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【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合33

1 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 19:50:39 ID:CUFjCz5I
     _      ここは「ゼロの使い魔」「グリーングリーン」に代表される
    〃 ` ヽ    ヤマグチノボル氏の作品のエロパロを書くスレよ。
    l lf小从} l  / 荒らし、それに反応する輩はあたしの虚無で一発なんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ /  ご・・ご・・・ご主人様が好きならSSを書いてみなさい!
  ((/} )犬({つ′  あと、次スレは480KBか、970レスを過ぎたら立ててね。
   / '"/_jl〉` j    立てないとお仕置きだかんね!
.  ヽ_/ノヘ.)〜′   分かったら返事するのよっ!犬!

【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合32
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1216435364/


過去スレ
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合31
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212010317/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合30
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208101783/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合29
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1205070276/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合28
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1203164640/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合27
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1201174846/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合26
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199213475/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合25
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197993274/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合24
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1195488562/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合23
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193840986/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合22
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191862054/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合21
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1190655203/

まとめサイト ゼロの保管庫wiki(移転しました)
http://zerokan.digital-ark.com/

過去スレ(20スレ以前)については、上記のまとめサイトを参照なさいっ!

2 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 20:21:52 ID:WTy5sZf9
わんっ!

3 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 21:00:57 ID:VTXmI6gs
こ、こ、こ、このバカ犬〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!

いいからさっさと前スレ埋めなさいよね!

4 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 23:32:05 ID:X2H0XjUj
はぁ〜・・>>1乙えない

5 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 23:49:04 ID:wVad99bP
こっちでも>>1





そしてシエスタほんとに申し訳ない…orz

6 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 23:51:15 ID:ug8GuW90
>>1乙!

毎度好評の埋めネタをパクる俺マジ破廉恥な男! 正直スマンカッタ。
一度でいいからああいうの書いてみたかったんだもん! 許してくんろ!

7 名前:新婚さんごっこ(ルイズVer):2008/08/19(火) 00:00:25 ID:VTXmI6gs

「サイトさん、よかったらまた新婚さんごっこしましょうね。
 たっぷりサービスしちゃいますよ?」

 そう言ってにっこりと笑ったシエスタは、手を振る代わりにボリュームたっぷりの胸を
 ぽよんぽよ〜〜んと弾ませながら、食堂の手伝いへと消えて行った。
 残された才人と、桃色髪のご主人様の間に、なんとも気まずい空気が流れる。
 わずかに皮肉をきかせた声で、ルイズが尋ねた。

「ねえ。た〜っぷりのサービスってどんなサービスなのかしら。サイトは知ってる?」
「い、いや……、俺にはちっともわかんないな。なんだろうねそれ。……おいしいのかな?」
「たぶん私が思うに、それはとっても甘くて、柔らかくて、すっごくおいしいものだと思うわ」
「そ、そうか。それはぜひ食べてみた……あ、いやじゃなくて、そうだ俺辛党なんだよ。
 甘いのは苦手でさ。はは」
「それは初耳ね。じゃあこれもサイトはいらないってわけね。どうしよう捨てちゃおうかしら」

 これ? ……っていったい何? と思っていると、
 ルイズはいきなり立ち上がって、クローゼットから何かを取り出した。
 そしてそのまま扉の陰でいそいそと何かしている。しばらくして恥ずかしそうに現れた。
(こ、これは……)
 ルイズの着用しているのは、いかにも新婚ほやほや若奥様が装備していそうな、
 ふりふりレースの純白エプロンであった。短い裾からはすらりと形のいい脚が伸びている。
 上から下まで艶々のナマ脚だ。というか全身エプロン以外には何も身につけていない。つまり。
(で、伝説の裸エプロン、括弧ルイズVerっっ!!!!!!)
 うしゃあ!と才人は胸の内でガッツポーズした。偉いぞルイズ!お前にしちゃやるじゃないか!
 シエスタの裸エプロンも見事であるが、ご主人様のだってなかなかに破壊力がある。
 花の種類は数あれど、各々に違った味わいがあるのであった。
 さて。若奥様ルイズは、もじもじと顔を赤らめながら聞いてきた。
 
「え、えっと……、お帰りなさいサイト。疲れたでしょ?」
「あー、まあ疲れたっていえば、そうかな?」
「ちち違うでしょ! まずは『ただいま』じゃない!」叱られた。
「そ、そっかごめん」
「もう一度いくわよ? お帰りなさい。お仕事大変だったでしょ?」
「ただいまルイズ。ふう疲れた疲れた。今日はほんと大変だったよ」

 なんかシエスタの時とは随分違うな、と才人は思った。何かが足りない。萌えない。
 これじゃごく普通の中年夫婦の会話だ。
 頭の中でシエスタとの時のをおさらいしてみる。
 あれだ!
 「あ・な・た(はぁと)」で頬を染めてぷはぁ!
 あれが足りない!
 ぜひともルイズに言わせなくてはと思ったが、いつのまにか新婚劇は進行していた。


8 名前:新婚さんごっこ(ルイズVer):2008/08/19(火) 00:01:09 ID:VTXmI6gs

「それでご飯にする? それともお風呂?」
「……………」
「どっち?」
「……あのう、選択肢はそれだけ?」
「他に何があるってのよ」

 あるじゃないか大事なのが!

「あ、そうね。忘れてたわ!」
「そうそう。それそれ」
「ご飯? お風呂? それとも……お酒?」

 切ない気分で才人は「ご飯」と答えた。
 まあいいか。いそいそと食事の支度をする裸エプロンの新妻を前後左右から
 鑑賞するのも……って、台所ねえじゃん!! 料理ねえじゃん!!!
 ルイズはう〜んと考える素振りの後で、声を張り上げた。

「誰かーー! 旦那様にお食事のお支度をーー!」

 パチパチと手を鳴らす。使用人でも呼んでるつもりなんだろうが、
 部屋には才人以外は誰もいないので、当然返ってくる返事もない。
 そのまま静寂の時間が流れた。
 
「や、やっぱりご飯はいいから。お風呂……いやお酒……いや……」
「うんっ」

 ルイズは可愛らしく待っているが、
 いくら懸命に考えても「たっぷりのサービス」が思いつけない。
 新婚だぞ。新妻だぞ。しかも裸エプロン!!!
 ああ、それなのに。……才人はこほんと咳をして言った。
 
「あールイズや。じゃなくて、新婚ほやほやの奥様や。
 実はな。新婚の時にサービスするのは、奥さんじゃなくて旦那の方なんだよ」



 ……1分と経たずに。そのレースのエプロンは用なしとなって、
 床の上に丸まるはめとなった。


9 名前:ぎふと:2008/08/19(火) 00:02:25 ID:S1vfMEYe
創作の神様が一向に降りて来る気配がないです。
てことで新スレ記念に掌品をひとつ。

さて埋め立て地見てくるかー

10 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 00:22:25 ID:KlPydZ2P
>>9
投下ペース速いなぁ GJ!

11 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 00:23:39 ID:WQCX1zEi
ID変わってるから解らなかったが上のはぎふと氏の投稿なのかな。
GJです!

12 名前:ぎふと:2008/08/19(火) 00:38:49 ID:S1vfMEYe
うお?変な時間に投稿しちゃったな。
そうです自分のです。<変態紳士連合 会員No.108 ぎふと>

13 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 01:06:03 ID:6tueuqVg
酉つけたらいいんじゃない?

14 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 02:10:27 ID:E3GCJ+Ha
ぎふとさん、GJです!
ぎふとさんっぽいなぁと思って読んだら、予想通りだった。
「王様GAMEと三角形」待ってます。

15 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 02:15:51 ID:xfy8dNAo
三角木馬に見えた
末期だな…

16 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 02:22:19 ID:TFK7nX5Y
三角木馬に跨って拷問されるシェフィールド…っ!
もしくはサイトに調教されるエレオノールお姉様…っ!

17 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 04:30:16 ID:QxlNI3NH
シェフィールドがシルフィードに見えた

18 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 08:21:49 ID:zp94YXpa
ぷんぷん!シルフィはもう子供じゃないからおもちゃのお馬さんに乗っても喜ばないのね!!

19 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 11:44:02 ID:iZByH+jw
そもそも馬はエサなのね!

20 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 11:46:18 ID:zp94YXpa
文字通りの意味で鯨飲馬食ですね、わかります

21 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 13:03:58 ID:YBX77J1S
シルフィって馬喰うの?

22 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 13:05:59 ID:80rGu5lX
馬肉は大人の食べ物だってお父さんが言ってたから、たぶん食べない

23 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 13:46:19 ID:qfhzNDq0
おいおい、デルフ買いに行ったサイトたちを追いかけるときに
タバサが「馬二頭、食べちゃ駄目」って言ってたから普通に食べるだろう。

24 名前:(ぎ) ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/19(火) 14:44:54 ID:S1vfMEYe
酉さんてすと。

実を言えばこの謎記号は“本物の職人の証”だと思ってますた
自コテ見るのすら悶えるのにうあぁぁぁぁ……以後心がけます(死ぬ

25 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 15:13:19 ID:80rGu5lX
なんとなく、わかる
だから俺はショート・ショートしか書かないんだww

ここには恐ろしくて落としてないけど


26 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 18:30:53 ID:KlPydZ2P
>>25
>ここには恐ろしくて落としてないけど
その恐怖を克服して何でも良いから投下してくれませんか?

27 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 18:50:35 ID:QxlNI3NH
タバ険を読み返してたんだが、結構シルフィーって口わるいよね

28 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 19:07:37 ID:JarHYNk9
コルベールメインの話って少ないんだな。

29 名前:痴女109号:2008/08/19(火) 19:23:50 ID:ERKZL/yd
久しぶりに投下します。

30 名前:マリコルヌの冒険(その1):2008/08/19(火) 19:24:40 ID:ERKZL/yd
――お、あいつ、今日のショーツは黒かよ。

 マリコルヌ・ド・グランドプレは、ほくそ笑んだ。
(なら、そろそろ今晩、あの恋人と最後まで行く肚を決めたってところか)

 彼の使い魔クヴァーシルから送信されてくる視覚情報。
 夜更けの女子寮を飛び回り、窓にカーテンも引かずに油断し切っている女子生徒の、夜の日常を観察して回る。――夜目が利くフクロウならではの深夜の覗き行為は、もっぱら最近に於ける彼の最大の趣味となっていた。
 

 トリステイン魔法学院は全寮制だ。
 だから基本的に授業は男女共学ではあるが、その一般生活に於ける男女の敷居は、余人が想像する以上に高い。授業時間以外の男子と女子は、『寮』という寄宿舎によって、生活の場を隔絶されてしまっているからだ。
(食事は男女共同だが、おのおの席が指定されているため、狙った女子との意思疎通の空間には、ややなりにくい)
 携帯電話のような個人間の連絡用ツールも存在せず、さらには中世ならではの貞操観念が存在するハルケギニア社会にとって、基本的に、婚姻を前提としない“親密な男女関係”を築くことは、そう簡単な事ではない。
 だから、この学園生活で女っ気を充実させようと思えば、一日の終業時間――具体的に言えば、女子生徒たちが寄宿舎に帰ってしまうまでに細かい努力をするしかない。
 放課後や昼休みに、意中の女子に詩や花束を送ったり、楽曲を捧げたりなどして、機嫌を取ったり歓心を得たりするのが、ハルケギニアに於ける一般貴族の恋愛方法なのだ。
 マリコルヌとて、それは知っている。
 そして彼とて、一般貴族としての恋愛を諦めたわけではない。
 だから、この覗き行為がどれだけ罪深い、非常識な行為であるかということも、彼はちゃんと認識している。だが……、

(……マズイな……これ、病み付きになりつつあるぞ……)
 無警戒な他人の生活を垣間見る。
 そこにあるのは、一切の虚飾を剥ぎ取った素顔の生活だ。
 男色趣味の無いマリコルヌは、さすがに男子寮を覗こうとは思わなかったが、女子寮で展開される女子生徒たちのナマの生態は、やがて、彼ほどのツワモノをしても、しばし性欲を忘れさせるものであった。



31 名前:マリコルヌの冒険(その1):2008/08/19(火) 19:25:26 ID:ERKZL/yd

 普段はしかめっ面をしている仕切り屋の少女が、自室で見せる、だらしない生活。また、普段は憎まれ口ばかり叩いている強気な少女が、自室で見せる、意外な涙もろさ。
 寡黙な少女が、恋人を部屋に連れ込んだ途端、堰を切ったように甘えだし、逆に、だらしない少女が、普段からは想像もつかせないような潔癖な生活態度を見せる。
 そして、そんな少女たちが勇を鼓して、部屋に連れ込んだ恋人たちに見せる媚態や誘惑、そして夜這い男たちの口説きザマ。
(おもしれえ)
 娯楽の少ない寮生活で、他人の仮面の下を覗き見る行為にマリコルヌ少年が、まるで研究の対象を見つけた学者のような熱心さでハマってしまったのは、ある意味、必然であるとも言えた。

 もともと、マリコルヌは自分の性欲の強さを意識はしていたが、それでも自分の女日照りに、そこまで真剣な危機感を抱いていたわけではない。
 彼とて貴族の端くれ、実家――お世辞にも名門であるとはいいがたいが――に帰れば御領主様の若殿なのだ。学院を卒業して領地に帰れば、見合い話の一つや二つはあるだろう。
 たとえ、爵位持ちの大諸侯ならぬ貧乏貴族であっても、それなりの縁談というものは存在する。贅沢さえ言わなければ、そう簡単に結婚相手にあぶれるというものではない。貴族社会は基本的に、婚姻によって人脈と門閥を形成し、社会を維持していくものだからだ。
 ましてや、いま現在自分が所属する水精霊騎士隊は、自分たちが卒業すれば、女王陛下直属の近衛隊として、正式に王宮に上がる事になるだろう。つまり卒業後の官職は保障されたようなものである以上、将来の不安はさらにない。
(その前に、士官学校への入学を強制され、全隊員、一から軍事教練を叩き込まれる可能性はあるが)
 まあ、だからこそ、気ままに自由恋愛をしようと思えば、そんな時間は学生時代に限られてくるわけなのだが……。

 そして今宵、長らく“観察”を続けていた、とある女子生徒が、勝負下着とおぼしきショーツに履き替えるのを見て、マリコルヌの心中に沸いたのは、性欲よりも、嫉妬よりも、むしろ少女への声援だった。
 無論マリコルヌとて、その少女が想いを寄せる男子生徒に嫉妬を感じないと言えば嘘になる。
 だが、少女の日常生活を覗き見し、彼女がその男子に、どれほどの思慕と憧憬の念を抱いているか知ってしまっているマリコルヌとしては、その少女にむしろ父親か兄に近い感情を持ってしまっている。
 ならば彼としては、必然的に少女の恋の成就を応援せざるを得ない。



32 名前:マリコルヌの冒険(その1):2008/08/19(火) 19:26:52 ID:ERKZL/yd

(らしくねえな)
 心中、彼は苦笑する。
 モテない自分への満腔の不満と、モテ男たちへの身を焦がす程の憤怒と嫉妬。そして性欲。
 それが自分――マリコルヌ・ド・グランドプレの構成成分だったはずなのに。
 ぼくも変わっちまったもんだ、と思う。
 無論、以前の性欲が跡形も無く消えたわけではない。
 だが、いま続けている人間観察によって、自分は確実に以前とは変わった、と思える。少なくとも以前なら、他人の恋愛を応援する自分など、どう逆立ちしても想像できなかったからだ。
 多分、他人の私生活を覗き見ることによって、以前よりも他者に対して優しくなれるようになったのは確かなようだ。
(まあ、それでもやってることは、ただの犯罪なんだがな……)

 そのときだった。
 自室のベッドで寝そべりながら使い魔の“眼”を使っていたマリコルヌは、不意にぎょっとした。
(いまのは……!?)
 クヴァーシルが視覚の端に捉えた一人の男。
 なぜ、目端に見えた男の影に、自分の肉体がそんな反応を示したのか、彼自身にも分からない。だが、分からないからこそ気になった。それは事実だ。それはマリコルヌの中の騎士隊員としての意識を、激しく揺さぶった。
 マリコルヌは、その男を追跡することをフクロウに命じる。
(ぼくは、あの男を知っている……?)
 その予感は、なぜか悪寒すら伴っていた。

 薄茶色のローブと、つばの広い異国の帽子を目深にかぶった男の人相は、この夜更けでは、見極める事さえ出来なかったに違いない。だが、彼の使い魔はフクロウだ。クヴァーシルの夜目を以ってすれば、深夜も白昼も、大して変わりは無い。
 そして、双月の月明かりから身を隠すように、校舎や塔の影づたいに歩を進めるその男は、最上級生であるマリコルヌから見ても、見覚えのない顔をしていた。
 無論、彼とて、学院にいる全ての者の顔を記憶しているわけではないが、その男の相貌は、下級生と呼ぶにはあまりにも落ち着き過ぎ、教師と呼ぶにはあまりにも若すぎるように見えた。
 つまり、少年のようにも思えるし、熟年のようにさえ見える。
 マリコルヌは、そういう貌を持つ者たちを知っていた。


33 名前:マリコルヌの冒険(その1):2008/08/19(火) 19:28:17 ID:ERKZL/yd

(まさか……嘘だろ……?)
 男は、とある塔に辿り着くと指輪を光らせ、その身をふわりと浮き上がらせた。
 フライか? だが、男は杖を振るったようには見えなかった。いや、そもそも杖を携帯しているようにさえ見えなかった。
 そして、その姿は学院長……オールド・オスマンの私室の窓を無雑作に開け、室内に消えてゆく。

「……っっ!!」

 一筋の冷や汗がマリコルヌの背筋を伝う。
 ここで外に飛び出し、学院長室に不審者が侵入した事を騒ぎ立てるべきなのかも知れない。だがマリコルヌの精神は、ここでパニックにならない冷静さを奇跡的に持ち合わせていた。
 何故なら、男が部屋に入った途端、窓から明かりが洩れたからだ。
 つまり、この謎の男は、少なくともオールド・オスマンに害意を持っていないという事になる。わざわざ窓から部屋に入って、明かりをつける刺客などいるはずがない。また、明かりをつけて刺客を出迎える標的も、また然りだ。

 クヴァーシルをその窓際に飛ばせる。
 嫌な予感が背筋から消えない。
 カーテンの隙間から室内の様子をうかがう。
 
「我をまとう風よ、我が姿を変えよ」

 フクロウが部屋の中から聞こえた、その声を聞いた時、もはや、深夜の校庭をうろついていた怪しい男の姿は無かった。その代わりに、マリコルヌが二度と会いたくないはずの男がそこにいた。
 腰まで伸びた、流れるような美しい金髪。
 ガラス細工のように光る、切れ長の碧眼。
 貴婦人のような、線の細い顎のライン。
 そして、それらの美貌を完璧に裏切るように突き出た、人外の証明――長い耳。

(……エル……フ……!?)



34 名前:マリコルヌの冒険(その1):2008/08/19(火) 19:29:01 ID:ERKZL/yd

 しかも、そのエルフは、マリコルヌも知っていた。
 かつて敵としてまみえた、ビダーシャルという名のエルフ。
 嫌な予感は的中した。
 その姿を視覚の端に捉えた瞬間の動揺もむべなるかな。アーハンブラ城で味わった恐怖を鑑みれば、たとえこの男がどのような姿に変身を遂げていたとしても、本能的に肉体が反応するのは、決して不思議ではない。
 
 そして、不可解なのはそれだけではない。
 当の学院長・オールド・オスマンその人は、普通にベッドから体を起こして、そのエルフに微笑んでいる。その様子は、あたかも久しぶりに会った莫逆の友人に声をかけているようにさえ見えるからだ。
 ハルケギニアのメイジ養成機関の中でも屈指の名門・トリステイン魔法学院の学院長の私室に、人類の敵対種たるエルフがいる!!
 その事実は、マリコルヌの理解を激しく超越していた。
 確かに、世界有数の賢者であるオールド・オスマンであるならば、たとえエルフであっても顔が利く、ということもあるのかも知れない。
(いや、ないない!! それはない!!)
 マリコルヌの心中の叫びに根拠は無い。だが、何が起こっているのか事態を見極めようとすれば、彼らの会話を盗み聞くしかない。

 だが、そのときだった。
 切れ長のエルフの碧眼が、クヴァーシルを――正確には、使い魔の目を通してマリコルヌを睨みつけたのだ。



「誰の使い魔かは知らぬが、覗きは悪趣味だな」



 クヴァーシルは窓から一目散に飛び立った。
 翼も折れよとばかりに力を込めて羽ばたき、僅かでも、その部屋から――そのエルフから距離を取る。その逃亡にマリコルヌの意思は一切介在していない。あくまでの種としての生存本能が取らせた行動だ。
 何故なら、マリコルヌ本人はといえば、そのときにはすでに眼を回してベッドに倒れていたからだ。
 無論、偶然ではない。
 ビダーシャルの視線に込められた魔力のせいだ。


35 名前:マリコルヌの冒険(その1):2008/08/19(火) 19:30:23 ID:ERKZL/yd


「殺したのか?」
 それを知ってか、オスマンも不安そうにエルフに訊く。
「殺生はならんぞ。我が校の生徒が興味本位で覗いておっただけかも知れんのだからな」
 その言葉に、ビダーシャルはつまらなそうに、だが心配そうに首を振る。
「我々エルフは無意味な争いを好みません。しかし、あなたはそれで宜しいのですか?」

 見る者が見れば、その会話に驚倒したに違いない。
 ガリア王ジョゼフにさえ、対等の態度と言動を崩さなかった、ネフテスのビダーシャルともあろう者が、人間相手に敬語を使っているのだから。だが二人とも、双方の言動に疑問を持っている様子は無い。むしろ、そんな事は問題ではないとばかりに話を続けていた。

 ビダーシャルの台詞が表す意味はただ一つ。
 今宵の一幕を覗き見ていたのが、単なる生徒の好奇心ではなく、歴とした機関の偵察要員の所業であったとしたなら、オスマンの失脚は免れようも無い。それでもよいのかと言いたいのだ。
 だが、老人は動じない。
 むしろ笑ってビダーシャルに応える。
「わしを誰じゃと思うておる? 俗世の権力ごときに、このオスマンが膝を屈すると思うのか?」
 そう大見得を切ったオスマンだったが、それでも視線を外さないビダーシャルに、やがて気圧されるように俯き、寂しそうに言った。
「それに、――どのみち“虚無の担い手”は見つかったのじゃ。わしの仕事はもう、ほとんど終わったも同然じゃよ」




「おおい、マリコルヌ!! 何やってんだよ、いないのかっ!?」

 個室の扉をガンガンと殴る音がする。
 いや、その殴打音よりも、ドア越しに少年がわめく声のほうが激しい。
「あ?」
 マリコルヌは眼を覚ました。
 体を起こすが、その途端、頭蓋が割れそうに響く。まるで瓶一杯の火酒を呑んだようだ。
(あれから……いったい……?)
 自分の情況を確認しようとした瞬間、骨さえも凍らせるようなエルフの冷たい瞳が、マリコルヌの脳裡に走った。


36 名前:マリコルヌの冒険(その1):2008/08/19(火) 19:32:01 ID:ERKZL/yd

「〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!」

 逆流してくる胃液を、両手で口を抑えて、懸命に嘔吐をこらえる。いくら何でも自室のベッドの上で、反吐をぶちまけるわけにはいかない。数秒かかって、どうにか彼は口中の吐裟物を飲み下した。
「……はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
 昨夜見た、学院長室での光景が現実だったのか否か、それは分からない。でも、単なる夢であるとも思えない。
 マリコルヌは、本来なら今頃は森で眠っているはずの使い魔・フクロウのクヴァーシルの生死を確認したい衝動に駆られたが、さすがに、今はそんな事をしている時でもなさそうだ。
 いま自分を叩き起こした、ドアから発する呼び声と殴打音。
 何をするにも、まずは、あの乱暴極まりない訪問者の相手をしてからだ。

 頭痛を誘発する、この怒号の主も誰であるかは知っている。――魔法学院の同級生、水精霊騎士隊の幹部格である肉体派の少年・ギムリ。
 杖を振るって錠を外そうとしたが、頭痛がひどくて魔法に集中できそうに無かったのでやめた。ベッドから降りると、重い身体を引きずって扉まで行き、倒れそうになるのを堪えながら、ドアを開けた。

「何だよギムリ、こんな朝っぱらから」
 そんなマリコルヌの様子と台詞に、ギムリは一瞬きょとんとなったが、
「朝? 何言ってるんだよマリコルヌ、もう放課後だぜ?」
 次に呆然となるのは、マリコルヌの方だった。
(放課後!? そんな時間まで、だらしなく正体を無くして、寝込んでいたっていうのか!?)
 だが、マリコルヌのそんな反応も、ギムリは歯牙にもかけないようだった。
 もともと大雑把で、細かい事に神経の行き届く男ではない。マリコルヌの青い顔にも、また二日酔いだろう、くらいの理解で納得し、納得した以上は疑いを持つような性格をしていない少年なのだ。
 そして、何よりそんな豪快なギムリが、泡を食ってマリコルヌを呼びに来る、という事は……。
「ンな事より大変だぜマリコルヌ!! おれたち全員、トリスタニアに緊急招集だってよ!!」
「は?」
「手柄だ手柄! 手柄上げて名を上げる絶好の機会だって言ってるんだよっ!!」


37 名前:マリコルヌの冒険(その1):2008/08/19(火) 19:33:29 ID:ERKZL/yd

「……いきなりだな。一体何があったんだよ?」
 そう訊かれてギムリは、むしろ嬉しそうに周囲を見回すと、マリコルヌを押して彼の個室に入り、ドアに施錠した。
「……いいか、これからする話は隊の幹部の中だけの極秘事項だ。無闇やたらと話すなよ」
 と、いかにもな武者震いをしながら、声を潜める。
 その様子は「これは秘密ですわよ」と言いながらゴシップを振りまく社交界の婦人たちを連想させ、マリコルヌはいささか興醒めする思いで、ギムリの言葉に頷く。
 普段ならともかく、こんな割れんばかりの頭痛の中で、低俗な噂の伝言ゲームに参加するのは御免だったが、まあ、これも付き合いというやつだ。仕方が無い。
 ギムリは、そんなマリコルヌの心中も知らず、口を開く。

「今朝、ギーシュとサイトが、王宮に呼び出されて、アニエスから聞かされたらしいんだが……」

 アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン。
 言わずと知れた、女王陛下直属の王宮衛士隊“銃士隊”の隊長であるが、女性である事や出自が平民である事から、かつての魔法衛士隊同様の信頼を一般貴族から受けているとは、お世辞にも言い難い。
 彼女から何度か軍事講習を受けた、彼ら水精霊騎士隊の学生たちにしても、本人のいないところで敬称をつけて呼ぶほど、決してアニエスを敬ってはいなかった。もっとも、あの苛烈極まりない訓練内容からすれば、学生たちが彼女を嫌うのは無理もない話なのだが……。

「どうやらな、いま王宮でとんでもない計画が進められているらしい。おれたちは、それを阻止するための増援警備だって話だ」
「……まどろっこしいな。とんでもない計画って、一体何なんだよ?」
 半ば、興味なさげに訊き返すマリコルヌだが、ギムリは、そんな彼に気分を害する事も無かった。それどころか、施錠してある室内にもかかわらず油断無く周囲を見回し、窓の鍵を確認するとカーテンを引きなおし、そこまでして、ようやく小声で囁いた。


「アンリエッタ女王陛下の暗殺計画、だってよ」


38 名前:マリコルヌの冒険(その1):2008/08/19(火) 19:38:19 ID:ERKZL/yd
今回はここまでです。
多分、次回くらいまでが物語の導入部です。


「契約」は……予定していたラストが余りにも後味悪く、少しでもマシな終わり方を模索中です。
つまり、もうしばらくかかりそうです。
ではまた。


39 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 19:56:30 ID:KlPydZ2P
>>38
相変わらずクオリティの高い文章ですね GJ!
>(その前に、士官学校への入学を強制され
多分、ハルキゲニアには軍学校の類はないと思います
作者いわく三銃士の頃の世界観をそのまま持ってきたとのことなので
せいぜい16世紀から17世紀の文化レベルなので
確かワルドは魔法学院卒業後、見習い士官だかで魔法衛士隊に
入隊したとのことですのでおそらくトリスティンにはないかと
>普段はしかめっ面をしている仕切り屋の少女が、自室で見せる、だらしない生活。
モンモランシーかな?
>また、普段は憎まれ口ばかり叩いている強気な少女が、自室で見せる、意外な涙もろさ。
ルイズで鉄板かな?
>寡黙な少女が、恋人を部屋に連れ込んだ途端、堰を切ったように甘えだし、
タバサ?
>逆に、だらしない少女が、普段からは想像もつかせないような潔癖な生活態度を見せる。
キュルケかな? 意外とまともなイメージがあるんですよね まぁ私見ですが

40 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 20:17:34 ID:S1vfMEYe
痴女氏GJ!です
読みやすくも緊張感のある文章に圧倒されました。(シリアスなゼロ魔いい!)
しかし登場人物の個性的なこと。まさか彼が出てくるとはね…
今後マリコルヌらしさがストーリーにどう絡んでくるのか、
成長しつつある彼がどう変わっていくのか楽しみです

>>28
確かに。「炎蛇と微熱の冒険」誰か書いてくれないものか……

41 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 21:31:59 ID:YjYR5Npn
すみません数レス程お借りします
ルイズ奴隷調教物
身体改造等ありますので不快に思われる方は
タイトル『歪んだ愛』をNGにお願いします
稚拙な文章の投下失礼します

42 名前:歪んだ愛:2008/08/19(火) 21:32:54 ID:YjYR5Npn
学院内に夕暮れが迫り始めた時
『どっっっかぁぁぁん!』
最早、恒例となりつつあるルイズ嬢の魔法が彼女の使い魔に炸裂した音が辺りに響き渡る。

二つの月が優しく輝き始めた頃、先程受けた魔法の傷を手当てし終わった才人は自身の主人たるルイズの部屋のドアノブに手を掛け
(イテテ…最近特に酷いなルイズの奴)
と一人ごちながら痛む頬を擦りドアを開けた。

「お…お帰りなさいませ。才人様」

才人の目の前には、三指をついて深々と頭を下げたルイズ
普段の彼女からは想像もつかない態度で弱々しく肩を震わせ額を床にすりつける様は、まるで土下座の様である

ルイズを知る者が観たら卒倒しそうな光景の中、才人は特にルイズを気にした様子も無く、ベッドに腰掛ける

「すげ〜痛かった」
「申し訳ありません」
「今日は何?おっぱい小さいの馬鹿にされてキレちゃったの?」
「はい…申し訳……ありませんでした」

なおもネチネチと才人はルイズに意地悪な言葉を浴びせ続ける
その間もルイズはドアの方に土下座をしたまま謝罪の言葉を言い続けた

「……はぁ。まっいいや。おいバカ犬さっさと裸になってこっちに来いよ」

43 名前:歪んだ愛:2008/08/19(火) 21:34:32 ID:YjYR5Npn
ようやく今日の不満を言い終えた才人はルイズに向かって早くしろバカ犬と呼び告げる

「わんっ」

と元気にルイズは鳴くといそいそと服を脱ぎ始める
下着は着けていなかったらしく、上着とスカートをとると全裸になったルイズはベッドに腰掛ける才人の元によつんばいで向かった

「ルイズ。身体を見せてみな、ほらチンチン」

才人の命令に嫌な顔をせず、寧ろ嬉しそうに舌を突き出しながら両指を丸め足をM字に開脚しながら『チンチン』の体勢をとるルイズ
「わんっ♪」

才人の放った『バカ犬』と言う言葉をキーワードに犬の鳴き声しか発しなくなった彼女の長い髪を才人は優しく撫でつつ、こうなった経緯を思い出す


「っっざけるなぁぁ!」

一ヶ月前、ルイズの日頃からの理不尽さに思わず手を出してしまった才人は一瞬後自身の人生の終焉を感じた
(ヤバイ…確実に超特大の魔法で死ぬ。こうなったら…)
死を覚悟した才人に望まれざる抱かれ方をしたルイズ。その結果は二人に新たな感情を植え付けた
才人には狂うような可虐心を
ルイズにはドス黒い被虐心を

44 名前:歪んだ愛:2008/08/19(火) 21:36:47 ID:YjYR5Npn
こうして二人の間に皆の前では昔通りの振る舞いを、二人の時は主人は才人という歪んだ性癖に二人はのめり込んでいった



「ルイズだいぶ大きくなってきたな」

記憶の邂逅を終え裸になった才人は一日の身体の汚れをルイズに舐めさせながら彼女の小さな胸に輝くピアスを軽く引っ張った

「…くぅん」

小さな胸に似つかわしくない大きくて長い乳首。小さな胸を普段から嘆いているルイズのコンプレックスを更に煽ろうと乳首に拷問用の魔法のピアスを装着させていた

「良かったなルイズ。おっぱいの大きさは負けても乳首の大きさなら負けないんじゃないか?」

魔法の力で常に下に向かって伸ばされる乳首。才人に馬鹿にされる為に改造された身体。それでもルイズは
「わんっわん♪」

と嬉しそうに鳴いていた

『続く』

45 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 21:38:15 ID:YjYR5Npn
投下終わりました


46 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 21:58:35 ID:WQCX1zEi
改造だと?

すいません。大好きですw
期待しちょります。でも苦手な人はNG行きですね。

47 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/08/19(火) 22:21:37 ID:5YmzZUvo
痴女氏GJナリ。
そしてこのSSを呼んで俺もマリコルヌもの書いちゃった♪

45分でな!(ぁ

48 名前:違うよ!変態と言う名の紳士だよ! ◆mQKcT9WQPM :2008/08/19(火) 22:22:38 ID:5YmzZUvo
「ん?なんだありゃ」

ある虚無の曜日の朝。
才人は、魔法学院の男子寮の前に、黒山の人だかりが出来ているのを見つけた。
虚無の曜日には町に出かける生徒が大半なのに、その日に限っては男子寮一階の部屋の前に、多数の生徒が集まっていた。
そして良く見ると。
そこに集まっているのは全てが男子生徒。
人だかりの中心にある窓を覗こうと、全員必死になっている。

「…気になるな」

ルイズとの待ち合わせまでもうちょっとあるな、と思い、才人はその人だかりの原因を確かめに行く事にした。


人だかりの成分の大半は、虚無の曜日でもヒマと性欲をもてあます、水精霊騎士団の間抜けな面々だった。
才人は半ば呆れながら、手近な団員に話しかける。

「なあ、何やってんの?」

声を掛けられた銀髪の少年は、副隊長の姿を確認すると軽く会釈し、そして応える。

「絶世の美女が現れたんだって!そりゃもう、アンリエッタ陛下なみの!」

興奮したようにそう言う団員。
なるほど、と才人は納得する。
美女の来訪を聞きつけ、男どもが群がっている、というわけだ。
そして続ける。

「でもってその子、マリコルヌの許婚だっていうんだよ!」
「な、なんだってーーーーー!」

才人もすぐさまその人ごみに加わったのは言うまでもない。

49 名前:違うよ!変態と言う名の紳士だよ! ◆mQKcT9WQPM :2008/08/19(火) 22:23:10 ID:5YmzZUvo
部屋の外の喧騒が煩かったが、マリコルヌはあえてその喧騒を放って置いた。
目の前の人物に、さっさとお帰り願うためだ。
目の前にいるのは、件の絶世の美女。
流れる亜麻色の髪は絹糸のように柔らかく、肌は染み一つなく、彼女の纏う極上のシルクのドレスより木目細かい。
少し垂れた深い紫の目尻は優しい光を湛え、薄い唇には柔らかいピンクのルージュが控えめに引かれている。
華奢な身体は抱きしめれば折れてしまいそう、しかし身体の各所は確実に女性を主張し、張り詰めていた。
そして、その姿から予想されるとおりの、小鳥のさえずるような美しい声で、彼女はマリコルヌに囁きかける。

「あ、あの、お久しぶりですね。マリコルヌにいさま…」

照れたようにほ、と頬を染める彼女は。
マリコルヌのまたいとこにあたる、トリステイン辺境豪族の娘。
名を、エリス・イヴォンヌ・ラ・シフォンといった。
十五になった娘を、彼女の両親がグランドプレ家との繋がり欲しさに、許婚に差し出したのである。
もちろんマリコルヌの両親は快諾する。
それになによりも。
エリス自身が、それを強く望んだというのだ。
壁の方を見つめ、自分の方を振り返らないマリコルヌに、エリスは困惑したように語り掛ける。

「にいさまは、覚えてらっしゃらないかもしれませんけど…。
 『一人前のレディになったら、娶ってやる』って、ちんちくりんだった私に、言ってくださいましたわよね…」

言いながら、潤んだ瞳でマリコルヌのまぁるい背中を見つめる。
窓の外からは『おいこら代われ』『なんでマリコルヌが』なんて言葉が聞こえるが気にしないことにする。

「ああ、確かに言ったね」

マリコルヌの声は、何故か不機嫌そうだった。
彼の不機嫌を察知したエリスは、慌ててフォローする。

「あ、あの、ご迷惑でしょうけれども!
 私、なんでもしますから!にいさまにだったら、何されても平気ですから!ですから、お傍に」

おいこら代われ、世の中くるっとる、神は死んだ、とか騒音がどんどん大きくなる。
だが、マリコルヌは。

「昔の僕だったら、その申し出を悦んで受けただろう」
「で、でしたら!私をもらってくださるのね!お傍においてくださるのね!」
「だが時すでに時間切れ、だ」

言ってマリコルヌは、じっと見つめていた壁に掛けられた大きな、人間大の肖像画をびしい!と指差す。
そこには。
相手を蔑む酷薄な笑顔で、素足を振り上げて今まさに相手を踏み潰さんとする、青い長い髪の美女。
知っている人は知っている、イルククゥことシルフィードの肖像だった。

「ああっ、僕の女神ぃぃぃぃぃぃ」

言ってマリコルヌは肖像の振り上げられた脚にすりつく。
踏んでくれ、と言わんばかりに。

50 名前:違うよ!変態と言う名の紳士だよ! ◆mQKcT9WQPM :2008/08/19(火) 22:23:48 ID:5YmzZUvo
「に、にいさま!そのような得体の知れない女など、どうでもいいではないですか!」
「お前じゃダメなんだよ!」

自分に寄ってこようとする絶世の美女に、マリコルヌはびしい!と指を突きつける。

「お前、僕を尊敬しているだろう!」
「はい、にいさまは私の憧れですもの!全てですもの!」
「お前、僕になにされてもいいんだろう!」
「はい!私、にいさまにならどんな辱めを受けても…むしろ辱めて…やん…」
「お前、虐められるのが大好きだろう!この牝豚!」
「は、はいぃ!エリスは、エリスは虐められるのが大好きな、だらしない牝豚れすぅ!…あぁん…」

マリコルヌの侮蔑の言葉に、真っ赤な顔で興奮しながら、エリスはへたん、と床に座り込む。
その顔は愉悦に蕩けていた。
窓の前の観客は全員ドン引きだ。

「だからお前はダメなんだよ!僕は、僕はなあ!」

言ってマリコルヌは目の前で悶える変態に指を突きつける。

「踏んでなじって蔑んでくれる、逞しい女性にしか興味がないんだよっっ!」

凍る空気。
止まる世界。

「お前にできるか!僕を蔑んで、なじって、いたぶることが!」

エリスは目をまん丸に見開きながら、固まっていた。

「で、できません…」
「ならばお前に用はない!失せろこのマゾヒストめ!」

その言葉に、エリスの目尻に涙がたまり。
そして。

「マリコルヌにいさまの変態ーーーーっ!」

泣きながら捨て台詞を残し、マリコルヌの部屋から走り去ってしまう。
それを見送りながら、丸い背中がぷるり、と震える。

「なんだ」

ほう、と溜息をつき、脚を振り上げるシルフィードの肖像を熱い視線で見つめて。

「やればちょっとはできるじゃないか」

女神にははるか遠く及ばないが、もうちょっと上手に罵れるなら考えてやってもいいかな、などと思うマリコルヌだった。


この出来事以降、マリコルヌにもう一つの二つ名が付け加えられた。
『至高の変態紳士』と。
勿論そう呼ばれたマリコルヌは妙に嬉しそうだったが。〜fin

51 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/08/19(火) 22:24:53 ID:5YmzZUvo
しまった付け忘れた

※このマリコルヌは本編よりはるかにアレです。ヤマグチ神のマリコルヌとは別物です※

いじょ。ねゆ。ノシ

52 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 22:59:49 ID:iZByH+jw
…GJとか以前に、久々の作者さんの投下なんだから
もう少し待ったほうが。

53 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 23:06:03 ID:oQf0zKrq
>>45
新しい職人さんかな? 乙! 
>乳首に拷問用の魔法のピアスを装着させていた
鬼畜物に突っ込みを入れるのは無粋だが風呂の時どうしてんだろう?
>>51
マリコヌルいくらなんでもダメすぐるww つーかもったいねぇなあ
マリコヌルがエリスを調教すれば万事解決じゃないかい?

54 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:04:13 ID:UtTeURF/
>>52
って言っても、>>45氏の作品投下から時間は経ってるよ。
内容が万人向けじゃないからレス数が少なかっただけで。
50分も経ってるのに「もう少し待て」は厳しくない?

55 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:09:12 ID:atHOw+Ub
>それを見送りながら、丸い背中がぷるり、と震える。

ここら辺の流れワラタ。マリコヌル最高w

56 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:11:50 ID:bQcbGLei
厳しくないだろ…

57 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:12:48 ID:bQcbGLei
厳しくないだろ…
発売日や12月24日のような投稿ラッシュでもないんだから
1時間は空けようぜ…

58 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:13:52 ID:7OjbAKgf
まだ50分しかたってない、だろ。
痴女氏が久しぶりに投下ってことをさっぴいても、性急にすぎる気はする。

59 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:20:55 ID:idEq0rij
普通に安価でGJすりゃいいじゃん

いつからここは携帯厨のすくつになったのかね

>>痴女氏久々乙です
マリコの活躍に期待…したいけど素直に期待できない俺ガイル

>>45氏GJ
続き激しく期待します

60 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:28:58 ID:bQcbGLei
携帯房と呼ばれよう…
規制解除しないyournetががが

61 名前:元53:2008/08/20(水) 01:07:59 ID:zA/OC8F5
>> 52 >>57 >>58
他者の行動をえらそうに批評する前に職人様3人に対して労をねぎらえよ
全てはそれからだろが

62 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:11:34 ID:XVyNQCx0
痴女氏復活オメです。格好イイマリコヌルを期待して良いんですかね?

>45さんも今回はちょっとタイミングがアレだったけど、続きを楽しみにしてます。あなたは悪くありません




>51アンタは!登校する前に一度リロードしろと!!何回言われたら!!!wwww
ちゃんと反省しなさい

63 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 05:12:48 ID:8ScmQHsp
おマチさんがサイトの初めての相手という展開のssはないのかな?

64 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 11:18:29 ID:x5u+P++f
50分と1時間の違いが理解できません
1時間とルールを決めたいなら議論して>>1に載せればよい

65 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 11:27:35 ID:atHOw+Ub
こんなのテンプレに載せる以前のマナーの問題だけどなぁ・・・
他の作者さんが投稿したら、読者がそれに対して感想レスするスペースを暫く置いておこう
って普通思うでしょ。ルール以前に、そう思わない?そりゃ後になってでも幾らでもレス出来るよ。
でも他の作者を尊重する気持ちがあれば普通、間おくっしょ。

66 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 11:44:30 ID:l6VoxWiy
気持ちはわかるが、続きはまとめの雑談でやらね?

67 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 11:48:36 ID:x5u+P++f
いやだから21:38〜22:21まで時間空いてる
これを適切な時間ととらえるかどうかなんて個人の感覚でしかない
5分10分なら俺も同じ事思ったかもしれないけどな
それをもっと時間を空けろと言うのなら適切な時間を議論して決めればと
マナーとか言ってる奴は何レス何時間空ければ適切なのか根拠を示してくれ
お前らの主張はただの押し付けです

68 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 11:50:40 ID:l6VoxWiy
誘導

保管庫雑談掲示板
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7927/1162204142/l50

69 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 17:55:49 ID:ijkf7CqZ
スレ移行したのでボルボ大兄を待ちあての無い全裸待機中

70 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 19:00:31 ID:6s//NPHP
>>63

質問すまん
おマチさんって誰だっけ?^^;

71 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 19:01:26 ID:eXbK5tVd
マチルダつまりフーケのこと

72 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 19:02:54 ID:6s//NPHP
なんるほど

ちょいと挑戦してみるかな


73 名前:ツンデレ王子:2008/08/21(木) 00:17:56 ID:p7zkwh2y
お久しぶりです
>>63のリクエストに答え、私なりのを書いてみました
総レス数 約9(多少の誤差有り)

フーケxサイト
設定は1巻のあの場面です

では次レスより参ります

ちなみに>>72は私です^^

74 名前:純情乙女(?)フーケ_1:2008/08/21(木) 00:18:50 ID:p7zkwh2y
――ヴェストリの広場にて、サイトがギーシュのワルキューレを打ち負かした

 その噂は貴族・平民を問わず学院内に瞬く間に広まった。
 もちろん教師陣にもである。

「あの子、サイトとか言ったかしら。平民なのにメイジに勝つだなんて…」

 トリステイン魔法学院長オールド・オスマンの秘書ミス・ロングビルも例外
では無かった。というよりも、彼女は彼等の決闘をオールド・オスマンに報告
した後、放っておけと言われたにも関わらずその全貌を見届けようと広場ま
で来ていたのだ。

「サイト!」

 彼を呼び出したルイズが駆け寄る。

「お待ちなさい」

 ミス・ロングビルの通る声に、その場に居合わせた皆が静まり返った。

「彼の怪我はわたくしが診ます。あなた方は今すぐ教室に戻りなさい」

――貴族同士の決闘はご法度となっているが、相手が平民であれば構わな
いのではないか。

 野次馬の中からそんな声が聞こえたが、それに構う事なくサイトを担ぎ上
げる。

「教室に戻りなさい!」

 再度声を高らかに言い観衆を追いやると、ミス・ロングビルは医務室へと向
かっていった。



「ふぁあ〜…あれ、ここは…?」

 俺が目覚めたのは、ベッドの上だった。


75 名前:純情乙女(?)フーケ_2:2008/08/21(木) 00:19:29 ID:p7zkwh2y
――夢だったのか

 そう思った時だった。扉が開き、見たことの無い女性が現れた。いや、1度
か2度見たことがあるかもしれない。

「気が付きました?調子はいかがかしら?」
「あの、えっと…」
「当学院長秘書のロングビルですわ」

 ロングビル?外国人か?
 そういえば見覚えの無い物ばかりが並んでるよな、この部屋…

「俺は何でここに…」
「あら、覚えていらっしゃらないの?
 ミスタ・グラモンとの決闘で受けた傷が原因で、3日間眠っていたのですわ」

 げ、3日も寝てたのかよ。

「でも貴方、強いんですね」
「いや、それほどでも…」
「ねぇ、どこで剣を習ったのか教えて頂けませんこと?」

 彼女はしなを作ってウィンクすると、そう聞いてきた。

(そうは言ってもな、勝手に身体が動いただけだし)

 しかし俺は、何となくその事は未だ言わない方が良い様な気がしたのだ。
 考え込んでいると彼女はベッドに腰掛け、俺に寄りかかってきた。

「教えて頂けるなら、お礼はしますわ」
「そう言われましても…」


 サイトが言葉を濁したのを、焦らしているとでも解釈したのだろうか。
 彼に掛かっていた布団を捲ると、彼女はサイトのズボンの上から彼の股間を
弄り始めた。



76 名前:純情乙女(?)フーケ_3:2008/08/21(木) 00:20:10 ID:p7zkwh2y
「わたくし、強い殿方に弱いんですの。
 貴方が望むならこの身体を捧げても構いませんわ」

 その時、サイトの思考は思いもよらない方向へと独走し始めた。
 もはや彼自身にも止める事は不可能だった。

「じゃあロングビルさん、コイツを鎮めてもらえますか?」

 そう言って自らズボンを下ろすと、そこには3日も気を失っていた所為なのか
はたまたギーシュとの立会いで身の危険を感じた為なのか、いつもより遥かに
膨張した逸物が顔を覗かせたではないか。
 わずかに逡巡するも、顔には打って変わって淫らな笑みを浮かべるミス・ロ
ングビル。サイトのそれに手を沿わすと、ゆっくりと上下に動かし始めた。

「やっぱ自分でするより気持ち言いや」

 それに微笑んで答えると、彼女は更なる刺激を与えようと脈打つ肉杭に顔を
近づける。サイトもそれを見て彼女が何をしようとしているのか理解したのだ
ろう。
 彼女が舌を出して先端から溢れ出る透明な液を舐め取ろうとしたのだが、
サイトはそれに待ったを掛けた。

「待って下さい」
「……?」
「折角だから、貴女も脱いでくれませんか?」

 さすがにこれにはミス・ロングビルも躊躇を示した。
 今は昼間で、生徒達は授業中なのだ。
 だが、にやにやと自分を見詰めるサイトを見て、彼女は決心を固めたらしい。
杖を取りサイレントとロックの呪文を唱えると、身に着けている衣類を床に落
とし始めた。
 パンツに指を掛けたところでサイトに止められた。

「それは履いたままでいいですよ」

 さすがに恥ずかしいのか頬をほんのりと桜色に染め、彼女は行為の続きへ
と戻っていく。



77 名前:純情乙女(?)フーケ_4:2008/08/21(木) 00:20:51 ID:p7zkwh2y
「そのまま俺の顔を跨いでください」

 ちらりと視線をやると、サイトは今だニヤニヤといやらしい笑みを張り付か
せたまま当たり前の様に淡々と言っているではないか。

(我慢よ我慢、何としてもコイツの強さの秘密を聞き出すのよ)

 媚びる様な表情を作り、ミス・ロングビルはサイトの言う通りの格好になる。
所謂69の格好である。

「こ、これでいひゃん」

 上半身を起こし彼へと顔を向けて尋ねようとするが、最後まで言う事は出来
なかった。サイトが彼女の下着越しにクレヴァスへ口を付けたのだ。

「ロングビルさんって結構エッチなんだね。こんなにして」
「んんー」
「それに、おしっこの味もするよ」
「い、言わないで…」

 さすがに耐え切れなかったのか、顔を上げ更に頬を上気させるとモジモジと
身を捩る。しかしその反応はサイトの牡を更に悦ばせる結果しか生まなかった。

「ほら、口が休んでますよ」
「ん…ぁあむ…」

 ミス・ロングビルは腰を僅かに振りながらも、口を大きく開けて目前の餌を
咥え込む。口腔内で舌を使い鈴口を刺激したり唇を窄めて竿へと刺激を送っ
たりと、彼女は考え付く限りの奉仕を続けていた。
 サイトは負けてはいられないと彼女のパンツをずらすと、濡れて光沢を持つ
陰毛を舌で掻き分けスリットを露わにする。空いた手で彼女の臀部を揉みし
だき、徐々にその奥に息づく窄まりへと侵略を進めていった。

「んふー、だめ、そこは…」

 しかし、サイトは聞こえていないのか、はたまた聞こえていて敢えて聞こえ
ないふりをしているのか、それを止めようとはしない。



78 名前:純情乙女(?)フーケ_5:2008/08/21(木) 00:21:27 ID:p7zkwh2y
「お願い、そこは止して」

 サイトの肉棒をギュッと握り締め懇願する。
 彼女の声色があまりにも悲痛であった為、サイトはアヌスへの攻撃を中断
する。蜜を溢れさす魅惑のクレヴァスへと集中する事にした様だ。

「…ぁああ…だめ、そんなにされたら…ぁあああああ」

 ミス・ロングビルは一際大きく嬌声を上げたかと思うと、自ら陰部をサイトの
顔へと押し付けながらビクッと身を震わせた。

「はぁ…はぁ…」
「……」
「先にイかされちゃうなんて…もぅ、いけない人」

 やわやわと手を動かして刺激を与えながら、彼女はうっとりとした目でサイト
に視線を送る。そして体制を入れ替えると、今度は彼の足を跨ぐように立ち
上がった。

「今度は…」

 言いかけながら彼女はサイトの腰の辺りまで歩を進めると、膝を付き片手を
サイトのものへと添える。自身と彼をすり合わせて狙いを定めると、彼に見
せ付けるかのようにゆっくりと腰を落とし始めた。

「んっ…ぁ…」

 ミス・ロングビルはサイトを根元まで咥え込むと、彼の服をたくし上げてその
胸板を露わにした。

「ロングビルさん…」

 一番敏感な部分を温かく包み込まれたサイトは、初めての感覚に少女の
様に喘ぎを漏らしながら相手の名を口にした。

「ふふ、もしかして…初めて?」



79 名前:純情乙女(?)フーケ_6:2008/08/21(木) 00:22:05 ID:p7zkwh2y
 サイトの胸板にしなだれかかり、片方の乳頭を口で、もう片方を親指と人差
し指で刺激しながら、器用に腰を動かしている。

「実は…そうなんだ」
「じゃ、いっぱい感じて…ね♪」

 優しく囁くと、彼女はそっとサイトへと口付ける。
 軽く唇を合わせるだけに留めると、彼女は身を起こして更に動きに激しさを
加えだした。

「…あっ…ああっ…イきそう…あぁ…なのね」

 徐々に表情から余裕が消えうせるサイトに、ミス・ロングビルは喘ぎながらも
切れ切れに尋ねる。
 サイトといえば、言葉を発したと同時に果ててしまいそうなのか、ただ小刻
みに首を動かして頷くのみであった。

「…い…いいわ…そのまま…出させてあげる」

 ミス・ロングビルはそれまでの上下運動に加えて更に腰をグラインドさせると
彼の射精を促していく。

「…で、出る!!」

 ガクンガクンと身を振るわせてミス・ロングビルの膣内へ数億という子種を
吐き出すサイト。

(ふふ、良く見たらこの子、結構可愛いじゃない)

 荒い息を吐きながらも満足そうなサイトの表情に、そんな想いが湧き上がっ
てくる。既にそんな感情は捨て去ったつもりで居た彼女は、戸惑いを隠せない
ままにサイトに口付ける。お互いに息が荒くなっている為に口はぴったりと閉
ざされておらず、ミス・ロングビルの舌はサイトの口腔内へと容易く進入して
行った。

「…ん…ぁむ…んむ…」



80 名前:純情乙女(?)フーケ_7:2008/08/21(木) 00:22:44 ID:p7zkwh2y
 ややしてから唇を外した2人の間には、窓から入ってくる日差しに照らされて
銀色に光る橋が架かっていた。



 未だ一部は繋がったままの状態で、2人はベッドの上で抱き合ったままだ。

「そろそろ、教えてくれる?」

 密事を過ごした事により、彼女の喋り方はそれまでとは考えられない程に
砕けたものとなっていた。

「教えるって言っても…」

 サイトは決心を固めると、真実を話し始めたのだった。




 それから暫くしたある日の事。
 土くれの二つ名を持つフーケは、中庭の茂みに身を潜めて一部始終を見
守っていた。ルイズの魔法で、宝物庫の辺りの壁にヒビが入ったのだ。しか
も、その隣に彼が吊るされているではないか。

「待ってて、今助けるから」

 ゴーレムを出現させ、ルイズとキュルケの後ろから姿を出させる。だが、予想
に反して逃げ出したのは1人だけ。

「逃げろ、ルイズ!」
「使い魔を見捨てて逃げるようなメイジはメイジじゃないわ!」

 その言葉がフーケの耳にも聞こえてきた。

――ズキン
(――っ)

 一瞬フーケと、ゴーレムの動きが止まる。


81 名前:純情乙女(?)フーケ_8:2008/08/21(木) 00:23:30 ID:p7zkwh2y
 その隙を付いてシルフィードがサイトとルイズを咥えると、上空へと身を翻
した。
 ゴーレムは我を取り戻すと宝物庫の壁を崩し、そこからフードを目深に被った
フーケが入り込む。時をおかずに出てきたフーケは、腕に何やら大きな箱を
抱えていた。




(やっぱり貴方と闘わなくちゃいけないのね)

 それまで様子を伺っていたミス・ロングビルは、サイトが『破壊の杖』を使っ
てゴーレムを打ち砕いたのを見て取ると、悲しそうに溜息を吐き姿を表した。
 そして当初の目的通り、サイトの手から破壊の杖を取り上げたのだ。

「ご苦労さま」

 彼女は心に強い痛みを感じながら、彼らに正体を暴露し始める。

「貴方とは…闘いたくなかったわ」

 しかし、『破壊の杖』の本来の使用方法を知っているサイトに叶うはずも無く、
土くれのフーケは捕まってしまう。

(貴方になら…貴方に捕まるなら私…)





 こうして、『破壊の杖』事件は終焉を迎えたのだった。







END


82 名前:ツンデレ王子:2008/08/21(木) 00:26:11 ID:p7zkwh2y
以上です

いやー久々に書いたから、キャラの話し方とか上手くいかなかった^^;

只今、我が家のPC、モニターが逝かれており半分見えない状態なんです
改行とか一行の長さとか、おかしな部分多々有るとは思いますが
ご容赦下さい


ではでは、風呂入ってきます^^ノ

83 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 01:05:42 ID:O6tOcoHG
乙です。
原作初期の話ってのも懐かしくていいね。久々に読み返そうかな、と思ったが今のルイズのデレっぷりを思うと読む気が失せてしまうorz

84 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 01:27:06 ID:qN6x7Pb2
お久しぶりですツンデレさん。GJ。
個人的にはあなたのアン様ものがまた読みたいのだが。続きものでもそうでなくても。

85 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 03:07:10 ID:MChVY1Su
>>82
おお、懐かしい方がww 職人さんが帰ってくるのは良いことだ 乙です!

86 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/08/21(木) 20:09:31 ID:8t7DF8fe
すんません、自分の投下のせいで少々荒れたようで。
30分以上経過してるしいっかなー、とは思ったのですが。
今度から一時間以上開けるようにしますわ。

>>82
王子、久しぶりにございます。GJなのですが一言だけ。
ワルフケはジャスティス。以上(何
いやむしろ、ここから傷心のフーケがワルドとお互いに負け犬かぽーと化していくSSを書いてくれると!
そうするとルイズサイトとスワッピングとかいう妄想が(ry
アトハマカセタっ!(何


まあそれはともかく。
なんだか妙な電波が降りてきたので投下いきます。

87 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/21(木) 20:10:16 ID:8t7DF8fe
項王の軍垓下に壁す。兵少なく食尽く。漢軍及び諸侯の兵、之を囲むこと数重なり。
『四面楚歌』の原典の一文である。
まさに、才人の今日がそれにあたる。
しかし、彼はその状況でもなお、希望を捨てていなかった。
楚軍と違い、あらかじめの蓄えもある。
並み居る困難を、打ち払うための計略も立てた。
あとは、そう、あとは自分が上手くやるだけ。
十分な蓄えがあり、困難があらかじめ予想されていれば、乗り切れる──────。


ある虚無の曜日。
目を醒ますと。
というよりも、目が醒めると。
寝る前に掛けられていたシーツははだけられ、ズボンは綺麗に下げられ。
朝立ち真っ最中の才人のナニは。
黒髪のメイドによって、全力で咥えられていた。
じゅぽじゅぽと頬をすぼめて音を立てて吸い上げ、舌を絡めて陰茎全体を刺激してくる。

…シエスタ、上手くなったよなあ…。
じゃなくて!

「ちょ、ナニやってんだよシエスタっ!」

才人が慌てたように叫ぶと、シエスタはちゅるぽんっ、とわざと唾液の音をたてて朝立ち真っ最中の才人の息子を口淫から開放する。
そして、あらかじめはだけておいた胸の谷間で、切なそうに震える才人の肉棒をぎゅむっ、と挟み込む。

「ナニって、朝のご奉仕です、ご主人様♪」

言って今度はその豊満な胸を両手で挟み込み、ぐにぐにと才人の肉棒を押しつぶす。

「ちょ、待てってば!」
「うふ。キモチイイですか?」

股間から喘ぐ才人を見上げ、嗜虐的な笑みで才人を責める。
火照った頬で見つめられ、柔肉で容赦なく責め立てられ、才人に限界が来る。

「いや、ちょ、マジ出るっ…!」
「かしこまりました、ご主人様♪」

限界を告げる才人の声に、シエスタはくぱぁ、と唾液の糸を引く口を大きく開け。
もぐ、と喉の奥まで才人を飲み込む。

「で、出るっ!」

才人の肉棒がどくりと脈打ち、シエスタの喉の奥にびゅるりびゅるりと白濁を吹きかける。
その勢いに、一瞬咽そうになって涙ぐんだシエスタだったが、何とか堪えると、目尻に涙を湛えたまま、白い喉を蠕動させて白濁を飲み込んでいく。
んく、んくとシエスタの唇から喉が鳴る音がする。
それと同時に、ちゅうちゅうと才人の肉穴から残り汁を吸いだしていく。
口の中の才人を全て呑み干すと、シエスタはようやく主人を解放した。
ちゅるん、と唾液の糸を引き、ぐったりとした才人を吐き出すシエスタ。
はぁはぁと荒い息をつく才人の横でうふ、と軽く微笑んで、乱れたメイド服を直す。

「お疲れ様でした、サイトさん♪」

いつものメイドの格好で、ベッドの脇に立ち、シエスタは才人の労をねぎらった。

88 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/21(木) 20:11:00 ID:8t7DF8fe
才人はいきなり襲いかかってきた不埒なメイドに尋ねる。

「…いきなりなんなんだよ…」
「シーツ剥いでも起きないんですもん、サイトさん。今日は用事があるからこの時間に起こして、って言ってたのに。
 それに、サイトさんのおちんちんがいつもの朝より、ずぅっと切なそうだったので♪」

それはそうだ。
今日の一日に備え、昨日のうちに、卵を約1ダース、鳥のささみを二匹分、緑黄色野菜の濃縮ジュースをワインボトル一本分、とどめにサラマンダーの睾丸を飲んだのだ。
抜いたばかりだというのに、今も徐々に才人は復活し始めている。

「あ、ほらだんだん元気になってきましたし」

嬉しそうな顔で、元に戻り始めた才人を潤んだ瞳で見つめるシエスタ。今にもメイド服をはだけて襲い掛かってきそうだ。
いやまあ確かにまだまだいけそうではあるが。
才人は鋼の意思をもって応えた。

「だめ、シエスタ。今日は『シエスタの日』じゃないだろ?」

そう、今日は正式には『ルイズの日』である。
二人の取り決めで、ルイズとシエスタは月に数回、才人と『シテいい日』を決めている。
それはもちろん危険日には被らない日で、もちろん才人が疲れているときは自重する、と二人で決めていた。
当然、互いの『シテいい日』は不可侵で、相手の『シテいい日』にシた場合、その月の『シテいい日』は全部相手のものになる。

「ルイズにチクるぞ」

そうすると、当然才人もきっついお仕置きを受けるのだが。
最近ルイズと仲の良いシエスタは、その言葉を聞いて。

「それは困りますねえ…。ナイショにしておいてくださいます?」

にっこり笑ってそう主人にお願いした。

「いいけど、『じゃあその代わりに』もナシだかんな」
「…サイトさんのいけず」

先手を打たれ、シエスタは口を尖らせて仕事に戻る。

「じゃあ、早く準備なさってください。昼から王都へいくんでしょ?」
「ああ、そうだった。悪いなシエスタ、マントとってきて」

言って才人は、器用に脱がされたズボンを履きなおし、ベッドから降りた。
シエスタがクローゼットへシュヴァリエのマントを取りに言っている隙に、壁に立てかけられたデルフリンガーに寄って行く。
昨日、紙に書いてデルフリンガーの鞘に巻き付けておいた予定表を確認する。

朝食後、シャルロットの部屋へ。いらなくなった本を一緒に図書館に寄贈しに行く。
(攻略:できるだけ図書館内部で襲うべし。羞恥プレイでさっさと終わらせる)
テファと一緒に昼食。その後、王都へ。
(攻略:弱点の耳を重点的に。胸は使わせたら負け、相手の自由を完全に奪え)
王都で姫さまと合流、流行だというケーキを食べに行く。
(攻略:おそらく『私もたべて』で来ると思われるので、この間買ったアレで徹底的に虐める)
学院に帰還後、部屋でルイズとディナー。本番。
(攻略:ここまで来れたら後は大丈夫。正攻法で攻めればよい)

何故このような無茶な予定がたったのかというと。
才人が、軽い口約束を連発したせいである。

89 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/21(木) 20:11:56 ID:8t7DF8fe
発端は、一週間前の、アンリエッタ女王からのベルネエール褒章授与式の後からはじまる。
街道沿いに居座っていた盗賊団を拿捕し、女王からの褒章を受け取った才人は、例によって女王に個人的な呼び出しを受ける。
その後、アンリエッタ女王は情熱的な一発をなさったあと、愛する人にデートのお誘いをかける。

『最近、王都で評判のケーキ屋さんがあるんです。来週丁度暇ができますので、変装して一緒にいきません?』

女王の癖になに考えてんだ、それに来週必ずヒマってわけじゃないだろ、と全裸で才人は女王を叱ったのであるが。

『そうですか。サイトさんは私とデートなんて嫌なのね。心までは愛してくれないのね!
 私の肉体だけが目的だったのねぇ!よよよよよ…』

あからさまな嘘泣きだったが、そこまで言われては、才人も引き下がるしかない。
わかりました、でもケーキ食べに行くだけですからね、と守れそうもない約束をしてしまう。

その次の日、ももりんごのピンポイント爆撃を喰らった後。
女子寮前でティファニアに発見され、首筋に抱きつかれて全力でその巨大な胸を押し当てられながら、才人はペットにおねだりされる。

『ね、ね、サイト!来週、ヒマだったら一緒にお昼食べない?』

なんで来週?と才人が尋ねると。

『うんとね、注文しておいたももりんごの蜂蜜漬けが、来週届くの!
 でも、そんなに多くないから、お昼も一緒に、って。ダメ?』

へえおいしそうじゃん、と返す才人。
ももりんごの蜂蜜漬けにも興味があったし、ティファニアがお弁当を作ってくれるというので、才人は快諾してしまう。

そしてその次の日。
うかつに二人きりの時に『タバサ』と呼んでしまい、恒例のおしおきに才人が付き合わされている時。
つい、才人はタバサの部屋の片隅に山積みになった本に目をやってしまう。
あの本どうすんの、とだっこの真っ最中でへにゃへにゃのだらしない笑顔になっているタバサに尋ねる。

『…いらない本。来週、図書館に寄贈する』

その本は魔法の専門書で、非常に難解な内容だが、とてもためになる。
しかし、最近増えた新しい蔵書のせいで、タバサの部屋にはその本たちは置いておけなくなった。
部屋の一角を占める、外からは蔵書のタイトルが見えないよう薄いヴェールの掛けられた本棚に、それらは納められている。
最近タバサのお気に入りの、『素直になれない女主人』シリーズと、『イーヴァルディの花嫁』シリーズ、そして、『始祖のみぞ知る世界』シリーズである。
最近刊行の始まった、『始祖のみぞ知る世界』はまだいいのだが。
過去にたくさんの作者によって派生の書かれた『イーヴァルディの花嫁』シリーズと、既刊の多い『素直になれない女主人』シリーズは、他の蔵書を圧迫するほどの冊数になっていた。
そして、ふとタバサは思いつく。

『…手伝って』

確かにこの量の本を図書館まで運ぶのは骨が折れる。
しょうがねえなあ、と才人はタバサを抱きなおしながら快諾してしまうのである。

90 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/21(木) 20:13:04 ID:8t7DF8fe
『…来週、朝から夕方まで帰って来れないから』

ぶすっとした顔で三日目の夜、ベッドの上でルイズは言った。
ルイズの話によると、カトレアとエレオノールが学院に来るというので、一日ルイズが学院を案内をするそうだ。
というよりも、ルイズの学院での生活を査察するのが目的なのは目に見えていた。

『来週はせっかくの『シていい日』なのにぃ…』

不機嫌にそう呟くルイズ。
そんなルイズの髪に優しく口付けしながら、才人は、じゃあ夕方からいっぱい可愛がってやるよ、と言った。

『ばばばばばばばか、なにいってんのよばか、もう、ばか』

真っ赤になりながらも物凄く嬉しそうな怒り顔というルイズくらいにしかできなさそうな表情で、ルイズは才人に抱きついた。

以上が事の顛末。
気付いてみれば見事に同じ日に予定がブッキングしていた。
なんという死亡フラグ。
しかし才人は負けない。負けるわけには行かない。

「俺は伝説の『ガンダールヴ』なんだぜっ…!」

朝食のパンを握り締めながら、才人は今日の勝利を太陽に誓った。

91 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/21(木) 20:14:11 ID:8t7DF8fe
トリステイン魔法学院の図書館はべらぼうに広い。
地下へ地下へと増築をしているせいで、地上に顔を覗かせている部分からは想像もできないほどだ。
だから、その構造は迷宮に例えられる。知らない者が入り込めばたちまち迷う事だろう。
だがそれは地下構造に限っての話。
地上部分は普通の図書館で、整然と並べられた一般的な民家の高さくらいある書棚はせいぜい五十といったところ。
大きく開けられた窓から差し込む光で、その書棚は茶褐色に光っていた。
その書棚の林の奥。
一番人の入る事のないと言われる、『図書目録』の収められた場所には、『サイレンス』の魔法がかけられ、音を打ち消していた。

「──────!────、─────!」

声にならない声をあげ、書棚に手を掛けさせられ、お尻を突き出すような格好で。
『サイレンス』を周囲にかけた青い髪の少女は、背後から愛しい騎士に犯されていた。
それも、普通の場所ではない。
肛門を、ゆっくりと優しく、丁寧に丹念に犯されていた。
少しでも集中を解くと、『サイレンス』の効果が解けてしまうため、才人は細心の注意をもってタバサを犯していた。
きゅうきゅうと己を締め上げる少女の直腸は、つるつるとしていて心地よい。
しかし、少女はゆっくりと犯されるたび、イヤイヤと首を振る。
彼女の中で、とんでもないものがせめぎあっていた。
こんな所でこんな場所を使ってこんな事をして居る所を、誰かに見られるわけには行かない。
だから、魔法に集中しないと。
それとは相反する、もっと激しく犯して欲しい、もっと刺激が欲しい、という開発されたタバサの欲求が、腰をくねらせ、肉棒に肛肉をまとわりつかせる。

「───────!──────っ!」

タバサの淫らな声は、だらしないほど開かれた涎の零れる唇から、容赦なく漏れている。
『サイレンス』がなければ、その甘い甘い声は、静寂を満たした図書館に響き渡るだろう。
だから、魔法を解くわけには行かない。
でも、もっと激しく犯して欲しい。
そんな二律背反が、少女の性感を高めて行く。
そして。
才人はタバサの小さな身体を抱き上げると。
自分達がこの谷間に侵入した方向、書棚と書棚の間の通路めがけ。
タバサの脚を容赦なくM字に開かせ、ゆっくりとした腰の動きを早めていく。

「────────────!!─────────────ひ!」

声が、漏れた。
タバサの集中が切れ、『サイレンス』の魔法が解けたのである。
それと同時に、ぴしゅっ、とむき出しの真っ赤なタバサの割れ目から潮が吹き出る。
びくんびくん、とタバサの体が震え、肛門がきゅうきゅうと切なく才人を絞る。
そしてタバサの淫声が、飛び散ろうとした瞬間。
もぎゅ、とタバサの口の中に押し込まれる布の塊。
それは、先刻まで自分がはいていた、薄い水色のショーツ。
愛液のたっぷり染み込んだそのショーツは、口の上に被された才人の手と相まって、素晴らしい防音効果を発揮した。

「っあ、んぐ────────!ふぐ────────────!」

口に自分の下着を押し込まれる恥辱と、誰かに見られるかも、という恐怖に、タバサはいよいよ激しく痙攣する。
そのタバサの肛門の中に、才人は一滴残らず己が欲望を吐き出した。

92 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/21(木) 20:14:59 ID:8t7DF8fe
「…サイトのえっち」

完全に腰が抜けたタバサは、ベッドの上で口までシーツに埋まって、ここまで運んでくれた才人に文句を言った。
肛虐で気絶したタバサを、才人は虫に驚いて気絶した、と司書に言ってかついできたのである。
ベッドの中のタバサに、才人は意地悪な笑顔を向ける。

「そんなこと言って。シャルロットももんのすごい感じてたじゃん?」
「──────!ば、ばかぁ…」

図星を突かれ、真っ赤になってシーツに包まるタバサ。
そんなタバサを見ながら、才人はさりげなく外を確認する。
日はまだ中天に達していない。いける!
才人はタバサを気遣うふりをして、優しくタバサの青い髪を撫ぜた。

「ま、今日は俺も悪かったし。ゆっくり休め。な?」
「う、うん」

真っ赤な顔を目だけ出して、タバサは部屋から去っていく才人を見つめ、思った。

…なんだか今日のサイト、無理してるみたい…?

