定で見たぞw

702 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 08:49:15 ID:tXR0dxt8
マザリーニ女体化でロリババアになって、サイト一直線のダメ人間になって、トリステインが崩壊するSSが見たいです。

703 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 14:02:03 ID:AmH+cAPm
>>702
想像するだけで吐く

704 名前:アニエスに生えてきた:2008/03/09(日) 15:31:15 ID:HFwuXCIu
ハルケギニアに朝が来た
イェイ イェイ イェイ イェイ イェイ

「うーん」
銃士隊隊長アニエスは眼を覚ますとベッドの中で伸びをした。
トリステイン銃士隊の朝は早い。
朝日が昇る前にその一日は始まっている。
アニエスは寝起きが悪い方ではなかったが、
それでも常に遅寝早起きを続けるというのは中々に大変な事だ。

(さて、今日の予定は………あれ?)
アニエスは体の下の方に妙な違和感があるのに気づいた。
一気に目が覚めたアニエスは素早くベッドから身を起こす。
(まさか…)
下半身を覗き込んだアニエスは、硬直した。
(なんだ、この妙なふくらみは??)


705 名前:アニエスに生えてきた:2008/03/09(日) 15:32:19 ID:HFwuXCIu
アニエスはおそるおそる、だが勇気を持ってそのふくらみを観察した。
…どうやら彼女の体と繋がっているらしい。
(まさか)
どうも嫌な予感がする。だが、毛布の上からでは実体は見えない。
アニエスはなぜか周りをきょろきょろと見回した。
(誰も見てない、誰も見てない)
それでもいきなりそれとご対面するのは、何故かはばかられた。
そうだ、触って確かめればいい。
アニエスはそっと毛布の中に手を差し込むと、ゆっくりと手を伸ばした。
ごそごそ、ごそごそ。
狭い毛布の中である。ゆっくりと進んでいった手は、すぐに目標の至近まで到達した。
と、アニエスの手はそこで硬直する。
(触りたくない…)
できるなら触りたくない。でも確かめない訳にはいかない。
思い切って毛布を跳ね上げて…いや、それはもっと気が進まない。
速断実行を旨とするアニエスが、珍しくためらった。

706 名前:アニエスに生えてきた:2008/03/09(日) 15:33:53 ID:HFwuXCIu
いっそこのまま…いや、駄目だ。
もうすぐ朝の日課が始まる。
トリステイン銃士隊隊長たる者が、さしたる理由もなく勤務をサボるわけには…
(今日は仮病でも使ってサボってしまおうか)
動揺のあまり、そんなことまで考えてしまうアニエス。
いいえ、例え何があろうとも、このアニエスはトリステイン銃士隊隊長。
女王アンリエッタの信頼厚い、誇り高き銃士達の束ねなのだ。
自分の身に何が起きているか。目を背けてなんとする!
そう心の中で自分を叱咤するアニエス。
(もしかして、ただの布か何かだったりするかも知れないし。いや、きっとそうだ!)
深呼吸をすると、アニエスは思い切って手を伸ばした。

ぐにゅ

アニエスの希望的観測は見事に裏切られ、右手に確かな感覚が伝わった。
同時に、下半身の大事なところにも、しっかりと。

うぎゃああああああああああーーーーーーー!
アニエスの悲鳴が銃士隊の宿舎に響き渡った。

707 名前:アニエスに生えてきた:2008/03/09(日) 15:35:24 ID:HFwuXCIu
「隊長!」
廊下に駆け足の音が響いた。
「アニエス隊長!」
宿直の銃士が駆けつけてきて、扉越しに声をかけてきた。
(まずい!今の姿を見られるわけにはいかない!)
アニエスはもう一度深呼吸をして、できるだけ落ち着いた声を出そうとした。
「大丈夫だ。何でもない」
「そうですか?しかし、先ほど大きな声がしましたが?」
「あれは、その、何だ、出たんだよ」
「出た?」
「その、何だ。君だっているだろう?見ただけで悲鳴が出そうになる奴が」
「はあ…、ですが、しかし…」
「なんだ、私がそういうのを持っていてはいかんのか?」
「隊長がそういうの苦手されているとは、思いませんでした」
「むろん、任務の時は別だからな。幾らでも平気であしらえる。
 だけど、寝起きでいきなり出てこられたら、君だって驚くだろう」
「そう言われれば、そうですね」
「そうだ。だからもう大丈夫。落ち着いた。もう戻っていいぞ」
「はい」
「そうだ。ちょっと頭が痛い。すまないが、朝の日課は欠席すると
伝えておいてくれないか」
「了解しました」
宿直の銃士が戻っていくと、アニエスはほっとため息をついた。
とりあえずは見られずに済んだ。ついでに時間稼ぎもできた。
アニエスは下半身に眼を戻した。

708 名前:アニエスに生えてきた:2008/03/09(日) 15:36:43 ID:HFwuXCIu
間違いない。
生えてきた。
あれが。


…初めて見るものでは、ない。
アニエスは銃士隊隊長になるまでに、この年代の女性にしては多すぎるほどの、
経験を積んできている。
そう、あれを間近でまざまざと見ることだって、あったのだ。
(あのときは、必死だった…)
絡み合う肉体。息を荒げ、互いが互いの体をまさぐり、何とかして
相手の急所を探りあて、責め上げようと試みた。
それも、一度ではない。
(今さら驚くようなものではない、か…)
アニエスは自嘲するように呟いた。
いや、そんな経験。それらを含めて、今のアニエスがあるのだ。

さあ、頭を上げよ、トリステイン銃士隊隊長、アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン!
毛布を跳ね上げると、アニエスはすっくとベッドから降り立ち、姿見に眼をやった。

凝視。凝視。凝視。

(…やっぱり、見るとの生えてくるのは違う…)
アニエスはくじけそうになった。
どうして、こんなものが、私に生えてきたのだろう?

アニエスのお尻には、可愛らしいしっぽが生えていた。


709 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 15:53:01 ID:JkOmLseD
あれ?チンコじゃないの

710 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 16:18:30 ID:PgoCT0Q1
しっぽかよwwwwwwwwwwww

711 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 16:26:37 ID:OuT+yYpk
ワロタ

712 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 16:46:45 ID:4Adjmb7k
保管庫にはどう行けばいいんだ?
>>1を見てもAASとかしか無いし…
誘導お願いします

713 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 16:52:04 ID:Ky4HhW3+
>>712
>>1のリンク先にも移転先が書かれてるが・・・
ttp://zerokan.digital-ark.com/

714 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 16:52:10 ID:X7KXAF5p
ちょっと上のログも読めないなら諦めた方が良いと思うよ


皆はしっぽが生えている事に惑わされているかもしれないが…
実は耳もあるんじゃね?

715 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 16:57:43 ID:4Adjmb7k
>>713
サンクスギビング
ペンシルロケット置いていきますね

716 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 17:57:49 ID:hCDp3lVx
数日後…

訓練場には、立派な猫耳を生やし剣を降るアニエスの元気な姿が!

717 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 18:09:10 ID:PgoCT0Q1
猫耳・しっぽあるならヒゲもあるんじゃね、極めつけは猫手(肉球)

718 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 18:13:16 ID:jRgBGF/X
その上でサイトににゃんにゃんされるわけだな

719 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 18:16:54 ID:B+x7YDVt
目の前に転がされたボールに飛びついてしまったり
目の前で振られる猫じゃらしにとびついてしまったりするわけだな

720 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 18:31:57 ID:JkOmLseD
>絡み合う肉体。息を荒げ、互いが互いの体をまさぐり、何とかして
>相手の急所を探りあて、責め上げようと試みた

ヌコ相手に何やってんだ

721 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 20:24:03 ID:PgoCT0Q1
勝手に猫としてるけど何のしっぽかは書いてないし
他の動物と戦ってたんじゃないの?マンティコアとかさ(しっぽの有無はシラネ)

722 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 20:41:22 ID:hCDp3lVx
そうだな
個人的には猫耳より狐耳がいいな

723 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 20:53:09 ID:Jr2dubQR
そうそう。
犬かもしれないしボーパルバニーかもしれないじゃないか。

724 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 21:03:14 ID:jf1TvHT1
突っ込みが凄そうだけど。

ルイズ=猫
シエスタ=牛
タバサ=狸
テファ=兎
アン様=犬
キュルケ=狐
アニエス=狼

サイト=馬
竜=アホ

モンモンの薬もアップを始めたようです。

725 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 21:37:56 ID:wOlDYEHf
流れを切って悪いが
俺のID侯爵っぽくね?
という事で記念真紀子

726 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 21:57:22 ID:qiLNLKnN
記念に片腕切り落としてあげますね

727 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:03:37 ID:sM1hXEUR
>>724
せんせー!
竜がアホは違うと思います!w
いや、アホの子なんだけどさwww

728 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:27:46 ID:Jr2dubQR
じゃあ馬と鹿のハイブリッドでw

729 名前:205:2008/03/09(日) 22:27:50 ID:Pi1RQtxy
短編書いてたら半分ぐらい書いたところで100kb超えました。
どう見てもこのスレだけでは収まりません。
とりあえず区切りのいいところまでは書けたので、
この辺で一度投下しようと思うんですが、今現在次スレ立てられる方はいらっしゃいますか?

730 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:40:42 ID:HeyA3ikE
スレ立て試してみます。

731 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:44:54 ID:PgoCT0Q1
半分で100kbって・・・次スレの半分近くが消費されるのかw

732 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:46:28 ID:OuT+yYpk
だいたい30レスくらいになるな

733 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:46:52 ID:V6MeeEoo
それもう短編じゃねーw

734 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:48:26 ID:HeyA3ikE
新スレ立ちました。
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合29
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205070276/l50

735 名前:205:2008/03/09(日) 22:53:09 ID:Pi1RQtxy
>>733
ですよねーw

>>734
thxッス!
とりあえず途中まではこっちに投下した方がよさげですね、中途半端に残ったままだとまずいでしょうし。
ってなわけで投下します。

いつも通りのエロなし萌えなしに加えて、
オリキャラ多数にケティメイン、才人もルイズもほとんど登場しない上に描写がくどくて長ったらしいという、
凄まじい地雷臭の漂うSSです。だが投下することにためらいはない!
危険な香りを感じた方は読まずにスルーしてくださるようお願いします。

736 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 22:54:56 ID:Pi1RQtxy
 椅子を蹴る音が、部屋の中に大きく響き渡る。
「ちょっと、それ、どういう意味ですの!?」
 ケティは丸テーブルに手を突きながら叫んだ。テーブルの周辺に椅子を置いて座ってい
る友人たちが、それぞれに声を返してくる。
「落ち着いて、ケティ」
 か細い声でぼそりと呟きながら、正面に座ったアメリィが静かに紅茶を啜る。
「そうそう。騒ぐほどのことじゃないって」
 コルク栓つきの試験管を右手で絶え間なく振り続けながら、右に座ったコゼットが気難
しげに顔をしかめる。かさかさした左手が収まりの悪い赤毛を掻くと、ぱらぱらとフケが
落ちた。
「怒ると将来皺が増えちゃいますよー?」
 小さなやすりで丁寧に爪の形を整えながら、左に座ったエリアが笑って小首を傾げる。
 彼女らが魔法学院の二年生に進級して、まだ三ヶ月も経っていない、ある休日の昼下が
り。昼食を食べたあとの決まりごとのようになっている、ティータイム中のことである。
 三人の友人たちを順繰りに見回しながら、ケティは声を震わせた。
「皆さん、一体何を考えてらっしゃるの」
 腰に両手を当てて、怒鳴る。
「サイト様を追いかけるのは、もう止めるだなんて!」
「悪いとは思うけどさ」
 コゼットは椅子の上で胡坐をかきながら、右手に持った試験管を揺らしながら、食い入
るように見つめている。
「ちょっと、こっちの方が忙しくなってきてて」
「こっちの方って、その試験管ですか?」
「そ。新しい薬。思ったよりも時間がかかるみたいで、これずっと振ってなきゃいけない
んだよ。あたしの予想だと、調合が終われば液の色が赤くなるはずなんだけどなー」
 説明している間も、コゼットはずっと試験管を振り続けていた。ガラスの向こうで青い
液体が踊っている。ケティは顔をしかめた。
「どうしてそんな面倒な薬を調合なさってるんです?」
「理想の栄養剤を作ろうと思って、いろいろ試してるんだよ。多分、この製法で調合した
薬が一番効果高くなると思うんだよね。今までの経験からして」
「薬好きもここまで来ると立派ですねえ」
 無邪気に感心するエリアの隣で、アメリィが少し俯きつつ、ぼそりと呟く。
「でも、お風呂ぐらいは入ったほうがいいと思う」
「仕方ねーじゃん、これ放っておいたらどうなるか分かんないしさ」
 彼女が無遠慮に赤い髪を掻き回すと、盛大にフケが飛び散った。アメリィがかすかに顔
をしかめて、さり気なく椅子ごと遠ざかる。後で必ず床を掃除しよう、と固く誓うケティ
の前で、コゼットは大口を開けて欠伸をした。
「もう三日も振り続けなんだけどねー。そろそろ出来上がってもいい頃だよなー?」
「三日ですって!? まさか、その間一睡もしてないんですの?」
 ケティが叫ぶと、コゼットは「そうだよー」とのんびり返事をしながら、左手で目を擦
る。よく見ると、目の周りには深いくまが出来ていた。
「コゼット、あなた、そんなことしていたらその内倒れますわよ?」
「大丈夫だよ。昔、薬の材料になる虫採取しに行ったとき、五日間ぐらい起きっぱなし
だったことあるし。胃袋が空っぽなら割と眠くならないもんだよ?」
「まさか、食事も取っていないんですの?」
「水は飲んでるから大丈夫だよ」
「その理屈が分かりませんわ」
 溜息をつくケティの前で、コゼットは顔に疲労の色を滲ませながら、それでも気楽に
笑っている。
「心配すんなって、これが完成したらちゃんと寝るからさ。きっともうちょいだ、もう
ちょい」
「コゼっちは相変わらずワイルドですわー。とても貴族の娘とは思えないガサツぶりです」
 柔らかい銀髪に指を絡ませながら、エリアが小さく首を傾げる。その隣で、アメリィが
俯き加減のまま少し頭を傾けた。長い前髪で目元が隠れているからはっきりとは分からな
いが、多分コゼットの顔を見ているのだろう。