でもまあ気持ちよかったしその事は明日にでも聞こう、と思い、とりあえずその場は眠る事にしたタバサだった。

93 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/08/21(木) 20:16:59 ID:8t7DF8fe
今日は以上。続きは明日以降。
ぎゃるげにありがち?な『フラグのブッキング』をテーマに書いております(何
まあ普通に考えればゲームオーバーなんですがw
我らが『トリステ淫の盾』はいかようにしてこの危機を乗り越えるのか!べんべん!

まあ次もがんばりましゅ。ではではノシ

94 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 21:18:29 ID:XagmQxmA
クワドラプル ブッキング乙w

95 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 21:27:26 ID:tF+M2QX4
>>93
GJ&乙
相変わらずせんたいさんの書くサイトは波乱万丈ですなぁ
羨ましい限りですわい


96 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 23:43:09 ID:dPO30Wnm
>>93
これでもまだ精々食前酒とサラダくらいなんだよなぁ
ここからスープ、メインディッシュ、デザートと続くわけで
サイトの腹(この場合は性欲)は持つのだろうか? GJです

97 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 00:01:55 ID:IRLoeXpF
賢いなぁタバサ・・・


98 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 04:27:12 ID:5pTUya6U
せんたいさんGJ
それにしてもこのサイト、死亡フラグ立てまくりであるwww


99 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 20:14:02 ID:ULJdMdiY
投下します
才人凌辱物です
カッコイイ才人が好きな方はタイトル『ゼロの家畜』でNGして下さい


100 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 20:14:57 ID:ULJdMdiY
天才美少年剣士、平賀才人のは彼を取り囲む美少女達によって安息とはかけ離れた日々を過ごしていた

―朝、彼の目覚めは桃色の美しい髪を長く伸ばした少女によってもたらされる

「起きなさいバカ犬。さっさと起きないとこのまま握り潰すわよ」

見た目とは裏腹に苛烈な性格の少女は自身が呼び出した使い魔たる少年の朝特有と言える生理現象
『朝起ち』した男根を少女の小さな手で握り激しく上下に扱いていた

「ル、ルイズ…止めろよ。ヤバい……出る…」

「あんたはこうして扱いてあげないと毎日あっちにフラフラこっちにフラフラって私以外の女の子にデレデレするでしょ!」

そう言いながら才人にルイズと呼ばれた少女は熱っぽく顔を上気させてより一層激しく男根を扱きあげる
才人が眠りから醒める前から刺激を受けていた男根は赤黒く隆起し、今にも射精しそうな勢いだ
才人の腰がビクッと動き、腰だけブリッチするように浮かびあがる

「ああぁ…ルイズ……イクッ」

才人が言うよりも早くルイズはその小さな唇で限界まではりつめた亀頭を覆い、卑猥な音が部屋に響き渡るくらいの吸引を始めた

101 名前:ゼロの家畜・午前:2008/08/22(金) 20:17:04 ID:ULJdMdiY
ルイズはふぅ、と息を吐き出しまだ腰を痙攣させている才人を後目にたった今射精された精液を手の平に吐き出し、まるで宝物を眺める様に微笑み、白くねっとりとしたそれを飲み干していった


そんなやり取りの後、ルイズがすがすがしい気分で朝食に出掛けた
一方

「才人さ〜ん。お早うございま〜す」

ルイズの部屋に入るなり才人の手を捕まえて歩き出すメイドの少女

「…シエスタ」

シエスタは朝から淫らな行為を一方的にされて放心状態の才人を屋外の洗濯場まで連れてくるなり

「才人さ〜ん。洗濯するんでちゃっちゃと服を脱いで下さいね」
と言うと一瞬で彼を全裸にする
人権の無い使い魔の才人はモジモジと股間を手で隠しながらシエスタが洗濯し終わるまで待つしかなかった。
着る服は彼女が洗っているパーカーにズボン、下着の替えすら持っていない
時折通る人間に失笑を浴び、顔を真っ赤にして伏せるしかない才人

「さ〜てっ、洗濯も一段落ついたんでミス・ヴァリエールの使い魔兼大好きな才人さんを洗っちゃいますか」

まるで主人の犬を洗う様なのりで才人に四つんばいになるよう促し、背後に廻るシエスタ

102 名前:ゼロの家畜・午前:2008/08/22(金) 20:21:57 ID:ULJdMdiY
「はぁ〜い。才人さんオチンチン綺麗にしましょうねぇ」

両手に石鹸を泡立て、優しく後ろから股間を洗われる才人。シエスタは完全に勃起した男根を扱きながら

「才人さん、相変わらずド変態ですね。ここ外なんですよ?なんでチンチンオッキくしてるんですかぁ?洗ってるだけですよぉ?」

意地悪な笑みを湛え、激しく勃起した男根を扱きあげるシエスタ
明らかに才人に聴こえる口調で
「やだぁ。今日もイクのかしら?こんな恥ずかしい事して射精したら人間じゃないわね」

悔しさで瞳に涙を滲ませながら唇を噛み締め射精感に耐える才人だが…

「……イクッ…ハァハァ…駄…目……だ…イクぅ」

石鹸のヌルつき、シエスタの巧みな手コキ、終わる事の無い刺激を受け
結果、才人は洗濯場のタイルに盛大に精液を吐き出してしまう。

「ハイ!おしまいですよ。才人さん」

にこやかに笑って才人の尻を軽く叩くシエスタ。洗い終わった洗濯物を抱えてシエスタが立ち去った後も、暫くその場で才人は泣き崩れていた

【終了】

103 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 20:23:55 ID:ULJdMdiY
投下終わります
最初タイトル入れ忘れました
不手際申し訳ありません

それに趣味丸出しのニッチな駄文失礼しました

104 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 22:12:49 ID:+UQndPwv
GJ! なにが陵辱か、Mにはたまらない逸品じゃないですかw
Sの俺でもついそそられました。
まあ一行目の天才美少年剣士ってのは吹いたがw

105 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 23:27:34 ID:Rlks5OsU
モグラサイト乙

106 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 10:31:02 ID:c9LDPLja
GJ!どMのおれにはたまらん

107 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 14:45:04 ID:UKd1N30h
こういうのわりと好きだ。
男のMとSって、比率的にはどっちが多いのかな。
このスレの読者的な意味で。

108 名前:ぎふと ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/23(土) 15:04:46 ID:gRl2z+vM
どうやら接続規制が激しいようで…、本気で焦りました。
さて懲りずにサイトルイズ。今回はちゃんとエロのつもりです
(注:シエスタ好きの同士には申し訳ない展開かも)

109 名前:Midnight Lovers ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/23(土) 15:06:21 ID:gRl2z+vM

 ――どういうわけか、その夜に限って目が覚めてしまった。

 窓に目を向けたが、外は暗く月の明かりさえない。漆黒にも近い色だ。
 まだ深夜から少し回ったぐらいだろうか。
 すっかりと意識が冴えてしまった。
 困ったなあ、と思った。
 明日もいつものように、朝早くから水精霊騎士隊の訓練がある。
 副隊長であるからには、皆にだらしない姿は見せられない。なにより自分はガンダールヴ、数々の手柄を立てた英雄。表にこそ出さないが、自負やプライドだって多少はある。
 できることなら無様な真似は避けたい。たっぷりと体を休ませておきたかった。

 目を閉じてなんとか睡魔を捉まえようと苦しんでいると、左右からそれぞれ別の寝息が聞こえてきた。ルイズとシエスタだ。
 あまりにも気持ち良さそうに寝ているので、無性に羨ましくなった。
 そんな自分だって日頃は相当に眠りが深いというのに現金なものだ。

 それにしても、と改めて考える。
 こんなふうに女の子二人に挟まれるようにして寝ている自分は相当な果報者じゃないだろうか。
 加えて両者ともに可愛くて、しかも自分を好いてるとなれば。この現状を天国と言わずしてなんと言おう。どうだうらやましいか!

(……なわけないだろっ!)

 誰を相手にでもなく言って、すかさず自分でつっこんだ。
 まったく。フタを開ければ針のむしろでしかない。神経をすり減らす毎日だっつの。
 もし誰かが代わってくれるというんなら、喜んで代わってやりたいぐらいだ。

 まあしかし。

(実際代われって言われたら、それも困るんだけどな……)

 ひとりごちながら、顔を左に傾けた。
 そちら側で眠っている姿を、目を凝らして見つめる。
 暗いのでほとんどシルエットでしかない。けれど、なんなく細かな所まで思い浮かべることができた。
 それぐらいに見慣れている、今ではもう家族以上に近いぐらいの存在だ。

 そっと手を伸ばして……、柔らかなほっぺたに触れた。
 やっぱり、と顔が緩む。
 口元によだれが垂れて、髪の毛が一すじ張りついている。ほんと子供みたいだ。
 手で綺麗にぬぐってやるついでに、軽く頬を撫でる。つくづく眠っているところは可愛い、と思う。

 そんなふうに最初に意識したのがいつだったか、今もはっきりと覚えている。
 出会ってまもなく、ギーシュとの決闘で酷い怪我を負った時だ。
 看病疲れで突っ伏して眠るルイズは、それはもう激しく可愛く見えた。
 その後の成り行きはひどいものだったが……、すりこまれるには十分だった。
 こうして毎晩見慣れてしまった今でも、その寝姿が魅力的なのは変わらない。
 理由は単純だ。
 究極に自分の好みだからだ。外見が、だけれど。
 なぜ他のやつらがルイズを取り合わないのか不思議でならない。
 こっちの美意識は地球とは違ってるんだろうか。それとも単に使い魔補正のせいなのか。悩んでしまう。
 確かにルイズは子供っぽいし性格の方もちょっとアレだけれども、それを差っぴくだけの価値は十二分にあるはずなのだ。



110 名前:Midnight Lovers ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/23(土) 15:08:07 ID:gRl2z+vM

 むにゃ……。そのルイズが突然身じろぎしたので、慌てて手を引っ込めた。
 危ない危ない。起こしでもしたら面倒だ。
 何しろ人並み以上に寝るやつなのだ。その気になれば一日中だって寝ていられる、幸せ極まりない人種。……仕方ないよな。ほら子供ってそんなもんだし。
 だもんで寝不足にでもさせて機嫌を損ねたりしたら大変なことになる。それこそ丸一日当り散らしかねない。女王様のご乱心。そしてターゲットはいつも俺。使い魔の俺。一心に愛情を注がれております。はい。

『何言ってるのよ。当たり前でしょ? 使い魔なんだから』

 何かにつけてこうだ。いつも俺を切ない気分につき落とすそんな台詞も、近頃はさほどこだわりを感じなくなった。
 よくよく考えてみれば自分だって、ルイズがご主人様でなければこんな気持ちになったか疑わしい。
 出会い頭にキスを交わし、使い魔として毎日を一緒に暮らし、数々の危険を共にして、どういう訳かまかり間違ってヒーロー気取りで守ってやるなんて真似をしていなければ、こうはならなかったはず。
 万が一、偶然ルイズに出あったとしても、
(うっわ、性格最悪。外見は可愛いけどこれはパスだなー)
 ぐらいで終わっていたかもしれない。
 見た目だけで命を賭けるほど、さすがに自分もバカじゃないと思うし。
 だから。そろそろどうにかしなきゃいけない。

 ……などと、つらつらと物思いにふけっていたら。
 いきなり襟元をきつく絞められた。窒息しそうになって、なんの怪奇現象だよと思っていたら、さらに口を塞がれた。ちょ、殺す気か!
 するとふわりと鼻先に漂う甘い香り。
 花と蜂蜜とミルクをごっちゃにしたような、馴染みのある匂い。
 んー、ぷはぁ。と息を吐き出して、その香りの主が俺の頬をするりと撫でた。
 なんだよ。起きてやがった。

 その香りの主は、今度は胸の辺りに指をつきつけてきた。なんなんだよいったい。
 もぞもぞと何をやってるのかと思えば、文字らしき物を書いている。
 もちろんハルケギニア語だ。ばっち来い任せておけ。
 なになに。……ば? か?
 いきなりバカはないだろ。そりゃ起こしたのは悪いけどさ。
 まだ続く。……い。……ぬ。
 はいはい。どうせバカ犬ですよ。
 さらに続く。……す。……き。
 え? どきんと心臓が大きく鳴り、そのままバクバクと止まらなくなった。
 何こいつ寝ぼけてる? それともまさか……、普段言えないことも文字でなら素直に言えてしまうとか。
 くらりと参った。急速に抱きしめたい気持ちが沸き上がって堪らなくなった。とてもそれだけじゃ済まなそうだ。ああだけど後ろにシエスタが……。ぐっと我慢に我慢を重ねて耐える。
 ところが続きがあった。……じゃ、な、い、も、ん。
 一気に書きなぐるから、後半は怪しかったけれど楽に予想できてしまった。
 最後にピシリと強く指で弾かれた。かなり痛い。手加減なし。そのままおやすみとばかりに寝返りを打って、背中を向けてしまった。

 はあっと息を吐いた。まったく女ってのは怖い。すっかり見透かされてるみたいだ。
 年の割りに子供っぽいと思っていたルイズも、これで日々進歩しているらしい。
 やっぱりどうにかしないといけない。……シエスタのこと。
 最近のルイズとシエスタはとても仲が良さそうで、二人してタッグを組んでは自分を責めてくる。
 けどそれは二人が同じ気持ちを共有しているからで。要するにこう言いたいんだろう。
『いいかげん、はっきりしてよね!』
 うわあ。すみませんごめんなさい。俺がすべて悪い。何もかも悪い。
 弁解の余地なし。わかってる。
 でも……、でもね。シエスタはやっぱり大事な人で、一緒にいるとあったかくて、今までのこともとても感謝していて。やっぱ追い出すなんて出来ねえよ……。
 身勝手とわかっていても、これが正直な気持ちだ。気持ちに嘘をつくことはできない。




111 名前:Midnight Lovers ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/23(土) 15:09:49 ID:gRl2z+vM

 手を伸ばして、ルイズの背中に書いた。
 ――ご・め・ん。
 ぴくりとルイズの体が動いた。この後どう続けようかと迷っていたら、いきなり手首をつかまれて引き寄せられた。
 ぐいっと強く引っ張られる。そして顔の前まで持ってきた手を包むようにして両手で挟み、指をしっかりと絡ませながら、親指の先っぽだけをキスをするように唇に含んで……、そのまま動かなくなった。
 そのうち、すうすうと寝息らしきものが聞こえてきた。
 え? 寝るのか? このままの体勢で?
 右手に感じる柔らかな温もりと唇の感触。規則正しくあたる生暖かい息。
 心臓の鼓動が早くなり、じわりと熱い固まりのようなものが腹からこみ上げてきて、慌てて飲み下した。

 ああ、もう。かまうもんか。
 寝れるもんなら寝てみろと少しだけ驚かしてやるつもりで、掴まれている手を引っこ抜きもう一方の腕も伸ばして、背中からぐっとルイズの身体を抱きしめた。その温かさと柔らかさに、一気に体に熱が回る。首筋に唇をあてて色づくように吸い上げた。
 すると息をのむ音とともに、ルイズが大きくかぶりをふった。
 ダメだと言いたげなその仕草に、そんな理性など吹き飛ばしてしまいたい衝動に駆られる。
 
 後方に耳をそばだててみたが、もう一つの寝息は規則正しく変わる気配がない。
 出来るだけ音を立てないように、ベッドを揺らさないようにと注意を払いながら、ゆっくりと手をずらしてネグリジェの上から胸を探り、その薄いふくらみをやや乱暴に握りしめ、浮いた突起を指でつまみ上げて、きゅっとねじりあげた。
 ルイズの体が大きく跳ねた。それをなだめるようにさらに強く抱きしめる。
 静かに。動いちゃいけない。と口に指を添えて伝える。
 どう理解したのか、ルイズは身を固くしておとなしくなった。
 ただ耐えるように唇を噛みしめて、時おり息を苦しげに紛らわせている。

 そんな様子に、さてどこまで耐えられるかと試したくなって、首筋から耳の裏の柔らかい所にじわりと舌を這わせながら、胸に遊ばせていた手を身体の横のラインに沿わせて太ももまでたっぷりと時間をかけて撫で下ろした。
 感じやすいルイズはそれだけでぶるぶると体を震わせる。再び大きくかぶりをふった。けれどその程度で止めるならはなっからしていない。
 まだまだ余裕があるだろうと、意に介さずに片方の足に手をかけてぐいと上に持ち上げた。そうしてできた両足の間の空間に指を滑り込ませる。
 
 驚いたことにその場所は既にぐっしょりと濡れそぼっていた。軽く触れただけでひくひくと応えてくる。ゆっくりと指を沈めると、すぐさま強く締め付けられた。肉壁がねだるように奥へと導こうとする。
 いつにないルイズの敏感な反応に興奮を覚えて、思わず喉を鳴らした。
 何がそうさせるのか、よくわかっている。見られているかもしれないという背徳感。
 抑えつけるほどに高まる欲望が一層身体を熱くさせる。

 うだる下半身を持て余し、少しだけならと自分を誤魔化して、昂ぶっている己の物を取り出して指の代わりにあてがった。手を添えて入り口に先端を押し付けると、ぐちゅりと淫靡な水音が響いた。同時にルイズの唇から「ふぁっ」と甘い声がもれる。
 予想外に大きく響いた声に、慌ててルイズの口を塞ぎ……、凍りついたように動けなくなった。
 触れ合っている場所から、じっとりとルイズの物が溢れ出しているのがわかる。愉悦の証しがこれまでにないほどたっぷりと二人の躯を濡らして足を伝ってゆく。少しでも動いたら、きっと音をたててしまう。

 息をつめて、背後で眠っているシエスタの寝息をうかがった。
 ……特に変わりはないようだ。
 ほっとしたその時、きゅうっと今までに一度も覚えのない強さで入り口がきつく先端を締めあげた。
 ぞくりと快感が駆け上り、急いで別のことを考えてかろうじて散らす。警報が鳴る。そろそろレッドゾーンに差し掛かっている。
 このまま体を離して終わらせるべきだ。わかってはいても、ぴったりと張りついた肌がアルコールを含んだように熱く火照って、じりじりとした焦燥感に焼かれて、たまらなく情欲を掻き立てる。



112 名前:Midnight Lovers ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/23(土) 15:13:04 ID:gRl2z+vM

 動けないままどうしようもなくなっていると、不意にルイズが口を覆っている手をぎゅっと握って、人差し指の一本だけをわずかに開いた唇で咥えると強く吸い上げた。まるで別の方の物を吸い上げたいとでもいいたげに、唾液を絡めて強く吸う。
 さすがに堪えきれず、腰を動かしてじわじわと押し入れた。急げば音を立ててしまう。ゆっくりともどかしげに進ませると、ぬるま湯につかったようなとろけるような心地の後、肉壁がざわりと蠕動した。
 感じている証拠だ。さらにそそりたてるように大きくかき回す動作で腰を回しながら、上のほうの足を持ち上げて膝を折り曲げさせるとルイズ自身の手でそれを支えさせた。

 自由になった手を前に伸ばして、最も感じやすい場所を探る。熱く柔らかな肌を押し分けると、すでにぷっくりと充血したそれがひくひくと求めてきた。直接触れないようにそっと近くだけを指の腹で擦ってやると、それだけで耐え切れないように躯が跳ねた。
 すすり泣くような嗚咽。繋がった場所から絶え間なく水音が響いて耳を犯す。もはやそれ以外の何物でもなく、隠しきれるものではなくなっていた。
 それでも高ぶる快楽にストップをかけることはできない。迷わせる暇を与えずに、腰に手を添えて一気に奥まで突き入れる。膣の入り口をえぐるようにさらに腰に力をこめた。ひあっ、と鋭い声が漏れた。

 その瞬間。背後で息をつめるような気配がした、ような気がした。
 気のせいかもしれない。すぐに寝息が続いたからだ。
 まだ引き返すことはできるだろうかと考える。けれど、気づかれているかもしれないと思うと、苦い罪悪感で体が一層熱に満たされた。いっそ聞かせてしまいたいという黒い欲望が湧き上がる。
 答えをルイズに委ねようと、指で突起をつまみあげた。
 するとルイズはぶるりと大きく震えて、口を覆っていた手を跳ね除けると顔をシーツに埋めてしまった。荒い息で背中が大きく波打っている。羞恥と快感の相乗から生まれる興奮に身を震わせている。
 その様子にもう戻れないことを覚悟した。

 こうなったら一刻も早く終わらせるだけだ。腰に手を添えてひたすらに突き上げることに終始する。
 声を上げられない苦しさからかえって情動をかき立てられるのか、かつてない反応をみせるルイズの躯に急速に追い詰められてゆく。歯を食いしばったルイズの口から、絶え間なく喘ぎ声が流れ出す。それに合わせてひたすらに最奥を突き上げた。
 そろそろ限界を感じ始めた時、膣壁がぎゅうっと強く締めつけて、ルイズの背が折れそうにしなった。その時、腰に添えている手にぴりっとした小さな痛みが走った。手の甲に爪を立てられたのだ。まるでは、や、く、と合図するように。
 唯一こいつが素直に感情を吐露する時だ。その瞬間例えようもない幸福感に酔う。
 さらに擦り立てるように激しく突きたてると、内側が絡み付いて促してくる。 強く締め付けられた刹那、奥からぐっとこみ上げてきた物が電流のように背筋から頭に走り、大きく脈打った。ルイズが最後の嬌声を放つ。

 ぎりぎりの瞬間に引き抜いて、いつものようにルイズの上にのしかかり、その腹に……、そこではっと気がついて硬直した。
 視界の端に別の人影。
 忘れていなかったけれど、忘れていた。……すっかりと。
 途端、高まった射精欲も瞬間冷凍された。
 ルイズもばつの悪そうな顔で、恥ずかしげにシエスタの方を見ている。
 さすがに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。ごめん、本当にごめん……。

 ベッドを揺らさないようにゆっくりと降りながら、トイレに向かうために部屋を出た。
 いったい明日、どんな顔をして、二人の同居人におはようを言えばいいのか。
 けれど一方で思う。今日みたいなのも悪くないなと。
 
 いつかチャンスがあればまた……。
 こっそりと胸の内に収めた。
 
〜FIN〜
 

113 名前:ぎふと ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/23(土) 15:14:09 ID:gRl2z+vM
以上です。前半と後半で雰囲気違うとか言わないように〜
王様ゲームはもう少し待って下さい。ちと悩んでます。


114 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 15:36:45 ID:Fd2McMn4
>>113
そりゃ絶対気付かれるよなぁ・・・。シエスタの表情が書かれていないのが
想像をかき立てられるねw
乙です。

115 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 16:00:20 ID:0gAXgP0I
>>113
個人的にはシエスタの視点でのこの話が読んでみたいかも GJ!

116 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 18:16:25 ID:/vDziAMy
>>113
GJ

シエちゃんは感の良い子なので、絶対に気付いている事でしょう
寝ている振りをしながらも耳だけはダンボ状態で…
ぃや〜ん、シエシエが可愛いw
もちろんルイズの声を押し殺す姿も萌えるぜ!



117 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 18:50:54 ID:vhxDbqD4
せつねぇ…

118 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 03:17:41 ID:7mwpAHBU
sage

119 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 03:20:34 ID:7mwpAHBU
すまんsage間違えた
>>113
GJ!
ルイズかわいすぐるはぁはぁ

120 名前:ツンデレ王子:2008/08/24(日) 05:34:46 ID:gHFNfod8
 ちょいと出だしだけ投下させてもらいます
 レス数3〜4


121 名前:青春時代:2008/08/24(日) 05:36:41 ID:gHFNfod8
 チクトンネ街中央広場、噴水前にサイトは立っていた。先日アニエスより
呼び出しを受けたのだ。

(アニエスさん、遅いなぁ)

 待ち合わせ時間は12時、今はそれを10分ほど過ぎている。彼はここで
30分待っていた。

(20分も早く着いた俺が悪いのかの知れねーけどさ)

 何故呼び出されたのか、理由は聞いていない。ただ一言、ここで待てと言
われただけなのだ。用があるなら直接王宮に出向いた方が早いと思うのだ
が。
 彼女の意図がわからず思案していると、声を掛けられた。

「サイトくん、お待たせ」

 声のするほうを振り返ってみると、そこには一人の少女が僅かに頬を染め
てこちらを見上げている。いつぞやシエスタに送ったのと同じ様な水兵の服
を着込み、紺色のプリーツスカート(膝上20cm程)、黄色いリボンでツイン
テールに結ばれた栗色の髪、細い銀縁の眼鏡を掛けているその少女に記
憶を探るが思い出せず、サイトはぽかんと口を開けたまま固まってしまった。

「えっと…どちら様でしょう?」
「分からない?」

 悪戯っぽく微笑むと、ついと眼鏡をずらして小さく舌を出す。
 その薄いブルーの瞳を見た瞬間、サイトはその少女が誰なのか漸く思い至
った様である。

「ひんぐ…!」

 大声を出しそうになったサイトの口を、少女は慌てて両手で押さえる。

「しっ!ここでそう呼ばないで下さい」

 コクコク…
 首を上下に振り了承の意を示す。
 少女はホッと息を吐くもサイトの口を押さえていた手を外すのを忘れており、息
苦しくなった彼はぺろりとその指に舌を這わした。


122 名前:青春時代:2008/08/24(日) 05:37:14 ID:gHFNfod8
「きゃっ!」
「あ…ご、ごめん」
「い、いえ…」
「でも、どうしたんですか?そんな格好で…」

 少女の正体を見破ったサイトは、彼女がその様な格好でこの場に居るのが不
思議で堪らなかった。

「だって…この服はサイトくんの思い入れのある物なんでしょ?」

 サイトの故郷、そこでは彼と同年代の少女達がこういった服装で学校に通って
いる――それはシエスタにこの服を送ったときに教えた事。それを彼女から聞


出したのだと言う。

「で?今日は一体何をしてるんですか?」

 彼女の説明は今の服装を知る経緯であり、今ここでわざわざその格好をして


る説明にはなっていない。しかも自分の事を“くん”付けで呼んだり、格段と打ち
解けた感じ―悪く言えば馴れ馴れしい―で話しかけたりと、普段の彼女からは
考えも付かない事だらけなのだ。
 額に手をやり、やれやれと言った感じで頭を振るサイトに少女は腕を絡ませる
と、生地を押し上げる豊満な乳房を押し付けながら囁いた。

「デートしよ♪」
「…は?」
(何言ってんだ、この人は)
「勉強したのよ、サイトくんとデートしたくて。喋り方も変装も」

 喋り方、確かに街娘の様にくだけたものになっている。
 変装、これも初め自分ですら分からなかったのだ。彼女の事を近くで見る機
会の少ない者が見たところで、彼女がこの国の王女だと気付かれる事は無い
だろう。

「その為にアニエスに協力してもらって、貴方を呼び出したのよ?」

 何日も前から計画し、執務を終わらせていたのだと言う。
 そこまで言われては、サイトとしては無下に断るわけにいかなくなってしまう。

(ま、いっか。これはこれで新鮮だし)

 しぶしぶながらも頷くと、アンリエッタは満面の笑みを浮かべる。サイトの前に
くるりとターンしながら出ると、手を後ろに組み上半身を屈めた。

「行こ♪」

 回転によってふわりと持ち上がるプリーツ。
 それと同時にチラリと目に飛び込んでくるスカートの生地と相俟ってより一層
眩しく映る絶対領域。
 ニーソックスに包まれた、今にも頬ずりしたくなる脚。
 襟元から覗く三角地帯。

 それらへと一瞬にして視線を這わすと、サイズが合ってないのか少しずり落
ちた眼鏡の間から上目使いに見上げる視線から逃れるように目をそらす。彼
女の頭に手をやってクシャクシャと撫でると、そのまま肩を抱いて歩き出すの
だった。背後から自分たちを見詰める視線に気付かぬままに――


123 名前:ツンデレ王子:2008/08/24(日) 05:39:08 ID:gHFNfod8
 アンリエッタにセーラー服着せたら似合うかなあ〜

なんて思って書き始めたのは良いんですが…続きが思い浮かばない><




124 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 07:22:26 ID:lanujO03
>>123
「ひぐらし」の竜宮レナみたいに、ナタ持って追っかけまわすってのはどうだろう?

「おもぉぉぉぉちかぁぁえりぃぃぃぃッッッ!!」

って、叫びながら。

125 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 09:17:49 ID:aDyHwmg+
何をお持ち帰るんだ。
首か、全ての元凶たる陽根か。

126 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 09:59:30 ID:2ObAseZ+
おまいらネタ方面に転がすなよw

>>123乙。
●アン様の演技がだんだん(あるいはきっかけで)破綻
●尾行人に視点をうつしてみる
●単純に事件(ひったくりとか強盗とか)にまきこまれてその解決のために奔走

など、いろいろやり方はあるけど、そういった展開を組み合わせたりひねったりすればよい。

127 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 11:01:34 ID:yLbLkmh3
>>123乙です。

関係ないけど、この作品が投下される前、困惑する才人をよそに綾波のプラグスーツ姿や第3新東京市立第壱中学校の女子制服姿で迫るタバサを妄想していたんですが、こんな上等な作品が出てきちゃ蟻VS象なんでやめますた。

128 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 14:20:58 ID:pPJqyeSO
ツンデレさん次回があるのか期待して乙

いっそ皆で展開を予想し合うってのはどうだろう?
尾行してるのは、俺ならマザリーニ卿にするな
夏休みの宿題に「アン様観察日記」をつけてるんだ

>>127
妄想に上も下もあるもんか!さっさと書く作業に入れ

129 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 14:27:20 ID:SdS8Ae8P
>>128
爺の日記は老人会で提出され(ry

130 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 14:39:24 ID:2ObAseZ+
実はサイトとデートしてるのはアン様に化けたマザリーニで、
後ろからついてきてるのが本物のアン様とか?

131 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 15:42:03 ID:lanujO03
通りすがりの町の人たち全員が、実は銃士隊の監視だった。……とか?

132 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 18:59:58 ID:sPpXYVjY
それ、なんて初めてのおつかい?

133 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 19:18:15 ID:aRBBJV5x
>>123
おお、新作GJ! やっぱりスタンダードについて来てるのはルイズで
修羅場ってのはダメですか?

134 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/08/24(日) 23:11:33 ID:Wj8fAteD
はいおまたせ。
>>87の続きじゃよ。
でも終わってないのじゃよ。

今回はティファニアパートでございます

135 名前:ツンデレ王子:2008/08/24(日) 23:11:49 ID:6ooavftR
 沢山のご感想、ご意見有難う御座います
 とりあえず青春時代の続き、行きますね
 レス数3〜4

>>126
 有難う御座います
 尾行人に視点をうつしてみる ってのは書いてた時は思いつかなかった

>>128
 良い電波を有難う


136 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/24(日) 23:12:37 ID:Wj8fAteD
最近才人は思うことがある。
世に『ちちくらべ』なる胸のサイズを比較した画像があるが、才人は思うのだ。
大きさだけではなく、形ややわらかさ、乳首の色、大きさ、乳輪のサイズ、感度なんかも大事だよな、と。
純粋にサイズだけで較べるなら、ティファニアがダントツでトップなのは言うまでもない。
柔らかさだけを見るなら、シエスタとティファニアの二人がいい勝負だ。
しかし、こと柔らかさと弾力のバランスにおいては、アンリエッタ陛下の右に出るものはいない。
ルイズやタバサにはそもそも胸にふくらみが存在しない。最近タバサは少しずつ成長しつつあるが。
挟んだり揉んだりする分にはそのサイズと柔らかさが重要になってくるだろう。
だが、行為の際重要になってくるのはそれだけではない。
大事なのは感度だ。
女の子が胸でどれだけ感じやすいかが大事なのである。
胸の感度においては、タバサとティファニアが一番感じ易いと才人は感じる。
ティファニアは全体を鷲掴みにして虐めると、ものすごい善がり方をする。
タバサはその先端をこね回すと、ひきつけを起こしたように身体をひくつかせる。
他の女の子はどれも似たり寄ったりだ。ルイズに至ってはひょっとすると演技かもしれない。

…ていうか、ルイズあんま胸さわらしてくんないしなあ。

なんてことを、才人はティファニアの部屋で、彼女の手作り弁当の奥でぽよんぽよん揺れるももりんごを見ながら、思った。

「お味のほうはどう?サイト」

自分の手作り弁当を頬張る才人に、机に頬杖をつき、胸を机の上でたゆん、とたゆませながら、笑顔でティファニアは尋ねてくる。
もぎもぎ、とティファニアお手製の茹で鳥を頬張りながら才人は頷く。

「そ。よかった」

才人が食べ終わったのを確認して、にっこり笑ってティファニアは膝の上に置いてあった、大人の両の拳を合わせたほどの小さな緑色のガラス瓶を机の上に置く。
上蓋についたラベルには、『ももりんごの蜂蜜漬け』。これがティファニアの言っていたものだろう。
ティファニアは封蝋を取って留め金を外し、蓋を開け、瓶の中から蜂蜜に浸けられて柔らかくなった薄黄色い果実を、フォークで刺して取り出す。
そしてそれをあむ、と口に咥える。
そしてそのまま席を立ち、才人の隣へやってくる。
にっこり笑って、顔を才人に近づける。つまり。

「…これ食べろっての?」

才人の言葉に、ティファニアは笑顔で頷く。
しょうがねえなあ、と呟くと、ティファニアの桜色の唇から伸びた、才人は黄色い舌のような蜂蜜漬けを食む。
しゃぐ、と柔らかい腐った果実の感触が、才人の歯に伝わってくる。
そして舌に広がる甘い味。いつかウエストウッドで味わった、ももりんごの軽い酸味は、蜂蜜に漬けられることによって、凶悪なほどの甘みへと変貌していた。
確かに、これは旨い。トリステインにきたからこっち、これほどまでに甘いものを食べた事はなかった。
才人はもう一口、と短くなったももりんごの切れ端をもう一度食む。
すると。

ちゅ。

同じようにももりんごを食べていたのか、ティファニアの唇と才人の唇が合わさる。
驚いた顔の才人。してやったり、という笑顔のティファニア。
『夜伽の達人 〜ひと目でわかる殿方の悦ばせ方講習〜』教則その二十三、『殿方を悦ばせる食事の作法』の第四項、『両側から同時に食べてちゅう』であった。
ティファニアは口にももりんごの蜂蜜漬けを含んだまま、才人に抱きつき、唇を塞いで、そのまま舌を差し込んでくる。
甘い甘いティファニアの舌が、才人の口の中で踊る。
才人も負けじと、ティファニアの口の中に舌を差し込む。
そして、お互いの唇の間で、お互いの口の中のももりんごと唾液が行き来し、くちゅくちゅと音を立てる。
熱に浮かされたように行為を続けるていると、そのうち、口内の甘さが消えていくのがわかった。
お互いの唾液で蜂蜜が薄められ、そして飲み込んでいくうち、甘みがなくなっていったのである。
そして最後に、二人はほとんど味のしなくなったももりんごの切れ端を、同時にこくん、と嚥下する。
そうしてようやく、二人は唇を離す。
ぬちゃあ、と酷い粘りをたてて、お互いの唇の間に唾液の橋が渡される。

137 名前:ツンデレ王子:2008/08/24(日) 23:12:58 ID:6ooavftR
おっと

すいません、せんたいさん
被ってしまった

待ってますね(その間に風呂入ってきますわ)

138 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/24(日) 23:13:22 ID:Wj8fAteD
「えへへ…おいしかった?」

悪戯っぽく笑うティファニアに。

「…ったく。どこでこんなの覚えてくるんだ、このエロエルフ」

呆れたように、だがまんざらでもなさそうな顔で才人はそう言う。
ティファニアはその言葉に笑顔で応える。

「一生懸命お勉強してるもの。サイトにいっぱい可愛がってもらえる、えっちなペットになるために…」

言って、ティファニアはあっという間に制服のボタンを外してしまう。
凶悪なももりんごがばるん、とまろび出た。

…まずい!アレを使われたら…!

そう懸念する才人だったが、同時にティファニアの言葉で胸の内に沸きあがる、もう一つの自分。

…一生懸命お勉強した結果を、見せてもらおうか…!

そして勝つのは勿論後者の才人。
転がる方向が毎度間違っている気がするのだが、どうにも止められない。
これが彼の背負った、絶対運命なのだろう。
ティファニアはそんな才人の葛藤など他所に、机の上のガラス瓶を手に取る。
そして、左腕だけで自分の凶悪な両のももりんごを下から支え、右手で蓋の開いた瓶を掴み。
その上で、くるん、と百八十度回転させた。
ぼたぼたと零れる、ハーブ交じりの蜂蜜と、小さく分けられたももりんご。
それらはティファニアのももりんごを琥珀色に彩り、そそいて、黄色い果実のオブジェをその上に散らしていく。
ティファニアは下腹部までベトベトにして、椅子の上で才人に向かって体を開くと。
ほ、と軽く頬を染め、少し恥じらいのスパイスを効かせて、言った。

「はいどうぞ。『ティファニアのももりんご添え』です♪たぁんと召し上がれ♪」
「どっちがももりんごーっ!?」

意味不明な叫び声を上げ、才人は椅子の上のティファニアに襲い掛かった。

俺はすぴょすぴょ満足そうに眠るテファに、優しくシーツを掛けて思った。
やべえまずい計算外だ。
まさか、テファだけで3回も抜く事になろうとは…!
耳責めて一回で済ますつもりだったのに…!
しかしももりんごまみれのテファは存外強力で、俺は不覚にも蜂蜜まみれのテファの胸で一回、中で一回、外に一回致してしまった。
つうか、甘え方巧くなり過ぎだってこのエロエルフ!
『こっちも『蜂蜜漬け』にしてあげる♪』とか、『サイトの蜜漬けにして♪』とかどこのエロゲだよお前!
…まあ、三発目まで理性が吹っ飛んでさっさと済ませる事忘れてた俺も俺だけど。
まあいいや、時間的にはまだ大丈夫だし。
俺は、服を着なおすと、王都へ向かうべくテファの部屋を出た。

今日のサイトはすっごくエッチだった。
いつもより、その、少し積極的だったし。
何でかしらないけど、一回出してもすぐ元通りになるし。
調子に乗って、サイトの好きな胸でしてあげたんだけど、それでもまだ元気だから…。
…つい。その。おねだり、しちゃった…♪
そしたら、やっぱりサイトはちゃんとおねだり聞いてくれて、二回も続けてしてくれた。
さすがに二回もするとしんどそうだったから、私は二回目で満足しておくことにした。
本当は、もっともっと可愛がって欲しかったんだけども。
寝ているふりの私の横で、サイトがいそいそと服を着ていたから、私はとりあえず寝たふりをして、サイトが部屋を出て行くのをシーツの中から見送った。
…帰ってきたら、なんで急いでたのか聞いてみようっと。
そして私は眠りに着く。枕をサイトの代わりに、抱きしめながら。

139 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/08/24(日) 23:14:08 ID:Wj8fAteD
以上。続きはまた今度。
ってまたかぶっちまった!
王子、もう投下してもOKですぜ

んじゃねゆノシ


140 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 23:36:49 ID:KmnEEPLq
>>139
サイト、スープ(テファ)を完食 このあとのメインディシュと
デザートまで持つのだろうかww GJ!

141 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 23:38:55 ID:pPJqyeSO
最後のてふぁの独白にGJ!!かわいすぎる

しかしよく時間間に合ったな。一回どんだけ短かったんだろう
そしてこの一日で合計何回抜くことになるのやら
ギネス入りできるなこれは・・とか考えてる俺ってアホすぎだorz

142 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 00:06:00 ID:B3ymivD/
ちょいとググってみたところでは、1日の射精回数38回がギネスだそうな。
さすがに全身運動ではないんだろうけど。
女性だと、1日で646人と性交した記録があるらしい。

143 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 00:06:18 ID:xQM7qrKW
これは…最後におかわりが来る予感がする味だぜ…

144 名前:ツンデレ王子:2008/08/25(月) 00:33:09 ID:7GM3r9DN
>>139
GJ!
テファ可愛いよ
>『こっちも『蜂蜜漬け』にしてあげる♪』とか『サイトの蜜漬けにして♪』とか…
こんなの言われた日にゃ、サイトやのうても我を忘れてまうってのw

サイト、まだまだ試練はこれからだ。頑張れよ!


さて、途中せんたいさんと被って予告しちゃいましたが
そろそろ行きますね

145 名前:青春時代:2008/08/25(月) 00:34:24 ID:7GM3r9DN
 彼等の後姿を涙ぐみながら見詰める初老の男が1人。

「陛下、良くお似合いですぞ」

 くっくっと嗚咽を漏らしながらボソボソと呟く。
 近くを歩いていた子供が『あのおじちゃん、どうしたの?』と指を差すと、母
親らしき人物が『見てはいけません』と言って連れ去っていく。他にも数人か
ら異様なものを見る目で遠巻きに見られている。

(特訓の成果がありましたな)

 ズズズと鼻をすすり、男性は空を見上げる。
 遠い目をして何やら思い出している様だ。



――特訓

 それは数日前に遡る。

 王宮の一室、そこで彼―マザリーニ―はアンリエッタに指導を施していた。

「もっと柔らかく!」

 彼の目前にはアンリエッタとアニエスが腕を組んでいる。

「陛下、ちょっと宜しいですかな」

 マザリーニはアンリエッタを押し退けると、代わって自分がアニエスに腕を絡
める。身長差はあるものの、それを全く感じさせない雰囲気を纏っている。

「こう、良く見ていてくだされ」

 絡めた腕を解くと、半歩前に出てクルリと180度ターン。

「ここで…こうです。
 ただ、気を付けてくだされ。回転速度が弱すぎてはスカートが持ち上がりま
 せぬ。逆に強すぎては持ち上がりすぎて興醒めですぞ。力加減が難しいの
 です」
「は、はい」


146 名前:青春時代:2008/08/25(月) 00:35:05 ID:7GM3r9DN
「ではアニエス君、一度やってみなさい」
「…は?」

 いきなり振られて反応出来ず、間抜けな声を漏らす銃士隊隊長。
 この日の彼女は何時もの甲冑ではなく、萌葱のシャツにエンジ色のプリーツ
スカートといった出で立ちである。もちろんミニスカートだ。

(この姿でやるのか、あれを)

 普段人前には出す事の無い肌を晒しているだけでも恥ずかしいのに、幾ら
アンリエッタの為とは言えこれは彼女にとっては拷問に近いものがあった。

「何をしておる、早くせぬか」

 しかしながら、今“監督”のオーラを纏った彼には彼女の心のうちなど見抜け
るはずもなく、声を荒げて促すのみ。
 腑に落ちないながらも立ち位置を入れ替えると、アニエスはマザリーニの腕
に自分の腕を絡める。彼女の決して小さいとは言えない胸が薄い生地越しに
腕に押し付けられ、マザリーニは鼻の下を伸ばすがそれも一瞬の事。再びキ
リリと表情を引き締めると、先程自分が見せたようにやってみなさいと彼女を
促した。

「陛下、ご覧になりましたか。今の様ですとスカートが捲れ上がりが少なすぎて
 彼のような人物の関心を惹く事は出来ませぬ!アニエス君、もう一度じゃ」

 次は先程より強めに回転するアニエス。
 今度は反動が強すぎて、下着までもが見えてしまった。

「この様に強すぎても、スカートの中が見えすぎて逆に白けてしまいます。
 微妙な力加減が大切なのですぞ」

 力説する彼に呆れた顔を向けるアニエス。それとは打って変わって真剣に
頷き、その場で回る練習をし始めるアンリエッタ。

「では陛下、やってみてくだされ」

 アニエスを男役に腕を絡めるアンリエッタ。
 さすが王女と言うべきであろうか。やはり社交ダンスの経験がものを言うの
か、感覚を掴むのはマザリーニの想像より格段と早かった。



147 名前:青春時代:2008/08/25(月) 00:35:55 ID:7GM3r9DN
「では次ですが…」

 アンリエッタを下がらせアニエスの前に出ると、再度ターン。上半身をおよそ
30度屈めてアニエスを見上げる。

「この時、あまり上半身を屈め過ぎないように!当日陛下がお召しになる水
兵の服は胸元が開いております。あまりに上半身を落としすぎると、胸元が
見えすぎてしまいます」

 今度は自分の前で直接やってみるようにアンリエッタに命じる。

「それでは上げすぎです。もっと上半身を落として」

 角度が大事ですぞ、と何度も何度も繰り返す。
 アンリエッタの服装もアニエスが来ているものと相違ないものであった為、
練習中チラリチラリと彼女の胸元がマザリーニの目に飛び込んでくるのだ。
その都度、彼は目尻を下げて口元をだらしなく緩ませる。

「…オホン!」

 その度にアニエスは咳払いをして注意を促す。帯剣していないのを忘れてい
るのか、腰に手を伸ばし空を切ってしまう事もしばしばであった。

「完璧ですぞ、陛下」

 漸く満足のいく結果が得られた時には、マザリーニの顔には皺が増え、アン
リエッタは息を荒げ、アニエスは今にも飛び掛らんとするのを必死に堪えてい
る状態だった。



 マザリーニが涙を拭い顔を正面に向けた時には2人の姿は既にその場には
無い。追いかけようかと1歩踏み出し……思いとどまった様だ。踵を返して戻
って行く。

(成功を祈っております、陛下)

 馬車へと戻っていく彼の顔には、まるで娘を嫁に出す父親のような悲しみの
色と、今にもスキップを始めそうな程晴れやかな色を共存させていた。




148 名前:ツンデレ王子:2008/08/25(月) 00:38:01 ID:7GM3r9DN
今回は以上

本編となるべく誤差を出したくないなと普段なら考えながら書いてますが、
今回はそんなの無視w
マザリーニが壊れてるのは仕様ということでw

ではでは〜

149 名前:128:2008/08/25(月) 00:43:26 ID:AaMlgQs8
マザリーニきた!?
こ、これは盛大にGJ!!!!!をせざる得ない!

というか普通にマザリーニとアニエスに萌えてしまった
アン様は言うに及ばず。くるくる最高だ〜素敵なくるくるをありがとう!


150 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 01:06:53 ID:VAhNiejI
>>148
本来は王の行動を諫める立場のマザリーニまでがぁ
トリスティン完全終了のお知らせ\(^o^)/
でも見方を変えると平和の証かな? GJ!

151 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 01:23:51 ID:B3ymivD/
トリステインを象徴王制へと移行させたマザリーニの最後のご奉公 乙

152 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 01:46:56 ID:lg6UVfhm
へんたいさん、王子氏GJ!!


153 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 18:12:02 ID:1xTWL7el
【速報】声優の釘宮理恵さんが婚約発表、相手は共演者の日野聡さん
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/news/1219649961/


154 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 18:28:57 ID:0buzb/an
Jane使いにその手の騙しリンクは通用しないぜ


155 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 19:07:18 ID:H3EEaXJw
一瞬、共犯者に見えた

156 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 19:25:17 ID:h9EgBXbn
まぁ、恋愛ドラマなんてのは、くっ付くまでの過程を楽しむもんだし
実際にくっ付かれると飽きが・・・

157 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 21:08:48 ID:O40xo6xk
>>156
最初からハッピーエンドな恋愛映画なんて三分で終わりだってポルノグラフィティも言っている品

158 名前:ツンデレ王子:2008/08/25(月) 22:24:41 ID:U66a5fT/
 今宜しいですかな?
 青春時代 続きいきます



159 名前:青春時代 B 1/4:2008/08/25(月) 22:26:01 ID:U66a5fT/
「なかなか美味しかったな」

 満足そうに呟くサイト。
 ちょっと遅めの昼食を2人で終わらせたところだった。
 アンリエッタは会計を終わらせたサイトの手を取って指を絡ます。

「ね、サイトくん。次はどこに行く?」

 ニコリと微笑む彼女に見とれて、立ち止まってしまう。

「ん?どうしたの?」
「い、いや…」

 店の中からは『羨ましいぜ、このやろー』や『幸せにな、シュヴァリエ』などと
言った野次が飛んで来、照れくさそうに顔を見合わせる。

「ありがとうございました〜」

 店員の声を後ろに未だに聞こえてくる野次から逃げるようにして店を出ると、
見知った顔がサイトの目に飛び込んできた。

(やべっ)

 見つからない様にと背を屈めるが、どうやら無駄な抵抗に終わってしまった
様だ。人ごみを掻き分け近付いてくる。

「げ、見つかった!」
「どうしたの?」
「俺の後ろに隠れてて」

 小声で告げてアンリエッタを背後に回したところで、相手がサイトの前に到着
した。

「サイトじゃない、久しぶり」
「や、やあジェシカ」

 果たしてそれは、魅惑の妖精亭店長の一人娘ジェシカであった。

「奇遇ね、今日はどうしたの?」
「え、いやその、えっと…そ、そう買い物に来たんだよ、シエスタに頼まれて」


160 名前:青春時代 B 2/4:2008/08/25(月) 22:26:47 ID:U66a5fT/
 背後に気付かれないようにと気を配りながら何とか答えようとするが、どうに
も良い言い訳が思い付かずしどろもどろになってしまう。

「へー、シエちゃんにねぇ」
「そ、そうなんだよ」
「ふーん…ところで、後ろの娘は誰なの?」

 何とか誤魔化せたかと思ったのも束の間、気付かれてしまった。

「…え?」
「髪の毛が見えてるわよ」

 本人達にとってはしっかりと隠れたつもりだったのだろうが、サイトの肩から
ツインテールの尻尾が見え隠れしていたのだ。
 やはりジェシカだ、目敏い。

「ちぇ、ジェシカには隠し事出来ねぇな」
「そりゃそうよ、何年客商売してきてると思ってるのよ」

 そう言いながら、ジェシカはひょいと覗き込む。

「あら?また違う女の子連れてるのね、そんなマニアックな格好までさせて」

 この女泣かせ〜と肘でサイトをつつくジェシカ。
 その言葉を聞いて、アンリエッタは彼女に見られないように顔を伏せたまま
僅かに歪めると、彼の背中を軽く抓る。

「痛っ!あのなぁ変な事言うなよ」
「変な事って何よ」

 にやにやとからかう様にサイトを見上げるジェシカ。

「またって事は無いだろ!」
「前に連れてたのはルイズだったじゃない」
「前にって…それだけだろが」

 そこで漸く背中を抓る手が離れ、サイトはホッと息を吐いた。

「シエちゃんに告げ口しちゃおうかなー」


161 名前:青春時代 B 3/4:2008/08/25(月) 22:27:30 ID:U66a5fT/
「ちょ、待った!それだけは勘弁してくれ」
「クスッ、冗談よ冗談。その代り、またお店手伝ってよね」

 ひらひらと手を振ってその場を離れていくジェシカ。
 アンリエッタの事を深く追求されずに済み、サイトは胸を撫で下ろす。
 背後に手を回し、それまでしがみつく様に彼の背中に張り付いていたアン
リエッタの手を取って歩き出そうとすると、当のアンリエッタはそれに抵抗を示
して不安そうにサイトを見上げた。
 女王の貌に戻っている。

「…いまの方は?」
「ああ、魅惑の妖精亭の店長の娘さん。シエスタの従姉妹らしいんだ」
「……」

 何ら悪びれる事無く答えるサイトに対し、自分から聞いたにも関わらず反応を
示さないアンリエッタ。
 訳が分らず、サイトは彼女の顔を腰を折って覗き込む。
 表情は街娘のそれに戻っていた。

「どうしたの?」
「……」
「正体がばれたと思った?」

 違います、そう答えてアンリエッタはプイとそっぽを向く。
 正体がばれたのでは無いか、と初めは心配が先立った。だが、それは無い
だろうと思い至る。変装している上に顔は見られなかったのだ。そして次に浮
上したのは、ジェシカと呼ばれた彼女とやけに親しげに話す、サイトへの苛立
ち――

(これってもしかして…)
「あ、ひょっとして…ヤキモチ?」
「し、知らない!」

 繋いだ手を振り解くと、さっさと歩き出してしまうアンリエッタ。
 その顔はほんのりと赤くなっている。

「ちょっと待てよ、アン」

 サイトは早足で追い越すと、彼女を振り返って頭を下げる。



162 名前:青春時代 B 4/4:2008/08/25(月) 22:28:28 ID:U66a5fT/
(何かギーシュとモンモンみたいだな)

 そんな詰まらない事を考えながらアンリエッタの機嫌を取るサイト。
 彼女もそれほど臍を曲げてはいなかったのか、2〜3言葉を交わすと自分か
ら指を絡めて共に歩き出した。



163 名前:ツンデレ王子:2008/08/25(月) 22:30:48 ID:U66a5fT/
以上





164 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 22:34:01 ID:H3EEaXJw
>「し、知らない!」
なんか新鮮だ!!GJ!!

165 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 23:28:13 ID:VAhNiejI
>>163
初々しいなあ なんかにやけてきたぞ GJ!

166 名前:(某曲のイメージで書いた中身のない話):2008/08/25(月) 23:36:35 ID:AaMlgQs8
「だからね、どんなゲームだって最初から結果がわかっていたら
 ちっとも楽しくないでしょ?」

 燃えるような髪を指に巻きつけながら、知ったような口ぶりで言うキュルケを、
 ルイズはきっとにらみつけた。

「そりゃあ、あんたにとってはゲームかもしれないわ。でもね、私たちまで
 一緒とは思わないでちょうだい」
「ふうん、とうとう認めるわけね、恋だって。やっぱりあなたサイトのこと」
「ち、違うわよ。あんなやつ、全然好きでも何でもないんだから!」
「あのねえルイズ。そんなこと言って、いまさら誰が信じると思うの?
 いいかげん認めちゃいなさいな。その方がいっそ楽よ?」
「うるさいわね。違うって言ったら違うの!」

 ここは食堂から外に出たところにあるテラス。
 太陽が柔らかな日差しを投げかける下で、
 女子生徒たちがゆったりと午後のお茶の時間を過ごしている。
 その一角にあるテーブルの一つを囲んで、
 ルイズとキュルケと他数名が、恋愛談義を繰り広げているのであった。
 以前には考えられない組み合わせだが、最近では割とよく見かける光景である。

「でもね、私もゲームというのは少し違うと思うのよ。ゲームって要するに
駆け引きするってことでしょ? 恋愛ってもっと純粋な感情じゃないかしら」

 考え深げにモンモランシーが自説を主張する。

「いやあね、それが惚れ薬を調合した張本人が言うセリフ?」
「ま、まあ……。あれは駆け引きではなくてその……」
「言い訳しなくたってわかるわよ。要するに、サイトもギーシュも
 子供なのよね。いい加減そろそろ腰を落ち着けたらいいと思うのに。
 その点、私のジャンなんて、大人の落ち着きがあって素晴らしいわよ?」

 うっとりと頬を染めるキュルケを、場に居る女の子たちは呆れ顔で見つめた。
 確かに大人には違いない。
 けれど正直言って、同じ土俵の上で比べて欲しくもなかった。
 しかしあのコルベール先生をおとしたキュルケの手並みについてだけは、
 素直に尊敬できた。けっして口先ばかりではない。
 そして結局のところ、駆け引きでも何でも、最後に勝利する者が笑うのだ。

「ゲームかどうかなんてどうでもいいわ。それよりどうやって、
 あの堅物のコルベール先生を捕まえたの? 詳しく聞かせなさいよ」
「んー、そうね。簡単に教えるのはちょっともったいないわね……」

 どこか焦らすような風で、キュルケは目を閉じて考える様子をみせた。
 それから悪戯っぽい目つきを輝かせると、
 じゃあ恋愛初心者のあなた達に少しだけヒントをあげるわ、と言った。

「よくお聞きなさいな。恋愛っていうのはね、その過程こそが楽しいのよ。
 例えばそうね……、恋愛劇の主人公にでもなった気分になったらどう?
 喧嘩もすれ違いも何もかもが、楽しいイベントって思えてくるわよ。
 そうやって楽しんでいれば、最後はうまいこと納まるようにできてるんだから。
 ……ね、始まって3分でハッピーエンドじゃ劇だって面白くはないでしょ?」

 そう言ってウィンクを投げかけるキュルケに、誰も言葉を返せなかった。
 こんなふうに恋を楽しむのが、上級者の極意なのだとしたら、
 自分たちは一生初心者のままかもしれない。
 そんなふうにため息をついて、それぞれにこっそりと、
 胸の内でつれない恋人達の姿を思い浮かべたのだった。

注)某アーティストの「○entury○overs」をイメージして。中身なくてすみませぬ。

167 名前:ぎふと:2008/08/25(月) 23:38:48 ID:AaMlgQs8
ポルノと聞いては黙っていられませんよ! しかもセンラバかよ!
というわけで即効で書いてみたけど、ストーリーも何もない上に
ツンデレさんの良作とかぶってしまう事態に。1時間空けてはみたけれど…
ファン心理ということで許して下され。(※乙不要GJ無理)

「最後にKissでしめるのさ〜」って歌詞がぽくて良いよねぇ。

>>163
普通のデート話って好みっす。GJ!

168 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 00:08:06 ID:0buzb/an
>>166-167
即興にしてはナイスすぎ

コル×キュル好きなので続編ってーかkwsk読みたいなあ

169 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 00:33:01 ID:IHb7yrPS
>>167
GJ!

170 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 14:58:27 ID:vuH5LaRN
>>163
GJ!

171 名前:ツンデレ王子:2008/08/26(火) 18:04:19 ID:j3CNem6E
>>167
GJ!
即効にしては素晴らしい!しかも1レス内で収めるという文章力
見習いたいものです
ポルノと言われても私は最近(?)の歌手やらグループは知らないので
コメントの仕様が無いのですが、>>166を読んで確かにその通りだと実感しますた
私も今の嫁と一緒になって5年だが、過程は楽しかったなぁと
(リアルの話をココでするのはどうかと思いますが^^;)

さて、青春時代のDを書き終えたので投下します
レス数は2
もっと書き溜めてから一気に投下って意見も出るとは思いますが、
一応今度も視点は変わってますので、まぁいいかなと…

172 名前:青春時代C:2008/08/26(火) 18:06:17 ID:j3CNem6E
「あら?あれサイトじゃない?」

 チクトンネ街中央広場の上空で、褐色の肌に赤い髪といった少女が指を差
して呟く。キュルケだ。

「……」

 隣に座って本を読む青い髪の少女がピクリと眉を動かした。

「珍しいわね、貴方が反応を示すなんて」

 キュルケはそう言って彼女の頭に手を置くと、そのまま揺さぶる。視線は未
だ手元に落としたままの少女の頭が左右にぐりぐりと動かされた。

「でも、だれかしらあの娘。もしかしてデートだったりして」

 丁度サイトはアンリエッタと手を繋いで1つの露天を覗いているところであっ
た。上空からなので話し声までは聞こえないが、やけに楽しそうに笑いあって
いるのが見て取れる。
 キュルケの言葉に手にしていた本を閉じると、青髪の少女は彼女たちを乗
せた風竜に命じた。

「下降」

 少女のポツリと漏らした一言を聞き逃さず、風竜は高度を下げ始めた。勿論
近付きすぎると気付かれてしまうので、地上からこちらの姿がはっきりと見え
ないくらいの高度を保ってだが。

「あの服、メイド…じゃないわね、あの娘の髪は黒色だし…誰かしら?」
「……」
「しっかし、サイトもやるわね〜。どこで引っ掛けたのかしら、あんな可愛い子」

 ま、あたしの美貌には叶わないけどね。と呟きながら隣を見る。そこには普
段と何ら変わる事の無い無表情なままの少女が居たが、長い付き合いである
キュルケには解っていた。彼女の纏うオーラが若干ではあるが怒りを含んで
いる事を。

「タバサ、どうするの?」



173 名前:青春時代C:2008/08/26(火) 18:08:01 ID:j3CNem6E
 しかしタバサはキュルケの問いかけには返事を返さず、風竜に短く『あっち』
と告げただけ。2人を乗せたままチクトンネ街の入口付近へと戻っていった。


「ちょっとタバサ、どこ行くのよ」

 ずんずんと先に歩いていくタバサの後を追いかけながら、キュルケが不思
議そうに尋ねる。

「サイトたちを追いかけるの?」
「……」

 小さく頭を振って否定を示すタバサ。
 そしてある一軒の店を指差した。

「え、洋服屋?」
「あれに…勝つ!」

 彼女らしかぬ強い台詞と、普段からは想像も付かない決意を秘めた眼差し。
 お金は大丈夫なの?と要らぬ心配をしてしまう。

 彼女たちがここに居た理由、それはタバサが新しい書物が欲しいからと
キュルケを荷物持ちに付き合わせたのだった。
 彼女のような貴族の興味を惹くものなら城下町ブルドンネ街のが品揃えが
良いと思われがちなのだが、決してそうではない。掘り出し物というのはどち
らかと言えばチクトンネの方が確率は高い。ましてや彼女の目的は書物であ
る。マジックアイテムの類がブルドンネに比べて少ない分、数多く取り揃えら
れているのだ。

 キュルケも普段世話になってるからと快く承諾し、サイトたちを見かけたの
は目的の物を購入した帰りであった。
 
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」

 既に店内で戦闘服を物色している親友の背を追いかけ、キュルケは自慢の
赤い髪をなびかせながら消えていった。




174 名前:ツンデレ王子:2008/08/26(火) 18:09:03 ID:j3CNem6E
今回は以上です

>>171ミスった
DじゃなくCでした



175 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 18:34:13 ID:Z/pbq+d8
>>167
GJ!
>>174
今日も投下ありがとうございます タバサ参戦で修羅場の予感ww
そのうちルイズとかも出てきて皿にグダグダになるのでしょうか

176 名前:(ぎ) ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/26(火) 20:15:00 ID:PLrS9ZtV
ぎふとです。……ポルノ好きですがサザンも好きです

>>174
キュル&タバ登場!大好きな二人なんで先がさらに楽しみに。
続きもがんばって下さい。それから丁寧なレスまで…感謝です。
かなり迷って投稿したのでほっとしました。
(GJ不要と書けなかった俺乙。ここの方が優しいの忘れてた…デモウレシイノ)

そういえば。「書きます」って言ってたあれとかこれとか
まーだーでーすーかー? すっかり待ちくたびれてまふ
心当たりのある方どうぞよろしくです

177 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 20:43:44 ID:8kJ8jJ75
日本人の歴史観は、過去のことは記録が残っていれば事実
中国人の歴史観は、真偽は別に兎も角利用
朝鮮人の歴史観は、歴史をコリエイト

178 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 20:44:36 ID:8kJ8jJ75
うわぁ・・・誤爆した・・・・orz
ちょっと吊ってくるわ・・・

179 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 22:36:46 ID:Kba5POG0
た、タバサまでせーらーふくですと!!??

>>176
ふつうに感想書くときはコテいらなくね?

180 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 22:51:09 ID:PLrS9ZtV
>>179
つけなくて良いのか!教えてくれてサンクス。いつも迷ってたんだ
おかげで口調も固いw …とりあえず今回はツンデレさんへの直レスってことで

181 名前:次女は小説家:2008/08/26(火) 23:45:52 ID:Wnj17t03
「はぁ、煮詰まりましたわ…」

ぽそりとヴァリエール家の次女、ちいねえさまことカトレアが呟いた。
才人がやって来てからは東方遠征だのなんだのと称してハルケギニア中の薬草やら何やらを発見しては
持ち帰りをしてを繰り返した為、それらの効能によってかカトレアの虚弱体質はみるみるうちに改善され
ていった。(それでも以前と比べて、ではあるが)今では一日中ベッドに伏せるという事は少なくなり、
外で姉妹達とお茶をする日も多くなっていた。そんなカトレアではあるが、体調も改善されてきた事だし
何か新しい事にチャレンジしようと気になった。生まれて此の方、貴族の出とはいえ世間的にみれば彼女
は穀潰しであった。仕事もせず、かといってペットとなる動物達は多い。ヴァリエール家程の家でなけれ
ばペット達の食費だけでかなりの費用がかかっているだろう。そんな状況を変えるべくカトレアはようや
く立ち上がった、せめてペット達の食費は自分で賄おう、と。

しかし、温室育ちのお嬢様にとってしてみれば何をしていいかわからなかった。
・屋敷のメイドを見習ってメイドの仕事をする…妹や姉やメイド達が血相を変えて反対された。
・魔法で畑とかを耕す…そこまで体力はついていない。
と色々考えた結果八方塞がりであった、ちなみに他には主人(才人)の身の回りの世話をするというのが
あったがそれをやると淑女協定に引っかかるのでやっていない、伊達にトライアングルクラスの魔法使い
がごろごろしているここで協定を破ると大変な事になる、冷戦的な意味合いで。

と考えるに考えて出した結果はずばり小説家、子供のころからベッドに篭りがちだったカトレアは本が友
達であった。イーヴァルディの勇者やブリミル関連の書籍はもちろん魔法の研究書、果てはメイドの午後や
バタフライ伯爵夫人の優雅な一日といったものまで。具体的に言うとマリコルヌあたりとどの作家が濃くて
エロイ文章が書けるのか、で一晩語り明かせるくらいカトレアは様々な本を読んできた。
という訳で私の生業はこれしかないわと小説家の道を志したのだが…結果としては今ハルケギニア中を騒
がせている人気作家の一人にまでなっていた。才人の故郷で伝わっている様なお話をこちらの人たちにウケル
ように独自のアレンジを加えたのが成功の秘訣である。中でも『はわわメイドファルチ』という意思を持った
ゴーレムの話はハルケギニアに散らばるその手が大好きな方々のハートを打ち抜き今では『ファルチ再現プロ
ジェクト』まで作られる程の勢いだ。そんな人気作家のカトレアの作家としての一面にはもう一つあり。
それはかの有名な『源氏物語』をこちら流にアレンジ、妾の息子であるがために王位継承できなかったゲンジー
の奔放な恋の様子を濃密な描写で書いたぶっちゃけ成人向け小説作家としての一面である。
こちらも人気作品であり、幼女を自分好みの女に育て上げるというアブノーマルすぎる貴族趣味と年上、年下
構わず喰ってしまうジゴロな主人公ゲンジーが受け。現在ではシリーズ化もされ大人気である。カトレア
自身も書いていて楽しかったのでついつい筆を進めてしまったのだが、ここにきてネタ切れ。冒頭のセリフ
へと繋がるのである

182 名前:次女は小説家:2008/08/26(火) 23:48:21 ID:Wnj17t03
「さすがにあのプレイやこんなプレイを出してしまうと、ガ・ガー・リンが私だとばれてしまうし」

ガ・ガー・リンとは成人向け小説を書いているときのカトレアのペンネームである、ちなみに才人達には
秘密だ。この作品を書いている上での性描写…主にプレイ時の描写は才人とその周りの嫁達のプレイを元
に書き上げている。もちろんばれない様に他の貴族もやっているであろう描写を選んで。

「ここはやはり女同士の絡み合い描写しかないわね」

膝に乗せていたイヌの様な動物(♂)の性器を弄び射精へと導くと、次のネタが浮かび始めカトレアの瞳に
創作意欲というなの炎が点火された。

しかし何故、カトレアが成人向けのジャンルに足を突っ込んでしまったかというと。あれはまだ幼かった頃、
夜皆が寝静まった日ふと尿意をもよおして目が覚めた時である。用を足そうとベッド下をまさぐってみたが
常備している尿瓶がない。普段体が弱く、トイレに行くのもままならないカトレアにとって常備してある尿瓶
がないのは致命的な状況である。さすがに世界地図を描くという選択肢を選ぶ訳にもいかない、世界地図を
描くのは末っ子のルイズだけで充分なのだから。なお、エレオノールもごくたまにだが世界地図を描いていたり
する(理由:夜中起きるも怖くてトイレにいけなかったから)。まぁ、その話は置いといて。
幸いにして、現在の体調はすこぶる良かった。カトレアはトイレに行く事を決意した、まぁそんなこんなで無事
用も足し終わり体調が悪くならないうちに自室に戻ろうとすると。

「あひゃぁっ!!」

両親の部屋からなんだか甲高い声が聞こえてきた。あら今のはお母様の声、一体どうしたのかしら、と。
両親の寝室をそっとドアの隙間から覗くとそこから見えたのは脚をM字になるよう両足首に両手首を拘束し目隠し
をされて裸の父に跨る裸の母の姿であった。

(っ!!)