737 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 22:55:38 ID:Pi1RQtxy
「ちゃんと眠らないと肌が荒れるわ」
「そんなんどうでもいいよ、あたしの肌がきれいになろうが荒れようが、気にする奴なん
ていねーって」
 素っ気なく返すコゼットに、アメリィはぼそぼそと小さな声で言い募る。
「ううん。コゼットは、ちゃんとお洒落すれば綺麗になる」
「ですよねー。仕草が粗暴なのはともかく顔立ちは悪くありませんもの、コゼっちは」
 エリアは細い顎に白い指を当てて、悪戯っぽく微笑んだ。
「なんだったらわたしがお化粧して差し上げましょうか? いつもお薬いただいているお
礼も兼ねて」
「いらないよそんなの。どうせ森行って薬の材料採取してれば落ちちゃうしさ」
 胡坐をかいた膝の上で頬杖をつきながら、コゼットは相変わらず試験管を振り続けている。
「化粧だったらアメリィにしてやんなよ。実は可愛いんだから」
「わたしはいい。ブスだから」
 両手で包むようにティーカップを握りながら、アメリィが恥じ入るように肩をすぼめる。
長く黒い前髪が顔にかかって、表情が見えなくなった。
「アメりんったら、ネガティヴ思考はダメですよー」
 立ち上がったエリアがアメリィの背後に回りこみ、長い前髪を思い切りかき上げる。い
つも泣いているように潤んでいる黒い瞳が露わになった。アメリィの頬に赤みが差す。
「エリア、やめて」
「えー、でも、こんなに可愛いおめめなのに、隠したら勿体ないですよー」
「ちょっと、あなたたち」
 ケティは声を張り上げて、騒ぎ始めた友人たちを黙らせた。
「まだ、わたしの質問に答えてもらっていないんですけれど」
「あー、サイト様の追っかけを止める件ですかー?」
 間延びした口調で言いながら、エリアがちろっと舌を出す。
「ごめんなさいねー。わたし、ちょっとお友達が多くなりすぎちゃいましたので、サイト
様の追っかけに時間を割いている余裕がなくなってしまったんですよー」
「友だちって、あなた」
 妖精のように可愛らしい顔立ちの友人を見て、ケティは頬を引きつらせる。
「まさか、また増えたんですの?」
「あ」
 乱れた前髪を元に戻していたアメリィが、何かに気付いたように口を開ける。
「エリア、首の後ろにキスマークがついてる」
「あら、本当ですか?」
 さして動揺した風もなく、エリアがうなじの辺りの手を当てて苦笑いを浮かべた。
「いやだわ、ルイったら本当に独占欲が強いんだもの」
「ちょっと待て」
 この話題が始まってから、初めてコゼットが試験管から目を離した。咎めるようにエリ
アを見る。
「その名前、初めて聞いたぞ」
「あら?」
「ミシェルにパスカル、マクシム、ジャン、クロード……昨日まではこの五人だったはず
だよな?」
「あらら、よく覚えてますねー、コゼっちったら。見かけに反して頭がいいんですから」
「誤魔化すなっての」
 コゼットは試験管を振るのを再開しながら、深々と溜息をついた。
「ったく。あんたって奴は、放っておいたら何人でも相手作るんだから」
 ぼやきながら、左手で赤い髪をかき乱す。またも飛び散るフケの向こうから、少し吊り
がちな目がエリアを睨んだ。
「友だちとして一応言っておくけど、くれぐれも修羅場にならないように気をつけろよ」
「大丈夫ですよ」
 人形のように愛らしい顔でにっこりと笑いながら、エリアは得意げに人差し指を立てる。
「皆さん、自由奔放な方々ばかりですから。わたしが他に何人の男と遊んでいても、自分
の相手をしてくれるのなら別に気にしないって人たちばっかり選んでるんですよ、わたし」
「そういうのは自由じゃなくて、貞操観念が緩いとか適当すぎるとか言うんだよ、アホ」

738 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 22:56:58 ID:Pi1RQtxy
「結構なことじゃありませんか。そのおかげで、わたしも危険なことなしに満足できるん
ですし。そんなわけで」
 エリアは小さな両手を一杯に広げて突き出し、コゼットに笑いかけた。
「避妊薬、くださいな」
「ほらよ」
 仏頂面のコゼットが、左手をスカートのポケットに突っ込んで、中に入っていた小瓶を
投げ渡す。危なげなくそれを受け取って、エリアが嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとうございます。コゼっちの薬は市販のより信用できますからねえ。副作用もほ
とんどありませんし」
「おだてたって、あんたの生き方を褒めたりはしねえぞ」
「分かってますよ。お代は将来まとめてお支払いしますから」
「いらないって。あたしは単に、友だちが妊娠して学院を退学になる……なんてことにな
るのが嫌なだけなんだから」
「あら、それはよかった。わたしたちの熱い友情に感謝しましょう」
 邪気のない口調で言いつつ、エリアは再びケティの方に向き直った。
「とにかく、そういうわけですので、わたし、もうサイトさまの追っかけには参加できま
せん。ごめんなさいね、ケッちゃん」
 言葉では謝りつつも、あまり悪びれない軽い口調である。それでも、怒ったり文句を
言ったりする気にはなれなかった。癖のある柔らかい銀髪や、平均よりもだいぶ小さな背
丈、思わず触れたくなるほどに白く丸みのある頬などが作り出す、幼げで無邪気な雰囲気
を前にしては、とてもエリアを怒りの矛先にはできないのだ。
 悔しさに歯軋りしたくなる気持ちを堪えて、ケティはアメリィに視線をやる。彼女は
ちょうど、ティーカップから紅茶の最後の一滴を飲み終えたところだった。カップを丸
テーブルの上に置き、ぼそりと呟く。
「ごちそうさまでした」
「ちょっと、アメリィ」
 声をかけると、アメリィはゆっくりとこちらに顔を向けた。長い前髪の隙間から、潤ん
だ黒い瞳が不思議そうにこちらを見つめている。
「なに、ケティ」
「あなたは、どういった事情があってサイトさまの追っかけを止めると仰いますの?」
「別に、理由なんて」
 アメリィはケティの視線をおそれるように顔を伏せて、叱られた子供のような小さな声
で弁解する。
「わたしは元々、みんなが騒いでいたからそれに付き合っていただけで」
「じゃあ、みんなが止めると言ったから、自分も止めると仰るのね?」
「うん」
 すんなり頷くアメリィに、ケティは一瞬絶句してしまった。このままでは孤立してし
まう。なんとかアメリィを引き戻さなければ、と彼女に向かって微笑みかける。
「ねえアメリィ、よく思い出してみて? サイトさまって、とっても素敵な方だと思わない?」
「優しそうだとは思うけど、顔だったらギーシュさまの方が綺麗だと思うし、レイナール
さまの方が誠実そう。野性味だったらコゼットの方が上」
「そこで名前出されるのは微妙に嫌なんだけど」
 口を挟んできたコゼットは無視して、ケティはなおも食い下がる。
「でもほら、あの空飛ぶ機械を操縦していらっしゃるところとか、剣を振って戦っている
お姿とか……」
「機械のことはよく分からないし、剣を振ってる人は乱暴に見えるからあんまり好きじゃ
ない」
「だけど」
「それに」
 アメリィは今までより少しだけ大きな声でケティの話を遮ると、スカートのポケットに
手を差し入れて、大事そうに何かを取り出した。
「わたしには、これがあればいいから」
 白すぎて不健康にすら見える手を、そっと開く。中には小石ぐらいの大きさの、青い宝
石が収まっていた。それを見たエリアが歓声を上げる。
「わあ、すごいですねアメりん。今までで一番大きな宝石です。これ、サファイアですか?」
「うん。今朝、ようやく作れたの」

739 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 22:57:38 ID:Pi1RQtxy
 満足げに頷きながら、アメリィは手の中の宝石に顔を向けている。前髪の隙間から見え
る潤んだ瞳に、陶然とした色が宿っている。アメリィの肩に手を置き、彼女の後ろから宝
石を覗きこみながら、エリアがとろけるような微笑を浮かべた。
「いいなあ。ねえアメリィ、今度わたしにも、何か宝石を作ってもらえませんか?」
「うん。エリアだったら、指輪にしてもイヤリングにしても似合うと思う」
 仲睦まじく話す二人の横では、コゼットが相変わらず気難しげな顔で試験管を振っている。
 なんだか急に自分が一人ぼっちになったような孤独感を覚えて、ケティは溜息混じりに
椅子に座りなおした。

 「劇薬」のコゼット、「貴石」のアメリィ、「妖風」のエリア、そして「熾火」のケ
ティ。彼女ら四人は、魔法学院に入学して以来の友人グループだった。
 収まりの悪い赤い髪と少しばかり目つきの悪い顔に、貴族とは思えないがさつな言動が
特徴のコゼットは、水系統の使い手。
 黒く長い髪で目元を隠し、いつも俯き加減に宝石を見つめてはひっそりと微笑むアメ
リィは、土系統の使い手。
 柔らかく細やかな銀髪と、持って生まれた妖精のように愛くるしい顔立ち。誰にでも遠
慮なく笑顔を振りまき、多くの男子生徒を遊び友達にしているエリアは、風系統の使い手。
 どこにでもいるような栗色の髪に、決して不細工ではないが平凡かつ地味な容姿。これ
といった特徴もなく、実に平均的なトリステイン貴族の女であると自他共に認めているケ
ティは、炎系統の使い手。
 魔法の系統も性格も容姿もてんでばらばらだったが、彼女らは紆余曲折を経て親交を深
め合い、今ではどこに出かけるときも大抵四人一緒に行動するほどの仲だった。コゼット
が薬の材料採取のために森に出かけるときも、アメリィが町の宝石店を冷やかしに行くと
きも、エリアが男友だちを喜ばせるための服を買いに行くときも。
 もちろん、ケティが上級生の男子に熱を上げているときなども、一緒になってキャー
キャー騒いでくれる。最近の彼女は、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガという少年を追
いかけていた。
 シュヴァリエ、という称号が示すとおり、元々彼は貴族ではない。それどころか、平民
ですらなかった。ルイズという上級生が、使い魔として召喚してしまったという非常に珍
しい経歴を持つ人物なのである。
 そんな少年がシュヴァリエの位を授かったのは、少し前に終結したアルビオン戦役にお
いて、人間離れした大戦果を挙げたからである。なんと七万の大軍をたった一人で食いと
め、友軍が撤退するための時間を稼いだというのだ。
 劣等生が召喚した変な使い魔、程度にしか認識されていなかった彼だが、この活躍に
よってシュヴァリエとなってからは、俄然周囲の女生徒たちから熱い視線を浴びるように
なった。
 ケティもそういう経緯で才人を慕うようになった少女たちの内の一人であり、友人たち
と一緒に焼いたビスケットを彼に食べてもらおうとしたこともある。そのときは彼の主で
あるルイズの妨害により渡せなかったが、気持ちのほうは少しも冷めていない。それどこ
ろか、間近で彼を見ることにより、新たな魅力を発見したような気がしていた。他の貴族
の少年達と違ってあまり気取ったところがなく、そういう気さくさがとても新鮮で、好ま
しいものに思えたのである。
 そんな風に才人のことで騒ぎ立てるケティに、友人たちは大抵温かく答えていた。コ
ゼットは才人のことを「男らしくて格好いい」と評していたし、アメリィも「優しそうな
人で好感が持てる」と言っていた。エリアなど「結構な女好きというお話ですし、わたし
とも遊んでくださらないかしら」と目を輝かせていて、ケティにも劣らぬほど熱を上げて
いたはずなのである。
 それが、今日になって突然、口を揃えて「もうサイト様を追いかけるのは止める」と言
い出した。
 友人たち一人一人から理由を聞いた今となっても、ケティにはどうもその辺りが納得出
来なかった。なんとなく、自分ひとりがのけ者にされたような気分になってしまう。

740 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 22:58:04 ID:Pi1RQtxy
「そんな顔すんなよ」
 相変わらず試験管を振り続けながら、コゼットが苦笑する。
「別に、もうみんなで遊ぶの止めるってんじゃないんだからさ」
「そうですよケッちゃん。ただ、ちょっと忙しくなっちゃいそうなので、一緒にサイトさ
まの話題で盛り上がるのは難しそうだ、というだけでして」
 エリアがケティの肩に手を置きながらなだめる。アメリィも宝石をしまいながら小さく
頷いた。
「大丈夫。みんな、これからも変わらず友達だから」
「それはそうでしょうけど、でも」
 ケティは食い下がりながらも、言葉に詰まった。胸に何かがつっかえているような嫌な
感じがあって、このままではどうにも引き下がれない気がする。ただ、自分が具体的に何
をこれほどまでに気にしているのか、はっきりとは分からない。
「ねえ、ケティ」
 不意に、コゼットが少し声の調子を落とした。驚いて彼女を見ると、試験管に向けられ
たままの顔に、少し厳しい表情が張りついていた。
「そもそもさ、あんた、あんまり本気じゃないでしょ」
「本気じゃない、と仰いますと?」
「決まってんでしょ? もちろん、サイトさまのこと」
 どきりとした。横目でこちらを見るコゼットの瞳に、心の内を見透かすような光がある。
ケティは腕を組んで無理に微笑んだ。
「何のことだか分かりませんわ。私、心の底からサイトさまのことを慕っておりますのよ」
「その割には笑顔が引きつってますよー、ケッちゃん」
 エリアがケティの肩越しに、顔を覗き込んで来る。テーブルの向こうのアメリィが、前
髪の隙間から上目遣いにケティを見上げた。
「ケティ、ギーシュさまのときも似たような感じだった」
「ちょっと、アメリィ……!」
 ケティは慌てて立ち上がる。アメリィが怯えたように顔を伏せた。
 ギーシュというのは、彼女よりも一学年上の男子生徒である。トリステインの名門、グ
ラモン家の子息であり、整った細面と少々大袈裟すぎるぐらいに気取った仕草が特徴の少
年だった。入学して間もないころ、ケティは彼の家柄と容姿に一目ぼれし、今の才人に対
するのと同じぐらいに熱を上げていたのである。
「あー、確かにそうだ、ギーシュさまのときもこんな感じだったなあ」
 思い出したように、コゼットが二度頷いた。エリアがケティから少し離れながら、可愛
らしい小さな唇に指を添え、「んー」と記憶を探るように瞳を上に向ける。
「確か、あのときは偶然を装ってあの方のそばを通りすがったんでしたっけ。そしたら
『やあ、これは可憐なお嬢さんだ。一瞬、こんな人里に精霊が降りてきたのかと勘違いし
てしまったよ!』とか仰ったんですよね、ギーシュさま。その後はもう成すがままに口説
き落とされちゃって、ケッちゃんったらすっかり舞い上がっちゃって」
「そうそう、あたしら相手にギーシュさまの魅力を散々喋り捲ってたっけねえ」
「あの、あなたたち」
 コゼットとエリアの思い出話を、ケティは無理矢理遮った。顔が熱いのは気のせいでは
ないだろう。
「出来れば、そのお話は止めていただきたいのですけど」
「なんでさ? いやー、あんときのケティは可愛かったねー」
「そうですねー。『どうしましょうどうしましょういやんいやん』って、こんな感じでし
たものね」
「やめてくださいったら!」
 ケティは拳を握り締めて怒鳴った。ギーシュとのこと……特に、二股をかけられている
とも知らず、彼の甘い囁きを馬鹿正直に信じて舞い上がってしまっていたことは、金を
払ってでも消してしまいたい、過去の汚点なのである。
 コゼットは「悪い悪い」と気楽に笑ったが、その瞳に浮かぶ、こちらの内面を見透かす
ような色は消えなかった。