この様子にカトレアはショックを抑え切れなかった。

(お、おしっこがでるところにお父様のが…た、食べられちゃっている…)

当時ろくな性知識を身につけていなかったカトレアにとってこの光景は衝撃的なものであった。


183 名前:次女は小説家:2008/08/26(火) 23:49:48 ID:Wnj17t03
「あ、あぁぁ、ぅぅぅ…奥にぃ…奥にあたってるぅぅぅっ」
「はっ、いい眺めだぞカリーヌ。くぅっ、相変わらずの締め付けだなお前のここは」
「あ、はぁぁぅぅうぅぅ」

両手を足首部分に固定されているため必然的にバランスがとりにくくなってしまう。その為、必然的に前のめりとなり
また重心も二人が繋がっている部分にかかるため、ヴァリエール公爵の肉棒はカリーヌの肉壷に根元までずっぽりとはまる。
細かく腰を動かすと「にちっ、にちっ」と肉を掻き回す音が響き、遠慮なくすでに三人の子を孕み育てた子宮をノックする。
その動きにカリーヌは既に何度も味わっている…いや、だからこそ悦楽の感覚に酔いしれるようにあられもない嬌声をあげる。

(ひぃ、な、なんなの…)

この異様な光景にカトレアは恐怖を覚えた。普段、凛々しい母の面影はそこにはなくあるのは一人の堕ちた女がいるのみ。
あれは本当にあの母なのだろうか?カトレアは戦々恐々とした。

「ほら、まだまだ終わらんぞ。そらっ」
「んんんっ!!」

ヴァリエール公爵は妻の両肩をがっしりと掴むと腰を大きく跳ねるように動かした。小刻みにカリーヌの子宮を小突いていた肉棒
はその勢いにのりカリーヌの子宮を叩く。

「ふん!ふん!ふん!」
「あぁっ!やぁ、そんな激しくしたら」
「ほら、ほら、ほら!そう言いながらお前も腰を動かしているじゃないか!」
(そんな…お母様があんな…玩具みたいにっ…!!)

公爵は右手をカリーヌの腰部まで下ろすとそのまま、腕と腰の力でカリーヌの体を上下に激しく揺さぶった。
するとカリーヌの体はまるで玩具であるかのように夫の体の上でバウンドするように跳ねた。

「あぅふっ、らめぇぇっ、そんなにしたら、膣(なか)がぁぁっ…!」
「あふっ!んぐっ、おぉ…そろそろ出すぞ、カリーヌっ!!」
「やぁ、これで出されたら赤ちゃんがぁっ…。また、あなたに孕ませられちゃうぅっ!!」
(あ、あぁぁっ…!!)

184 名前:次女は小説家:2008/08/26(火) 23:50:32 ID:Wnj17t03
まるで少女のような喘ぎ声をあげる淫らなカリーヌの姿にカトレアは知らず知らずの内に涙を流していた。

「ぉぉっ!!出るっ!」
「ぃゃぁっ!あ、熱いぃ…。ビュクッ、てぇ…。た、ねつ、けされて…る…」

快感に震えるカリーヌはそのまま力尽き後ろに倒れそうになった。すんでのところで上体を起こした公爵によって
そのまま抱きかかえられる。が、公爵はまだまだ物足りないらしく射精したばかりだというのにそのままカリーヌ
を抱きかかえたまま再び腰を動かし始めた。

「ぁぐ…、今、イッタばかりなのにぃっ…」

悲痛な声をあげるカリーヌを後ろにカトレアはよろよろしながらその場を後にした。

翌日、朝食の際に会ったカリーヌの姿は、昨日の夜であった淫らに乱れていた面影はみられずいつもどおりの凛々しい
母の姿だった。
「昨日のあの姿はなんだったんだろうか?」カトレアは少し疑問に思ったが、多分あれは夢に違いない。となんとか結論
付けることにした。なんかお股のあたりがむずむずするのを必死に否定しながら。

とはいえこれが、後の彼女の人生に影響を与えたには違いはなかった。必然と発情期を迎え盛るペット達の動向に目が
いったり、本も物語から恋物語、さらにはもっと濃く劣情的な恋物語を読むようになり。気づけばいらぬ性知識だけが
蓄えられていき、欲求の解消手段として小説を書くに至ったのであった。

「よし、書くわよ〜」

ガ・ガー・リン先生は今日も執筆活動に明け暮れている。

185 名前:アトピック ◆Xz18YlHQYY :2008/08/26(火) 23:54:39 ID:Wnj17t03
ゴジラのメーサーマーチメドレー聴いてたらいつのまに二時間近く立っていた件について。

それはともかくなんかカトレアさんは性に対して開放的がある気がしてならないのはここの
前のカトレアさん関係の作品を読んでしまった影響でしょうか。
自分のイメージじゃ嬉々としてルイズやタバサあたりを襲っていたしているんですが。

186 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 23:56:16 ID:Kba5POG0
列Mのカリン様ワロスwww

187 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 00:46:27 ID:z18OKxOJ
GJ!確かにカトレアは小説家なイメージだなぁ
ペットに去勢は施してないんだろうか。恐ろしい勢いで増えそうだ

188 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 00:52:53 ID:eKoyd1f5
>>185
GJ!
カリンママが先天性Mだとは…
目から鱗ですわいw

>膝に乗せていた〜
チィ姉さま、何やってんですか!ペットのアレまでいじるなんて…
仕舞いには獣姦しそうw
その前に是非お声をくだされw


189 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 01:48:10 ID:OpMIJIv/
>>185
カトレアさんダメすぐるww しかし稼いでいるからいいのか?
>膝に乗せていたイヌの様な動物(♂)の性器を弄び射精へと導くと
これはサイトじゃないのか? まあそれでも何やってんだとなるがww
そういやアトピック氏のSSのエレオノールやルイズもベットの中では
Mっぽいのでこれは母の血筋なんだろうww 普段がSなのも同じだし
両親が犯っている所をみればそれに興味がわくのも当然だよなあ
と言ってみる GJ!

190 名前:ツンデレ王子:2008/08/27(水) 01:58:47 ID:eKoyd1f5
今宜しいですか?
リクエストにお応えして(?)ワルフケ
しかし、エロではなくシリアスに決めてみましたw
レス数2


191 名前:出会い:2008/08/27(水) 01:59:40 ID:eKoyd1f5
 人の少ない酒場。
 カウンターに腰掛け、女が独りちびちびと酒を飲んでいる。
 と、そこに一人の男がやって来た。彼女の隣に腰掛ける。

(ったく、これだけ空いてるんだから他所行きなさいよね)

 そう思いはしたものの、どこに席取るかは自由である。
 女はその無粋な男を見ようともせず、グラスを傾けた。

「一杯奢らせては貰えませんか?」
(何コイツ、ナンパ?)

 うんざりとしたものの表には出さす、また男を見もしないで女は答えた。

「じゃあ、一杯だけ頂くわ」

 そう言うと、先程まで飲んでいたものより若干高めの酒を注文する。
 男も彼女と同じものを注文し、乾杯も言わずに口を付けた。

「……」
「……」
(何よコイツ、ナンパならナンパらしく気の利いた事言えないの?)

 しばし無言の刻が流れる。
 痺れを切らして先に口火を切ったのは女の方だった。

「何なの貴方」
「いえ、こんな所にレディが独り、珍しいと思いましてね」

 確かに、周りを見渡してもごつい男だらけである。
 女はここにきて初めて男を見て口を開いた。

(まあまあ良い男じゃない)
「ふーん、ナイト気取りって訳?」
「ええ、それに来る時に小雨がぱらついてましたのでね。
 どうせ今出ても雨ですから」  

 男はニコリと微笑むと、酒を飲み干して新たに注文する。
 釣られて笑みを漏らしそうになり、女は慌てて正面に向き直った。



192 名前:出会い:2008/08/27(水) 02:00:25 ID:eKoyd1f5
「そ。じゃぁ私は雨がやむまでこうしてるから、どうぞお構いなく」

 女はピシャリと言い切ると、自分のグラスを傾ける。
 軽くあしらわれ激怒するかと思いきや――

「それじゃ、朝までお付き合いしますよ」

 男は何ら表情を変える事無く言い放つと、同じく正面を向いてちびちびとや
りだした。

「貴方も物好きね。まぁいいわ、ご勝手に」

 女は今度こそ笑みを浮かべると、男とグラスを合わせたのだった。


 チェルノボーグの牢獄から仮面の男の手引きにより脱走した、土くれのフー
ケことマチルダ・オブ・サウスゴーダ。
 この日に会った相手が逃走の手引きをした者だとは知る由も無く、ただ時
間が流れるのを待っていた。

 朝が来て別れるまで、お互いの名も知らぬままに――




END

193 名前:ツンデレ王子:2008/08/27(水) 02:01:53 ID:eKoyd1f5
以上

カラオケのデュエット曲『居酒屋』
風呂入ってる時に思い出して、それをそのまま当てはめてみましたw



194 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 03:49:48 ID:584KFMX0
>>176
がんばる。
まけない。
くじけない。

195 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 11:21:55 ID:Nse78v90
職人方みんなグッジョブ。
>>180
いちいちつけなくてもいいというより、安全のため投下するとき以外はつけないほうがいい。
コテの使い方には注意が必要。本スレでの度をこした馴れ合いととられるとアンチが湧く。
SS投下以外のすべての時点では基本、名無しにもどっとくのが無難。

196 名前:ツンデレ王子:2008/08/27(水) 20:44:21 ID:MCmZeCuH
今誰もいなさそうなので、投下しますね

青春時代のD(今度こそDです^^;)
レス数3



197 名前:青春時代D:2008/08/27(水) 20:45:21 ID:MCmZeCuH
 空が赤く染まり二つの月がおぼろげに姿を表した頃、街の喧騒に背を向け
て馬車へと歩いていた。
 そこへ、一台の馬車がとてつもない勢い良く駆けて来る。
 停まる気配は無い。

「危ねえ!」

 もう少しで轢かれそうになったアンリエッタを抱き寄せて庇うが、バランスを
崩して倒れてしまう。そのまま傍らの草むらへ転がり込み、木に激しくぶつか
ってしまった。
 やはり心配で隠れて見守っていたのだろう、アニエスとマザリーニが彼等に
駆け寄って様子を見る。大きな怪我は無い様だが、打ち所が悪かったのか気
を失ってる様である。
 下になっていたサイトの身体からアンリエッタの身体を引き離すと、アニエス
はパンパンと往復で彼の頬を叩いた。

「大丈夫かサイト、しっかりしろ」
「陛下、お怪我は御座いませんか」

 マザリーニもアンリエッタの身体を揺さぶり声を掛ける。

「ちょっとアニエス、痛いです」
「ってぇ…危ねぇな、あの馬車!ちゃんと見ろっての」

 それほど時間を置かず、2人は目を覚ました。
 先ずはサイトが気付き、頬を叩いたアニエスに不満を漏らす。
 次いでアンリエッタが、後頭部を押さえながら立ち上がった。

「サイト?」
「陛下?」

 枢機卿と銃士隊隊長は、きょとんとして2人を見詰める。
 その視線に違和感を感じたのか、お互いに顔を見合わせ――

「サイト殿!」
「ひ、姫さま!」

 お互いの顔を指差して仰天の声を上げるのだった。




198 名前:青春時代D:2008/08/27(水) 20:46:11 ID:MCmZeCuH

 王宮へと帰る馬車の中、サイトは呆然としていた。

(何でこんな事に…)

 先程の暴走馬車を避けたまでは良かった。
 ところがその際、頭をぶつけた拍子に互いの頭もゴッツンコしてしまい……
どうやらそれが原因となりサイトとアンリエッタの精神が入れ替わってしまった
らしい。

「シュヴァリエ、この事は内密にな」

 マザリーニは真剣な顔でサイトの目を見て言い含めようとするが、どうも上手
くいかない。それもそのはず、何と言っても見た目はアンリエッタなのだから。
 マザリーニとアニエスは初め狐につままれたようになっていたが、アンリエッ
タの口から発せられる言葉はサイトのものであり、サイトの口調もアンリエッタ
のものであった為に納得せざるを得なかったのだ。
 しかし、これは彼等の事を良く知る枢機卿と銃士隊隊長だからこそである。
よって王宮内でもこの事に対しては機密扱いとなり、サイトが学院に戻る事も
許されなかった。

「あの、マザリーニさん。俺は一体どうすれば…」
「暫くは王宮に居てもらう」
「それは良いんですけど、俺ルイズに黙って出てきてるし、それに姫さまの
 仕事とかは…」
「勿論ミス・ヴァリエールにも話してはならぬ。例え彼女が陛下の女官であると
 は言え、余計な混乱を招きかねんからな。執務については後ほど言い渡す」
「はあ…」

 力無く頷き溜息を漏らすサイト。

(ルイズ、心配してるだろうな)





199 名前:青春時代D:2008/08/27(水) 20:47:00 ID:MCmZeCuH
 馬車の中でその様な会話がなされている時、アンリエッタはサイトが乗って
来た馬に乗り彼等の後を走っていた。例え変装しているとは言え、女王を単
身馬に乗せれるはずも無い。
 また世間体というものが有るのだ。例え中身が違うとは言え。
 マザリーニは仕方無しに、そうアンリエッタに伝えた。
 ところが、これは彼女にとってみては願ってもないチャンスであった。
 自分の立場を理解しているとは言え、彼女とてサイトと同い年。冒険に憧れ
もすれば、学校に通い友人に囲まれる生活に夢を見るのも当然の事なのだ。
 幼少の頃より多くのことを叩き込まれ、単独で馬に乗る事くらいわけは無い。
 だが、学校となればそうは言ってはいられない。出来ることなら、このまま
入れ替わって学院生活を送ってみたいと思いはする物の、やはり混乱を招く
であろう事は容易に想像が付いたからだ。

(サイト殿、ご迷惑をお掛けします)

 馬車へと顔を向け沈痛な面持ちで視線を投げるも、どうしても頬が緩んでし
まうのを押さえ切れていない。
 彼女にはもう一つ、嬉しい理由が有った。
 それは、サイトと生活を共に出来る事。
 シュヴァリエの爵位を与え、近衛隊服隊長の立場を与えたものの、やはりサ
イトはルイズの使い魔。任務が終わると学院の彼女の下へと帰って行くし、
任務が無いときには自分の下へ来る事も無い。
 とんだアクシデントではあるが、お陰で暫くはサイトと一緒である。ルイズに
は悪いが、ここはこの降って湧いた幸運に感謝しよう。心の中で始祖ブリミル
に祈りを捧げながら、アンリエッタはそんな風に考えていた。

 そんな2人の心のうちを知ってか知らずか、二つの月は輝きを増して行くの
だった。





200 名前:ツンデレ王子:2008/08/27(水) 20:51:45 ID:MCmZeCuH
今回は以上です

ここで皆さんに質問
このまま書き進める予定ですが、理解というか想像できます?
入れ替わりをネタにしてるので、
記述方法をこうした方が読みやすい とか
このままの方が読みやすい     とかあれば
ご意見下さい

参考にしたい
(記述の都合上、聞かせてもらっても変わらない可能性もありますが^^;)




201 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 20:54:10 ID:ElDen0TG
サイト編 アンリエッタ編 に分けてくれるとうれしいです!

202 名前:ツンデレ王子:2008/08/27(水) 21:00:18 ID:MCmZeCuH
うわっ恥ずかしい…誤字発見><

>>199
>シュヴァリエの爵位を与え、近衛隊服隊長の立場を与えたものの〜
○副隊長
×服隊長

失礼しました><


203 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 22:02:24 ID:OpMIJIv/
>>202
お約束な展開になってまいりました タバサ乱入、ルイズも騒ぐだろし
修羅場な予感ww GJ!

204 名前:ボルボX:2008/08/28(木) 22:01:53 ID:Q4M5uOTn
ツンデレさんの復活がうれしいです。アンリエッタ党なので。

「意見もとむ」とあるので差し出がましいことを言わせてもらえば、視点人物入れ替えのときに行間を空けるのではなく、
「■」などの記号や人物名で区切ってみるのはどうでしょうか。
一例をあげれば、アンリエッタ視点のパートの始めには「■アンリエッタ」、才人視点パートの始めに「■才人」と入れてみたりと。
熟慮した意見というわけではないので、むろん聞き流してくれてかまいません。

投下します。

205 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:03:33 ID:Q4M5uOTn
○後編1の続きです。

 雲さえ黒々として、庭の木々も夢にひたる真夜中。
 窓からの夜風がベッドに届き、枕辺の花瓶にただ一本挿されたレモンの枝をなぶった。その白い花びらがともしびに透けている。

 細工物の花のほうは、まだ少女の耳たぶできらめいている。ベビードールを完全にはぎとられた後では、身に着けているのはその装身具だけとなっていた。
 夜露をふくむかと思うほど濡れた声が、寝室の天井や壁に溶けこむように流れていくあいだ、その耳飾りは哀しくちゃらちゃらと揺れていた。

 ツリガネソウ型のランプが灯る、影朦朧とした夏の夜。淫蕩なたわむれがいつ終わるともなく続いていた。
 背徳的なほどに濃い室内の夜気が、荒くも甘い息づかいに満たされている。
 ベッドにうつぶせた少女が、呼吸のたびに肉の薄い背を上下させた。熾烈な快楽の余韻に耐えるように、大きなクッションをぎゅうと抱きしめている。

「はあっ、はあっ……ぁあ……っ……」

 アンリエッタは抱いたクッションで豊かな乳房をつぶすように、上体をべったり伏せていた。
 シーツについた両ひざは間隔広めに開かれている。華奢な背が流麗なラインを描いて反り、くびれた腰が弓なりに上がっている。美麗かつエロティックな尻が妖惑するようにかかげられて、二つの桃丘をヒクヒクさせていた。
 汗まみれで痙攣する女体は、茹でられて湯気をたてる海老のように紅潮していた。

 彼女はつぶれかけた四つんばいで、長々と才人に後ろから貫かれていたのである。

 どんな男でも目をそらせないような濃艶な獣の姿勢をとったまま、濡れた裸身をぴくぴくと引きつらせ、涙とよだれと悩乱しきった声をこぼす。
 たったいま四回目の射精を終えた才人の肉棒が、胎内でまだ脈打っている。
 つい今しがたまでさんざん蜜壺を突き上げられ、子宮周辺をこねまわされ、ひっきりなしに絶頂の叫びをあげさせられていたのである。
 一片の余裕も残っていない泣きとろけた顔で、アンリエッタは怨じた。

「……ひぃ……はぁっ……ほん、ほんとうに、やすませてくれないなんてぇ……
 ……はふぅぅっ……、はぁ……、はっ……気を、うしなってたのよ……それなのにぃ……」

「ああ、最近ははやばやと気絶するのは珍しかったから驚きましたよ。
 でも俺、あのときまだ二発しか出してなかったから我慢しきれなくってさ。何日も溜めてたんだし」

「ううっ……ひどいぃ……」

 途中で完全に失神したのに、その後もほんの少しも容赦してもらえなかったのは、今夜が初めてだった。
 いつ目が覚めたのかさえあやふやだった。
 濃い肉悦の狂想曲が、頭の中に響きわたっていたのである。無意識との切れ目がまったく定かではなく、たった数分前の明瞭な記憶さえないのだ。
 何度「イク」と言ったのかなどとうにわからなくなっている。

 ただ、意識の戻らないうちからベッドで貫かれ、果てしもないほどの長時間責めあげられていたことだけが確かである。
 幾度も達し、今の今まで火照った叫びを上げつづけていたのだった。


206 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:04:06 ID:Q4M5uOTn

 それだというのに、才人が肉棒を抜きもせず後ろで言った。

「俺も今夜はなんだか、不思議なくらいすごく昂ぶってるみてえ。四発出したのにまだしたくてたまらねえや。
 姫さまは? いま何回目ですか?」

「はーっ、はふーっ、ひふぅっ……ふぇ……?
 にゃんかい……?」

「イった回数ですよ。何回か、って聞いてるんだけど」

「ふゃぁ……あの……あの、かぞえて、おりませぬ……」

「……やる気あんの?」

 才人が腰を突き上げた。
 まだ硬度をそれほど失っていない男根で、精液をつめこまれた子宮を叩かれ、少女の尻がはねる。

「やあああッ」

「注意したじゃないですか、自分だけ勝手にイきすぎだって。
 これからは公平に同じ数だけ俺をイかせられるようになるよう、がんばって直せって言っただろ?
 それがなんだよ、自分のイった回数を数えもしないで、発情期のエロ猫みたいに声とろかしてみゅうみゅう鳴いてるだけじゃねえかよ」

「あッ、あッ、もうしわけ、ぁン、んぅっ」

 トントンと奥を小突かれながら叱られ、上気してひくひくと肌を痙攣させる。
 犯されつづけた体とともに心も弱っていて、男に理不尽に責めなじられてもほとんど反抗できない。
 美しい裸身をよじって、なめらかな肌から被虐的な淫気を汗とともに噴き、懸命に甘声で謝罪しつづけるのだった。

 しばし虐められてから、ようやく肉棒がぬぽっと抜かれた。
 「ふゥん……ぅっ……」と鼻声を漏らしながら、アンリエッタは紅潮した肢体をゆるやかにくねらせた。シーツのしわがさらによじれ、波を作ってなまめかしい光景となる。
 少女は体の力をくったりと抜き、抱きついたクッションにぽふっと横顔を埋めた。まばゆいばかりの裸身が、腹ばいの犬のように完全にへたりこむ。
 艶然と瞳をほそめて余韻を噛みしめる彼女に、男の声がかけられた。

「そうだな、決めた。これそっちが返す『借金』だし、姫さまには自分自身を抵当に入れてもらおうかな。
 借りを返せるまで、つまり姫さまが余分にイった回数だけ俺をイカせられるまでは、この体は俺の『所有物』。わかりやすいだろ」

「……それ……返せなかったら、どうなるのですか……?」

「そりゃこの先ずっと、ベッドの上では奴隷みたいなものになってもらいましょうか。えっちの。
 やってる時は俺の言うことは何でもしてもらうし、いろいろ恥ずかしいことをさせてあげます。うれしいだろ?」

「いや……いやです、そんなの、うれしくなんてないわ……んぅぅ……んっ……」

 アンリエッタは弱々しくシーツに頬をすりつけるように首を振った。


207 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:04:41 ID:Q4M5uOTn

「それに…………か、返せませぬ……見ていたならわかるでしょうに……
 むりでございます……だって、お腹の奥……、どんどん敏感になって……
 ふあああっ!?」

 言葉の最後を悲鳴がいろどる。
 周縁部までべっとり白濁をあふれさせた蜜壺に、少年が指を二本そろえて差しこんできたのである。
 ぽかりと男の肉の形に開いたままだった膣口が、指を入れられた瞬間にキュッと収縮した。

 才人はただ指を二本そろえて入れただけではなく、脱がしたベビードールの布を指に巻きつけている。
 鳴き騒ぎだした少女の様子も意に介されることはなく、彼の指はグチュグチュと前後して精液を奥からかき出していく。

「たしかにどんどん敏感になってますね。
 布ごしでもわかるけど、やっぱりおま○この中、いつもと感触が変わってる……ここもここもこんなに充血して、ザラザラしてるとこやコリコリの部分がぷくんって腫れあがってる。
 道理で毎回、イかせるほど味がよくなるわけだ。ほんと男泣かせのおま○こだよな。
 でもこんな状態じゃ、姫さまのほうがもっと泣いちゃいそうだけど」

 女の肉体が長く興奮状態に置かれていたため、もともと感度がいいうえに少年に開発されてきた膣内のポイントは、充血しきって膣肉を狭くしていた。
 そんなところに薄く手触りなめらかなシルクとはいえ、布をまきつけた指を挿入されて、肉の具合をたしかめるように指でかきまわされ、こすられるのである。

「いやぁ! いやあっ」

 薄明かりの中で、牝尻が指から逃げようとヒュクヒュクよじりたてられた。

「濡れすぎてると感度が下がるとか言いますしね。
 ちょっと奥のほうまで拭き清めてますから……なんだよ、もう終わるからそんなに騒ぐなよ。
 このくらいでいっか」

 膣でかたく食い締めていた指を、いきなりすばやく布地ごと抜かれ、アンリエッタは失禁のようにまた潮を漏らしかける。
 短く叫びながら無意識に尻たぶごと括約筋をきゅっと閉じ、瞬間的な絶頂をどうにかこらえた。

 が、まさにその直後に才人がアンリエッタの腰をつかみ、尻におおいかぶさるようにして肉棒をヌルリと蜜壺に挿入してきた。
 悲惨なほどに反応が高まっていた胎内に、男根がゆっくり奥へと入ってくる。
 少女の奥歯がカチカチ鳴り、ぞわっと頭の中にまで鳥肌が立ったような感覚にとらわれる。

「ひいっ、ひいいいっ……は、入ってくるぅ……っ」

 アンリエッタがクッションをいっそうきつく抱きしめると同時に、彼女の肉の壺が、男を迎えて勝手に動き出す。
 ねっとりとろけた膣粘膜が、吸い付くように肉棒をしゃぶりたてる。わなないてしめつける。腫れてしこった部分からコリコリした感触を伝える。奥に引き込もうと動く。
 肉棒が根元まで埋まり、子宮をぐちゅ……と押し上げられたとき、アンリエッタは見開いた目を白黒させた。

「ひ……ぁ、あわぁぁ……?」

 可憐な舌が宙に突きでて震えた。
 熟しすぎていた性感が、さっきよりさらに一回り肥大していた。自分の「牝」が奥の奥から震撼している。
 肉棒を受け入れただけの女の肉が、いまにも達してしまいそうだった。
 あふれすぎていた潤滑液をある程度ぬぐいさられた膣壁は、より鮮明に肉棒の形を意識するようになってしまっていたのである。


208 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:05:16 ID:Q4M5uOTn

 締め付けられて反応したらしく、蜜壺の深部でぐぐっと才人の亀頭がさらにふくらみ、張り出したカリが子宮口まわりの極上の性感帯を圧迫してきた。
 それだけで甘い痺れが脳髄から尾骨にはしり、アンリエッタは艶めく唄をこぼして、つながった尻をブルルッとわななかせてしまう。
 胎内を深く埋め尽くす肉棒に“帰ってきてくれましたのね”とばかりに女の肉が甘えすがる。
 ふっくら膨らんで濡れきった大陰唇さえ、キュムキュムと痙攣的に左右から寄せられて、柔らかい圧迫を肉棒の根元に与える。

 再びとろんとなった瞳から感極まった涙がこぼれた。

「……んうーっ、ぅぅぅ……っ」

 ほぐされていく体と心の奥ふかくに、危機感があった。
 遊びとはいえ肉の負債を背負わされて「奴隷のようなもの」とまで言われているのに、それに反発する意思がほとんど起きない。
 それどころか、充足感と安心感さえ湧き起こってしまう。ひれ伏したような形の四つんばいで背後から深々と貫かれながらである。
 才人も似たような心地らしく、彼が背後で漏らしたため息はしみじみと満足げだった。

「うはぁ……温かいおま○こ、ち○ぽに吸いついてくる。
 ぷにぷにした赤ちゃんの両手をハチミツでヌメらせて、それでキュッてにぎりこまれてるみたい。
 動くのがちょっと惜しいくらいだな」

「うごかな、うごかないでくださいましぃ、
 ああ、今は……んんっ、いや、それだって、そんな動きもだめっ」

 アンリエッタは肩甲骨を寄せるように肩をちぢめつつ、細い糸を長々と震わすような声で抗議した。
 子宮口のあたりを小刻みにノックされ、カリで奥の秘肉をくちょくちょと掻かれだしていた。
 ……これはどちらかといえば官能をゆっくり高めるための責めのはずなのに、もうこれだけで舌が艶かしくこぼれてしまう。
 耳たぶをついばむように口を寄せてきた才人のささやきが、背後から鼓膜をくすぐった。

「なんだよ、激しくはしてないだろ?
 もっかい最初からゆっくりおま○こを慣らして、姫さまの体の熱を冷まさないようにしてるんですよ。
 お乳も触っててあげます」

 乳肌に触れられ、ぞわんと悪寒に似た快美感が駆け上がる。
 双の乳房とそれが押し付けられているクッションの間に、少年が前にまわした手をさしこんできたのである。

 抱きついたクッションとの間で淫猥につぶれていた二つの肉房を、手のひら全体でむにゅりと握りこまれた。
 たわわな両乳を優しくあやすように揉まれ、女そのものの肉房が流動するようにたぷん、クニャリと形を変える。アンリエッタのあえぎがかすれた。

「む、むねもだめぇ、お乳はもうたっぷり触ったでは、あ、ぁぁぁ……」

 先ほどまでの抽送のとき、両乳を執拗に揉みこねられていたのだった。
 しかも、クリトリスに塗られた刺激クリームを乳首にまでたっぷり塗りこめられた上で、だった。
 けっきょく荒々しいほどの絶頂を味わいつづけながら、嬲られる牝としての被虐感をたっぷり刺激されて、乳房での性感も限界まで呼び起こされてしまっていたのである。


209 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:06:26 ID:Q4M5uOTn

「姫さまのおっぱいの表面プリプリに張ってるけど、芯はとろけそうなほどクニャクニャにやわらかくなってて……
 ちょっと揉みこめばこんなに指が沈む」

 そして今はそこを、嫌味なほどねちっこく愛撫されている。
 温まった胸脂肪を芯まで熱するように揉みほぐされ、生ぬるく性感を煮立たせられる。
 指紋の段差を感じられるくらいにゆっくりと、乳肌と乳輪の境界線を指の腹でなぞられる。

「くふゥん、いやぁ、そんな手つきで……あぅっ……」

 ときおりきつく握りこまれると、才人の十指の間からムチッと乳肉が淫猥にこぼれた。鼻声を漏らしながら、アンリエッタは細い背に汗の玉をさらに浮かべてしまう。

「べたって這ってないで、ちょっと胸を浮かせろよ。どうせ乳首むずむずして必死にクッションに押し付けてるんでしょう?」

「それはあなたが、お乳の先にまであんなものを塗りましたからずっとピリピリして……
 うあっ、や、いやあ、はげしくしないと言ったではっ」

 抽送をわずかに速められた。蜜壺から上ってくる甘い疼きが、じゅくじゅくと増していく。
 激しすぎる肉の悦びへの恐怖がわきおこり、性感を責めてくる脅しに屈さざるをえなくなる。

「ほんとうに卑怯っ、んんっ、もう……こ、これでよろしいでしょうか……」

 けっきょくアンリエッタはクッションに腕をまわしたまま肘をついて、上体を軽く浮かせた四つんばいとなる。
 すぐにたぷんたぷんと宙に柔らかく踊った双乳を、牝牛の搾乳のように乳首に向けて揉み搾られはじめる。

 限界まで充血した乳首が、ふもとの白丘を揉みたてられるたびに救いがたいほどヒクヒクうごめいた。
 けれどその乳首にまだ愛撫はほどこされない。
 男の手は乳輪のふもとまでさんざんに嬲ってきているのに、もっとも敏感なピンク色の肉粒は意図的に避けているようだった。

 乳腺が開いてしまいそうな切ない官能だった。

「ここに来てから、おっぱいまた大きくなったんじゃないですか? えっちなことばっかしてるからかな。
 むっちり重く育っちゃったこのやらしいおっぱい、手で搾られるのがたまんねえんだろ?
 言い訳したらだめですよ……いじめられるのが好きな体だから、強めのこね方でもあんなに悦べるんですよね」

 言葉での嬲りに、心がぞくりとうずいた。
 扇情的に瞳をまたたかせつつも、抗議しようとアンリエッタが肩越しにふりむいたとき、唐突に両乳首に責めがうつってきた。

「ひっ、ひうううぅっ、そこっ、そんなふうにしないでぇっ!」

 乳輪からクニュゥとつままれて、勃起している乳首をさらに内部からヒクンと押し出すようにされ、それからあらためてつまみしごくようにピンクの勃起を嬲られはじめた。
 乳房を揉みたてられて味わうのが温熱の心地よさなら、乳首は電流の発生装置だった。
 胸の双丘からゆったり全身に拡散していた快感が、乳首をいじり始められたとたんたちまち凝縮し、流れも速まって五体をかけめぐる。


210 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:06:58 ID:Q4M5uOTn

 才人が顔を重ねてきた。唇を奪われて唾液を流しこまれる。

「あむゅ、ン……」

 黙らされた少女は儚く鼻を鳴らし、男の唾液を従順にコクコク飲みくだした。
 しこったピンク色の乳頭を、コリュコリュと甘痛く揉みしごかれて細肩をわななかせながら、ぷるんとした感触の美麗な唇を男にしゃぶられていく。
 親指と中指でキツめに乳首の腹をつまみつぶされつつ、先端を人さし指の爪先でカリッと掻かれたとき、アンリエッタは口づけのなかでくぐもった艶声をもらして達した。

「んむうぅぅっ――!」

 少女は乳先から走った軽い絶頂に息をあえがせ、四つんばいの体をわななかせる。
 唇をほんの少しだけ離した才人の声が、水面の波紋のように脳裏に響いてきた。

「ちょっとほっといた乳首いじっただけで、やっぱりあっけなくイきましたね。
 でもまだこれからですよ」

 アンリエッタに対しそうささやきながら、才人は手で乳房を搾り、腰を継続的に動かして蜜壺を追いこみ、貫いた女体をコントロールしていくのだった。

…………………………
………………
……

 肉を責められる。
 激しくはされないが、それは救いにはならなかった。

 温かく上気して桜色になった柔艶な肉房をムニュムニュとたっぷり揉みしだかれ、乳肌をさすられ、乳首を指で弾かれて、恨めしげな蕩け顔で才人を見つめながら腰をくなくな揺らす。
 最後には乳首を延々とこすりつぶされて、体をS字状にくねらせて達してしまう。
 おまけに偏執的なほど、子宮口周辺を小刻みにトントン小突かれつづけている。
 男の肉のごく微妙な律動を、一定の速度で、後背位で受けていく。

 ……すぐに、幾度も小さく達するような状態に戻された。それでも薄く官能を与えられる。
 濡れたあえぎをこぼして、四つんばいのまま小刻みな官能に耐えていく。

 …………途中で、ぷちゅっと一条の潮を漏らした。
 このころには、瞳も唇もゆるんだ状態から戻らず、思考がかすみがかっていた。

 ……………………長く長く、甘ったるく犯される。

 ベッドに伏せた女体は、覆いかぶさってくる少年の下で悶えつづけていた。
 肌は甘汗に濡れて、生まれたての動物の赤子のように、卑猥にぬらぬらと光っている。
 薔薇色に染まった少女の体は男の四肢の内側にすっぽり囚われ、嬲られる快楽のため淫らにくねり、ときおり痙攣ぎみに震える。
 肉情をこめた呼吸がはっ、はっとこぼれる。やや荒く、湿った熱い吐息をつむいでいた。


211 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:08:09 ID:Q4M5uOTn

「……お乳が溶けてしまううっ、切ないからもうやめてくださいましぃ! くぅっ、んっ」

「はー……おっぱい、やーらかくてほかほか……
 かまやしねえって、またお乳イキしちまえよ」

 重みたっぷりの汗ばんだ乳房は、色づいて張り詰めるほどに手で愛されつづけていた。
 両乳の横に手のひらをあてられ、谷間を埋めるように寄せて圧迫される。
 きめの細かい乳肌が、汗に濡れてぬめらかな感触となっていた。その乳房の根元をくびるようにつかまれ、先端へ向けて何度もニュコニュコとしごかれる。
 美麗な乳丘をほぐすようにマッサージされるたび、出るはずのない母乳が出てしまいそうなほど、柔肉が内部の乳腺からうずいていく。

「やああぁ、こんな、ううっ、くる、こらえられないぃっ……!」

 過敏になった膣壁が、少女の体を狂わせていた。
 張り出したカリで柔ひだを押し分け、掻き戻されるたびに、痴呆になりそうな快美感がかけめぐる。
 乳肉への責めと重なって、軽い絶頂がもう何度おとずれたことだろう。

「おま○この奥のほう、ち○ぽで掻かれるのがすっかりお気に入りですね。
 でもあんまりお尻振ってたら、今度もすぐ自爆しちゃいますよ。ああ、それでいまイクとこか」

 言いながら指を伸ばした才人に、つつぅと背筋を尾骨の上までなぞられて、裸の美尻をヒコッとはねあげる。

「ふぅぅっ、イク、ぅぅん、ぁぁぁっ、ぁーっ……
 やぁ、腰がとまらないぃ……!」

 乳房と蜜壺から流れこんでからみあう甘悦に、アンリエッタの下半身は完全に恥を忘れきっていた。別の生き物のように腰がうねり、尻をゆるゆる左右に振ってしまうのだ。
 彼女は、優しい責めは場合によっては激しく突かれるより怖い、ということを肉に教えこまされてしまっていた。
 こんなふうに、自分の体の狂いようをあらわにしてしまうことが度々あるのだから。

「姫さまはそうやって恥ずかしくお尻ふりながら、がんばって俺をイかせてちょっとでも『借金』返そうとしていればいいんですよ。
 でももう返すのは手遅れかな。ずーっとこねてただけで、胸もすっかり敏感になっちゃってさ。
 もう先っちょの感度なんて、下のほうのお豆ほどじゃないけどそれに近くなってねえ?」

 のどと背をそらして強調するように突き出された乳房を、背後からつかまれる。
 豊かな乳肉を手のひら全体でねっとりこねまわされて「やぁ……あっ……あっ」とアンリエッタはうめく。

「腰っ……動かすのはっ、おなかの奥トントンするのをとめてっ……お乳からも手を離してえ……っ」

 浅い絶頂だったが、――こんどは、甘美な余韻が下降してくれない。
 才人がそのつもりで責めを継続させていることもあるが、惜しみなく長時間をかけて感度を引き上げられていることが大きかった。
 射精するほど長持ちするようになる男と真逆に、アンリエッタの肉体は続けるほど快楽神経がどんどん目覚めていくのである。
 もとより、ひとつひとつの要素はけっして嫌などではないのだ。背にのしかかってくる重みにも、鼻腔に届く少年の匂いにも、肌と肌とがすりあわされる感触にも、アンリエッタの体は好ましげな反応を返す。


212 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:09:13 ID:Q4M5uOTn

「ほらよ……乳首好きだろ?」

「あっ、ひいいっ、ちくびだめっ、ちくびぃっ」

「ほらな。乳首クリクリ可愛がるたびにおま○こにダイレクトに震えがきてますよ」

「ばかっ、ばかあっ、あくっ、ゃうんんんっ!」

 脳が蒸発しそうになっているのに、快楽装置になった豊かな乳球の先端をつねられた。
 濡れそぼつ少女から淫艶な香気が立ちのぼり、室内に充満していく。
 それは妖しくくゆり、壁や天井に結露して部屋をしとしと濡らしていくかと思えるほどだった。

「やすませてっ、ものごとには限度が、うううっ、もうサイト殿などっ、ひいんっ、あぁっ、
 いや、おちちが、ちくびばかりはだめええっ、ああ、あ、胸で狂ってしまうっ」

「そう何度も休ませたりしませんよ。最初はアンのほうから誘ったんだから、途中で降りたりなんて許すわけねーだろ」

 そう言う才人は腰を小刻みに使いつつ、乳肉を揉みしだき、乳首をしごいて少女をぐちゃぐちゃに追い込んでゆく。
 そうしながらも、少年自身も射精欲求を懸命にこらえる表情になっている。
 才人は忍耐の汗を流しながら笑った。

「今夜はとことんしてやるからな。どれだけ泣いて子供に戻っちゃったって、勘弁したりは……」

 少年の言葉の途中で、アンリエッタの尻がビクンとはねあがった。
 クッションを抱きしめ、上体を這わせて高々と桃尻をかかげた姿勢で、若い牝が硬直する。
 雄の精を子宮に受けて、子を孕むためにもっとも適切な体勢。

「あああ――イクうううぅぅっ!」

「っ、うわ、くー……強めにイっちゃったんですね、いきなりお尻上げておま○こ絞って……すげ、おま○このお肉がブルブルしながら入り口から奥へ向けて順繰りに締まっていく……
 っふー、あ、危なかっ……ってうわぁ、無理っ、こ、これすげえ、っく、今度は奥からぞわぞわってして俺のをおしゃぶりしてくるっ、
 姫さまどんどん味よくなりすぎてる、こっちが我慢できねえっ、激しく動かせてもらうからなっ」

 非道な通告とともに、才人は身をおこしてアンリエッタの腰のくびれをがっちりつかんだ。
 すぐには突かず、少年は腰をいったん引き、肉棒を半ばまで引き出してためを作る。

 さきほど突入した激しい絶頂にひたらされて総身をブルブルとおののかせながら、アンリエッタが怯えた声をあげた。


213 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:10:10 ID:Q4M5uOTn

「まって、はげしくするなど、せ、せめて終わっひぇからぁっっ!」

「いいや、そっちがイキ終わるまでなんて待ってられませんよっ」

 精液を流し込まれる姿勢をとったその尻が、いっそう濃艶に紅潮し、なめらかな二つの球面にぶわっと熱い汗を噴かせて、灼熱の快楽にビクビク悶えている。
 アンリエッタの肉体は、絶頂のため無意識に緊縮と弛緩をくりかえしていた。きゅっと力がいれられて双の尻房が寄り、次の瞬間にはほどけるように力が抜け、どこまでも柔媚な牝尻になる。
 その弛緩した瞬間を狙って才人の腰が突き上げられた。肉棒が蜜壺に根元までめりこみ、ぐちゃっと深く子宮まで衝撃を叩きこむ。
 柔艶な尻たぶの表面が、男の下腹と激しくぶつかってぱちゅんと波立った。

「いやっ、いやっ、いやああああッ!」

 アンリエッタは目を白黒させて鳥肌を立て、淫叫した。
 絶頂の波のなか、鐘を突くように子宮を叩かれて、重ねて達してしまったのだった。

 さらにグチュグチュと奥を叩かれる。肉が蕩けながらもプリプリに充血して過敏になった膣壁を、苛烈にカリでこすりあげられる。
 灯火に照らされて薔薇色に照り輝く桃尻をかかえこまれ、背後から雄に力強く犯される。
 猛る雄の本能をぶつけられ、ぐちゃぐちゃに嬲られる女の肉が哀しいほどに反応して、受け身の快楽を脳に無理やりたたきこんでくる。

 アンリエッタの絶頂の悲鳴がよじれる。達し続けて過敏になっていく蜜壺を、どこまでも追い込まれていた。
 そして絶頂にとろけた蜜壺はさらに雄を悦ばせる性能を高め、優しくも熱情的に肉棒を絞ってしまう。
 それが連鎖的に男の反応を呼び起こし、わが身にまたもや何倍にもなって返ってくるのだった。
 にゅるにゅるに蕩けた秘肉といっしょに、頭の中までかき混ぜられているようだった。

「とまって、とまっ、これ、これいじょうはっ、
 あああ、頭のなかが焼けてしまう、焦げるぅっ、ああああああっ!!」

 貪婪に女をむさぼる雄の動きに翻弄され、溺れるほどの肉悦のなかでアンリエッタは悲痛に鳴き狂った。
 徹底して、男の性欲処理のために存在する極上品の肉穴として扱われる。
 それでいながらも、なまめかしくくねり悶えるその裸体は、少年から情欲と賛美の念をあらたに引き出しつづける。
 這ったまま達する一回ごとに、牝としての至純の美を極めていくのだった。

 アンリエッタの尻に手をかけて双丘をそれぞれ爪をたてるようにわしづかみ、美尻を揺さぶりたてて突き上げながら才人がうなった。

「くううっ、俺もっ……!」

 亀頭が子宮口にめりこみ、びゅくんっ、びゅくんと精液をぶちまける。その瞬間、少女の声がほぼ消えた。

「こふっ……
 ぁっ……? っ……っ……ぁっ……」


214 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:11:48 ID:Q4M5uOTn

 ビュルビュルとほとばしる精液の熱さ濃さを、まるで頭の中に直接注がれているのかと思うほど、深い絶頂とともに脳裏にすりこまれている。
 だというのに、最初アンリエッタは叫べなかった。限界まで呼吸を吐ききり、吸うことを忘れて顔を真っ赤にしていた。
 射精された瞬間に大量の唾液をふきこぼした唇は、ぽかんと開きっぱなしになっていた。
 ドクドク注がれて、射精のリズムに肉が感応しているのに叫び声を出せない。

「ぁっ……へぁ……ぅぅっ……」

 硬直の続いているその状態も、時間にすればほんのつかの間のことだった。

「射精されて深イキしちゃってるんだ? ちゃんと声を出せよ」

 ――パチィン、と音がした。才人の平手を振り下ろされ、かかげた桃尻にくっきりと赤い手形をつけられたのだった。

 その奴隷を扱うような屈辱的な一撃がきっかけになってしまった。
 スパンキングの痛みに乗せられたように、アンリエッタの五体にわななきが波となって伝わった。
 子宮に注がれる熱とリズムが、脳裏でグチュリと粘着質にからみあって結びつく。そして急激に爆発した。

「ゃ…………いや……あっ、
 ぁぁあ、あああぁあああああああああああぁああっ!!!」

 才人の腰がぐぐっといっそう桃尻に密着し、射精する男の肉が蜜壺を深くうがった。
 魂を消費しているかとおもうほどの叫び声を発したアンリエッタを、少年は精液を放出している肉棒でなおも責め立てる。

 円運動に才人の腰の動きが変わる。アンリエッタの子宮口まで貫く肉棒をすりこぎのように回して、卑猥に∞の字をえがき、亀頭で精液をすりこむようにねっとり蜜壺をこねまわしていく。
 絶頂したばかりの少女の熱い膣肉が、くわえさせられた男の肉を美味しそうににゅぐにゅぐとねぶりたてた。
 肉体の嬉しそうな反応とは裏腹に、少女の悲鳴が弾ける。

「ああぁああああっ、……とめなさっ、……ばかぁっ……いく、イクイクうっ、ああぁぁっ、ああああぁ……っ!!
 やめへぇ、イくぅ、さっきからイっておりまふっ、びゅくびゅくしながら奥ぐりぐりしないでぇっ、
 そんらことされたらイくのがまた終わらないれしょうっ、それがわからないのっ!」

「じゃ、そのまんまずっと終わらなくなっちまえ。ほら、またこうしてしっかり行き止まりまで入れて、隠れた弱いとこをもっとち○ぽで掻いてやる。
 子宮で大好きな精液もっと飲めよ、こってりごちそうしてやってるだろっ」

 才人は腰のくびれをつかみ、美しくぷるんと実った尻をぐいっと引きよせた。高貴な生まれで純粋培養された若い牝の肉壺を、執拗に犯しぬく。

「ふぐっ、ひっ、イク、あぅ、やめなひゃい、やめてくださいっ、
 あん、ふぁあああぁぁあっ、あーっ、おねがいいっ、やすませてぇっ」

 シーツに横顔を押し付けるアンリエッタの泣きゆがんだ麗貌から、よだれと熱い涙がこぼれ、支離滅裂に言葉が乱れる。
 精神の上の層がはがされて数年ほど幼くなり、我の強い一面が出ていた。けれどその精いっぱいの強がりも、懇願にすぐ変わる。


215 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:12:25 ID:Q4M5uOTn

 絶頂のなかでもトプトプ子宮に精液を注入されて、本能的な牝の幸福感を味わわされながら、アンリエッタは体を灼熱させられていた。
 精を女の芯に受けるたびに、前の射精のときより肉悦が純度と濃度を高めてはねあがっていくのだった。美貌を真っ赤に火照らせて泣き叫びつづける。
 温められてほかほかと湯気をたてるバターのように、官能の熱で女体が溶かされていく。

 背後から、才人が低い声で言った。

「もうちょっとこのまんまグリグリしててあげますよ。
 それが終わったらまたおま○こ綺麗にフキフキしてから……そうだな、今度は座って前から抱っこしながらしてあげますよ。
 気はしっかり張っとけよ、こんど気絶したらお仕置きにしますからね」

…………………………
………………
……

 たおやかな一輪の百合が、夜のなかにかぐわしく咲いている。
 アンリエッタはあお向けになって体を二つ折りにされていた。
 M字に開脚して後ろにころんとひっくり返った格好。頭より尻の位置がずっと高い。

 蕩け泣きの表情で、耳たぶに真っ赤に血の色を透かし、男に強烈に欲情をもよおさせる声をあげていた。

「あひ……やン……やぁっ……
 いやあ……こんな格好っ、こんな格好で……おしりを、たたかないでくださいまし……んんン……っ」

 頭のほうに折りまげた脚は、自分でかかえこまされている。
 腰の下にはクッションが押し込められ、桃尻の位置を高めたままにしていた。まろやかな尻を艶美にくるんと丸めて、陰部ごと高々と強調している。
 赤ん坊がおしめを換えてもらう格好より一段すすんだ、きわめて破廉恥な格好といってよかった。

 その姿勢で、スパンキングを尻に受けている。

「へたっちゃ駄目ですよ」

 才人がそう言うと、差し出された美姫の尻にピシャンとやや強く平手を打ち下ろした。
 綺麗な尻たぶにはっきり赤い手形をつけられ、アンリエッタはひくんと首をそらして、のど奥でくぐもった叫びをもらした。
 火照りながらも柔らかく弛緩した体が、女らしい脂ののった美麗な尻房をヒクヒクと悶えさせる。
 そのなめらかな肉丘をなおも楽しむように叩きながら、少年は「まったくもう」と口にした。

「気を張っとけって言ったのに、けっきょくまた気絶……寝ちまうんだから。
 流しこまれるたびにイっちゃってるから早く疲れるんですよ」


216 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:12:58 ID:Q4M5uOTn

「ふぁぁ…………」

 アンリエッタははにかむようにまつ毛をしっとり伏せた。
 牝の本能的な欲求を何度も、無理やりに満足させられたのである。溢れかえるほどににじんだ涙で視界がぼやけていた。

 あれから、どこまでも嬲られた。
 射精はすべて膣内にそそぎこまれて、子宮で濃縮した快楽を味わわされた。敏感の度を増していく膣内は、一回終わるごとに布でぬぐわれ、すぐにまた犯された。
 どこまでいっても許されず、鮮烈でありながら芯にからみついてくるような粘着質の絶頂の渦にのみこまれ、肉の悶絶を何度となく味わった。

 けっきょく、少年が七発目の射精を終えるまでに、アンリエッタはまた二度も意識を途絶えさせてしまったのだった。

「おま○こ、指でするけど、その前にまた軽く拭きますからおとなしくしててくださいよ」

「ひふぅううんっ……!」

 叩くのとは別の手で、才人が蜜壺にグチュとハンカチを巻きつけた指をさしこんだ。
 それがぬぽっと抜かれた瞬間に、蜜壺の粘膜が収縮してびゅっと白濁した液を噴き、才人の手を汚す。
 膣口からふきこぼす濃い愛液が美尻を濡らして、とろりとろりと下半身を逆さまに流れ落ちていく。尻の球面にまで液は飛び散って、剥いた桃に蜂蜜をかけたような淫艶な光景となっていた。
 クリトリスや陰唇、会陰部にいたるまで秘部の表面も丁寧にぬぐわれながら、アンリエッタは気だるく濡れた声を発した。

「……ゆびでって……もしかしてまだ、わたくしの……そこ……に、なにかしようというのですか……
 そ、そろそろ、満足していただけませんか……わたくしは今夜はもう、じゅうぶんにしていただきましたから……」

 と、才人が尻の双丘のそれぞれに手をかけてきた。なまめかしい尻たぶをむにりと大きく割って、ヒクつく可憐なアヌスを強調させる。
 こんどアンリエッタの唇からこぼれたのは、悲痛な涙声だった。

「いやぁ、そこはいやぁっ……!」

「おま○こされるのが嫌? なら、またこっち使おうか?
 縛り上げるか床に手をつかせて、牝ちんちん指でシコシコしつづけて、前みたいにお漏らししちゃうまでお尻でイかせてやろうか。
 真っ赤な顔で『おしりイクッ、おしりイクッ』って泣く姫さまも見たいので、俺はほんとにどっちでもいいですよ。
 さっきのアンの言葉からすると、これは気絶しちゃったお仕置きだって今ひとつわかってないみたいだしな」

「……やめてぇっ……、お、おま○こでします……おま○こに罰をうければよろしいのれしょうっ……」

「わかればいいんですよ。だいたい、どうしてもお仕置きでお尻の穴をされるのは嫌って姫さまがぐずるから、こういう軽い罰にしてあげてるんですよ。
 だからほら、言うことあんだろ、お礼はどうしたよ?」

「ぁふ……お、おなさけをかけていただき、ありがとうございますぅ……
 ……ああ、おしりピシャピシャしないでぇ……、ちゃんとお礼をいっておりまひゅのにぃ……」


217 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:13:47 ID:Q4M5uOTn

 これ以上なく屈辱的に扱われているのに、弱々しくまつ毛を震わせて哀訴するしかできなかった。
 けれど、許しを乞う声をどれだけあげても、赤くなっていく尻に振りつづける平手の雨がやまない。
 たまらず逃げたそうに裸の尻をくなくな揺すっても、責める少年が容赦してくれるはずもない。むしろ責め手の嗜虐心を刺激してしまうのか、ますますお尻叩きの手数が倍加する。

「動くなってば。その格好を崩したら、本当にお尻を犯しますよ」

 そうまで言われては、この姿勢を解除することなどできない。
 より酷い罰を与えられることへの怯えで、アンリエッタは自分自身の脚を必死にかかえこむ。実質的には縛られたのと同じことだった。
 淡く桃色めいた被虐の淫気をたちのぼらせつつ、少女は鼻を鳴らして瞳を儚くうるめかせた。
 才人が安心させるように尻を撫でる。

「心配いりませんよ。罰といったって、ちゃんと気持ちよくしてあげるから。
 お尻ペンペンしながら、まず浅いところから指でたっぷりクチュクチュ、な」

 蜜壺に指をさしこんだ才人の手は、ごく微妙に、手首から先を細かく震わせるように動きはじめている。指ならではの、繊細な刺激を送りこむ責め。
 あお向けでやや上方に差し上げた股間から、アンリエッタの体にじんわり根をおろすように、甘く濃い肉悦が降りてくる。甘やかな切れ切れのすすり泣きは、いつ止むとも知れなかった。
 最初、夕方に口で愛撫されたときと似たような種類の、ただし何倍も濃厚な甘悦だった。それがやはり延々と続いているのである。
 男の指をずっぷり根元まで蜜壺に埋められ、そのまま優しく震わされる責めに、自我がほろほろと散っていきそうだった。

 同時に、汗で光沢を放つなめらかな双丘を、休みなく優しく叩かれる。
 男に指二本で支配されながら平手を美尻に受けるたびに、肉情が悶えたくなるほどに煮立てられ、アンリエッタの思考と視界がぼやけていく。
 しつこく子宮がうずき、ずきずきと脈打ち続けた。
 さきほど犯しぬかれて連続絶頂を味わわされた体が、被虐の官能を冷却させてくれないのである。

「ひふ……ふうっ……んんー……」

 余韻が一定の高さを保ったまま下降しない。
 淫猥にほころびた膣肉が痙攣し、クチャクチャとおいしそうに指を咀嚼する。
 送りこまれる指による震動が、ゆるやかに官能を沸点に届けた。

「……ひぅん……ひぅん……ィ……き、ます……」

「やっぱり、このへんがいいんですね? じゃ、ここをもっとしますよ」

 反応を見せてしまったとたんに、弱いポイントをいっそう重点的に指に責められる。
 スパンキングの下で全身をヒクヒク震わせながら、アンリエッタは浅く達しっぱなしの状態になってしまっていた。ピシャピシャと鳴る音のなか、ごく薄く軽い絶頂が持続してゆく。
 少女の目から、弱まっていた理知の光がふっと消えた。淫痴の情がそれに取って代わる。
 夕刻、椅子の上でやったように脚を自分で引きつけ、体をちぢめて、叩かれる桃尻の丸みをますます強調してしまう。


218 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:14:36 ID:Q4M5uOTn

 茹だったアンリエッタの脳裏で、おぼろに自分を非難する声が聞こえる。
 忠実な犬が腹を見せるよりもっと恥辱に満ちた姿勢をとり、幼児にお仕置きするように尻をぶたれ続けている。
 「奴隷みたいなもの」と言われたが、まさに愛玩奴隷の扱いだった。
 レディの自尊心を否定されているこの状況で、自分の体は屈辱に反応して燃えあがり、隷属の悦びを得てしまっている。

(わたくし……こんな、女……)

 持ち上がったまま弱々しく震えている柔らかい牝尻を、弾ませるようにリズムよく叩きながら、少年が声をかけてくる。

「指でされながらお尻ぶたれるの気に入っちゃった? 綺麗な顔をそんなにトロけさせちゃってさ。
 可愛いもんですね。足の指にぎにぎして、おま○こで俺の指を夢中で食いしばって。
 次いきましょうか……この場所ですよ」

 胎内で才人の指が鉤状に曲がり、恥骨裏にぴとっと指の腹を当ててきた。
 クイクイと尿道にそって内部から指で刺激されはじめる。

「ふゃぁんっ、だめ、うっ、ああっ」

 少女が、ビクンと白いのどをそらして甘鳴きを高めた。

「もう見つけるのがほんとに簡単だなあ。この壁がしこってちょっとザラついたところだろ。
 何されるかわかってるだろ。いまから、そんな格好でお尻ペンペンされながらお潮ぴゅくぴゅく飛ばすんですよ。
 また溜まってきてるでしょう?」

「ひっく、あうっ、だめと言っているれしょう、やぁ、イク、いやぁっ……!」

 とたんに、かかげた股間から残り少ない潮がピシュッと漏れ、ななめ上方に飛んだ。紅潮した美貌に、ぴっぴっと潮がふりかかる。
 自分自身の体の機微を、すっかり少年に熟知されてしまっていた。

「またおま○こ、きゅうんって締まってきた。
 強くない程度にいっぱいお尻叩いててやるからさ、イくのゆっくり楽しみなよ。それと今からは、お潮ぴゅっぴゅお漏らしするときはちゃんと報告しろよ?」

 またも平手を降らされだす。
 汗と潮液と蜜にぬめる桃尻が、秘部を玩弄されながら宙で悶え、叩かれて赤みを増していった。

…………………………

 ――そんな目で。

 優しく嬲るような愛撫をほどこしながら才人は思う。
 ひっくり返った隷従の姿勢をとるアンリエッタの美貌には、ほつれた栗色の髪が汗ではりつき、艶かしくうるんだ瞳が才人を見つめている。 
 溺れるあえぎが悩ましく、情を孕んで少年の耳にいざり寄り、今を盛りのレモンの花が枕元から甘く香りを届けてくる。
 男の胸を妖しくうずかせる、艶なる風情だった。


219 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:15:12 ID:Q4M5uOTn

(女王様なんていっても女の子で、こうしてるとこんなに『女のひと』なんだもんなあ……怖いくらいに)

 冷静をたもって責めているかに見える才人の面にも、興奮の色が静かににじみ出ている。内実は、彼もたぎるほどに血が熱くなっているのだった。
 まっとうな情欲だけではないそれは、アルコールが気化した蒸気が頭蓋骨内で燃えているような昂揚だった。酒など一滴も飲んでいなくとも人間は酔えるということを、いま才人は実感している。
 自分の状態を冷ややかに客観視することはできるのに、少女を虐める手を止めることはできない。醒めていながら猛っているという異常な両立だった。

 それをもたらすのは眼前の彼女だった。
 才人が手をかけると、少女の肌は熱く息づく。牝の脂が皮膚の下で溶けて、極上の肉をさらに熟れさせていくのかと思うほどに。
 ベッドの上でさまざまな姿勢をとらせるたび、アンリエッタは口では哀訴や恨み言をこぼしながらも、才人のなすがまま従順に、くにゃりと体を柔らかく折り曲げていく。

 そして泣き叫んでいるときでさえ常に、才人を見つめているその濡れた瞳には、えもいわれぬ妖しい深みがあるのだった。
 情感をあふれさせた双眸がぞっとするほど美しく、畏怖さえ覚えて思わず逃げたくなる。

 けれど少年は、もう彼女のこの瞳から逃げられない、と心のどこかで知っている。
 行為のときに主導権をにぎっていないと気がすまない理由の一つは、その畏れの裏返しだった。

「……奴隷みたいなもん、じゃなくてさ。
 ほんとに奴隷になっちゃいますか?」

 だから才人がそう口にしたのは、行き着くところに行き着いただけのことだった。
 狂わされて責めに夢中になり、畏怖を払おうとしてこの高貴な少女を泣かすことにのめりこんでいくのだから。

 見開かれた彼女の瞳に、まるで水晶の檻に閉じこめられたように才人自身の姿が映っていた。

「え……?」

「イクの我慢できた?
 何回イった? また数えてないんかよ?」

「そんなぁ……が……がまんしたり、かぞえたりなんて、もうわたくし……
 ああ、おねがい、おしおきは……」

「ん……今夜でわかっただろ、自分でもよく。
 姫さまは、いじめられたら気持ちよくなるのを我慢できない、こらえ性のない早漏の子なんですよ。
 もうどうせ『借金』返せないだろ。だからこの先、ずっと奴隷ってことです。
 『一生、あなたの奴隷です』って言ってみなよ」

「…………あーっ……ああぁ、……ひっく、ふぁ、ああん……ぅぅ……
 ああ、ほんとうにひどい方ぁ……言うものですか、そんなことぉ……っ……ゃうぅんっ」

「かまわねえよ……言わせてやる。とりあえず、またお潮ぴゅっぴゅ見せろよ」

 そう言うと才人は、アンリエッタを嬲る指の卑猥なうごめきを加速させた。
 蜜壺をクチョクチョ鳴らし、加えて官能味ある尻を平手で叩いて、少女に悦びに泣きむせぶ声をあげさせていく。


220 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:15:53 ID:Q4M5uOTn

「ゃぁぁ、らめ、だめよ、ひぐ、
 ……やっ、ゆびが、そんなゆびづかいするからっ、んう、イクのぉ、おもらし、またしてしまうぅっ」

 アンリエッタの瞳や表情とおなじく溶けかけて熱っぽい、甘くうつろな声。
 その声が、あえぎとすすりあげを混じえて夜を震わせ、そして感極まっていく。

「んーっ、んーっ、ぴゅっぴゅしてイクぅ、みないで、ん、でます、あぁん、んんんんんーっ……!」

…………………………

 それからアンリエッタを待っていたのは、女を官能の奴隷に堕とすための快楽の時間だった。
 どこまでも優しく執拗に追い詰められてすすり泣き、甘鳴きし、よがり叫んで、かすれ声で絶頂を報告させられる。
 どのように感じさせられ、どのくらいの濃度の絶頂を与えられ、官能を天国と煉獄のどちらに送り込まれるかは完全に男のなすがままなのだった。

 最初のうち、指はわざと快楽ポイントから微妙にずれたところを責めてきていた。それでも性感を引き上げられた少女は、達する寸前まで容易に追い詰められる。
 そうなってから指はようやく恥骨裏にもどってきて、潮を噴かせるための動きに変わる。
 締まる蜜壺をクチュクチュと鉤状にまがった指でほじられると、なすすべもなく泣き叫びながら何度も潮液を尿口から漏らしてしまうのだった。
 内ももまで紅潮させ、どろどろの股間からピチュッと潮をほとばしらせるたび、アンリエッタは「イくのぉ」「おもらしぃ」と甘くえずきながら報告していった。

 めぐる愛欲の狂おしさのなかで、刻一刻と体力が尽きてゆき、理性が退化して、言葉づかいまでもが幼くなっていく。
 溶けた語尾が伸びて、甘える幼な子同然の舌足らずな口調になってしまっている。
 ひとつ絶頂に達するたびに気概がぽろぽろとこぼれ落ちていって、心まで裸の剥き身にされていくのである。

 潮が出なくなったというのに、今度は恥骨裏のポイントだけを責められるようになると、ゆるい絶頂から降りてこられなくなった。
 とっくに出し切ってしまった潮液をさらに要求されるように、膣側から尿道をこってりと揉みぬかれ、終わりなく潮を噴かされているような妖しい絶頂感を持続させられる。
 同時にスパンキングで悩ましい尻の双丘を赤く焼きあがらされ、屈辱なのに蕩け泣きで許しを乞うてしまう。
 しまいには脚を自分でかかえこんだ羞恥体勢のまま、へこっ、へこっと宙で美尻を頭のほうにしゃくり、恥ずかしすぎる空腰を使いだしてしまった。
 肉悦のまどろみの中で濃淫な痴態をさらしながら、才人の笑いを遠くからのように聞いた。

「あは、指動かすたび、おしっこの穴パクパクしてら。
 お潮無くなっちゃったのに空撃ちしてるんですね。そんなに自分の顔にもっとお潮射精ぶっかけたいんですか?」

「だってぇ、うぅっ、イクのぉ……ふぁ、体がかってにイって、うごくのれひゅぅ……ひっ、うっ、
 は、はずか、しい……………………」

 男の視線にさらされた陰部のすべてがヒクつく。膣肉で才人の指を、尿道で潮液の残り汁をクチュクチュかみ締めている。
 淫靡な水音のなかで、アンリエッタの羞恥が快楽とともに限界まで煮詰まっていく。この先どんな顔で生きていけばいいのかさえわからなくなる。


221 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:16:27 ID:Q4M5uOTn

 とうとう少女の錯乱の声がほとばしった。

「はずかひい、はずかひいいっ、腰なんかうごかしたくないのお゙っ…………やぁっ、はずかしい、
 もぉ気をやらせないでぇ、もどっ、戻れなくなってしまううっ……!」

「なんだ、まだ普通の子に戻れるとか思ってたんですか? とっくにえっち狂いの変態のくせに。さっさと奴隷になるって誓っちまいなよ。
 誓えますよね?」

「そ、それ、はぁ………………」

「やれやれ、とっくに似たようなもんなのに、なんでこの期におよんでぐずぐずためらうんだか。
 つまりもっと後押しされて、ドロドロになってからでないと言えないんですか。
 それじゃもっと奥、触りますよ」

 そう言いつつ、拳の部分までが蜜壺に入りそうなほど、才人が指をぐぐっと進めた。
 子宮口に伸ばした指先が触れた瞬間、水妖の断末魔のように女体が艶かしくうち震えた。

「ひぐぅん、そんなところ触られたらぁ……っ!」

 一拍遅れで子宮の痙攣が才人の手に伝わる。

「子宮こんなに下ろしちまって……奥のほうの子宮口のふくらみ、指先で撫でまわせるくらいせり出してますよ。
 精液すすりたいって発情したカラダが、興奮しすぎてこんなになっちゃったんですね。
 触ってみると、子宮口っておもしろい感触……この中央のくぼみが子宮の入り口? 指、入れちまおうかな」

「ひいいッ、ゆびなんてはいりまへぬから、やや子の部屋をさわらないでくださいまひぃ、
 ひふッ、やぁ、お腹のおくで指うごかさないでぇっ、んーっ、あぁぁっ……
 …………やめて…………とけ、ます…………こわい………………」

 肉棒ではとても及びもつかない器用さで、指先がまさぐってくる。子宮口のふくらみにそって周回してくる。
 膣のもっと浅い部分に点在する快楽ポイントを探られたときと同じように、女の源まわりの性感帯を、極めて細かく精緻にまさぐられ、じっくり反応を確かめられていく。
 優しく、愛情さえ感じられる繊細な手つきで。

 今日まで開発されてきた膣奥の性感が、いまだ目覚めていなかった領域まで強引に引きずり出され、おずおずながらこれまでより大きく花開いていく。

「温かい……不思議なもんだな、子宮触ってるだけでなんだか安心する感じ……
 そっちはどう、奥でいっぱいイけてますか? ほら、子宮口のななめ下のこのへんとか、触るとおま○こ肉がすごい反応してきますよ。
 こうして指先でコリュコリュ掻いてもらうのがイイんだろ?」

 クッションの上で、腰が抜けた。

「……はふっ、あうううっ、奥っ、らめ……くるっ、ちゃう……」


222 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:17:17 ID:Q4M5uOTn

 先ほどからの細かい絶頂が、少年の指が子宮口周辺でうごめくたび、静かなままねっとり深いものに移っていく。
 腰が液状化して温かいクリームスープにでもなったようで、蕩けた幸福感さえ満ちていた。それこそ、通り越して恐怖をともなうほどの。

「もともと好きだったもんな。
 奥のお肉使われてち○ぽをしごかされて、恥ずかしい格好で精液流し込まれて、何度もイクのが大好きでしょう?」

「ひん、ひぅっ……はい、はいぃ……おくがすきれふ……奥れいっぱい気をやらひゃれるのがすきぃ……
 ……あんっ、はへぇ……イふ、イくう、イくう……」

 さんざん緩急をつけながら嬲られつづけた体が、心を巻き込んで甘美に堕ちていく。

「すっかり素直になりましたね。
 にしてもえっち呆けしたトロトロの顔しちゃって。おま○こと同じですけべで可愛くなっちゃってますよ。
 おま○このほうは……詰め込んであげた精液まで奥から出てきちゃって、ぬるぬるとろっとろで湯気立てそうに熱くなって、痙攣しっぱなしでこんな嬉しそうに俺の手をしゃぶってるや」

 揶揄されているのに、アンリエッタはもう屈辱を表情に出すことさえできなかった。
 濡れた玲瓏たる美貌は、才人に言われたとおり眉がだらしなく下がって泣きとろけていた。
 甘えと淫情をこめて才人をみつめる瞳は、細められて快楽にぼうっとたゆたい、強制的な肉の幸福による涙がまつ毛を重く湿らせている。
 打たれる軽い痛みがスパイスになった悦びの深淵のなかで、少女は完全な屈従に近づいているのだった。

 あげくのはてに、ようやくスパンキングが止んだかと思えば、才人が口を上向いた股間に寄せてきた。
 あおむけに丸まった淫艶な桃尻の股間、恥丘のあたりに少年の顔が深々と埋まってくる。

「そろそろ素直に『奴隷になります』って言えるだろ。いま言わせてやるからな」

 柔らかくなりかけていたクリトリスを男の唇にちゅるんと含まれ、半分戻っていた包皮を口の中でむきゅっと完全に剥きなおされる。アンリエッタはビクンと頭をのけぞらせた。
 そのまま膣奥に指の刺激を送りこまれながら、少年のもう片手でアヌスにまで指をぴとっと当てられたとき、さすがに高い悲鳴をアンリエッタはあげた。

「おひりはっ……やくそくがちがいま……堪忍ひてくれるとぉ……!」

 しかし悲痛な拒否の言葉とは裏腹に、アンリエッタの括約筋は瞬時に緊縮した。蜜壺は指を食いしばり、クリトリスは才人の口の中で桃色の真珠になるまでまた膨れ上がる。
 躾けられてきたアヌスでの昏く妖しい悦びが片鱗をのぞかせ、前の穴での快楽水位を押しあげる。


223 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:18:07 ID:Q4M5uOTn

 勃起した肉豆を舌まで活用してしゃぶりながら、その合間に才人が悶えている少女に話しかけた。

「お尻の穴の表面をちょっと指でクニクニ触ってるだけじゃんかよ。
 ま、組み合わせて責められるのに弱いのは知ってますけどね。これだけでおま○こも牝ちんちんも新鮮な反応。
 言えるまで、三点責めを堪能させてやるよ」

 刺激クリームをしみこませたまま、また最大限に膨張させられたクリトリスが、男の口唇粘膜での複雑かつ激しい愛撫にさらされていく。
 すりへりそうなほどペチャペチャと舐められ、乳首を吸うようにちゅうちゅうと吸われ、ニュルニュルクニュクニュと唇と舌で柔らかくしごかれ、

「〜〜っ、〜〜っ、〜〜っ……
 お口だめえ、ぬるぬるしてうっ……イふぅっ…………、……っ……!」

 口唇での愛撫という点では夕方の椅子のときと同じでも、それをはるかに上まわった甘さと濃さの性楽だった。
 ずっと休みなく責めなぶられ、ほんの少しの愛撫にも反応するよう肉体を燃えたたされてきたのである。
 まして少年の両手の指が、二箇所の秘められた性感帯に触れてきている。あの時点とは比べ物にならないほど、官能が大きくなるのは必然だった。

 露出しきったクリトリスに吸い付かれたまま、その肉の芽の根元から、唇と舌の粘膜でたっぷり愛撫されていく。
 その今日はもう弄りつくされたはずの快楽器官が容赦なく追い込まれ、細胞レベルで振動しているのかと思うほど甘く赤熱する。
 女の芯と官能がリンクして、優しくも鋭い絶頂と重い絶頂を同時に味わう。味わわされ続ける。アヌスの表面を揉みほぐされる妖しい感覚がそれに拍車をかけた。
 トクトク血流が流れこんで脈動するクリトリスを甘くしゃぶりたてられ、その間も休みなくこりこりと子宮口を指先で刺激され、脳裏が溶けくずれて何も見えなくなり――静かに気がふれそうになって、

「…………〜〜る、なるっ……なりまふからっ……ちかうからっ、しないでえっ……!」

 子宮口中央の穴のあいたくぼみに指をまた当てられた。
 よだれを吐き出す子宮の入り口をこじあけるようにツプッと指先を挿され、尿口に唇をつけられて潮の残り汁をヂュルルルッと吸われはじめた。
 指一本の先だけとはいえ子宮まで犯されたあげく、延々と失禁させられながら達しているような感覚に襲われる。腰が分解していくかと思うほどの虚脱感だった。
 アンリエッタのためらいが残らず消し飛んだ。

「いやあああぁッ、なりますっ、どれいになる、どれいになりまふぅぅっ……!」

 優しく精神を壊されていくかと思うほどの肉の深みで、少女はついに屈服の言葉を吐いてしまったのだった。
 自分自身のなにかを終わらせてしまった気がしたが、女の源まで触られておいて、もう逆らえるわけがなかった。

…………………………
………………
……


224 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:18:57 ID:Q4M5uOTn

 才人が頃合よしと見てか、顔を離して蜜壺からぬるりと指を抜いた。水アメのような濃い愛蜜の糸をどろりと引いて、胎内を嬲る手が去る。
 けれどもほつれ髪を頬にはりつけたアンリエッタの美貌はうっとり放心し、肉の夢にひたったままだった。
 艶美に濡れ光る半開きの唇の両端から、よだれが垂れている。ほころびた蜜壺はクチャクチャと咀嚼し、乳首と股間の肉豆もヒクつきを止められない。

 二つ折りの開脚姿勢でひっくり返っているアンリエッタの真上に、才人がのしかかってきても、彼女の認識能力はまだ夢うつつに散っていた。
 快楽の温泉で溺れつづけていたのである。
 湯に長く漬からされたような状態になっていたのは、アンリエッタの紅潮した肌だけではなく、思考もだった。

 けれど、才人の肉棒の先が陰唇を押し分けて秘肉につぷりと埋まると、さすがに瞳の焦点が結ばれた。

「…………ぇ……? うそ……」

 まだ続行されている。とっくに腰まで抜けているのに。
 その事実が信じられなかった。
 信じられなくとも、ゆっくり戦慄が呼び覚まされていく。

「いや、うそぉ……そんなのいれられてはぁ、今度されたら……」

 ……よく考えれば今夜は、二種類の責めが、おおざっぱに見れば交互に来ていたのである。
 とろ火煮込みの焦らすような責めで肉体を燃え上がらされてから、切りかわって肉棒で一気に激しく嬲られる、という流れだった。
 けれどアンリエッタは、たった今までされていた手での愛撫までが、性感帯を過敏にさせるための「とろ火」だとは思っていなかったのだった。まさかもう挿入はされないだろう、とどこかで考えていた。

 けれど、いま亀頭は発情しきった膣口に飲み込まされている。
 真上から挿入されていく少女は絶え入りそうな風情で、ほとんど息も絶え絶えに懇願した。

「……やめて……さっき、い、言ったのに……言いましたわ……」

「だめですよ、あんなんじゃ」

「え、な、なんでぇ……」

 呆然としてつい理由を訊いてしまったアンリエッタに、腹の立つ笑みを浮かべた才人が指摘した。

「だって姫さま、まだ『言わされるからしかたなく言うのよ』ってどこかで思ってる。そうでしょう。
 ほんとに往生際悪いとこありますね、たった今あんだけはっきり言っといてさ」

「そ……」


225 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:19:34 ID:Q4M5uOTn

 そんなことはない、と否定はできなかった。しかたなく言ったということを否定すれば、あの誓いの言葉は自分の本心ということになってしまう。
 肉に溺れながらも、アンリエッタは心の最後の部分に逃げ道を残していたのだった。
 (わたくしが淫らになっても、それはこのひとが望んでいることなのだから)と。
 それを見抜かれても、いまさらその便利な言い訳を捨てられるわけがなかった。

「……そんな……そんらことぉ、言われたってぇ……それが、事実れしょう……」

「そうですね」

「……あのように……むりやりに、きもちよくしてから『言え』とせまっておいてぇ……
 どうせ、どうせあれいじょう抵抗しても、いつもみたいに、わたくしが従うまでずうっと嬲ったくせにぃ……嬲ってむりやり、言わせるくせにぃ……」

「たしかに無理やりでしたね……でも、姫さまの体がそのやり方であんなに悦ぶからですよ。
 もういっそ、これで押し通します。今から姫さまが心を入れ替えられるまでおま○こを躾けますから。
 ここまで体を出来上がらせちゃったのは初めてだろ。ち○ぽでいじめられたらすぐ天国を見られますよ。何回も本気のおま○こイキしながら、奴隷になるってもっと誓ってもらいましょうか」

「やめへぇぇ……! こわい、こわいのお、
 おくひれ……おく、おくちで、しまひゅから……だから、もう、おま○こしないで……
 おねがい……おねがいいたしまふ、もう気をやりすぎておま○こもあたまの中も溶けそうなのぉ……」

 快楽の末にあるものが、本当に怖かった。膣口で亀頭を食いしばっているだけの今でさえ、すでに子宮がざわめいているのである。
 奴隷だのなんだの、破廉恥で倒錯した、真っ当な状態で聞かされれば滑稽でさえある言葉。
 あえてそれを言わせるのも言うのも、本来は「こういうとき」の遊びだとわかっているはずなのに。

 わかっているのだけれど、今夜は責められすぎていた。
 このまま続けて責めたてられれば、少年の肉棒に奉仕する専属奴隷になる契約を、遊びではなく本当に心から誓ってしまそうだった。

「おねが……あっ、いれるのはいや、な、なりますぅ、ちゃんとどれいになりまふから、
 おま○こズプズプしてこないれ、いやよ、いやああっ、ゆるしてええっ!」

 最後に子宮手前でいったん肉棒が止まり、それからのこったわずかな空間を押しつぶすように、一気に腰をズグンと突き下ろされた。

「うあああああっ!」

 肉棒を食いしめる大陰唇が淫猥にひしゃげて歪み、肉棒と膣壁の間からぶちゅりと蜜が噴きこぼれた。
 男の肉をくさびのように打ち込まれ、詰めこまれた精液でタプッと重みを増した子宮をぐちゅんと揺らされたのである。その一撃だけで、肉の奈落に突き落とされるには十分だった。
 あまりに急激にもたらされた責めの切り替わりに、感覚の崩壊にも似た重い絶頂を一瞬で得てしまい、ひきつけを起こしたような震えがとまらない。


226 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:20:38 ID:Q4M5uOTn

「……はっ……あっ……あぁ……」

 指でも舌でもなく、本来の雄の器官での責めに、被虐に目覚めきった女体が異常に反応している。舌がこぼれて口が開きっぱなしになる。空気をのみこむかすれた音が響いた。
 才人がひどく興奮した声で命令を降らせてきた。

「仕上げですから。心をたっぷりこめるようにして誓ってくださいよ」

 言い終わると彼は――真上から腰を激しく使いだした。
 限界まで発情しきったアンリエッタの先ほどまでの痴態に触発されてか、攻撃的な雄の動きだった。組み敷かれた女体が、まさに躾けの仕上げとばかりに激しく犯される。
 絶頂に震えて引き絞る膣肉をえぐられ、奥の子宮を揺らされて、先ほどまでの深くも穏やかな官能が、みるみるうちに熾烈に炎上していく。

「ぅ゙ぁ゙っ、た、たすけて、はげしいのはいや、もういやああっ、
 ひいい、なるといってるれしょう、どれいになりまひゅうぅっ!!」

「それ、しょうがなく言ってるんだよな?
 もっと心の底から言えるくらいまで、ずっとおま○この奥でイかせてやるからなっ」

 少年の腰とクッションの間でサンドイッチにされた桃尻が、苛烈な突き下ろしピストンを受けていく。
 グチュンと一回突き下ろされるたびに、汗で濡れ光る尻の双球がクッションごと男の腰につぶされて、ムニュンと妖美に歪む。男の腰が引かれると、反発してプルンとはねあがる。
 ピストンに合わせて、美麗な尻がまりのごとく柔らかく弾み、クッションの上でゆっさゆっさと上下させられるのだった。

「おま○こびくびくしっぱなしだっ、すごくいいですよ姫さまっ」

「うあ゙あ゙ああっ、おねが、やめてえ、イクうううっ、ひぐっ、ひぐっ、ああああっ……
 ……ど……『どれいになりたいです、うぁぁっ、おねがいっ、ならせてくださいまひぃっ』!!」

 凄絶に極めさせられ続け、快楽の質は天国から地獄へと変わっていく。そのドロドロの肉の淫獄に落とされた、嬲られる美しい牝の叫びが流れる。
 官能の濁流に耐えきれず、今まで教えこまれてきた卑語の知識を動員して、アンリエッタは男の気に入りそうな言葉を必死につむぎ、はやく責めを中断してもらおうとする。

「『あなたの精をいっぱい飲みますっ、おま○こでもお口でも欲求を解消させますぅ、なるって誓いまひゅ、ならせてえっ』!
 もうゆるしへっ、ちかっておりますのにいいっ!」

「奴隷にしてほしくなってきたんだ? もっと言えよ、そのまんまイきながら誓いつづけてみろよっ」

 爛熟しきった蜜壺を貫かれ、過敏な肉で男根を無茶苦茶なほどにしごかされている。
 ただでさえ深く感じる最奥の子宮口周辺、そこの潜在的な性感を指で完全に目覚めさせられてから、亀頭に乱打されているのである。
 これに比べれば、クリトリスをなぶられ続けたときですら手加減された責めだったと思えた。


227 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:21:18 ID:Q4M5uOTn

 膣壁へのひとこすり、子宮へのひと突きごとに絶頂に達して、秘肉が男のものを搾るようにきゅうきゅうと締まる。その締めつけで、少年がよりいっそう肉棒をしごきたててくる。
 きつい絶頂のなかでさらに責められて、ひっきりなしに絶頂を重ねられていく。

「『なんでもします、いっしょうけんめいおちんちん搾りまふ、がんばって体中でご奉仕しまふぅ』、
 ひぃ゙、あうううゔッ、ごしょうです、ごしょうですうっ、はやくみとめてええっ!
 …………いやああ゙ぁっ、また深いの来たあああっ、来ないでえっ、ひっ、おかしくなるゔっ、頭のなかが変わってしまううっ、
 あ゙ああ゙っ、あああああぁあぁああああああああッッ!!」

 知りたくもなかったが、無数の絶頂の中でも、ときおり他より巨大な山だか谷だかが来るのである。
 その絶頂の高度も、新しいものが来るたびに天井知らずにはねあがっていく。快楽の鞭で脳を鞭打たれ、パチンパチンと頭の中で大切な何かが破裂しているようだった。

「ダメえぇぇぇぇっ、あたまがこわれる゙ぅ゙っ……あ゙ーっ……あ゙ーっ……!」

「しょうがねえなあ、自分からもお願いしたんだからそろそろ認めてやるよ、
 アンはこれから、えっちのときは奴隷だからなっ、俺のせーえき搾り専用の、さ!
 おま○こでもお口でもお尻でも、お肉の穴でヤらしくち○ぽをグチュグチュおしゃぶりして、がんばって精液をヌくんだぞっ、
 わかりましたっ?」

 性運動で呼吸を荒げた才人の確認に、もう意味のある言葉も返せずガクガクと首を上下させる。

「それじゃ体位変えるから、ちゃんと腕を回してしがみついてなよ」

 アンリエッタのひざ裏をおさえて二つ折りの羞恥体勢でかためていた才人の両手が、さらに腰の裏に回ってくる。
 少女は背中に腕を回され、太ももごとがっちり胴体を抱きしめられた。
 二つ折りのまま、樽(タル)でもかかえるようにして体を力強く抱かれたアンリエッタは、何を考える余裕もなく、言われるまま必死に男の首に双の腕をまわしてしがみついた。

 彼女をかかえる才人の腕に力がこもり、結合したままぐいっと宙に少女の体が浮く。
 そして一気にアンリエッタの体勢が変わった。男の下から男の上に。
 少年がベッドに座りこみ、背中から倒れこんで寝そべったのである。

 アンリエッタは自然と才人に密着した騎乗位になる……が、体位の急激な変化にともなう衝撃は、そんな言葉で言い尽くせるような生易しいものではなかった。

「ああああああああ゙ぁぁぁぁぁぁぁ……っ!!!」

 そそり立った肉棒の上に、勢いをつけてぐちゃんと桃尻を深く沈まされたのである。
 少年の肉棒は一瞬で秘肉の最奥までを貫き、ぐちゅうぅぅっ――と子宮口を押しあげて止まっていた。亀頭が子宮を歪ませるほど深々と奥をこじる。
 膣口の粘膜と肉棒の間から、ブチャッと熱い蜜液が飛び散り、とどめを刺された美尻がビクビクと痙攣した。


228 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:22:57 ID:Q4M5uOTn

「ひぁ……あ……ぉ゙…………あ゙っ………………」

 衝撃をともなった凶暴なほどの絶頂を、繊美な肉身に叩きこまれたのだった。
 男にまたがって上体を倒れ伏せた形になったアンリエッタの、細くなっていた意志の柱が、完全にべきりと折れた。
 体にイキ癖をつけられたのと同じように、いまでは心に折れ癖をつけられていた。

 少年の胸板の上で、体のほかの部分と同じく震える舌と唇が、屈服の言葉を従順につむぐ。

「……ひ……ぃ゙……すごいぃ…………
 ……わた、わたくしぃ……おちんちん、おしゃぶり……いたしまひゅ……
 ………………ひぐっ…………ぁ゙っ……ぁ゙ぁー……」

「観念したみてーだな……奴隷になれてうれしい?」

 満足げに問う真下の少年が、アンリエッタの尻房を両手でこねまわしつつ、ゆっくり腰を回し上げてくる。
 膣肉を最奥までねっとりかきまわされ、亀頭で子宮口とその周辺の肉をコリコリ可愛がられる。今度は幸福感をともなう法悦が満ちていく。
 白く焼けただれた官能をだめ押しされ、ずっと続いている肉の震えがビクン、ビクン、と大きくなっていく。

「………………ぁー……うれひ……うれひぃぃ……」

「お礼言えよ、『奴隷にしてくれてありがとう』ってな」

「…………ふ……ぁ……はひ……はい……どれい、……に、してくださって……、
 ………………あり……ありがとう、ございますぅ……」

「よくできました。これからは毎回言わせて確認させるからな。
 そのかわり、この先もいっぱい天国を見せてあげますよ」

 才人の手に頭を引き寄せられ、下から深くキスを重ねられた。男の舌に美麗な唇をねぶり分けられ、犯すように進入されて、ぴちゃ、くちゅりと舌をからめられる。
 アンリエッタの虚ろに蕩けた瞳から、ぽろぽろと温かい涙がこぼれた。

 我慢できない体の淫らさを容赦なく指摘され、性処理用の奴隷にすると通告され、責め立てられて無理やりに同意させられ、肉が灼熱して溶けるような官能に負けて自分から「奴隷にして」と懇願してしまい……
 そしてとうとうお礼までも言わされた。
 直視したら心が壊れそうなほど、屈辱的な状況だった。

 だというのにあまりに嬲られたせいか思考が麻痺し、心が肉に引きずられて幸せさえ覚えている。本当に一度壊されて、男の肉に奉仕する奴隷に生まれ変わらされた気がした。
 気がつけば口づけに応えて、自分からも柔らかく舌をからませさえしていた。
 隷従の誓約を交わすような、深い口づけに溺れこんでいく。

…………………………
………………
……


229 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:23:50 ID:Q4M5uOTn

 ……ようやくキスが終わると、アンリエッタは体の力を抜いてくてりと上体を突っ伏させた。茹だった体にピクピクと痙攣が走っている。
 双の細腕を少年の首になげかけて抱きついたまま、恍惚としきって桃源郷をさまよう声をもらす。

「……んみゅぅ……」

「あは、気持ちよさそうに全身ほかほかに温めちゃって……ほんと、どこもかしこもすっかりトロトロになってる。
 そうか、姫さまずっとイってたらこんなふうになるのか……なんか完全にエロ堕ち状態って感じだなぁ。
 ほんと幸せそうに溶けてら」

 疲労と濃い甘ったるさの中で才人は、抱きかかえたアンリエッタの耳元で感想をつぶやく。
 と、そこでとろけきった少女が、かろうじての態で声を発した。

「……………………られの……だれのせいだと、思ってらっひゃるのぉ……ばかあ……
 …………こんらにぃ……こんなに好きにされて……終わりがないほど、気をやらされてぇ……、
 ……今夜などぉ……休まひぇてもくれなかったでは、ありませぬかぁ……
 ……こんなひどい……きもちよくてひどいこと、ずっとされていたらぁ……女なら、だれだってぇ……」

 なじられて才人が少々、ばつのわるそうな顔になった。どうやらさんざんに女体を玩弄しつくして、さすがに嗜虐心を満たしきったらしい。
 そうなると本来、彼はわりと常識的な人間なのだった。

「その、あー、なんていうか、案の定というか、俺やっぱりやりすぎましたね。
 いつものことだけど、今夜はいつもに輪をかけて」

「…………じぶんで、いってたら、世話ないれひょう……
 ……あなたが、それにきづくのはぁ……いつも、あとからで……
 ………………限度というものを、はるかに、とおりこひてからなのですぅ……」

「な、なんていうか申しわけも。
 いやあ、やってるうちについスイッチが入りっぱなしになるというか」

「…………ばかぁぁぁ……………………」

 恨みがましい内容のつぶやきだったが、アンリエッタの声音は甘く蕩けたまま戻ってくれない。
 硬い肉棒がまだ胎内に挿入されたままであり、いまは動かされていないとはいえその感触が少女の肉体から抵抗を奪う。「ふあぁ……」とふやけ声を出す唇は、物憂く濡れてゆるんでいた。
 アンリエッタは少年の肩口にことんと頭を落とし、あらためて才人の首に腕をからみつけて抱きすがった。

 才人のほうも、いまさらながら壊れ物を扱うように抱きしめる。
 彼は、しがみついてくる少女の火照りきって汗に濡れた体を受け止め、肩口にふりかかる乱れた髪を優しい手つきで撫でた。
 アンリエッタのむずがるような甘えきったような鼻声が少年の耳に届く。才人は感想をつぶやいた。

「こうなっちゃうと、なんだか赤ちゃんみてえ」


230 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:24:37 ID:Q4M5uOTn

 と、その言葉が肉色にぼやけたアンリエッタの意識にとどいた。
 少女は緩慢ながら首を起こしてぼんやり才人を見つめる。

「………………んぅン……ふわぁ……………………あかちゃん…………?」

「ん?」

「……やや子……あなたのぉ……? ……さずけてくださるの……?」

「……へ? いや、なんだか話が飛ん」

「……ちょうだぁい……あなたの子が、ほしいのです……ン……」

「さ、さずけてとか言われたって」

「……わたくしぃ、ここまでしました……むりやりきもちよくされて、どれいになるなんて言わせられてぇ……」

「その、あの……実はひっそりキレてたりしますか」

「…………もういいの……奴隷にだってなんだって、もう、あなたの望むとおりになってあげますわ……
 だから、そのかわりに、さずけてもらうのです……」

 長時間快楽責めを受けつづけ、もう限界というところを何度も超えさせられたアンリエッタは、崩れきった甘え声でおねだりしている。
 肉の喜悦に頭からつま先まで惑溺させられ、心までゆるみきってしまっているのである。
 ルイズと「どっちが子供を授かるか」という賭けをしたときに「気取られるような発言は厳禁」といましめあったことも思い出せなくなっていた。

 狼狽している才人の首を巻きしめたまま、アンリエッタは横から顔を寄せて、少年の肩から横顔、首筋までにキスしはじめた。
 愛のしるしを残そうとするやや強めの口づけで、ときおり軽く歯を立てて甘噛みさえしている。
 キスマークを付けられていく才人が、くすぐったそうな声で抗議した。

「なあ、ちょっと、自分は『公務があるから人の目につくところに付けるな』って言ってるくせに!」

 その抗議が耳に入らない態で、ちゅっちゅっとアンリエッタは唇でのマーキングを続けながらおねだりを繰り返す。

「ねえ、おめぐみくださいまし……きちんとそだてます……」

 一方の才人はこのとき、とにかく流される前に何か言うべく、あわて気味に思考を回転させている。
 「あなたの子供がほしい」と望まれて、それは感動しないわけではないが、さすがに大ごとすぎないか? と彼は心配したのであった。
 相手が相手だけに、行き当たりばったりで子供を作ってしまえば、周囲からの怒声は「計画性がない」くらいですむはずがない。


231 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:26:21 ID:Q4M5uOTn

「あのですね、姫さま、そうまで言ってくれるのはそのー、男としてはうれしいんですが……
 コドモってのは急にできちゃったら色々と……、ええっと、どうやって育てるかみたいな問題も考えなきゃ」

 表情がとろんとしっぱなしのアンリエッタが、男の頬をついばむ麗しい唇を開いて答える。

「しっております……
 ちゃんとまいにち、だっこして、おちちをあげますぅ……」

「い、いや、そういう育て方のことを言ってるわけじゃねえんだけど」

 「立場上、いろいろと懸念があるのでは?」と続けようとして、才人は口をつぐんだ。
 どのみち水魔法に関連する避妊薬の調合は、アンリエッタ自身に任せているのである。彼が心配してもどうにもならない。

(やっぱり今夜は追いこみすぎたなあ……姫さま、溶けすぎてすっかり正気がトんでら。
 ……まあ今はいいか。時間を置けばそのうち判断力が戻るさ)

 でも今は今で本気で言ってくれてるんだろうなあ、と才人はしみじみした感慨を抱いた。続いて(なら、このくらい付き合ってあげるべきだよな)と考える。
 もともと色々とためこんでいるアンリエッタである。こういう時ぐらい、何も考えず酔い痴れることも彼女には必要なのだろう。
 そんなことを思いやる少年は、アンリエッタとルイズが互いの家を巻き込んで共謀していることを知らないのだった。

 国内第一位と二位の家門が結託して、陰に陽にフォローしあえば、たいがいの無茶は通せるだけの力を持てる。
 君主の後押しがあれば、大貴族の三女でも『元平民の成り上がり貴族』との結婚がスムーズになるし、周囲の白眼視も(少なくともおもてだっては)減る。
 王その人の結婚ははるかに自由度が低いが、大貴族の筆頭家門が味方につけば、望む縁談がより容易になるのは間違いない。『英雄』の才人となら可能性はある。

 そこで幼なじみ同士の二人の少女は、王家とラ・ヴァリエール家の非公式な同盟を強化しがてら、「どっちが先に既成事実を作れるか」という賭けをしたのである。
 賭けに負けたほうは、恨みっこなしで勝者が才人と結婚することに協力する。ただし負けたほうも才人を愛人にするか、才人の愛妾におさまるという寸法だった。
 計画性がないどころか、ある意味ではこの上なく計画的(と言うより策略的)といっていい子作りだった。

 ――もっとも快楽にふやけた今のアンリエッタに、そんな思考をあらためてめぐらす余裕はなかったが。
 「この人の子供がほしい」という純粋な望みを、心と本能が切実に訴えているだけである。
 どうせアンリエッタはいつかは世継ぎを産まねばならないのである。年若い女王には国民の期待を背負い、結婚して王家を継ぐ子供を宿す義務があった。
 けれど彼女とて、出来るなら望んだ男を選びたかったのである。今回のことは、これが一生で最後のわがままとまで思いつめてのことだった。

 そういうわけで、才人が「姫さま、出すのでゆっくり動きますよ。俺もこれで最後ですから」と呼びかけたとき、アンリエッタは蕩けた美貌をほころばせたのだった。

「おめぐみくださるのぉ……ふぁぁ……うれしい……」

「うん、まあ、とりあえず、最後までしっかり奥で出してあげますから」

「……あぁ、でもぉ……ほんとうに、ゆっくり、ですわ……
 いま激しくされたら、しんでしまうぅ……」

「さすがに今夜はこれ以上いじめたりしませんって。約束します」


232 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:27:01 ID:Q4M5uOTn

 背中を抱きしめていた才人の両手がアンリエッタの下半身のほうに下りていき、双の尻房をつかむ。
 彼は引きつけるようにして、上向いた肉棒にさらにぐぐっと少女の腰を沈ませた。
 亀頭を子宮口に食い込まされ、のどを反らしてうわずった叫びをあげている少女に、才人が低い声でささやく。

「ち○ぽの先が、コリコリした子宮の入り口にしっかり当たってるのがわかるだろ?
 これでゆすゆすしとくから……って、もう?」

 かけられた声も耳に入らない態でのけぞって鳴いているアンリエッタの、茹だった汗まみれの全身と男に貫かれた蜜壺に、予兆となる痙攣が始まっていた。
 下から男の腰がゆったり動き始めると、声にまじった艶が加速度的に濃度を高めていく。

「……ぁぁぁぁっ……ぁぁあ……イ……く……」

 才人がまた頭を引きよせて深く唇を奪った。
 少女の腰がブルッと震え、同時に結合部のすぐ上でピュッと液体が弾け、こすれあう恥毛が生温かく濡れそぼった。
 ゆるかに絶頂の痙攣を走らせつつ背をくねらせる少女を抱きとめて、さんざん舌をしつこく吸いたてた後で、才人はようやく唇を離した。

「……ぁ……ぁ……」

「キスほんとに好きですね、唇重ねたとたんにちょっとだけお潮漏らしましたよ。出尽くしたと思ってたけど、軽く溜まっちゃってたんだな。
 姫さまも自分で動いてみなよ、ん、そう、体を前後にすりつけるようにして」

 また白い領域に連れ戻されたアンリエッタの空白になった脳裏に、才人の声が深く浸透した。
 彼女はその言葉にしたがって体を動かし、前後に体を揺すりはじめた。

 丸太にまたがって伏せる動物のような、四つんばいの騎乗位で動く。
 双乳を才人の胸板でムニュとひしゃげさせて、柔らかく押しこねまわす。豊潤な乳肉が少年の胸の上でくんにゃりつぶれ、温かくやわらかな感触をタプンと円く広げている。

(……おちち……おちちも、きもちいいぃ……)

 それをむにゅりむにゅりとすりつける一方で、切なく蕩けて堕ちた表情で男に甘え、吸ってとばかりに舌を伸ばしてしまう。
 アンリエッタの腰の後ろで才人が両手の指を組みあわせ、しっかり引きつけて逃げられないようにしてから、キスと同時にねちっこく腰を回し上げてくる。股間の密着度が増しているため、クリトリスまで男の恥骨のあたりでこすりつぶされた。
 望みどおりに舌を吸われながら男の恥毛に肉豆をズリズリとこすられ、少女はあっさり淫楽の極みに達し、悩乱して男にしがみついた体を揺すりたてる。
 豊かな乳房ごと男の肌でこねまわしていた両乳首をつままれ、密着した胸板の左右に引っ張りだされて指でクニクニ嬲られた。快楽曲線が下降しないうちに、両胸からの性感でも官能が灼ける。

「……ィきます…………ずぅっと……どろどろになるぅ…………
 ………………して……くちづけ……もっと、してぇ……」

 連続した絶頂に、唇を重ねられていないときは「イクう」と可愛らしく鳴き続けた。ほどなくアンリエッタは、男の肌とこすれあう体のどこの部分で絶頂を極めているかもわからなくなった。
 どれだけ手加減された優しい責めでも、崩落の淵まで性感を煮込まれた少女には十分すぎるくらいだったのである。


233 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:27:51 ID:Q4M5uOTn

 白くも濃い絶頂の高波がゆるやかに重なり、くりかえし肉体を洗って心を漂白していく。
 全身を薔薇色にして、眠げに瞳をとろりと半分伏せながら、温かい涙をこぼして才人まで濡らす。

「ひぐっ…………ゔー……」

「んっ……ち○ぽの先を子宮口にコリコリなすりつけてたら、俺も腰の裏っかわ痺れるくらい気持ちいい……
 もう少しで終わりますから、姫さまがんばって。そのまんま体揺すってイってるだけでいいからさ……」

「……ふぁい……ひふっ、ちゅぴ……」

 キスしながらくちゅん、くちゅんと子宮を小突かれ、最奥まわりの肉をカリで掻くように責められる。
 そのたびにアンリエッタの瞳の焦点はますますぼやけ、脳裏は灼熱したままどこまでも虚ろになっていく。
 いじめられる悦びをしっかり覚えこまされた体が、肉のゆりかごの上でしとどに汗に濡れ、女の高みを静かにむさぼる。

 少年に与えられるこの強すぎる快楽に、頭で望もうと望むまいと、アンリエッタの肉体は完全に病みつきになっていた。
 才人のなすがままにひざまずき、美しい肌に触れられればとろとろに溶け、身も心も尽くしてしまう。
 まだ年若いのに性感神経がすみずみまで発達し、官能の魔力に首輪をはめられてしまっている。

 深すぎる悦びに泣き叫ぶのに、一方で中毒しきってしまい、もうこれなしでは生きていけないとさえ感じる。
 だから逃げられない。
 はじめて抱かれた時からエスカレートしていった末に、いまでは何度絶頂に達しても、気絶してさえも許してもらえないようになった。
 この先もきっとどんどん深みに堕とされていく。

 それは、ひどく甘美な絶望だった。

 それに――肉の悦びだけではなかった。
 ふだんは女王の仮面の下に押しこめてある素顔。才人はそのもっとも弱い部分を見せられる相手だった。
 そんな相手にぎゅうっと抱きしめられるようなやり方で支配され、自分自身をゆだねきって隷属してしまえることが、深い奇妙な安らぎを生み出していく。

「す、き……」

 何度目かのキスの合間に、ぽろっとつぶやき声がもれた。
 汗でぬるぬるになった乳房をムニムニとつぶし、才人の首をいっそう強く抱きしめてすべらかな頬をすりつけ、あえぎと共に告白する。

「……あなたにくちづけしてもらうのがすき……だいてもらうのがすき……」

 仕事でためてきた心労や重圧すべてが、理性とともに濃密な肉の幸福のなかで溶かされていく。

「……いじめられてもすき……すきぃ…………」

 才人の肉棒が射精の予兆をしめしはじめた。
 それを胎内の最奥で感じ取るアンリエッタの美尻も、もぞもぞと切なそうにうごめく。熱い汗がなまめかしい二つの球面を伝わる。


234 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:28:28 ID:Q4M5uOTn

「姫さま、出しますよ……」

 才人が告げて腰を突き上げ、子宮口の中央のくぼみに亀頭をぴったりと押し付ける。少年は子宮内部へ通じる小さな穴に鈴口を密着させ、最後の射精を始めた。
 トクン、トクン、トクンと、心臓の音に合わせるように男の肉が脈動する。
 亀頭にヌルヌルクリュクリュ撫で回されて絶頂漬けになっていた子宮が、精液をトプトプと注がれていく。

「ぁぁ――ああぁぁぁぁぁぁ…………」

 アンリエッタの恍惚の声が波紋のようにさざめいて広がる。あまりにも濃密で、それでいながら静かで澄みとおった快楽だった。
 連続絶頂さえ越えて、官能は白熱の状態でとどめおかれていた。切れ目どころかむらさえない、深く達しっぱなしの状態。肉に感応して魂が、光の色に溶けていく。

 精液のかたまりが男の尿道を押し広げて肉棒内部を上ってくるたび、少女の尻は小さくヒコヒコと上下して優しくしごきたて、吸い上げるように放出を助けみちびいた。
 種付けされる美しい牝となって、蜜壺で男の肉をねっとりとしゃぶりぬき、本能にまかせて桃尻を揺すり、精液を残り汁までせがんで搾りつくしていく。
 少年の上に伏せたなめらかな背から、淫気がたちのぼる。

 忘我の状態で、いつのまにか指をからめ合わせて互いの手のひらを重ねていた。
 融け合った心と心がかわす、思慕のささやき、
 わななく手と手の、触れて圧す力――

 ややあって精の放出が終わり、肉棒の脈動が止まりきっても、身動きもならず彼に身をあずけたままアンリエッタは荒くあえぐばかりだった。

「はっ、はぁっ、ひぃ……はふ、はーっ……ンぅぅ……はぁぁ……っ」

 夕日の色になった少女の耳たぶを飾る、ガラス細工のレモンの花が、きらめきながら揺れている。枕元の本物の花は風にそよいでいた。
 才人もまた深い満足を得て、呆然とした感さえある口調でつぶやいていた。

「すげえ、良かったぁ……」

「…………ぁひ……ぁ……ぁン……ぁぁ……」

 火照りきった呼吸で歌をつむぐ少女は、その言葉にまともな返事もできず、男の胸板の上で涙をこぼしてとろけきっている。
 その後はもう、二人ともに何も言わなかった。
 指一本動かすのもおっくうなほど疲弊しきりながらも、妙に安らかな気分に満たされていた。言葉がこの安息を壊してしまいそうで、ともに口を開かなかったのである。

 最後に軽く何度か口づけを交わして、頬をすりあわせてから、目をつぶって快い眠りへと落ちていく。
 お互いの肌の濡れた熱さのなかで、くっつけた胸から重なる鼓動が、命そのものの音で子守唄をつとめている。
 天使の鳴らす鐘のように、ベッドの上には重厚な余韻と幸福感が静かに響いていた。

…………………………
………………
……


235 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:29:43 ID:Q4M5uOTn

 翌朝。
 カーテンが開かれ、新鮮な陽光が室内に満ちていた。
 とっくに二人とも朝湯をすませて服を着ている。
 それはいいのだが、女王は柳眉を寄せ、寝室の中央にずっと立って手にしたものを見つめていた。

 それは火種の尽きたらしき香炉である。
 ベッドの下にあったのを偶然、起き抜けに才人が見つけたのだった。
 首をかしげて受け取り、中身を調べはじめたアンリエッタの顔色がどんどん変わっていったのである。

 わなわなと震えて一言も発しない少女に、才人はおそるおそる「何ですか、それ?」と訊いてみた。
 頭痛をこらえるような表情のアンリエッタが、嘆かわしげに首をふる。

「……わたくしも初めて見たのですけれど、たぶん王宮秘伝の香でしょう。
 代々、製法は離宮のほうにも伝えられていると聞いてはいたけれど、ここで見るとは思わなかったわね」

 なんだかおかしい気はしていたわ、と苦々しげに一人ごちているアンリエッタに、才人は続けて注意深く訊いてみる。

「どんな効果が?」

「いえ、それは……結婚した王族のつとめを助けると言いますか……
 ええと、世継をさずかるための雰囲気を作り出すと言えばよろしいでしょうか」

「……委細わかりました」

 まどろっこしい説明だったが、才人にも即座に理解がおよんだ。
 言いにくそうに顔を赤らめるアンリエッタの様子と照らし合わせると、一目瞭然である。
 つまりその気になってしまうらしい。発情香とでもいうべきものであろう。

 そういえば心当たりはある。
 いつからかははっきりわからないが、この寝室で嗅覚がいつもと違うかすかな匂いをとらえていた。
 いまにして思えばあれがこの香だったわけである。
 その匂いを感じていたここしばらくのことを回想すると、さらに納得できる。

(なんか最近は二人とも頭がエロ色にふやけてたもんな。
 それでも、俺は昨日まで四日間ほどこの部屋から離れてたけど、ずっとここで寝起きしてた姫さまはたまったもんじゃなかったんだろうな。だから昼間から求めてきたりしてたのか。
 俺もアレとかコレとかして……ちょっとただれすぎてたよなあ、ゆうべとか特に)

 つい頬を熱くしてしまった才人だが、手の中の香炉に目をおとしているアンリエッタは、それに気づいていない様子で説明を続けている。


236 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:30:39 ID:Q4M5uOTn

「見たところいちおう竜涎香と麝香がベースのようですが、そのほかにも水メイジのわたくしにも見当がつかないほどさまざまな原料が入っております。
 心をあやつる『ほれ薬』とは微妙に違いますが、市中に流出したらやはり禁制品扱いになるでしょう。原料だけでもすでに、いくつか禁制品が使われていますから。
 それにしてもあの人たちはなんという……主君のわたくしにこんなものを……」

 間違いなく、この離宮でアンリエッタの身の回りにいる者の仕業だった。
 おそらく離宮付きの侍女の誰かだろう。

 召使たちは女王のプライベート空間に踏み込まぬよう、一日の大部分は離宮中心から遠ざかっているとはいえ、毎日の部屋掃除の時間などにいくらでも機会はある。
 その誰かは「陛下の恋を応援してさしあげよう」とでも思ったのだろうか。
 発情する淫香を、男といるときにひんぱんに部屋に差し入れるとは、なかなかに素敵な仕事をしていると言えた。

 本来なら熟考の余地もなく「探し出してクビ」が妥当な結論である。
 だが、とりあえず才人はその誰かのフォローに回った。

「ま、まあまあ、毒じゃないんだしたぶん親切でやったことだし……」

「親切? その親切でわたくしはこの休暇のあいだ、あ、あのような……」

 さっきの才人のように、昨夜までのことを思い出したらしく、ぼっと火を噴きそうなほどアンリエッタの顔が真っ赤になった。
 自身の痴態を思い返すだに、身の置き所もない羞恥がよみがえるらしい。
 怒りと恥じらいを交互に表情に浮かべ、かなりうろたえているのか才人の目も忘れて行儀悪く爪を噛んでいる。

 うーん、と才人は考えこむ。

(その前に、おもいっきりバレてるほうが問題じゃねえかなと思うんだけど……
 今は置いといてとりあえず、どうやってなだめたもんか)

 誤魔化したほうがはやいかな、と思い当たったとき、とっさに言葉が口をついて出た。

「あのようなって、あれほんとに全部そのお香のせいですか?」

 才人の言葉に、アンリエッタがきょとんとした。

「え?」

「い、いや……そのですね……」

 思いつくまま言ったはいいが、よく考えれば言葉の選択を間違えた気がする。
 とはいえ、いまさら後にも引けない。覚悟するように唾を飲みこむと、才人は一歩前に踏み出た。


237 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:31:15 ID:Q4M5uOTn

「あれだけ恥ずかしいことをしちゃったもんで全部、お香のせいにしようとかしてませんか?」

 その言葉を受けて、アンリエッタの頬が真っ赤に燃えた。

「な、何をおっしゃるのですか!」

「だってよ、そのお香の効果って『気分を盛り上げる』ことなんでしょう?」

 声を低めてそう言いながら、歩をさらに進める。女王のそばに引き寄せられるように足がなめらかに動く。いつのまにか才人は身をすくませたアンリエッタのすぐ前に移動していた。
 アンリエッタは固まっている。生々しい指摘とあわせて、急に男に近寄られたことで思考がショートし、とっさにどんな反応をとるべきか混乱したようだった。

 その赤い小顔を見ているうちに、才人の胸にさらなる妖しいうずきが起こっていく。
 気がつけば手を上げて、アンリエッタの頬に添えていた。少女がびくっと震える。
 その反応に突き動かされるように、才人の口は自然と言葉をつむいでいた。

「姫さまから誘ってきたのはそのせいだとしても、えっちのときのカラダの反応はありゃだいぶ地だよな……」

 頬を手のひらで包まれて顔を上向かされたアンリエッタは、口を閉じ開きしている。怒ろうとして失敗した表情になっていた。
 男にのぞきこまれたその瞳が、見る間に情感をたたえて濡れていく。
 伸びた才人の腕におずおずと手をかけ、長いまつ毛を伏せて、アンリエッタが力のこもらない声で抗議した。

「やめて……そんなことは……」

「違うって言うんですか」

 そう囁きかけながらも、かすかに才人は自身に違和感を感じる。
 少年はこのようなふるまいを、以前よりもずっと自然にできるようになっている。
 というより、アンリエッタの見せる「女」の表情を前にすると、いまでは体がなかば自動的に動くのだった。
 ほんとうは自分が主導権を握っているのではなく、眼前の少女の瞳に魅入られて操られているのだ、という気になってくる。

 室内の空気の温度と密度が高まった気がする。
 どちらからともなく顔の距離がせばまっており、唇に互いの息がかかっていた。

 ふいにアンリエッタが首をかすかに振った。拒む両手が、少年の胸板を押す。

「サイト殿、い、いけませんわ、もう日が昇っておりますからつつしまなければ……」

「あ。し、失礼しました」


238 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:31:49 ID:Q4M5uOTn

 狼狽するアンリエッタの制止は、きっぱりした語調とはとても言えなかったが、目が覚めたように才人はぱっと離れた。
 うなりながら彼は、自分の紅潮した頬を軽く叩く。
 あのまま雰囲気に流されて唇を重ねてしまえば、それだけでは済まなかったかもしれない。まさに直前で引き返したのだった。

(怒りの矛先をうやむやにするだけのはずなのに、何やってんだ俺)

 今でこそ行為の間は嗜虐的な傾向が表に出てきてしまうが、もともと性癖はそう歪んでいなかったのである。自分自身の変化に嘆かざるをえない。

 ふと才人は、自分のほうをじっと見ているアンリエッタと視線が合った。
 彼女のうっすら染まった頬と、静かに潤んだ美しい瞳の奥に、先ほどの妖しい雰囲気の名残がある。
 吸い込まれそうな感覚を覚え、才人は強引に目をそらした。その目を見ていると、また彼女の危ういほどの色香に呑まれかねない。ぐらりと理性がかしぐのである。

 情事をかさねるたび、徐々に彼女の色に染められているのは自分のほうかもしれない、と才人は思わざるをえないのだった。

…………………………

 その一方。

 高まった鼓動がなかなか落ち着いてくれない胸を押さえつつ、アンリエッタも才人に体ごと背を向けた。
 もうどちらからも視線を合わせることはない。

 室内に恥ずかしく気まずい、けれどなぜかもう少し浸っていたいと思ってしまう、不思議な静けさが満ちている。
 その甘酸っぱい沈黙は、恥じらいまじりの情だけではなく、ひそやかで淫靡な雰囲気をはらんでいる。
 濃い夜を共有した男女特有の、大人びてしっとり湿った想いを、いまも背中ごしに分かち合っていた。

 立ちつくしながらもさまざまな情感があふれ、そのなかに名残惜しさもある。
 休暇は今日で終わる。午後にはこの離宮を発つ。召使いたちは今から荷造りにとりかかっているはずだ。
 (いろいろあったけれど)と思いながら、少女はあらためて目元をほんのり赤くして、そっと下腹を撫でる。

 まだ昨夜の強烈な悦楽の余韻が残っている気がする。
 が、それだけではない。彼女にはある予感があった。

 あれだけ中に出されたのだ。
 もしかしたら……


239 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:32:54 ID:Q4M5uOTn
\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\

 余談。

 数月後のこと。
 アンリエッタの妊娠にともない、「子作りで勝負していました」という予想外の真相をようやく知らされて真っ白になった才人だった。

 しかしその横では、ルイズのほうがさらに深い衝撃に打ちのめされている。
 八割方勝てると見こんだ「どっちが先にサイトとの子供ができるか」という賭けに負けたのである。彼女にとっては、まさかの敗北だった。
 涙目で地団駄を踏んだルイズだったが、彼といっしょに過ごす時間はこちらがずっと多いという有利な立場を生かせなかった以上、言い訳のしようもない。
 才人が女王の離宮から帰ってきた後、それまであったぎくしゃくは解消されていたし、以降は夜のいとなみもそれなりにいたしてきたのだが、まだまだがんばりが足りなかったと言われればそれまでのことである。

 そして魔法学院の寮、ルイズの部屋。
 才人はベッドの上、後ろ手に麻縄でしばられて壁にもたれ座っている。
 青い顔の才人のまえで、椅子にルイズが座っていた。運命の無情を罵倒することに疲れきった表情で、目だけが据わって覚悟完了の光を放っている。
 ルイズがぼそりと言った。

「わたし、つい先日ちいねえさまに聞いてみたわ。
 なんで同じことしてても姫さまには子供ができて、わたしにはできないのって」

「あのなルイズ、こういうのは授かり物だから、ちょっとすぐに出来なくたってしょうがないっていうか……」

 ある意味で女の子たちにはめられたためこういう事態を迎えている才人だが、いかんともしがたい。
 けんめいにルイズを慰めざるをえないのだった。
 ルイズが押し殺した声で答える。

「そうね、ちいねえさまもそう言ってたわ。
 ……それから、姫さまにも似たようなアドバイスをいただいたわ。
 二人ともあんたに『もっと甘えましょう』って」


240 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:33:43 ID:Q4M5uOTn

 ルイズは姉だけでなく、妊婦用の揺り椅子に腰かけて満足そうにお腹をなでている恋敵にまで、「赤ちゃんを授かる秘訣」を訊いてきたのだった。
 わらをもつかもうと焦るあまり、プライドをかなぐりすててヤケになっていたのである。
 いつかも三人で添い寝して語りあった少女たちだったが、話題が微笑ましげながらまったく笑えないという状況はこれまでなかった。

 カトレアもアンリエッタもこれにはさすがに困り、なだめつつ「サイト殿にもっと素直に寄り添ってみたらどうかしら」と付けくわえるしかなかったのだった。
 無論、もっといっぱいしてもらいなさいな、という意味である。

「さ……左様で……」

「あんたにわかるのかしらこの屈辱。
 ほんとはね。あんたなんか今すぐ大きな鳥カゴに入れて、そこの窓から外に吊るして、カラスにつつかせて雨風にさらして、白骨がカラカラ鳴るまで日光で漂白してやりたいくらいよ。
 けどね、素直にならなきゃ駄目って言われたもの……これ以上に差をつけられてたまるもんですか……どうしても早く子供つくらなきゃ」

「いや……あの……そんな思いつめなくても、要するに仲良くしてアレをがんばればいいだけで……
 ルイズ? ところで気になってるんだが、その小さなテーブルのうえの怪しげな薬品類と香炉はいったい?」

「ちいねえさまから繁殖期のペットに使う薬草エキスをもらってきたわ。妊娠しやすくなるおまじないみたいなものだって。
 で、こっちはモンモランシーにもらってきたほれ薬。こうでもしないと今すぐ気分を和らげたりなんてできないからね。
 わたしがどんな、その、いかんともしがたい状態になっても調子に乗るんじゃないわよ。今回は前もって解毒薬を用意しておいたから、適当なところでわたしに飲ませないと本当に殺すかんね。
 それから最後にこのお香。なんだかわからないけど、姫さまが持たせてくれたわ。王宮特製だっていうから何かの効果はあるのよね」

「ちょっと待てぇっ! 止めろ! 力技すぎるというかほれ薬と香の組み合わせが危険だ! あ、おい、待っ、よく知らないくせに香炉に火を入れるんじゃない!
 ああ薬いっぺんに飲みやがった! え? ほれ薬は俺もいっしょに飲むの?
 っておまえはバカか、この閉じきった部屋で両方メロったら、このあと誰が俺たちに解毒薬を飲ませるんだよ!? 帰省中のシエスタがここに帰ってくるまで発見されなかったらどうする!
 な、なんだよルイズ急に……口移し!? もう効いてる! やめろこら飲ませようとするな!
 この部屋からしばらく出られなくなる予感がひしひしとしてきた! 『当たる』までやる気か、おいっ、聞けっての、むぐ、んぐ、んむっ、んく……!」


241 名前:退廃と哀歓の休暇〈下〉・後編2:2008/08/28(木) 22:35:15 ID:Q4M5uOTn
ようやく一区切りついてすっきり。
今回は基本の責め方をなぞってみた。次のエロはまた変な設定で書いてみたいです。
オチもついて、これでラブエロ版5の状況につながりました。
今度はシリアスを終わらせにかかります。

242 名前:ボルボX:2008/08/28(木) 22:35:59 ID:Q4M5uOTn
名前欄のタイトル外し忘れてたw

243 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 22:37:08 ID:kYqFeiat
GJGJGJGJGJGJ
相変わらずのクオリティ
ガチで抜いた
(*´Д`)    シュッ
 Σ⊂彡_,,..i'"':
     |\`、: i'、
     \\`_',..-i
       \|_,..-┘


244 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 22:37:42 ID:jwPC8e3i
ふぅ・・・(額の汗をぬぐいながら

245 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 22:38:17 ID:rj9WVwuC
なんというか凄すぎ
文字で本立ちしたの始めてだ

246 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 22:47:57 ID:IcPkMkXV
GJ ここまで量があると、読みごたえがあります。
次回作も期待してしまうなぁ

247 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 22:50:36 ID:ZT+Ae3hX
ボルボ氏Gjでおじゃる
ていうかボルボ氏のルイズが読みたくなったんだぜ

そんなわけで才人クワドラブルブッキング編、アン様のばあい投下いきます

・・・30分しかたってないけど、眠いからささと投下したいんじゃよ(何

248 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 22:51:43 ID:ZT+Ae3hX
王都の外れ、少し窪地になって水の溜まりやすくなった場所にある噴水が、待ち合わせ場所だった。
その噴水の縁石に、一人の女性が腰掛けている。
黒い短髪を短いポニーテールにまとめ、白いブラウスにトリスタニアの女性としては珍しい、黒い長ズボン。
物憂げに人通りの多い通りを見つめるその女性に、何人もの男どもが声を掛け、人を待っていますので、と玉砕する。
はぁ、と今日何度めかも知れない溜息をつき終わると、その視界が翳る。
目の前に、黒髪の少年が立ったからだ。

「ごめん、待たせた」
「…遅刻です。もう帰ってしまおうかと思いました」

目の前に立った才人に対し、ぷい、と顔を背けてアンリエッタ女王の化けた少女、アンは不機嫌に言う。

「ごめんってば」

平謝りに頭を下げる才人を横目でちらり、と見ると、アンは。

「じゃあ、ケーキはサイトさんのおごりですね♪」

にっこり笑ってそう返した。
いくら財政が逼迫しているとはいえ、一介の騎士でしかない才人よりアンリエッタの方が金を持っているのだが、そう言う問題ではないのだろう。
才人はハァ、と溜息をつくと、まだ縁石に腰かけたままのアンに手を差し伸べる。

「分かりましたよ。とにかく、そのケーキ屋さんとやらに案内してください」
「はい、わかりました♪」

にっこり笑って、アンは才人の左腕を抱え込んだのだった。

アンの案内したのは、大通りから一本裏に入った場所にある、小さなカフェ。
大きな商家の次男坊が営むというそこでは、果物をふんだんに使ったケーキが人気だという。
値段も手ごろで味もよいので、すこぶる評判がよいのだ。
ネタばらしをするならば、その商家から新鮮な果物を格安で卸して貰っているため、格安で上質なケーキを提供できるのである。
白い壁紙に、木でできた丸椅子と丸テーブルのたくさん置かれた店内は、そんなケーキを求める客で一杯だった。
そのうちの一つに腰掛け、才人とアンは件のケーキを目の前にしていた。
真っ白なクリームの上に、イチゴの輪切りを並べて扇のように並べたその評判のケーキを、アンは頬張って嬉しそうに笑う。

「おいしい!これ、とてもおいしいです」

王室育ちで味には敏感な彼女のお墨付きだ。これ以上の誉れはないだろう。
才人も彼女に倣い、一口、そのケーキを頬張る。
確かに旨い。甘いだけでなく、果物の酸味が絶妙なバランスで、口の中に広がる。

「うん、うまいよコレ」

言って才人はもう一口食べようとフォークをケーキに向ける。
すると、横からするりとアンの手が伸び、自分の手元にケーキの皿を引いていってしまう。
才人はいぶかしげな顔でアンを見つめるが、その答えはすぐに見つかる。

249 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 22:52:43 ID:ZT+Ae3hX
アンは自分のフォークで才人のケーキを切り分け、刺すと。

「はい、あーん」

なるほど。
アンはこれがやりたいがために、才人のケーキを持っていったのである。
慌てて周りを見渡す才人。他の客の視線が気になったからだ。
しかしそれは杞憂に終わる。
周りには似たようなカップルが多く、既に周囲は『あ〜ん』の嵐であった。
アンがこのカフェに目を付けたのにはもう一つ理由がある。それがこれだ。
このカフェの店主が宣伝に使った文句…『甘酸っぱいケーキで二人の甘い時間を演出します』。
おかげでこのカフェはカップルに大人気なのである。
ちなみに店の隅っこのブースではげ頭の中年が褐色の肌の美女に『あ〜ん』をせがまれていたがその事はこの際関係ない。
才人は仕方なく口を開け、アンの差し出すケーキを食む。
才人がケーキの欠片をこくん、と飲み込むとアンは満面の笑顔で尋ねてきた。

「おいしいですか?」
「うん、うまいよ」

まあさっきと同じケーキだしな、と思ったがそんなツッコミを入れるほど流石に才人も野暮ではない。
しかし、アンはコレだけでは満足しなかった。
才人の方に、自分の食べていたケーキを押し出すと。

「じゃあ、今度はサイトさんの番ですよ♪」
「え?」
「はい、あ〜ん」

アンが何を言っているのかわからず、動きを止める才人に、アンは瞳を閉じて軽く唇を開き、小さく舌をぺろ、と出して、才人の『あ〜ん』を待ち構える。

「…しょうがねえなあ…」

半分呆れた才人だったが。
すぐに気を取り直してケーキを一欠けフォークに刺し、アンの舌の上に運ぶ。
ちる、と舌の上に乗ったケーキの欠片を口の中に運び、アンはもぐもぐと食む。

「…ん。食べさせてもらうと、もっとおいしいです…♪」

にっこり笑ってそう言うアン。
そしてケーキの皿を才人の方に寄せ、椅子を才人の横に移して、隣にかける。
もう、アンが何をしたいのか、才人には完全に理解できていた。

「はい、あ〜ん♪」

そして二人は仲睦まじい恋人さながらに、ケーキを交互に食べさせあったのである。

250 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 22:53:29 ID:ZT+Ae3hX
二人がカフェを出たのは、それから小一時間ほどしてからのこと。
さすがに混みあってきたので、二人は追われるようにカフェを出たのである。
アンは才人の腕に寄りかかり、満面の笑顔で道を歩く。
才人はちら、と空を見る。
時刻は日が西に傾き始めて少し、といった所。このまま無事王都を出られれば、夜になる前に魔法学院に帰れる。

…ひょっとすると、このまましないで済むかもしれない。

などと淡い期待を抱いてみるのだが。
しかし世の中はそんなに甘くもなく。
王都の城門までの通り、宿場の増えるあたりに入ったとき、才人は気付いた。
アンの息が異常に荒い。
はぁはぁと苦しそうに呼吸をしている。

「ど、どしたの?」

才人は心配そうにアンの顔を覗きこむ。
彼女の頬は赤く上気し、熱に浮かされたようにその瞳が潤んでいる。

「あの、サイトさん…少し、休んでいくわけにはいきませんか…?」

辛そうにそう言うアン。
しかし、ここで『休む』と言えば、当然のことながらその辺の宿でご休憩、ということになるのだが。
それだけは避けたい。

「…具合悪いならおうき…家まで送るけど」
「いえ、違うのです…」

具合が悪いのでなければなんなのだろう。才人の疑問にアンは続ける。

「私、先ほどのお店で、遅効性の媚薬を飲みました」
「なんですと?」
「ですから、今、体が、火照って仕方ないのです…。ですから、ね…?」

潤みきった目で催促をしてくるアン。
狡猾な罠であった。
しかし今日は才人も引くわけにはいかない。

「…今日はデートだけの約束だよな?」

先だって結んだ女王との契約を持ち出す才人。
だがしかし。
この程度の事態、王たるアンリエッタが予想していないはずなどない。

「…そんな、冷たい事を仰るのね。私、サイト様に悦んで欲しくて、このような事を、しておりますのに」
「…いや頼んでないし」
「…わかりました」

才人がそう断るのも予想の範疇。
ならば、彼が逃げられない決定的な一手を打つまで。
アンは、上気した唇を開き、決め手の言葉を漏らす。

251 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 22:54:48 ID:ZT+Ae3hX
「なら、その辺りの殿方にこの体の火照りを収めていただく事にします」
「へ」
「…私、サイトさんが来るまで、何人もの殿方にお声をかけていただきました。
 ですから、私から声をかければ、何人でも私の望みを叶えていただけるでしょうね。
 あなたに耕されたこの身体、どんな殿方の種でも受け入れるでしょうね」
「ちょ、ちょいまち!」

少し涙が流れたのは、半分は演技。
もう半分は、才人以外の男に抱かれるという行為を想像し、あまりにも悲しくなったため。
慌てて才人はアンの肩を抱く。

「…わかったよ、しょうがねえなあ。でも、夜には帰らないといけないから、何回もできないぞ?」

才人は折れた。
完璧なまでの罠であった。

「はい♪でしたら、急ぎませんと」

言ってアンは才人の肘を、発情し始めた乳房で挟み込んだまま、一件の宿の押し戸を潜ったのだった。

そこは、その宿屋でもかなりいい部類に入る部屋。
しかも、恋人用に壁を厚く作ってある、特製の部屋だ。
その部屋に止まるには予約が要ると才人が知ったのは、ずいぶん後のことである。
グレイの壁紙を橙色のランプの光が照らす、その部屋の中央には、天蓋こそないものの、王女の寝所とさほど変わらない大きさのベッドが鎮座している。
そのベッドの上、若葉色のシーツの中央に、女王の裸身がまるで白い蝶を展翅したように、飾られていた。
弾けそうな若さの潜む白い肌の内側から、媚薬に沸かされた紅い血潮が桜色に染め上げる。
紅もひいていないのに紅く染まった唇からは、とめどなく甘い溜息。肌から溢れる発情した女の汗と相まって、周囲には香炉も炊いていないのに極上の牝の香りがした。
愛しい人の行為を身体を広げて待つその様は、まるで娼婦のよう。しかし隅々まで手入れの行き届いたその肢体は、まさに神より授かりし王そのもの。
才人は変装を解いたアンリエッタに同じく服を脱ぎ、ベッドに上がる。
いつ見てもなんていやらしい、そしてなんて神々しい身体なんだ、と思う。
この身体が全部自分に向けられている、そう思うと支配欲と興奮でさらにいきりたってくる。

…でも、今日はさっさと終わらせないとだしな。

才人は、右拳に隠した、『アレ』を握り締める。
それは先だって、アンリエッタに使おうと買っておいたもの。
一、二回の行為では満足しないアンリエッタのために、裏町で買ってきたのだ。
ちなみにコレの売り文句は『もっと刺激を与えたい貴方へ!』である。
才人はそのままアンリエッタに覆いかぶさる。
アンリエッタはそっと両腕を持ち上げると、愛しい騎士の首に腕を回した。

「あの、何度もできませんから…今日はいっぱい、口付けをくださいまし…」

アンリエッタはキス好きだ。
というか、ルイズとタバサもキスが好きである。
シエスタとティファニアはそこまでキスが好き、というわけではない。
貴族の三人はキスを愛の交換の儀式のように思っている節があるが、平民と平民出の二人は、キスよりも身体のスキンシップを好む傾向にある。
やはりこれは、受けてきた教育の違いなのだろうか。

252 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 22:56:16 ID:ZT+Ae3hX
まあそんあことはともかく。
才人は何度も何度も甘い口付けをしてくるアンリエッタの下半身に手を伸ばす。

くちゅ…。

媚薬の効果もあってか、アンリエッタの女陰はすでにとろとろに煮溶けていた。

「ふンっ…」

交わされた唇の隙間から、アンリエッタの溜息が漏れる。
そして、少し不満げに言う。

「…今日は、いきなりなんですのね…?」
「…どんだけ濡れてるか確認したくてさ。それに」

くに。

「ひぃ!」

才人は、興奮しきって少し皮を押し上げてきたアンリエッタの核を、指の腹で押した。

「お豆も、もうこんなになってるし」
「だ、だめです、そこは感じすぎ…あひ!」

もう一度こねると、アンリエッタは悲鳴を上げて悶える。
神経の塊である上、普段は皮に納められて保護されている器官をこね回されているのだ。
ぴりぴりとこめかみに走る電流と、背筋を蛇が這い回るような感覚に、アンリエッタは悶えた。

…これなら、いけそうだな。

才人は勝利を確信し、ベッドの上では女王ではなく、自分の忠実な牝奴隷のアンリエッタに、命令を下す。

「じゃあ、姫さま。四つん這いになって、お尻を上げてみせてよ」

犬のように這い蹲る、屈辱的で恥ずかしい格好を要求され、アンリエッタの眉が曇る。
しかし、愛しい主人の要求を、淫乱な牝奴隷が突き放すはずもなく。
己が騎士の前で、絹よりも肌理の細かい真っ白な臀部を高く持ち上げ、女王は四つん這いになってみせる。

「あ、あの、これでよろしいでしょうか…」

アンリエッタのうなじに、心臓からどくん、と黒い獣の血が流れ込む。
これから、後ろから、獣のように交わるのね。
それを考えるだけで、アンリエッタの中の牝が容赦なく吼える。
とろりとろりと女陰から蜜を零し、アンリエッタは真っ赤に割れた女王の果実をふるふると震わせて才人を待つ。

「それじゃあ、ご褒美だ」

そして、才人は握っていた右手を開き、掌の中から小さな、半透明のヒマワリの種のようなものを取り出す。
それは先の欠けた楕円の形をしていて、欠けた部分を口とした小さな壷の様になっている。
よく見ると、口の部分から中にかけて、細かい襞が刻まれているのが分かる。
これは、南方に生える植物の樹液を、型にはめて固まらせたもの。ゴムのような弾力性があり、つまむとスポイトのように中にモノを吸い込む。
才人はそれを軽く押し、入り口が開いた状態にさせると。
アンリエッタの下半身を抱きこみ、左手で女陰をこね、一番硬い塊の皮を剥きあげる。

「…ひ!お、おまめは、おまめは堪忍してくださいましと!」

253 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 22:57:51 ID:6APaFXbu
力作スグル・・・
お疲れさまでした

254 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 22:58:08 ID:ZT+Ae3hX
まあそんあことはともかく。
才人は何度も何度も甘い口付けをしてくるアンリエッタの下半身に手を伸ばす。

くちゅ…。

媚薬の効果もあってか、アンリエッタの女陰はすでにとろとろに煮溶けていた。

「ふンっ…」

交わされた唇の隙間から、アンリエッタの溜息が漏れる。
そして、少し不満げに言う。

「…今日は、いきなりなんですのね…?」
「…どんだけ濡れてるか確認したくてさ。それに」

くに。

「ひぃ!」

才人は、興奮しきって少し皮を押し上げてきたアンリエッタの核を、指の腹で押した。

「お豆も、もうこんなになってるし」
「だ、だめです、そこは感じすぎ…あひ!」

もう一度こねると、アンリエッタは悲鳴を上げて悶える。
神経の塊である上、普段は皮に納められて保護されている器官をこね回されているのだ。
ぴりぴりとこめかみに走る電流と、背筋を蛇が這い回るような感覚に、アンリエッタは悶えた。

…これなら、いけそうだな。

才人は勝利を確信し、ベッドの上では女王ではなく、自分の忠実な牝奴隷のアンリエッタに、命令を下す。

「じゃあ、姫さま。四つん這いになって、お尻を上げてみせてよ」

犬のように這い蹲る、屈辱的で恥ずかしい格好を要求され、アンリエッタの眉が曇る。
しかし、愛しい主人の要求を、淫乱な牝奴隷が突き放すはずもなく。
己が騎士の前で、絹よりも肌理の細かい真っ白な臀部を高く持ち上げ、女王は四つん這いになってみせる。

「あ、あの、これでよろしいでしょうか…」

アンリエッタのうなじに、心臓からどくん、と黒い獣の血が流れ込む。
これから、後ろから、獣のように交わるのね。
それを考えるだけで、アンリエッタの中の牝が容赦なく吼える。
とろりとろりと女陰から蜜を零し、アンリエッタは真っ赤に割れた女王の果実をふるふると震わせて才人を待つ。

「それじゃあ、ご褒美だ」

そして、才人は握っていた右手を開き、掌の中から小さな、半透明のヒマワリの種のようなものを取り出す。
それは先の欠けた楕円の形をしていて、欠けた部分を口とした小さな壷の様になっている。
よく見ると、口の部分から中にかけて、細かい襞が刻まれているのが分かる。
これは、南方に生える植物の樹液を、型にはめて固まらせたもの。ゴムのような弾力性があり、つまむとスポイトのように中にモノを吸い込む。
才人はそれを軽く押し、入り口が開いた状態にさせると。
アンリエッタの下半身を抱きこみ、左手で女陰をこね、一番硬い塊の皮を剥きあげる。

「…ひ!お、おまめは、おまめは堪忍してくださいましと!」

255 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 22:59:27 ID:ZT+Ae3hX
しかし、アンリエッタの願いはさらなる刺激によって塗りつぶされた。

かぷ。

「あ───────────────────────っあ!」

目の前に稲妻が走ったと思った。
最も敏感なあの部分が、何か、ぶにぶにした、こりこりしたものの中に収められた。
それは普段そこを守っている皮の内側とは正反対に、膨れ上がったそこをこりこりと容赦なく締め上げる。

「なにっ!?な、なにを、なさ、なさいました、のっ?」

怯えに近いアンリエッタの声に、才人は。

ぶちゅう!