741 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 22:58:44 ID:Pi1RQtxy
「でもさ、今回だって、あのときと大して差があるとは思えないんだけど?」
「そんなことありませんわ」
 コゼットの視線から逃れるように少し顔を伏せながら、ケティは反論した。
「確かに、あのときは皆さんの言うとおりだったかもしれませんけど。今度こそ本気です
わ、わたし」
「どう本気だっての?」
 コゼットの目が茶化すように細められた。ケティは落ち着かない気分を味わいながら答える。
「ギーシュさまのときは、何というか言われるままでしたけれど。今回は、攻めですから」
「攻め、と言いますと?」
 エリアが不思議そうに言う。ケティは「ほら、あの」と手をさまよわせたあと、なんと
か言葉を絞り出した。
「ビスケットとか、作って持って行きましたし」
「でもルイズさまに食べられちゃったじゃん」
 ほとんど間を置かずに、コゼットが突っ込む。実際その通りだったので、反論できない。
「でも、でも」
 それでも、ケティはなおも食い下がった。
「わたし、本気ですから。それにサイトさまも、今現在はお相手がいらっしゃらないよう
ですし」
「いや、明らかにあの怖いご主人様に惚れてるでしょ、あの人」
「ですよねー。あんなに酷い目に遭われても、おそばを離れないんですもの」
「心底愛してるのね」
 友人たち三人が口を揃えて言う。いよいよ意地になって口を開こうとしたら、「ケ
ティ」という、コゼットのため息混じりの声に遮られた。
「あんた、口では本気とか言ってるけど、全然本気に見えないんだよね、正直さ」
「どうしてですか」
「だって、サイトさまのところに行くとき、絶対他の連中と一緒に行くじゃん」
 痛いところを突かれて、ケティは声を詰まらせる。「そうですよねー」と、エリアも同
意した。
「ケッちゃん、サイトさまを慕ってる他の女の子たちを出し抜く努力、全然してませんものね」
「だよな。そんなんじゃ、いつまで経っても『俺にキャーキャー言ってる女の子たちの中
の一人』のままだ」
「きっと、名前も覚えてもらってない」
 口々に指摘され、ケティは何も言えなくなってしまった。黙って椅子に座り、唇を噛み
締める。自然と、膝の上の拳を握り締めていた。
「あ、悪い、言いすぎた」
 コゼットが慌てて立ち上がり、ケティのそばに歩み寄ってきた。右手で試験管を振り続
けながら、左手でケティの肩をそっとつかむ。
「ごめんなケティ、あんただって、あんたなりに努力してんのにさ」
 そう言われたとき、ケティの胸に言いようのない奇妙な感覚が広がった。罪悪感とでも
言うべき息苦しさに、椅子の上で身じろぎする。そんな彼女の内心に気付かぬように、コ
ゼットは先程よりも幾分か優しい口調で続けた。
「でも、怒らないでほしいんだよ。あんたが美男子にキャーキャー言うのが悪いことだと
は思わないけど、そろそろ、他のことも考えなくちゃなんないじゃん?」
「他のことって、なんですか?」
「将来のことだよ」
 胸の内の閉塞感が、さらに大きくなった。「将来」と繰り返すケティに、コゼットが大
きく頷く。
「そ、将来のこと。あたしらももう二年生だしさ。学院卒業したらどうするかとか、
ちょっとは考えなくちゃいけないと思うんだよね」
「わたしは考える必要なんてありませんけど」
 椅子に座ったエリアが、滑らかな銀髪を一房指で巻きながら、にっこりと微笑む。
「学院を卒業したら、領地に戻って婚約者と結婚することになってますので」
「あー、なんとか伯爵って、結構いい年したおっさんだっけか?」
「ええ。学院に入ったのは、元々貴族の息女として恥ずかしくない教養を身につけるため、
という名目でしたから、それを活かしてどこかで働く、ということはありません。まあ、
わたしにとってはどちらかと言うと、将来退屈しないための遊び相手を見つけるのが一番
の目的だったんですけどね」
 エリアは口許に手を添えた。

742 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 22:59:30 ID:Pi1RQtxy
「その辺は思ったよりも簡単に達成できちゃいましたから。あとは貞淑な伯爵夫人として
適当に振舞いつつ、たまにここで知り合った男の子達とこっそり遊ぶ、悠々自適の楽しい
人生が待っているのですよ」
「お前ってホント自由だよな」
 げんなりした口調でいうコゼットに、ケティはおそるおそる問いかけた。
「コゼットは、ここを卒業した後の予定がおありですの?」
「まあ、一応ね。ちょっと迷ってるけど」
 気難しげな顔で試験管を振り続けながら、コゼットが小さく首を捻った。
「薬の研究続けるならアカデミーに進んだ方がいいんだろうけど、早めに領地に戻りたい
気持ちもあるんだよね。母様のこともあるしさ」
「そういえば、コゼっちのお母様、ご病気なんですっけ」
 エリアがいうと、コゼットは軽く肩をすくめた。
「そ。あたしが子供の頃に父様が死んじゃったから、執事に助けられて領地を切り盛りし
てんだけど、元々あんまり体が強い人じゃないからさ」
「コゼっち見てると信じられませんね」
「余計なお世話だっての。ま、ともかく、早く母様のところに帰ってあげたいなーとも思
うわけだよ。あたしの他には、まだ小さい妹たちが二人いるだけだしさ。薬の研究も楽し
いけど、たとえド田舎のちっちゃな家でも、貴族の長女としての義務とか責任ってやつも
あるわけだし」
 少し真面目な口調から一転して、コゼットはからかうようにアメリィの方を見た。
「アメリィ、あんたはどうすんの……って、聞かなくても大体分かるけど」
「ここで学んだ魔法を活かして、一生宝石を作り続けて暮らすわ」
 どことなくうっとりしたように口許を緩ませて、アメリィが呟くように答える。
「死んだあと、たくさんの宝石と一緒にお墓に入るのが夢なの」
「あんたらしいよ、ホント」
 からからと笑うコゼットのそばで、ケティは隠しようのない居心地の悪さを感じていた。
(もしも『ケティはどうするの』と聞かれたら、どう答えればいいんだろう)
 必死に考えるが、答えが出ない。コゼットやエリアが明る声を交し合うそばで、そうす
れば質問から逃れられるとでも言うように、ケティはただ黙って身を縮めていた。
 幸いにも友人たちはほとんど時間を置かずに部屋を出て行ったので、ケティがその問い
を投げかけられることはなかった。

 憂鬱なティータイムから一時間も経っていない時刻、ケティは沈んだ気持ちを抱えたま
ま、一人寮の廊下を歩いていた。
 休日ということもあって、人影はまばらである。夏も近い時分、やや強い日差しが眩し
く降り注ぎ、寮周囲の木々を瑞々しく輝かせている。青空に点々と浮かぶ千切れ雲を吹き
流す風が開け放たれた窓から吹き込み、人の肌にも心地よい。だが、ケティの心は空のよ
うには晴れなかった。
(将来……将来、か)
 視線が落ちる。
(そんなに、遠い未来の話ではありませんのね)
 だが、ケティは今まで、そのことについて深く考えたことがなかった。あえて考えない
ようにしていたのかもしれない。
(わたしの将来なんて、分かりきってますもの)
 ロッタ家は、そこそこ長い歴史を持ってはいるものの、取り立ててどうと言うこともな
い、至って平凡な中流貴族である。
 外聞ばかり気にして、上の者には媚びへつらい、下の者には威張り散らす父。若さと同
時に夫からの愛も失ってしまい、今や召使やメイドをいびることぐらいしか楽しみのない、
陰気な母。
 そんな二人から生まれたケティは、やはりあまり愉快なところのない少女だった。魔法
学院に入ったのも、魔法の腕を伸ばすためと言うよりは単に慣習に従ってのことだったし、
予想通り成績は平々凡々としたもので、隠れた才能が爆発的に開花した、ということもも
ちろんない。自分でもそのことは重々承知していたので、卒業後に魔法を活かす仕事に就
こうなどという気は少しもなかった。

743 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:00:37 ID:Pi1RQtxy
(そうなると、当然、残された選択肢は結婚ということになるのでしょうけど)
 貴族の娘と生まれたからには、ほぼ間違いなく親が決めた相手と結婚することになるの
だろう。父は体面さえ取り繕えればそれでよしという、トリステイン貴族の悪いところだ
けを凝結させたような人間だから、おそらく結婚相手も人格や能力よりは家柄優先で選ば
れるに違いない。自分にとっては間違いなく不幸な結婚になる。好きでもない男に抱かれ、
好きでもない男の子供を生み、若さを失って夫に見てもらえなくなり、母と同じように召
使をいじめるのだけが楽しみという、実に根暗な人生が待っているに違いない。それ以外
の将来など想像も出来ない。
(お兄様たちがいらっしゃるから、家督を継ぐとかそういう重大な問題とは無縁でいられ
ますわね。でも)
 自分と違って優秀な兄、姉の姿を思い浮かべて、ケティは唇を噛む。そうなると、自分
には政略結婚の道具になるぐらいしか価値がないように思えて仕方がない。
(みんなみたいに、稀有な才能でもあればよかったのに)
 コゼットのような豊富な知識や強い意志、アメリィのような土魔法の才、エリアのよう
な異性の心をとらえて離さない容姿、仕草。全て、自分が持っていないものだ。
(そもそも、わたしは何も持っていない。家柄も取り立てていいわけじゃないし、容姿も
せいぜい人並み程度、人を惹きつけるような素晴らしい人格者でもなければ、優れた才能
を持っているわけでもない。わたしは本当に、どこにでもいるようなつまらない人間なんだわ)
 そのとき、前方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。一瞬立ちすくんだあと、急いで
周囲を見回す。幸い近くに物置部屋があったので、迷いなくそこに飛び込んだ。
 暗い物置の中で息を殺して待つこと、十数秒。先程の声の主が、扉のすぐそばを通り過ぎる。
「おお愛しいモンモランシー、どうか僕の言葉を聞き入れてくれたまえ」
「うるさいわね。あんたの言葉なんかもう一生信用しないわよ」
 ギーシュとモンモランシー。ケティの一学年上の先輩であり、今も苦い思い出として心
に残っている二人の男女。彼女を選んでくれなかった男と、その男に選ばれた女が、息を
潜めて物置に隠れているケティには全く気付かず歩いていく。ほんの少しだけ開けた扉の
隙間から、通り過ぎる二人の横顔が見えた。ギーシュはもちろん、モンモランシーの方も、
口では悪態を吐きながらも、どことなく楽しそうな様子だった。
 二人が廊下の向こうに消えたのを確認してから、ケティはそっと物置を出た。相変わら
ず静まり返っている廊下の先、二人が向かった方向を見つめて立ち尽くす。滑らかな金色
の巻き毛を揺らして歩くモンモランシーの横顔が、頭に浮かんできた。
(美しい方だわ。歩く姿も堂々としていて、わたしなんかとは大違い)
 溜息が出た。
(やっぱり、殿方が最後に選ぶのは、あんな風に何か輝くものを持っている女性なのね)
 ケティはぎゅっと眉根を寄せて、踵を返した。二人とは別方向に、目的もなく歩き出す。
胸に燻る想いを振り捨てようと足を速める中で、一つだけ、納得できたことがある。
 先程、物置に隠れていたケティのすぐそばを通り過ぎた、ギーシュの顔。名門の子息ら
しく非常に整っていて、気障な仕草や甘い囁きがよく似合う。その辺りの印象は以前と変
わりない。惚れ惚れするほどの美男子だと思う。
 だが、彼の顔を思い出しても、ケティの胸にはさざ波一つ立たなかった。だから、断言
できる。
(みんなの言うとおり、わたしはギーシュさまに恋なんてしていなかった。ただ、こんな
取り立てて褒めるところもないような自分を選んでくれたのが、嬉しかっただけだった)
 苦笑いが浮かびそうになった。そうとも気付かずギーシュの口説き文句に舞い上がって
いた過去の自分が、とても滑稽で恥ずかしい存在に思えてくる。
(では)
 もう一つ、心に疑問が浮かぶ。
(今わたしがあの方に抱いているこの想いは、一体なんなのでしょう)
 そのとき、廊下の窓の向こうから大きな唸りが伝わってきて、かすかに体を震わせた。
驚いて足を止め、窓に駆け寄って空を見る。絶え間ない唸りは、晴れ渡った空の一点から
聞こえてきていた。そこに、この学院に入るまでは想像したことすらなかった不可思議な
物体が飛んでいる。
(サイトさまだわ)
 空を横切る鉄の翼を仰ぎ見て、ケティはそっと胸を押さえた。鼓動が早まり、無闇に熱
を生んでいる。顔の火照りを自覚しながら見上げ続けるケティの視線の先で、想い人を乗
せているのであろう鉄の翼は、唸りの尾を残しながら広場の方へ飛んでいく。