蜜の溢れる女陰を貫く事で応えた。
そして同時に。
アンリエッタのクリトリスをくわえ込んでいる、透明な樹脂のカタマリを指でぴん、と弾く。

「ひぅぁ─────────────────っ!?」

びくんびくん、とアンリエッタの身体が震え、膣が蠕動する。
才人は奥まで差し込んだあと、連続した絶頂に行きも絶え絶えのアンリエッタの耳元で囁いた。

「これな。姫さまが普段俺のちんぽにしてることを、姫さまのお豆で感じられる道具なんだよ」
「う、うしょ、さ、サイトさまぁ、いつ、も、こん、なぁ…?」
「その通り」

ぴん!

「くぁ、ひぃっ───────────っ!」
「いっつも俺、こんなすごいの感じてるんだぜ?たまには姫さまも感じてみてよ」
「う、うひょ、らって、こんなの、ガマン、できるわけひ────────────!」

アンリエッタが反論するたび、才人は樹脂でできたアンリエッタの擬似的な肉棒をぴん、と弾く。
そのたびに絶頂を迎え、盛大に膣を震わせるアンリエッタ。
媚薬の効果もあってか、アンリエッタは気が狂いそうなほど感じていた。

「そう言うけどさ。俺結構ガマンしてるんだぜ?」

ぴん!

「ひくぅっ!らめまたぁっ!ひぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「堪え性がないのは姫さまなんじゃないの?」
「ひ、ひが、ひがいまひゅ、ひがいまひゅぅ!」
「ロレツもまわんないくらい感じてるんだな。ほんと、やらしい姫さまだ」

今度は、指で樹脂ごと押しつぶす。

くにゅ!

「───────────────────────!」

かくかくと声もあげられずにアンリエッタの喉が震え、ぎゅう、と才人を締め上げる。

256 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 23:00:29 ID:ZT+Ae3hX
同時に。

ぷしゃっ…!

肉豆を咥え込まれた股間から、潮が噴出す。
その数瞬後、身体から力が抜けたのか、くたん、とベッドに突っ伏すアンリエッタ。
一度に酸素を消費した身体に酸素を送り込むべく、ひはひはと荒く息を貪る。
だが、休息を与えてはダメだ。

ぶちゅ!ぶちゅう!

才人は完全に脱力したアンリエッタを容赦なく犯す。

「や──!ひ───!や、め、いま、いきまひた、いきまひたばかりです!や…め!」

だが才人は止まらない。
どろどろの蜜の溢れるぐちゃぐちゃのアンリエッタの牝を、容赦なくかき回す。

「今日は早く終わらせるんだろ?まだ俺が終わってないから」
「やめ!も…う!きがくるひゅ────────────────ひぁぁ?」

ぴん!

肉豆を強く弾かれ、意識も同時に弾かれ、腰の抜けかけたアンリエッタの膣が、ぐりゅぐりゅと才人を締め上げた。

「ひは─────あ──────────────!」
「で、出るよっ、アンリエッタっ…!」

どくどくどくどく!

最後だけ名を呼び、才人はひくつくアンリエッタの奥で、ようやく果てた。

257 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 23:01:49 ID:ZT+Ae3hX
水魔法で抜けた腰をなんとか治し、不機嫌な顔でアンリエッタの化けた街娘、アンは馬上の才人を見上げた。

「…あんな酷いことされると思いませんでした」

いくら自分から誘ったとは言え、あそこまで無理やり気をやらされるとは思っていなかったアンであった。
しかし、そのアンよりも、馬上の才人の方が不機嫌であった。

「今回は、アンが悪い」
「え?どうして…?」

才人は、不思議そうな顔のアンに、ちょっと怒った顔で言った。

「『他の男に抱かれてくる』とか言ったろ?あれで、俺相当トサカにきたぜ」
「…あ…」
「ああいう、自分を人質に取るようなやり方、俺は好きじゃないな」
「…ご、ごめんなさい!もうしません、もうしませんから!」
「わかればよろしい」

泣きそうなアンの頭を優しく撫ぜ、才人はそう言った。
そして。

「じゃ、これはお土産。アンにあげるよ」

言って、馬上から先ほどまでアンの下半身を苛んでいた半透明のヒマワリの種を落とす。
思わずそれを受け取り、アンは真っ赤な顔で今度は怒った。

「い、いりませんこんな、こんなはしたないモノ!」
「そんな事言って。すっごい感じてたじゃん」

才人の言葉に、アンは耳まで真っ赤になって。

「そ、そうですけれど!でも、あんな、あんな」
「すっごい可愛かったぜ?メチャクチャに感じてるアンはさ」

才人の言葉に、アンの顔がさらに赤くなる。まるで熟したトマトのようだ。
アンは、才人に手渡されたそれを、大事そうに両手で包み込む。

「わ、わかりました。では頂いておきます。
 で、でも、次は使いませんよ?」
「さあてどうかなあ?自分で出すんじゃないかなあ?」
「さ、サイト様のばかぁ!」

怒って拳を振り上げるアンに、才人は馬を走らせる。

「じゃあ、また今度な!」

走り去る才人を未だ赤い顔で見送りながら、アンは才人の『お土産』を抱きしめる。
そして、思った。

…あんなに無理やり急ぐってことは…ルイズ絡みかしらね…?

明日辺り、お忍びで学院に行ってみよう、そう思う女王様であった。

258 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/08/28(木) 23:03:11 ID:ZT+Ae3hX
やっちまったぜ二重投稿orz
寝ぼけているとはいえあんまりだあorz

さて、学院に帰った才人の運命やいかに!
きっと物凄く短いルイズ編は明日以降のお楽しみ。んじゃねゆ。ノシ

259 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 23:07:06 ID:hcXmQzg5
      ∩∩ ;
      ;|ノ||`      ┬-‖
   __,/●●| __    | | ‖
   | ; |`(_●)/ ミ   . Y ‖     ふぅ…なんとか致命傷で済んだぜ
   | .彡|∪||、 , .|     |  ‖
  /:~ ̄ ̄ ̄ ̄:/.|    |  ‖
  ,|:::::.   .......::/>>    /  ‖
 /.:::::  .. ...::::::|'(/\_/  ‖
../:.:::    .. :.:::/.:/     /‖\
/.:::.   ....:::..:::/.:/
' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _/
|_| ̄ ̄ ̄ ̄|_|

260 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 23:15:50 ID:kYqFeiat
致命傷じゃダメじゃんwwwww

261 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 23:22:38 ID:nZL5KIsE
何このエロラッシュ!
ボルさん、へんたいさん、GJ!!!!!!っした。
てかこんな旨いブツを連発とか勿体無すぎしょ

特にボルさん、どれだけ搾り取るつもりなのかと
てかね余韻がすご過ぎるとね、感想とか出ないんだ・・・
へんたいさんは寝なさい!www
んでルイズ編は短いとか、オチが気になって仕方がない

お二方とも次回も楽しみにしています!(But無理しない程度に)

262 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 23:45:24 ID:e9VsuW6+
ボルボ氏&せんたいさんGJ!

今日は幸せだ!アン様祭りだ!
2作イッキは本当にらっきーだぜ

ボルボ氏は次回作を せんたいさんは続きを楽しみにしてるよ。

んじゃ俺もねよ。

263 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 03:35:18 ID:HrIxp35+
>>242 >>258
ボルボ氏そしてせんたいさんGJ!
お二方とも季節の変わり目ですので無理をなさらずご自愛ください
次回も楽しみにしています!


264 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 03:53:37 ID:k3kXpHew
>>241
ボルボ大兄!!!
すばらしい!あンたは真のエロ・ゴッドだよ!エロモンスターだよ!!!

いっぺん回転しないお寿司を奢らせてください!

265 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 04:14:06 ID:k3kXpHew
>>258
へんたいさんはスイーツ(笑)バイキングにご招待したい!

ああ、やっぱアンはエロいなあ・・

266 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 07:30:31 ID:qWu5Xhk3
保守

267 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 09:41:20 ID:O0p8zckk
やっぱぁり最高
http://best-turn.net/aooto/main/pointback/in.php?id=rluDKZr6giCAI

268 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 10:01:10 ID:r5pDOQCM
>>247
ちょwせんたいさん
30分しかたってないけど眠いからって前回のこと全く反省してねー

269 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 10:30:04 ID:uN5E+W4P
はいはい荒らしたいだけの自治厨は雑談スレへどうぞ

270 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 10:41:51 ID:5sZG4sit
荒らすとかそういう問題じゃねーだろ
久々に出てきた作家さんの直後だぞ。
眠いなら次の朝にでも投下すればよくなかったか?

マナーというのは他者に配慮すること。
俺は荒らす気はない。が、前回のことも考えると今回のはどうかと。

271 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 10:50:28 ID:C6deO9Gh
>>270
お前が一番迷惑



以下スルーで

272 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 10:51:12 ID:YIelY5Da
そんなことより、きゅいきゅいが羞恥心をもったらどうなるかについて話そうぜ!!

273 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 10:57:45 ID:/MBioDHs
眠いなら寝て次の日投下すればいいだけとも思ったけどね
でも別に人気作家だしこれぐらい許されて良いんじゃないか?
所詮俺らは読むしか出来ない乞食だし言う資格ないと思う

274 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 11:49:18 ID:eXazhUjC
まったく……このツートップときたら……



ふぅ……


275 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 12:12:33 ID:wtlyxRh1
この後に誰もレスや投稿しなければいいんじゃね?
そうすれば落ち着くでしょ。俺ってかっこいい!!!

276 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 12:38:24 ID:i0J0r640
人気作家だから。とかどんな理由だよ
人気がない人は同じことをする権利すらないというのか

せんたいさん自身、前のことで自分が理由で討論になったって気付いてるのに、30分で投下とかわけわからん
反省してないだろ

ボルボ氏GJ


277 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 12:46:12 ID:YIelY5Da
いろいろ言いたい事あるけど、ここで議論しても荒れるだけなので何も言わない
だからお前らも何も言うな
どうしても続けたきゃ保管庫いけ

ゼロの保管庫雑談掲示板
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7927/1162204142/


278 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 13:20:23 ID:wtlyxRh1
だれもレスしなきゃいいっていってんのにおまえらあたまおかしいんじゃね?
人気作家だろうがうまれたてだろうが、ルールってものをりかいしなきゃな
所詮商業デビューもできないへたれがGJほしさに投稿してるやつもいるかもしれないが、
ルールってもんは空気読んで理解してあたまにたたきこんで それではじめてスタートラインにたてるんだよ

え? おなじことを繰り返してる奴がいる?
ばかなの? あほなの? あほの子は汁フィでじゅうぶんなのね。

そんなやつは、社会人ならとっくに周りからほされてるね。
さいきんの新人はホントに使えないダメな子がおおいってのも、うなずけるわ

せっかくだからあげておくか。

279 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 13:25:26 ID:PIwAXZ92
んなこたどうでもいいけどルイズかわいいよルイズ

280 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 14:01:39 ID:oqKf5mur
アン様タバサてぃふぁにあシエスタも可愛いよ、ヘイ

281 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 14:58:41 ID:EhMH5WuP
ボルボ氏
せんさいさん氏(んーなんかハンドルがさんまで有るから氏つけると変だね^^;)

お二人様ともGJでした

>>240
ルイズわらたw

>>249
アンが『ア〜ン』ww
作中のサイトとアンに一言言わせて頂く!
『ア〜ン』は隣に座ってするよりも向かい合って座ってやった方が
破壊力は増すんだぜw



282 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 16:24:56 ID:NGf2nu7i
自分は前スレで出て行った書き手です
久しぶりに来て最近の流れを一気に読んでみましたが、この流れには同意しかねますね。

さっき見たら誰かがSS落とした直後にレスが一つもつかないうちにSSを落とした人がいました。
彼は先にそのSSを投下した人がどれくらいの時間と思いをかけて書いたのかとか、そのSSへのもらえ
たかもしれない感想が非常にもらいにくくなったことにどんな気持ちを抱いたか想像したことがあるん
でしょうか。
彼に悪気があったとは思いませんが知らなかったことが免罪符になるとは思いません。

誘い受けしない、自分語りしない、他人の投下直後の投下を避ける、台本形式はなるべくさける、女体化とか百合
とかは注意書きする、馴れ合わない、二次なんだからキャラを安易に壊さない、分割投下ならある程度の見通しを書く

要はスレが荒れないためにはスレ住民の「寛容さ」とやらだけでなく書き手の自主防衛も大事だということが言いたかっ
ただけです。
まあこのスレ的には自分は異端なんでしょうがキャリア1年ちょいの書き手として思うことを書いてみました。

長々と失礼しました

283 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 16:28:17 ID:r5pDOQCM
しかしよくみたらボルボ氏が投下し終わったのが22時35分でせんたいさん投下が22時50分
投下が終了から次の投下までの間はわずか15分しかないじゃないか?
悪気ないどころか…

284 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 16:37:51 ID:SxeLtpEF
こうしてまた書き手が一人減るのであった

285 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 16:39:03 ID:uEbpTeoq
まあ、8月も終わるから静かになるんじゃない?

286 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 16:40:02 ID:uN5E+W4P
前は投下の後に投下なんて珍しくもなかったんだがなあ

それだけ職人が減ったってことだろうな
なんで減ったのか考えてみようぜブラザー?

287 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 16:41:28 ID:oDXyt02V
資源の枯渇とか?メインキャラは大抵のパターンの話やシチュをやっちゃった気がする。

288 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 16:43:22 ID:JCzq5eOu
まったくよそ者のオレが言うのもなんだがPCつけてられる時間って早々あるわけでもないんで
誰か投稿したら自重なんてのはおかしなルールだと思う。レスすりゃいいだけじゃん。読んだ人が。

289 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 17:00:11 ID:9FcXcItz
ここで議論しても作品投下し難くなって、他の職人さんや読者に迷惑が掛かるから
分別のある人ならそれなりの場で議論しようね

皆が気持ちよく楽しむためのルールのことで場が荒れたら本末転倒だし

290 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 18:10:55 ID:HrIxp35+
>前は投下の後に投下なんて珍しくもなかったんだがなあ
普通にそういうことが結構あったんだよなぁ 一人SSを投下したら
すぐにSS投下なんてのがあったんだが
>なんで減ったのか考えてみようぜブラザー?
訳のわからんキモイルールを押し付ける頭のおかしい自治厨(失笑)が
でかい声で自身の価値観を押し付け同調しない奴を口汚く罵るようになったから
とスルーできない心の狭くて所詮は読むしか出来ない乞食の俺が言ってみる
つーかスレの雰囲気を悪くしてすまん

291 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 18:11:32 ID:r5pDOQCM
>>289
わかりました。続きは雑談掲示板でします。
ゼロの保管庫雑談掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7927/1162204142/

292 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 19:16:15 ID:yHLdAYbC
長寿のわりに荒れが少ないという奇跡的なスレだからな。
大事にいこう。

293 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 19:41:23 ID:6aIpWZlp
じゃあ、魔法のコトバ「妄想万歳」をこのスレでも普及させてみるのね!きゅいきゅい!!

294 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 20:16:52 ID:9IxqU+vA
さて、魔人タバサと邪龍シルフィと英雄サイトを三身合体させるか

295 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 20:19:54 ID:mFfNFsad
3Pですね
わかります

296 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 21:30:49 ID:sXrukVnt
なんか急にお気に入りの職人さんたちに感謝したくなった。

エロもシリアスも非常に完成度の高いSSを書いてくださるボルボXさん、
笑わせてくれたり勃たせてくれたり忙しいせんたいさん、
読んでると背筋がゾクゾクしてくる妖艶なSSをお書きになる痴女109号さん、
短いながらも深くブラックな味わいのあるSSを書いてくださるかくてるさん、
設定改変物ながらこれでもかと言うほどニヤニヤさせてくださるバレットさん、
原作の雰囲気を残しつつも初々しい才人とルイズを描いてくださるぎふとさん、
一風変わった設定で力作を書きあげてくださったなかどめさん、

なんというか、ありがとうございます。

297 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 21:40:36 ID:EijSydiX
っていうか連続投下の何が不満なんだ?
いい作品を連続で読めるんだからむしろ喜ぶべき事だろうが。
一年以上もSS投下されないのに保守だけしてるスレだってあるのに文句言ってる人は贅沢すぎだろ。
っと言ってみる。とりあえずボルボ氏とせんたいさん乙です。
お気になさらずにこれからも気力とネタが続く限りガンガン投下しちゃって下さいね。

298 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 21:50:44 ID:VaHAOBw4
まだ、夏休みなんだろ

299 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 21:53:59 ID:S3H6SvP9
ところでおまいら、サーシャはムダ毛処理してると思う?
エルフは「自然であれ」が基本だからボーボーだと思うんだ

300 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 22:00:30 ID:njijHKXr
数ヶ月前に同じ話をしたな。
ファンタジーだから生えない(e.g. エロゲ)説と
最近は生えてるのと生えてないのを選べる(e.g. エロゲ)説が有力だった

301 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 22:06:17 ID:24GmcoEu
やっぱ女性キャラは自分で処理してるんだろーな。
初期のルイズだったら才人にやらせてそうだが。

302 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 22:29:42 ID:yCV8ChG8
ルイズに生えていると思うか?

303 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 22:33:36 ID:+ZanqdEu
思うよ。

304 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 23:32:54 ID:7LELSddS
アン様は剃ってそう


305 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 23:41:11 ID:jqllxLmM
>ボルボ氏せんたいさん
GJ!
ボルボ氏の物は毎回クリティカルヒットだわ

今更だがこのスレすごく恵まれてるよな
上手い職人さん多くてさ
読み手も、なんと変態紳士の多いことか

306 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 01:01:06 ID:eH+wekTL
職人がもの凄く寛容なんだよな

普通ならへそ曲げて投下なんかやめちまう状況でも気にせず投下してくれる人が多い

俺だったらやだもん、こんな上から目線の読み手ばっかのスレに投下すんの

307 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 01:39:49 ID:G3Wk6iz2
まあ感想なんてものは基本上から目線ですがね。
それはともかくボルボX氏、せんたいさんGJです!!
ここで流れに従って上から目線で褒め言葉シリーズいきます。

「この小説面白いですね。僕も子供のころ、よくこんなものを書いたものです」
「アマチュアでこれだけ書ければ上等ですよ。三年後にはいい小説を書いてるんじゃないですか」
「へえこの人また新作を書いたんですか。よしどれだけ成長したか、今度暇なときにでも、読んでおきますか」
「十年早いね……時代より!」

308 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 01:50:34 ID:N9KUCMSG
>>307
いいから、髪ズリスレに帰ろうな

309 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 04:20:23 ID:/6cLKTUq
投下から1時間は投下しちゃ駄目ってルールなんてあったんだ知らんかった
まぁ読むだけだから関係ないんだけどw

310 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 04:24:29 ID:zJiO8uWl
>投下直後に投下
ルールとはまたちょっと次元が違う
これは書き手としてのモラルが見受けられないっていうかなんていうか…
別に投下したっていいんだよ、読み手にとっては作品、それも好きな作品が読めればいいんだし

けどすぐ前に投下した作者の気持ちはどうなる?
その作者だって妄想の結晶を世に出したんだ、できればポジティブな反応を求めてるだろうさ
どきどきワクワクしながら反応を待っていたところに別の奴が作品を投下してくる
心理的な面でも、これで自分に来るレスの可能性がほぼなくなる。ってか本当になくなった事もある

311 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 05:59:08 ID:qYCd8rSY
ルイズとタバサは生えて無いに100ガバス
何故ならその方が萌えるから。


312 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 06:39:49 ID:oAcnC/8Z
だがちょっと待ってほしい。
生えてない方が萌えると結論付けるのはあまりに早計ではないだろうか?
大根の真摯な姿勢が、今ひとつ伝わってこない。
例えば学術的観点から生えかけの蒼い子というものを追求してみたいと主張するような声もある。
このような声にもツルペタ派は謙虚に耳を傾けるべきではないだろうか。

313 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 06:51:18 ID:BYyOLkQm
>310
自分の投下が終わり次第すぐに落として構わない
むしろ待たせてすみません
なんて思う「作者」もここに居るんだぜ
(エロ苦手なんでここでは書いてないが)
もちろん待つべきって意見を否定するつもりは全くないよ

要は、レスつける側が気をつければいいんだ
逆にレスつけずに流す人が居れば、よく見ようぜ、と
そう諭してやればいいじゃないだろうか

上にもあったが、少しばかり上から目線が多い気は確かにする
定期的に投下してくれる作者にもっと感謝すべき
スレチなのは分かってるんだが最後をどうしても言いたかったんだ
上にも書いたけど、このスレはすごく恵まれているんだぜ
長文そしてスレチですまん
ルイズかわいいよルイズ

314 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 07:07:39 ID:REXXXAhs
別のスレであった話なんだがな。午前中に投下しようと思ったら俺より先に投下してるヒトいたんだよ。
それでんじゃちょっと待つかと思って夕方になってから投下使用としたんだがまだレスついてない。
しゃあねえから愛想レスを1つつけてやってから投下したんだがその後で被せ投稿なんて酷い!ときたもんだ!
フザケンナ!そんなのテメェのヘタレなSSがしょべえだけだろうが。待てなんてこと一度でも許容したら
次は半日。次は24時間ってエスカレートするのは目に見えてる。死ね!糞チョンが!

315 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 07:11:59 ID:kvbVZxjU
>>310
そういう勝手にヒトの気持ちを代弁しようとする厨がスレの空気を悪くするんだよ。
オマエみたいにな。

316 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 07:56:57 ID:cGtF990u
>>314
それは確かに酷い話だが、さすがに極端すぎて今回の件と同列には語れんぞ……
ちなみにそういう場合は投下しても全く問題ないし、何言われても気にする必要ないと、誰もが言うだろう。

>>315
>>310はそういうことがあったときの自分の気持ちを書いてるだけだから、別に誰かの代弁をしてるわけじゃあるまい。
それでもって>>315みたいな返答されたから空気が悪くなったのは事実だが。

まあ雑談掲示板にボルボ氏本人の意見も書かれたことだし、今回の件はそろそろ終わりにしないか?

317 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 08:39:52 ID:uxrF5kiw
投下云々と言うより、外野の口の悪さが問題だ。

現実世界でいろいろ嫌なことがあるのは分かるが、
せっかくすばらしい作品を投下してくれているのだから、エロ読んでいるときくらい和やかにいこうや。
楽しむ場所に、嫌な気持ちを持ち込む必要はない。

棘のある発言をしない。揚げ足をとらない。過剰反応しない。人の言葉や行動を悪くとらない。
お互いに、もっと心に余裕を持って今のこの瞬間を楽しもう。

……兎にも角にも、両氏GJ。

318 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 08:42:35 ID:uxrF5kiw




319 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 08:47:56 ID:+eKclpUy
>>317
禿同
気楽にいけばいいのにな・・・
なに喚いてんだか・・・

320 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:04:01 ID:afZR3Iam
まとめ

せんたいさん肯定派
・こっちは忙しいんだからいいだろう
・そんなのただの我がまま
・お前の実力がないだけだろうが

せんたいさん肯定派
・不満に感じる書き手もいる
・他の作者さんが投下した後は暫く待ったほうがいい
・せんたいさんは今回のことをもっと切実に受け止めてほしい

321 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:06:28 ID:LFIQrJs4
どっちも肯定派かよ。しかしそこはかとなく悪意を感じるまとめ方だな。

322 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:09:35 ID:VNsV4FGI
ケンカしちゃダメなんだからぁ!

323 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:18:52 ID:afZR3Iam
おおミスったΣ(゚Д゚;)
(2つ目の)肯定派→否定派

>>321
でも別におおげさでもなんでもないですよ
まとめていこうと見ていったら肯定派は口調が悪いというのが目についてしまった

324 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:27:31 ID:qb5tImN8
>>323
>>291でやれ

325 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:29:48 ID:afZR3Iam
>>324
わかりました

326 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:45:59 ID:LFIQrJs4
そりゃ否定派は揃いも揃って予防線張りたいだけの厨だもん。
オレみたいなヲチ人からしてみりゃ格好のいい餌を与えてくれるわけだ。

327 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:48:26 ID:LFIQrJs4
本音を言えよ!ホントは自分のヘタレなSSを投下したときに被って埋もれるのが単純にイヤなだけなんだろ?
自分だけチヤホヤしてもらいたいだけなんだろ?スレの雰囲気なんて本当はどうでもいいんだろう?
オレもどうでもいいぜ。ただ厨な言動に噛付いてウサ晴らしするのが楽しい。それだけだ。

328 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:49:43 ID:LFIQrJs4
面白いスレなんで当分居つかせてもらうわ。
ああ、楽しいな。次はどんな厨が現れるのかな。
実に楽しみだ。うひゃひゃひゃ。

329 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:56:12 ID:ujF7/cbY
こういうときに最悪なのは荒れにかこつけて野次馬が乗り出すことだな。
2月ぐらいのwiki移転のときにも同じことがあった。ちったあ学習しようぜ。オマイラ。

330 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:56:27 ID:VnixHBkB
アンチや荒らしや厨の言動をまねして事態を収めようとするのは
本物のアンチや荒らしや厨を呼び寄せることがあるので
あまりお勧めできない。


331 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:58:20 ID:Zs/Fu7fc
そんなことより、モンモンとベアトリスが下も縦ロールか予想しようぜ!!

332 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 09:59:05 ID:ujF7/cbY
アンリエッタ肉便器にしたい。

333 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 10:20:22 ID:9uG6JE2i
>>331
カールはわかるが陰毛の縦ロールってどんなんだw 想像つかないぞw
それに、あれ道具使ってロールさせてるんじゃない?

334 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 16:30:54 ID:LwpJLpU1
俺が最近見た漫画では縦ロールに食べ物を入れると滅茶苦茶美味しくなるお姫様が登場していた






なにが言いたいかと言うと縦ロールは宇宙の神秘
黙って愛でるが良い

335 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 20:53:26 ID:jmezK+tH
つーかモンモンはともかく、ベアトリスって縦ロールだったか?
金髪ツインテールだったのは覚えてるがw

336 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 21:59:56 ID:qYCd8rSY
>>312

妄想して見た…
俺が間違ってたよ
生えかけルイズと生えかけタバサ…素晴らしい。
亀レススマソ


337 名前:marumaru:2008/08/30(土) 22:08:49 ID:ha6KAlFW
投稿まだですかー!!
読みたくてウズウズしてますん。

338 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 22:24:46 ID:n2sy++eF
>>337
100年ROMってろカス

339 名前:ぎふと ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:37:30 ID:ETLDd9oW
前回は大変失礼しました「王様GAMEと三角形」です。
変則的で申し訳ないのですが、前回投稿分の改定稿〜ラストまでを投下します
そしてもう一つお詫びが。…エロ分すっかり消えましたw
(他の作品でリビドーを発散して、すっかり抜き取られましたとさ)

340 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:40:31 ID:ETLDd9oW

 そんな風にルイズがすっかり落ち込みながら自分の髪と格闘していると、ふわり体が宙に浮いた。何かと思えば、才人が自分を担ぎ上げてベッドに運ぼうとしているではないか。
 呆気に取られたルイズだったが、すぐさま我にかえると、「待ってよサイト!」と抗議の声を上げた。
 ベッドに直行、それがどんな意味を持つか知らないルイズではない。すでに許してしまった間柄である。
 けれど今この場でそれを許すつもりはさらさらなかった。とりあえず話を聞いて欲しかった。
 ところが、この使い魔ときたら丸っきりルイズの言葉に耳を傾ける気配がない。
 いそいそとルイズの体をベッドに運び上げると、そのまま覆いかぶさってこようとする。
「こらちょっと、やめなさい! ねえサイトってば! 聞いてるの!」
 なし崩しにされてはたまらないと懸命に抵抗したが、完全に自分ワールドに入り込んでいる才人は、もーうちのご主人様ってばーほんと照れ屋さんなんだからー素直じゃないんだから困るよねーまあそこが可愛いんだけどねー、などと嬉しげに呟きながら一人盛り上がっている。
 まったく目前のことに夢中になると、何もかもが彼方に吹っ飛んでしまう、困った性格なのであった。

 そこまできて、ようやくルイズは自分の失態に気がついた。
 下着姿を見せたのは、さすがに軽率だったかもしれない……。
 もちろん、このような展開を全く予想しなかったわけではない。それどころか、ちょっぴり期待すらしていた。心の片隅で、自分に夢中になる才人の姿を見てみたいなーなんて思ったりもしていた。
 でも……。それは今日の予定ではない。
 そりゃ正直なところ、ぎゅうっと抱きしめられたら気持ちいいし、ふわふわと甘い気分になるし、たまには自分の方からキスしたいなんて思うこともある。
 けど今日はダメ。ここじゃダメなの。いつシエスタが戻ってくるかわからないし、それに壁やドア越しに誰かに会話を聞かれるかもしれない。ついこの間なんて、背中につけられた跡をお風呂でキュルケに見咎められてひどく恥ずかしい思いをした。
 とにかくいろいろと問題があるのだ。
 それに才人は言っていたではないか。友達を待たせているから、すぐ戻らなければいけないと。こんなことをしている場合ではない。
 自分がなんとかしなければ、とルイズは思った。
 のんびり考えている余裕はない。状況は切迫していた。才人の左手はルイズの肩をがっしりと押さえつけ、右手はするするとネグリジェの裾をまくり上げている真っ最中だ。
「ねえちょっと。ねえってば!」
 慌てて声をかけるが、才人は聞く耳を持ってくれない。ぺちぺち叩いてみても効果がない。徐々にイライラがつのって、我慢の限界を超えた。ぷちん堪忍袋の尾が切れた。
 ルイズは渾身の力を込めると、ぐーの拳を才人のわき腹に炸裂させた。



341 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:41:37 ID:ETLDd9oW

「いいかげん、目を覚ましなさいよね!」
 ぐはぁ、呻き声とともに、不意をつかれた才人は敢えなくくず折れた。
 予想外にも急所に入ってしまったらしい。お陰で効果はてきめんだった。
「ってぇ、いきなり何すんだよ」
 よろよろと身を起こす才人を、大きな瞳で見据えながら、ルイズはぐっと眉を吊り上げた。
「それはこっちの台詞よ。いきなり何するのよ!」
「何って見てのとおりだろ。お前から誘ってきたんだろうが」
「だーれが誘ったのよ。バカも休み休み言いなさいよね。私がそんなことするわけないじゃない!」
「じゃあ、なんであんな格好……」
「私はね、似合うかって聞いたの。それだけよ。なのに答えもしないでいきなり飛びかってくるとかバカじゃないの? もっと他にすることとか言うこととかあるでしょ?」
「そんなん知るかよ。あんな格好見せられたら、誰だって誘われてるって思うだろ普通? それでもし何もしなかったら、お前に恥かかせることになるしさ。ていうか、そうでもなきゃこんなことしないって」
 聞いたルイズのこめかみがぴくり引きつって、口元に冷笑が浮かんだ。
「いやだわ、犬の分際で。勘違いもここまでくるとふんとお笑いよね。発情期の犬ってそゆことしか頭にないのかしら。ちょっと考えればわかることなのに、ほんと犬だけに頭が足りないのね」
 かっと頭に血をのぼらせた才人は、勢いで声を荒げた。
「ああ、わかんねえよ、すみませんね! じゃああれか。ご褒美にちょっとだけ見せてあげますってやつか。そういうのなんて言うか知ってるか? バカの一つ覚えって言うんだよ。そんなモン恵んでもらわなくて結構です。と〜っくに間に合ってますっての!」
「は〜あ? 私の聞き間違いかしら。いまご褒美って聞こえたんだけど。あんた何か褒められるようなことしたっていうの? なんの役にも立ってないじゃない。ふらふら出歩いてろくすっぽご主人様の相手もしないで、これならいっそメイドを使い魔にした方がマシよマシ!」
「そうかよ。じゃあクビにでもなんでも好きにすりゃいいだろ。こんな万年発情期でえっちでやらしい使い魔なんか、そばに置いとくだけで危険だもんな! どうぞクビにしてください、お優しいご主人さま!」
「ほんとそうね! いいわよ、クビにするからさっさとどこへでも行っちゃいなさいよ! お腹すいたーって戻って来たって、絶対許してなんてあげないんだから! あんたなんて顔もみたくないわ、いーっだ!」
「ふんっ!」

 訳のわからないままにエスカレートした口げんかは、もはや収集がつかなくなっていた。
 そもそも、なんでこんなふうに喧嘩しているのか、考えてみてもわからない。
 原因はいったい何だったろう。思い返そうとしたが、心がもやもやとするばかりで判然としなかった。



342 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:45:03 ID:ETLDd9oW

(なによ、なによ、どうしていつもそう極端なのよ!)
 憤りに身を震わせながら、ルイズは拳をぎゅうっと握りしめた。胸の内で言葉にならない想いが渦巻く。
 以前はこんなふうではなかった。
 もちろん喧嘩もした。仲良くしているよりも怒鳴っている時間の方が多かったぐらいだ。けれど、なんだかんだと最後は一緒にいたし、才人がそばにいるだけで心強くて安心できた。ちょっとした才人の言葉の中に優しさや愛情を見つけられた。
 なのに今は才人の気持ちがよくわからない。
 近頃の才人は、すっかり“それ”しか頭にないようだ。男の子ってそんなものだと自分に言い聞かせるが、“それ”とは別にもう少し軽いスキンシップがあったっていいんじゃないの、とルイズは思う。
 抱きしめたりキスしたり、自分はそれだけで満足なのに、才人はそういうことにはあまり熱心ではない。ここ最近に至っては、ろくすっぽ部屋にも戻ってこない有様だ。たまに一緒にいても、どこか居心地が悪そうに退屈そうにしている。
 もう冷めちゃったのかしら、不安に思わずにはいられない。
 ふとモンモランシーの言葉が蘇った。
 男なんて全員浮気ものなんだから。一度許したらすぐに他の女のところに行っちゃうわよ。
 確かそんなことを言っていた。
 自分と恋愛経験なんてそう変わらないのに、ずいぶんと偉そうだわ。その時は思った。だけど事ここに至っては少しは耳を傾けざる得ない。才人は違う。浮気ものなんかじゃない。そんなふうに片付けられない過去の数々が思い出される。
 何とかしなければ、そう焦っていた所に、今日は思いもかけず早く帰ってきたものだから、どうしちゃったのよ、なんてちょっぴり機嫌を直してみたのに、またすぐに出かけると言う。しかも敵は男友達。女ですらない。どういうこと? 失礼じゃないのよそれ。
 だから。
 男友達ばかりにかまけて、ちっとも自分に注意を向けてくれない使い魔に腹が立って、すこうし気を引いてみようと思っただけなのだ。
 ちらっと見せた時、反応ゼロだとわかった時には泣きたい気分だった。
 ところがさっきの才人の反応ときたら……、なんていうかその、ざまあみろって思った。やっぱり私のことが大好きなのねって。なんだけども。
 やっぱり……、目的は“それ”だけなのかしら。
 いくら考えてみてもわからない。才人はいったいどういうつもりなんだろう。才人の気持ちがわからない。
 ルイズの口からため息がこぼれた。

(……このまま部屋を出て行った方がいいのかな)
 あまりの居心地の悪さに、才人は一瞬そう考えた。
 けれどすぐに考え直した。過去の経験から言って、そのまま部屋に戻れずに家出に発展して、半日と経たずに後悔するはめになるのは目に見えている。そこまでする理由があるとは思えなかった。
 自分は何かまずいことをしたんだろうか。考える。
 確かにすぐに周りが見えなくなるのは自分の悪い癖だ。ルイズの気持ちだって推し量ってやれずに、行動した後になっていつも後悔する。
 でも、ならば、さっきのあれはどういう意味だろう。
 どういうつもりでルイズはあんな真似をしたのだろうか。やっぱり意味がわからない。
 冷静に考えれば、ルイズが誘ってくるなんてあり得ない話だった。平日の夜は絶対に許してくれない。そもそもルイズはそういう行為があまり好きではないらしい。
 ルイズがまだ子供だからか。それとも自分のせいなのか。原因はわからないけれど、だから平日の夜は可能な限り外にいるようにしている。
 そのせいでルイズの機嫌がよくないことも知っている。でも、だからといって、どうしたらいいのか……。出るのはため息ばかりだ。



343 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:47:10 ID:ETLDd9oW

 二人とも段々と、怒ってるんだか切ないんだか、よくわからない気分になってきて、そんなふうにして、互いに顔を背け合ったまま、沈黙の時間が流れた。
 しばらくして、ルイズが唐突に声を発した。
「いいから、もう行きなさいよ」
 肩を落としてつまらなそうに言う。
「友達を待たせてるんでしょ。これ持ってさっさと行けば?」
 素っ気ない声でそう言うと、ぐーの形に握りしめた手を才人の目の前に突きつけて、ゆっくりと指を開いた。
 その手の中にある物を見て、ようやく才人は思い出した。
 今の今まで綺麗さっぱりと忘れてしまっていたのだ。王様ゲーム”のこと。そして仲間を待たせてしまっていること。
 言われるがままそれを……、ルイズの髪の毛を指でつまんで取り上げた。
 光を受けてきらきらと輝きながら、それはどこまでも長くふわりと宙に舞った。
 才人はしばらくそれを見つめると、少し悩んで大事にズボンのポケットに収めた。任務完了。即時撤退サレタシ。そうなんだけれど……。
 なんとなく後ろ髪を引かれる心地がして、ルイズの方を見た。
 さっさと行けという顔をしている。
 なぜだかふと、自分がいなくなった後のルイズの姿が思い浮かんだ。こう見えて、とても強がりで寂しがりなのだ。
 一度立ち上がりかけた才人だったが、思いなおしたように再びベッドの上に腰を下ろした。

「なによ、行かないの?」
 ルイズが聞いてきた。
「いいよ、どうせ飲んで騒いでるだけだし。ちょっとぐらい待たせたって、あいつらも怒ったりしねえよ」
 才人はふてくされたように呟いた。
「ふうん。勝手にすれば」
 返事もやはり素っ気無い。そんなルイズの声を聞きながら、どうにも気になって仕方がないことを、才人は正直に尋ねてみようという気になった。
 ルイズの方に向き直って、ぶっきらぼうに切り出す。
「あのさ。一つ聞きたいんだけど……。さっきのあれ、なに?」
「さっきの?」
「だからさ、すっごいの見せびらかして似合うかって聞いたじゃん。けどあんなもん似合ったところで、別に外で見せてまわるわけじゃないだろ? なんのつもりだったのかなって思ってさ」
 ルイズの顔が面白いように染まった。手をばたつかせながら叫ぶ。
「い、いいの。あれはもういいから。もう忘れなさいよ!」
「そんな訳いくかよ。お前だって、ああいうコトしたらどうなるか、少しはわかるだろ?」
「な、なによ……。私が悪いっていうの?」
「そうじゃないけど……、ああいうえっちな下着っていうの? あれってつまり、そういう目的のものなんだろ?」
 才人は言いにくそうに鼻の頭をこすった。
「俺は、男だからさ、ああいうのは嬉しいよ。でも、お前は違うだろ。とにかく、俺をあまり刺激すんなって。頼むから。冗談だかお仕置きのつもりだか知らないけどさ」
「そんなんじゃないもん……」
 ルイズは唇をとがらせて下を向いた。
「だったらなんだよ」
 ルイズは口をつぐんだまま、答えようとしない。
 そんなに言いづらい理由なんだろうか。誘ってるんでもなく、冗談でもお仕置きでもないとしたら、一体どういうつもりなのか、まったく不可解だった。
 いったいこのご主人様ときたら、自分の我慢や努力をわかってくれているんだろうか……。不意に才人は切ない気分にとらわれた。頭を抱えたくなった。
 どうせ少しも考えちゃいないんだろうな。思った。
 もし知っていたとしたら、こんな事をするはずがない。とにかく二度とこんな真似をされたら困るし、少し厳しく言っておいてやるか。そう考えて、おもむろにルイズの手首をつかんだ。
 その目をじっと見ながら言った。
「なんでこんなことしたの。怒らないから言ってみ?」
 そして脅迫するようにドスをきかせて一言。
「でないと、さっきの続きする」
「そそ、それはダメ!」
 ルイズは悲鳴のような声を上げた。
「ダメじゃない。するったらする」
「ダメったらダメなの!」
「じゃあ言えって」



344 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:49:30 ID:ETLDd9oW

 しばらく間があった。
 それからルイズは悔しそうに目を細めて、渋々という感じで口を開いた。
「……帰ってこないんだもん」
「え?」
「だ、だって、サイトってば、いつも外ばっかり行っちゃって、一緒にいてくれないんだもん。部屋にもいてくれないんだもん。一緒にいてもつまらなそうだし、お話してくれないし、ぜんぜん相手してくれないんだもん。
きっと、私のことなんて飽きちゃったんだもん」
 一気に吐き出してから、ぶすっとした顔で横を向いた。
「な、なんだよ……」
 ようやく才人は納得した。つまりは自分のせいらしい。
 自分がかまってやらないせいで、寂しさのあまりこんな奇行に及んだらしい。
 なるほど納得はいったが、それにしてもわかり辛すぎやしないか。
 寂しいなら素直にそう言えばいいのに……、どうしてこう斜め上の行動に出るかなあ、と文句の一つも言いたくなった。それと同時に。
 頬を染めてこんな素直なことを言うルイズが、なんだか可愛く見えてきた。
 一緒にいたい。意地っ張りなルイズの唇からそんな言葉が出ることは滅多にない。
「だ、だったら、ああいうことしないで口で言えよな。ったくしょうがないな」
 どぎまぎしながら言うと、ルイズはつんと顎を上向けた。
「あ、あんた使い魔だもん。24時間ずっと主人のそばにいなくちゃダメなの。そ、そう決まってるの。だから勝手にどっか行くのも禁止。言わなくたって、ちゃんとご主人様のそばにいなさいよね!」
 指を振りかざして、力説する。
「う、うん」
 つい流れのままに頷いてしまった。
 けれど、すぐさま頷いたことを後悔した。
 24時間か……。つまりは一日中。全部ってことだ。
 それってどうなんだろう。こんなふうに顔を赤らめたルイズを見ていると、ぽんっと脳裏に浮かんでくるのは、あられもない格好で恥らうルイズの姿だ。それだけで軽くイケナイ気分になってくる。やっぱり無理だよなあ。とても耐えられたもんじゃない。
 それに近頃は周囲の目も厳しい。ルイズと一緒にいるだけで、にやにやと好奇の視線が降り注いでくる。はっきり言って照れくさい。どうだうらやましいかと見せつけられるほど、まだ自分はできちゃいない。困ってしまって、
「まあその。これからはできるだけ早く帰るようにするから。ちゃんと相手してやるから。な?」
 とりあえずそう返事することにした。ぐりぐり頭を撫でながらなだめるように言うと、ルイズは面白くなさそうに鼻を鳴らして、そっぽを向いた。
「ふんっだ。もういいでしょ。早く行っちゃいなさいよ。みんな待ってるわよ」
 拗ねたように言う。
 そういえば、確かにそろそろ戻らないとまずいかもしれない。
 思って軽く立ち上がりかけたその時。
 


345 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:50:28 ID:ETLDd9oW

 くいくいっ。パーカーを引っ張られて、才人は引き戻された。
 意味ありげに何度もくり返し、引っ張ってくる。
 なんだろう、と振り返ってルイズの方を見ると……、じっとこちらを見つめ返してきた。
 そして唇を尖らせて、そっと目をつむった。
 きた、才人の心臓がどきんと跳ねた。おねだりきた。
 早まる鼓動を押さえつけながら、身をかがめて、軽く唇を重ねる。
 大事に至らないように。ごく軽く。
 ところが……、手が勝手に動いた。
 そんなつもりは全くないのに、いけない右手が才人の意思を無視して、ルイズが着ているネグリジェの裾に伸びて……、するりと大きくまくりあげた。
 わ、ばか。何してんだ俺。
「な、何してんのよ!」
 当たり前のようにルイズに怒られた。
 いやそのね、この俺の手が勝手にね。
 その瞬間、思い出すまいと封印していた情景が蘇って、はっきりとした映像となって焦点を結んだ。
 自分の前に立ち、ネグリジェを持ち上げて、恥ずかしそうに俯くルイズの姿。
 その足の合間に存在する淡い桃色の三角形。ごくり喉が鳴る。
「あ、あの、だから……」
 ごまかす言葉がないかと、とっさに探した。ところが、
「さっきのあれ。もう一度見たいかなって……」
 口をついて出た言葉は、才人の意思を丸っきり無視したものだった。
 あああああ! 心が悲痛な声を上げた。
 しかし本能は正直だ。抗うことはできなかった。
 才人は簡単に自制を諦めて、こほんと苦し紛れに一つ咳をした。
「その……、だめかな? ちょっと見るだけなら」
「なな、なによ、見たいとか、バ、バカじゃないの」
「だ、だって。俺に見せるために買ったんだろ」
「ちがうわよ。お店の人が間違って入れちゃったのよ。ほ、ほんとなんだからね。あんな下品なの貴族の私が身につけられるわけないじゃない。そ、そうよ、どうかしてたわ。似合う方がおかしいのよ」
「似合うかどうかなんて、そんなのわかるかよ。あれだけじゃその……、もっとよく見ないとさ」
 途端ルイズの顔が赤くなった。才人もつられて赤くなる。
「へ、変なことしたら承知しないんだから」
「見るだけって言ってるだろ。なに期待してんだよバカ」
 な、なによバカ。
 同じような台詞を返してルイズは頬を染めてうつむいた。   

+ + +


346 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:52:28 ID:ETLDd9oW

 才人の耳に心地よく紡がれる呪文の詠唱が響いた。
 かちゃり。
 ドアに鍵がかかる音がして、続いてふいっと部屋が一段暗くなる。
 ルイズの仕業だ。そう気がついた才人の心臓の鼓動が勢いを増した。
 目の前に投げ出されたルイズの華奢な体。
 ほの暗く落とされたランプの明かりのせいで、その肌はほんのり桜色を帯びて、さらには自分の落とす影が揺らめくように映りこんで、甘く幻想的な雰囲気を帯びていた。
 じっと眺めているだけで、妙な気分に酔いそうになって、才人は慌てて頭を振って、正気を取り戻そうとした。
(こういうのって、自分の首を絞めてるって言うんだよな)
 己の浅はかさを呪いつつ、拝んだらさっさと外に出よう。大丈夫。できる。そう自分に言い聞かせる。
 そうだよな、ルイズの下着姿なんて見慣れてるし、洗濯だって数え切れない程しているし、だけど、部屋を暗くするのだけはちょっと反則だよな、と思う。
 おかげでよけいに変な気分になってしまう。頼むよほんと。
 文句をつけながら、才人はゆっくりと視線を下へとずらしていった。
 すでに太ももまで露わになっているのを、さらにネグリジェを上へとたくし上げて、目的の場所を目の前に晒す。
 息が止まりそうになった。
(なんだよこれ……)
 間近でみると、想像以上だった。
 ひもと思っていたのは細い光沢のあるリボンで、横で蝶々に結んである。軽く引っ張るとたちまちほどけてしまいそうだ。
 そして両足の間、緩く起伏したあたりで、その細いリボンが、ごく小さな二等辺三角形を作っていた。その中を淡いピンク色の布地が埋めている。
 よく見ればそれはレース地ではなくて、湖上に浮かぶ霧のようにうっすらと透ける素材に、小花模様を丁寧に刺繍したものだった。手仕事による繊細で上品なつくりは、さすがルイズが出入りするような高級店が扱う品だと、そこは単純に感心する。
 けれども、その細やかな上品さとは裏腹に、その品の目的とするところは明らかだ。

「も……もういいでしょ?」
 ルイズが体をよじりながら小声で尋ねてきたので、反射的に才人は顔を上げた。
「ねえ、どうなのよ。なんとか言いなさいよ」
 ルイズは、なおもせかすように聞いてくる。何か言わないと許さないとでも言いたげだ。
 どう答えようか。才人は迷った。
 最初に見せられた時、似合うかなんて問われたけれども、清楚なイメージのルイズに「似合う」なんて感想は考えられない。といって「似合わない」と一蹴するのも違う気がした。
 一見、清楚で純情そうなお嬢様が、脱がせてみたら実は凄かった、という図式を想像すると、これはこれでなかなかの萌えシチュエーションである。
 そして思ったことをそのまま言葉にすれば、やはり「Hだ」とか「変な気分になる」とかになってしまう。でもさすがにそんな言葉では、口にするなりルイズに何されるかわかったもんじゃない。それは冗談としても、少なくとも喜びはしないだろうし。
 どう言えばルイズは納得するだろう。考えに考えた挙句、
「なあ、ルイズ。これ絶対に外では着るなよ?」
「え、どうして?」
「見えるし」
 影になってよく見えない部分を想像しながら、言葉を濁して伝える。
「スカート短いし、まずいって」
 すぐに理解したのか、ルイズは慌てて横向きに転がって、抱えるように膝を折り曲げた。
 小さな三角形はするりと視界から逃げてしまったが、正直なところほっとした。
 少ししょんぼりした声で、ルイズは言った。
「そ、そうよね。こういうの私には似合わないわよね。処分するわ……。着替えてくる」
 そう言って起き上がろうとしたルイズを、慌てて手をかけて引き止めた。まだ続きがある。
 視線を宙に泳がせながら、何気なく聞こえるように、ごく小さく呟いた。
「で、でも、俺はそういうの、嫌いじゃないけどな……。その、どっちかって言えば、好きかもしれない。だから、二人きりの時は許すから、別に捨てることないって。もったいないし」
 とんでもなく照れながら言い終えた。顔が火照って熱い。
 ルイズは首を傾げた。
「じゃあ、サイトはこういうの好きなの?」
「そりゃ、まあ」
「他の男の子も好きなのかしら」
「普通はそうじゃないかな」
「じゃあ、もし、もしね、他の女の子がこういうの着てたらどう? ほらメイドとか、姫さまとか。やっぱりサイトは嬉しい?」



347 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:54:44 ID:ETLDd9oW

 その瞬間、ストレートにシエスタとアンリエッタ女王の姿が思い浮かんだ。ふわり風に舞うスカートの向こうに、白や紫のお花が咲き乱れる桃源郷。ついルイズが前にいるのも忘れて、想像の世界にトリップしかけた。
 かろうじて水際で現実に引き返し、鼻を押さえて天を仰ぐ。
 そして、ちらり、目の端でとらえたルイズの顔は……、微妙な具合に引きつっていた。
(ああ俺ってば、なんて正直な生き物なんだろう)
 浮気を見つかった旦那のような心境で身をすくめて小さくなっていたら、ルイズの口からとんでもない台詞が飛び出した。耳にした瞬間固まった。
 さ、さすがに冗談だよな。
 そう思ったけれど、このやんごとなき公爵家三女のご主人様には、世間の一般常識など通用しない。まさかだけど、本気という可能性だってある。
「いいわ。私これ毎日着ることにする」
 お嬢様は、得意げにそう抜かしたのである。さらに続けた。
「きっとあれね。男の子たちはみんな私に夢中になるわね。どうしよう。困るわ。私の方には少しもそんな気はないのに。でも……、そうね。たまには優しい言葉をかけてあげようかしら。
だって可愛そうじゃない。私のような高貴な存在に憧れてしまう気持ち、少しは理解できるもの。ね、サイトもそう思うでしょ?」
 顔をのぞきこんで聞いてくる。
 いや、理解できるかと言われても……。
 というか待て! それおかしいから! 深く考えるまもなく先に声が飛び出た。
「お、お前、じょ、冗談でもそんなことしてみろ」
 確かに注目は浴びるかもしれない。
 おそらくはルイズの描いているのとは違う意味で。果てしなく方向が間違っている。
 それだけではない。まかり間違って、その気になる輩が現れたらどうするんだ。
 なにしろ見た目はそれなりだ。子供っぽいとはいえ、そういう嗜好の人間が世の中に存在することも、酒場のアルバイトで証明済みである。
 もしそんな奴が、さっきみたいなヤバい物を目にしたら……。
 あらぬ行為に及ぶかもしれない。
 その辺を歩いているルイズを、力任せに茂みの陰に連れ込んで、抵抗するのも構わずに手で口を塞いだりなんかして……、やっぱ服は脱がしちゃダメだよな。うん。じゃなくてとにかくあれだ。危険すぎる!

「したらどうするっていうのよ。またひっぱたくとか言うわけ?」
 ひっぱたく? どこか聞き覚えのある言葉だった。
 でもまさにその通りの心境だ。
「うん、ひっぱたく。だから絶対するんじゃないぞ。絶対に外でそんなもの着たらだめだからな」
 子供に対して、言い含めるように言った。
 いくら貴族のお嬢様とはいえ、本当に世間知らずもいいところだ。
 例えばキュルケならその辺り十分知り尽くして火遊びをするのだろうけど、ルイズは危なっかしすぎる。自分が監督して守ってやらないと、という気持ちにさせられる。
 すると、ルイズは少し考える様子を見せ、さらに聞いてきた。
「だったら、他の女の子がそういうことしたらどうなのよ。同じようにひっぱたくの?」
「さ、さあ。忠告ぐらいはするかもしれないけど、ひっぱたきはしないんじゃないかな。大体そんな無謀なこと考えるのはお前ぐらいだって。とにかくな、もう少し自分を大切にして、自覚と慎みというものをだな……」
 保護者モードで切々と諭していたら、
「ひっぱたくのは、私の時だけ?」
 さらに追求してくる。
 ちっとも人の話を聞いちゃいない。
「当たり前だろ」
 むっとしながら答えた。


348 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:55:46 ID:ETLDd9oW

 ふうん。ルイズは何を納得したんだかしてないんだか、じいっと黙りこんだ。
 それから、唐突に口を開いた。
「ねえ、一つだけ聞くから答えてよね」
 一つだけというか、とっくに質問攻めなんですが。
 するとルイズはすいっと両腕を伸ばして、首に回して絡めてきた。
 大きな瞳で、上目づかいに見上げてくる。
「ちゃんと答えてくれたら、なんでも好きなこと許してあげる。だから今度は正直に答えてよね」
 甘く潤んだ娼婦の声で、囁く。
 心臓が跳ね上がり、痺れたように動けなくなった。
 自分を落ち着かせようと、目をつむって、深呼吸して、もう一度目を開けたら、そこにあるのはいつものルイズの顔だった。
「う、うん。なに?」
 からからに乾いた口で答える。
「あのね、どうして私ならひっぱたくの? ご主人さまを使い魔がひっぱたくんだから、ちゃんと理由言ってよね」
 思い出した。
 あれだ。妖精亭でアルバイトをしていた時に、屋根裏部屋でルイズが口にした台詞。
 一言一句たがわずに、そっくり同じ台詞。
『ご主人さまを使い魔がひっぱたくんだから、ちゃんと理由言ってよね』
 チップを集めるために、客を誘惑する、全部許すなんてルイズが言うもんだから、つい、そんなことをしたらひっぱたくって言ってしまったんだ。
 そうか。あの理由を聞いているのか。
 でもその理由ってもう……。
「言ったじゃん。前に」
 顔をそむけて呟く。
「うそ。言ってないわよ」
「言ったの。お前が覚えてないだけ」
「なによ、ごまかさないでよ。もし聞いてたら絶対忘れないもの」
「だから、あのアホ役人がお前に触ろうとしたとき……」
「え?」
 あれは勢い余ってたから言えたんであって、面と向かって口にできるわけがない。
 絶対に言わねえぞ、と黙り込んでいたら、
「そういえば、あんた犬のくせに随分なこと言ったわよね」
 やはり覚えていたらしい。
 そう言うルイズの顔はほんのり赤くて、なんだかとても嬉しそうだ。
「ねえ、もう一度言いなさいよ。聞いてあげるから」
「いやだ」
「なによ、言いなさいってば。ご褒美欲しくないの?」
「シエスタが戻ってくるんだろ。それに」
 あ! 二人同時に声をあげた。
「やべ、すっかり忘れてた。戻らねーと!」
「バ、バカ! 何やってたかって勘ぐられるじゃない! さっさと行きなさいよ!」
 枕でぼふぼふ殴られた。
 
 
『ルイズに触っていいのは俺だけだ!』

 確かに勢いだったけどさ。
 でもあの時は本気で思ったんだ。ルイズは特別の特別だって――。


+ + +


349 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:56:58 ID:ETLDd9oW

 寮塔の入り口を出ると、冷えた風が体を包んだ。
 見上げると、双月の位置がすっかり変わってしまっている。
 あれから少なくとも1時間は経っているだろう。
 再び走り出そうして……、その前に念のためにと、才人はポケットに手をつっこんだ。
 探ると、それはちゃんと存在した。
 取り出して月明かりに透かしてみる。
 淡く輝くそれは、月の光を紡いだ糸のように見えた。
 やっぱり同じだと思った。
 ちょっと照れくさくなって鼻の下をこする。
 暗くてよくわからなかったけれど、きっと同じ色をしていた。
 もう一度、失くさないようにポケットに入れると、才人は溜まり場に向かって駆け出した。
 みんなには悪いけれど、明日はまっすぐにルイズの部屋に戻ろうと思った。

+ + +

 一方、水精霊騎士隊の溜まり場では。
 いつまでたっても帰ってこない副隊長を酒の肴に、大いに盛り上がっていた。

「さて、我らが副隊長殿は戻ってくると思うかね?」
 ギーシュの問いに、
「帰らない方に1スゥ」
 コインが音をたてた。レイナールだ。
「じゃあ、俺も帰らない方に1スゥだな」
「俺も、帰らない方」
 俺も俺もと、次々とコインが投げられて、テーブルに山を作った。
 それを見た誰かが文句を言う。
「なんだよ。全員が帰らない側じゃ、賭けにならないじゃないか」
「だよなあ……」
 ほぼ全員が、同時に頷いた。
 なにしろ才人のご主人様であるルイズが、自分たち騎士隊のことを快く思っていないことは、もはや周知の事実だ。
 恋のライバルと言わんばかりに、目の敵にしている。
 そしてこれだけ時間が経っているのだ。
 捕まってしまったに違いないと、皆が考えるのも道理であった。
 そんな空気の中、ちっちっと舌打ちをする者がいた。ギーシュだ。
「まったく君たちはわかってないな。うちの副隊長は、恋人とはいえ、たかが女のために、友情を疎かにするような人間ではけっしてないよ。実に男気あふれるやつだからね。たとえ這ってでも戻ってくるはずさ。この僕が保障する。僕は彼を信じているよ。ああ信じているとも」
 そう言うなり、テーブルにあるのと同額のコインを懐から取り出して、山の隣に積み上げた。
 ギーシュのそんな振る舞いに、隊員たちは感動のため息をもらした。
 彼のような隊長の下につけることを誇らしく思った。



350 名前:王様GAMEと三角形 ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:58:31 ID:ETLDd9oW

 それから、誰かが思いついたように言い出した。
「しかし、サイトは大丈夫かな。ひどい目に合わされてなければいいけど」
 なるほど相手はあのルイズである。これまで彼が受けてきた仕打ちを思い出して、みな心配になってきた。もしや動けないほどきつい仕置きを受けているんじゃないだろうか。
「よし全員でミス・ヴァリエール嬢の部屋に突撃しようぜ! サイトを救い出すんだ!」
 意気込んで叫んだのは、マリコルヌだ。
「ばか、女子寮だぞ。入れるわけないじゃないか」
「そうだよ、ぽっちゃり〜」
 けんもほろろに却下された。がっくり肩を落とす。
 それどころか、
「だいたいお前があんな要求するから悪いんじゃないか」
 と誰かが思い出させて、矛先がマリコルヌへと向けられた。
 おかげで哀れなマリコルヌはしたたかに皆から小突かれることになった。
 そうやって皆が騒いでいる一方で、ギーシュはといえば真剣な面持ちで祈っていた。
(どうか無事に戻ってきておくれよ、サイト)
 切実な気持ちでテーブルに目をやる。
 そこに積まれたコイン。それはギーシュにとってはちょっと辛い金額であった。
 もし万が一にも才人が戻って来なかったら……。
 その時は才人に全額請求してやろう。ギーシュは心の中で誓った。
 
 
〜FIN〜



351 名前:ぎふと ◆wp2/NZ6lZg :2008/08/30(土) 23:59:52 ID:ETLDd9oW
長いこと間が空きましたが、ようやく完成できました。
もがきながらも、こうして最後までこぎつけられたのは
間違いなくこのスレの皆様のお陰です。大変感謝しています。
また次回もありましたら、よろしくお願いします。

(連続投稿については、自分は特に気にしません。
すっかり気分は常連ですしね♪ コラコラ)



352 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 00:01:45 ID:57eP1FrK
>>351
GJ! まじでGJ 荒んだスレでのSS投下はマジで救い主であります

353 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 00:01:55 ID:eUHYyFIf
素晴らしいです。サイトとルイズが本当に活き活きしてて情景が目に浮かぶようだ。
それに結構エロいですよ。GJでした。あと最後の一文は余計です。蒸し返す必要はありません。

354 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 00:05:41 ID:pJ5Vx9T+
gj
しかし、甘甘ですねぇ

355 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 00:30:59 ID:lo4apmfQ
>>351
きたきたきたぁあぁあぁ
GJ!
ルイズに飢えてたから嬉しい

356 名前:ほれ薬:2008/08/31(日) 01:57:57 ID:QeVMLPFy
 魔法学院の廊下にて、取っ組み合いの喧嘩を演ずる者が二人。

「くっ、ギーシュ、それをこっちに寄越すんだ!」
「バカ言えマリコルヌ、君みたいな変態にこんな薬を渡せるか!」
「いいからその『ほれ薬』を渡せ! それ使ってキュルケに踏んでもらうんだ!」
「せめて普通の使い方ができないのか君は!」

 ギャーギャー喚いて殴りあっていた拍子に、ほれ薬がギーシュの手から弾かれ、窓の外へと飛び出した。

「ああ、やばい! このパターンだと絶対誰か下にいるぞ!」
「貴重なほれ薬が!」

 慌てて下を覗き込む二人。するとそこに、地面から頭を出した巨大モグラが一匹。

「ヴェ、ヴェルダンデ!」
「やばいぞ、あのモグラ、ほれ薬を浴びてしまったみたいだ!」
「あの状態で女生徒でも見ようものなら、エロパロ板ですらキッツい獣姦天国になりかねん……!」

 青ざめる二人の前で、しかしヴェルダンデはしばらくの間動かなかった。
 かと思うと、何やら興奮した様子で鼻を蠢かし、もの凄い勢いで地面の下へと潜っていった。待ち続けても、戻ってこない。

「一体どういうことなんだ」
「何がどうなって……」

 その瞬間、二人は同時に事の真相に気づき、叫んだ。

「「『掘れ薬』か!」」

357 名前:205:2008/08/31(日) 01:58:36 ID:QeVMLPFy
書きながら、俺はもうダメかもしれないと思った。

358 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 02:06:22 ID:JaLnO60q
>>351
この展開のほうが好みでした。GJ!

>>357
男2人のどちらかが服用していたらとんでもないことになっていたアッー!

359 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 02:15:34 ID:57eP1FrK
>>357
惚れると惚れるの言葉遊びかよww
GJ!

360 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 02:17:32 ID:eUHYyFIf
>>356
GJ!
使っていたらそれこそエロパロ板でもキッツい事態に・・・w

361 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 02:29:36 ID:w0t3b6oQ
何で誰も二人が地面に穴を掘る発想をしないんだww

362 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 02:39:53 ID:57eP1FrK
>>359
× 惚れると惚れるの言葉遊びかよww
○ 惚れると掘れるの言葉遊びかよww
>>361
エロパロ板だからに決まっているさ

363 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 04:54:08 ID:YsBu9XjL
またもや、あれか。
寸止めか。
そろそろ、爆発しそうなんだが。

364 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 06:24:24 ID:46502qu2
>>357
GJ!
不覚にも笑ってしまった
こういうのいいな〜
ある意味これもほのぼのですな 俺はこういう話大好きだ!


365 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 10:40:58 ID:JXU1Y0hy
>>282
ウザイ。連続投稿が嫌なら出て行け。
ブログ立ち上げて1人寂しくオナニーしてろや。
それが嫌ならさっさと回線切って首釣って氏ね。
そして翌日のワイドショーネタにでもなって
腐女子コメンテーターに存分にいじられろよ。

それだけでも俺には絶好の笑いネタだwww


366 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 11:01:19 ID:L/BZaWu9
205氏、ぎふと氏GJ!

367 名前:marumaru:2008/08/31(日) 11:38:46 ID:sYhOBp4r
ぎふと氏、サイコーですよ!!
ルイズとサイトの甘ぶりに身もだえましたよ。
それと、作者の皆さん、昨晩は失礼なこと言ってすいませんでした。
もう、無理なことは言いません。

368 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 13:42:54 ID:OA0Q4xmW
http://www.yourfilehost.com/media.php?cat=video&file=0203mihiro03.wmv
これをアンリエッタとして抜く!


369 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 13:48:47 ID:82LmyGbr
どーでもいいけどなんでこんな流れになったんだ?

それと年齢制限有る板だってのをわすれんな未成年

370 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 13:57:19 ID:9J583qRh
>>385
>>385
>>385

371 名前:びやく:2008/08/31(日) 15:40:51 ID:cgd7w3fl
205さんに触発されたので

「はぁ、媚薬かぁ…。こんなの使っても精々才人と朝までスルくらいしかないからなぁ」
「あら?でもたまにはいいんじゃないんですか?」
「あんた混ざる気満々ねぇ、まぁ私一人じゃ無理だから呼ぶ事にはなるけど…」
「それじゃあ、いれちゃいましょう(ドポドポドポ)」
「あ゛ーーーー何いれちゃってるのよ」
「あー、喉が渇いた。あ、これ飲ましてくれよ」
「げぇ、マリコルヌ!それは…」
「ん、ん、ん、ぷはー。なんか変にあまった…ん゛」
「あ、あぁ。ど、どうしましょう。ルイズ」
「に、逃げるのよ。総員退避ーーー」
「ぐ、が、ぁぁぁ。あ゛ーーーーーー」
「な、何やらもんどりうっているようですが」
「何?失敗品だったの!?」
「う、うぅぅ…。やぁ、何をそんなに慌てているんだい」

そこには丸い外見のマリコルヌではなくすらりとした長身の美男子がいた。
背景には輝やんばかりのオーラが発せられ胸元は何故か開けられてまさに
ヘブン状態のありさまであった。

「「美しくなってるーーーーー」」

「ああ、にしても暑いね。こう暑いと汗がでちゃうよ」

「ちょ、なんか汗が光って見えますよ」
「何、あれ本当にマリコルヌなの」
「あぁ、これから訓練があるんだった。すまないけど席を外すよ、アディオス」

「うわぁ…」
「何だったのあれ、これもしかして媚薬じゃなくて美薬ってわけなの?」

後日、水精霊騎士団に美薬入り紅茶が支給され。ヘブン状態になったそうな


372 名前:アトピック ◆Xz18YlHQYY :2008/08/31(日) 15:47:56 ID:cgd7w3fl
女に使えばどうなるか?背景に白百合背負ったり薔薇背負ったり。
モンモンはお蝶婦人になります。まったく需要はありませんね。

373 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 16:13:26 ID:zWYajQyC
吹いたwww
こういうの好きだぜ

374 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 17:15:53 ID:scMyhGPt
>>372
GJ!
モンモンのお蝶婦人、見てみたいな

375 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 17:38:24 ID:57eP1FrK
>>372
半端なく頭悪いな だがそこが良いな GJ!

376 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 17:41:14 ID:r1fj+M1o
そういや昨日グルメバーガー食いに五反田いったんだが
その途中に「アリエッタホテル」なるシティホテルがあったwww

一瞬、アンリエッタホテルに読めてしまった俺は重症だな

377 名前:ツンデレ王子:2008/08/31(日) 18:18:12 ID:scMyhGPt
お待たせ致しました
(いや、誰も待ってないかもしれんけどね、一応述べ向上として^^;
青春時代の続きです
レス数5ほど

ボルボ氏他、ご意見有難う御座います
頂いたものを参考にしてみますね
(サイト編アンリエッタ編は未だ先ですが…)

>>376
アンリエッタホテル…行ってみてぇ


378 名前:青春時代E:2008/08/31(日) 18:19:05 ID:scMyhGPt
 水精霊騎士団のたまり場となっている零戦の格納庫。
 そこに桃色の髪をした少女が現れた。

「ルイズ、どうしたんだい?」

 やってくるなり隊員たちに声もかけず、格納庫のあちこちを見て回っている。
彼女の纏うオーラに多少怯えつつも、不審な動きを見せるルイズに対して隊
長であるギーシュが声を掛ける。

「サイトはどこ?」
「一緒じゃなかったのか?」

 彼と酒を交わしていたレイナールが、何を言ってるんだと言う表情で彼女に
尋ね返す。
 ところがルイズは、そんな彼の言葉に応えもせずにジロリと睨みつけると、
同じ質問を繰り返した。

「し、知らないよ」
「嘘じゃ無いでしょね」
「本当だって!朝から見てないんだ」

 そこに別の誰かが口を挟んだ。

「ああ、サイトなら今朝早く馬に乗って出て行くのを見たよ」

 声のした方へ顔を向け、どこに行ったの?と低い声で尋ねる。

「さあ…」
「どこに行ったのよ!教えなさいよ!」

 まるでゴーレムが歩いているのかと思わせるようなドスドスと大きな音を立
てて彼の前まで歩いて行くと、噛み付かんばかりに食って掛かる。

「知らないよ、そこまでは」

 彼が嘘を吐いている様には見えない。
 これ以上ここでは情報を得られないと判断したのか、来るとき同様に肩を
怒らせながら出て行った。




379 名前:青春時代E:2008/08/31(日) 18:19:44 ID:scMyhGPt

 次いでルイズがやってきたのは、厨房。
 サイト付きのメイドとなってからも頻繁に厨房の手伝いをしているシエスタを
訪ねて来たのである。
 夕食が終わった後で、コックやメイドたちは片付けの真っ最中。そんな中、

「おい、シエスタ。後は俺たちで大丈夫だ、我らが剣のとこに戻ってやんな」

 漸く目処が立ったのか、マルトーに許しを貰って寮へ戻ろうと出てきたところ
を捕まえる。

「あら、ミス・ヴァリエール。こんなところで如何したんですか?」
「シエスタ、あんたサイトがどこ行ったか知らない?」

 ルイズの声音にただならぬ物を感じ取った彼女は、恐る恐る聞き返した。

「いえ…サイトさんがどうかされたんですか?」
「居ないのよ」
「えっ?」
「騎士隊の連中は朝出かけるのを見たって言うのよ。
 あんた、本当に知らないの?」

 シエスタの胸ぐらを掴んで揺さぶりながら声を荒げるルイズ。
 首から上をかくんかくんさせつつも、シエスタははっきりと答えた。

「だから知りませんって!わたしだって朝から会ってないんですから」

 そこで、はっと思い出した。今朝いつもより早くシエスタに起こされたのを。
 その時彼女は何やら焦ってはいなかっただろうか。眠くておざなりにしか対
応しなかったが、確かサイトがどうとか…

「そう言えばあんた、朝に何か言ってたわね」
「何をですか?」
「言ってたじゃないのよ、サイトがどうしたとか」
「ですから、サイトさんが居ないって…」

 なんでもっと早く言わないのよ!と、ルイズはまたもや彼女を揺さぶりめちゃ
くちゃな事を言い出した。



380 名前:青春時代E:2008/08/31(日) 18:20:24 ID:scMyhGPt
「言いましたよ。そしたらミス・ヴァリエールが仰ったんじゃありませんか、
 『トイレにでも行ってるんでしょ、放っときなさい』って」

 いつも通りに起き出したシエスタは、本来ならまだ寝息を立てているサイト
が居ないとルイズを起こしたのだ。ところが、その時間というのが普段起きる
よりもかなり早い時間だった為、ルイズは彼女の話を半分寝ている状態で聞
いたのである。
 また、この日は厨房が何やら忙しいとの事で、朝からシエスタが手伝いに
借り出される事になっていた。サイトが居ないが為に寝過ごしたルイズは授
業に遅れそうになり、慌てて部屋を飛び出して行ったのだ。
 結果、サイトの不在を知ったのは授業が終わってからとなったのである。

「…疑って悪かったわ」

 漸くシエスタを解放すると、彼女に背を向けて歩き出すルイズ。未だに不機
嫌を態度にありありと表して去って行こうとする彼女を追いかけ、シエスタは
隣に並んだ。
 まったくご主人さまを放ってほっつき歩くなんて何考えてんのかしら、あの犬
ってば。と、ぶつぶつと小さく、それでいてドスの利いた声でぼやくルイズ。
 彼女の横で苦笑を漏らすと同時に、戻ってきたら十中八九お仕置きを受け
る事となるであろう主の無事を祈るシエスタ。
 それぞれ違う思いを抱きながら、2人は肩を並べて寮へと戻って行った。



 翌日、食堂に現れたルイズは目の下に隈を作っていた。
 昨晩あれからサイトの帰りを待っていたのだが、1時間経っても2時間経っ
ても帰ってくる気配が無い。帰ってきたら直ぐにお仕置きを出来るように、そう
言って先にシエスタを休ませ、自分は起きて待っていた。ところが、結局サイ
トは帰ってこず、そのまま朝まで起きていたのだ。
 帰って来ない彼を心配してか、ルイズは朝食の時間になっても部屋から出よ
うとはしなかったのだが、シエスタが彼女を気遣い無理やりに送り出したので
ある。
 心ここに在らず、そんな感じで席に着いたルイズに追い討ちを掛ける様に、
意外な言葉が襲い掛かった。

「ルイズ!あなたサイトに棄てられたんですって?」



381 名前:青春時代E:2008/08/31(日) 18:20:59 ID:scMyhGPt
 モンモランシーを始めとする数人の生徒が彼女を取り囲み、口々に聞いて
来るではないか。

「なっ…!」

 何を言い出すのよ、そう言い掛けたが上手く言葉にならない。
 そんなルイズを放って、周囲は口々に騒ぎ出す。その中にはルイズを気遣う
者も居れば、サイトの肩を持つ者、果てには自分の兄妹や親戚を紹介すると
言い出す者まで出てくる始末。

「あああ、あんたたち何を言ってるのよ!わ、わたしが棄てられたですって?
 そんな事あるわけ無いじゃない!わたし“が”棄てるならともかく、な、なん
 であいつ“に”棄てられなくちゃなんないわけ?だ、だいたいサイトは単なる
 使い魔であって、棄てるとかそんなんじゃないんだから!」

 一気にまくし立てるルイズ。
 始めは蒼かった彼女の顔色も、赤くになっている。

「じゃあ、彼の姿が昨日から見えないのはどうしてなの?」
「う…」

 取り巻きの誰かに聞かれ言葉に窮してしまう。

「きゅ…休暇、そう、休暇ををあげたのよ。あ、あいつは別にメイジじゃないん
 だし、この学院に四六時中居る必要も無いわけじゃない?そ、それに、たま
 にはあんなのでも休みをあげないとかわいそうだから。だ、だから、今頃街
 に居るんじゃないかしら?昨日は時間を忘れて遊びすぎて、それで遅くなっ
 ちゃって、きっと宿屋にでも泊まったのよ」
「サイト、やっぱり昨日は帰って来なかったんだ」

 我ながら上手い言い訳だわ、と思っていると、そこに赤い髪と豊満な胸を揺
らしながらキュルケが声を挟んできた。相変わらず、これ見よがしにシャツの
ボタンを開けて谷間を晒している。

「な、何よあんた、やっぱりってどう言う事よ!」
「別に。ただ昨日、サイトを見かけただけの話よ」
「み、見かけたってどこで?」

 ガタンと椅子を倒して立ち上がると、ルイズは掴みかからんばかりにキュル
ケに迫る。


382 名前:青春時代E:2008/08/31(日) 18:21:53 ID:scMyhGPt

「どこでって…あなた自分で言ったじゃない、街に居るんじゃないかしらって」
「そ、そうだけど…そ、それはともかく、あんたは街で見かけたのね?」
「ええ、そうよ」

 肯定の言葉を得られ、ほっとするルイズ。
 同時に先ほど彼女が言った言葉が気に掛かってしまう。

「キュルケ、やっぱりってどう言う事?」

 一瞬の逡巡の後、話し出した。
 昨日の帰りに見かけた、デートしていたらしいと言う事を。

「デ、デデ、デートですって〜〜〜〜」
「ええ、可愛い娘だったわよ。ほら、前にモンモランシーが教室に着て来て凄
 い騒ぎになった服、あったじゃない?彼女、それを着てたわね」

 言わなくても良い事まで言ってしまう。
 前に、モンモランシーが、着て来て、騒ぎになった、服、と自分に言い聞か
せる様に一言一言を区切って喋るルイズ。
 彼女の背後に何やら黒いオーラを感じて、キュルケはビクッと後退る。

「くけ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

 聞いた者を凍りつかせるような奇声を発しながら飛び出していくルイズ。モ
ンモランシーが制止の声を掛けようとした時には、既に彼女の姿は食堂から
見えなくなっていた。




383 名前:ツンデレ王子:2008/08/31(日) 18:24:56 ID:scMyhGPt
今回は以上です

もう少しルイズ・シエスタ編を引っ張ろうかなと思ったんですけど、
ここで止めた方が次が書きやすいかなと思って止めました



384 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 19:33:37 ID:eUHYyFIf
>>383
ツンデレさん乙。正座して続き待ってます。

385 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 19:40:23 ID:57eP1FrK
>>383
投下GJ! なんという修羅場の複線ww

386 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 20:13:42 ID:57eP1FrK
>>385
○ 伏線 × 複線 俺頭悪いな 文章の見直しくらいちゃんとしなくては

387 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 21:09:38 ID:L/BZaWu9
くけ〜ワロタw 追い込まれるとキワモノと化すのかルイズw

388 名前:名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 22:14:37 ID:Mzc2377K
くけ〜!がなんともルイズらしいというかw
GJ

389 名前:バレット:2008/09/01(月) 00:14:47 ID:cd6T4NeX
相変わらず別名義で書いてるリリなの厨2物ばっかり気取られててこっちサボってるバカ野郎が通りますよっと。
長編の方ネタが思い浮かばないんで今回夏休み小ネタナリよ。

390 名前:エンド・オブ・サマー:2008/09/01(月) 00:15:25 ID:cd6T4NeX
「そーいやここじゃあ休みの宿題って無いんだよなー」


3か月近い長い夏休み。
授業が全く無い間、サイトとイザベラ達は実家に戻って親‘sに学校での近況を報告したりお互いの自室でにゃんにゃんしたり、
テファとマチルダの分でアルビオンの方へも行ってロード大公夫妻とサウスゴータ公爵夫妻、はたまたアルビオンの王家相手に挨拶回りをしたり移動する馬車の中でにゃんにゃんしたり、
避暑の為にお忍びでジョゼフとシャルル夫妻も一緒にラグドリアン湖に遊びに行ったり密かに夜中そばのオルレアン邸を抜け出して湖でアオカンに励んだり、
ハルケギニアの国々の重鎮達の信仰を深める催しで学院の同級生達と再会したりついでにロマリアの教皇とジュリオと再会して2人が発情しかけたもんだから慌てて人目の付かないワインセラーに引っ張り込んで満足させる羽目になったり、
ジョゼフの再婚話で新妻を一見傲慢そうで我侭っぽいイザベラに馴染ませる為に話し合いの場を持ったりジョゼフがいきなり猥談へと持ち込んでなぜか代わりに巻き添えでサイトがフッ飛ばされたり、
はたまた任務で数日間家から離れ、帰ってからは実戦潜り抜けたせいで滾る血を発散すべく愛する少女達を美味しく頂いたり



とまあ色んな意味で濃いイベントてんこもりだったこの夏休み。
それもほぼ過ぎ去って翌日からまた始まる授業などの準備をするイザベラを眺めながら―ちなみに今彼が居るのはイザベラの部屋である―
サイトが思い出したように言った。実際ふと思い出した事が口に出たのだが。

「へぇ、アンタの世界の学院―――いや学校だっけ、結構勤勉だったんだねえ」
「俺らからしてみたら元々それが普通だったんだけどな。夏休みも1ヶ月ちょっとしかないし、やんなきゃいけない課題はてんこもりだったし」

もちろんサイトは最終日に親の手を借りて徹夜でヒイヒイ言って何とか間に合わせてた口であった。
「何ですぐにやっとかなかったんだい!」と雷と一緒に伝家の宝刀、でも最近廃れ気味のオカンのゲンコツを食らうのが毎年の定番だったなぁとちょっとしみじみ。
ちなみに目の前の少女やその妹、エルフの少女や姉御肌の女性の方は休みに宿題が出なくても今まで受けた授業の復習をしてから、
更にこの先教えられる部分まで自分達で調べて予習するという絵に書いたような優等生っぷり。

う〜ん、何か学年トップで一緒のクラスだった奴を思い出すんだよな。
しかもサッカー部の期待のルーキーで顔も良くてバレンタインでチョコ山盛りゲットしてた野郎。


・・・でも今の俺なんかカワイイ子4人に囲まれて逆玉の輿だぜ!ザマアミロー!


「何なんも無い所指さしてアホ面曝してんのさ。キモイよ」


虚空ににっくき山田(仮)の顔を浮かべてプギャ−と哂ってる男が1人。
正直、かなり怪しかった。


でもって愛する少女にラピュタ崩壊のマジックワードの如く告げられた内容に、サイトは1000のダメージを受けて倒れてしまった。

おおガンダールヴよ、しんでしまうとはなさけない、なんて言葉がどこからか聞こえたとか聞こえなかったとか。







その後、イザベラの身体を使った回復魔法(効果:男性の極一部がビンビンに回復します。MPは使用しません)によって教会に行く事も無くサイトは復活していた。
もっともサイトは無神論者だし、代わりにイザベラの方が新学期初日の授業を休む事になったのは言うまでもない。


391 名前:バレット:2008/09/01(月) 00:18:16 ID:cd6T4NeX
うん、ゴメンナサイ。短い上に大したオチもなくてつまんなくて。




そして絶望した!更新止まってるのに人気度の上位に食い込ませてくれてる皆に絶望した!
すんません、次回こそはちゃんとエロ書くから・・・(土下座)

392 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 02:10:22 ID:MIvd3B5v
>>391
GJ! ロード大公ではなくてたしかモード大公だったはず

393 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 02:20:28 ID:t5vuCGYF
バレットさんお久しぶりです。また楽しみにしてます

394 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 04:12:52 ID:CYFabZgD
>>391
GJ!
面白かったです!



エロシーンを丁寧に書ける職人さんも凄いと思いますが、
隠しながらも想像させれる技術(描写無くしても、そういうシーンを想像
させる文章)を持った職人さんも凄いと思う


395 名前:明るい性教育 ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/01(月) 22:20:54 ID:tUXReg/1

 夏休みも終わり、新学期が始まったばかりの、とある晩――。
 才人は机に向かって、羽ペンを噛みながらうなり声を発していた。
 ベッドに寝転がって本を読んでいるルイズが、いかにも優等生ぶった様子で、
「バカね。夏休みの宿題っていうのはね、始まって真っ先に片付けるものよ」
 などと声をかける。
 確かに真理だ。しかし真理とはすなわち理想であって、イコール現実とは違うのだ。
 そして今、才人が直面しているこの難問は、そもそもが夏休みの宿題ではない。
「あーもう無理! こんなのできっかよ!」
 才人は椅子ごと床に倒れこんだ。真っ白なままの紙束が宙に舞い上がる。
 いっそ明日の朝一番、ヒゲオヤジのもとに直談判に行って、
 こんな役目からはきっぱり降ろさせてもらおうか、とも考える。
 けれど元は自分が言い出したことである。無責任な真似はできない。

 ――話は1ヶ月以上も前に遡る。
 トリステイン貴族子女の性知識レベルに、大いなる不安を覚えた才人は、
 たまたま学院長室を訪れた際に、魔法学院でも性教育の授業を取り入れるべきだと、
 しごく真剣にオスマン氏に提言したのである。
 偉大なるオールド・オスマンは白い口ひげを指でしごきながら、ふむ、と頷いた。
 即座に、夏休み後の新学期にその時間を設けることを約束した。
 そしてあろうことか、才人をその講師役に指名したのである。
 すぐさま抗議したが聞き入れてもらえなかった。オスマン氏は飄々と告げた。
「そのような類の授業は、この学園の長い歴史をみても例のないことじゃからな。
 君の異世界での経験を生かしてぜひ頑張ってくれたまえ。期待しておるぞ」


396 名前:明るい性教育 ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/01(月) 22:22:13 ID:tUXReg/1

 そんな訳でようやく重い腰を上げて、才人はその難題に立ち向かっていたのである。
 だが一口に性教育の授業と言っても、一体何をすればいいのか……。
 小中高のその授業中、才人はずっと居眠りをしていた。
 真面目な顔をして聞くには、内容があまりにも恥ずかしすぎたからだ。
 こっそりエロ本でも読んでれば足りるじゃないかとタカをくくっていた。
 ……まさかこんな事態になろうとは。後悔先にたたず進退きわまって、
 とうとうルイズに助け舟を求めた。
「なあ、ルイズ〜。どんなことを言えばいいんだろうな」
「何って、あんた言ってたじゃない。学院の女の子が自分の身を守るためにも
 そういう授業をするべきだ、とかなんとか」
 なるほど。そうだった。
 つまり子供がどうやったらできるかを話せばいいんだな。
「なあなあ、ルイズ〜」
「何よ、うるさいわね」
「お前さ、子供ってどうやってできるか知ってる?」
 ぴくっとルイズは身を震わせて、初めて本から顔を上げた。
「それをあんたの口から聞くとは思わなかったわ」
 なんだか怒った風な口ぶりだ。
 まあそうだよな。なにしろ作り方を教えたのは他ならぬ自分だからして。
「なあなあ、ルイズ〜」
「もうっ、いい加減にしてよ! 聞くならいっぺんにしてよね」
 とうとうルイズは起き上がり、完全に才人の方を向いた。
「あのさ、モンモンとか他の子たちも、みんなお前みたいなわけ?」
「みたいって?」
「だから作り方。なんも家の人から教えられてないのかな」
「家によりけりでしょ。知りたいなら本人に直接聞いてみなさいよ」
 つまり何? 面と向かって○EXのやり方知ってるか聞けといいますか。
 いやそんなさすがにとモジっていたら、ルイズが呆れたようにため息をついた。
「バカね。冗談に決まってるじゃない。だいたい具体的に説明しなくても
 いいでしょ? 男性の前で気を許したら、子供ができる可能性があるって
 そう言えば済む話じゃない」
 聞いた才人は心の底から感心した。日頃の勤勉はだてじゃなかった。
「お前やっぱ頭いいな。無駄に使えない魔法の勉強してるわけじゃないんだな」
 次の瞬間。轟音ととともに黒い爆煙が才人の体を包んだ。

 後日。問題の授業もつつがなく終わり、すがすがしい気分に包まれて、
 才人はオンディーヌ隊の溜まり場へと向かった。
 一歩足を踏み入れた瞬間、恨み言の一斉射撃を受けた。
「おいサイト! お前のせいで恋人がキスもさせてくれないんだぞ!」
「俺なんて1メイル以内にも寄らせてもらえないんだ! どうしてくれる!」
 散々つるしあげをくらった挙句、自分以外の満場一致で、
 才人は二度目の授業を行うことを約束させられたのであった。

〜FIN〜


397 名前:ぎふと ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/01(月) 22:23:28 ID:tUXReg/1
小品祭りに便乗〜。折角のネタもこれが限界ですた

398 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 22:43:32 ID:tUXReg/1
書き込み沢山でまとめてになりますが、
205氏、アトピック氏、ツンデレ王子氏、バレット氏、
皆さんGJであります!!!華やかで良いですなぁ。

399 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 22:44:40 ID:MIvd3B5v
>>397
サイトの雑な説明に吹いた GJ!

400 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 22:50:00 ID:t5vuCGYF
職人さんラッシュやぁ・・・

401 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 23:09:23 ID:+rx/Uvg+
恋人たちは1メイルに近づけたら子供ができると思ってしまったのか
かわいいな

ぎふと氏GJ

402 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 00:03:24 ID:cfVGS1DQ
>>397
GJ!

403 名前:モルスァ:2008/09/02(火) 00:19:54 ID:wIEPHKjA
 やっちまった、と才人は思った。
 目の前のイスに反対向きに腰かけ、こちらに背を向けているルイズの体が小刻みにプルプルと震えている。
 これは間違いなく怒っているぞ、と、内心震えながら後悔する。
(なんで俺はあんなことをしちまったんだ)
 答えはルイズが可愛かったからである。今あのときのルイズを思い出してみても、やっぱり可愛い。
 だから仕方がなかったんだ、という言い訳は、しかし目の前で怒りに震える背中には通用しそうにない。
 だがそれでも、才人は断言する。もう一度同じ場面に出くわしても、自分は間違いなく同じことをするだろう、と。
 その日、授業を終えて部屋に帰ってきたルイズは上機嫌だった。
 先週行われた試験の結果が返ってきたのだが、その結果が彼女のクラスの中で一番だったのだ。
 たまたま筆記中心で、実技試験がほぼ皆無の構成だったおかげもあったが、ともかく凄いことだ。
 コルベールもやはり上機嫌で、皆の前で彼女の努力を誉めたたえた。
 普段馬鹿にされてばかりのルイズだから、それはもう嬉しかったのだろう。
「ま、わたしの才覚を以ってすれば当然の結果だけどね?」
 だのと才人には素っ気ない口調で言いつつ、その口元は返ってきた答案を眺めて緩みっぱなしであった。
 実技が壊滅的な分筆記試験でカバーするのが彼女のスタンスであり、そのために凄まじい努力を重ねていたのを、才人は知っている。
 寝る間も惜しんで深夜まで机に向かう彼女の姿に、健康を損ねないかと心配になったものである。
 そういった努力を知っているだけに、このときばかりは才人も珍しく、ルイズの自賛に賛同することができた。
「いや、確かにすげーよお前。お前のクラスにゃタバサもいるのに、それで一位取ってんだもんな」
「そうでしょそうでしょ、あの子よりわたしの方が素晴らしいでしょ」
 椅子に座ったルイズ、とうとう喜びを隠すことなく笑顔全開である。
 実に貴重なものを見た、と感動に打ち震えるあまり、才人の舌もいつも以上に回りだす。
「ああ、今のお前は最高に輝いてるぜ! よっ、さすがヴァリエール家のご令嬢! ユーアーナンバーワン!」
「おほほほほ、いいわよいいわよ、もっとご主人様を誉めたたえなさいな子犬ちゃん!」
 普段褒められないためか、ルイズのテンションもウナギ上りである。完全に悦に入っている様子であった。
 いつも澄ましたりツンとしたりしている彼女の無防備な笑顔を見て、才人の喜びも爆発的に高まった。
 だから、つい手が伸びた。
「いやほんと」
 椅子に座って笑っているルイズの、小さな頭に向かって。
「よくやった、いい子いい子!」
 馬鹿笑いしながら、やや乱暴に撫で回してしまった。
 幸せ馬鹿主従タイム、終了であった。


404 名前:モルスァ:2008/09/02(火) 00:21:18 ID:wIEPHKjA
(いやだって仕方ねえじゃん! なんか無邪気なお子様みたいな感じでつい撫でたくなっちまったんだもん!)
 だのと心の中で言い訳しても、もう遅い。
 撫でた途端に顔を真っ赤にしたルイズ、それきり何も言わずに才人に背を向けて、以降ずっと体を震わせ続けている。
(怒っていらっしゃる)
 才人は恐怖に慄いた。
 いくら幸せ絶頂だったルイズに対してとは言え、なんてバカなことをしてしまっただろう。
 プライドの塊みたいな彼女を、思いっきり子ども扱いしてしまった形である。
(畜生、せっかく珍しく喜びの感情を共有できてたってのに!)
 地団駄踏んで悔しがりたい気分だったが、そんなことしたらますます機嫌が悪化するに決まっている。
 そんなこんなでどうしたものかと迷っていると、突然ルイズが立ち上がった。
 怒りのエクスプロージョン発動か、と咄嗟に身構える才人の前で、しかし彼女は予想だにしない動きを見せる。
 なぜかこちらに背を向けたまま、不自然な横歩きでベッドのそばまで歩き、一言。
「寝る」
 とだけ言って、ベッドに潜り込んでしまったのだった。

 夜半を過ぎてもなお、ルイズは眠れずにいた。
 ころりと寝返りを打ってみると、幸せそうにいびきを掻いている才人の顔が、すぐ間近に見える。
(人の気も知らないで……!)
 ぎりぎりと歯ぎしりすると同時に、昼間のことが脳裏に浮かんできて、顔が熱くなってきた。
 意外に大きな才人の手の平、慈しみをもってこちらを見下ろす優しい瞳、そして穏やかな「いい子いい子」。
「モルスァーッ!」
 意味不明な奇声を上げながら、ルイズはベッドの上で転げまわる。勢いがつきすぎて才人の股間に足が直撃したが、いつものことなので気にしない。
(ひどいわ、あんまりだわ! サイトのくせにお父様みたいだなんて!)
 ルイズにとって、これは初めての経験である。
 父に頭をなでられたことがないわけではなかったが、「何か褒められることをした」結果として撫でられたのは、初めてだった。
 それがあれほど心地よいものだとは予想だにしなかったのである。今思い出しても胸がカッカしてくるほどだ。
 気恥ずかしさと混乱のあまり思わず体を背けてしまったあとも、ルイズはずっと葛藤していた。
 死ぬほど恥ずかしいけどもう一回撫でてほしい。
 正直な気持ちである。だがしかし、使い魔である才人を自分が撫でるならともかく、逆はどう考えてもおかしい。
 なによりそんなことを自分から頼むなど、自分が子供であると宣言するようなものだ。
 ルイズには絶対に出来ない芸当であった。
 そんなわけで、表情を悟られないようにベッドにダイブした後も、こうして身悶えしている有様なのである。
(そもそもサイトの背が高いのが悪いのよ。いや、別にそれほど高いわけじゃないけど、わたしよりは高いし。
 それに最近なんかちょっとたくましくなってきて、そのあたりもお父様と重なって……)
 冷静に分析すると尚更気恥ずかしさと「撫でてほしい」という願望が高まってきて、
 ルイズは股間を蹴られて泡を吹いている才人の横で、夜通しモルスァモルスァと転げまわり続けたのだった。

405 名前:205:2008/09/02(火) 00:22:10 ID:wIEPHKjA
単に「モルスァ」って書きたかっただけ

406 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 00:27:07 ID:nI9RCLTl
205氏の言葉のセンスは素敵回路に通じてますね(賞賛

っていうか頭なでられて悶えるルイズかわいいけど、
一方で才人への対応が地味にひどいなw いつものことなので気にしないのかw

407 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 00:32:05 ID:edaZy4io
クソ笑ってしまったw
なんだよモルスァてw

408 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 00:34:28 ID:cdPoCv4M
205氏は紳士なので「自分がルイズにされたい行為」を恋人であるサイトに譲っているのだよ
GJ!!

409 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 00:58:39 ID:edaZy4io
だめだ。ジワジワ笑いが出るのが止まらんw

410 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 01:08:49 ID:PseRgf8G
>>397 >>405
どちら様もGJ!
笑った笑ったw

>>397
サイトの教育を受けた後の女達の行動。
 〃 に詰め寄る男達。
手に取るように想像できて…切ないっす

>>405
ルイズが可愛いよ
頭なでなで で悶えるルイズ…ぎゅ〜って抱きしめたい!


411 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:24:30 ID:JFKhz3mj
205氏GJなんだぜ。
つうかモルスァで盛大に吹いた。そしてモルスァモルスァ言いながら転げまわるルイズを想像してさらに吹いた。

そして自分も投下。
『才人君の華麗なる日常』ファイナル、ルイズ編。
まあ落ちはいつもどおりのテンプレなのであまり期待しないが吉なんだぜ

412 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:25:27 ID:JFKhz3mj
さて、才人が王都を発ったのは、日の沈みはじめてからの事だった。
西の地平線が紅い空を飲み込んでいくのを焦りながら見つめ、才人は愛馬を飛ばして学院へ向かう。
自分の到着を心待ちにしている、愛しいご主人様の下に。
全力で飛ばしたお陰で、才人はなんとか太陽とのチキンレースに勝利する。
厩舎に馬を預けた才人は、まるで、睡魔に抵抗する、薄く開かれた紅い目のような西の空を眺めながら、慌てて女子寮へ向かう。
階段を駆け上り、ほどなくしていつも自分が寝起きする部屋へ着く。
そして、ドアの前で深呼吸。
呼吸を整えると、部屋のドアをノックする。

「…開いてるわよ」

返ってきたのは少し不機嫌そうな声。

…ヤッヴェ!怒ってはる!?

『夕方まで帰ってこれない』とは言っていたものの、先に才人が部屋に戻っていなかった事に腹を立てているのだろうか。
才人はおそるおそる、ドアを押し開ける。
そして、おっかなびっくりいつもの台詞。

「ただいまー、ルイズー…」

才人は、開いていくドアの隙間から中を伺うようにして、そう言った。
部屋に帰ってきたとき、ご主人様がいるときは、ちゃんと『ただいま』の後に名前を呼ぶの!わかった!?と躾けられているからだ。
ただいまだけでもいいんじゃないか、と言う才人の反論は勿論却下された。結局どうして名前を続けるのかは分からずじまいだったが、とりあえず才人は折れておく事にした。
その本当のところはといえば、ルイズが図書館で借りてきた本に由来する。
『勇者王バルバロイ』というタイトルのその冒険活劇は、半分獣の騎士と、美しい貴族の娘が、愛の力で襲い掛かる困難を一切合財粉砕していくという、破天荒な物語なのだが。
その二人が夫婦になったシーンで、娘が『旦那様は帰ってきたときに、妻の名前を呼ぶものよ』と言って、ただいまのあとに自分の名前を呼ばせるシーンがある。
そして騎士は帰宅の度に妻の名と愛を確かめる、という描写が続く。
なんてことはない、帰宅時の夫婦の所作が書かれているだけなのだが、ルイズはいたくこれに感銘を受けてしまった。

…へ、部屋に帰るたんびに私の名前呼んでれば、私への忠誠心…もとい愛はより一層深まるわよね!

などと妄想してしまうくらい。
そんな理由があるとは露ほども知らない才人は、少し暗い部屋できょろきょろと主人を捜す。
既に日が暮れ始めているので、部屋の中は随分暗い。まるで影絵のように、調度が黒く染まっている。
そんな中、才人はルイズのシルエットを見つける。窓の脇に立ち、外を見ているようだ。
灯りも点けずになにやってんだ、と思いながら、才人はいつもランプの置いてある、ベッド脇の円卓に向かう。

「もう暗くなるから、灯り点けるぞ?」

返事はない。
…やっぱり怒ってはる?と戦々恐々、しかし逃げ場はない諦めの境地から、才人は逃げ出さずに火口箱から火を作り、ランプを点す。
ええいもうどうにでもなれ、と覚悟を決めて窓際のルイズを振り向いた才人は。
目が点になった。
怒ったように眉を吊り上げ、才人の方ではなく自分の右斜め前を意味もなく睨みつけるルイズは。
限りなく白に近いピンクの、ふわふわの布地を身に纏っていた。
上半身は胸元が大きく開き、袖がない。肩紐の間には、はっきりと肩甲骨が見て取れる。その布と肌の境界線は、過剰なほどの白いフリルで覆われている。
その左胸、心臓の真上にはよく見ると布地と同じ色の糸で見事な薔薇の刺繍が施されていた。
細い腕は同じ色のグローブで覆われて、ルイズの華奢さを寄り一層際立たせている。
背中に纏められた紐できゅっとくびれた腰から続くスカートは、上半身の布から素直に続き、綺麗なフレアになっている。
そのスカートを覆うように、薄手の、これまた限りなく白に近いブルーの布がまきつく。レースをふんだんに使った、外付けの引き裾であった。
ルイズの桃色の美しい髪は、半透明の布に覆われ、その布は彼女の顔の前にまで垂れている。
才人は、ランプと月の灯りに照らされたその美しさと可憐さに思わず見とれ、そして、ようやく声を出す。

413 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:26:24 ID:JFKhz3mj
「ちょ、おま、な、なんて格好してんだよルイズ!」

どう見てもウエディングドレスです。本当にありがとうございました。
脳内で河内音頭をパラパラのリズムに乗せて踊り狂う才人の思考が、そんな結論を出す。
ルイズは不機嫌そうに、赤い顔で、やっぱり右斜め前を意味もなく睨みつけながら。

「あ、姉さまたちが、お、『お土産』だって、くれたのよ!」

学院にやってきたカトレアとエレオノールが、複数の恋敵相手に苦戦する妹に、とんでもない最終兵器を持ってきたのである。
妹に満面の笑顔で決戦兵器を手渡すカトレアに対し、エレオノールは最後まで『こんなのちびルイズにはもったいないわよ』なんて言っていたが。
カトレアが結局、エレオノールが一生懸命このドレスの生地を選んでいた事をばらしてしまうのであった。
結局ヴァリエールの姉妹は、末の妹が可愛くて仕方ないのである。
そして、カトレアは一計を案じる。

『今夜あたり、それを着て騎士殿に見せてお挙げなさい。彼、きっとアナタにメロメロになっちゃうわ』

そしてその作戦は大成功を収めた。のだが。
当のルイズには、これが成功なのかいまいち理解できていない。
ルイズはちらり、と才人を見る。
真っ赤になって、狼狽している。どうしてだろう?少し疑問を覚えたルイズは、率直にそれを才人に尋ねる。

「に、似合ってない?」

不安そうな顔で、今度は才人を見つめながら。

どきゅん。

才人の心臓に何か硬くて太いものがブッ刺さった。
くぁ、かは、となんとか止まっていた呼吸を戻し、応える。

「い、いや、似合ってるとか似合ってないとかそういう次元の問題じゃなくてだな」
「…可愛くない?」

今度は泣きそうな顔で、首を傾げながら。

ずっきゅん。

才人の心臓のど真ん中に、桃色の徹甲弾でどでかい穴が開いた。
ずは、ぶは、と吐き出すのを忘れていた二酸化炭素を追い出し、ようやく言葉を返す。

「いやだって反則だろソレ!チートだろソレ!いや正直言うけど、すげえ似合ってるしとんでもなく可愛い」

今度はルイズが歓喜の波に襲われる番だった。
『すげえ似合ってるしとんでもなく可愛い』『すげえ似合ってるしとんでもなく可愛い』『すげえ似合ってるしとんでもなく可愛い』『すげえ似合ってるしとんでもなく可愛い』…。
頭の中でこだまのように、才人の言葉が反響する。
心臓が早鐘のように脈打ち、身体が悦びのあまり浮き上がったように感じる。

「で、でも、どうしてそんな格好なんか」

最初の疑問に立ち返った才人に、ルイズはかろうじて現実に踏みとどまり、応える。

「…どうせ、そのうち着る事になるから、そ、その」

その先を言おうとするが、中々言葉にならない。
というより、この先を吐いてしまったらもう後戻りは出来ない。そんな決定的な言葉だった。
才人は、中々言い出せないでいるルイズに、少し不安を覚えながらも、その言葉を待つ。

414 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:26:57 ID:JFKhz3mj
「え、えっと、その、だ…だん…、じゃなくて、サイトが、サイトで、そのね」

まともに言葉にならない。

何度も言おうと決めてたじゃないの!練習だってしたじゃない!私の意気地なし!
『私の旦那様になるサイトに、このドレス似合うかどうか見てもらおう』って!

心の中で自分にエールを送るルイズ。しかし口はもごもごと蠢くだけで、意味のある言葉を紡がない。

「どうしたんだ?ルイズ?」

さすがに疑問に思ったのか、才人が震えるルイズに寄ってくる。
その距離が、あと半歩まで迫った瞬間。

すん。

ルイズの鼻に、才人の匂いが届いた。
ほんの少しの、異臭を伴って。
即座にルイズはその異臭の種類を理解する。
少し甘い、香水交じりのその匂い。紛れもない。
他の女の匂い。

…こ の エ ロ 犬。
一体今日一日、何ヤッてたのよっ…!

ふわふわとした幸せな気分が一点、殺意の波動に変わる。
一瞬、このまま引き倒してお仕置きモードに移行しようかとも思ったが。
しかし、ルイズは閃く。閃いてしまう。

「ねえ、サイト?」

急にいつもの顔に戻り、あからさまな作り笑顔でそういうルイズに、ただならぬものを感じた才人は、思わず後ずさる。

「な、何かな?」

にっこり笑ったまま。
がしい、とルイズのグローブに覆われた手が、才人の胸倉を掴む。
ケープごしでもわかる凄みを増した視線が、怯えるガンダールヴを容赦なく射抜く。

「私ね、自分の旦那様になる人は、私を心の底から愛してくれて、誠実で、勤勉な人がいいなって思うわけ」
「そ、それがいいいよねうん」
「でね?私の旦那様候補って言ったら、今誰がいると思うかしら?」
「え、えっと、その、ワルドとか」
「いっぺん死んでみるか駄犬」
「いえ冗談です私めですはい光栄至極で犬死んじゃいそう」
「そうね。どこかの冴えないガンダールヴだわね。で、私思うのよ」
「…な、何をでありますか?」
「その旦那が、誠実さのほかに、情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さまで足りなかったらどうすればいいのかしらね」
「…え、えと、とりあえずこの手を放すのはどうでしょう、マム」
「却下します。そうね、とりあえず調教かしらね。二度と浮気色目味見妄想その他もろもろできないように」
「す、すいません痛いのは勘弁願えないでしょうか」

才人のその言葉を聞いて。

いい度胸してんじゃない、サカリのついた駄犬のくせしてっ…!

ルイズの中で、何かが反転した。

415 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:27:35 ID:JFKhz3mj
「脱ぎなさい」
「へ?」

胸倉を締め上げられている使い魔に、主人は完全な半眼で冷徹に命令する。
あまりにも唐突な命令に、一瞬ルイズの言葉の意味が理解できない才人。
ほけっとしていると、次の命令が降ってきた。

「全部脱いでベッドに仰向けになりなさい。反論も異論も抗議も一切受け付けない。
 やらないと塵に返す」

言ってどこから取り出したのか、ぱりぱりと充填された魔力で電撃を放つ杖を、才人に向ける。
完全に犬モードになった才人は、慌てて全裸になり、ベッドに仰向けになる。
それを追いかけるように、ルイズは、ベッドの上に、白いヒールだけを脱いでドレスのまま登り、才人の足元で仁王立ちになる。
そして据わった目でくなんとしおれた才人の一物を見下ろす。

「二度とおいたができないように、調教してあげる」

ルイズはスカートのまくれるのも構わず、ガーターベルトに吊られた、白いニーハイソックスの脚を持ち上げて、その足の甲で垂れた才人の一物を持ち上げる。

「ちょ、ルイズっ?」
「ご主人様以外、見れない身体にしちゃうんだから」

言いながら、才人の裏筋を、右足の親指路人差し指の隙間で擦り上げる。
その刺激に、あっという間に才人の息子は完全に勃ち上がる。
その弾力はまるで、才人の牡がルイズに屈さないとばかりに抵抗するかのよう。
しかしルイズは無慈悲に冷たく笑うと、ぐに、と脚に体重をかけて哀れな牡を下腹部へ押し倒す。

「なによ、踏まれて感じてるワケ?変態ね、変態犬ね」
「いや待てって!これまじでまずいって!」

焦燥感と、たまらない屈辱、そして背筋を這い上がってくる負の快楽に抵抗しながら、才人は体を起こそうとする。
その鼻先に、ルイズの魔力の充填された杖が突きつけられる。

「痛いの嫌なんでしょ?だったら大人しくしてなさい。伏せ」

ルイズはまるでペットの犬に命令するようにそう言い放つ。
才人はそんな冷酷な花嫁の命令に逆らえない。仕方なくベッドの上に再び上半身を戻す。
そして、ルイズは才人がベッドに背を預けたのを確認すると。

こしゅっ、こしゅっ、こしゅっ。

シルクの布地に覆われた足先で、才人の肉棒を下腹部に押し付けながら擦りあげる。

「く、くぁぁ」

才人の喉から漏れる、切ない悲鳴。
それと同時にルイズの背筋を走る、ぞくぞくとした負の電流。
薄い布地越しに感じる牡の肉の抵抗が、ルイズの嗜虐に火を点した。
ヴェールをふわりと持ち上げ、冷たい笑みで才人を見下ろす。
そして言った。

「言っとくけど、このドレス汚したらひどいかんね。
 一生口きいてあげないんだから」

随分可愛い『ひどい』だったが、その制限も随分無茶であった。
この状況でどうやってドレスを汚さずに済ませというのか。

416 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:28:22 ID:JFKhz3mj
「ちょ、そんなのムリだって!」
「簡単じゃないの。私に向けて出さなきゃいいのよ」

ということは。

「きったない犬の精液、自分のおなかの上にぶちまけなさい♪」

冷酷に言い放つと、才人の牡をぎゅう、と彼の下腹部と自分の足の裏でサンドイッチにし、シルクの肌触りでこしゅこしゅと擦りあげる。

「く、うぁ、うあぁぁぁぁっ!」
「ほ、ほら、こんなのでこんなにカチンコチンにして。変態ね、変態犬ね。ほんとどうしようもない変態なんだから」

そう言い放つルイズの頬は朱に染まり、瞳は潤みきっていた。
才人の硬い牡を擦りあげるたびに蠢く股間の肉が、熱く熱く疼いてくるのが分かった。

…私だってこんなことして興奮してるじゃない。変態なのは私の方かも…。

思いながらも、足は止まらない。止められない。
容赦なく自分の知る才人の一番感じる部分、竿の付け根の一番固い場所を脚の腹でこりこりと押しつぶし、指先で竿の裏筋をなぞって責める。

「ほら、みっともなく出しちゃいなさいよ!私の足で踏まれて、出しちゃいなさいよっ!」

侮蔑の言葉を吐く桜色の唇は、舐めあげたせいで妖艶に光り、その目は嗜虐の悦楽に蕩けていた。
もう、ルイズは完全に自覚していた。

…私、変態なんだ。大好きな人にこんなことして感じちゃう、変態さんなんだ…。
…で、こんなことされて感じてるサイトも十分変態ね。変態同士、お似合いの夫婦になれるかも…。

なんてことを考えながら、いよいよ脚の動きを早めていく。
にちゃにちゃと溢れた先走りでシルクのソックスが滑り、早い動きの摩擦を打ち消す。
粘液と柔らかい足の裏の感覚に、才人はいよいよクライマックスを迎えた。

「も、もうだめだぁっ!」

ぶる、と才人の体が震える。そして。

どくどくどくっ!

ルイズの脚によってしっかりと下腹部に押し付けられた才人の牡は、自らの腹部に白濁をぶちまける。
その光景を見て、花嫁衣裳を着たルイズの身体がふるっ、と震える。
愛する人を責めあげてしまった負の法悦に、震えていた。
そして。
己の中で目覚め始めた牝が、目の前の牡を喰らい尽くせと吼え始める。
ルイズはその牝に従うまま、才人の上に腰を下ろす。

「ちょ、ま、待てルイズ汚れるっ」

ルイズが腰を下ろそうとした才人の下腹部には、たった今吐き出された新鮮な精液が飛び散っている。
ルイズは、そういえばドレス汚したらひどいとか言ってたわね、と無責任に自分の発言を思い出し。
踵を返してベッドから降りると、ベッド脇に置いてあるタオルを取った。
そのままベッドに上がり、上半身を軽く起こして呆けている才人の脇にに腰を下ろす。
そして、乾いたタオルで才人の下腹部を拭き始めた。

「え?い、いいよルイズ俺が拭くって」

まだルイズがご主人様モードなのかと思っていた才人は、思わずそう言って自分の下腹部を優しく拭くルイズを止めようとする。
しかしルイズは手を止めずに、どんどんタオルで精液を拭き取っていく。ほどなくして、下腹部に飛び散った才人の分身は、ルイズの手によってきれいに拭き取られた。

417 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:29:03 ID:JFKhz3mj
そして。
ルイズはその汚れた布の塊を、自分の鼻先に持っていく。
愛する牡の匂いに染まりきったその布に、花嫁姿の牝は、その美麗な鼻筋を埋める。

サイトの、サイトのにおいだぁ…!

鼻腔の奥から、生臭い獣の匂いが侵入し、ルイズの脳幹を焼く。
ぴりぴりとした静電気のような快感が、血管を通して身体中に運ばれていく。
脊髄を通して、下腹部の器官に、封を解けと命令が下る。
才人の匂いを吸い込むたび、ルイズの身体は『おんな』に染まっていく。
才人はといえば、目の前で可憐なウエディングドレスに身を包み、自分の精液の染み込んだタオルの匂いをかいで、法悦の笑みをこぼすルイズに、とんでもないいやらしさを感じていた。
目の前で痴態を繰り広げる花嫁に、花婿の牡は完全に天を衝いていた。
ひとしきり匂いを嗅ぐと、ルイズはタオルから顔を上げる。
タオルに顔を埋めている間に、布に染み込んだ精液の味も存分に味わっていた。
そのせいで、股間の牝は完全に目覚めていた。
外からは膨らんだドレスの裾に隠れて見えないが、ルイズの下着には、溢れ出た淫水で染みができていた。
はぁ、と溜息をつくと、ルイズはスカートの前をたくしあげ、才人を跨ぐ。
才人からは、たくし上げられたスカートの中身が丸見えだった。
そこは、花婿以外には晒される事のない、秘密の花園。
レースたっぷりの白いガーターベルトに吊られた、薄いピンクのニーハイソックス。
そして、純潔を意味する真っ白なフリルいっぱいのショーツは、ルイズの愛液で濡れそぼっていた。
ごくり、と才人の喉がなる。
ヴェールをはだけ、スカートの前を開き、淫らに火照った花嫁は、言った。

「ほらあ、サイトがあんまり変態だから、見てる私まで変な気分になっちゃたじゃないのぉ…♪
 責任、とんなさいよぉ、ばかいぬぅ…♪」

言って、今度は左手だけでスカートを保持し、右手で愛液に濡れたショーツをにちゃあ、とずらす。
そして、器用に才人の先端をそこに押し当てる。
そこから先は、才人の仕事だった。
才人は左手でルイズの腰を抱え込み、右手を己の竿に添えて固定する。
才人も、興奮で限界だった。
この愛しい淫らな花嫁を、早く己の欲望で貫きたい。
己が欲望の命ずるまま、才人はそのまま左手に力を込め、ルイズの腰を抱き寄せた。

ずぷぷ・・・。

湿った音を立て、才人の肉棒がルイズの裂け目を貫いていく。

「あっ…ふぁぁっ…!」

ルイズが声を上げ、天を仰いだ拍子に、捲り上げていたヴェールがふぁさ、と再び彼女の顔を覆う。
淫欲に呆け、桜色に染まる顔が、純粋の象徴である半透明の布を隔てる事で、より一層淫靡さを増す。
スカートを自らたくし上げ、自分の分身を咥えこんで腰を振りたてるルイズに、才人の欲情はどんどん加速していく。

「ルイズっ、ルイズぅっ!」

名を呼び、自らも腰を突き上げ、花嫁を犯す。

「サイトっ、だいすき、サイトぉ!」

名を呼ばれ、花婿に下から愛され、ルイズは腰を捻り、腰を振りたて、快楽を貪る。
肉同士のぶつかる音と、粘液をかき回す水音が、容赦なく部屋中に響く。
二人の声が淫らに絡み合い、互いを高めていく。

418 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:29:56 ID:JFKhz3mj
そして。

「る、ルイズ、お、俺もうっ」

一度果てたにも拘らず、才人が先に限界を迎えた。
そんな使い魔の限界を聞き取ったルイズは、絶頂の期待に震えながら、命令を下す。

「ど、ドレス、よごしちゃ、だめ、なんだからっ、なかにっ、中に全部出してぇっ!
 わたしのこと、あいしてるなら、中に、中にぃぃっ!」

言いながら腰を下ろし、子宮口を才人に密着させて完全に牡を咥えこむ。
その膣道がびくんびくんと蠕動を始める。
絶頂の前触れであった。

「い、いくよルイズっ!」
「わ、わたしも、わたしも、いっちゃう、いっちゃうのぉっ!」

いつの間にか二人は互いに両手の指を絡めあい、見詰め合っていた。
そして、ルイズの膣の最大震度が、才人の肉棒を直撃する。

きゅうううーっ!

「あ、ああぁぁぁぁぁぁーっ…!」

どくどくどくどくっ!

「ルイズっ…!」

全てを絞りつくさんばかりのルイズの締め付けに、才人は花嫁の奥で果てた。

「あ、ふぁ、いっぱい…」

夢見心地でルイズは、才人の胸板に倒れこむ。
その股間からちゅるん、と勢いを失った才人抜け、緩んだ膣道を、どろり、と子宮に入り損ねた才人の精液が流れる。
ルイズはその感覚に、慌ててずれたショーツを直し、弛緩した牝の入り口を封じる。
自分の上でもじもじと何かをしているルイズに、才人が疑問をぶつける。

「ルイズ、何してんの?」
「え」

しかし才人の精液が零れるのが勿体無くてショーツで蓋をした、なんて恥ずかしくて言えるわけがなく。
ルイズは、先ほどの約束事を持ち出す。

「あ、あんたがバカみたいに出すから、溢れてきたのよ!そ、それにドレス汚したら、まずいから…」

ドレスを汚してまずいのは才人の方なのだが。

419 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:30:41 ID:JFKhz3mj
完全に出来上がったルイズには、才人と一生口を聞かないなどというのは、彼女にとってマイナスでしかない。
でも。
もっと、して欲しい。メチャクチャにして欲しい。
それには、身に纏う、花嫁の証が邪魔だった。
ルイズはそう考え、ベッドを降りる。
そして、ヴェールを外し、上半身を締め付ける紐を解き、一本の布の筒になったドレスをふぁさ、と脱ぎさる。
薄いピンクのグローブと、白いガーターベルトにニーハイソックス、そして愛液と精液でどろどろの純白のショーツという姿になると。
ベッドの上に舞い戻り、上半身と一物を立ち上げて待っていた才人に抱きつく。

「あ、あのまだスルんすかルイズさんっ?」

才人の間抜けな、しかし切羽詰った一言に、ルイズは応えた。

「あ、当たり前でしょう!今夜一晩かけて、絞りつくしてやるんだからっ…!」

言って、乱暴に唇を奪って才人を押し倒し。
復活した才人を、今度はニーハイソックスに覆われた太股と、ショーツを履いたままの女陰の間に出来た隙間で挟み込み、擦り始めたのだった。


次の日。
才人が目を醒ましたのは、昼過ぎ。
眠ったのは日が昇る直前。ソレまでの間、才人は乱れる可愛いご主人様に何度も立ち上がってしまい、そして何度も搾られた。

…覚えてるだけで、七回、させられました…。

何の備えもナシだったら一週間ほど寝込んでもおかしくないほどの一日だったが。
あらかじめ備えておいたタンパク源のおかげか、才人はかろうじていつもよい少し顔面が蒼白なだけだった。
ふらふらとベッドから降り、ベッド脇の円卓に載った水差しから水を飲む。
こんなに旨い水を飲んだのは久しぶりだった。
ほう、と一息つき、才人はベッドに腰掛ける。
そして、勝利を確信した。

…やった。やったぞ。俺は地獄の一日を乗り切ったんだ…!

それは、七万の軍勢を相手に戦った時よりも、大きな達成感だった。

がたん!

その達成感に浸る才人を、ドアに何かが当る音が現実に引き戻す。

どたん!どたん!

どうやら部屋の外で誰かが暴れているらしい。

…ったく、せっかく人がゆっくりしていたってのに。

不機嫌に、才人はドアに近寄る。
騒ぎはひと段落したのか、騒音は消え、代わりにひそひそと声がする。
その向こうから聞こえる、聞き慣れた声、声、声、声。

420 名前:才人君の華麗なる日常 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:31:52 ID:JFKhz3mj
「…じゃあ、順を追って話をまとめてみるわよ。まずタバサ」
「…本を寄付しにいったら、図書館でサイトがしようって言い出した。
 …それで、サイレンスをかけて、行為に及んだ」
「…っ!あ、あんのバカ犬…。まあいいわ、次、淫乱エルフ」
「ひ、ひどいです…。ひ!わ、わかりました、話します…。
 お、お弁当とももりんごの蜂蜜漬けを食べさせてあげて、そのあと、いっぱいおねだりしちゃいました…」
「…死ぬといいのだわ…」
「まあまあ落ち着いてルイズ。
 私なんか酷いのよ。こんな器具を使われて、お豆をさんざん嬲られながら気が狂うほど犯されてしまいました」
「……ほほおおおおおおおう」
「あ、あとですねえ。朝随分お元気でしたから、私が一発抜いて差し上げたんですけれども」
「……なああるほどねええええええええええ」

それは、偶然女子寮のルイズの部屋の前で集ってしまった、才人の恋人たちの会話だった。

一部始終を聞いた才人は。
覚悟を決めてベッドに戻り、シーツを頭までひっかぶって寝たふりを開始する。
ばたん!と部屋のドアが勢いよく開いた。
そしてつかつかつかと寄ってくる、複数の足音。

『あの、手加減してあげたほうが』『まあ一度くらいは酷い目に会ったほうがいいのかもしれませんねえ』

あくまで主人を心配するペットと、傍観を決め込んでいるらしいメイドの声。
そして、残る3つの足音が、ベッドを取り囲む。
まさに──────────────────四面楚歌。
がばあ!と勢いよくシーツが跳ね上げられる。
才人は、自分を見下ろす、ご主人様と女王様とお姫様にガクブルしながら、あくまでにこやかに、言った。

「や、やあおはようみんな」


十分な蓄えがあり、困難があらかじめ予想されていれば、乗り切れる──────。
そう考えていた時代が、ボクにもありました──────。

後に包帯まみれの英雄は、病床で相棒の伝説の剣に、そう賜ったという。
そして、そんな彼に対する伝説の剣は一言だけこう言ったそうな。

「…バカだね」 〜fin


※四面楚歌:周りを敵や反対者に囲まれて孤立し、助けのない状態のたとえ。孤立無援。

421 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/09/02(火) 01:32:59 ID:JFKhz3mj
以上でおしまい。
しかしアニメ3期、えらい進みが遅いがアレで終わるんだろうか?
まさかヴィダーシャル倒して終わりじゃあるめいな…?

まあ気にしても始まらないのでもう寝ますノシ

422 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 01:36:41 ID:yST/qMN7
せんたいさん
最高!!
あんた最高や!!


423 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 02:56:48 ID:XAw3JvVH
へ…せんたいさん乙
変態夫婦GJ!
アンタは最高や。


424 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 07:10:18 ID:amA8X3GB
ストレイトクーガー吹いた
せんたいさんぐっじょぶといわざるをえない

425 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 11:40:06 ID:UCvypPdU
勇者王バルバロイてwww

426 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 13:30:56 ID:PQcdFsmi
ちょいと疑問に思ったんだが…
ハルケギニアにティッシュって有るんだろうか?

427 名前:痴女109号:2008/09/02(火) 13:44:38 ID:yST/qMN7
>>30-37の続きです。

428 名前:マリコルヌの冒険(その2):2008/09/02(火) 13:46:35 ID:yST/qMN7

「なあギーシュ、訊きたい事があるんだけどさ」
「ん?」
「モンモランシーとはもう、ヤったのか?」
「ッッ!?」
 その瞬間、ギーシュ・ド・グラモンは、口にしていた水を反射的に吐き出した。
「ごほっ、ごほっ、――何を言い出すんだ君は、いきなりっ!?」
 その慌て方を見て、マリコルヌは、
(どうやら、まだみたいだな)
 と、思った。
 無論、胸中に呟いたのは、その一言だけではない。

――この二股ヤロウが……!

 という、吐き捨てるような悪罵も、当然含まれている。



 いま彼らは、アンリエッタ暗殺計画を未然に防ぐ、という名目で、王宮警護の任に当たっている。
――といっても、正式な訓練を受けてもいない貴族学生に過ぎない彼らは、さすがに城中の警護や大手門の門衛には編成されなかった。いや、王宮警備に廻された者たちもいたが、話によると、そこでもやはり雑用程度の役割しか与えてもらえないらしい。
 悔しいが、――しかし、それも仕方が無い。
 手柄を立てるチャンスを貰えただけでも、良しとすべきであろう。
 なんせ、王宮の警備状況といえば、アリ一匹入り込む隙さえない、完璧なものであったからだ。

 宰相マザリーニは、この女王陛下暗殺計画の噂に、ことのほか神経を尖らせたらしく、銃士隊のみならず学級閉鎖状態の魔法衛士隊、さらには王都在府中の諸侯たちの私兵すら動員し、トリスタニアの城下町を、ほぼ戒厳令下に置いていた。
 さらに噂では、宰相は予備兵力として、予備役の召集はおろか、徴兵令の発令さえ考えているらしいとまで聞こえて来る。
 暗殺計画とやらを、どこの賊が画策したかは知らないが、ここまでガチガチに警備を固められては、もはやどうしようもあるまい。――警備に参加したすべての者がそう思っていた。無論、それは水精霊騎士隊の少年たちにしても例外ではない。


「だいたいマリコルヌ、何できみがモンモランシーの事なんか訊くんだ?」
 そう口を尖らせるギーシュに、マリコルヌは答えない。
「腹減ったな〜〜」
 はぐらかしながらマリコルヌは壁にもたれると、そのままずるずると座り込んだ。
「……真面目にやれよ」
 ギーシュが苦々しげに言うが、マリコルヌは頭を掻くばかりだ。
「いいじゃないか。誰も見てないんだから」
 それにここは――掘っ立て小屋とはいえ――門衛責任者のための隊長室だ。ノックも無く兵たちが無雑作に入って来れる空間ではない。

 彼らは今、王都北西部にある、城門の一つの警護を任されている。
 城門と言えば聞こえはいいが、城塞都市トリスタニアの外郭部に点在する物資搬入門の一つに過ぎず、しかも街道からは全くの反対方向に位置するために、実際には人や物資の通行もほとんど無く、堀にかける跳ね橋の鎖も、赤く錆びあがっているような有様だった。
 城壁の外には無限の荒野が広がるばかりで、侵入者どころか猫の子一匹見かけない。今度の事件があるまで、門の衛兵たちの日課と言えば、詰所で酒を飲むか、堀でのんびり魚を釣るくらいだったというのも、うなずける話である。
 王都トリスタニアの本丸御殿――いわゆる王宮と呼ばれる場所からすれば、こんな城門など僻地もいいところだ。あくびが出るのも仕方が無いだろう。そうマリコルヌは思う。

 もっとも彼らは、一応は十人以上の兵卒を率いる立場なので、ギーシュがにがい顔をするのも無理はない。ただでさえ学生ということで兵たちに舐められがちなのに、こんなやる気の無いところを彼らに万一見られたら、本格的に示しがつかないからだ。
 だが、任務を負って、今日でほぼ二週間。
 下手をすれば、魔法学院にいるよりも平和な日常は、彼らに士気を維持させるための努力を、おびただしく要求した。


429 名前:マリコルヌの冒険(その2):2008/09/02(火) 13:48:00 ID:yST/qMN7

「なあマリコルヌ、きみはなんだ、その、……モンモランシーから何か聞いたのかい?」
 声を上ずらせて、それでも必死に狼狽を抑えているギーシュは、苛立ちの中に媚びを含ませた微妙な表情で、マリコルヌをみる。後ろ暗いところがあるというのは理解できるが、客観的に見ても、これは少し動揺しすぎであろう。
(よく、これだけ嘘もつけないくせに浮気なんかしやがったよな……)
 そんなギーシュを見て、マリコルヌは少し憐憫に近い感情さえ湧いてしまう。
 モンモランシーは、トリステインの貴族女性の例に洩れず、プライドだけは人一倍高い。
 ましてや(ルイズほどではないが)かなり問答無用のカンシャク持ちなので、彼の浮気の事実が明るみに出れば、間違いなく破局か、――もしくは死ぬほどの折檻をギーシュは喰らう羽目になるだろう。

 ギーシュの浮気の相手は、ケティ・ド・ラ・ロッタ。
 もっとも彼女とは学年が違うという事もあり、マリコルヌは、ギーシュほどにはケティという少女を知らない。
 かつてギーシュとの仲を噂されたこの少女が、決闘騒動で彼が平民に負けるやアッサリギーシュを捨て、アルビオン戦役で才人がシュヴァリエに叙勲されると、“女子援護団”なるファンクラブを結成し、ギーシュの眼前で、ぬけぬけと才人に手焼きのクッキーを送った少女。
 その女子援護団なる集団も、いつぞやの女風呂突入事件以来、掌を返したかのように自然消滅してしまったが。
――マリコルヌは、ケティがどういう人間かは知らない。だが、やはり彼の視界には、ミーハーと言うより単なる無節操な女としか映らなかった。

 彼のような男女交際に無縁な男の立場から言わせれば、プレイボーイは嫉妬というより憎悪の対象であるが、尻軽女はむしろどういう感情の対象にもならない。
 外見や称号やらで男を選ぶ女が、自分のような男に関心を持つわけが無いし、そんな“見込みの無い女たち”を気にかけることほど無意味な行為は無いからだ。
 無論、世間の大多数は、そういう女で占められている事も知っているし、そんな女たち相手でも、決してモテたく無いわけではない。だがやはり、マリコルヌのような男たちが望むのは、――それでも自分ひとりを無条件に愛してくれる女なのだ。
 その証拠というわけではないが、かつてマリコルヌは、コルベールに惚れる以前のキュルケに全く興味を持てなかった。たとえ男と見れば誰とでも寝る放埓な女に見えても、彼女は絶対に“おれ”を選ばない――マリコルヌは勘で、それを理解していたのだ。
 女性に縁が無いからこそ、女性に理想を追求してしまう。それを間違っているとは思わない。……そういう初心な一面こそが、彼の身に宿る妄想と欲望の屈曲率を、いよいよ深化させてゆくよすがとなっている事まで、彼自身は気付いてはいないだろうが。

 話を戻そう。
 そんなケティが、どういう経緯でギーシュとヨリを戻したのかは知らないが、使い魔クヴァーシルによる「深夜の巡回」の最中に、マリコルヌが、ケティとギーシュの逢瀬を目撃したのは事実だ。
 そして、使い魔の視界に彼らが入った瞬間に、マリコルヌは二人の関係がいかなるものを理解してしまった。なにせ二人は、深夜の校舎の片隅で、あられもない声を上げながら、サルのように性行為にふけっていたのだから。
「…………」
 さすがのマリコルヌも、しばしその眺めに絶句したが、喜悦の声を上げながら男の胸に顔を埋める少女の姿に、――いや、それ以上に、何かに勝ち誇ったような顔で少女を貫く友人に、言いようも無い不快感を覚えたものだった。
 だが、まあ翌日になるや、ギーシュのあまりの挙動不審さに安心したのも事実ではあるが。



430 名前:マリコルヌの冒険(その2):2008/09/02(火) 13:50:37 ID:yST/qMN7

「別に何も聞いちゃいないけど、なんでそんなに動揺してるんだよ?」
 白々しくも、訊いてやる。
 ギーシュは顔を青くしたり赤くしたりしていたが、
「……いや、聞いてないなら別にいいんだ」
 と言って、壁にもたれて座り込んだ。
 そんな彼を、マリコルヌは、
(このバカたれが)
 と思いながら、見ていた。

 魔法学院入学以来の付き合いだから、決して親友と呼べるほど交誼を結んだわけではない。だが、それでも、同じく生死を共にした仲間として、マリコルヌはギーシュに確かな友情を感じている。
 だからこそ思う。隠し切れない浮気なら、とっととやめちまえばいいのに、と。
 クヴァーシルの「巡回」によって、ギーシュとケティの二人が夜中の教室で、三日とあけずに身体を重ねている事は知っている。積極的なのは少年ではなく、むしろ少女の方である事も。
 そして、関係が深まれば深まるほどに、ギーシュの挙動不審さは級数的に加速していった。日頃の授業や騎士隊の訓練に、ではない。恋人であるはずのモンモランシーへの態度にである。
 モンモランシーに何かを聞いたのか、とギーシュは尋ねたが、恋人の態度に疑問を抱いた彼女が、ギーシュのことを水精霊騎士隊の面々に訊いて回っていたのも本当なのだ。もっともモンモランシーの頼みで、その事実を皆が口にすることは無いが。

 王都に出張して、今日でほぼ二週間。
 ケティとのほとぼりを冷まして、関係を打ち切るには充分な時間のはずだとマリコルヌは思う。
 これ以上、この不器用な友人が苦しむのを見るのは、マリコルヌとしても忍びない。何よりモンモランシーがあまりに可哀想だ。
 だが、客観的に見れば、ギーシュの壮絶なる自業自得だし、なんのかんのと年下の少女の肉体をコイツが自由にしている事実は変わらないので、殺意混じりの嫉妬が疼くのも、まあ、やむを得ないと言えるだろう。


431 名前:マリコルヌの冒険(その2):2008/09/02(火) 13:52:15 ID:yST/qMN7

――こんな事で悩めるきみが羨ましいよ。
 とは、さすがにマリコルヌも言わない。
 羨ましいといえば、無論“女性問題”で悩めること自体、マリコルヌにとっては大いなる羨望の対象なのだが、しかし、この際それは言うまい。
 本当はマリコルヌにも分かっている。
 自分が、いま口にも出せず頭を抱えている懸案に比べれば、ギーシュの浮気など、歯牙にもかける価値すらない、まったくの些事なのだということが。


 ネフテスのビダーシャル。


 深夜の学長室に出現した、あのエルフ。
 あのエルフがオールド・オスマンと何を話していたかは分からないが、あのエルフが自分の使い魔たるフクロウのクヴァーシルの姿を目撃しているのは事実なのだ。
 ならばエルフが次にどういう行動を取るかは容易に想像がつく。フクロウを使い魔として使役するメイジを学院関係者の中から洗い出し、目撃者を特定しようとするだろう。つまり、あのエルフが、いつ自分の前に姿を現してもまったく不思議ではないのだ。

(かりにも一校の教育者の長が、自分の生徒を殺すことに同意するはずがない)
――とは、当然マリコルヌは思わない。
 むしろ、オスマンの方が積極的に、目撃者の口を封じようとするはずだ。
 貴族の子弟を預かる国内随一の名門・トリステイン魔法学院の学長たる者が、人類の敵対種たるエルフと会談していたなどという事実が明白になれば、彼の失脚を不動のものとするには、充分すぎる醜聞なのだから。
 そう考えれば不思議なもので、普段の飄々としたオスマンの態度まで、たまらなく不気味なものに思えてくる。無論、一介の生徒でしかないマリコルヌは、齢三百と謳われる学院最高責任者の人格など何も知らない。ただ、卓絶した助平ジジイだという噂を聞くのみだ。
 しかし、思い返せばフーケを秘書に雇ったのも、異端審問まがいの騒動で殺されそうになっていたティファニアを前にして、一件落着するまで敢えて無言を通したのも、あの老人だ。何を考えているのかなど、想像のしようもない。
 
 だから、マリコルヌは、あの晩見た光景を誰にも話していない。
 そもそもエルフの目撃譚を話すためには、自分が使い魔を使って、覗き行為を繰り返している事実を、話の前提として暴露せねばならない。
 いや、重要なのはそこ――これはこれで、放校処分モノの犯罪ではあるが――ではない。
 誰かに話せば、噂が回り回ってオスマンの耳に入る可能性も在る。そうなれば噂の出所など、いとも簡単に手繰られてしまうであろう。そうなったらもう、逃げも隠れも出来ない。
 わざと事件を起こして自宅謹慎処分を命じさせるとか、何も言わずに黙って出奔という手も一応は吟味してみたが、……よくよく考えて見れば、それこそ『ボクはこの学校にはいられない理由があります』と自白しているに等しい行為なのだ。実行できるはずがない。

 そういう意味では、この女王陛下暗殺計画の一騒ぎは、マリコルヌにとって、文字通り、渡りに船だった。
 使い魔クヴァーシルの無事は確認してある。
 エルフの一睨みで気死してしまったかと思ったが、主のマリコルヌとは違い、何事も無かったかのようにピンピンしていたので、鳥かごに入れて王都まで連れて来てある。いまは王都付近の森でぐっすり眠って夜を待っているはずであろうか。
 さすがに王都にまで来て、覗きはしていないが。


432 名前:マリコルヌの冒険(その2):2008/09/02(火) 13:53:45 ID:yST/qMN7

「あれ?」
 ギーシュが、むくりと体を起こす。
「どうした?」
「聞こえないか? サイトの声がする」
「サイト?」

 立ち上がったマリコルヌは、からりと窓を開け、頭を外に出す。
 いた。
 才人が門衛警備の兵卒たち相手に何かを話している。
(相変わらずマントが似合わないヤツだな)
 何故こんなところに才人がいるのか、ではなく、マリコルヌの頭を最初によぎった思考は、それだった。

 後頭部にフードが着いた、青と白のツートンカラーの厚手の上着。その上から貴族の証しである黒いマントを羽織り、さらにその上から腰まで伸びる長剣を、たすきがけに背負っている姿は、確かに初めて見る者には奇妙すぎる風体であろう。
 マントを羽織っているが杖を持たず、剣を背負っている。――かといって、どう見ても銃士隊には見えない。銃士隊の隊士は全員が女性だし、なにより甲冑すら身に纏っていない少年が、体格に合わぬ剣を背負っていても、一人前の剣士には到底見えない。
 そんな彼が、兵たちに向かって自分たちの責任者を連れて来てくれと言ったところで、胡乱な目で見られるのがオチだ。
(相変わらず世間慣れしないヤツだな)
 マリコルヌは、苦笑いする。
 水精霊士騎士隊の平隊員の一人でも同伴していれば、それで済んだ話なのに。
「サイトが兵たちに絡まれてる。早く行ってやろう」
 そう言って、二人は小屋を出た。

「ああ、隊長殿」
 ギーシュとマリコルヌをじろりと見たのは、兵たちを実質的に束ねている、デニムという中年男だった。
「あの頭のおかしいガキが、イキナリやって来て、あんたたちに会わせろって言い出すもんだから、往生してたところなんですよ」
「なっ、なんだとぉ!?」
 それを聞いて才人が反射的に怒鳴り返す。
 頭がおかしいとまで言われて、さすがにカッとしたのだろうが、しかしデニムがそう言うのも、ある意味仕方がない。この、いかにも育ちの悪げな黄色い肌の少年は、たとえマントを羽織っていても、やはり平民以外の何者にも見えないのだから。

 苦笑を抑えながらギーシュが、
「ああ諸君、彼は僕の客だ。無礼は許さんぞ」
「じゃあ、いいんですかい? 通しちまって?」
「ああ。――で、悪いがデニム、紅茶を三人前いれて、隊長室まで持ってきてくれないか?」
「へえ。では、さっそく」
 そう言うとデニムは去り、兵卒たちも思い思いに散っていった。


433 名前:マリコルヌの冒険(その2):2008/09/02(火) 13:55:56 ID:yST/qMN7

「あああっ!! 胸くそ悪いなまったく!!」
 吐き捨てるように言うと、才人はデルフリンガーを外し、兵たちの後ろ姿を睨む。
「だから言ったろう相棒。知らない人の前じゃ、せめてマントの似合う服に着替えろってな」
「俺の服はこれ一着だ!! 着替える必要なんかあるか!!」
「強情だねえ相棒も。貴族の娘っ子に言やあ、服なんか今すぐにでも買ってくれるだろうによ」
 そんな漫才を続ける剣と少年のコンビを見ながら、ギーシュもマリコルヌも、笑いを噛み殺すのに必死だった。

「ご機嫌斜めだなサイト。デルフ、彼に何かあったのかい?」
 ギーシュが、「隊長室」という名の掘っ立て小屋の扉を開き、久しぶりに会った友人を仲に招き入れながら、尋ねる。
「ああ、それがな――」
「言わなくていい!!」
「相棒のヤツ、王宮で大立ち回りをやらかしやがってな」
「へえ!? そりゃ面白い!!」
 思わず目を輝かせたマリコルヌを、才人はじろりと睨み、
「お前を面白がらせるために暴れたわけじゃねえよ」
 と、噛みつくように言った。

 才人の担当は、王城本丸最奥部にあるはずの女王の奥座敷。
 つまり、アンリエッタが私生活を送るはずの場所。
 いまのトリステイン王家には、嫡出妾腹を問わず男子はいない。女王アンリエッタと太后マリアンヌがいるのみだ。――つまり、たとえ護衛とはいえ絶対の男子禁制区域として在るべき空間。
 現に銃士隊結成までは、城中の警護責任者たる王宮魔法衛士隊や、官僚の首脳たる宰相マザリーニでさえ入室を禁じられた、いわば国家最大の禁域。
 無論、王室のプライベートエリアだからという理由で警護が配置できないなら、それまでセキュリティはガラ空きだったのかと言うと、さすがにそうではない。腕利きの女性メイジたちを女官や奥女中として配し、充分すぎる護衛が、王家の私邸を守っていた。

 そして、才人が配置されたのは、まさにそんな、江戸城大奥のごとき、女の城。
――何を目的に、彼がそんな場所に配されたのか、まさに問うまでも無く明白だった。
 さすがに外聞を憚って、彼の配置場所は「銃士隊長アニエスの助勤」ということになってはいる。水精霊騎士隊の仲間たちはおろか、ルイズにさえ秘さねばならない「護衛」である。……まあ、ある意味、女王陛下の心身を彼ほど“慰めている”護衛もいないだろうが。

 彼がトラブルを起こしたのは、そんなある日。
 目立たぬように、アニエスとともに城の奥へ向かっていた時。


「別に大した事じゃねえよ。こないだ城に上ったときに、初めて顔を合わせた貴族にイチャモンつけられて、『そのマントは何処で盗んだモノじゃ』とか言われたもんだから、かっとなって張り倒してやったら、大騒ぎになってな……」


434 名前:マリコルヌの冒険(その2):2008/09/02(火) 13:57:45 ID:yST/qMN7

 ぽつりぽつり、呟くように言う才人の言葉に、むしろ唖然となるのは二人の方だった。
「かっとなって張り倒したって……相手は?」
「バーガンディ男爵とか言ってたっけ。……いや、侯爵だったかな?」
 ギーシュとマリコルヌは、その言葉に凍りついた。
「バーガンディって、あのバーガンディ伯爵かい!? そんな方を相手に暴力を振るったのかい!?」
「え? その人えらいの?」
 キョトンと訊き返す才人を見て、マリコルヌは、むしろ爆笑した。
「なっ、なんだよっ!? 喧嘩売られたのは、むしろこっちなんだぜ」
 いや、笑っているのは、マリコルヌだけではない。ギーシュも苦笑を隠さず、呆れたように言う。
「東部の名門バーガンディ伯爵家も、虚無の使い魔ガンダールヴにかかれば形無しだな」
「売られた喧嘩を買うことと、ガンダールヴは関係ねえっ!!」
 才人は叫んだ。



「――で、結局きみの用件は何だったんだい?」
 
 デニムが淹れてくれた紅茶を飲みながら、ギーシュは尋ねる。
 この門に詰めている兵たちが飲む紅茶らしいが、茶葉は古く、おまけに安物で、ハッキリ言って舌の肥えた貴族の少年たちには、顔をしかめずに飲める代物ではなかったが、それでもないよりはマシだった。
 兵卒たちならばともかく、一応は責任者である自分たちが、こんな昼間から酒を飲むわけにはいかないからだ。

「あ、そうか」

 それを問われて、初めて才人は目的を思い出したようだ。
「これ、預かってきたんだ」
 そう言いながらポケットから取り出したのは、一枚の手紙。
「こないだ面会に来たルイズから受け取ったんだがな。――確かに渡したぞ」
 それを、才人から手渡されたギーシュは、ぽかんとしていたが、差出人の名を見て、びくっと怯えたような表情をした。
 
 そこには、モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ、と書かれてあった。 


435 名前:マリコルヌの冒険(その2):2008/09/02(火) 13:59:17 ID:yST/qMN7

「モンモンのヤツ、なんだかんだと寂しがってるそうだぜ」
「そうか……ぼくがいなくて寂しがってるのか、モンモランシーは……」

 少しだけ嬉しそうに頬を染めるギーシュを、このこの、と言いながら指で突付く才人。
 さんざん浮気しまくってるくせに、本命の女の子には指一本触れられない根性なし。
――マリコルヌは、そんなギーシュを見ながら、いささか複雑な気分にならざるを得なかった。自分がたとえどうなろうと、この身の心配をしてくれる異性など、何処にもいはしないのだ。
(あいつくらいは心配してくれるかな?)
 去年の帰省以来、顔を合わせていない妹を思い出すが、――妹萌えの概念を知らないマリコルヌにとって、妹はしょせん妹でしかない。

「ああ、そうだ。おまえにはこれだ」
「え?」
 多少驚きながらマリコルヌは、才人が取り出した新たな封筒を受け取る。
 宛先はマリコルヌ・ド・グランドプレ。
 差出人の名は無い。
 マリコルヌの目が、反射的に見開かれた。
「サイト、これって、まさかラブレター、か?」
 うわずる肥満児に才人は笑う。
「知らねえよ。勝手に中見てよかったってんなら、事前に確認してやったんだがな」
「ル、ルイズは、誰から預かったって?」
「俺に面会に来る前日に、ドアに挟んであったそうだ。だから、どんな美人かは知らねえってよ」
「おいおい、やっと春が来たじゃないかマリコルヌ!!」
 ギーシュも黄色い声を上げる。

 そんな友人たちに言葉を返す余裕も無く、マリコルヌはあわただしく封筒を破り、便箋を取り出し、――そして、心臓を鷲掴みされたような表情のまま凍りついた。



「マリコルヌ・ド・グランドプレ
 この手紙を読んで、二日後の正午に、使い魔を伴い学院長室に出頭する事を命ずる。

 トリステイン魔法学院学院長オールド・オスマン」


 手紙には、そう記されてあった。


436 名前:痴女109号:2008/09/02(火) 14:01:47 ID:yST/qMN7
今回はここまでです。
次回、エロパートへと続きます。

437 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 15:03:35 ID:dZ/Vkwa2
> 次回、エロパートへと続きます。
マリコルヌ逃げてええええええええええええ

438 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 15:09:07 ID:PQcdFsmi
>>436
GJ!
マリコルヌがえらい格好いいな
次回えろぱーと、しかもオスマンに呼び出されて…ガクガクブルブル

439 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 16:19:22 ID:edaZy4io
>>436
Zです。

>次回、エロパートへと続きます。

本家ではもちろん、このエロパロでもろくな
役回りのないマリコルヌ。ここはぜひ痴女氏のお力で春を・・・w


440 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 16:46:44 ID:nI9RCLTl
>>436 GJ!
マリコルヌならどのような屈辱的な境遇でも適応できるであろう

441 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 22:41:19 ID:/CF7q+kn
>>405
なんかほのぼのルイズにニヤニヤしてしまった
>>421
落ちは浮気者の甲斐性なしに相応しい結末ですな でもそれでも果報者だな
このSSのサイトは
>>436
なんかマリコルヌの恋愛観って独男やオタクにありがちだなぁ
と似たような恋愛観を持つ俺には少し切なくなりましたorz
205氏、せんたいさんそして痴女氏 三者ともGJであります!