744 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:01:28 ID:Pi1RQtxy
(どこかに出かけていて、今帰っていらしたのね)
 ケティの心臓が大きく脈打った。
(今すぐに向かえば、わたしが誰よりも早く、サイトさまをお出迎えできるかもしれない)
 その思いつきに突き動かされるように、ケティは寮の入り口に向かって駆け出した。
 息を切らしながらヴェストリの広場の一隅に着いたころには、もうあの力強い唸りはど
こからも聞こえてこなかった。不思議な鉄の乗り物は、少し離れたところに見えている粗
末な建物に収まったらしい。そこは才人が副隊長を務める水精霊騎士隊の詰め所であり、
あの鉄の乗り物の格納庫でもある。
(多分、まだあの中にいらっしゃるはずよね)
 ケティは乱れた息を整えつつ、手鏡を覗き込んで髪を直してから、ゆっくりと歩き始め
た。広場は閑散としていて誰もおらず、自分のように才人を出迎えようと走ってくる女生
徒たちの歓声なども聞こえてこない。どうやら、狙いどおり一番先にたどり着けたようだ。
 扉のついていない格納庫の入り口にたどり着くと、ケティは壁の陰に隠れてそっと中を
窺った。
(ああ、やっぱりいらっしゃった)
 胸が高鳴った。才人はあの鉄の乗り物の中に座ったまま、大きく伸びをしているところ
だった。今出て行けば、間違いなく自分が真っ先に彼を出迎えることができる。
 そうと分かっているのに、ケティは何故か足を動かすことが出来なかった。出て行きた
いのに出て行けない、もどかしい思いを抱えたまま、壁の陰で立ちすくむ。
(一体どうしたの。行きなさい、ケティ。出て行って、笑顔で「お帰りなさいませ」と声
をかけるの。そうすれば、サイトさまを慕う女たちの中の一人ではなく、ただ一人きりの
ケティ・ド・ロッタとして覚えていただけるかもしれないでしょう)
 心の中で自分を叱咤してみるが、やはり足は竦んだように動かなかった。どんなに焦っ
てもその状態に変わりはなく、ただ時間だけが無駄に過ぎていく。才人はもう身を乗り出
して、あの乗り物の外へ出ようとしているところだった。
(早くしないと、他の子たちもやってくるかもしれないのに)
 そう思いながらも、ケティは自分の欺瞞に気がついていた。こうしてせわしなく周囲を
見回しているのは、他の少女達が来るのを警戒しているのではなく、期待しているからだ。
自分一人で彼の前へ出て行くなど、どうやったって出来るはずがない。
 どれだけ想像しても、頭に思い浮かぶのは「何故この見知らぬ女は、自分に気安く声を
かけてきたのだろう」とでも言いたげな、迷惑そうな才人の顔ばかりだ。
 自分がどんな顔をして出て行き、どれだけ勇気を振り絞って声をかけたとしても、彼の
心には何の感情も呼び起こさないのではないか。そう考えると、とても前へ進めなかった。
 そうやって彼女が迷っている内に、才人は鉄の翼の上に危なげなく降り立った。ケティ
の予想に反してすぐには地面に降りず、翼の上で振り返って、先程座っていたところを覗
き込む。
「おい、早く出てこいよ」
「うっさいわね、使い魔のくせにご主人様を急かすんじゃないわよ」
 ケティは息を飲んだ。てっきりあの乗り物に乗っているのは才人だけかと思っていたが、
もう一人同乗者がいたらしい。その声の主のことも、ケティはよく知っていた。
「ったく、狭苦しいったらないんだから」
「飛んでる最中ははしゃいでただろうが、お前」
「はしゃいでなんかいないわよ!」
 癇癪を起こしたように叫びながら、小柄な人物が姿を現す。桃色がかった美しいブロン
ドの髪と、少々色気には欠けるが可愛らしさでは他の追随を許さない小柄な体、そして、
女ならば誰もが羨むであろう完璧な美貌。
 何もかもがケティとは正反対に思える彼女の名は、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールとい
う。かつては魔法が使えないためにゼロのルイズと馬鹿にされていたが、一年ほど前に有
名な盗賊を捕えた功績を認められて以来、周囲に一目置かれるようになった少女である。
ケティにとってもっと重要なのは、彼女が使い魔才人の主人であるという事実だった。
「ほら、使い魔ならちゃんとご主人様を支える」
「へいへい、分かりましたよお嬢様」
 才人がそっと手を差し出し、ルイズが上機嫌なすまし顔でその手を取る。まるで一枚の
絵画のような光景だ、とケティは思った。同時に、どうしようもないほど自覚する。その
絵の中に、自分が入れる隙間など少しもないのだと。
 才人という少年は、絵に描かれた王子様のように、ケティにとっては遠すぎる存在だった。

745 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:02:20 ID:Pi1RQtxy
(あの方はきっと、わたしの名前すら覚えてはいない)
 二人から目をそらすように顔を伏せ、壁の縁を強く握り締める。ナイフで抉られたよう
な胸の痛みは、どうやっても治まってくれそうにない。
 そのとき、背後からいくつもの騒がしい靴音が聞こえてきた。振り返ってみると、才人
を慕う女生徒たちの一群が、黄色い歓声を上げながら走ってくるところだった。彼女らが
近づいてくるのを見つめながら、ぼんやりと考える。
(わたしも、あの子たちと全く変わらないの?)
 何度も首を横に振り、ケティは駆け出した。格納庫の中ではなく、広場の方へ。こちら
には目もくれないその一団とすれ違っても、まだ走り続けた。彼女たちの中に埋もれてし
まうのだけは絶対に嫌だった。

 木々の隙間から木漏れ日が点々と落ちる道を、ケティは俯きながら歩いていた。一歩踏
みしめるごとに、森の土は柔らかな感触を返してくる。小鳥のさえずりと木の葉の囁きを
運ぶ微風が、栗色の髪を優しく撫でるように吹きすぎていく中、とぼとぼと歩き続ける。
先ほど、遠くから才人とルイズを見つめていることしか出来なかったときの無力感、閉塞
感が、小さな胸を押し包んでいる。息苦しさすら感じるほどの痛みに、このまま消えてし
まいたい気分になる。しかしちっぽけな体は今厳然とこの場に存在していて、消える気配
など微塵も見せなかった。
(わたしはどこにも行けないし、何にもなれない)
 胸中で呟いた言葉が、そのまま残ってさらに胸を重くする。大きく溜息をついても息苦
しさは消えず、それどころかさらに強く胸を締めつけた。周囲の景色も少し暗くなる。そ
う思ってよく見ると、実際に木々の間隔が狭くなって、日光を遮っていた。行くあてもな
く歩く内に、森の中でもかなり奥深いところに入り込んでしまったらしい。
 少し迷いながらも、ケティは森の奥に向かって歩き続けた。まだ気晴らしが必要だった。
こんな気持ちのまま学院に帰りたくはない。学院周辺に広がるこの森には、今まで何度も
足を運んでいる。コゼットが薬の材料を採取するために森を訪れる際、他の友人たちと共
にそれに付き合うからだ。目印を刻んだ木を何本か見かけるから、この辺りにも来たこと
がある。迷って帰れなくなるということはないはずだ。
(万が一迷ってしまっても、『フライ』の魔法で空に飛び上がればいいだけですし)
 そう考えながらも、今の自分では頭上を覆う木々の枝にぶつかったりしそうだ、と少し
不安になる。その感情を沈めようと顔を上げかけて、ケティは眉をひそめた。
 前方の高い木々の向こうの空に、何かが尖ったものが突き出しているのが見える。先端
が陽光を浴びて鈍く光っているところを見る限り、明らかに金属製の人工物だ。
(あんなもの、前に来たときはありましたっけ?)
 ケティは不思議に思いながら、前方に向かって歩き出した。鬱蒼とした木々が作り出す
曲がりくねった道を通り過ぎ、目標に向かって少しずつ近づいていく。近づくごとにその
物体の巨大さが分かってきて、少し不安になった。
(もしかして、野盗の隠れ家、とかではありませんよね?)
 今まで読んだことのある物語の数々が、頭を過ぎっては消えていく。馬鹿馬鹿しいこと
だ、とケティはかぶりを振った。森の奥深くと言っても、魔法学院の周辺なのだ。王軍所
属の竜騎士が空から目を光らせているような場所に、あんな大きな鉄の建物を建てる盗賊
などいるはずがないし、そもそも見つからずに完成させるのは不可能だ。
 だからこそ、不思議でならない。あれは一体いつの間にここに出現したのだろう。胸が
どきどきした。自分の存在の小ささに嫌気が差していたところに、あんな不可思議な物体
が現れたのだ。物語の中に入り込んでしまったかのような奇妙な好奇心の命ずるままに、
ケティどんどん前へ進んでいった。
 やがて、森の中の開けた一角が見えてきた。そのすぐ近くまで近づき、太い木の幹に体
を隠してそっと向こうを窺う。鉄の建物は、間近で見ると想像していた以上に大きかった。
丸みを帯びた塔のような建物だ。全体はいかにも硬そうな金属で作られていて、壁には丸
くて分厚いガラス窓がいくつかついている。底の方は周辺に生えているどの木よりも太
かったが、上にいくにつれて細くなり、先端は槍のように尖っている。天を貫こうかとで
も言うように、空に向かって真っ直ぐ伸びていた。そんな物体が、森の真ん中に突如とし
て出現したのだった。

746 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:03:02 ID:Pi1RQtxy
(これは一体なんなんでしょう?)
 ここまで近寄ってみても、ケティはそれがなんなのか検討もつかなかった。考えに考え
て、ひょっとしたら変人のミスタ・コルベール辺りが秘密裏に建造した魔法の建物なのか
も、という推測が頭の隅に浮かんだとき、不意に声が聞こえてきた。
「スペンダー、周囲に人影はないな?」
「イエス、キャプテン」
 誠実そうな大人の男の声に、平坦で少しざらついた、奇妙な声が答える。「塔」の影か
ら、一人の男が姿を現した。背の高い、精悍な顔つきをした男だ。短く刈った茶色の髪と、
やや四角張った顎に生えた無精髭が、落ち着いていながらも野生的な雰囲気を生み出して
いる。それ以上に目を引くのは、その男が着ている服だった。たくましい体つきを浮かび
上がらせるような、ぴっちりした服を着ている。見たことのない格好だった。ケティの想
い人である才人も妙な服を着ているが、この男の服装はそれ以上に変わっている。
(見たことのない方だわ)
 当然のことを心の中で再確認しつつ、ケティはその男をじっと見つめた。男は「塔」の
底部周辺をうろついて、壁に触ったり叩いたりしながら、誰かに向かって話しかけていた。
そのたびに、あの妙にざらついた声が返ってくる。しかし、周囲には男のほかに人影は見
当たらない。
(一体どこにいるのでしょう)
 困惑しながら「塔」の周りに視線をさまよわせていたそのとき、足元で何か妙な音がし
た。ケティの知っている限りだと、フォークと食器がぶつかるときのものによく似た、金
属的な軽い音だ。驚いて下を見ると、大きな蜘蛛のような物体が、透き通ったガラスの目
でじっとこちらを見上げていた。
(化け物!?)
 未知の物体に対する根源的な恐怖に、悲鳴を上げて飛び上がる。
「誰だ!?」
「助けて!」
 男の叫びとケティの悲鳴が重なった。何かを考える余裕もないままニ、三歩男の方に駆
け出し、そこで少しだけ冷静になって立ち止まる。先程の蜘蛛型の物体が、八本足をカ
チャカチャ鳴らしながら「塔」の方に駆けていく横で、ケティは声も出せずに立ち尽くす。
「君は……」
 呆然と呟いたあと、男は困りきった苦い顔で頭を掻き、「塔」の方を振り返った。
「スペンダー、周囲に人影はないんじゃなかったのか」
「センサーの不調のようです、キャプテン」
 詰問するような男の声に、しれっとした声が答える。答えたほうの姿は、やはり見えな
かった。
(どうしましょう)
 ケティの体が小さく震え出した。足が竦んで動けない。先程の男の声を聞く限り、自分
は何かまずいところに出てきてしまったらしい。先程の、蜘蛛の形をしたおぞましい物体
が頭に浮かぶ。一体何をされるんだろう、と思ったところで、男がこちらを見た。迷って
いるような、困っているような表情を浮かべていた。
「こんにちは……いや、はじめまして。何から話したものか」
 そこまで言いかけたあと、男は不意に慌てた様子で問いかけてきた。
「すまない、お嬢さん。僕の言葉は分かるかな?」
 何故そんなことを聞くのかはよく分からなかったが、男の雰囲気に危険なものは感じら
れない。ケティは少しほっとしながら、それでも警戒は緩めずに、無言で小さく頷く。
「良かった、翻訳機の方は問題ないみたいだな」
「イエス、キャプテン」
 ほっとした男の声に、例のざらついた声が生真面目に答える。この頃になるとケティも
少し落ち着きを取り戻して、男のことを少しは冷静に観察できるようになった。
 間近で見ると、男はやはり変わった格好をしている。ぴっちりした服には継ぎ目がなく、
上下一体になっているようだった。だが変なのは格好だけで、顔立ちは普通の人間と大し
て変わりがない。それどころか、真面目で誠実そうだ。無精髭があるせいで少し粗野に見
えるが、ハンサムと言っても差し支えない造作だった。
 その男が、咳払いをしながら、ためらいがちに近づいてくる。
「すまなかったね、お嬢さん。周囲の様子を記録するために地上用の観測ユニットを放っ
ていたんだが、人がいるとは思っていなかったんだ。怖がらせてしまったようで、申し訳ない」
 男は深く頭を下げる。

747 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:03:44 ID:Pi1RQtxy
「いえ、そんな。勝手に驚いたのはわたしの方ですし」
 と、ほとんど考えもなしに言ってしまってから、ケティは自分で驚いた。既に、目の前
の男に対する警戒心が消えつつある。相手はこれほど怪しくて、わけの分からない人間だ
というのに。だが、心底こちらに申し訳ないと思っているらしき謝罪の仕草や、後ろ暗い
ところなど全く窺えない瞳の輝きを見ていると、自然と警戒が薄らいでいくのも事実だった。
 ケティは深く息を吸い、乱れた衣服の裾や髪を整えながら、「ところで」と声をかけた。
「あなたは一体、どこのどちら様? この塔のような建物は一体なんなのですか? こん
なところで何をなさっているんですか?」
 矢継ぎ早に質問する。我ながら不躾だとは思ったが、好奇心は抑えようもないほどに膨
れ上がっていた。ケティの問いかけに対し、男は短い頭髪を掻きながら「いやぁ、それ
は」と困ったように口ごもる。ちゃんとした返事をくれたのは、男ではなくもう一つの声
だった。
「このお方は偉大な大魔術師なのです、レディ」
「スペンダー?」
 男が驚いたように「塔」の方を振り返る。ケティもまた驚き、目を見張った。
「まあ、大魔術師、ですか」
「いや、誤解しないでくれ、お嬢さん」
「そうです、大魔術師です」
 男の焦った声を遮るように、平坦ながら得意げな声が頭上から降ってくる。
「彼の名は、ジョン・ワイルダー。遥か西方よりこの地に旅してきた、不世出の大魔術師。
私はワイルダー様に仕えております、不可視の精霊スペンダー。以後お見知りおきを」
「そうだったのですか」
 ケティは感嘆の声を上げた。なるほど、確かにそれほどの男ならば、こんな森の奥深く
に、これほど巨大な建物を何の前触れもなく出現させるのも、不可能な話ではない。それ
以外の理屈では目の前の現実にどうとも説明がつかない。きっと、西の大洋を越えた世界
では、こういった魔法が発達しているのだろう。
 ケティはそんな風に納得しかけていたが、目の前の男……ミスタ・ワイルダーは、腕を
組んで呆れたように溜息をついた。
「スペンダー、これは一体何の遊びだ?」
「先ほど戻った飛行型観測ユニットが持ち帰った情報を分析いたしますに、この惑星はそ
ういった文明が構築されているものと推測されます。しかるに私、アシモフ式第7世代型
陽電子頭脳スペンダーが、データベースに収められている情報から、キャプテンのこの世
界における違和感のない素性を捏造したのです」
「自分で捏造と認めるんじゃない。全く……そもそも、お前のデータベースにさっきの嘘
八百に関わるどんな情報が収められていたというんだ?」
「遥か昔に流行したファンタジー小説の一群です、キャプテン。トールキン、ムアコック、
エディングス、ローリング、ラッキー、ヤマグッティ……いずれもキャプテンの娯楽とす
るべく、私が収集したものです」
「初耳だ」
「キャプテンに報告すると『不要だ、削除しろ』と言われるのは目に見えておりましたの
で。他にも文学、ホラー、ラブロマンス、SF、ライトノベル等、およそ十万点ほどが収
められております。キャプテンもたまには読書に没頭して、教養を深められることをお勧
めいたしますが」
「余計なお世話だ」
 ワイルダーがうんざりしたようにかぶりを振る。ケティは困惑した。彼らの会話の内容
はよく分からないが、先程の大魔術師云々が嘘だったらしい、ということは理解できた。
「でも、それならあなた方は一体……?」
「うん、その、なんと説明したものか」
 ワイルダーが困ったように頭を掻くと、またどこからかスペンダーの声が降ってきた。
「キャプテン、船体のチェックは滞りなく完了しております。休憩がてら、船内でそちら
のレディに事情を説明して差し上げるというのはいかがでしょうか」
 言い終えると同時に、空気が抜けるような音がして、「塔」底部の壁の一部が、四角く
せり出してきた。その部分が前に倒れて、無骨な鉄の階段が現れる。外れた壁の向こうに、
「塔」の内部が見えていた。どうやら、ここが入り口らしい。
「仕方ないな」
 ワイルダーは呟き、親しみのある笑顔を浮かべて、「塔」の入り口を手で示した。

748 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:04:43 ID:Pi1RQtxy
「こちらへどうぞ、お嬢さん。大したもてなしはできないが、質問には全て答えてあげよう」
 そう言って、先導するように歩き出す。ケティは少し迷ったあと、結局彼についていっ
た。「塔」の入り口が、未知の世界に続く扉のように、口を開いて待ち構えていた。

 足を踏み入れた先は、丸い部屋になっていた。壁面も天井も湾曲していて、唯一平らな
のは床だけだ。大聖堂の丸天井をそのまま部屋にしたような形で、全面が真っ白だ。丸く
分厚いガラス窓の向こうに森が見えていなければ、一体自分はどこに入り込んでしまった
んだろうと首を傾げていたかもしれない。
 ケティが完全に部屋の中に入るのと同時に、再び空気の抜けるような音を立てて、入り
口が閉まった。
「そちらにどうぞ、お嬢さん」
 部屋の中央に立ったワイルダーが手で目の前を示すと、そこの床から四角いテーブルと
透明な椅子が音もなくせり上がってきた。驚くべき魔法だ、と思いながら、ケティはテー
ブルを挟んでワイルダーと向かい合わせに腰掛ける。丸い天井の一角が開いて、中から細
長い鉄の腕が二本伸びてきた。どこからか、スペンダーの平坦な声がする。
「コーヒーをどうぞ、キャプテン。レディは紅茶でよろしかったでしょうか?」
「あ、はい。ありがとうございます」
 細長い鉄の腕が、手に握った二つのカップをテーブルに置くのを、ケティは呆然と見つ
めていた。飛び上がらんばかりに驚く場面なのだろうが、あまりにも異様なことが連続し
て起きているせいで、感情を表す機能が一時的に麻痺しているようだ。
 ワイルダーは手元に置かれたカップから、見慣れない真っ黒な液体を美味そうにすする。
ケティは好奇心を駆られた。
「あの、その真っ黒いのは、飲み物なのですか?」
「え? ああ、コーヒーのことかい?」
「コーヒー、ですか?」
「そうか、君が住んでいる地域では、飲まないんだね」
 納得したように呟いたあと、ワイルダーは悪戯っぽい笑みを浮かべて、自分が持ってい
るカップを差し出してきた。
「試しに一口、飲んでみるかい?」
 ケティはおそるおそるカップを受け取った。中に満たされた液体は黒々とした光を湛え
ていて、まるで泥水のように見える。
(大丈夫、この人だって飲んでいるんだから、毒ではないはず)
 自分に言い聞かせながら、ケティは目を閉じてカップに口をつけた。飲んだ途端に凄ま
じい苦味が舌を這い回り、思わずカップから口を離してしまう。ワイルダーが声を上げて笑う。
「お嬢さんにはまだ苦すぎたようだね」
 子供扱いされていると感じて、ケティは少しムッとした。カップをテーブルの上に戻し
てから、居住まいを正してワイルダーを睨みつける。まだ口の中に残る苦味に顔をしかめ
ながら、文句を言った。
「仮にも貴族の娘に対してそのような物言い、失礼なのではありませんか? それに、わ
たしはお嬢さんなどという名前ではありません」
 ワイルダーは苦笑しながら頭を掻いた。
「これは失礼。そう言えば、自己紹介するのを忘れていたね。わたしはジョン・ワイル
ダー。この船の船長だ。さっきからふざけたことばかり言ってるのは、AIのスペンダー。
この船の制御のほとんどを受け持っている。以後よろしく」
 そう言って、ワイルダーはテーブルの上で右手を差し出した。その手と彼の顔を交互に
見比べて、ケティはどうしたものかと困惑する。それを見て取ったのか、ワイルダーは慌
てて手を引っ込めた。
「すまない、初対面の相手と握手する習慣はなかったかな?」
「いえ、分かりますけれど」
 ケティもまた、慌てて自分の手を差し出す。ワイルダーがほっとした様子で、その手を
握り返した。武骨でたくましい大きな手が、ケティの小さな手を軽く包み込んでいる。な
んだか変な感じだった。男同士で友情の証として握手をするのは知っているが、女性に対
して握手を求める男など、ケティは他に知らない。
(やっぱり異邦人なんだわ)
 改めて確認するのと同時に、俄然目の前の男に対して興味が沸いてくる。ケティは手を
離すと、矢継ぎ早に質問を浴びせかけた。

749 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:05:13 ID:Pi1RQtxy
「あなたは一体どこのどなた? 先程『船』と仰っていましたけど、『塔』の間違いでは
ございませんの? それに、スペンダー……AI、というのは一体どのようなマジックア
イテム」
「その前に」
 ワイルダーは穏やかながらどこか面白がるような口調で、ケティの質問を遮った。
「出来れば、君の名前をお聞かせ願いたいんだが」
 頬が熱くなった。そう言えば、相手に聞くばかりで自分のことは何一つ言っていない。
ケティは慌てて座りなおすと、咳払いをして自己紹介した。
「失礼いたしました。私、ケティ・ド・ロッタと申します。ロッタ家の三女で、トリステ
イン魔法学院に通っております」
 ワイルダーの目が子供のような輝きにきらめいた。上の方に目を向けて、はしゃいだよ
うに言う。
「聞いたか、スペンダー」
「イエス、キャプテン。会話は全て録音されております」
「ああ、そうしてくれ。貴族に魔法、魔法学院か! 本当にファンタジーの世界らしいな、
ここは!」
 感心したように何度も頷いたあと、ワイルダーは興味深げにこちらの顔を覗き込んできた。
「ということは、君は貴族の令嬢でお姫様ってことだ。そういわれれば、確かにどことな
く気品のある雰囲気だものな」
 間近でまじまじと見つめられると、ケティの胸に恥じいるような感情が浮かんできた。
身じろぎしながら、ぼそぼそと答えを返す。
「いえ、お姫様だなんて……ロッタ家はそれほど身分の高い家柄ではありませんし」
「そうなのかい? まあ僕からすれば同じことさ。生まれてこの方、貴族の令嬢なんて見
たこともないんでね」
 そう言ったあとで、少し気まずそうに頬を掻く。
「そういうわけだから、多少礼儀作法に欠けるのは許してもらいたいんだが、どうかな?」
「ええ、構いません。楽にしてください」
 ワイルダーがほっと息を吐いた。
「やあ、良かった。テーブルマナーなんて求められたらどうしようかと思った」
「だから少しは教養を身につけるべきだと、常日頃から申し上げているではありませんか」
「うるさいぞスペンダー、宇宙の男にそんなものは不要だ」
 拗ねたように唇を尖らせるワイルダーを見て、ケティはなんだかおかしくなった。未知
の世界の住人だと思っていた男に、急に親しみが湧いてくる。彼の笑顔が、想い人である
才人にどこか似ているからかもしれない。そう思ってみると、彼と才人はどことなく似
通った雰囲気があるような気がした。たくましく、気さくで、穏やかで。貴族でないとい
うことは彼も平民なのだろうが、こんな風に何の気兼ねもなく話をすることが出来る。そ
の辺りも、やはり似ている。
「さて、ケティ」
 ワイルダーが膝の上で手を組んで、少し身を乗り出してくる。呼び捨てで呼ばれたこと
は、特に気にならなかった。
「僕にいろいろと聞きたいあるようだね。なんでも、遠慮なく聞いてくれ」
 ケティは迷った。確かに聞きたいことはたくさんあったが、たくさんありすぎてどれか
ら聞いていいのか分からない。とりあえず彼がどこから来たのか聞こう、と口を開きかけ
たところで、不意に盛大なファンファーレが鳴り響いた。驚きに体が跳ねる。ワイルダー
もぎょっとしたように、ケティの背後を見つめていた。その視線を追って振り向くと、天
井から鉄の腕に吊るされた黒い板のようなものが降りてきていた。ケティが振り向くのを
待っていたかのように、その黒い板に動く絵が映し出される。

750 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:06:22 ID:Pi1RQtxy
「無限に広がる大宇宙を駆ける、誇り高き男!」
 誇らしげな叫びと共に、実物よりもいくぶんか美化されたワイルダーの顔が大写しになる。
「その名は、キャプテン・ワイルダー! 数多の惑星を飛び回り、未知の世界を解き明か
すために深遠なる宇宙を駆け抜ける! 星の海を渡るその行く手に待ち受けるのは、栄光
か、それとも死か!」
 声と共に、次々と絵が切り替わる。派手な爆発を背景に、見慣れぬ銃を手にして走るワ
イルダー。蔦につかまって木から木へと飛び移るワイルダー。剣を片手に、謎の黒尽くめ
男を相手に死闘を演ずるワイルダー。
「進め、キャプテン・ワイルダー! その手に未来を勝ち取る日まで!」
 最後にきらりと歯を光らせて笑うワイルダーの顔が大写しになったあと、板はまた天井
に引っ込んでいった。唖然としているケティの耳に、スペンダーの真面目くさった声が聞
こえてくる。
「いかがでしたでしょうか。なおスタッフに関しましては、音響スペンダー、美術スペン
ダー、演出スペンダー、総監督スペンダー」
「おい、スペンダー」
 ワイルダーがうんざりした声で遮った。
「一体何の遊びだ、今のは」
「初めてお越しいただいたお客様にキャプテンのことを紹介するべく、秘密裏に製作して
いたCGムービーです。お気に召しませんでしたか?」
「当たり前だ。見ろ、ケティの顔を。すっかり動転しているじゃないか」
 名前を呼ばれて、ケティははっとしてワイルダーの方に向き直った。
「あの、今のは一体」
「イカれたAIの悪ふざけだ。気にしてくれなくていい。スペンダー、船長命令だ。しば
らく黙ってろ」
「了解いたしました、キャプテン」
 悪びれない声で答えて、スペンダーが黙り込む。「まったく」と呟いたあと、ワイル
ダーは苦笑気味に言った。
「まあ、さっきのふざけたムービーも、ある程度正しくはあるんだが。僕は確かに、未知
の宇宙を旅してその情報を持ち帰る探検者だ。この惑星も、知的生命体らしきものが確認
されたので降りてみたわけだし。でもまさか、ここの人間がここまで僕らに似ているとは
思いも」
「あの」
 ケティはためらいつつも、ワイルダーの話を遮った。
「なんだい、ケティ」
「いえ、先程仰った、宇宙だとか惑星だとかいった単語の意味が、よく分からなかったもので」
「ああそうか、うっかりしていたな」
 ワイルダーはぴしりと自分の額を叩いたあと、穏やかに笑った。
「分かった、じゃあその辺りから説明しようか」
 そして、ワイルダーはケティが今まで想像したことすらなかった事実を語り始めた。
 青い空の向こう、無限に広がる大宇宙。風も空気も上下左右の区別もない、広大な星の
海。その海を駆け抜け、星から星へと旅する探検者。その探検者が乗り込む、ロケットと
いう名の巨大な船。
「それでは、このハルケギニアも、そういった『星』の中の一つだと仰いますの?」
「そういうことだね。この世界で信奉されているのが地動説か天動説かは知らないが、現
実は僕が今説明した通りだ。夜空に瞬く星々も、多くはここと似たような世界なんだよ」
 ワイルダーはケティの呆然とした表情を楽しむように言う。彼の言うことが全て理解で
きたわけではなかったが、嘘ではないこともなんとなく分かった。王都で持て囃されてい
る人気者の吟遊詩人ですら、ここまで馬鹿げた物語を作り出すことは出来ないだろう。ワ
イルダーが語った世界は、ハルケギニア住人の想像の範疇を超えている。逆に言えば、そ
れが信じるに足る証拠にもなり得るのだった。