442 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 23:52:57 ID:FffI4WDI
ギーシュ君、ケティさん、婚前交渉などと貴族にあるまじき振る舞いですぞ!
そしてサイトがさりげなくエレオノール女史の仇討ちw

443 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:06:20 ID:lEcMWenS
205氏、せんたいさん、痴女氏GJ!

>>442
敵討ち本当だ!才人は知らないでやったのか……

444 名前:ツンデレ王子:2008/09/03(水) 03:09:45 ID:4ZvBpHu4
お晩でごわす
さてさて、青春時代のFいきますぜ
レス数6
今回はアンリエッタ編とサイト編です
若干エロ有りですが、絡みは無いので好みは別れると思ふ


445 名前:青春時代F:2008/09/03(水) 03:10:38 ID:4ZvBpHu4
 王宮へと帰ってきたのはいいが、サイトとアンリエッタを同じ部屋で休ませる
訳にもいかず、だからと言って彼らが入れ替わってしまったなどと城の者に知
られる訳にもいかない。
 そこで、もし誰かに見つかっても不審に思われないようにと、サイト(躯はア
ンリエッタ)は女王の部屋で、アンリエッタ(躯はサイト)は国賓用の寝室に割
り振られる事となった。



■アンリエッタ(躯はサイト)

 姿見の前に立って、アンリエッタは全身をくまなく見詰めている。
 夜着を着たままではあるが、普段着の姿からでは窺い知れない線が浮き彫
りになり、気恥ずかしさを感じながらも彼女は興奮を隠せないでいた。
 部屋全体に響いているのでは無いかと錯覚してしまうほどに彼女の鼓動は
高まっており、顔は緊張に強張っている。

「…ゴクン」

 唾を飲み込む音がやけに響き、一瞬ビクンと身を竦ませる。

(……)

 自分一人しか居ない部屋できょろきょろと辺りを見渡して、警戒を強め――
彼女は上着のボタンを一つ、また一つと外していく。やがて上半身が露わに
なると、今度はズボンをゆっくりと、己を焦らすかの様にたっぷりと時間を掛け
て下着と一緒に下ろすのだった。

(これが、サイト殿の…)

 初めて目にした異性の全裸、しかも意中の相手のものである。
 たとえ鏡越しとはいえ、彼女にとってそれはとても眩しく映っていた。

「サイト殿…」

 夢におかされたかの様にふらふらと歩み寄ると、そっと顔を近付け――
鏡の中のサイトに唇を重ねていった。

「ん…ぁん…」



446 名前:青春時代F:2008/09/03(水) 03:11:11 ID:4ZvBpHu4
 瞳を閉じて舌を這わせながら、アンリエッタは元の躯で彼と肌を合わせてい
る場面を想像する。逞しい腕に抱かれ、唇を奪われ、口の中を彼の舌が這い
回り、更には荒々しく乳房を揉みしだかれ……
 その時、彼女は何やら異変を感じた。過去に女の躯で感じたものに多少似
てはいたが、やはりそれとは全く違う感覚なのである。恐る恐る瞼を開いて下
半身を見てみると、果たしてそこに在ったのはいきり立った男のシンボルで
あった。

「――っ!!」

 その異様な姿形に、アンリエッタは目を閉じてしまう。
 彼女とて、男が興奮した際にそうなる事は知らされていた。ゲルマニアの皇
帝へと嫁ぐ事が決まった際、母から教わっていたのだから。
 だが、異性の裸体を見るのも初めてなら、誇張した男性の性器を見るのも
勿論初めてなのだ。この反応は至極当然と言えよう。

(こ、こんなに…)

 恐怖を感じながらも、やはりそこは想い人の一部である。
 意を決して目を明けると、そっと手を近づけた。

「きゃっ」

 指先が触れたと同時に、己の意思とは関係なくピクンと跳ねる。女の心は
びっくりして思わず声が漏れ手を引いてしまったが、男の躯はそのわずかな
刺激に快感を感じ始めていた。

(こう…かしら)

 先ほどの感覚をたよりに肉棒へと手を伸ばすと、今度は手のひら全体を使
って包み込むように添わせる。徐々に力を加えていき、強すぎず緩すぎずの
感覚を掴むと、彼との性交を想像して手を上下に動かし始めた。
 やがて先端から漏れ出した透明な液体が手のひら全体に広がり、潤滑油
となってその動きを滑らかにしていく。静まり返った部屋に手の動きによって
発生する卑猥な音が大きく響き、それが却ってアンリエッタの性感を刺激し、
麻痺させていくのであった。
 だんだんと摩擦のスピードは増していき、躯が快感に打ち震え……ビクン
と身を震わせ、白く濁った液体が肉棒から吐き出された。その勢いは彼女
が思っていたよりも激しく、姿見に映し出されたサイトの顔に降り注いでいく。



447 名前:青春時代F:2008/09/03(水) 03:11:44 ID:4ZvBpHu4
「これ…が…サイト殿…」

 うっとりと見つめ、己の躯から吐き出された白濁に指を添わせて絡め取ると、
それを口へと運ぶ。

(ん…)

 ちゅぱちゅぱと音を立てて吸い付き、舌の上で転がし、じっくりと味わってか
ら嚥下しようとする。躯は拒絶を訴えるものの今の彼女はそれを気にする余
裕もなく、心が求めるままに実行に移したのだ。
 ところが、それが余計に彼女にえもいわれぬ寂しさを与える事となってしまう。
 それもそのはず、先ほどの快感は男の躯が得たものなのだ。この世に生を
受けてから十数年、女として女の躯で生きてきた彼女の心は、数秒前まで
握っていた男の証に貫かれ、今しがた口にした白濁を体内に注がれる事を
望んでいるのだから。

「うっ…うっ…」

 漸くその事に気付いたアンリエッタは、同時に不安を感じて涙を流す。
 彼女が知っている限りでは、ハルケギニア史上類を見ない症例である。よっ
て何時元に戻るのか、どうすれば戻る事が出来るのか、まったく予想が付か
ないのである。
 一度の放出では満足しきれていないのか、彼女の股間では未だに象徴が
力を漲らせてはいたが、これ以上独りでの行為を続ける気力も失せてしまい
彼女は倒れこむようにベッドへと身を投げたのだった。




448 名前:青春時代F:2008/09/03(水) 03:12:21 ID:4ZvBpHu4
◇サイト(躯はアンリエッタ)

 一方、女王の寝室――

 ベッドに仰向けに寝転がり、頭の下で両手を組んでアンリエッタの躯が寝そ
べっていた。大の字になったその姿は、凡そ女性らしかぬ姿である。中身が
サイトである為、致し方ないのだが――

「はぁ〜」

 その可憐な唇から、悩ましげな溜息が漏れる。
 彼は今、学院に残してきたルイズやシエスタに想いを馳せていた。

(心配してるだろうな)

 アニエスに呼び出され、朝早くに皆に黙って出て来てしまったのだ。当初は
目的が分らなかったとは言え、予定としては夕飯の時間までには戻るつもり
をしていた。ところが、いざ街に来てみるとアンリエッタの子守をさせられ、仕
舞いには彼女とのデートを楽しみ時間が経つのを忘れていたのだ。空が暗く
なり出したところで初めてルイズたちを思い出した彼は、まずはアンリエッタを
馬車まで送り届けようとして――アクシデントに見舞われたのだった。

(ま、なっちまったもんは仕方無いか)

 しかし、彼は元来何事にも動じる事の無い性格をしているのだ。
 聞いた事も無いような自体に巻き込まれたからと言ってそれが変わる事は
無く、既に彼は今の状況を楽しもうとしていた。

「よっ」

 足を振り下ろす反動を利用して起き上がったサイトは、ベッドから抜け出し
テーブルに置いてあったランプを灯すと、それを手にベッドに腰掛けなおす。
炎に照らされてオレンジにそまる躯を眺めながら、いそいそと夜着を脱ぎ始め
たのだ。



449 名前:青春時代F:2008/09/03(水) 03:12:57 ID:4ZvBpHu4
「…ゴクン」

 彼とて健全な青少年である。ハルケギニアに呼び出されてからというもの、
ルイズの使い魔として寝食を共に過ごし、何度か欲望に負けそうになった事
も有った。だが、彼女はプライドだけは人一倍高く、またその真面目な性格の
お陰かこちらからモーションを起こしたとしても、貴族だからとか使い魔だから
とかで心を開いてはくれなかったのだ。
 実のところ、ルイズもサイトに惹かれており、許してもいいと思っていたのだ。
だが、やはりそこは彼女とて年頃の女の子である。ムードをより大切にしたい
という想いからのすれ違いなのだが、そんな事がサイトに理解できるはずも無
く、彼が勘違いしてしまうのも仕方の無い話なのである。
 その為に、彼にとって今の状況は願ってもいないチャンスでもあった。
 地球に居た頃、悪友に見せられた青年向け雑誌。しかしながら世の男性諸
君ならご存知の通りに、地球で一般的に販売されている青年雑誌というのは
大事なところが隠されている。そして、隠されると余計に見てみたくなるのは
人間の本能的な欲求であり、サイトもまたご多分にもれず、その様な欲求を
抱いていたのだ。

(すげえ…)

 心の期待に比例したかのように、アンリエッタの躯はわずかではあるが秘
部を潤わせており、それにランプの灯りが反射して輝いている。
 その美しさに思わず手を伸ばしたサイトだが、触れた瞬間に走った微弱な
電流にびっくりして、即座に手を引っ込めた。

(な、なんだ今の…)

 男の躯では感じることのなかった感覚に、これ以上進むのを躊躇ってしまう。
しかし、これまた彼の元来持ち合わせている好奇心が、今しがたの感覚の更
に向こう側を知りたいと切望して止まないのだ。
 サイトは先ほどとは打って変わってゆっくりと手を陰部に添わすと、中指をク
レヴァスに宛がい慎重に沈み込ませていった。

(柔らけぇ、しかも気持ち良い)

 まだ完全に蜜が分泌されていない為に引っかかりは覚えるものの、媚肉が
指をきゅっきゅっと圧迫してくる様は彼にある種の感動を与えていた。同時に
秘部から湧き上がる切なさに、知らず知らずのうちに空いた手が乳房を揉み
しだいている。



450 名前:青春時代F:2008/09/03(水) 03:14:21 ID:4ZvBpHu4
「あはぁ…」

 意識せずとも漏れ出す女の吐息に、サイトの心は更なる興奮を覚えていた。
そして、躯が欲するがままに緩急をつけて乳房を揉みながら、頂にある乳頭
を二本の指を使って刺激を加える。
 初めのうちこそきつく圧迫を受けていた指に、今では内部から溢れ出す蜜
が絡み付いている。そっと引き抜いて観察してみると、男の迸り程では無い
が先ほど見たときより僅かに濁りが見受けられた。

「…んむ」

 蜜を絡ませた指を口に運び、丹念に下を這わせて舐め取る。
 初めて味わうそれは何とも形容しがたいものがあり一瞬顔を歪めるが、じっ
くりと味わう内にとても甘美なものに思えてきた。
 ちゅぱちゅぱと音を立てて舐め、愛液の代わりに唾液をたっぷりと絡ませる
と、再び指を秘肉へと突き入れる。膣内で動かしながら出し入れを繰り返して
いる内に、彼の中で何かが膨らんでいくのを感じていた。やがてそれは空気を
入れすぎた風船の如く弾け飛び、サイトはアンリエッタの躯で絶頂を迎えたの
だ。


「はぁ…はぁ…」

 荒い息を吐きながら、サイトはベッドに横たわる。
 ややあって漸く落ち着いたのか、彼は今後の事へと思いを馳せ始め――
ある事を思い付いた。

(いけるかも!)

 明日、アンリエッタに切り出してみよう。
 可能性を見出したサイトは、絶頂を迎えた気だるさも手伝って、やがて規則
正しい寝息を立て始めるのだった。





451 名前:ツンデレ王子:2008/09/03(水) 03:16:32 ID:4ZvBpHu4
今回は以上です

いやー、かなり文章が硬くなってしまった^^;
もっと読んでて笑えるストーリーにしたかったんだけどねぇ
まだまだシリアス(?)が続きますよ、この2人は



452 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 04:24:20 ID:oGU/TH2K
ちょwwwこんな時間にwww
ともあれGJ!

453 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 08:09:41 ID:NtRibsan
>だが、異性の裸体を見るのも初めてなら、誇張した男性の性器を見るのも勿論初めてなのだ。

サイトめ、逸物を過大申告しておったとは。

454 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 13:20:41 ID:UDgQAaKr
ん〜淫靡な雰囲気がいいなあ。GJ!

455 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 21:10:43 ID:qjF1/gj3
>>451
中の人が別だからいいけど事情を知らない方から見ると変な光景だよなぁ
特にサイトの方は GJ!


456 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:04:59 ID:Bc3p5cnO
シリアスで淫靡。やっぱアン様だとこうなるよな。GJ!
しかし>>453に笑った。よく気づいたなw

457 名前:205:2008/09/03(水) 22:43:18 ID:tmGwj6nl
>>408
ルイズに蹴られたいと思ったことはない。

458 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:43:55 ID:qc6FR0rM
>>457
踏まれたいんですね、分かります

459 名前:犬竜的日常 スカトロ編:2008/09/03(水) 22:44:05 ID:tmGwj6nl
・注意!
 このSSには、小学生レベルの下ネタが含まれます。

 

 魔法学院学生寮の物陰に座り込み、才人は一人悩んでいた。
 今日の朝、食堂で、ルイズの誕生日が近づいてきたが、プレゼントは用意してあるのか、
とギーシュから聞かれたためである。
 用意もなにも、そのとき初めてその事実を知ったため、才人は非常に驚いた。
(ああそうか、それでルイズの奴、なんか最近そわそわしてやがったのか)
 まずい展開である。才人は動転しつつも、近いってどのぐらいだ、と、ギーシュに聞いた。
 そしたら、
「何だ知らないのか、もう一週間後だぞ」
 という答えが返ってきたので、思わずギーシュの色男面を殴り飛ばしてしまった。
 その後彼と殴り合いをしてシュヴルーズに説教食らったりして、今に至る。
「参ったなあ、何買ったらいいのか分からんし、そもそも何か買う金もないし……」
 騎士としての年金は、いろいろあって使い果たしてしまっている。しかも、なんとなく
格好悪い気がして、そのことをルイズに伝えてはいない。
 彼女のことだから間違いなく「支給された給料でわたしへの誕生日を買ってくれるだろ
う」と決めつけているだろうし、ここ最近のどことなくそわそわしたルイズの様子を思い
出すに、
「サイトったら、わたしを驚かせるためにわざと誕生日のこと話題に出さないでいるのね」
 だとか、
「敬愛するご主人さまであるわたしへの、初めてのプレゼントだもの。きっと素晴らしい
ものに違いないわ。そうでなかったら蹴る。砕く。すり潰す」
 だのと考えているに違いない。
(えらいこっちゃ)
 思わず股間を押さえて顔をしかめながら、才人は必死に打開策を探る。
(どうする、誰かに金借りるか?)
 頭に浮かぶ友人たちの顔。
 ティファニア。普通に金がないし、あったとしても彼女から借りるのは心が痛む。却下。
 ギーシュ、モンモランシー。ダメだ奴等の実家は貧乏だ、ルイズを満足させられるほど
のプレゼントを買える金を、貸してくれるとは思えない。
 タバサ。ダメだ、国から追われてる身の女の子から金を借りるなんて、どう考えても人
間のやることじゃねえ。
 キュルケ。確か先生に珍しい実験材料貢いでるって噂があるから、多分金なんか持って
ないだろう。
 シエスタ。ある程度は持ってそうだがさほど大金ではないだろうし、彼女から金なんか
借りたら「10倍にして返してやんよ」とか言って競馬でスッカラカンになるダメ男みたい
な気分になるのは間違いない。無理。
 マリコルヌ。論外。奴に金なんか借りたら人間として終わりだ。
(参ったなあ、他に頼めそうな奴なんか)
「あれ、サイトじゃないか」
 少し驚いた声に顔をあげると、そこに眼鏡をかけたやせ形の少年が立っていた。才人の
友人であり、主に水精霊騎士隊の経理を担当している真面目な少年である。
「おお、レイナールか」
「なにやってるんだい、こんなところで」
 不審そうに眼を細める彼に事情を説明しようとしたところで、才人はふと思いつく。
(そうだ、こいつに借りればいいじゃん)
 堅実そうなレイナールならそこそこ金を持ってそうだし、真面目だから口も堅いだろう。
そう踏んで、才人はレイナールに事情を説明した。
「……というわけで、金を貸してくれないか」
「……サイト」
 レイナールは、暗い表情で眼鏡を押し上げた。
「悪いことは言わないから、人から金を借りるのだけはやめておいた方がいい」
「え?」
「僕の親戚の話なんだがね。家の金を家族に無断で使い込んだ挙句、金貸しから借りま
くって利子が膨らんでとうとう破産して、最後は魔法実験の実験台にされた挙句その肉は
竜の餌に」
「分かった、もうその辺にしておいてくれ」

460 名前:犬竜的日常 スカトロ編:2008/09/03(水) 22:44:51 ID:tmGwj6nl
 聞いている内に気が滅入ってきたので、才人は無理矢理レイナールを止めた。深く、溜
息を吐く。
「お前もダメか。となると、どうするかなー」
 唸る才人を見て、レイナールがまた眼鏡を押し上げた。
「別に、人から借りなくてもいいだろう」
「と言うと?」
「労働せよ、ということさ。そうだな、君の場合腕っ節が強いし、用心棒なんかどうだい?」
「時間はあと一週間しかないんだぜ?」
「ふむ。それなら魔物退治なんかはどうだい? 近くにオーク鬼が出没したから退治して
ください、なんて話は、辺境の村なら結構あると思うが。まあもっとも、そういうのは」
「それだ!」
 才人は話の途中で駆け出していた。なにせ時間はないのだ、善は急げである。

 そして六日後。才人は野菜がいっぱいに詰まった籠を抱えて帰還した。
「どういうことだ!」
「そう言われても」
 水精霊騎士隊の詰め所に怒鳴り込むと、中にいたレイナールが困ったような声で言った。
「なんでそんなにたくさん野菜ばっかり持ってきたんだね? 畑仕事の手伝いをしろとは
言ってないが」
「バカ野郎お前、この6日間で俺がどんだけの数のオーク鬼切り倒したと思ってんの! 
100や200じゃ数え切れんぜ!?」
「さすがアルビオン戦役の英雄、噂に違わぬ大活躍だね」
「おうともよ。群がるオーク鬼を千切っては投げ千切っては投げ……じゃない。とにかく、
なんでそんな苦労した報酬が野菜なんだよ!?」
「だから、そういうのは実際あまり金にはならない、と六日前に云いかけたんだがね……
貧しい村だったんだね」
「そうなんだよ。ありがとうごぜえますありがとうごぜえますとか、よぼよぼの爺ちゃん
婆ちゃんが目に涙溜めてお礼言いながらこれ差し出すもんだからさ、今更『こんなもんい
らねえから金出せ』とは言えなくてよ」
「それ言ったらマリコルヌ以下だぜ君は」
「だから言えなかったんだよ」
「しかし野菜か……金にはなりそうもないな」
「そうなんだ……しかも試しに食ってみたらやたらうまくて、尚更複雑だぜ……」
「万策尽きたねこれは」
「そんな! このままじゃすり潰されちまうよ!」
「何を」
 才人は頭を抱えてその場に蹲る。レイナールの言うとおり、万策尽きたらしい。
「こうなったら、何か売るしかないな」
「売る?」
 レイナールの言葉に、才人は顔を上げる。経理担当の友人は、またも眼鏡を押し上げな
がら重々しくうなづいた。
「君もシュヴァリエで、いろいろ功績立ててる身だ。なにか、金になりそうなものを持っ
てないかい?」
「いや、これといって何も」
 才人は即座にそう答える。こんなことだけは頭を捻らなくても即答できる自分の身の上
が少し悲しい。
「うむ、そうだな、それなら」
 顎に手をやって難しげな顔で考え込んでいたレイナールが、ふと妙案を思い付いたよう
に指を鳴らした。
「そうだ、竜だ」
「竜?」
「うむ。竜の体の一部ってのは、結構な高値で売れるんだ。わかるか?」
 レイナールの瞳が、眼鏡のレンズ越しに煌めく。才人は即座に理解した。
「そうか、シルフィードに頼んで何か分けてもらえばいいんだな!」
「そういうこと。ただ、僕もそういった物品の取引については詳しくないから、図書館で
でも調べてから動いた方がいいだろうな」
「なるほどな。ありがとよ、レイナール!」
「いいってことさ。君には騎士隊の評判を高めるために、まだまだ働いてもらわなければ
ならないからね」

461 名前:犬竜的日常 スカトロ編:2008/09/03(水) 22:45:22 ID:tmGwj6nl
 レイナールは眼鏡を押し上げて不敵に笑ったが、覗き騒動で地に落ちた騎士隊の評判を
回復するのは絶対無理だろ、と才人は思う。世話になった手前、口に出しては言わなかったが。
「それより早くした方がいい。もう時間がないぞ」
「お、おう、そうだな!」
 レイナールの言うとおり、もう時間がない。才人は早速図書館へ直行した。

 学院内の図書館にて、図鑑などを調べること三十分ほど。
(ふむ、なるほど。竜関連の商品は、それを専門に扱うギルドが存在するんだな)
 竜肉ギルド、というらしい。なんとなく不吉な名前である。
(一番高く売れるのは、竜の脳髄竜の目玉竜の肉……ダメだな、そんなもん分けてもらえ
るはずねえし)
 時間がないことに焦りつつ、さらに読み進めていく。そしてある記述を見つけたとき、
才人は思わず立ち上がった。
(これだ! これならきっと、大量に分けてもらえるぞ!)

 森の木陰でうとうととまどろんでいたシルフィードは、不意に目を覚ました。首を振っ
て頭を起こし、空を見上げるとすでに夕暮れ時である。
(お昼寝、ちょっと長引いちゃったのね)
 予定ではもっと早く起きだして、空の散歩を楽しむつもりだったのである。
 しかし、今彼女の胸に後悔の感情はない。さっきまで見ていた夢が、それはそれは素晴
らしいものだったからだ。
 夢の中のシルフィードは、思う存分魚を食べまくっていた。しかも、湖やら川やらを探
してそこから魚を捕まえて……という面倒な行程は完全に排除されていた。というのも、
にこやかに爽やかに微笑む才人が、小脇に抱えた大きな袋から、際限なく魚を取り出して
はシルフィードに食べさせてくれていたのである。至福の夢だった。
(うふふ、今もあの味が舌に残ってるのね)
 口の端から垂れかけている涎を、じゅるりとすすりあげる。
(でも本当、なんていい夢だったのかしら。正夢だったら良かったのに)
 なーんてね、とシルフィードは少し苦笑いする。いくら才人がただの人間にしては規格
外に強いとは言え、魚が無限にわき出る袋など持っているわけがない。
 と、思っていたら、
「おーい、シルフィードーッ!」
 なんとびっくり、才人がこちらに向かって走ってくるではないか。しかも、手に大きな
袋を持っている。
(え、そんな、まさか本当に正夢……!?)
 期待に胸を膨らませるシルフィードの前で立ち止まった才人は、爽やかな笑顔を浮かべ
ながら手に持った袋を突き出し、こう言った。
「シルフィード、お前のウンコ分けてくれ!」

「……いや違うんだよ、俺は『竜の糞は堆肥としては最高級である』という記述を信用し
てだな」
「いきなり窓を突き破って僕の部屋に突っ込んできて何を言ってるんだね君は」
「いや聞いてくれよギーシュ。いくらなんでも『サイトのスカトロマニア! 死んじゃ
え!』は酷いと思わないか?」
「とりあえず毎度毎度窓ガラスの修繕費を払ってくれない君は酷い奴だと思う」

 こうして才人は金を工面する手段を完全に失った。
 が、もらってきた野菜をシエスタと一緒に調理して、ルイズも感涙するほどウマい飯を
作り、「この六日間はお前のために野菜を育ててたんだぜ! そう、お前だけのため
に!」とかごり押ししてたら割と大受けだったので良しとした。シルフィードもその飯
食ったら機嫌直したので、とりあえずめでたしめでたしである。

462 名前:205:2008/09/03(水) 22:46:41 ID:tmGwj6nl
だがシルフィードになら噛みちぎられてもいい。

っていうか>>458の即レスぶりに感動した。37秒ってどんだけw
気に入った! 魔法学院校舎裏でシルフィードにファックされてもいいぞ!

463 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:51:12 ID:weaXPg3x
前回まで大河ドラマを見ていたと思ったら小学生が喜びそうなネタになっていた……
何を言ってるのか(ry

ともあれGJwwww

464 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:51:34 ID:pyo3l8zW
>>462
シルフィードは俺の嫁

465 名前:205:2008/09/03(水) 22:55:20 ID:tmGwj6nl
>>463
あ、ごめんこれ外伝よ外伝。『犬竜騒動』本編とは一切関係ございません。
あの流れでこれが続きだったらそれはそれで面白い気もしますが。

>>464
違います俺の夢です。夢と嫁って語感が似てるよねどうでもいいけど。

466 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:55:51 ID:Bc3p5cnO
注意書きのお陰で途中でどれだけwktkしたかと…
期待にたがわずGJ!しかしサイトどんだけ男らしいんだ

467 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:57:20 ID:NWV+qWwU
うーん…ヌイマリィゴ氏にはへんたいさんと別ベクトルに突き抜けた変態さがあるよなぁ
GooodJooob!!

468 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:59:48 ID:Bc3p5cnO
関係ないけど「蹲る(うずくまる)」が読めなかった俺は
日本人としてNGなのか… ネプリーグは結構いけるのに

469 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:07:36 ID:Rn/rUgfs
クロスじゃないSSってここの保管庫以外でありますか?非エロでもいいのですが。 検索してもクロス系しかなくて・・

470 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:10:19 ID:NWV+qWwU
>>469
同人板池

471 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:22:11 ID:QxHj1LHi
>>462
GJ

途中、俺的予想では液体の方かと思ったが…まさか固体だったとは…
いやーサイトの台詞に笑わせて頂きました



472 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:32:25 ID:HIOj4eWt
個人のサイトでSSを書くことって皆しなくなったのかな。グリグリのSSですら昔は結構見つかったのに
クロスオーバーが流行ったのはエヴァとかKANONの影響かねぇ…かのんSSリンクが懐かしい

473 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:34:42 ID:qjF1/gj3
>>465
下品だけどほのぼのしていい話だと思います GJ!

474 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:41:59 ID:qc6FR0rM
>>462
フヒヒサーセンwww
しかしちょっとビク(ン)ビク(ン)してながら読んでたらこういうオチだとはwナイスですw
じゃあ汁フィーと異種姦してきますね!

475 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:42:10 ID:66DcIZci
>>462
読みました。

だめだ、面白すぐるwww

476 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:33:30 ID:D43N5OJa
>>470
同人板にも全然なかったわ。それか俺には目がないかもしれんな

477 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:54:06 ID:mrC4BoBO
アンリエッタ SS みたくキャラ名にSSつけてググったら?

478 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 15:39:48 ID:A84ME+vL
けっこうあるもんだな

きゅいきゅい SS に一致する日本語のページ 約 58,400 件中 1 - 10 件目 (0.31 秒)

479 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 16:58:48 ID:xtPApztU
汁フィを登場させて「きゅいきゅい」言わせてるやつなら
全部引っかかるんじゃないのか?

まったくゼロ魔関係ないのもありそうだしな

480 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 16:59:36 ID:7PC/fE2o
ドラゴンボールとかな

481 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 21:55:47 ID:yMu37/Xx
>>479
「風のシルフィード」のSSとか?
あるかどうか疑問だが

482 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 22:07:37 ID:3P09DutC
この話題そろそろ止めた方がよくね? 
あんまり関係ないほうに脱線してるし

483 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 22:12:24 ID:LKV5OFUl
じゃあ、姫様にふさわしい使い魔について
蛸はどうだろう

484 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 22:25:09 ID:yMu37/Xx
葛飾北斎がアップを始めたようです

水棲動物なのは間違いあるまい。そういやファンタジー世界が舞台のエロパロスレなのに
触手モノSSってあんまないな。

485 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 22:26:06 ID:7PC/fE2o
ダゴン様がいる場所が近くないからじゃない?

486 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 22:36:51 ID:KaZT+TMC
>>483
某所でカニはあったな…モンスターハンターに出てくるヤツだったが(w


487 名前:もしもガンダールヴの能力が触手伸ばしだったら:2008/09/04(木) 22:42:11 ID:ywaIN2pq
「サイトー、触手伸ばしてそこの本棚の一番上の本取ってくれるー?」
「あいよー」

「あ、サイトさん、洗濯物干したいので触手伸ばしてもらえますか?」
「あいよー」

「ああサイト、悪いが触手を僕の体に巻きつけて二階まで上げてもらえないか? 魔法力が尽きてしまってね」
「あいよー」

「……サイト、本の内容を書き写したいから、触手でページを押さえててほしい」
「あいよー」

「ふあー、熱い熱い。ああサイト、君の触手はひんやりしてて実に気持ちいいんだ。ちょっと貸してくれないか?」
「あいよー」

「あ、サイト。子供たちが縄跳びしたいって言ってるんだけど、紐がなくて。触手貸してもらえない?」
「あいよー」

「いやー、サイトが来てくれてから、ホント便利になったわね!」
「ホントホント。いろいろ使い道があって、触手ってホント最高!」
『アッハッハッハッハッハッハ……』

 三日後、才人失踪。
 置手紙には「誰もエロい目で見てくれないのが逆に辛い」と書き記されていたという……

488 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:12:00 ID:VLZABNiL
>>487
GJ!
触手の使い方が意外すぎて面白いw


489 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:27:13 ID:FH6/L0xr
>>487
GJ!
触手といったらエロと想像してしまうが…
そんな利用方法は思いつかなんだわ


490 名前:205:2008/09/04(木) 23:33:52 ID:ywaIN2pq
両腕の代わりに触手が無数に生えてる少年と普通の少女とのラブロマンスを描いて
ラノベ大賞受賞を狙ってたのが7年ほど前の話。
まるで成長していない……

491 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:34:31 ID:7PC/fE2o
フランス書院に持ち込めばよかったのに

492 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:41:16 ID:SzifOGmo
触手=エロと誰が決めたのでしょうか!

493 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:41:49 ID:7PC/fE2o
葛飾ほ(ry

494 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:49:53 ID:3P09DutC
>>490
まあいいんじゃないですか 結構ここの連中(俺も含む)は喜んでるし
GJ!

495 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 01:05:55 ID:fo8aDDrU
>>490
二次元ドリーム文庫に持ち込め

496 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:14:27 ID:gdZYFIhj
>>487
某な○なしさんのコミックかね・・・・

497 名前:痴女109号:2008/09/05(金) 02:44:52 ID:T6lw30Wq
投下します。
>>427-435の続きです。
あ、若干、NTRぎみですので、苦手な方はスルーしてください。


498 名前:マリコルヌの冒険(その3):2008/09/05(金) 02:46:17 ID:T6lw30Wq

(死にたくねえ……、死にたくねえよ)

 トリステイン魔法学院学院長室。
 マリコルヌ・ド・グランドプレは、そのドアを前にして、真っ青な顔をしていた。
 何度逃げ出そうかと思ったか分からない。
 だが、逃げたところで逃げきれる相手ではない。
 オールド・オスマン……トリステインはおろか、ハルケギニアでも屈指の魔力と知識を所有する賢者。過去にさかのぼっても、オスマンほどのメイジは、おそらく五人もいまい。
 そして、オスマンの背後には、無限の寿命と高度な文明を誇る『人類の敵』エルフがいる。

(って言うか……それ以前の話なんだよなぁぁぁぁ)
 恥も外聞も投げ捨てて行方をくらますには、あまりにも時期が悪すぎる。
――女王陛下暗殺計画。
 この風聞が都を騒がせ、そしてオスマンに召喚されるまで、警備の人員に編成されていたマリコルヌが、いま出奔すればどうなるか。
(取り潰しくらいじゃ済まないだろ、普通……)
 言うまでも無い。
 正当な理由も無く、王都警備の任務を放り出しすなど、敵前逃亡以外の何者でもない。
 グランドプレ家は確実に廃絶され、彼はオスマンという“個人”ではなく、国家から追われる身分になってしまう。いやいや、それだけではない。下手をすれば、残された家族もマリコルヌに連座して、監獄に叩き込まれる事になるだろう。

――つまり、八方塞がり。

(何でぼくがこんな目に……!!)
 オスマンからの召喚状を受理してから、数百回目になる疑問を思い浮かべる。
(何で……ぼくが……!!)
 答えは出ない。
 始祖も、神も、家族も、友人も、誰も、――答えられない問い。
 無理やり答えをひねろうとすれば、出て来る回答はある。
――運が悪かった。
――覗きなんぞやっていた、おまえが悪い。
 それ以外に出せる答えはない。

 膝がマラリアにかかったように、震えている。
 朝からもう六回も小用を済ませたはずなのに、いまだに恐怖は尿意を喚起する。
 だが、それでも、
――ぎりっ!!
 マリコルヌの奥歯が鳴る。
(じたばたしても始まらない)
 そう思うだけの分別は、彼に残されていた。

 こんこん。
 震えが止まらない手が、分厚い学院長室のドアを叩く。



「入りたまえ」



 眼前がぐにゃりと歪む。
 聞き覚えのある老人の声。
 齢三百を数えるドルイドとは思えぬほどに飄々とした響き。
 震えは止まらない。
 だが、身体の動きはもっと止まらない。
 脂汗で濡れそぼった掌はドアノブを回し、弾けるように笑い続ける膝は、彼の肥満体をに運ぶ。
 ふかふかの絨毯が敷かれた死刑台――学院長室へと。



499 名前:マリコルヌの冒険(その3):2008/09/05(金) 02:47:13 ID:T6lw30Wq

「よく来たの、ミスタ・グランドプレ」

 老人は笑った。
 孫に贈り物をしたいんじゃ。――そう言いだしても可笑しくは無いような、屈託のない笑顔。
 その笑顔にこそ、マリコルヌは背骨を引っこ抜かれるような恐怖を覚えた。
『悪魔は滅多に怒らない。怒った顔では人を騙せないからだ』
 かつて年少の頃、母に読んでもらった一冊の絵本。そこに書かれていたフレーズを、マリコルヌは思い出していた。

「なるほど、それがおぬしの使い魔か」
 オスマンの目が、マリコルヌが下げていた鳥かごに注がれる。
「“風”のドットじゃと聞いたが、なかなかいい使い魔を召喚したの」
 その瞬間、老人の目に鋭い光が宿った。


「じゃが……覗きはいかんの」


「〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」
 マリコルヌはへたり込んだ。
 彼があげた悲鳴は、声の形すら取れない。極度の緊張が声帯を締め上げ、金属をこすったような音を発したのみだ。
(ころされる、ころされる、ころされる、ころされる、ころされる、ころされる、ころ……っっっ)
 そんなマリコルヌに、オスマンはにっこり笑いかけた。
「ふっはっはっはっ、野暮な事を言うたの! 何を隠そう、このワシとて使い魔の目を使った覗きにかけては、なかなかの現役じゃによってな。ミス・ロングビルがおった頃はよく目の保養をさせてもろうたもんじゃよ、はっはっはっはっはっ!!」
「……」
「どうじゃ、今度ええポイントを教えてもらえんか? ワシのモートソグニルは、おぬしのフクロウと違って、夜中に窓から覗くことは出来んが、こっそり室内に忍び込む事にかけては、なかなかのものじゃぞ」

 もう、意味が分からない。
 恐怖と緊張で、半分以上機能していない脳漿を懸命に鞭打ち、最大の努力で眼前の老人の言葉を理解しようと励むマリコルヌだが……。
(なんだ!? さっきから何を言ってるんだ、このジジイは!???)
 事ここに至って、脅すでもなく、諭すでもなく、そして殺すでもなく、ただひたすらにスケベに関する同好の士としての言葉を、ただひたすらに並べ続けるオールド・オスマン。
 この情況と彼の言葉とを結びつけ、老人の真意を測らんとするマリコルヌに与えられた現状解釈は、まさしく『意味不明』の一言。その混乱こそが、いよいよ彼の精神をがけっぷちの高みに蹴り上げる。

「……ん?」

 オスマンの瞳から、熱が消えた。
「ふむ、ちと緊張をほぐそうとしたんじゃがの」
 老人の目に、三百歳相応の理性と知性が戻っていた。
「どうやら、とっとと本題に入った方がよさそうじゃな」

『本題』

 その言葉が、身も蓋も無い混乱と恐怖に魂を竦ませていたマリコルヌに、反射的な生存本能を喚起させた。
「ほほう、――健気じゃな、ミスタ・グランドプレ」
「ッッッ!?」
 そう言われて、初めてマリコルヌは自分が、とっさに杖を構えていた事に気付いた。
「いやいや、さもあらんさもあらん。――人として、男として、貴族として当然の行為じゃ」
 目を細めて頷くオスマンの様子は、まるで窮鼠の抵抗を喜ぶ猫のような邪悪なものに見えた。……少なくともマリコルヌには。

――こっ、このジジイッ!!


500 名前:マリコルヌの冒険(その3):2008/09/05(金) 02:48:30 ID:T6lw30Wq

 彼の心に、初めて怒りが沸いた。
 発端は確かに、マリコルヌの犯罪的覗き行為である。
 そして、見た。見てしまった。
 見てはならない眺めを。人物を。場面を。
 だが、だが、……何故それだけの理由で、このおれが、――このおれがっっっ、
(殺されなきゃならないんだっっ!!)
 
 マリコルヌは立ち上がった。
 杖を構える。
 もう震えは止まった。
 彼は“風”のドットだ。魔法学院でも、お世辞にも優等生とは言いがたい。そんな彼が、魔法学院のすべての教師に君臨する『偉大なる』オールド・オスマンと対峙する。
(勝てるわけが無い)
 とは考えなかった。
 考える余裕が無かった。
 ただ、我が身に理不尽な死を与えんとする老人への、骨を焦がすほどの怒りが渦巻いていた。

 彼は小心な男だった。
 痛いのも、怖いのも、そして死ぬのも嫌いだった。
 だが、それでも彼は貴族であった。誇りの価値は命に勝ると躾られたメイジの端くれだった。意味なき名誉のための死の愚劣さを知りながら、なお、逃れられぬ死ならば、死に方を選ばせろと叫べる蛮勇を持ち合わせた男であった。
 生まれながらにそうだったわけではない。
 アルビオン戦役や『聖戦』を含む二度の従軍経験。アーハンブラ城でのタバサ奪還戦。そして、才人やギーシュたちと過ごした学院での日々が、知らずして彼に、膝を屈してなお立ち上がる勇気を与えていたのだ。


「たいしたものじゃ……いまのおぬしの魔力は、ラインの上位に迫るかも知れぬぞ」
 だが、あくまでオスマンの笑みは消える事は無い。


「――ッッ!!?」
 マリコルヌの目が驚愕に見開かれた。
 オスマンが杖を、――放り投げたのだ。少なくとも、その場から動かずには取りに行けない部屋の隅。学院長用のデスクから遠く離れた、部屋のドアの付近へと。
「……っ、なん、でっっ!!?」
 力が入りすぎた筋肉と情況を理解できない脳髄が、再び重心移動を阻害し、崩れ落ちるようにマリコルヌはつんのめる。


「話を聞きなさい。ミスタ・グランドプレ」
 そう言うオスマンの瞳に、殺気はない。

「はなし、ですか……?」
 マリコルヌも、自分の言葉に、ようやく敬語を交える余裕が生まれる。
「そうじゃ、話じゃ」
 この期に及んで何の話があるというのか? それはマリコルヌにはわからない。
 だが、老人の目には、先程まで浮かんでいた、人を嬲るような歪んだ光はもう見えない。
「おぬしが、その使い魔を使って何を見たのか。覗いたのか。――それをいまさら問おうとは思わん。じゃから、おぬしがワシに怯えるのも理解できるが、それはいささか礼を失しておるとは思わぬか?」

「……?」
 マリコルヌには、まだ話が見えない。
 そんな彼に、諭すようにしてオスマンは言葉を続ける。
「どうやらおぬしは、ワシに殺されると思い込んでおるようじゃが、それは大いなる勘違いじゃと言うておるのじゃ。仮にもワシは教育者じゃぞ? 教え子に手をかけるような者に見えるか?」
「でっ、でも、――じゃあ一体……っっ!?」
「――じゃから、口封じには、一般的に二種類あるじゃろうと言うておるんじゃ。殺害と、そして買収の、な」

「ばい、しゅう……?」



501 名前:マリコルヌの冒険(その3):2008/09/05(金) 02:49:39 ID:T6lw30Wq

「かつて古(いにしえ)の賢人は言うた。――水を望む者には水を与えよ。富を望む者には富を与えよ。誉れを望む者には誉れを与えよ。教えを望む者には教えを与えよ。それこそが、最も容易き従者を得る道である。――とな」
 オスマンの口元に、好々爺然とした笑みが走る。
 マリコルヌは、その言葉をいぶかしむ暇すらなかった。オスマンが何を言おうとしているのか、まだ理解が追いつかないのだ。
 溜め息をつくと、老人は二回、ぽんぽんと手を打つ。その途端、廊下側ではなく、学院長室に隣接する準備室のドアが音も無く開いた。
――そこにいたのは、全裸で佇む一人の少女。


「だから言うておるのじゃミスタ・グランドプレ。おぬしの望むものは……“愛”じゃろ?」


 少女が一人、そこにいた。
 ギーシュ・ド・グラモンの恋人、モンモランシー。
 身に付けるものは薄衣一枚纏うことなく、そして、一切の感情と思考を感じさせない、人形のような目で、マリコルヌを見ていた。

 マリコルヌは、呆然とオスマンを振り返る。
――おぬしが望むものは愛じゃろ?
 確かに老人はそう言った。
 だったら、……なぜモンモランシーなのだ?
 彼女が愛する者は、少なくともこの自分ではない。
 自分以外の男に愛を捧げる女を眼前に置かれて、このおれに、一体何をしろと言うのだ?


「“寝取り”は最高じゃぞ、ミスタ・グランドプレ」


 マリコルヌは愕然とした。
 そして、理解した。
 これは、取引なのだ。
 買収といえば聞こえはいいが、要は、――自分たちの秘密をただで暴露できぬように、弱味を握らせろと言っているのだ。
 お前が繰り返していた、深夜の覗きだけではまだ足らぬ。身の破滅に直行するような、そんな弱味を、今この場で殺さぬ代わりに、お前も持て――老人は、そう言っているのだ。

「がっ、がくいんちょうっっ!!」

 マリコルヌが我に返ったときには、オスマンはもう、廊下へ続くドアに手をかけていた。
 無論その手には、いつの間にか拾った杖が握られていた。
「そこのミス・モンモランシには、秘薬と併用して、ちょっとした催眠術がかけてある。ここでおぬしが何をやっても、ミス・モンモランシは文句を言わんし、おぬしといたことさえ思い出さぬ」
「思い、出さない!?」
「つまりは、あとくされがないということじゃ」
 オスマンは、そう言いながら声を潜め、
「ただ、暗示はすでにかけておいたからの。その娘を抱きたくなったら、耳元で『やらせろ』と言えば、いつでもその状態になる」
「なっ!?」
「――まあ、抱き飽きたらワシに言え。ちゃんと処女膜は再生させてやる。“水”の治癒魔法でのう」

 マリコルヌは、絶句していた。
 そんな彼に、皺らけのウインクを向けると、老人は学院長室から、去った……。


 残されたのは男と女――そう呼ぶには、若すぎる少年と少女。
「もっ、モンモランシー……」
 とにかく羽織っていたマントを脱ぎ、見るも寒々しいモンモランシーの肩にかけてやる。
 だが、少女は、そのマントを拒むように肩を挙げると、そのままマリコルヌに抱きついてきた。
 ガラス玉のようだった目には、いきいきと命の輝きが宿り、花のような笑顔を浮かべながら。


「さあ、学院長のお許しは出たわ……始めましょう」


502 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:49:47 ID:dNL7g3a6
支援

503 名前:マリコルヌの冒険(その3):2008/09/05(金) 02:50:49 ID:T6lw30Wq

「モンモランシー、しっかりしてくれ!? 一体、どうしたって言うんだよっ!?」
 マリコルヌは、全身を使って懸命にモンモランシーを振りほどいた。彼の半分程度の体重しか持たない少女の小柄な肉体は、あっさりその場に投げ出される。
「きゃっ!」
「あ……ごっ、ごめん……」
 絨毯に尻餅をついた彼女に、あわててマリコルヌは駆け寄る。とっさの事とはいえ、こんな痩せぎすな女の子に、容赦のない力を加えてしまったのだ。それは紳士として許される事ではない。
 だが、そんな彼を、モンモランシーは上目遣いに、幼い悪戯っ子でも見るような視線で迎え撃つ。
「もう、どうしたのよ? いつもはあんなに下心剥き出しの目でわたしを見るくせに……?」
「……っっ!?」
「もしかして、こわいの?」

 マリコルヌは凍りついた。
 そう、確かに彼は恐怖していた。
 この情況に。眼前の彼女に。そして何より、自分自身に。
 モンモランシーは微笑んだ。
「ふふふ……いいわ、分かった。そんなにわたしが怖いのなら、もっともっと怖がらせてあげる。思いっきり叱って、苛めて、罰を与えてあげる」
「モ、モンモランシー……」
 それは、マリコルヌが初めて見る、モンモランシーの蠱惑的な笑顔だった。
「――もう、泣いても許してあげないわよ……!!」

もぞり。

「――ひゃうっ!!」
 マリコルヌの股間を、蛇のようなものがのたうつ。
 痺れるような刺激が背骨を貫く。
「んふふふ……、まだまだこれからなんだからね」
 とろん、と酒に酔ったような眼をしたモンモランシーは、膝を着くと、不器用な手つきでマリコルヌのベルトを外し始めた。
「ちょっ!! 何やってんだよモンモランシーっ!?」
 だが、彼女は、その叫びにはこたえない。
 慣れていないのだろう。マリコルヌのベルトは一向に外れる事無く、やがて焦れたように叫んだ。
「ああもう!! いいからズボンを下ろしてお尻を出しなさいっっ!!」
「はっ、はいっ!!」

 反射行為だった。
 その瞬間に、マリコルヌは自らのベルトを外し、ブリーフごと膝まで下ろしてしまう。
「あ……?」
 なっ、なんで……っっっ!?
 それは、肉体に刻み込まれたマゾヒストの因子のなせる業であったろう。
 生まれて初めて“支配者”を得た、彼の肥満体は、理性の声すら聞かず、その丸々と熟れた尻を、モンモランシーに差し出してしまった。

「んふふふ、よく出来ましたっ」
 お褒めの言葉の次に来た刺激は、――神経が灼けるほどの衝撃だった。

 びっし〜〜ん!! びっし〜〜ん!! びっし〜〜んっ!!

「ひっ、ぎゃぁぁ〜〜〜〜〜っっっ!!」
 突然のスパンキングに思わず体勢を崩したマリコルヌは、カーペットに膝と手をつき、期せずして、四つん這いになってしまっていた。
「ははっ! それいい! やっぱり苛められたかったら、ブタの格好よねっ!!」
 いかにも嬉しそうに言う、その台詞にマリコルヌの牡器官は最大限の反応を示す。自慰ではありえないほどの興奮が、かつてないほどの膨張率を、彼の砲身に与えたのだ。――だが、モンモランシーは彼のペニスなど見向きもしない。
 ただひたすらに、彼の尻を叩きつづける。
「どう、気持ちいい? ブタみたいに扱われて、気持ちいいの!?」
「はっ、はいっ、きもち、いい……」

 がりっ!!


504 名前:マリコルヌの冒険(その3):2008/09/05(金) 02:51:36 ID:T6lw30Wq

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
 叩かれて真っ赤になったマリコルヌの尻に、モンモランシーが爪を立てている。
「だぁれが、人間の言葉を喋っていいって言ったの? ブタはぶぅぶぅでしょぉ?」
「ぶっ、ぶうぶう」
「聞こえないっっ!!」
 再び爪が立てられた。
「ぶううっっ!! ぶうううっっ!! ぶうううううっっ!!」
「きゃははははははっ、すごいすごぉい!! やっぱあんたって、Mの才能が有ったんだね!!」

 才能があったどころではない。
 まさかモンモランシーが、これほどのサディスティンの才能を埋蔵していようとは、さすがのマリコルヌも予想外の事態であった。オールド・オスマンは、彼女の秘められたSの素養を見抜いた上で、自分の前に彼女を連れてきたのだとしたら……。
(まさか、じゃない)
 これは確信犯だ。
 さっき老人は言ったではないか。
 望むものを望むがままに与える事こそが、最も容易く従者を得る道であると。
 マゾヒストとしての自分に、オスマンは仕えるべき“女王”を与えてくれたのだ。富でも名誉でもない。飢えるがごとく捜し求めていた、おれだけの“支配者”を!!
「あああっ、モンモランシーさまぁっ!!」
 あられもない声を上げて、屈辱の快感を甘受したマリコルヌに、彼の女王は微笑する。

「んむっ!!」
 不意をついたようにモンモランシーが、四つん這いになったマリコルヌの唇を、猛烈なキスでふさいだ。粘膜が触れた瞬間には、彼女の舌が侵入し、彼の口内を思う存分侵略し、蹂躙し、凌辱する。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!」
 彼女の舌は、たっぷり二分は少年の口内で踊り狂ったであろう。
 支配者は、哀れな下僕の口内に、大量の唾液を送り込み、その代償として捧げられた、もがき苦しむ下僕の舌を甘噛みし、さらに自分が流し込んだ以上の量の唾液を吸引し、最後に、喉から搾り出した痰を、男の口中に餞別し、ようやく口を離した。
 彼はもう、四つん這いの姿勢すら維持できない。
 極度に搾取された体力は、男に、踏み潰されたカエルのように、床に這いつくばった惨めな姿を強制する。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……」

 呼吸困難に悲鳴をあげる眼前の男を解放した少女は、紫色に染まった、その頬を優しく撫でると、
「わたしの痰はおいしかった?」
 と微笑み、そのまま石のように硬くなったペニスに、初めて手を伸ばした。

「はうっっっ!!」

「んふふふ、手コキっていうのよね、これ?」
 上下に扱かれる砲身は、いまにも暴発を起こしてしまいそうになっている。
「だっ、だめっ!! でるっ!!」
「だぁめ」
 モンモランシーはそのまま、マリコルヌの腰をまたぐように立つと、
「出すのは、わたしの、な・か、でしょ?」
 と言いながら、じわじわと自分の下半身を、降下させてくる。
――たぎりにたぎった、服従者のペニスへと。

「ふふふ……どう、興奮したでしょ? これだけ熱くなったら、赤ちゃんなんかすぐに出来ちゃうかもね……?」

 その一言は、そこにいた卑屈な従者を『マリコルヌ・ド・グランドプレ』へと引き戻すのに充分な威力を持っていた。

「だっ、だめだっ!! 
 あわてて、少女の身体を拒もうとするマリコルヌだったが、――遅かった。


505 名前:マリコルヌの冒険(その3):2008/09/05(金) 02:52:33 ID:T6lw30Wq

 つぶっ、じゅっ、じゅぶぶぶっ……。
 女性としては、まだまだ未成熟に過ぎるスレンダーなボディは、――しかし、一切の躊躇や逡巡もなく――男の象徴器官を自分の肉孔に呑み込んでしまったのだ。
 みちっ、みちみちっ、めりめりめりめりっ!!
(きっ、きついっ!!)
 マリコルヌは声すら出せず、うめき声をあげる。
 モンモランシーも、彼女なりに興奮はしていたのであろう。入口部分はまぎれも無く粘液で湿り気を帯びていたが、やはり内部の狭さ固さは、いかんともしがたい。そして――。

「ぎいいいぃぃっっっ!!」

「モンモランシーっっ!!?」
 反射的に顔を上げたマリコルヌの目に、激痛の余り白目をむいた金髪の少女の貌が飛び込んできた。
 男には絶対に理解できない、内臓組織を破壊される激痛をリアルタイムで味わう瞬間――破瓜。
 だが、彼女が泣き叫んだのは、その一瞬だけだった。
「……きゅるけは……そんなにいたくないって……いってたのに……うそばっかり……」
「モンモランシー……」
 自分の身を気遣うように見上げる少年を、慈しむように見下ろすと、彼の童貞を奪った騎乗位の女王は、ゆっくり微笑した。

「うごいて……いいよ?」
「なっ!?」
 いいわけがない。彼女の肉体がいま、どれほど凄まじい痛覚の暴風にさらされているか、まさしく一目瞭然だったからだ。
「いいの、わたしは……大丈夫。いま、あなたが心配してくれた……それだけでもう、じゅうぶん……だから」
「でっ、でも……」
「……そっか、そういえば」
 少女は、そこで何かを思い出したような目をすると、
「リードするのはわたし、だったよね?」

 そう言うと、モンモランシーは、自らの腰を動かし始めた。破瓜の血にまみれたマリコルヌのペニスが、いまだ旬と呼ぶには青すぎる果実を、深く深く貫く。
 思わずマリコルヌは瞠目した。
「ぐっ……!!」
 間違いない。
 モンモランシーは、この情交に於いて、エクスタシーなど1mmすら感じていない。
 だが、彼女は激痛をこらえて、微笑する。
「平気よ、耐えられる。あなたに抱かれていると思えば、痛くなんてないわ」
「そんな……」
「いいのよ、もう我慢しなくて。出したくなったら、いつでも出して頂戴」

(あああ……)
 全身を包む多幸感で、マリコルヌは脊髄がとろけてしまったような気がした。
 これがセックスなのか。
 金を払えば、いつでも娼婦を抱く事は出来る。そして、それなりに気持ちいいのだろう。
 そういう意味では、彼女の肉体は、お世辞にも男を悦ばせる「器」とはいえない。きつくて、固くて、正直言ってペニスに与えられる刺激だけなら、あるいは一人でする方がマシかもしれない。
――でも、全然違う。
 彼女はいま、心からおれの事を思ってくれている。おれが与える断続的な苦痛を、明らかに赦してくれている。――それが、物理的な快感に勝る、至上の快楽なのだ。
 女を抱く、とはこういうことなのか? いや、こういうことなのだ。男と女が身体を重ねるとは、こういう事なのだ。――このぬくもりこそが“愛の営み”と呼ばれる行為の真髄なのだろう。
 その時だった。



「あなたの子供を産みたいの、――ギーシュ」



 マリコルヌの脳髄は停止した。


506 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:58:58 ID:LmbDFS2O
支援

507 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:59:35 ID:dNL7g3a6
紫炎

508 名前:マリコルヌの冒険(その3):2008/09/05(金) 03:04:13 ID:T6lw30Wq

「ああ、ギーシュ、大好き……愛してるわ、心から愛してる……本当よ……」
 モンモランシーの瞳から、大粒の涙がこぼれる。
「ふふっ、……おかしいわね……さんざん、あなたにキツくあたったのに、いまはこんなに素直になれる……。なんでもっと早く、こうしてあげなかったのかしら……? 我ながら信じられない……」
 快楽による随喜の涙ではない。
 これはただ、愛する男との想いをついに果たした、恋する少女の純粋な涙なのだ。
 しかし、彼女が想いを捧げる当の男は、……おれではない。
 このマリコルヌ・ド・グランドプレではないのだ。

「ああああっ!! ギーシュッ!! ギーシュゥゥゥッッ!!」

 これはセックスではない。
 想いの有無さえもはや問題ではない。何しろ彼女は、おれをおれとすら認識していないのだ。
 これは自慰――そう、自慰だ。
 互いの体を使った自慰にすぎない。

「“寝取り”は最高じゃぞ」
「おぬしが望むものは“愛”じゃろ?」

 何が寝取りだ!!
 何が愛だ!!
 おれが誰を寝取ったと言うんだっ!!
 誰がおれを愛したというんだっ!!
 いまのモンモランシーにとって、マリコルヌという人間は、存在していないに等しい、空気のような価値しか持っていないのだ。おれのペニスを受け入れていながら、彼女にとっておれなど、それこそ路傍の石ころに等しい、無意味な物体でしかないのだ。
 これ以上の屈辱があるか!! 
 これ以上の孤独があるか!!
 これ以上の業苦があるか!!

「あああ、ギーシュ!! ギーシュ!! あなたの子供を産ませて!! 産ませてぇぇぇっっ!!」

 やめろ!! やめてくれ!! 
 なんでだ!? なんで、こんな、非道い目に遭いながら、こんな屈辱を味わいながら、
――お れ は こ う ふ ん し て い る ん だッッッ!?


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!」


 どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ! どくんっ! どくんっ! どくんっ! 





「本当に、あのような事で、あの少年が口をつぐむとお思いですか?」
 ビダーシャルが、オスマンの背中に問う。
 が、老人はそんなエルフに刺すような視線を以って、返答をかえす。
「……」
「ワシがあの小僧に、どれだけ残酷なことをしたのか、貴様らにはしょせん理解できぬじゃろう。じゃが、――それでもワシは、貴様らに教え子の命を差し出す気は無い」
「わかりませんな、あなたのおっしゃる事は。……まあ、ともかく、これであの蛮人の口が塞がったと、あなたはおっしゃるが、――もし万一のことがあったら、いかがなさる?」
「そのときは……」
 
 オスマンは、苦渋に満ちた目を床に向け、

「ワシの首をネフテスに持って帰るがよい」

 そう呟いた。


509 名前:痴女109号:2008/09/05(金) 03:05:29 ID:T6lw30Wq
以上です。
御支援感謝します。

510 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 03:32:53 ID:LmbDFS2O
>>509
乙です。マリコルヌはあれで誇り高い男だからキツイ展開ですな・・・
でもモンモランシーのエロはなかなか無いので嬉しいw

511 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 04:50:28 ID:GIc3dQ+m
>>509
GJ!

しかし…マリコルヌがかわいそうだ
やってる最中に別の男の名を呼ばれるとは…><
それでも、それによってより興奮するとは…

もう一度言わせて頂こう
GJ!


512 名前:ツンデレ王子:2008/09/05(金) 16:38:01 ID:AxiK7rJ6
まいど^^
えーそろそろ出勤なので、ちょいと昼間からで恐縮ですが
投下していきますね

青春時代の続き
今回はエロ無し
登場人物は
ルイズ・シエスタ・ティファニア
の3名です
レス数4

513 名前:青春時代:2008/09/05(金) 16:39:14 ID:AxiK7rJ6
*************************************************************
【8】

 ティファニアは一通の手紙を読み返しながら頭を悩ませていた。
 その手紙が届いたのは三日ほど前の事。差出人は、ウエストウッド村で彼
女が面倒を見ていた子供たちの内の一人、ジムであった。
 手紙の内容は至ってシンプルで、近状の報告であったのだが…その中に
彼女も見覚えの無い文字が含まれていたのだ。

「これって何かしら?」

 トリステインに来て新しく出来た友達が、つい先日に覚えたばかりの言葉を
自慢気に話してくれたのだそうだ。だが、それが何を意味するのかは、その
友達に聞いても詳しくは知らないそうで、学校の先生に聞いても教えてくれな
かった様なのである。
 彼女とて子供たちに比べると人生経験を多く積んでいるし、母親から沢山の
事を教わりもした。だが、それは母も教えてはくれなかったし、人目につかない
様にこっそりと生活をしていた彼女にとって独りでは知る事も経験する事も無
かったのだ。

(サイトなら…知ってるかな?)