751 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:06:57 ID:Pi1RQtxy
「この『塔』も、ロケットという名の船だと?」
「ああ。こいつは」
「恒星間移動すら可能な空間跳躍航法を実装した、最新式のブラッドベリ型ロケットです、
ミス・ロッタ」
 スペンダーの声が会話に割り込んだ。
「人類史上最も効率的かつ高性能な超小型対消滅エンジンと、その燃料を船内で生産する
ための超小型反物質生成プラントを完備し、長期間宇宙を旅する乗員にもストレスを与え
ないよう、徹底的に配慮された居住スペースを備えております。そして何よりも特徴的な
のは、ロケット全体の機能を保持、管理、制御するこの私、アシモフ式第7世代型陽電子
頭脳、スペンダーでありまして」
「スペンダー」
 ケティにはさっぱり意味が分からない説明を捲し立てるスペンダーの声を、ワイルダー
が不機嫌そうに遮った。
「僕はさっき、黙ってろと言ったはずだが」
「『しばらく』とも仰いました。その時間はもう終わったものと判断したのです、キャプテン」
「分かった。じゃあ今度は、僕がいいと言うまで黙ってろ」
「了解しました、キャプテン」
 またも生真面目な声で答えて、再度スペンダーが黙り込む。「まったくあいつは」と疲
れたように肩を落とし、ワイルダーが頭を掻く。
「おしゃべりな奴で、すまないね。だがまあ、やっぱり説明自体に嘘はない。この船は星
の海を旅するためのロケットなんだ。昨日の夜この森に着陸したあと、観測ユニットを
放って周辺を探索させていたところに、君が来たわけさ」
「でも、こんなに大きなものが空から降りてきたら、いくら真夜中でも誰かが気付くと思
いますけれど」
「ああ、この船には光学迷彩……要は透明になれる機能があってね。君がここに来る少し
前までは姿を消していたのさ。その頃になって急に機能が不調になったとスペンダーが言
い出したものだから、仕方なく僕自身が船外に出てチェックしていたんだ。さて」
 ワイルダーは椅子の上で居住まいを正し、じっとケティを見つめた。
「今の説明である程度推測できたかもしれないけれど、このロケットの存在は、本当なら
誰にも知られてはならない。特に、ここのように……ああ、気を悪くしないでくれ……ま
だ文明が未発達な惑星の住民にはね」
「どうしてですか?」
「もちろん、混乱が起きるからさ。自然な文明発展に悪影響を及ぼすし、何より精神的に
未成熟な文明に過ぎた力を与えるわけにはいかない。本当なら、これほど深く接触して、
自分の素性を明かすこと自体、惑星同盟間規約で禁じられているんだよ」
 前半はよく分からなかったが、後半の「禁じられている」という部分に、ケティは罪悪
感を覚えた。
「つまり、あなたは今、規則を破ってしまっているのですね」
「まあ、そういうことになるかな」
「ごめんなさい、わたしのせいで」
 身の縮むような思いを味わうケティに、ワイルダーは気楽に言った。
「いや、別に君のせいじゃないよ。どちらかと言うと油断していた僕らが悪いんだ」
「でも」
「ただまあ」
 ワイルダーは少し言いにくそうに切り出した。

752 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:07:44 ID:Pi1RQtxy
「こちらの事情を分かってもらえたのなら、僕らのことは秘密にしておいてもらえると助
かる。君のご両親や、友人にも喋らないでいてもらえないか?」
「ええ、それはもちろんです。ロッタ家の家名に賭けてお約束しますわ」
「本当かい? ありがとう、すごく助かるよ」
 安堵しきったワイルダーの声を聞くと、またもケティの中で好奇心が首をもたげてきた。
「参考までにお聞きしたいのですけれど、もしもわたしが喋ってしまった場合、どうなる
のですか?」
「そのときは、急いでこの星から出て行くだけさ」
 ワイルダーは肩をすくめた。
「このロケットがなくなれば、誰も君の話を信じなくなるだろうからね」
「それもそうですわね」
 ケティもまた、ほっと息をつく。喋れば誰かに害が及ぶような、危険な秘密を知ってし
まったわけではなさそうだ。ふと窓の外を見ると、外の森が黄昏の色に沈みつつあるのが
見えた。
「ああ、わたし、もう学院に帰らないと」
 慌てて立ち上がると、ワイルダーが少し残念そうな顔で呟いた。
「そうか、もう帰ってしまうのか。残念だな、君の話もいろいろと聞かせてもらいたかっ
たんだが」
「え、わたしの話ですか?」
 思いがけない言葉に、ケティの胸が高鳴る。ワイルダーは立ち上がりながら頷いた。
「ああ。どうせ規則を破ってしまっているんだし、住人の口から直接この世界のことを聞
いた方がいろいろと得だろうしね。君がさっき言っていた、魔法というのも見せてもらい
たいし……まあ、無理強いはしないよ。君にも君の都合があるだろうしね」
 話しながら、ワイルダーは壁の一角に歩み寄る。それを待っていたかのように空気が抜
けるような音がして、壁が四角く切り取られて向こう側に倒れた。その先には、暮れなず
む森が広がっている。白い部屋に差し込む黄昏の光に、ケティは目を細める。入り口の階
段を下りると同時に、緩やかな風が木の葉のざわめきを運んできた。
「さて、それじゃさよならだ、ケティ」
 低い階段の上に立ち、ワイルダーが眉を傾ける。
「送っていけなくて申し訳ないね。本当なら、君のような女の子をこんな時間に一人歩き
させたくはないんだが」
「いえ、大丈夫です。この森のことはよく知っていますし」
 そう言ったあと、ケティは迷った。先程から、ある思いつきが心の中をぐるぐると駆け
巡っている。だが、それを言ってしまって迷惑にならないものか。
「あの、もし、よろしかったら、なんですけど」
 散々悩みぬいた挙句に、ケティは思い切って切り出した。ワイルダーが、驚いたように
目をしばたたく。
「なんだい、急に?」
「いえ……あの、もしよろしければ、またここに来てもいいでしょうか? ああ、もちろ
ん、この船のことは誰にも話しませんので」
「本当かい?」
 ワイルダーの顔に喜びが広がる。彼は階段を駆け下りてきて、ケティの小さな手を
ぎゅっと握り締めた。その熱烈な仕草に、ケティは自分の頬が熱くなるのを感じた。
「ありがとう、ケティ。もちろん大歓迎さ。楽しい話をたくさん聞かせておくれよ」
 上下に手を振るワイルダーを見て、ケティは恥じらい混じりの不安に襲われた。
「そんな、わたし、きっと大したことは話せませんわ」
「いやいや。僕にとって、未知の世界の話はなんだって心が躍るんだ。是非ともここに
通って、いろんな話を聞かせてほしい。ああ、もちろん」
 ワイルダーは悪戯っぽく片目をつむった。
「君だけを特別に招待するわけだからね。必ず一人で来てくれよ。僕としては、それだけ
約束してもらえればいい」
「わたしだけ、特別」
 なんとも言いがたい感動が湧き起こる。今まで何も持っていなかった自分が、ついに他
人が持っていない秘密を手に入れた。その事実に、小さな胸が激しく躍った。

753 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:08:36 ID:Pi1RQtxy
(特別な人間になれば、サイトさまとも少しはお近づきになれるでしょうか)
 わけの分からない理屈だと思いつつも、心は勝手に楽観的な想像を弾き出す。
「分かりました。ここに来るときは、必ず一人で来ますから」
「うん、そうしてくれ。いやあ、楽しみだなあ」
 上機嫌に頷いているワイルダーを見ていると、ケティもまた楽しい気分になってきた。
思えば今日は彼に驚かされっぱなしだったから、最後に少し仕返しをしてやろうと、いつ
になく愉快なことを考える。
「それでは失礼いたします、ミスタ・ワイルダー」
 ケティはスカートのポケットに入っていた自分の杖を取り出した。手の平に収まる程度
の大きさのそれを振り上げ、小さく詠唱する。ワイルダーは怪訝そうに眉をひそめていた
が、ケティの体がふわりと浮き上がるのを見て、大きく目を見開いた。
「こりゃ凄い! おいスペンダー、記録しているか? ……ああ、喋ってもいいぞ」
「イエス、キャプテン。全て記録しております。驚くべき現象です」
「ああ。これが魔法というものなんだなあ」
 深く感動しているらしいワイルダーを見ながら、ケティは出来る限り優雅にお辞儀をした。
「それではミスタ・ワイルダー、ごきげんよう。良い夢を」
「ああ、お休みケティ。次に君が来るのを楽しみに待っているよ」
 大きく手を振るワイルダーに背を向けて、ケティは空に舞い上がった。少し飛んでから
振り返ってみると、あの大きなロケットは跡形もなく消えている。確かに、これならば自
分以外の人間は気付きもしないだろう。
(そう。あの船のことは、わたしだけの秘密)
 胸中で呟きながら、ケティは今までにないほど軽やかに空を飛び、学院に戻った。
 その日の夜、再び集まった友人たちと話している最中も、その顔には絶えず微笑が浮か
んでいた。

 翌日以降、それまでの憂鬱さから一転して、ケティは楽しい毎日を送るようになった。
 とは言え、昼間の生活にはさして変化がない。相変わらずあまり楽しくない授業を受け
て適当に課題をこなしつつ、友人たちとお喋りをしたりして、ひたすら放課後になるのを待つ。
「なんかさ、ケティ、最近やけに楽しそうだよね」
「いえ、そんなことありませんよ。わたし、至って普通ですわ」
 今はもう試験管を振るのを止めたコゼットが疑わしそうに言うのに対し、すまし顔で答
えるのが楽しくてたまらない。
 授業が終わると、ケティは人目を避けてこっそりと学院を抜け出し、森の道を足早に駆
けてワイルダーのところに向かう。ロケットは、ケティがあの広場に姿を見せると同時に
擬装を解き、入り口を開けて迎えてくれる。
「やあ、いらっしゃいケティ。待っていたよ」
 ワイルダーはいつも、入り口の階段の上に立ち、両手を広げてケティを歓迎してくれた。
 彼の格好は毎日違うものになった。最初の日は魔法学院の教員が着ているようなローブ
姿で、次の日は商人風だった。三日目に着ていた騎士風の衣装が一番似合っていたのでそ
う言ってやると、その日以降はずっとその服で迎えてくれるようになった。
「ところで、その服はどうやって調達いたしましたの?」
「スペンダーが用意してくれるのさ」
「まあ、彼はそんなことも出来ますのね」
「イエス、ミス・ロッタ。ベッドメイクから調理、裁縫に至るまで、何なりと私にお申し
付け下さい」

754 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:09:09 ID:Pi1RQtxy
 平坦ながらもどこか得意げなスペンダーの声を聞いて笑いながら、ケティはあれこれと
取りとめもないことを話す。生まれ育った領地のことや、賑やかな領地のこと、魔法学院
での少々退屈な生活のことや風変わりな友人たちのことも話した。中には自分で話してい
てあまり面白くないなと思うことも多かったが、ワイルダーは退屈そうな様子を見せるこ
ともなく、どんな話でもとても興味深そうに聞いてくれる。ただ、才人に関することだけ
は一切話さなかった。想い人に似たところのある目の前の男性に、自分のうじうじしたと
ころを知られたくなかったのだ。
 それはそれとして、ケティの方でも、様々なことをワイルダーから聞いた。そのおかげ
で、ロケットのことやスペンダーのことも、ある程度は理解できるようになった。
「観測ユニット、でしたっけ。最初の日にわたしが驚かされた、蜘蛛のような形をしたものは」
「ああ、そうだ。今は外装をこの惑星の生き物のものに張り替えて、近くの町や村に潜り
込ませているよ。ひょっとしたら、君の学院に迷い込む野良犬の中にも、僕の放った観測
ユニットが紛れ込んでいるかもしれないね」
 そう言いながら、ワイルダーはその観測ユニットの内の一体を見せてくれた。抱き上げ
た子犬には体温すらあったが、皮膚一枚隔てた向こう側には、確かに金属の感触がある。
だが傍目には本物にしか見えず、抱き上げたケティの臭いをふんふんと嗅ぎまわる仕草も
子犬そのものだ。これでは誰も気付かないだろう。
「よく出来ていますのね」
「イエス、ミス・ロッタ。この通り精密な作業もお手の物、アシモフ式第7世代型陽電子
頭脳、スペンダーをどうぞよろしく」
「調子に乗りすぎだぞ、スペンダー」
 たしなめるワイルダーの声にくすりと笑いながら、ケティはテーブルの上の紅茶を啜る。
対面に座ったワイルダーはあの黒い飲み物……コーヒーを飲んでいるが、ケティはあの苦
さを思い出すと未だに顔をしかめてしまう。
「よくそんな苦い飲み物を平気で飲めますわね」
「苦みばしった大人の味さ。なに、君にもその内分かるようになるよ」
 ワイルダーは何やら深みのある笑みを浮かべて、今日も美味そうにコーヒーを啜っていた。