 翌朝、彼に聞いてみよう。
 そう決心すると、ティファニアは忘れないように手紙の中の“masturbation”と
いう単語に印を付けて抽斗へと仕舞い込んだ。



 ルイズを食堂へと送り出した後、シエスタは室内で独り着せ替えショーを
行っていた。
 昨日の様に朝から借り出された場合、翌日は厨房の手伝いは休みを貰っ
ている。そんな時は、こうやってルイズやサイトが居ない時間帯に箪笥の中か
ら適当に服を拝借しているのだ。勿論ルイズの服はサイズ的に彼女に着れる
はずも無く、ただ鏡の前で身に宛がい妄想を膨らませるだけなのだが。
 一通り終わった後、何時もの様にそれを取り出しルイズの制服のスカートと
併せて着込んだ。この独り着せ替えショーをする日は必ず最後にそれを着て、
見知らぬサイトの故郷で共に街を歩くのを想像するのだ。
 姿見に自分を映し、いつぞやの様にくるりと回ると指を立て――



514 名前:青春時代:2008/09/05(金) 16:40:09 ID:AxiK7rJ6
「お待た…」

 しかし、サイトに教わった魔法の言葉を言い終える事は出来なかった。何故
なら、入口から哀れみを込めた目で見られているのに気付いたからだ。

「み、ミス・ウエストウッド!!」

 果たしてそれは、ティファニアであった。
 彼女は目を点にし、その場で固まってしまっている。
 あたふたと体裁を整えつつセーラー服姿のままに近付くと、ティファニアは
ビクッと身体を震わせて半歩後退る。

「あ、あの…ご覧になりました?」
「……」

 無言のまま踵を返すティファニア。
 そんな彼女の手を取って部屋へと引っ張り込むと、シエスタはドアを閉める。
鍵を掛ける音にティファニアはまたしても身を震わせると、怯えを含んだ目で
シエスタを見つめた。

「あの…」
「ご、ごめんなさい!誰にも言わないから赦して」
「いえ、そうではなくて…」

 このままでは話が進まないと判断したのだろう。
 シエスタは彼女に椅子を勧めると、カップに一人分のお茶を注ぎ差し出す。
そしてティファニアが一口啜るのを見届けると、おずおずと口を開いた。

「申し訳御座いません、変なところをお見せしちゃいまして」
「い、いえ…こちらこそゴメンなさい」
「ミスが謝られる事は無いですよ、ドアが閉まって無いのを確認しなかった
 わたしが悪いんですから」

 二人して頬を染めて頭を下げあう。
 しばし無言の刻が流れ……先に口を開いたのはシエスタだった。

「ところで如何なさったんです?今は朝食のお時間ですよね?」
「あのその…ちょっとサイトに相談したい事が有って…」
「サイトさんなら、昨日から帰って来てませんけど」



515 名前:青春時代:2008/09/05(金) 16:40:53 ID:AxiK7rJ6
 それを聞いてしょんぼりとしてしまうティファニア。
 やがて彼女は立ち上がると、シエスタに礼を述べて部屋を出て行った。

(サイトさん、どこに行っちゃったんですか?)

 廊下に出てティファニアの後姿を見送りながら我が主の事を考えていると、
すれ違いざまに彼女を跳ね飛ばしながらやって来る人物が見えた。
 息を切らせながら掛けてきたのはルイズであった。

「メイド!あんたのその格好、誰に教えたの!」

 シエスタを室内へと突き飛ばし、勢い良くドアを閉めてルイズは尋ねる。
 勿論、鍵を掛けるのを忘れない。

「え、え、え?」
「だーかーらー、あんたが今着てる服よ!
 その服の事、誰に教えたかって聞いてんの!」

 詰め寄り、一気にまくし立てるルイズ。
 その迫力に押されながらも、シエスタは彼女の問いかけにシラを切る。

「な、何なんですか一体」
「とぼけんじゃないわよ!あんた、その水兵の服の事、誰かに教えたでしょ!
 そうでなきゃこの世界で軍服を着る女なんて居るはず無いんだから!」
「言うはず無いじゃないですか。だってこれは…わたしとサイトさんの二人だ
 けの秘密なんですから」

 あくまでもシラを切り通すシエスタ。
 実は数日前、今日ティファニアに見つかった様にアンリエッタにも見られて
いたのだ。女王が自分と同じくサイトに想いを寄せていると知っていた彼女は、
これが彼の世界での服装である事を喋っていたのである。
 だが、言える筈が無かった。いくら相手がルイズとは言え、相手は単なる
一貴族である。この国の頂点に立つアンリエッタから『ルイズには今日聞いた
事は内緒にしてて下さいね』と言われているのだ。たとえルイズが自分の主
のご主人であるとは言え、またどれだけ彼女の迫力があったとしても、女王
との約束を破る訳にはいかないのだ。
 しかし、ルイズはその事よりも、シエスタの放った言葉に反応を示したようだ。



516 名前:青春時代:2008/09/05(金) 16:41:30 ID:AxiK7rJ6
「ふふふ、二人だけの秘密ですって〜〜〜!!」

 逆上した彼女は、手にしていた鞭を振り上げシエスタに躍りかかった。
 何度も何度も鞭を振り下ろし、シエスタの白く肌理細やかな肌に行く筋もの
痕を付けていく。
 相当な痛みを感じているだろうに、シエスタは泣き喚きもせず、彼女に屈し
たりもせず、ただひたすら耐えていた。心の中でサイトの帰還を願いながら。
 ひとしきり痛めつけた後、ルイズはハッと己の行動を顧みる。
 アルビオンでサイトが死んだと思った際、彼の下へと旅立とうとしていた自
分を止めてくれたのは彼女である。そうした恩義やこれまで過ごしてきた日々
を思い返し、とんでもない事をしてしまったと自らの行為に恥じ入った。

「シエスタ、大丈夫!?」

 普段の彼女からは想像も付かないほど悲愴な面持ちで安否を気遣うルイズ。
そんな彼女を気遣い、シエスタは無理に笑顔を浮かべて頷くのであった。






517 名前:青春時代:2008/09/05(金) 16:46:26 ID:AxiK7rJ6
以上です

>>453
誇張じゃなく屹立の間違い

ずっと屹立を[こりつ]と読み間違えてて…

>>511にも感想書きましたが、痴女さんGJです
出来たらマリコルヌにも春が訪れて欲しいな

では〜ノシ


518 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 18:18:54 ID:s8KGtlyb
>>517
乙です。
ルイズが典型的なDV&依存の人なんだが、原作からしてそうだから今更か…

519 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 18:50:42 ID:Gaqs0gdq
>>517
GJ! サイトがいないせいで元々乏しい余裕のなさがむき出しだなルイズ 
まぁ原作でもそうなんだが シェスタ地味に可哀想だな

520 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 22:14:33 ID:H6gH5L+0
>>509
こんなこと言うと失礼なのかもしれないが、お話としてすごく面白く読んだ。
GJ!

521 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 23:51:16 ID:Gaqs0gdq
>>509
スレ読み返すまで気がつかなかったが痴女109号氏も新作投下を
してくださったんですね 順序は逆になりましたがGJ! 
つーかモンモンもマリコルヌいくらなんでも哀れすぎる
マリコルヌはある意味自身の罪のツケを払ったのだからやむえないとしても
モンモンはある意味レイプされるよりも酷いんじゃないかとorz

522 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 09:32:22 ID:Y2gMfSOL
>>517
「怒張」の間違いだと思ってた俺は、エロ小説の読み杉か。

523 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 10:49:54 ID:JVNOTxAj
>>522
( ´∀`)人(´∀` )

524 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/09/06(土) 10:53:16 ID:dweUI9CB
こんちは。
『ヴァリエール三姉妹編』の続編のイントロができたので投下じゃよ。


525 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/09/06(土) 10:54:32 ID:dweUI9CB
カリーヌの宣誓から一週間が過ぎた。
『最初に孕んだ者が正妻となり、ラ・ヴァリエールを継ぐ』の文言によって、才人は三姉妹から子種を狙われる羽目になった。
しかし、最初の婚約者で恋人でご主人様のルイズがそんなもの許すはずもなく。
ルイズの手によって、ラ・ヴァリエールの邸内にある、才人とルイズの別邸に、才人は軟禁されてしまう。
篭城の構えを見せる末の妹に、最初にブチキレタのは長女である。

「ちょっとルイズ!そこの平民よこしなさい!」

いきり立って殴りこんでみたはいいものの、当然の如くルイズは言う事を聞くわけなどない。

「ダメよ。これは私のなんだから。姉さまにはあげない」

ぎゅむ、と荒縄でぐるぐる巻きにした上に猿轡まで噛まされ、蓑虫のようになった才人を抱きしめる。
まるで蓑虫のぬいぐるみを独り占めする子供のようだ。

「ちょっと貸すだけでいいのよ!すぐ返すから!」
「ちょっとの間に何する気よ!いーから帰って姉さま!」

ぱんぱん、とルイズが手を叩くと。
それまで壁際に控えていたメイド達がずらり、と姉妹の間に並ぶ。
まさにメイドの壁であった。
その中央には、ヴァリエール別邸メイド長、シエスタが立つ。
そして黒髪のメイドはにっこり笑って言い放つ。

「お引き取りください、エレオノール様」
「ちょ、平民のメイドの癖に何命令してんのよ!」
「このお屋敷ではルイズがルールですわ、エレオノール様」

エレオノールの剣幕にしかしシエスタは一切引かない。
『ちゃんと追い返せたらあとでサイト貸したげる』と才人レンタル権をちらつかされて、シエスタは俄然やる気だった。
引く気配のないメイドの壁に、エレオノールはく、と唇を噛んで踵を返す。

「覚えてらっしゃい!あとでひどいんだからね!」

捨て台詞を残して、エントランスの大扉を潜って出て行った。
それを見送ったシエスタはぐ、と親指を立ててルイズに笑顔を向ける。
ルイズはよくやった、と言わんばかりに満足げに頷く。
各員の持ち場に去っていくメイド達を他所に、二人は近寄って、顔を寄せ合い、小声で会話を交わす。

『あとで貸してくださいね、絶対ですからね?』
『わかってるわよ、でもあんまりがっつくんじゃないわよ!』

もう既に自前の選択権など皆無な、ガンダールヴであった。

526 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/09/06(土) 10:55:03 ID:dweUI9CB

「やっぱり爆薬で吹っ飛ばしてかっさらうべきかしら?
 それとも、催眠ガスで無力化してからがいいかしら?
 むしろ、我がアカデミー最新作の魔道兵器『ギャラルホルン』で屋敷ごと吹き飛ばすか…」

平民一人をかっさらうのにずいぶんと物騒な話である。

「お姉さま、戦争でも始める気?」

羊皮紙を広げていざこれから『平民強奪計画』の立案に入ろうとしていたエレオノールに、背後から声をかけたのは。
ヴァリエール家次女、カトレアであった。
もちろん、カトレアもヴァリエール家の跡取りを狙うライバルである。
全く気配を感じさせずに背後に立っていた妹に、背筋に冷や汗をかきながら、エレオノールは振り返る。

「…カトレア、邪魔するならアンタも敵よ?」

振り返ったエレオノールは既に杖を構えており、その杖には既に魔力が込められ、白く輝いていた。
カトレアはそんなエレオノールの杖の前に立つ。魔力の充填された杖が、喉元に突きつけられる形になる。
そんな状況でも、カトレアは満面の笑顔を絶やさない。

「私は別にヴァリエールの家名なんてどうでもいいわ。
 それよりお姉さま、いいお話があるのよ」

突きつけられる杖が存在しないかのような立ち居振る舞いでカトレアは言う。
その言葉通り、彼女はヴァリエールの家名に興味はない。
カトレアが才人の婚約者に立候補したのは、単に自分の身体のためと、可愛い弟とスルのが気に入ったからだ。
敵意の全くない妹に、エレオノールの杖から輝きが失せた。魔力の充填を解除したのだ。
エレオノールは杖を仕舞い、カトレアの話を促す。

「…言ってみなさいよ。その『話』」
「まあ、ここだとなんですし。私の部屋に来て下さいな♪」

コロコロと笑いながら、カトレアはエレオノールに背を向け、歩き出す。
カトレアはいきなり歩き出したカトレアに慌てて追いすがる。

…元気になってから、どんどん得体の知れないカンジになってくるわねこの子…。

なんだか自分だけ置いていかれているような気がして、少し複雑な長女だった。

527 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/09/06(土) 10:56:18 ID:dweUI9CB
しまったタイトル入れ忘れたorz
『ねえ、ちゃんとしようよっ! 〜Duo〜』
でございます。

事前に私の『ヴァリエール三姉妹編』を読んでおくと幸せになれるんじゃよ。
じゃあグレラガみにいってくるノシ

528 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 11:08:42 ID:Lwa3/2pC
すごい楽しみだw すでにニヤニヤしてるw

529 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 11:11:11 ID:EAjXQlOA
>>527
行ってらっしゃいです
続き、楽しみに待ってます

530 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 11:18:29 ID:JVNOTxAj
>>527
エレ姉さまがちぃ姉さまに食われる!?Σ(゚д゚;)

531 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 11:21:44 ID:/H/2ccjg
>
なるほど、こういうときのための保管庫かあ・・・・
続きよろしく (^o^)

532 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 12:24:51 ID:qjtyGVwz
>>522
気にすんな 俺も似たようなもんだ
>>531
あと気に入った作品を何度も読み返すってのもある
>>527
せんたいさん GJ! 何という頭の悪い修羅場ww
三人そろってアホすぎるww

533 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 13:10:26 ID:0/sGTu3P
エレ姉さん、ルイズの虚無とガチ戦争する気満々じゃないですかw
そーいえば、今度発売のゲームじゃ姉妹二人とも攻略できそうなんだよなー。
今までスルーしてたけど、ちょっと興味わいてきた。

534 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 18:38:11 ID:FyhVGtI2
>>532
全レスきもいお

535 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 20:29:19 ID:qjtyGVwz
↑こんなところに書き込んでいる時点でお前も( ´∀`)人(´∀` ) だろうが

536 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 20:55:06 ID:kDHs/xtI
>>535
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7927/1162204142/757

537 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 20:59:17 ID:yRKpDRvT
>>536
書き込んだの俺じゃないが張るなバカww


538 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 21:18:40 ID:T2Cyd0Pi
全レスしていいのなんて馴れ合いスレの>>1くらいなもんだ

539 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 22:52:04 ID:1f8OVHXG
>>527
このシリーズすっげぇ楽しみにしてます
続きwktk

540 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 23:28:21 ID:0pC+1V/A
>>527
快楽に溺れるエレ姉かわいいよエレ姉

541 名前:ぎふと ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/07(日) 01:48:40 ID:gDS/b+4X
エロなしですが、
デザート代わりにご賞味ください。

542 名前:王様GAMEと三角形 〜NextDay〜 ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/07(日) 01:51:09 ID:gDS/b+4X
 ――水精霊騎士隊全滅ス。

 ギーシュがその場を離れていたのは、ほんの小一時間ほど。
 軽い用事を済ませて、平和な気分で戻ってきた彼を出迎えたのは、なんと無情な全滅報告だった。
(いったい何が……)
 眼前に広がる光景のその惨憺たるありさまに、ギーシュは息をのんで立ちすくむ。
 つい先ほどまで、元気いっぱいに声を張り上げながら、日課である行進や戦闘の訓練に励んでいたその彼らが、いまや皆一様にぜいぜいと息を荒げながら、惨めったらしく腹や胸を押さえて地に伏している。
「しっかりしろ!」
 手近な一人を抱え起こし、ギーシュは勢いこんで尋ねた。
「誰にやられたんだ! オーガか! 盗賊か! それとも敵国の刺客か!」
「ち、ちがいます、隊長……」
 少年は弱々しく否定した。
「内乱です……」
 それだけを言い終えると、少年は息をひきとるように、がくりとくず折れた。
 入れ替わるように、別の場所で人影の立ち上がる気配がする。
 ハっとギーシュは顔を上げた。
「よ。隊長さん、待ってたぜ」
 視界の向こうで、ゆらり陽炎のように立ち上がったのは漆黒の髪の少年。西日をバックに目を炯炯と輝かせ、その前髪は汗でべったりと額に張りつき、他の少年たちと同様に激しく息をきらせている。
「サ、サイト……」
 ギーシュは地面に尻をついた。気でもふれたかと思えるほど、その少年の姿が異様に映ったからだ。こめかみと手から血を流し、わき腹を辛そうに押さえ、満足に立っていられないほど両足をふらつかせている。そのくせ顔には妙に楽しげな表情を浮かべていた。
 乾いた唇をなめ、ギーシュは声を発した。
「何をしている。サイト、君……、正気なのか?」
 すると黒髪の少年、すなわち平賀才人は、杖代わりにしていた木刀をひょいと肩に抱え上げて、人なつっこい笑みを見せた。
「ごめんごめん。驚かせるつもりじゃなかったんだけど。今日はヤボ用があってさ。どうしても早く訓練を切り上げたかったんだ」
「なるほど。しかしさすがにこれはやり過ぎじゃないか? ……どうやら君以外は誰ひとり起き上がれない様子じゃないか」
「まあ、ちょっと頑張りすぎたかもしれないけどな。……俺だってヒドいもんだぜ? 見ろよ、すっかり傷だらけだよ。手加減する余裕なんて全然なかったし」
 快活で生意気な、いつもの才人の声に、ギーシュはほっと安堵の息をついた。何のことはない。我らが騎士隊を全滅に追いこんだのは、他ならぬこの黒髪の副隊長だったのだ。



543 名前:王様GAMEと三角形 〜NextDay〜 ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/07(日) 01:52:37 ID:gDS/b+4X

 それにしても……、と驚く。
 ガンダールヴの力を発揮せずに、ここにいる全員を打ち負かすとは、にわかには信じがたい。が、しかし本気モードの彼であれば、さもあらんとギーシュは思い直した。
 なにしろ、ぶち切れた才人は怖い。かなり怖い。
 滅多に見せることはないが、いざとなれば命など二の次と思わせるほどに平然と捨て身で飛びかかってくる、その迫力だけでも、諸手を挙げて降参したくなるほどなのに、加えて剣の腕前の方も確実に上達しているので、悔しいことに差は開く一方だ。
 けれども、たかが訓練でここまでする理由が、ギーシュには全く思いつかなかった。
 どういうわけだろう?
 ふと、さっきの彼の台詞が蘇った。
 ――今日はヤボ用があってさ。
 なるほどその用事とやらは相当に大事な物なのだろう。
 いったいそれが何なのか、ギーシュは興味をそそられた。そこで尋ねた。
「そのヤボ用と言うのはなんだね? この後に何かいいことでも控えているのかい?」
 ところが才人は、へへっ、と笑うだけだ。問いには答えずに、
「……ほら、お前がラス1だぜ。かかってこいよ」
 すいと木刀を構える。俄然やる気だ。
 ギーシュはぼやいた。
「といってもなあ。接近戦では、とうてい君にかなうはずがないよ」
「いいから魔法使えよ。そんかわり俺が勝ったら訓練は終わりな」
「言うじゃないか。よし受けて立とう。いつでもかかって来い!」
「んじゃスリーカウント後で、……3、……2、……1、……Go!」
 才人の掛け声とともに、ギーシュはすらりと薔薇の杖をかかげた。
 距離は5メイル。
 ガンダールヴではない彼相手になら、初撃さえかわせば呪文は間に合う。
 相打ちでもいい。
 とにかく土の魔法が発動しさえすれば、勝ったも同然だ。
 積年の恨みいま晴らさずや。いざワルキューレを召喚しようと、薔薇の花びらに手を伸ばした……、その時。



544 名前:王様GAMEと三角形 〜NextDay〜 ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/07(日) 01:54:02 ID:gDS/b+4X
「あ、裸のモンモン!」
 ギーシュの気が見事にそれた。
 次の瞬間、自慢の薔薇の杖は手を離れ、ゆるやかな弧を描いて宙を飛び、地面へとぽとりと転がり落ちた。ぽかんとした顔で、ギーシュはその杖の行方を見つめた。
 打ち据えられた右手がじんじんと痛む。それを別の手でさすりながら、悔しげに眉をひそめた。
「酷いじゃないか。不意打ちとはあまりにも卑怯だ。とても貴族らしい戦法とは言えまいよ」
「いやあ、こうでもしなきゃ、魔法相手に勝機はないし。けど勝ちは勝ちだろ?」
 悪びれもせずに言う才人に、ギーシュはため息をつくしかなかった。
「仕方がない。僕も貴族のはしくれ、潔く負けを認めようじゃないか。いいから君の用事とやらのもとに行きたまえよ」
 せめて一矢報わんとつけ加える。
「それに、ご婦人を待たせるのは、貴族の風上にも置けないからな」
 にやり意味深な笑みを浮かべると、才人は照れたように頬をかいた。
 そして丁寧に一礼すると、愛用の大剣をつかんで風のように走り去った。どうやらギーシュの勘は当たっていたらしい。
 杖を拾い、だらしなくのびきった隊員たちを横目に、やれやれとギーシュは地面に座り込む。どうやら今日の訓練は打ち切りにする他なさそうだ。
 そして深い息を吐いた。まったくあいつはこの僕を……、ギーシュ・ド・グラモンを完全に舐めきっている。いつかきっちりとっちめてやらねばなるまい。
 顎に手をやりながら、才人を打ち負かす良い方策がないものか、ギーシュは一人考えを巡らすのだった。

+ + +

 窓に肘をついて、ルイズは外を眺めていた。
 見下ろすアウストリの広場では、ベンチに座ったり、そぞろ歩きをしたりと、十数人ほどの学生たちがめいめいに穏やかな時間を過ごしている。
 中には数組のカップルもいた。学園の東側に位置するこの広場は、夕刻の早いうちから薄暗くなるので、自然とカップルも多くなる。
(なによいちゃいちゃしちゃって)
 ルイズは眉を潜めながら、いまいましげに呟いた。
 学生ならもっとすることがあるだろうに、そして自分はとっくに学生の本分を終えて、退屈な時間を過ごしているというのに、神様はずいぶんと不公平だと思った。自然とその唇からため息が漏れる。


545 名前:王様GAMEと三角形 〜NextDay〜 ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/07(日) 01:55:16 ID:gDS/b+4X

 柔らかな風が吹き込んで、ルイズの髪をさらり撫でて通り過ぎた。
 顔にかかったそれをうるさげに払い、イライラと爪を噛んでいると、ふとした思いつきが沸いた。
 そうだ。散歩がてらヴェストリの広場まで行ってみようか。
 毎日のこの時間、ヴェストリの広場の片隅では、水精霊騎士隊の少年たちが訓練に励んでいる姿を眺めることができる。もちろん自分の使い魔もそこにいる。
 夕食まではまだかなり時間もあることだし、他にすることも思いつかないし、こっそりと様子でも伺いに行こうか、ルイズは考えた。
 悪くない思いつきだった。けれど万が一にでも誰かに見つかって、自分の使い魔をストーカーしているなんて誤解されるのもたまらない。それこそ主人としての威厳が台無しである。
 どうしようかとイジイジ迷っていると……。
 視界を何か黒いものが通り過ぎた。
 その何かは黒猫のような素早さで広場を横切ると、あっというまに見えなくなった。
 弾かれたように立ち上がり、窓から身を乗り出す。探す。
 けれどどこに消えたのやら、すでに黒い影は影も形もない。
 気のせいかと思った。一瞬だったので自信はない。
 でも確かに、ルイズの目にはその姿のように映った。見間違えではないと思った。主人としての勘がそう告げている。
 そわそわとルイズは部屋を歩き回った。そして自分のしていることに気づいて、己をたしなめる。
(こ、こらルイズ。落ち着きなさいってば)
 胸を押さえて椅子に座りなおし、すーはーと深呼吸する。
(い、いやだわ。別にどうだっていいじゃない。そ、そうよ、ちっとも気にしてなんていないんだから)
 うるさく湧き出した思考を吹き飛ばすように、力任せに頭を振って、そしてふたたび窓に向かい外に視線をやる。
 そうやって、そのまま外を眺めているフリをした。
 一方で、耳をそばだてて、部屋の扉が音を立てるのを、今か今かと待つ。



546 名前:王様GAMEと三角形 〜NextDay〜 ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/07(日) 01:56:20 ID:gDS/b+4X

 けれども……。待てど暮らせど、期待する音は聞こえてこない。
 いい加減待ちくたびれて、やっぱり見間違いだったのかしら、それとも別の用事で通り過ぎただけなのかしら、などと様々に思いを巡らしていると、最終的にある考えにたどり着いた。
 それは究極に面白くない想像だった。
(まさかだけど、他の子の部屋に行ったんじゃないでしょうね?)
 一度思いついたら、急にそれが真実のように思えてきた。
 候補になりそうな顔が次々と浮かび、同時にむくむくと怒りが沸きあがって破裂しそうなぐらいに膨らんだ。
(あ、あ、あンの節操なしのスケベ犬〜〜〜!!!)
 拳を固めて、ぶち抜く勢いでベッドを殴りつける。
 ひどい。ひどいわ。昨日の今日で、いったいどういうわけなのよ。人にあんな恥ずかしい格好させておいて、あれは一時の気の迷いでしたってわけ? 一日たったらどうでも良くなったっていうの?
 そう。そうなの。そうなんだ。いい根性してるじゃないのよ。たかが犬の分際で。もう我慢なるもんですか。今すぐ探し出してとっちめてやるわ!
 どうせならありったけの女子部屋を調べつくしてやろう。
 そう意気込んで、拳を震わせ、おまけに全身をもぶるぶると震わせ、怪獣のようにのしのしと部屋を横切った。全力で扉をバタンと開け放つ。すると、
「よ、よお」
 見慣れた姿が手を上げた。それは……。
 間違いようもなく自分の使い魔の姿だった。あっけに取られて見つめる。
「あ、はは、ただいまー、なんつって……」
「ばっかじゃないの。こんな所で何してるのよ」
 手を腰においたポーズで、呆れ声で出迎えた。
 よくよく見ればその姿は、今しがた嵐の中を駆け抜けてきたかのようにびしょ濡れで、さらには顔だの腕だのあちこちがすりむけた傷跡だらけで、まるで外で遊び疲れて帰ってきたガキ大将といった風体だ。
 まったくわけがわからない。なぜここに突っ立っていたのだろう。何か部屋に入りづらい理由でもあったのだろうか。
 自分が癇癪を起こしていたからだろうか、とルイズは思いついた。
 しかしそれでは本末転倒だ。才人がちっとも入ってこないせいで、別の方向に考えがいってしまい、それで怒りに変わったのだから。
 結局、ルイズは悩むのを諦めた。
 どうせたいした理由ではないのだろう。少なくとも才人らしい振る舞いには違いなかった。
 なにしろこの使い魔ときたら、てんで意気地なしなのだ。最後の一歩でいつもイジイジと悩んでいる。
 そんなだからすぐ他の女の子につけこまれるんだわ、と思いながら、やっぱり自分がしっかり監督してリードしてあげないと、とルイズは再確認した。
「いつまで突っ立ってるのよ。ほら、さっさと入りなさいよね」
 怒ったように声をかけると、へーい、と才人は乱暴な足取りで中へ入った。

+ + +


547 名前:王様GAMEと三角形 〜NextDay〜 ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/07(日) 01:57:27 ID:gDS/b+4X

「どうしたのよ。今日はずいぶん早いじゃない」
 水薬で傷の手当てをしてやりながら、ルイズは尋ねた。
「いやあ、ちょっとばかしハードにしたらさ。あっというまにみんな伸びちまって。あいつらホントだらしねーのな。だもんで今日はお開きだって」
 得意げな才人の口ぶりに、男の子ってどうしてこうも子供みたいなんだろうとルイズは呆れ、真顔でたしなめた。
「あんたね。わかってるの? 騎士隊の訓練なのよ。遊びや喧嘩じゃないんだから、それも含めてお給料を頂いてるんだから、もっと真面目にやんなさいよね。しかもこんな生傷ばっかり作って……。薬代だって馬鹿にならないんだから」
 ぴしゃりと容赦なく腕の傷をやられて、才人の口からうめき声が漏れた。
「なんだよ。それぐらいけちけちすんなよ……。それにほら、訓練っていっても結局はお前のためじゃん。大切なご主人様をお守りするために、使い魔けんめいに訓練に励んでおりますれば。それって要するに必要経費だろ?」
 それを聞いたルイズは顔を赤らめた。
 そ、そうなんだ。姫さまをお守りするためじゃなくて、ご主人様の私のために頑張っちゃてるんだ。つまりは姫さまよりも私の方が大切だってことよね?
 なんて考えたら、嬉しくなって顔がにやけた。才人も照れたりしてるのかしらと、ちらっとその様子を伺う。
 ところが当の才人はけろっとしたものだ。自分の腕を眺めながら、いてぇいてぇと呻いている。どうやら特に深い意味もなく発した言葉だったらしい。あーもう。
「使い魔のくせに生意気! ほら終わったわよ!」
 ぱちん! 腹立ちまぎれにもう一度背中を叩いてやった。
「おーさんきゅ」
 言いながら、才人は立ち上がると、確かめるように腕をぐるぐる回した。白いシャツ一枚越しに肩から背中にかけての筋肉が動く。そう言えば出会った頃に比べるとずいぶんと逞しくなった気がする。ルイズは感心して眺めた。
 そうね。確かにちょっとは努力を認めてあげてもいい。ご主人様のために頑張ったというなら、一応は褒めてあげないとね。主人としての務めだもの。
 それでもって、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、ご褒美をあげてもいいかもしれない。
 そんなふうに思って、
「ねえ、ずいぶんと急いでたようだけど。これから何かあるの?」
 薬箱を片付けながら、何気なく尋ねた。



548 名前:王様GAMEと三角形 〜NextDay〜 ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/07(日) 01:59:21 ID:gDS/b+4X

「え、別に。なんでだよ」
「窓から見てたわよ。あんた、すごい勢いで走ってたじゃない」
 にんまり笑う。途端、才人はしまったという顔つきになった。
「あ、あれはそのえっと。そうだあれだよ、デルフの手入れ。そろそろしてやらないとな」
「この前したばっかりじゃないの」
「そ、そうだっけ?」
「そうよ。4日前だったかしら」
「よく覚えてんなあ……。とにかくデルフの奴がうるさくてさ。汚ねー気持ちわりーすぐ磨けーって。あんまり駄々こねるもんだから仕方なく……」
 まったく往生際が悪いったらない。
 少し脅かして、後押ししてやらないとダメみたいだ。
 ルイズはつんとすまし顔をこしらえると、
「なら私は外を散歩でもしてこようかしら。邪魔しちゃ悪いものね。バカ犬とバカ剣はバカ同士どうぞごゆっくり」
 ぽかんとアホ面を見せる使い魔をしり目に、開きっぱなしの窓とカーテンをささっと閉めて、
「お留守番よろしくね」
 と部屋を出て行く素振りをみせる。
 そしてふと思いついたように立ち止まり、「あ、そうそう」、振り返った。
 くるり。
 両手を後ろに組んで、爪先立ちで器用に一回転。
 等幅に折られた紺のプリーツが舞い上がって、綺麗な円を描く。
 すらり伸びた足の黒いニーソックスの上に、一瞬だけ白い肌がのぞいて……。
 さらにもっと上までちらり見えて……。
 すぐに隠れた。
「いいの? 止めなくて。ひっぱたくなら今のうちよ?」
 軽く小首をかしげながら、思わせぶりにそう言うと、すぐさま腕をつかまれた。
 次に才人が口にする言葉を、ルイズははっきりと確信した。
 もちろん言わせた後でどうするかは……、それは自分の気分次第だ。
「あ、あのさ。昨日の約束ってまだ有効?」
 満足げにその言葉の余韻を受けとめて。さてどうしようかと考える。
 とりあえず。今のご機嫌がどうかといえば、それなりに上等な部類だろうから。
 それならば……。
 焦らずゆっくりと、蠱惑的な笑みを漂わせて、ルイズは口を開いた。
 
 
〜FIN〜


549 名前:ぎふと ◆wp2/NZ6lZg :2008/09/07(日) 02:00:21 ID:gDS/b+4X
制服でくるりルイズVer。
すっかりかぶっちゃってますね。すいません。

550 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 02:04:04 ID:cQhZDjx6
>>549
新作GJ! 最後まで甘っ足る良くてほのぼのした話でした

551 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 02:05:24 ID:cQhZDjx6
↑ × 甘っ足る良くて ○ 甘ったるくてほのぼのした

552 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 02:56:17 ID:LtTNzSQs
>>549
GJ!
ルイズのくるくる、萌えた
しかも、その後に『軽く小首をかしげながら』ですとぉ〜〜
あ、あかん、鼻血が…


553 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/09/07(日) 03:02:20 ID:czzilJWB
また誤植
526の下から3行目
最初のカトレア× エレオノール○ 

保管庫はなおしました
んじゃ続き、でも終わってない、むしろエロまで到達してないのが問題

554 名前:ねえ、ちゃんとしようよっ! 〜Duo〜 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/07(日) 03:03:09 ID:czzilJWB
カトレアが元気になって、彼女の部屋で少し変わったところがある。
以前は、寝込む事の多かった彼女のベッドを中心に、植物の鉢や動物のケイジが囲っていた。
しかし今現在、彼女のベッドの周囲には、普通に調度が置かれ、小鳥や観葉植物はそのままだったが、大型の動物や植物は、この部屋の窓から増設されたガラス張りのサンルームに移された。
そのサンルームはカトレアが管理しており、エレオノールも入った事はない。
今、カトレアはエレオノールを伴い、そのサンルームに入っていく。
壁と同じガラスでできたドアを開けると、緑の匂いとむっとした湿気が溢れる。
そこはまるで、森の中だった。足元は石畳なものの、それは人の通る場所だけ。周囲を覆う緑の根元は、剥き出しの土だった。
中空を色とりどりの鳥が舞い、大型の昆虫もいる。茂みの奥をよく見ると、警戒の視線を送っている大型の獣もいるようだ。
ナニコレ、と呆気に取られるエレオノール。そこはまるで、野生の森の縮図であった。

「大丈夫よお姉さま。ここにいる子達は大人しいわ。人を襲うような子は一人もいないから」

エレオノールの心中を見透かしたようにカトレアは笑顔で言い、緑の隙間をすいすいと縫って歩く。
勝手知ったる自分の部屋らしく、その歩は全く澱みがない。
はみ出した枝を払い、足元を時折走り抜ける小さな陰に驚きながら、エレオノールはカトレアの後を着いて行く。
暫く行くと、急に視界が開けた。
そこは、円柱状に作られた煉瓦の塔。
天上だけはガラス張りで、上からは陽光が眩しく注ぐ。また、周囲にも幾つか窓があり、採光には十分な役目を果たしていた。
その塔の中央には、石造りの、大きな四角い台が一つ。
その上には様々な実験器具らしきものが並ぶ。
ぱっと見たところ、そこは研究施設のように見えた。

「カトレア、あなた…」

驚きながら周囲を見渡すエレオノールに、病弱だった次女は応える。

「元気になってから、植物の栽培の研究を始めたの。結構面白くてね、交配とかで新しい花を作ったりしてるわ」

言ってカトレアは石の台の上から、無造作に一つ鉢を取り上げる。そこには、青い薔薇が咲いていた。
エレオノールはじっとそれに見入る。魔法で染色すれば簡単にこんなものは作れるが、どうやらこれは純粋に交配と土で作り上げたもののようだ。
エレオノールは妹の技術に感嘆した。

「すごいわね。あなたアカデミーで研究者できるわよ」
「うふふ。ありがとうお姉さま。でもね、お姉さまに話したい事はそんなことじゃなくてね」

にっこり笑い、鉢を台の上に置くカトレア。
エレオノールは、そんな彼女に続きを促す。

555 名前:ねえ、ちゃんとしようよっ! 〜Duo〜 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/07(日) 03:04:30 ID:czzilJWB
「そういえばそんな事言ってたわね。
 話してみなさい」
「ええ。でもその前に一つ、お姉さまにお尋ねしたい事が」
「何?」
「お姉さまは、ラ・ヴァリエールの家名が欲しいの?それとも、サイト君の子供が欲しいの?」

いきなりの核心を突いた質問に、ぎくりと長女の身体が強張る。

「わ、わたしは、別にあんな平民なんか、どうでも」
「お姉さまはこう思ってらっしゃるわ。
『所詮肉体の快楽だけの相手、心まで預けたわけじゃない』って」

妹のその言葉に、エレオノールの心の臓がずくり、と重く鳴った。
その通り、と肯定する部分と、違う、私は彼が、と否定する部分があった。
エレオノールが答えに逡巡していると、カトレアは続けた。

「その通りだと思いますよ、お姉さま」
「え」

てっきりその考えを否定されるものだとばかり思っていたエレオノールは思わず面食らってしまう。
カトレアは続ける。

「私もそうですわ。所詮サイト君との関係はお遊び。一夜の夢を得るための、身体だけの繋がりです」
「ちょ、カトレア何言って」
「彼ですれば気持ちよくなれるから、彼が欲しい、そう言うことですわよね」

確かにその通りだが。
そして姉の不思議そうな視線を受けたまま、カトレアは続ける。

「でも、私はラ・ヴァリエールなんかいりませんわ。彼の傍にいられればそれでいい」
「え?」

話が見えない。所詮性具にしか過ぎない相手に添い遂げて、どういう利益があるのか。

「だって彼とするの、好きですもの」
「ちょ、カトレア、そんな理由で」
「あら?お姉さまは違うの?サイト君とスルの気持ちよくないの?」

確かに妹の言うとおり。
エレオノールが才人の正妻になりたいのは、公然と、好きな時にセックスをするため。
だが、彼女の倫理観がその答えを否定する。

556 名前:ねえ、ちゃんとしようよっ! 〜Duo〜 ◆mQKcT9WQPM :2008/09/07(日) 03:05:45 ID:czzilJWB
「ち、ちがうわよ!アレはそう、世継ぎを創るのに必要だから!仕方なく!」
「だったら側室でもいいじゃないですか?必要な時に、抱いていただければ、やや子は授かるものですし」
「う、ぐう」

確かにその通り。実際、王家が複数の妻を娶ったあとは、危険日だけ妻を抱く、ということをしている家もある。
だが、それではダメなのだ。

「したいんでしょ?素直にスルのがイイって言えばいいんですよ」
「そ、そんなわけ、そ、それに、キモチよくたってすれば子供はできるもんでしょうに」

エレオノールの言葉に、カトレアはくす、と笑った。

「じゃあ質問です。
 私は定期的にサイト君とシていますが、身篭りません。なんででしょう?」
「え?それはあなたが病弱だからじゃないの?」

急な質問に、少し考えすぐそう返すエレオノール。
しかしカトレアはひとさし指でばってんを作ると、悪戯っぽい笑顔で応えた。

「ぶっぶー。は・ず・れ。
 その答え、教えてあげますわね、お姉さま…♪」

言ったカトレアは、指をぱちん、と鳴らした。
すると、エレオノールの前に奇妙に膨らんだ鳥が飛んできた。

…いや違う!この無機質な瞳はゴーレム…!

その魔法で出来た鳥は、エレオノールの目の前でばふん、と息を吐いた。
その息には強烈な睡眠薬が混入されており、息を吸い込んだ相手を眠らせてしまう。
寝むって床に突っ伏した姉を、妹は笑顔で見下ろして、言った。

「どうすれば、気持ちよくなって孕まないか、教えてあげますね♪」

そしてカトレアはルーンを唱え、魔法でエレオノールの身体を持ち上げ、運んでいった。

557 名前:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2008/09/07(日) 03:06:20 ID:czzilJWB
いじょ。明日にはエロまで行くはずなので。
今日はねゆ。ノシ

558 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 04:01:32 ID:w+Xy9L/X
へんたいさんの書くssはへんたいばっかりだなぁ…

559 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 04:26:54 ID:LtTNzSQs
>>557
GJ
ちょっとカトレアが怖いw

しかし…
>…いや違う!この無機質な瞳はゴーレム…!
一瞬、ゴーレムをコンドームと読み間違えたのは俺だけ?^^;


560 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 07:02:38 ID:hCjxMY8R
( ´∀`)人(´∀` )

561 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 13:30:13 ID:cQhZDjx6
>>557
GJ!
カトレアは元々体が弱くて結婚できない体で
ヴァリエール公からすでに領地の一部を貰って自立している身だから
体面や跡継ぎのことを気にする必要がなく
体が元気になりこんなアナーキーな考え方が出来るのかも 

562 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 17:24:33 ID:Dc7IxxLr
そろそろ容量がヤバそうなので次スレを立ててくる

563 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 17:27:27 ID:Dc7IxxLr
次スレたてますた
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合34
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1220775967/

564 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 18:07:00 ID:/1Ci0wF6
乙ンリエッタ

565 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 18:11:07 ID:RAnbXyPO
風乙のタバサ

566 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 18:44:03 ID:KDYaEZ/h
胸乙のルイズ

567 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 21:50:19 ID:zo6OoWHR
胸零のルイズ

568 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:30:39 ID:BmwS4Zc0
「………ふう」
「なによ、サイト? 溜息なんかついちゃって」
「ん? いや、そろそろかなって」
「なにがよ?」
「お別れだよ」

「……………え?」
「もう大分世話になったしな。いつまでもここにはいられないよ」
「ま、待ちなさいよ!! 何でそんな急に…」
「限界なんだ」
「え………」
「だから、もう無理なんだよ。もうここには居られない」
「うそ…うそよ…」

「うそなんかじゃないさ。前からこうなることは決まってたんだ」
「何よそれ…なんで? …なんでいきなりそんなこと言うのよっ!!」
「言ったところで、ルイズには何も出来ないだろ?」
「そんなこと……分からないかもしれないじゃない……!」
「…わかるんだよ、これは…もう、仕方無いんだ」
「そんな……」

「さて、もう時間かな。行くぞデルフ」
「やれやれ、相棒もせっかちだねぇ。まだもう少し時間はあるってのに」
「そうは言ったってここに居たって何も出来ないだろ?」
「まあな」

「………………だ」
「え?」
「…やだぁ……」
「ルイズ?」
「いっちゃやだあ! 出てっちゃ、やだぁ! ……ひっく、えぐ…もう、鞭で叩いたりし
ないからぁ!…ひぐっ、犬って言わない、からぁ…一人に…うぐ、えぐ…しないでよぉ…
サイトぉ…」
「ルイズ……」


569 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:31:10 ID:BmwS4Zc0
「もうやなのぉ!! サイトがそばに居ないのはぁっ! だから…だから…どこにも行か
ないでぇっ! そばに…ずっと…いてよぉ…」
「ルイズ……」
「ぐすっ、えぐっ、ひっく……」


「……なにいってんだおまえ? なんで離れる必要があんだよ?」


「……………ふぇ?」

「あのなぁ、俺だけ行ったってしょうがねぇだろ。ルイズも一緒に行くんだよ」
「…え? え? だって、もう限界だって……あたしのことじゃ…」
「アホか、確かにルイズのわがままには我慢ならんが、それで出てくんだったらとっくに
でてくっつの」
「じゃ…出てくって?」
「あぁ、今のスレはもう500KB越えちゃうからな、次スレに行かなきゃ。書き込めないだ
ろ?」

「…………………………」
「早く準備しろよ? 遅くなるぞ?」
「………か」
「え? なに?」
「こんの…ばかあぁあああああああああああ!! まぎらわし言い方するなぁっ!! 不
安になっちゃったじゃないのぉっ!!」
「うわぁぁぁああああああああああああ?!」

「もう、ほんと…ばか…ご主人様泣かせるなんて…」
「悪かったって。…でも、ルイズは俺が居ないとダメなんだな、やっぱ」
「な、なによ急に?!」
「だって『ひとりにしないでよぉ〜』って。可愛かったぞ?」
「―――――――――っ!! あ、あれはっ!」
「あれは?」
「〜〜〜〜〜〜〜っっ! ……もう…ばかっ」
「ははは…ほら、置いてくぞ? ルイズ」
「あ、待ちなさいよ! ご主人様を置いてく気!?」


570 名前:コピペAA:2008/09/07(日) 23:43:41 ID:yxQ/fRTl
    ::  ::::::::  ::     |        />'´.:.::::::::::::::::/.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::\  入
    ::  ::::::::  ::     |       //.:.:::::::::::::::::::::/.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`く.:.:.:.ヽ
    ::  ::::::::  ::     |      /.:.:.:.::::::::/.::::::/{.:.:.::::::::::::::::::ヽ:::::.::::::::::::::::::::ヽ.:.:.:.',
    ::  ::::::::  ::     |    /.:.:.:.:::::::::::: |.:::::/  ヽ.:.:.:.::::::::::::::::ハ::::',.:.::ヽ::::::::::::ヘ.:.:.:l
    ::  ::::::::  ::     |   ./.:.:.:.: ::::::::::: :l.:::::l   \.:.:.:.::::::::::| !.::|ヽ::::!.::::::::::::::l::.:.|
    ::  ::::::::  ::     |   l.:.:.:.:.::.::::::::::::::lィ七!  ̄`  ヽ.:.:´ ̄厂l.:メ、 ! :!.::::::::::::::|:::::|
    ::  ::::::::  ::     |   ヽ.:.:.:.:.::::::::::::::N>≠=ミ   i .:::::ィ=≠</ヽ|.:.::::::::: /::::::l
    ::  ::::::::  ::     |   入.:ヽ.\:::::::l〃i圦 /i    }:/ i圦 ./jヾ</.:.::://!:::::::::l
    ::  ::::::::  ::     |   /.:.: ヽ:\lヘ_:ヾ r'::::::リ      r':::::::リ 〃_/´:::::l:::::::::::.
    ::  ::::::::  ::     | . /.:.::::::!.:.:.:::::::::.ヽ` ゞ=''         ` ‐=''  7.:.:.::::::::::::|:::::::::::ヽ
    ::  ::::::::  ::     | /.:.::::::::|.:.:.:.::::::::::::', :::::.:.:.    j    .:.:.::::. ノイ.:.:::.:::::::::|::::::::i::::::ヽ
    ::   ::::/{l_ ::       | /.:.::.:.:::::|.:.:.:::::::::::: ハ       _         / .:.:.::::::::l:::|::::::::|::.:::::::',
    ::  /{! .l h::     | |.:.:.:!.:.::::j.:.:.:.:::::::::::::: \    ` ’     /.:.:.:.::::::::::j:::l::::::/:::.:::::::::l
    ::   { l Nl::      | l.:.:.:i.:.:.::ハ.:.:.:.::::::::::::::::::::l`ト、        イ/.:.:.::::::::::::/l:://.:.::::::::::l::|
    ::   |  ! :l l::       | ',.:.:.:ヽ.:.::::ヽ.:.:.:.::::::::::::::::ヘ ,⊥≧-≦ ⊥ /.:.:::::::::::::://:ィ:::/.:::::::::::/!:l
    :r=、 |  l l }:       | ヽ :.:.\.:.::::ゝ ::::.:ヽ ::::::::}|n  , ‐、 n〃.:.::::::::::/:::/ /.:.::::: / j/
   .:j  ! j  ` ヘ.      |   >イヽ::_.:::>ーヘ:::::::j|U {0 } U{.:!.::::::::〃ー'´ ∠.: -‐<._ /
   ::{  l/   ,ィ=l     | r'´: : : : : : : :`ヽ、: : }:::::人  `‐'_ _ j∧::::::/_, -'´: : : : : : : : : :}
   ::l  l   /: : :|      | |: : : : : : : : : : : : : : :j::/: : ヽ ̄/ ヽ/: :ヽ/: : : : : : : : : :: : : : :.ヽ
   ::|   `' /: : :/|      | V'´: : : : >、: : : : :/'´: : : : : :∧ヽ ヽ: : : : : : : : : : /: : : : : :ヽ: |



571 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:44:43 ID:KDYaEZ/h
ロイヤルビッチ様!

572 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:52:13 ID:BmwS4Zc0
やっぱりルイズが一番ですね!

573 名前:コピペAA(ルイズ):2008/09/07(日) 23:55:51 ID:yxQ/fRTl
              ___ _
            , ィ´,. - ´  `>
             /  !/      i  `丶、
            /          /-‐′  \
          ′ /  _/__    .ハ     \
          ′ .|   |  `メ、./ !  /   ヽ._
       /    !  ィォ=ミ、′/  /__ィ !`T´
.      /  /| |   弋zり  /-‐'"_ /`/ ./
.       /  /∧∧ \ ヽ     fリノイイ/
     / /,. -- 、ヘ  ト、!,.へ._  ' / イ      ,、__
,. ---一'´ /::::,. -‐:ミ|   !、{__)ノ _,ノ /!      / ,.、,   `ヽ
     , -/::::/::::/::\|   |ヽエT::´:|  ∧ヽ    /ノ//,.ィ ,ハ: ̄`ヽ
    / ハ:::::|:::/:::::::::::!   !:::::f⌒ヽ! | |、` ̄! ./,/_/_/´/_/:::::ヘ:::::::::ヘ
  /|  / ヽ:l:/::::::::::::::|   l::::::ゝ._,ハ! ! \! //./::l:::::::::::::::::::::::ヘ:::::::::ハ
  ヾ、    ./:::::::::::::::::|  |:::::,.イ|:|\ヾ //ァ/:::::l:::::::::::::::::::::::::ハ:::::::::キ
\   \  /:::::::::::::::::/ | l/ l|||   // |/ .ハ:::::::ヽ:::::::::::::::::::::::ハ:::::::::i
. __二ニュ ヽ!::::::::::::::::/  '.|  ||||//l ! l .ハ:::::::::::ヘ:::::::::::::::::::::::ハ::::::::!
´     ノl:::::::::::::::/    ヽ、 ljく/、 _| ',.! .ハ:::::::::::::::ハ::::::::::::::::::::::ハ:::::::!
    / /::::::/:/`ヽ \  !`'.    | \ .∨:::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::ハ:::::|
   ,.イ  /::://  /|`T i ノ ノ   ! ヘ  ヽハ::::::::::::::::::::::ヘ:::::::::::::::::::::::ハ:::!
、l  ! | く//|  / |::::∨ /     ヽoヽ ハ:::::::::::::::::::::::::lハ:::::::::::::::::::::::ハ|
. ヽ | 乂//::::::}     !:::/,イヽ     / ヽ_∨ ` ー---一'!¨ヘ::::::::::::::::::::::ハ、
.   `/´::::::::::::! |   |::ヽ!:∨!_/ ./  /./        ′ `、::::::::::::::::::::ハ:ヽ
rォ:':´::::::::::::::::::::||   !:::::::::::L/_/, ´  ,′         .′  ゙、:::::::::::::::::::キ::::\
/:::::::::::::::::::::::::://   |::::::::::::::i  X___/|          ′     l',:::::::::::::::::::l::::::::::\
::::::::::::::::::/:::/'    |::::::::::::::l/:::::::,.イ:::::l|       .′     !ハ::::::::::::::::::l\::::::::::ヽ
::::::::::::/::::::/ ヽ  /.!::::::::::::/::::::r'´::::|::::::ヽ           ,:':::::i::::::::::::::::::l、::`丶、:::
::::::/:::::::::::`ト---一ァ´:::,.-一ヽ::ノ'´:::/::::::::::ハ     ′   ∠--、:!::::::::::::::::::!'.` ー-
/:::::,rァ´ ̄`` ー‐j:::::://´ ̄/:::::::/:::::::::::::::}     ノー一' ´    ハ:::::::::::::::!:|
|:⊂´-r‐一__,. -‐'::::く::::::::::f´:::::::::::'、:::::::::::::::!_,  '´        _/:|::::::::::::::::,ム:!
:!:::::::::::: ̄:::::::::::::::::::::::::::ヽ_::::::'、::::::::::::::\:::::::::j          /::i:::::\:::::://ヽ
::!::::::::::::::::::::::::__,. ----一`ー-へ:_:::::::::::::ヽ:ノ          ヽ::\::::::く`>':::::::::::ヘ
::ヘ:::::_,. -‐ ´            ` ̄ ̄´              \::>、:::::ヽ::::::::::入
:::::::\                                    く:\::::` ̄:::ノ:
::::::::::::::`::ー‐---- 、                              \:`:: ̄´::::;
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` ̄:::`::ー-、                        ` ー一'´
::::::::::::::::::::::::::::::_:_:_:_:_:,. --―一'´
ー-、:::::,. -‐ ´


574 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:58:05 ID:KDYaEZ/h
(胸が)ゼロのルイズ!

575 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:58:10 ID:EVafyi6r
だが、きゅいきゅいは譲れない

576 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:59:54 ID:7Gqv5ODP
そしてタバサは俺の嫁

577 名前:コピペAA(シエシエ):2008/09/08(月) 00:01:22 ID:yxQ/fRTl
             /  °   \
            /         ` ー―― ┐
        r‐‐ '´    _  _ _        |
        |゚    >' ´       `¨ <.   |
        |  ./      |        \ ∧
       /∨   !  |   ! ヽ \      V  ', ☆
     /   ,   !  ハ  ヽ  ヽ \  ヽ.    !   人
    /     !  | | ヽヽ  斗 十 ‐ト、  |    |  `Y´
    ヽ    ハ /.厂 ` \| \_ 」_ |ヽ.`ト!    |    _i_
     \    ヽ∨,x≠ミ    ´圷心ト、Vi|   /     .!
      *\\   V ト、_ハ     ト、_ニi| ! リ   /     ;
    _!_    >|ヽNi V_rリ     ヽニ ツ /   /   *    _i_
  。:  !   / |  ハ :´::::  ヽ    ::::: /   /  。      !
     , ―〈\|   ハ.    r ‐ ァ   /   /       。     人
*    /   \|    > 、   ー   /   /     *       `Y´
    |   \. ∨  厶イ< i  、 イ/  人        __ __
☆   >、_   ∨ /: : : : ヘ>‐' : / /ノ: :\_,. ‐<    /.::.:.}
 ;  / \      ハ/: : : : : V{_: :/イ: : : : : : :./ ,. - ¨¨刀  〈::.:..:.:.:|
 * ./|   \    |: : : : : : r=く: : : : : : : : : :厶/   ,∠::厶イ:.:.:.::r┘
 /:::|     ー  !: : :._,厶{O }ハ: : : : : : : :./     /:::::::::::::::|_:厶
〈:::::::::::\      ∧: :/ 、 `‐くi | : : : : : : /  ー―┴┐::::::::::|::.:.:.:.:|
. \:::::::::::`ーr___/// ヽ.{ヽ-イ_ハ: : : : : :/___  /::::::::::::::|:.:./
   \::::::::::::::| /: : : / ヽ、 \rヘつ!: : : : :.|   /ヽ|/:::::::::::::::::|/
    |::::::::::::| |: : :.〈 、  `ー‐ヘ.∧―‐く: ∧/:_::::::::::::::::::::::::::::|
    |::::::::::::|: : : : :.\ヽ ____)  \rく/√|フ:::::::::` ー-、::::::::::::|
 *   |:::::::::::|: : : : : : : \ヽ __,// ⌒ヽ\ ∨―-、::::::::::::::::::::: ̄::〉
  ;  /::::::::::::\: : : : : : : :.`ー'/||::::::{⌒} ! }く:::::::::::::::\::__:::/
  :  |:::::::::::::::::::\: : : : : : :/ \:::::: ̄:ソ  ∨:::::::::::::/
 。  |::::::::::::::::::::::::: ̄:_」/     ̄ ̄   人:::::::::::|
  ;  ∨::::::::::::::(二二. __ / _  _  /´  /: : :\::/> 、
 _人_  \::::::::::::_/  / ./ / /  /: : : : : /!    `>、
 `Y´    >‐'   / ./ / /{__/ : : : : : /:::人      \
     /     〈 / /〈/  \: : : : : :/:::/  \     /
.   /       `ー'        \ ̄::::::/        /


578 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 00:01:40 ID:Vv8uvDVU
>>576
不許可
だが、俺の嫁としてアニエスを回すのなら考えてやってもよい

579 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 00:02:12 ID:EVafyi6r
タバサときゅいきゅいはセットですか?

580 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 00:02:13 ID:0rCg+1XV
ああきゅいきゅいがきゅいきゅいだよきゅいきゅい

581 名前:コピペAA(タバサ):2008/09/08(月) 00:04:16 ID:yxQ/fRTl
                                    /:::  /        〉::::  |
                                     |::: /        /:::   /
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              _,.イ~           `ー、             /:::  〈
             /                   \            〉::::  〉
            /                   \        /::::  /
.             /                        ヽ        /:: /
.          /      !     |  |   |        'i,       /ミミ/
          |       |ヘ     :|  |__ム、_/  i     |     /ミミ/
            {    ヽ |_ハ    :ノて~レ' レ'   :/      !    /:: /
           | 人  ''て丁ヽ :/ ,-=テ云示`ヽ/ / .. :: : }   /::  |
         |  \ ,ィテ示 ∨    辷 少 | / /  :: :: ::/   /:: /
         ∨ \〈 K_;ソ r-‐く、  ~  _,イ / :: :: /  ./ミミ/
          ヽ \ \  _ノ、   `ー─''"/// :: ::∨ /::  /
            ヘヽ < ̄         / ,.イj :: //  Y:: /
             \, 〉、   ー       //  :/|/  /:: l
               ∨> 、.      ,.イ |  ::/ /  ./:: /
                 ヽ__>‐ '" _,,.ィ<ー‐ゝ、 ./:: /
                /:::/`T ̄ _,. <:::: ::: ::::ヘ/:: /
            _,.イ⌒:::: ://^ヽ /:::: ::: :: :: :: '"/:: /
           /::: ::: :: : 〃   /::: ::: ::,,/::: :: ::/:: ∧
          /:::〈: : :: :: :: :| /::: ,,,;:: ::: ::: :: :: ::::/:: / :::\
            /:: ::: \:: ::: :: |/::: /::: :: : : ::: ::: :: /:: /_,,,.:: :: 〉



タバサのAAは少ないな
見つからん


582 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 00:05:25 ID:KDYaEZ/h
タバサはうちの妹。ただし血はつながっていない

583 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 00:06:07 ID:N/YzfZUP
>>583ならルイズとサイトは結婚して幸せな一生を送る。

584 名前:コピペAA(アニエス):2008/09/08(月) 00:07:41 ID:yxQ/fRTl
                                  _ /         ` <__
                            /              \二ニ=-
                          / /                  \. \
                         /  ./     / l   l   ト \   \ \
                        / ィ  /    / /-┴┘ ̄  ̄V ト、 ハ ト、|
                       ̄ /  .|ハ  /| ̄ __     / .∧ l | ノ
                            ∠ イ  ' /. トャt-x`‐'   r:チフム ト、|l/
                 >-、        //| l∨ | `‐┘    ̄ l  |
               /   ./-――- 、l/ V|,ィ|  \ "    `  ノ l |
          ,. --/    /二.:\   \へ \   \.  ⌒ /|: :/l L_
        ,-― :'´: /     /: : :}.:.:.}     V<l. \\ト->-く.  |:/ ,.く ̄`
     /: : : .:/       ∧ : : |:.:/      |ト、 \ \トヘ.:.:||.:.\   /  \
      /: : /      , <: :l.: : : レ ,.--    || ト、  \\\.:{{.:.:.:.:>‐ろ\ }
二二ニニ===l ̄|   / ム-―'´/      ,〃| l \  `YΤ ̄ ̄ ,.く===〈L__
         |_| / ,イ |  >、      __∠.:.:..| l   \_/`ス ̄ ̄凸  f===、. |
        //∠_/ |_j //  ̄ ̄l ̄   ハ.:.|. V _/ /,.へ_  凹 ./ "" V
_______〃// /- ┘//    l  |    | { |∧  \_./ /     ̄ ̄       '.
      // ̄'ー′  //    j  l |   |  V: \   /              }
ァ―――'/       //    |  l |   |  V: : :\/: : . .     . : : : : : : :/
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585 名前:コピペAA(ティファニア):2008/09/08(月) 00:10:40 ID:uJsWxqO/
.       /            ト、 !        |  |   |   |  | |
      | :.   |:         |: 斗    ー} ┼卜l   |   |  | |
      | :.   |:   \ / |\八     ハノ |丿`}メ:   }  | |
      | :.   |:    | \_jz≦ \  /  示⌒`≪ |  /  匸二ニ =ー- ァ
.        '; :   {:.   V ≠⌒7l   ヽ/   | ト-リj 》 /   {     / /
    ,.イ八   八   |〃 {ト-りj_        ゞー< .' イ     |ニ=-< ´
  / /_  \{h\从 ゝ >''". .    .:   : : : : : : : 从   |   `ヽ
/ ∠   _.二 了   ∧ : : : : : : :  ′       イ'      |       '
 -‐… ア´    |   ′ヘ          _       , ' |       |      }
    1     |      个 _      ⌒     /  |      |       {ヽ
.. //|    /  //  ,リ  {>. _   ,..イリ   八     ハ     l  \
/    j    /      /   \ヽ   ̄  //       ',  / ∧      |ヽ
.     ′   ,′\    /    ‐- \x   〃 /    ∨     ',    |  \
   /   /\   -‐/          zぅ≠く         ',  /  ∧   _ノ|
/ 介─マ′   ─ 7        ((   ))          Y      Y´:/ト、
  /: :|〉:/         /       /ミ竺彡\        |      ∨  v: :\
. /: : :|:/ /,   |   /      ,r<´  ミY/〃  `>、      |   ',    ト、  V : :.\
/:.-=彡イ    |   {   ,r<     ヽキ≠      >、    |   ハ   い\ ∨ : : 〉
: .: :}: :|: |   ∧  {  /         'キ/         \  | / |:   | | : \レ'⌒
廴ムイ: |   l: :|\ 乂          ∨             乂 /  1  | | : : :
: : : : : :..|   l:/|/`ヽ}             v          ∠ /\ |   从厂 : :
: : : : : :..|   | !                }{              Υ  /: : : : : : :
: : : :.:. : |   ヒ圦             i!              /| /: : : : : : : :
: :. : : : :.'   | Α                 !                 ,イ:.レ( : : : : ; :.>‐
: : : : : : ハ i ヒ幺癶、             人           /んヘハ.: : ´/
_: : : :../ 乂_|     \           /∠\         /    |  ∨ /
  ̄7    |         `ヽこニ=-‐彡-‐  _>‐-=こシ´       |   Y
  ,'     |          `‐-辷___r´              |    '.
. /    |  _,, .. ... :-== ニ==┤ |_,,,...-== ニ==-: .. ..,, ,_|     ,


586 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 00:10:48 ID:giVWSeG4
たまに職人さんがお別れSSを書いてくれる場合があるから
巨大AAで無理やり流すのはやめようぜなんだぜ

587 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 00:12:01 ID:RyITjGW4
ティファのAAは容量食いそうだなw

588 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 00:14:10 ID:uJsWxqO/
>>586
了解

589 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 00:21:06 ID:Kp++33jJ
ルイズと違ってなwハハハハハw


なんか向こうの方から光がくぁwせdrftgyふじこ

590 名前:ツンデレ王子:2008/09/08(月) 02:40:17 ID:uJsWxqO/
残り容量僅かですし、埋めネタで3レスほど
お借りしますね

591 名前:抽選会:2008/09/08(月) 02:41:15 ID:uJsWxqO/
 ある虚無の曜日。
 サイトは王宮に招かれていた。
 同時に、彼を狙う女達も集結している。

「ここに0〜6までの数字が描かれた石があります」

 十個の石を麻の袋に入れると、この企画の主催者でもあるアンリエッタが
趣旨を説明し始めた。

「これから、わたくしたちはこの石を一つずつ引いていきます。全員が引き終
 わったらサイト殿に適当に数字を仰っていただき、その数字を持った者が
 今日一日彼と過ごせる―と、そういったゲームですわ」

 彼女を除く集まった女達(ルイズ・シエスタ・タバサ・アニエス・ティファニア)
の五人はお互いに顔を見合わせる。確かにここ数年サイトを巡っての争いが
絶えず、時には怪我人が出たりすることもあったのだ。こういった平和的解決
なら、彼女たちも不満は無いだろう。
 いや、一人居た。

「ちょ、ちょっと待ってください!サイトはわたしの使い魔ですわ。いくら姫さま
 の発案でも認められません!」
「あら、ではルイズ貴女に伺いますわね。今までの様に血で血を洗う争いで
 彼を取り合っていたら、それこそ貴女もサイト殿と過ごす時間が取れなくな
 るのではないかしら?それに彼にとっても巻き込まれて怪我を負う心配が
 無い分、良いと思うのだけれど?」
「う…」

 痛いところを突かれ、黙り込んでしまうルイズ。
 結局、しぶしぶながらもアンリエッタの提案を受け入れる事になった。

「あの…わたしたちは6人ですよね?
 もしサイトさんが選んだのが、誰も選ばなかった数字だったらどうするんで
 すか?」

 おずおずと手を上げて疑問を口にするシエスタ。

「そ、そんなの決まってるわ!その時はご主人さまであるわたしが」
「いえ、その時は誰にも権利が無いものとします。毎回誰かしらの相手を務め
 ていたのでは、さすがのサイト殿でも疲れてしまいますからね。勿論その日
 は、抜け駆けは無しですからね」


592 名前:抽選会:2008/09/08(月) 02:41:51 ID:uJsWxqO/

 それではとの彼女の掛け声と共に麻袋は順番に手渡り、女達は数字の描
かれた石を取っていく。

 それぞれの番号は――
 0:該当者なし
 1:ルイズ
 2:シエスタ
 3:タバサ
 4:ティファニア
 5:アニエス
 6:アンリエッタ           であった。

(サイト、1番以外を選んだらひどいんだからね!)
(サイトさん、2番って仰ってください)
(…3番)
(サイトお願い、4番選んで)
(5と言えサイト。でないと…)
(サイト殿、6番、6番を選んでくださいまし)

 期待を込めて、皆サイトを見つめる。
 果たしてサイトの口から出た番号は――






「んー、じゃあ……ゼロ」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」






593 名前:抽選会:2008/09/08(月) 02:42:35 ID:uJsWxqO/



 誰も取らなかった番号を選んだサイト。
 取り決め通りその日一日は誰もアプローチを仕掛けて来なかった。

 そして時間は流れ――深夜、日付が替わった後のこと。

「おい、犬!」
「は、はい」
「ねぇ、どうして昨日ゼロなんか選んだの?」
「えっと、それは…」
「あれだけわたしが1番を選ぶように念を飛ばしたってのに…」
「いや、あれはお前を選ぼうとしてだな」

 その言葉に、思わず頬を染めてしまうルイズ。
 しかし、その後のサイトの言葉が彼女を一変させた。

「ほら、お前って虚無だからゼロだろ?
 しかも胸までゼロだからさ、絶対に選んでるのはゼロ番だと…」
「な、なな、なんですって〜〜〜〜〜〜〜〜!」
「い、いやだから…」
「む、むむ、胸までゼ、ゼロですって〜〜〜〜!」

 しまったと思ったが時既に遅し。
 ルイズの肩がわなわなと震え、その手に持っていた鞭に魔力が充填されて
行く。

「ちょ、ルイズ待て!わ、悪かった!謝るから…」
「問答無用!」



 その後、朝までトリステイン魔法学院の女子寮にはサイトの叫びが木霊
し続けたのは言うまでも無い。






-END-


594 名前:ツンデレ王子:2008/09/08(月) 02:43:13 ID:uJsWxqO/
以上


595 名前:ツンデレ王子:2008/09/08(月) 02:44:49 ID:uJsWxqO/
みすった〜

>>591
>十個の石を〜
十個じゃなくて七個です

失礼しました^^;

596 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 02:46:08 ID:giVWSeG4
乙。たまにはサイトにも休息が必要ってことで。

そして去り行くこのスレにも永遠の安息を・・・

597 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 02:46:12 ID:D/Tf7qUU
はっはっはっは、それでこそサイトだww
GJ!!


598 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 12:52:56 ID:WSPJ4rKj


599 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 18:11:09 ID:Ew2kRoHF
>>595
スレの最後の土壇場でGJ!

600 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 22:26:53 ID:J9o4ZiT0
GJ!
次スレ>>563

601 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 23:31:11 ID:bj7oV5AX
とりあえず埋めのためにエロSSに使う単語を放り込んでみる

牝・肉・肌・悦(歓)・楽・恥・痴・欲・乱
淫・艶・妖・柔・媚・情・蕩・粘・熟・濃
美・麗・色・香・甘・愛・女・白・桃・赤
凄・惨・乱・苦・臭・罪・虐・嬲・
滑・潤・濡・溶・酔・沈・崩・灼
かおる・くゆる・ゆらめく・けぶる・霞がかる・もやがかる
ぬめる・ただれる・溶ける・うるむ
うたう・叫ぶ・鳴く・声・あえぐ・よがる・ほとばしる・こぼれる
よじる・うねる・震える・わななく・おののく・うごめく・のけぞる・さざ波立つ・痙攣・揺れる・こねる

602 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 23:33:37 ID:Yw16cQM+
らめぇぇぇぇ
くぱぁ
ちんぽみるく

603 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 23:35:29 ID:bj7oV5AX
あとちょっとだから埋まるかと思ったらぜんぜん足りなかった・・・ orz

604 名前:お姉ちゃんが好きな人なら分かるネタ 埋め用:2008/09/09(火) 00:18:09 ID:s5KY1NM9
サ「ただいま」
シ「お帰りなさいませ、サイトさん」
ル「おかえり、サイト」
サ「今そこでさ、凄いもん見ちまった」
ル「凄いもの?」
シ「何ですか?」
サ「エレオノールさんがさ、犬のヌイグルミをギュ〜って抱きしめててさ」
シ「……」
ル「……」
サ「すっげー幸せそうにしてんの」
シ「ええええ、あのエレオノール様が!?」
ル「サイト、それは見ない振りをしなさい」
サ「何だルイズ、知ってんのか?アレはいったいなんなんだ?」
ル「姉さまが抱いてるのはね、ウェン○ニャ○って言う名前のヌイグルミなのよ」
サ「へ〜」
ル「誰にも言っちゃダメだからね」
サ「何でだ?この事知ったら、エレオノールさんの人気ももっと上がるだろうに」
ル「アレはね、エレオノール姉さまじゃないの!中の人の趣味なの!
  だから誰にも言っちゃだめ!」



山無し落ち無し意味無し
埋め


605 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:37:20 ID:V3faSw2T
うまうま

606 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:42:46 ID:hsEctLsN
>>606ならサイトとルイズは結婚して幸せな一生を過ごす。

607 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:44:04 ID:Wp7UsNWO
>>607なら>>606は無効
そしてサイトとルイズはドタバタ劇をしながら一生を過ごす

608 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 01:11:31 ID:hsEctLsN
一生一緒にいてくれるならそれでいいや(´・ω・`)

609 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 01:32:13 ID:IXiRROwa
サイトは慕ってくれる女の子たちをすべて娶る

610 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 01:33:43 ID:pAMR3bNo
http://club.nintendo.jp/member/exec/index

611 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 14:46:13 ID:aMhFB86M
秒読み 5

612 名前:名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 14:48:29 ID:aMhFB86M
秒読み 4


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