 空の向こうからやって来た旅人たちとの出会いから、もう二週間ほどの時間が過ぎていた。
 その日ケティは、コゼットの薬草採取に付き合って森に足を踏み入れていた。何やら上
の空で考え込んでいる様子のアメリィと、いつも通り歩きながら手鏡を覗き込むエリアの
姿もある。
「コゼっち、あんまり奥に入りすぎると、学院に戻るのが遅くなっちゃいますよー?」
 手鏡をしまいこみながら、エリアが不満げな声を上げる。コゼットは木の根元を覗き込
みながら、気のない返事を返した。
「大丈夫だって、ちょっと薬草探すだけなんだからさ。でもこの辺にはなさそうだなあ」
 ぼやくように言いながら、コゼットはどんどん森の奥に進んでいく。エリアが可愛らし
く唇を尖らせる。
「もう。最近この辺りではぐれワイバーンが目撃されたって話もあるんですよ? 危ないです」
「大丈夫だって。そんなもん、出てきたって氷付けにしてやっからさ」
 気安く請け負うコゼットは、止まる気配など微塵も見せない。ケティは少し不安になっ
てきた。
(このまま進んでいくと、あの広場まで着いてしまいそうなんですけど)
 その不安は的中し、コゼットはとうとう、あの広場に足を踏み入れてしまった。もちろ
ん、ロケットは影も形も見当たらない。あちらではケティを確認しているはずだが、他に
も人がいるから姿を現せないのだろう。
「ねえコゼット、早く戻りましょう。そろそろ日が落ちてきますわ」
「そんな心配すんなよ。いざとなったらフライで帰ればいいじゃん」
「それはそうですけど」
 ケティは口ごもった。コゼットをこの広場から追い出すための、上手い言い訳が思い浮
かばない。だが、姿を消したロケットが鎮座しているであろう辺りを見ていると、ほんの
少しだけわくわくするような、楽しい気持ちになるのも事実だった。

755 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:09:44 ID:Pi1RQtxy
(やっぱり、わたしだけ特別なんだわ)
 周辺に生えている木の根元を探っているコゼットは、すぐそばに自分の想像の範疇を超
える乗り物が存在していることになど、少しも気がついていないだろう。広場の入り口辺
りで談笑しているアメリィとエリアも同様だ。今この場において、ロケットのことを知っ
ているのはケティだけだ。その優越感に満足げな笑みを浮かべていると、不意にエリアが
驚いたような声を上げた。
「まあ、本当なんですかそれ」
「うん」
 振り向くと、アメリィが恥ずかしそうに頷いているのが見えた。口許を隠す左手の人差
し指で、青い宝石をはめ込んだ指輪がきらりと光っている。「わたしはブスだから」が口
癖で、装身具の類を収集はしても決して身につけはしないアメリィにしては、珍しいこと
だ。アメリィは青白い頬をかすかに染めて、ぼそぼそと喋っている。
「それで、どうしたらいいのか、分からなくて」
「それはもちろん、ちゃんと答えてあげるべきですよ。嫌いではないんでしょう?」
「うん。活発だけど優しくて、むしろ好感を持ってるぐらい」
「それはなによりです。帰ったら早速おめかししましょうね」
「でも、ちょっと怖い」
「大丈夫ですよ、アメりんはとっても可愛らしいお顔なんですから、ちょっと髪型を変えれば」
「あの」
 楽しげに話しこんでいる二人の間に、ケティは遠慮がちに割り込んだ。
「お二人とも、何の話をなさってるんですの?」
「ああケッちゃん。実は、アメりんがですね」
 とエリアが話し出したところで、「いってーっ!」という叫びが後ろから聞こえてきた。
はっとして振り向くと、いつの間にか広場の中央付近に移動していたコゼットが、頭を押
さえてしゃがみ込んでいる。
(まずい……!)
 あの辺りは、ワイルダーたちのロケットがあるはずの場所である。焦るケティの横を通
り過ぎて、アメリィとエリアがコゼットに駆け寄る。
「どうしたの、コゼット」
「なにが痛いんですの、コゼっち。自分の存在?」
「ちげーよバカ! 今、何かに思いっきりぶつかったんだよ!」
「何かって、なんですか? 何もありませんけど」
 不思議そうに周囲を見回すアメリィとエリアのそばで、コゼットも立ち上がりながら首を傾げた。
「っかしーな。確かに、なんかスゲー硬いものに頭ぶつけたんだけど……この辺りだったかな?」
 コゼットが何もない空間に向かって怪訝そうに手を伸ばす。その辺りが、ちょうどロ
ケットの外壁のある場所だ。ケティが叫び声を上げそうになったとき、突然野太い咆哮が
轟いた。驚き、立ちすくむ四人の前に、森の奥から大きな影が進み出てくる。人間より一
回りも二回りも大きく、薄汚れた体。ぎょろりとした赤い瞳と、豚のような醜い顔。オー
ク鬼と呼ばれる亜人だった。
「なんでこんなとこにぃ!?」
 悲鳴を上げるコゼットの前で、オーク鬼は再度咆哮を響かせながら、持っていた棍棒を
大きく振り上げた。その近くに立っていた三人が、慌てて逃げ出す。一瞬後、振り下ろさ
れた棍棒が、凄まじい轟音と共に広場の地面を抉り取った。
「コゼっち、氷づけにするんじゃなかったんですかー!?」
「アホ、んなこと言ってる場合か!」
「早く逃げないと」
 三人は各々杖を取り出して口早に詠唱すると、ふわりと空に舞い上がった。一人残され
たケティは、恐ろしいオーク鬼を前に棒立ちしていた。動かないのではなくて、足が竦ん
で動けないのだ。オーク鬼は、そんな彼女の前にゆっくりと歩いてきて、醜く大きな鼻を
ひくつかせながら、涎の滴る口を開いた。
「ご友人方の後を追った方がいいのではないですか、ミス・ロッタ」
「……え?」
 突然オーク鬼の口から吐き出された理性的な言葉に、一瞬ケティの頭が真っ白になる。
だが、すぐに正気を取り戻して、驚きと共に叫んだ。

756 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:10:18 ID:Pi1RQtxy
「もしかして、スペンダー!?」
「しっ! 声が大きいですよ、ミス・ロッタ」
 言われて、ケティは慌てて口を塞ぐ。だが、胸の動悸は治まらなかった。目の前にいる
のはどう見ても凶暴なオーク鬼なのに、何故スペンダーの声で話しているのだろう。少し
考えて、答えに思い当たる。
「もしかして、これも擬装した観測ユニットの内の一体、とかですか?」
「さすがに聡明でいらっしゃいますね、ミス・ロッタ。そう、こんな風に人が近づいてき
たとき、驚かして追い払うつもりで製作していたのです。よく出来ているでしょう」
 オーク鬼は涎を垂れ流しながら、口が裂けたような笑みを浮かべる。荒っぽい息遣いと
いい立ち上る臭いといい、どう見ても本物にしか見えない。今さらながら、常識を超えた
技術力に感心してしまう。
「さ、怪しまれない内に早くお行きなさい、ミス・ロッタ」
「ええ。ありがとう、スペンダー」
「いえ。ただ、出来るならばこんな物を秘密で作っていたことをキャプテンに叱咤される
とき、私を庇っていただけるとありがたいのですが」
「分かりましたわ」
 スペンダーの平坦ながらも冗談めかした言葉に笑って頷きながら、ケティもまた友人た
ちを追って空に浮かび上がった。
 木々の上まで飛んだとき、物凄い勢いで降下してきたコゼットとぶつかりそうになって、
慌ててその場に静止する。コゼットはほんの少しだけ行き過ぎてしまってから、抱きつか
んばかりにケティのところに戻ってきた。
「大丈夫か、ケティ!? 怪我してないか、貞操は守られているか!」
「興奮しすぎですわ、コゼット、言葉が意味不明になってます」
 落ち着かせるように言うと、コゼットはようやく少し冷静さを取り戻したようだった。
厳しい顔つきでケティの体を上から下までじっくりと眺め、ほっと息をつく。
「良かった、あの豚野郎にヤられちまったのかと思ったよ。可愛いケティの顔に傷でもつ
いたらどうしようかと思った」
「コゼっち、その言葉はなんだかちょっとあやしいですわー」
 ふざけ半分に身をくねらせながら、エリアも下りてくる。その隣に浮かんだアメリィが、
長い前髪の隙間から、じっと広場の方を見つめていた。
「こんなところにオーク鬼が出るなんて」
「どうしましょうねえ。学院の先生方に話したほうがいいんでしょうか」
 ちょこんと首を傾げるエリアに、ケティはまたも焦った。そんなことをしてこの辺りを
兵隊がうろつくようになったら、ロケットが発見されてしまうかもしれない。
 幸いにも、その危惧は「ダメだ!」と叫んだコゼットによって払われた。
「この辺、結構穴場もあるんだぜ! 人が入るようになったら、レアな薬草根こそぎ採ら
れちまうかもしんねーじゃん」
「コゼっちほどの薬草マニアなんて、それほどたくさんはいないと思いますけれど」
 エリアが苦笑する。
「でも、確かに話さないほうがいいかもしれませんね。変に騒ぎが大きくなって、事情聴
取とかで時間をとられるのも嫌ですし」
「面倒なのは嫌」
 アメリィもぼそりと同意する。コゼットが赤い髪を乱暴に掻いて、フケを風に吹き散らさせた。
「とは言えあんなのがいるんじゃ、しばらくは森に入らない方がいいかもな。どうせ群か
らはぐれただけだろうから、すぐいなくなるだろうけど」
 ケティはほっと胸を撫で下ろした。同時に、また少し嬉しくなる。
(あのオーク鬼が偽物だと知っているのも、やっぱりわたしだけ)
 先ほどのオーク鬼の恐ろしさ、醜さについて口々に語っている友人たちに取り囲まれな
がら、ケティはまたも優越感に浸った。
 だから、広場でアメリィとエリアが話していたことについては、翌日になるまですっか
り忘れてしまっていた。

757 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:11:26 ID:Pi1RQtxy
 森で偽物のオーク鬼と遭遇した翌日、いつものようにワイルダーのロケットで話しこん
だあと、ケティは日が落ちる少し前に学院に帰還した。寮の自室に戻ろうとしてヴェスト
リの広場に差し掛かったとき、遠くから聞こえてきた歓声に足を止める。その方向を見や
ると、ベンチが置いてある辺りに、何やら大きな人だかりが出来ていた。彼らは全員魔法
学院の生徒のようで、絶え間なくざわつきながらも、時折一際高い歓声を上げている。
(なんでしょう?)
 首を傾げながら、ケティは群集に近づいた。近づくにつれて、人だかりの中心が少しだ
け高くなり、そこから眩い光が放たれているのが分かった。もっとよく見ようと「レビ
テーション」の魔法で空に浮かび上がり、ぎょっとする。人だかりの中心にいたのは、よ
く見知った人物だった。
「アメリィ!?」
 叫び声が、群衆の上げた歓声にかき消される。その中心で、アメリィはきらびやかな光
を放っていた。土魔法によるものか、台のように隆起した地面の上に立ち、周囲の生徒達
に向かって笑顔を振りまいている。眩い光は服から放たれていた。よく見ると、魔法学院
の制服に、彼女のコレクションと思われる宝石が無数に縫い付けられている。その一つを
無理矢理もぎ取って、アメリィは歌うように叫んだ。
「幸せをおすそ分けーっ!」
 先ほどの宝石が、アメリィの手から空に向かって高々と放り投げられる。彼女を取り囲
んでいた群集が歓声を上げ、落ちてくる光の粒を追いかける。酔っ払ったような笑いと共
にそれを見下ろしながら、アメリィはまた宝石を一つもぎ取り、心底楽しそうに叫んだ。
「皆さんも、わたしみたいに幸せになっちゃってくださーい!」
 彼女が叫ぶたび、煌く宝石が次々と夕暮れの空に舞い踊る。それを追って右往左往する
群衆の頭上に浮かびながら、ケティは呆然とアメリィを見下ろしていた。
 ケティの知るアメリィは、内気で大人しい少女である。いつも泣いているように潤む黒
い瞳が可愛らしいが、本人は自信のなさから長い黒髪でそれを隠してしまっていた。「わ
たし、ブスだから」が口癖であり、気心の知れた友人の中にあってさえ、いつも遠慮がち
にぼそりと発言するような臆病な人間だったはずだ。
 その彼女が長い黒髪を勢いよく躍らせ、夕暮れの空に向かって高らかに笑い声を響かせ
ながら、景気よく宝石を投げまくっている。頭のネジが外れてしまったようにしか思えな
いその行動は、冷静に見るとかなり痛々しい。しかし、内から溢れ出さんばかりの歓喜と
生命力に満ちているのも確かで、見ている者に不思議な高揚をもたらすものでもあった。
 そのアメリィが、上空に浮いているケティに気付いて、にっこりと笑いかけてきた。ど
きりとするほど魅力的な笑顔だった。入学して以来、長い間友人として付き合ってきたつ
もりだったが、アメリィのそんな表情を見るのは初めてのことだ。
「ケティーッ!」
 アメリィが叫ぶ。服に縫い付けられていた宝石の中でも一番大きなものをもぎ取り、大
きく腕を振りかぶった。
「あなたも、怖がらないでーっ!」
 力強い叫びが、ケティの胸に突き刺さる。呆然とする彼女の前に、山なりの軌道を描き
ながら宝石が飛んできた。ケティは慌ててそれを掴み取る。手を開くと、数日前にアメ
リィが見せていた、青く大きな宝石が零れんばかりの輝きを放っていた。驚いて彼女の方
を見ると、コゼット顔負けの満面の笑みが返ってくる。
「一緒に頑張ろうね、ケティ!」
 アメリィは楽しそうに叫んで、また宝石をばらまき始める。校舎の方からミセス・シュ
ヴルーズが顎の肉を揺らしながら走ってきて、「あ、あなたたち、これは一体何の騒ぎで
すか!?」だのと喚いていたが、いよいよ熱狂が頂点に達した群集に飲み込まれ、もみく
ちゃにされてしまった。
 そうして日が完全に落ちかける頃、アメリィはようやく全ての宝石をばら撒き終わった。
一礼した彼女を、群集の盛大な拍手が包み込む。その中から一人の少年が歩み出て、大き
く両手を広げてアメリィに近づいた。

758 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:13:25 ID:Pi1RQtxy
「とても素敵だったよ、僕のアメリィ!」
「ありがとう、アルテュール! あなたが見守っていてくれたおかげよ!」
 アメリィは台状に隆起した地面を蹴って空中に身を躍らせ、勢いよく男子生徒の胸に飛
び込んだ。二人は抱き合ったままくるくると回り、止まったかと思うと何度も何度も音高
くキスを交し合う。人だかりの中から、無数の口笛と煽るような拍手が飛び出した。本当
にここは魔法学院の敷地内なのか、と疑ってしまうほどの馬鹿騒ぎだ。まるで場末の酒場
の中のようである。
 こうして、ケティには全くわけが分からないまま騒ぎは終わりを告げ、群衆の中でもみ
くちゃにされたミセス・シュヴルーズは、全治一週間の怪我を負った。

「……で、なんで反省文書かされてんの、あたしたち」
「そりゃ、悪いことしたわけですから」
 憮然とした表情で机に向かっているコゼットに、エリアが愉快そうに笑いながら答えを
返す。彼女の細い指先で、黒く長い髪が様々な形に束ねられては、また解かれていく。
「あの薬、効きすぎ」
 その髪の主、いつも以上に青白い顔で呟くアメリィもまた、部屋の中にあるテーブルに
向かって一生懸命反省文を書いているところだった。もちろん、夕方の騒ぎの後始末である。
 あれから、まださほど時間は経っていない。だが、騒ぎを起こした張本人であるアメ
リィはすぐに学院長室に連行されて事情を聞かれ、連鎖的にコゼットも呼び出されてこっ
てり絞られたらしい。結果的には反省文を書くだけで許されることになったので、まあ寛
大な処置と言えるだろう。
「学院長を説得するのなんて楽勝ですよー。ちょっとこう、胸元をはだけさせて片目を瞑
ればイチコロです」
 何故か同行したエリアは、そのときのことを実演しながら気楽に笑っていた。
 今、四人がいるのはコゼットの部屋だ。とても年頃の少女の居室とは思えないほどに散
らかっており、特に得体の知れない薬やら薬草の束やらがなんとも言えぬ不気味な雰囲気
を醸し出している。
「やっぱ、シュヴルーズのババアを怪我させたのがまずかったんだろうなー」
「そもそもあんな騒ぎを起こしたこと自体、よくないことでしょうに」
 悔しそうなコゼットのぼやきに、ケティは呆れて溜息をついた。
 アメリィがあんな風になってしまったのは、コゼットが作った薬を飲んだのが原因らし
い。二週間ほど前、コゼットが絶えず試験管の中で振り混ぜていた、あの薬である。
「いやー、栄養剤作ったつもりだったんだけど、体だけじゃなくて心の方にまで過剰に栄
養がいっちゃったみたいでさー。ほんと、やっちゃったぜって感じだよな!」
 コゼットはそんな風に笑って誤魔化そうとしたが、罰からは逃れられなかった。
 だが、彼女以上にケティを驚かせたのは、アメリィが薬を飲んだその理由であった。
「実は、ちょっと前に、アルテュールから求愛されていたの」
 学院長室から帰ってきて、薬の効果もようやく消えたアメリィは、いつもどおりのか細
い声で、恥ずかしそうに告白した。アルテュールというのは夕暮れの広場でアメリィと抱
き合っていたあの男子生徒である。彼の気さくな人柄は内気なアメリィの心を強く惹きつ
けたが、その求愛を受けるかどうかについては迷いがあったという。
「わたし、ブスだし暗いし、彼に何かしてあげられるとは思えなかったし」
「そんな風にいつも通りのネガティヴ思考を繰り広げてたアメりんに、コゼっちが例の薬
を一発盛ったわけですよ」
「で、身も心もスゲー元気になったアメリィは、見事アルテュールの告白を受けて、幸せ
一杯夢一杯でみんなに宝石をばらまきだしたってわけだな」
「あの薬、効きすぎ」
 アメリィは少し気持ち悪そうに口を押さえていたが、青白いその顔には嬉しそうな微笑
が浮かんでいた。
「でもありがとう、コゼット。あれがなかったら、きっとアルテュールの言葉に応えられ
なかったと思う」
「なに、いいってことさ。あたしの方も、自分の薬の程度がよく分かったしね」
 終わりの見えない反省文をだらだらと書き進めながら、それでもコゼットは上機嫌な様
子だった。
「自分があんだけいい薬作れるってわかったからさ。なんか、自信湧いてきたよ」
「コゼっちったら、あれをいい薬と言い張るのは乱暴すぎますよー」
「いや、いい薬だ! なにせアメリィを幸せにしたんだしな。これからも頑張って無茶な
薬を作るぞー、おー!」
 一人で勝手に盛り上がったあと、「……なんて、冗談は置いといて」と、コゼットは少
しだけ声を落とした。

759 名前:Funny Bunny:2008/03/09(日) 23:14:15 ID:Pi1RQtxy
「真面目な話、今回のことで本当に自信ついたんだよ、あたし。入学してから初めて作っ
た薬飲んでシュヴルーズのババアがぶっ倒れて以来、いまいち自分の才能に自信が持てな
かったんだけど」
「ああ、あれは大惨事でしたよね。ミセス・シュヴルーズ、泡吹いて白目剥いてましたもの」
「あの事件のせいで『劇薬』の二つ名がついた」
 しみじみと当時を振り返るエリアとアメリィの声に、「しかぁし!」というコゼットの
声が重なった。
「ついに、あたしはやり遂げたぞ! 挫折に次ぐ挫折の上にさらなる努力を重ね、ついに
夢の尻尾を捕まえたんだ! そこで、決心した!」
「何を?」
「学院を卒業したら、アカデミーとかには進まないで故郷に帰る!」
 コゼットが椅子に片足を乗せながら断言する。豪快な動作でスカート捲れ上がり、思い
切り下着が見えてしまっているが、お構いなしだ。ケティは驚いて問うた。
「どうしてそうなるんですの?」
「元々、母様の体を治すための薬を作るってのが目標だったからね。今回の栄養剤の成分
をちょいと調整すれば、きっとそういう薬ができるはずさ」
「でも、アカデミーに進んだほうがよりよい設備で研究が進められるのでは?」
「そうかもしれないけど、やっぱり母様のそばについててあげたいしね。できれば領地の
運営だってあたしが変わりたいぐらいだったし。今回のことでようやっと決心がついたよ。
アカデミーなんかに進まなくても、あたしは十分にやれるってさ」
 コゼットは歯を見せて力強く笑う。その笑顔が、なんだか妙に眩しい。
「わたしも」
 不意に、アメリィがいった。か細いが、芯の通った確かな声音だ。
「わたしも、今回のことで、少しだけ前を向けた気がする。こんな自分でも、あんな風に
明るく、楽しく振舞えるんだって」
「かなり痛々しかったですけど」
「それでもいいの」
 茶化すようなエリアの声に、アメリィは一生懸命な口調で答えた。
「頑張れば、きっと出来ることがあるって、分かったから。きっと、アルテュールをもっ
と喜ばせられる女になれるって、思えるようになったから。だから、いいの」
 アメリィの口許に微笑が浮かぶ。エリアがにっこり笑って、アメリィの前髪をかき分け
た。潤んだ黒い瞳が露わになり、嬉しそうに細められる。
「じゃあもっと綺麗になりませんとね、アメりんは。とりあえずこの前髪は素敵な形に
カットしちゃいましょう」
「エリア、お願いできる?」
「任せてください。アメりんの愛しいアルちゅーが欲情するぐらい、セクシーに仕上げて
みせますよー」
「アルちゅーってお前、そのあだ名はねーよ。酒飲みか」
 即座にコゼットの突っ込みが入り、三人が楽しげに笑い合う。その輪から一人外れて窓
際に佇み、ケティは顔を伏せた。友人たちが一歩ずつ前に進みつつあるのだから、喜ばし
いことのはずだ。喜ぶべきなのだ。そう思ってみても、胸の奥から湧き上がってくる孤独
感が、抑えようもないほどに膨れ上がっていく。
「ねえ、ケッちゃん」
 不意に、エリアが静かな声で呼びかけてきた。顔を上げると、穏やかに問いかけるよう
な瞳が、じっとこちらを見つめていた。
「わたしたちは、みんなこの先のことを決めましたよ」
 アメリィの髪を弄りながら、エリアが気遣うような柔らかい声で語りかける。
「ケッちゃんは、どうするんですか?」
 静かながらも鋭い問いかけに、ケティは答えられなかった。コゼットとアメリィも、反
省文の紙面に向かいながら、息を潜めてこちらの様子を窺っているようだ。耐え難い沈
黙に、ケティはついに顔を伏せる。近頃の楽しい生活の中で忘れかけていた惨めな感情が、
一息に噴出してくる。一枚の絵画のように美しい才人とルイズの姿が、強く脳裏に浮かび
あがる。
「分かりません。まだ」
 ようやく絞り出した声のあまりの情けなさに、ケティはそのまま消えてしまいたくなる。
 エリアは「そうですか」とだけ呟き、また無言でアメリィの髪を弄り出した。他の二人
も黙々と反省文を書き続け、四人が集まった部屋には、いつまでも不慣れな沈黙が垂れ込
めていた。

760 名前:205:2008/03/09(日) 23:15:36 ID:Pi1RQtxy
切りのいいところなんで、そろそろ次スレへ移りますね。

↓【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合29
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205070276/l50

761 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 23:16:09 ID:PgoCT0Q1
うーむ楽しい

762 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 23:52:15 ID:wzvCs+HT
                                          ○________
                               なぎはらえー     |:|\\:::::||.:.||::::://|    /イ
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                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\l    /
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―   `ー /  l从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄    |                  イ
  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\|       / /     |                / !
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐  . \   / /         \           /   l
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       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧  ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ /        /   / l.  l
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ  /  ,.-‐ ' ´           /       ____  ̄ ̄フ ∧  l
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___           {     /      `<  /  \|
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____ 二二二二二二>   /   __    〈
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   ノ     }       l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/  V'  \ ヽ    `丶\/                 /
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 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V       ヽ       \    ,.  '´
`ー′   \  `<  | {      /   | /〃   :|/  __V/ ̄| ̄ ̄{_     \_      ` <
        \  `' ┴ヘ     {    .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' |    /  ノ`y‐一'  >、_/   / ̄ 7丶、_   丶
         \    ヽ   /`ー「と_し^´ |  |    }  ム-‐'  /     /    \_/  /  /  ヘ    \
           ヽ   _>-ヶ--∧_}   ノ  j   /` 7 ̄ ̄ ̄{      (         ̄ ̄`ー‐^ーく_〉  .ト、_>
            ', /     人__/   .ィ  {__ノ`ー'    ヽ    人     \__              {  }  |
            V     人__/  / | /           ̄{ ̄  >‐ ァ-、    \             〉ー}  j
                {  / ./  ∨      __      ̄ ̄ >-</  / ̄ ̄         廴ノ  '
      <ヽ__      /し /        < )__ \   _r‐く___/  /    < ) \     {__ノ /
        Y__>一'    /         ___r―、_\ >'   `ー' ,.  ´       >.、 \__ノ    {
     ∠二)―、       `ー‐┐    ∠ ∠_r‐--―      <__       ∠ )__          \_
       ∠)__ノ ̄`‐⌒ヽ__|>      ∠)__r―――-― ..__{>        ∠_廴,. ⌒ー'  ̄ \__{>

763 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 23:52:48 ID:wzvCs+HT
                    |\ || /|
      __,-‐ァ, -‐- 、 l==|==!
r、__ , --イ-=- '</ 从l iハヽ、|/ || \|
\〈三三wwヽ / ゝ パヮ゚ノ|}// ̄ ̄
_ r、,、  |,、/Yソl  ゝ) )水Y /==
〈V〈ノ   /ミ!;;|  (ゝイノ、/ ニニ=
. }  )   !三|;;;;|/─''´、,、<`ヽ\
/ノ、〈ヽ {二,|/ ̄/Y/ || \>-‐'´
´  \`T  / ̄l´ /─'' ̄ヾ二

764 名前:名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 23:53:35 ID:wzvCs+HT
    ______     __,.  ---- 、_
   弋:ー -- 、__:::::><____     ヽ、
    ヽ: : : : : :._\:::::::::::::::::::::::`ヽ、_    \
      \>'´   ̄`´ ̄ ̄ ¨ヽ:::::::::::−‐-、_\
.      /  /           \_:::::::::::::::ミ= 、
      f  /      !        \: ̄ ̄ ̄ ¨ヾ≧
      |  i  _」_/  i       ヽ  ヽ: :: : : : : : :/
.      ', !  !/\  V    !   !   |: : : : : ,.イ
       V  テX、!ヽ  ヽ斗 十ト、 !   |_,.イ  !
        \|  ト心.|  ハ レ' ∨ |`ト、  |   \ ヽ、
       /| リ 、ゝツ|/ 圷七卞く.|   !     \ \
       (  八 :::: ,    ヾこソ 个  ! \    ヽ \
       \ ! \  、__   `'::::  /  /   \    !  )
   __/ ̄`<!.___ \ヽ _}     ,/  ∧     \  ! /    にゃ〜ん♪
   {:火     、 .}  `r--r::r‐_' /   ∧. \     \ (
   从::\ ヽ ヽ__}_/   ', }::::::::/   ムイ`ー―'⌒ヽ .! ヽ\
    从::::`┴f / |    ! `^フ    |-'       ∨  !  \    _
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     |   | |/    人r〈     \r::!      !  !    /:/
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     i.    |    人:::::::::::::::ヽ     }     ∧  ∨::::/  /
.     ',.   |    | \:::__人_:\    |     /  \_」::_火个く__
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